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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-192872(P2020-192872A)
(43)【公開日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】車両のピラー構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/213 20110101AFI20201106BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20201106BHJP
【FI】
   B60R21/213
   B60R13/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-99143(P2019-99143)
(22)【出願日】2019年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】六浦 賢司
(72)【発明者】
【氏名】山口 祐市
(72)【発明者】
【氏名】原山 司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 由貴
【テーマコード(参考)】
3D023
3D054
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB09
3D023BC01
3D023BD08
3D023BE03
3D054AA07
3D054AA18
3D054BB21
3D054BB22
3D054FF17
(57)【要約】
【課題】カーテンエアバッグ展開時にガイド部材にかかる負荷を軽減することができる車両のピラー構造を提供する。
【解決手段】ピラーインナパネル11bと、ピラートリム17と、ガイド部材30とを備え、ピラートリム17とガイド部材30とでヘッドライニング16の端部を挟み込む、車両のピラー構造であって、ガイド部材30は、カーテンエアバッグ14と対向して設けられカーテンエアバッグ14を展開時に車室内側に案内する案内面31と、案内面31より下方に設けられ、ヘッドライニング16に車室外側から当接し、ヘッドライニング16をピラートリム17へ押し付ける押さえ部36と、案内面31と押さえ部36との間に設けられ、カーテンエアバッグ14の展開圧力が案内面31に付与されたときに変形して、案内面31の車室内側を下方に撓ませる溝部33とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピラーインナパネルと、前記ピラーインナパネルに取り付けられるピラートリムと、前記ピラーインナパネルに取り付けられカーテンエアバッグを展開時に車室内側に案内するガイド部材と、を備え、前記ピラートリムと前記ガイド部材とでヘッドライニングの端部を挟み込む、車両のピラーの構造であって、
前記ガイド部材は、前記カーテンエアバッグと対向して設けられ前記カーテンエアバッグを展開時に車室内側に案内する案内面と、
前記案内面より下方に設けられ、前記ヘッドライニングに車室外側から当接し、当該ヘッドライニングを前記ピラートリムへ押し付ける押さえ部と、
前記案内面と前記押さえ部との間に設けられ、前記カーテンエアバッグの展開圧力が前記案内面に付与されたときに変形して、前記案内面の車室内側を下方に撓ませる溝部とを有する
ことを特徴とする車両のピラー構造。
【請求項2】
前記溝部は、車室外側に窪むと共に車両前後方向に延びる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のピラー構造。
【請求項3】
前記溝部の底部の車室外側を向く面に、前記ガイド部材を前記ピラーインナパネルに取り付ける取付部が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両のピラー構造。
【請求項4】
前記案内面と前記溝部の車両上方側の面との間に、両面間に亘って車両上下方向に延びる第1のリブが設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の車両のピラー構造。
【請求項5】
前記溝部の車両上方側の面から車両下方に突出し、車幅方向に延びる第2のリブが設けられる
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の車両のピラー構造。
【請求項6】
車両上下方向にスライド可能に前記ピラーに取り付けられ、シートベルトショルダーアンカの高さ位置を調整可能なシートベルトアジャスタ機構をさらに備え、
前記シートベルトアジャスタ機構は、前記ピラートリムに設けられた車両上下方向に延びる長孔に沿ってスライドするシートベルトアジャスタ本体と、前記シートベルトアジャスタ本体から車両上方及び車両下方に延び、シートベルトアジャスタ本体と共にスライドしつつ前記長孔を塞ぐスライダープレートと、を有し、
前記押さえ部には、車室外側に凹むと共に前記溝部と連通し、前記スライダープレートを前記溝部内に侵入可能とする凹部が設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両のピラー構造。
【請求項7】
前記溝部の上方側の面には、前記溝部内と前記案内面の裏面側の空間とを連通し、前記スライダープレートを前記案内面の裏面側の空間に侵入可能とする開口部が設けられる
ことを特徴とする請求項6に記載の車両のピラー構造。
【請求項8】
前記ピラートリムの車室外側を向く面には、車室外側に突出すると共に車両上下方向に延び、前記スライダープレートを前記開口部内に案内するガイドリブが設けられている
ことを特徴とする請求項7に記載の車両のピラー構造。
【請求項9】
前記ガイド部材は、前記ピラートリムとは別体に形成される
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両のピラー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のピラー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のサイドウィンドウの上部のルーフラインに沿って、カーテンエアバッグが搭載されている。衝突時にはサイドウィンドウを覆うように、カーテンエアバッグが展開し、これにより乗員を保護することができる。このカーテンエアバッグが展開する際、その展開を案内するガイド部材がセンタピラーの内部には設けられている。このガイド部材は、センタピラートリムとの間でヘッドライニングを挟み込む役割も有する(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−98783号公報
【特許文献2】特開2005−313674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したガイド部材は、カーテンエアバッグ展開時にカーテンエアバッグによって車両下方に押されるような負荷がかかる。特に、特許文献1のように、ガイド部材とセンタピラートリムとを別体としたものでは、ガイド部材にかかる負荷をセンタピラートリムに分散させることができないため、この負荷に対してガイド部材のみで対応する必要がある。このため、ガイド部材の取り付けを強固にする必要があり、ガイド部材が大型化する。
【0005】
一方、特許文献2のように、ガイド部材とセンタピラートリムとを一体としたものでは、ガイド部材にかかる負荷をセンタピラートリムに分散させることができるため、ガイド部材にかかる負荷を低減することができるが、この場合もカーテンエアバッグ展開時の負荷に十分に耐えられるようにガイド部材を設計する必要がある。また、ガイド部材とセンタピラートリムとを一体としたものでは、ガイド部材とセンタピラートリムとの間にヘッドライニングが入り込むようにセンタピラートリムを艤装する必要があり、作業性が悪くなる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、カーテンエアバッグ展開時にガイド部材にかかる負荷を軽減することができる車両のピラー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する第1の発明に係る車両のピラー構造は、
ピラーインナパネルと、前記ピラーインナパネルに取り付けられるピラートリムと、前記ピラーインナパネルに取り付けられカーテンエアバッグを展開時に車室内側に案内するガイド部材と、を備え、前記ピラートリムと前記ガイド部材とでヘッドライニングの端部を挟み込む、車両のピラーの構造であって、
前記ガイド部材は、前記カーテンエアバッグと対向して設けられ前記カーテンエアバッグを展開時に車室内側に案内する案内面と、
前記案内面より下方に設けられ、前記ヘッドライニングに車室外側から当接し、当該ヘッドライニングを前記ピラートリムへ押し付ける押さえ部と、
前記案内面と前記押さえ部との間に設けられ、前記カーテンエアバッグの展開圧力が前記案内面に付与されたときに変形して、前記案内面の車室内側を下方に撓ませる溝部とを有する
ことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する第2の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第1の発明に記載の車両のピラー構造において、
前記溝部は、車室外側に窪むと共に車両前後方向に延びる
ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第3の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第2の発明に記載の車両のピラー構造において、
前記溝部の底部の車室外側を向く面に、前記ガイド部材を前記ピラーインナパネルに取り付ける取付部が設けられる
ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する第4の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第3の発明に記載の車両のピラー構造において、
前記案内面と前記溝部の車両上方側の面との間に、両面間に亘って車両上下方向に延びる第1のリブが設けられる
ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決する第5の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第3又は第4の発明に記載の車両のピラー構造において、
前記溝部の車両上方側の面から車両下方に突出し、車幅方向に延びる第2のリブが設けられる
ことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する第6の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第1〜第5のいずれか1つの発明に記載の車両のピラー構造において、
車両上下方向にスライド可能に前記ピラーに取り付けられ、シートベルトショルダーアンカの高さ位置を調整可能なシートベルトアジャスタ機構をさらに備え、
前記シートベルトアジャスタ機構は、前記ピラートリムに設けられた車両上下方向に延びる長孔に沿ってスライドするシートベルトアジャスタ本体と、前記シートベルトアジャスタ本体から車両上方及び車両下方に延び、シートベルトアジャスタ本体と共にスライドしつつ前記長孔を塞ぐスライダープレートと、を有し、
前記押さえ部には、車室外側に凹むと共に前記溝部と連通し、前記スライダープレートを前記溝部内に侵入可能とする凹部が設けられる
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第7の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第6の発明に記載の車両のピラー構造において、
前記溝部の上方側の面には、前記溝部内と前記案内面の裏面側の空間とを連通し、前記スライダープレートを前記案内面の裏面側の空間に侵入可能とする開口部が設けられる
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第8の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第7の発明に記載の車両のピラー構造において、
前記ピラートリムの車室外側を向く面には、車室外側に突出すると共に車両上下方向に延び、前記スライダープレートを前記開口部内に案内するガイドリブが設けられている
ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第9の発明に係る車両のピラー構造は、
上記第1〜第8のいずれか1つの発明に記載の車両のピラー構造において、
前記ガイド部材は、前記ピラートリムとは別体に形成される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カーテンエアバッグ展開時にガイド部材にかかる負荷を軽減することができる車両のピラー構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る車両のピラー構造の実施形態の一例を示す図であって、車室内側から見た斜視図である。
図2図1に示したガイド部材を示す図であって、車室内側から見た斜視図である。
図3図2に示したガイド部材を車室外側から見た斜視図である。
図4図1のA−A線矢視断面図であって、ヘッドライニングを含めた図である。
図5図4に示したガイド部材周辺の拡大図であり、その動作を説明する図である。
図6図1のB−B線矢視断面図であって、ヘッドライニングを含めた図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図6を参照して、本発明に係る車両のピラー構造の実施形態を説明する。なお、図1は、ガイド部材を示すため、ヘッドライニングを外した状態を図示している。
【0019】
[実施例1]
本実施例の車両のピラー構造は、センタピラー10に適用されており、カーテンエアバッグ14を展開時に車室内側に案内するガイド部材30を備えている。ガイド部材30は、樹脂製であり、センタピラー10のピラーインナパネル11bに取り付けられたアッパトリム17(ピラートリム)とは別体で、車両の車体側となるピラーインナパネル11bに取り付けられる(図1図4参照)。
【0020】
ここで、車両の車体側の構成について、図1図4を参照して説明する。センタピラー10は、車室外側のピラーアウタパネル11a、車室内側のピラーインナパネル11bを有している。センタピラー10のルーフ側端部(上端部)は、図示しないルーフパネルと接合されている。
【0021】
そして、ピラーインナパネル11bに取り付けたガイド部材30の上方にカーテンエアバッグ14が配置されており、カーテンエアバッグ14の支持部材(図示省略)がボルト15により、ピラーインナパネル11bに固定されている。また、カーテンエアバッグ14を内部に収容するように、ルーフ側からヘッドライニング16(天井側内装部材)が延設されており、その先端部がアッパトリム17とガイド部材30とによって挟まれるように配置されている。センタピラー10には、シートベルトアジャスタ機構20が設けられているが、これについては後述する。
【0022】
ガイド部材30の各構成について説明する。
【0023】
ガイド部材30は、カーテンエアバッグ14の展開時に、アッパトリム17を乗り越えるように、カーテンエアバッグ14の展開を案内するジャンプ台31(案内面)を有している。このガイド部材30は、カーテンエアバッグ14と対向して設けられている。
【0024】
ジャンプ台31には、その断面内部を車両上下方向に横断するようにジャンプ台31の裏面(車室外側の面)と後述する溝部33の車両上方側の面の裏面(車室外側の面)との両面に亘って延びる支持リブ31a(第1のリブ)が複数設けられている(図3参照)。ここでは、一例として、車両前部と後部に2つずつ、計4つの支持リブ31aが設けられている。本実施例では、各支持リブ31aは、ジャンプ台31の裏面と溝部33の車両上方側の面とに連結されている。なお、各支持リブ31aは、両面に連結されている必要はなく、一方の面に対して当接される若しくは後述するようにジャンプ台31が撓んだ際に当接する程度の若干の隙間を有して設けられてもよい。また、近接する2つの支持リブ31a同士の間には、ジャンプ台31の面剛性を確保する補強リブ31bも設けられている。
【0025】
ジャンプ台31の車両上方側には、車両前後方向(ガイド部材30の長手方向)における2箇所に引掛け爪32が設けられており、この引掛け爪32が、図4図5に示すように、ピラーインナパネル11bに引っ掛けるように係止される。また、各引掛け爪32において、その車室内側には、複数の補強リブ32aが設けられており(図2参照)、その車室外側には、複数の補強リブ32bが設けられており(図3参照)、引掛け爪32の剛性に寄与している。ここでは、一例として、各引掛け爪32において、2つの補強リブ32aと3つの補強リブ32bが設けられている。
【0026】
また、ここでは、補強リブ32bと支持リブ31aが1つのリブとなるように、また、補強リブ32bと補強リブ31bが1つのリブとなるように、連続して形成されている(図3参照)。このようにすることにより、引掛け爪32からジャンプ台31に渡って剛性を確保することができる。
【0027】
ジャンプ台31の車両下方側、言い換えると、ジャンプ台31と後述する凸設部36(押さえ部)との間には、ガイド部材30の車両前後方向に沿って、車室外側に窪んだ(車幅方向外側に凹んだ)溝部33が設けられている(図2参照)。溝部33は、ガイド部材30の車両前後方向幅全域に亘って設けられている。溝部33の車両上方側の面(表面、すなわち車室内側の面)には、当該面から車両下方に突出し車幅方向に延びる複数の補強リブ33a(第2のリブ)が設けられている。ここでは、一例として、4つの補強リブ33aが設けられており、各補強リブ33aは、溝部33の車両上方側の面の車室内側端部から車室外側端部、すなわち溝部33の底部まで延びている。
【0028】
また、溝部33の車両下方側には、溝部33の底部から車室内側(車幅方向内側)に凸設した凸設部36が設けられている(図2参照)。凸設部36において、その車室内側には、複数の押さえリブ36aが車室内側に凸設するように設けられている。つまり、ガイド部材30の下部に、ヘッドライニング16の裏面に車室外側から当接する押さえリブ36aが設けられている。ここでは、一例として、4つの押さえリブ36aが設けられている。この押さえリブ36aの作用については、後述する当てリブ38と共に説明する。
【0029】
また、溝部33の底部の車室外側を向く面には、1対の嵌合爪37(取付部)が設けられている。この嵌合爪37が、図4図5に示すように、ピラーインナパネル11bの嵌合部(図示省略)に嵌合することで、ガイド部材30がピラーインナパネル11bに取り付けられる。つまり、ガイド部材30は、上部の2つの引掛け爪32と中央部の嵌合爪37とにより、ピラーインナパネル11bに取り付けられる。そのため、ガイド部材30の取り付けに工具は不要であり、ガイド部材30を簡単に取り付けて固定することができる。
【0030】
また、ガイド部材30の車両前後方向における両端部の下端には、各々、当てリブ38が車両前後方向に凸設するように設けられている。つまり、ガイド部材30の下部には、ヘッドライニング16の裏面に当接する押さえリブ36aと共に当てリブ38も設けられている。
【0031】
アッパトリム17の車両前後方向における断面は、略コの字形状となっているが、この形状に合わせて、ヘッドライニング16のアッパトリム17との合わせ部も略コの字形状となっている(図6参照)。そのため、上述した押さえリブ36aだけでなく、当てリブ38も設けられており、押さえリブ36a及び当てリブ38により、裏面側からヘッドラインング16をアッパトリム17側へ押さえ込み、アッパトリム17の車両前後方向の全幅に渡って、アッパトリム17とヘッドライニング16の合わせを安定して保持することができる。このとき、ヘッドラインング16の合わせ部を面で押さえるのではなく、押さえリブ36a及び当てリブ38で押さえることにより、ガイド部材30の製造誤差による影響を受けにくく、見栄え良くアッパトリム17とヘッドライニング16の合わせを保持することができる。
【0032】
ヘッドラインング16の合わせ部は、ピラーインナパネル11bに取り付けられたガイド部材30の押さえリブ36a及び当てリブ38を車両前後方向かつ車室内側から覆うようにし、その上からこの合わせ部を車両前後方向かつ車室内側から覆い、押さえリブ36a及び当てリブ38との間に挟み込むようにアッパトリム17を取り付けるだけで良いので、アッパトリム17を取り付ける際の作業性は容易となる。
【0033】
カーテンエアバッグ14が展開するとき、その展開圧力が車両下方に向かってジャンプ台31にかかるため、ガイド部材30に溝部33が無い場合には、この展開圧力がガイド部材の取付部(本実施例では嵌合爪37)を剪断する方向にかかってしまい、取付部に大きな負荷がかかるため、取付部を大型化したり、取付部の数を増やすなどする必要があり、結果、ガイド部材30が大型化する。
【0034】
そこで、本実施例のガイド部材30では、ジャンプ台31の車両下方側に溝部33を設けている。これにより、展開圧力がジャンプ台31に付与されたときに溝部33が変形して(溝部33の車室内側への開口部分が潰れるように変形して)、ガイド部材30に作用するカーテンエアバッグ14の展開圧力を軽減する。
【0035】
このとき、嵌合爪37が溝部33の底部に取り付けられることにより、ジャンプ台31の車室内側が車両下方に撓むと、ジャンプ台31に付与された展開圧力は、溝部33の車両上方側の面を通り、嵌合爪37をピラーインナパネル11bに向かう方向(ピラーインナパネル11bの面直方向)に押す力に転換される。これにより、カーテンエアバッグ14が展開しても、嵌合爪37の剪断を防止して、ガイド部材30が外れないようにすることができる。その結果、カーテンエアバッグ14の展開をガイド部材30が正しく案内することができる。
【0036】
更に、支持リブ31aにより、ジャンプ台31が補強されると共に、ジャンプ台31に付与されたカーテンエアバッグ14の展開圧力を、溝部33の車両上方側の面を通して嵌合爪37をピラーインナパネル11bに向かうように押す方向に伝達することができる。加えて、補強リブ33aが設けられているので、溝部33の車両上方側の面が補強されると共に、ジャンプ台31に付与されたカーテンエアバッグ14の展開圧力を、溝部33の車両上方側の面を通して嵌合爪37をピラーインナパネル11bに向かうように押す方向に伝達することができる。
【0037】
更に、ガイド部材30は、シートベルトアジャスタ機構20に対応した構成も有している。
【0038】
シートベルトアジャスタ機構20は、シートベルト27を挿通するシートベルトショルダーアンカ26の高さ位置を着用者の体格に合わせて調節できる機構である。この機構に関して、本実施例と関連する部分を、図1図4を参照して簡単に説明する。
【0039】
シートベルトアジャスタ機構20は、車両上下方向にスライド可能にセンタピラー10に取り付けられ、シートベルトアジャスタ本体21と、スライダープレート22と、ピラーインナパネル11bに固定され複数の保持穴23aを有する保持部材23とを有している。
【0040】
アッパトリム17には、シートベルトアジャスタ本体21の車両上下方向への移動(スライド)を許容するための長孔17aが設けられており、この長孔17aは車両上下方向に延設されている。スライダープレート22は、車両上下方向に延びアッパトリム17の長孔17aを塞ぐ板状部材であり、アッパトリム17に車両上下方向にスライド可能に支持され、その車両上下方向中央部にシートベルトアジャスタ本体21を通す穴部が設けられている。
【0041】
また、シートベルトアジャスタ本体21には、保持穴23aに係合する保持ピン25及びシートベルトショルダーアンカ26が取り付けられている。シートベルトショルダーアンカ26は、シートベルトアジャスタ本体21が上下にスライドされることにより、高さ位置が調節される。このとき、長孔17aに沿って、シートベルトアジャスタ本体21と共にスライダープレート22も上下にスライドすることにより、スライダープレート22により常に長孔17aが塞がれた状態となっている。
【0042】
本実施例のガイド部材30において、その車両前後方向における中央部分であって、溝部33の車両下方側、すなわち凸設部36の車両前後方向中央部分には、車室外側に凹んだ凹部34が形成されており、この凹部34は、溝部33と連通し、ガイド部材30の車両下方側に向かって開口して、空間S1を形成している(図2図5参照)。加えて、ガイド部材30の車両前後方向における中央部分であって、溝部33の車両上方側の面に開口部35が形成されており(図3図5参照)、この開口部35を介して、凹部34側の空間S1、溝部33内の空間S2及びジャンプ台31の裏面側の空間(ジャンプ台31とピラーインナパネル11bとの間の空間)S3が連通している。
【0043】
凹部34、溝部33、開口部35により形成される空間S1、S2、S3は、図4図5に示すように、シートベルトアジャスタ機構20のスライダープレート22が侵入可能となっており、スライダープレート22の可動エリアを確保する空間となっている。すなわち、凹部34及び開口部35の車両前後方向の幅は、スライダープレート22の車両前後方向の幅よりも大きく設定されている。このように、ガイド部材30は、凹部34、溝部33、開口部35により形成される空間S1、S2、S3を有しているので、スライダープレート22との干渉を避けることができる。なお、図4は、一例として、シートベルトアジャスタ本体21の高さ位置を最上段の位置とした場合を図示している。
【0044】
また、アッパトリム17の車室外側を向く面には、車両上下方向に延び車室外側に突出するスライダガイドリブ17bが設けられている(図4参照)。このスライダガイドリブ17bは、車両上方に向かうに連れてアッパトリム17からの突出量が大きくなっており、スライダープレート22が開口部35を通過するように、シートベルトスライダ22の車幅方向の位置を案内している。
【0045】
また、上述した凹部34及び開口部35は、搭乗者の頭部衝撃に関して、衝撃を緩和する機能も有することができる。具体的には、凹部34を、図6に示すように、ガイド部材30の方に侵入した頭部(図6中の一点鎖線参照)を回避可能な車両前後方向の幅とすれば、頭部との干渉を回避し、衝撃を緩和することができる。
【0046】
また、開口部35は、ジャンプ台31の車両前後方向における中央部分に設けられているので、開口部35が設けられた部分のジャンプ台31の車幅方向の剛性を低減させて、ガイド部材30の方に侵入した頭部(図4中の一点鎖線参照)に対する衝撃を緩和することができる。
【0047】
本実施例のガイド部材30は上述した構成を有しているが、樹脂のインジェクション成形により構成されており、上述したような複雑な構成であっても、簡単に成形することが可能となっている。
【0048】
なお、上述した実施例では、アッパトリム17とガイド部材30とを別体とし、連結されない構成としたが、別体のアッパトリム17とガイド部材30とを連結する構成や、アッパトリム17とガイド部材30とを一体で形成したものにも、本発明は適用可能である。この場合は、ガイド部材30を凸設部36より下方でアッパトリム17と連結すればよい。このような構成においても、溝部33によりカーテンエアバッグ14の展開によりガイド部材30(特にジャンプ台31)にかかる負荷を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、車両のピラー構造として好適なものである。
【符号の説明】
【0050】
10 センタピラー(ピラー)
11b ピラーインナパネル
14 カーテンエアバッグ
16 ヘッドライニング
17 アッパトリム(ピラートリム)
17b スライダガイドリブ(ガイドリブ)
20 シートベルトアジャスタ機構
22 スライダープレート
30 ガイド部材
31 ジャンプ台(案内面)
32 引掛け爪
33 溝部
34 凹部
35 開口部
36 凸設部(押さえ部)
36a 押さえリブ
37 嵌合爪(取付部)
38 当てリブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6