特開2020-192890(P2020-192890A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020192890-アシストグリップ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-192890(P2020-192890A)
(43)【公開日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】アシストグリップ
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/02 20060101AFI20201106BHJP
【FI】
   B60N3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-99574(P2019-99574)
(22)【出願日】2019年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100147854
【弁理士】
【氏名又は名称】多賀 久直
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】杉江 信二
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088DA07
3B088DB02
(57)【要約】
【課題】グリップ本体を発光させるための電気的な構成を簡単にする。
【解決手段】アシストグリップ10は、車体の壁面に取り付けられる取付部材12と、壁面に沿わせた第1姿勢と壁面から起立させた第2姿勢との間で取付部材12に対して回動可能に支持されたグリップ本体14とを備えている。また、アシストグリップ10は、取付部材12の突出部20に設けられ、第1姿勢にあるグリップ本体14の凹部26の内側に位置する光源22と、グリップ本体14に設けられ、光源22からの光によって発光する導光体30とを備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の壁面に取り付けられる取付部材と、
前記壁面に沿わせた第1姿勢と該壁面から起立させた第2姿勢との間で前記取付部材に対して回動可能に支持されたグリップ本体と、
前記取付部材に、第1姿勢にある前記グリップ本体と重なる位置に突出するように形成され、該グリップ本体に形成された凹部に、該グリップ本体の第1姿勢で収容される突出部と、
前記突出部に設けられ、前記グリップ本体の第1姿勢で前記凹部の内側に向けて光を照射可能に配置された光源と、
前記グリップ本体において前記凹部の内面から該グリップ本体の外面に亘って設けられ、前記光源から照射された光により発光する導光体と、を備えている
ことを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
前記取付部材には、第1姿勢にある前記グリップ本体と当たる一方で、第2姿勢にある前記グリップ本体から離れるスイッチが設けられ、
前記光源は、前記スイッチと前記グリップ本体とが当たることで発光するように制御され、前記スイッチと前記グリップ本体とが離れることで消灯するように制御される請求項1記載のアシストグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アシストグリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に設置されるアシストグリップは、車両の壁に固定される取付基台と、取付基台に回動可能に支持されたグリップ本体とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のアシストグリップは、グリップ本体に設置した光源によってグリップ本体の一部を光らせることで、意匠性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−210123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアシストグリップは、取付基台に設けられた端子と、グリップ本体に設けられた端子とが当たることで、取付基台に対して回動するグリップ本体に設置された光源への電力供給路が接続するようになっている。このため、アシストグリップには、取付基台およびグリップ本体のそれぞれに端子が露出することになり、また、取付基台およびグリップ本体のそれぞれに電力供給路が必要になるので電気的構成が複雑になってしまう。
【0005】
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、簡易な構成のアシストグリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るアシストグリップは、
車体の壁面に取り付けられる取付部材と、
前記壁面に沿わせた第1姿勢と該壁面から起立させた第2姿勢との間で前記取付部材に対して回動可能に支持されたグリップ本体と、
前記取付部材に、第1姿勢にある前記グリップ本体と重なる位置に突出するように形成され、該グリップ本体に形成された凹部に、該グリップ本体の第1姿勢で収容される突出部と、
前記突出部に設けられ、前記グリップ本体の第1姿勢で前記凹部の内側に向けて光を照射可能に配置された光源と、
前記グリップ本体において前記凹部の内面から該グリップ本体の外面に亘って設けられ、前記光源から照射された光により発光する導光体と、を備えていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るアシストグリップによれば、電気的構成を簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係るアシストグリップを示す斜視図である。なお、グリップ本体が第1姿勢にある。
図2】実施例のアシストグリップを示す斜視図である。なお、グリップ本体が第2姿勢にある。
図3】実施例のアシストグリップにおいて、グリップ本体と取付部材とを分解した状態で示す斜視図である。
図4】実施例のアシストグリップにおいて、グリップ本体を破断して要部を示す斜視図である。なお、グリップ本体が第1姿勢にある。
図5】実施例のアシストグリップにおいて、グリップ本体を破断して要部を示す斜視図である。なお、グリップ本体が第2姿勢にある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係るアシストグリップにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例】
【0010】
図1および図2に示すように、実施例に係るアシストグリップ10は、車体におけるルーフトリムなどのパネルの壁面に取り付けられる取付部材12を備えている。また、アシストグリップ10は、壁面に沿わせた第1姿勢(図1および図4参照)と、壁面から起立させた第2姿勢(図2および図5参照)との間で、取付部材12に対して回動可能に支持されたグリップ本体14を備えている。アシストグリップ10は、「U」字形状に形成されたグリップ本体14の端部のそれぞれが、取付部材12に設けられた支持部16に支持軸18を介して支持されている。なお、アシストグリップ10は、グリップ本体14に力が加わっていない自然な状態で、トーションばねなどの図示しない付勢手段によって、グリップ本体14が第1姿勢になるように構成されている。
【0011】
以下の説明において、アシストグリップ10は、パネルへの取り付け状態を基準として方向を指称し、具体的には、車室へ向く側を表といい、車両外側へ向く側を裏という。また、アシストグリップ10において、車両の前後に離間して配置されるグリップ本体14の両端の離間方向(支持軸18の軸方向)を左右方向といい、車室側から見て左右を指称する。アシストグリップ10は、左右方向に延在する支持軸18で取付部材12に支持されたグリップ本体14が第1姿勢で取付部材12に重なるように配置される(図1および図4参照)。そして、アシストグリップ10は、グリップ本体14を第1姿勢から下方へ回動させて第2姿勢とする(図2および図5参照)。
【0012】
図1および図2に示すように、取付部材12には、左右に離して一対の支持部16,16が表側へ突出するように形成されている。支持部16には、支持軸18が他方の支持部16に向けて突出するように設けられている。支持軸18は、グリップ本体14に設けられた軸孔(図示せず)に嵌まる。取付部材12には、第1姿勢にあるグリップ本体14と重なる位置に突出する突出部20が形成されている。実施例では、突出部20が支持部16の上側に配置されている。また、実施例では、グリップ本体14における把持部分の端部に対応するように、2つの突出部20,20が左右方向に離して設けられている。各突出部20の先端部には、LEDなどの光を照射可能な光源22が設置されている。取付部材12は、ねじ等の固着具でパネルに固定する構造や、パネルに開口する取付孔に差し込んだ爪をクリップで抜け止めする爪係止構造など、適宜の取り付け構造を採用可能である。
【0013】
図3に示すように、グリップ本体14の端部には、支持部16を収容可能な収容凹部24が裏側に開口するように形成されている。グリップ本体14には、突出部20を収容可能な凹部26が裏側に開口するように形成されている。実施例では、凹部26が収容凹部24の上側に配置されている。また、実施例では、グリップ本体14における把持部分の端部に対応するように、2つの凹部26,26が左右方向に離して設けられている。グリップ本体14は、第1姿勢にあるとき、収容凹部24に支持部16を収容すると共に、凹部26に突出部20を収容するようになっている。
【0014】
図4および図5に示すように、グリップ本体14は、光を透過しない遮光体28と、光を透過可能な導光体30とを組み合わせて構成されている。導光体30は、グリップ本体14における凹部26の内側からグリップ本体14の外面に亘って設けられている。遮光体28は、不透明なPP(ポリプロピレン)などの合成樹脂で形成されている。導光体30は、光を透過可能な、例えばガラス、アクリル樹脂、PC(ポリカーボネート)などの材料から形成されている。実施例のグリップ本体14は、導光体30を表裏方向の中間部位に配置し、遮光体28を導光体30の表裏から挟むように配置している。グリップ本体14は、外面の全周に亘って導光体30の端面が露出している。導光体30は、凹部26の内面に露出する端面から、グリップ本体14の外面に露出する端面に向けて導光可能である。
【0015】
図1および図2に示すように、片方の支持部16には、第1姿勢にあるグリップ本体14と当たる一方で、第2姿勢にあるグリップ本体14から離れるスイッチ32が設けられている。スイッチ32としては、例えば、押しボタン式などの開閉器を用いることができる。実施例のスイッチ32は、支持部16の表面からボタンが突出し、グリップ本体14が第1姿勢にあるとき、ボタンが収容凹部24の底面に当たるように設定されている。光源22は、スイッチ32とグリップ本体14とが当たることで、光源22が発光するように制御される。また、光源22は、スイッチ32とグリップ本体14とが離れることで、消灯するように制御される。
【0016】
アシストグリップ10は、グリップ本体14が第1姿勢にあると、突出部20に設けられた光源22がグリップ本体14の凹部26の内側に配置される。また、光源22から凹部26の内側へ向けて光を照射可能になる。凹部26の内側には、導光体30が露出しているので、光源22から照射された光が導光体30に入射する。これにより、グリップ本体14の外面に露出する導光体30の端面が発光する。
【0017】
アシストグリップ10は、グリップ本体14を使用していない第1姿勢にあるとき、グリップ本体14の外面の一部を構成する導光体30の端面が発光するので、高級感を演出することができる。しかも、アシストグリップ10は、グリップ本体14の一部が発光するので、暗くなってもグリップ本体14の位置を判り易くすることができ、使い勝手を向上し得る。また、アシストグリップ10は、導光体30が発光する構成であるから、眩しくはなく、乗員の視界に悪影響を与えない。
【0018】
アシストグリップ10は、壁面に固定される取付部材12に電力の供給が必要な光源22が設けられている。一方で、アシストグリップ10は、取付部材12に対して回動するグリップ本体14の導光体30を発光させるものの、グリップ本体14には光源22が設けられていない。従って、アシストグリップ10は、取付部材12側だけで配線等の電力供給回路を完結させることができる。アシストグリップ10は、取付部材12とグリップ本体14との間にまたがって電力供給回路を設ける必要がなく、電気的な構成を簡単にすることができる。また、取付部材12とグリップ本体14との間に、端子が外部に露出することもない。
【0019】
アシストグリップ10は、グリップ本体14との接離により切り替わる機械的なスイッチ32によって、光源22を発光制御しているので、取付部材12とグリップ本体14との間に、端子が外部に露出することもない。また、アシストグリップ10は、取付部材12側だけで、スイッチ32を含めた電力供給回路を完結させることができ、電気的な構成を簡単にすることができる。
【0020】
(変更例)
前述した構成に限らず、例えば以下のようにしてもよい。
(1)実施例では、1基の取付部材によってグリップ本体の両端部を支持したが、これに限らず、グリップ本体の各端部を別々の取付部材で支持する構成であってもよい。また、グリップ本体を2箇所で支持する構成に限らず、グリップ本体を1箇所または3箇所以上で支持する構成であってもよい。
(2)実施例では、2基の光源を設けたが、これに限らず、光源の数が1基であっても、3基以上であってもよい。
(3)実施例では、導光体の端面がグリップ本体の上下の面および側面に露出するように配置したが、これに限らず、例えば、グリップ本体の表面や裏面に導光体の端面が露出するように配置してもよい。
(4)実施例では、支持部と突出部とを別々に設けたが、これに限らず、支持部に光源を設けて、支持部を突出部として用いてもよい。
【符号の説明】
【0021】
12 取付部材,14 グリップ本体,20 突出部,22 光源,26 凹部,
30 導光体,32 スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5