【解決手段】緩衝器1は、車両VのボディB(ばね上部材)と、このボディBに対して回動軸C2周りに回動自在に設けられたサスペンションアーム4(ばね下部材)との間に取り付けられる。緩衝器1は、第1拡縮部材10、第2拡縮部材20、及び減衰通路30を備える。第1及び第2拡縮部材10,20は、内部に気体が充填される第1ガス室R1及び第2ガス室R2をそれぞれ形成して拡縮自在に設けられる。減衰通路30は、第1及び第2ガス室R1,R2を連通して第1及び第2ガス室R1,R2との間を流通する気体の流れに抵抗を付与する。第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、別体に設けられているとともに、取付状態において、回動軸C2からの距離が異なる形態且つ一方が拡張した場合に他方が収縮する形態で、ボディB及びサスペンションアーム4にそれぞれ接続される。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来の緩衝器を開示している。この緩衝器は、空圧緩衝器本体と、出力軸と、密閉体と、減衰通路とを備えている。空圧緩衝器本体は、気体が充填される圧力室を両端に備えた筒状に形成されている。各圧力室は弾性を有して伸縮自在に設けられた密閉体によって密閉されている。また、各圧力室は減衰通路によって連通されており、減衰通路を流通する気体の流れに抵抗を付与する。密閉体の伸縮に伴って各圧力室の大きさが変化し、気体が圧力室間を交流して減衰力を発生させることができる。
【0003】
また、特許文献2は、内部にガス室を形成する2つのローリングローブを備えた車両用の空気ばねを開示している。この空気ばねでは、2つのローリングローブは上下に連結されており、上下方向の力が入力されると、一方のローリングローブは収縮し、他方は拡張するように構成されている。また、空気ばねは自己制振性を有している。具体的には、空気ばねは、平衡状態では2つのガス室の連通が遮断されている。上下方向の力が入力されて上側のローリングローブが収縮(下側が拡張)したときには、上側のガス室にコンプレッサエアが導入されて上側の圧力が高められる。一方、上側のローリングローブが拡張(下側が収縮)したときには2つのガス室が連通されて上側のガス室の圧力が下側のガス室に開放される。すると、上側のローリングローブはガス室の圧力が低下して収縮する方向に力を作用させ、下側のローリングローブはガス室の圧力が高められて拡張する方向に力を作用させる。また、下側のガス室には圧力開放弁が設けられており、内部の圧力が徐々に大気開放される。このように、空気ばねは、各ローリングローブの拡縮を収束させる力を積極的に作用させることで自己制振し、平衡状態に速やかに戻ることができる。
【0004】
特許文献2において、2つのローリングローブは異なる大きさで形成されている。この場合、2つのガス室内の圧力が同じ大きさであっても受圧面積に差が生じるので圧力による力の差を生じさせることができる。このような大きさの異なる2つの部材を特許文献1の緩衝器に適用すると、拡縮時の抵抗の大きさ、すなわち減衰力の大きさを拡縮の方向に応じて変化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の緩衝器を具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、上下、左右方向とは、緩衝器の取り付けられる車両における上下、左右方向を意味しており、
図1〜
図4に表れる上下、左右方向をそれぞれ示すものとする。
【0014】
<実施形態1>
実施形態1の緩衝器1は、
図1及び
図2に示すように、車両Vに取り付けられる。車両Vは、ボディBに対して車輪Wを上下方向に相対移動自在に支持するサスペンション装置2を備えている。サスペンション装置2は、2つのサスペンションアーム3,4を備えている。サスペンション装置2は、これら2つのサスペンションアーム3,4が上下に並んで配置されたいわゆるダブルウィッシュボーン式である。各サスペンションアーム3,4は、ボディBに回動自在に支持されている。具体的には、サスペンションアーム3は、その基端側が車両Vの前後方向に延びる回動軸C1周りに回動自在に支持されている。サスペンションアーム4は、その基端側が回動軸C1の下方に設定された回動軸C2周りに回動自在に支持されている。回動軸C2は、回動軸C1と同様に、車両Vの前後方向に延びて設定されている。サスペンションアーム3,4の各先端側は、基端側から車両Vの左右方向(
図1では、左方向)に延伸して車輪W側のナックルKに回動自在にそれぞれ接続されている。
【0015】
サスペンション装置2は、ボディBと車輪Wとの間に取り付けられる図示しない懸架ばねを備えている。懸架ばねは、ボディBに対して車輪Wが下方に相対移動する方向の弾性力を付与する。このような車両Vにおいて、懸架ばねによって支持されるボディBと、このボディBに対して固定的に配置される各種部材等がばね上部材であり、懸架ばねに吊り下がる車輪W、ナックルK、サスペンションアーム3,4等、ボディBに対して相対移動可能に配置された各種部材がばね下部材である。緩衝器1は、懸架ばねの弾性力が作用した状態のばね上部材群とばね下部材群との相対移動に対して抵抗を付与することで、それらの相対移動を抑制して減衰させる。緩衝器1は、ばね上部材であるボディBと、ばね下部材であるサスペンションアーム4との間に取り付けられる。
【0016】
図1及び
図2に示すように、緩衝器1は、第1拡縮部材10、第2拡縮部材20、及び減衰通路30を備えている。第1拡縮部材10は、内部に気体が充填される第1ガス室R1を形成している。第1拡縮部材10は、車両Vに取り付けられた状態において、上端10AがボディBに接続されるとともに、下端10Bがサスペンションアーム4に接続される。第1拡縮部材10は拡縮自在に設けられている。本実施形態の場合、第1拡縮部材10は円筒形状をなす金属製のベローズであり、軸方向に伸縮自在とされている。第1拡縮部材10は、
図2に示すように、その軸方向を上下方向として車両Vに取り付けられる。すなわち、第1拡縮部材10は、上端10Aとしての軸方向の一端がボディBに接続され、下端10Bとしての軸方向の他端がサスペンションアーム4に接続される。第1拡縮部材10は、ボディBと車輪Wの上下方向の相対移動に伴って上下方向に伸縮することで、内部の第1ガス室R1の容積が変化する。
【0017】
本実施形態の第1拡縮部材10は、左右方向に移動自在に設けられている。換言すると、第1拡縮部材10は、サスペンションアーム4の回動軸C2からの距離を変更可能に設けられている。詳細には、
図2に示すように、ボディBには、第1拡縮部材10の上端10Aが当接して接続される当接面部B1が設けられ、サスペンションアーム4には、第1拡縮部材10の下端10Bが当接して接続される座部4Aが設けられている。第1拡縮部材10の径方向の大きさは、これら当接面部B1及び座部4Aの左右方向の大きさよりも小さく設けられている。第1拡縮部材10は、これら当接面部B1及び座部4Aの大きさの範囲内で左右方向の所望の位置に移動可能とされている。第1拡縮部材10は、これら当接面部B1と座部4Aの間に配置され、ボディBに対して車輪Wが上方に相対移動した場合には収縮して第1ガス室R1の容積を減少させ(
図3参照)、車輪Wが下方に相対移動した場合には拡張して第1ガス室R1の容積を増加させる(
図4参照)。
【0018】
第2拡縮部材20は、内部に気体が充填される第2ガス室R2を形成している。第2拡縮部材20は、車両Vに取り付けられた状態において、上端20Aがサスペンションアーム4に接続されるとともに、下端20BがボディBに接続される。第2拡縮部材20は拡縮自在に設けられている。本実施形態の場合、第2拡縮部材20は第1拡縮部材10と略同等の構成及び大きさで形成された金属製のベローズである。
【0019】
第2拡縮部材20は、
図2に示すように、その軸方向を上下方向として車両Vに取り付けられる。すなわち、第2拡縮部材20は、上端20Aとしての軸方向の一端がサスペンションアーム4に接続され、下端20Bとしての軸方向の他端がボディBに接続される。第2拡縮部材20は、ボディBと車輪Wの上下方向の相対移動に伴って上下方向に伸縮することで、内部の第2ガス室R2の容積が変化する。
【0020】
第2拡縮部材20は、第1拡縮部材10が拡張した際には収縮し、第1拡縮部材10が収縮した際には拡張するように設けられている。換言すると、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、一方が拡張すると他方が収縮し、一方が収縮すると他方が拡張する形態で配置されている。具体的には、サスペンションアーム4はサブアーム4Bを有している。サブアーム4Bは、
図2に示すように、上方に延出するとともに、上端部がサスペンションアーム4の基端側(ボディB側)に延出する倒立L字状をなしている。ボディBには、サスペンションアーム4の延伸方向に沿って左方に延出した延出部B2が設けられている。延出部B2は、サブアーム4Bの上端部の下方に位置している。第2拡縮部材20は、これらサブアーム4Bと延出部B2の間に配置され、ボディBに対して車輪Wが上方に相対移動した場合には拡張して第2ガス室R2の容積を増加させ(
図3参照)、車輪Wが下方に相対移動した場合には収縮して第2ガス室R2の容積を減少させる(
図4参照)。
【0021】
また、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、別体に設けられているとともに、サスペンションアーム4の回動軸C2からの距離が異なる形態で取り付けられる。本実施形態の場合、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、取付状態において、サスペンションアーム4の延伸方向に並んで配置される。
図1及び
図2に示すように、第1拡縮部材10は、サスペンションアーム4の先端寄り(車輪W寄り)の位置に配置され、第2拡縮部材20は、基端寄り(回動軸C2寄り)の位置に配置される。
【0022】
減衰通路30は、第1ガス室R1及び第2ガス室R2を連通するとともに、第1ガス室R1と第2ガス室R2との間を流通する気体の流れに抵抗を付与する。本実施形態の場合、減衰通路30は、
図2に示すように、第1減衰通路31及び第2減衰通路32を有して構成されている。第1減衰通路31は、第1ガス室R1から第2ガス室R2への気体の流れを許容してその反対の流れを阻止する逆止弁31Aと、流通する気体の流量を制御する流量制御弁31Bとを具備して構成されている。第2減衰通路32は、第2ガス室R2から第1ガス室R1への気体の流れを許容してその反対の流れを阻止する逆止弁32Aと、流通する気体の流量を制御する流量制御弁32Bとを具備して構成されている。
【0023】
本実施形態の場合、逆止弁31A,32A及び流量制御弁31B,32Bは、バルブ部40を構成して第2拡縮部材20に一体的に設けられている。具体的には、
図2に示すように、バルブ部40は、第2拡縮部材20の下端20Bに取り付けられている。換言すると、第2拡縮部材20の下端20Bは、バルブ部40を介してボディBの延出部B2に接続されている、といえる。
【0024】
次に、実施形態1の緩衝器1の作用について説明する。
車両Vにおいて、ボディBに対して車輪Wの相対移動が生じていない状態では、緩衝器1は第1ガス室R1及び第2ガス室R2の圧力が平衡した状態となっている。この状態では、第1ガス室R1と第2ガス室R2との間で気体は流通しておらず、減衰力は発生しない。
【0025】
車両Vにおいて、ボディBに対して車輪Wが上方に相対移動し、これに伴ってサスペンションアーム4が上方に移動した場合、例えば、
図2に示す状態から
図3に示す状態になった場合には、第1拡縮部材10が上下方向に収縮して第1ガス室R1の容積が減少する。一方、第2拡縮部材20は、上下方向に伸長して第2ガス室R2の容積が増大する。これにより、第1ガス室R1内の気体は圧縮されて圧力が上昇するとともに第2ガス室R2内の気体は膨張して圧力が低下する。すなわち、第1ガス室R1と第2ガス室R2との間で圧力差が生じる。この圧力差によって、減衰通路30を流通する気体の流れが生じる。具体的には、第1減衰通路31を通過して第1ガス室R1から第2ガス室R2へ流通する。一方、第2減衰通路32は、逆止弁32Aが閉塞するので気体の流通は生じない。これにより、第1減衰通路31の流量制御弁31Bによる減衰力が生じ、ボディBに対する車輪Wの上方への相対移動が抑制される。
【0026】
一方、車両Vにおいて、ボディBに対して車輪Wが下方に相対移動した場合、例えば、
図2に示す状態から
図4に示す状態になった場合には、第1拡縮部材10が上下方向に伸長して第1ガス室R1の容積が増大する。一方、第2拡縮部材20は、上下方向に収縮して第2ガス室R2の容積が減少する。これにより、第1ガス室R1内の気体は膨張して圧力が低下するとともに第2ガス室R2内の気体は圧縮されて圧力は上昇する。すなわち、第1ガス室R1と第2ガス室R2との間で圧力差が生じる。この圧力差によって、減衰通路30を流通する気体の流れが生じる。具体的には、第2減衰通路32を通過して第2ガス室R2から第1ガス室R1へ流通する。一方、第1減衰通路31は、逆止弁31Aが閉塞するので気体の流通は生じない。これにより、第2減衰通路32の流量制御弁32Bによる減衰力が生じ、ボディBに対する車輪Wの下方への相対移動が抑制される。
【0027】
また、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、サスペンションアーム4の延伸方向に並んで配置されている。すなわち、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、回動軸C2からの距離が異なっている。このため、車輪Wの上下方向の移動時には、それぞれの伸縮のストローク量に差が生じる。具体的には、車輪Wの上下動に対して、第1拡縮部材10のほうが第2拡縮部材20よりもより大きなストローク量で伸縮する。このため、車輪Wが上方に移動した場合には、よりストローク量の大きな第1拡縮部材10が収縮し、これに比してストローク量の小さい第2拡縮部材20が伸長する。その結果、緩衝器1は、車輪Wが上方に移動した場合には、2つのガス室R1,R2内の気体が圧縮されて圧力が上昇し、車輪Wの上方への移動をより抑制する。一方、車輪Wが下方に移動した場合には、よりストローク量の大きな第1拡縮部材10が伸長し、これに比してストローク量の小さい第2拡縮部材20が収縮する。その結果、緩衝器1は、車輪Wが下方に移動した場合には、2つのガス室R1,R2内の気体が膨張して圧力が降下し、車輪Wの上方への移動の場合と比較して、下方への移動の抑制効果が小さくなる。
【0028】
また、緩衝器1は、第1拡縮部材10をサスペンションアーム4の延伸方向に沿って移動させることで、第2拡縮部材20とのストローク量の差を自在に変更することができる。
【0029】
以上より、実施形態1の緩衝器1によると、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20の一方が拡張すると他方が収縮するように、車両Vのばね上部材としてのボディBとばね下部材としてのサスペンションアーム4との間に取り付けられる。これにより、第1ガス室R1及び第2ガス室R2の2つのガス室の内部に充填された気体の一方が膨張して他方が圧縮されて圧力差が生じ、減衰通路30を流通する気体の流れが生じる。気体は減衰通路30を流通する際に抵抗を付与される。緩衝器1は、この抵抗力をばね上部材としてのボディBと、ばね下部材としてのサスペンションアーム4と、の相対回動を抑制する減衰力として作用させる。また、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、サスペンションアーム4の回動軸C2からの距離が異なる形態で配置される。このため、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、ばね下部材としてのサスペンションアーム4の回動による入力に対して、作用する力の大きさが異なる形態となる。このため、同じ大きさの第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20において、サスペンションアーム4の回動方向(上下の移動方向)によって発生する抵抗力の大きさを変化させることができる。また、抵抗力の大きさは、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20を配置する回動軸C2からの距離に応じた大きさに自在に設定することができる。
【0030】
したがって、実施形態1の緩衝器1は、所望の大きさの減衰力を容易に得ることができる。
【0031】
また、実施形態1の緩衝器1において、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20は、取付状態において、ばね下部材としてのサスペンションアーム4の延伸方向に沿って並んで配置されている。このため、第1拡縮部材10及び第2拡縮部材20を空間効率よく配置することができる。
【0032】
また、実施形態1の緩衝器1は、第1拡縮部材10と第2拡縮部材20とを別体に設けたので、2つの拡縮部材が上下方向に連結されて一体に設けられている場合と比較して、取付状態における高さ方向の大きさを抑えることができる。
【0033】
また、実施形態1の緩衝器1は、第1拡縮部材10をサスペンションアーム4の延伸方向に移動可能に設けたので、抵抗力の大きさを容易に調整することができる。これにより、減衰力の大きさを容易に調整することができる。
【0034】
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態1に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、緩衝器がダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置を備えた車両に取り付けられる形態を例示したが、本発明に係る緩衝器は、ボディに回動自在に支持されるサスペンションアームを有するサスペンション装置を備えた車両であれば、サスペンション装置の形式を特に限定することなく取り付けることができる。
(2)実施形態1では、車両の前後方向に延びる形態の回動軸周りに回動自在に設けられた形態のサスペンションアームを例示したが、左右方向、斜め方向等の回動軸周りに回動自在であってもよい。
(3)実施形態1では、第1拡縮部材及び第2拡縮部材を略同様の構成及び大きさで設けた形態を例示したが、2つの拡縮部材の構成や大きさは異なっていてもよい。
(4)実施形態1では、第1拡縮部材及び第2拡縮部材を、それぞれ金属製のベローズとした形態を例示したが、第1拡縮部材及び第2拡縮部材は、ローリングローブ等の他の形態の部材であってもよい。また、第1拡縮部材及び第2拡縮部材の材質も金属に限定されず、ゴム、樹脂等の他の材質を採用してもよい。
(5)実施形態1では、第1拡縮部材がサスペンションアームの延伸方向に沿って移動自在に設けられた形態を例示したが、第2拡縮部材がサスペンションアームの延伸方向に沿って移動自在に設けられた形態であってもよいし、両方の拡縮部材がサスペンションアームの延伸方向に沿って移動自在に設けられた形態であってもよい。
(6)実施形態1では、減衰通路として、第1減衰通路及び第2減衰通路の2つの減衰通路を設ける形態を例示したが、本発明においてこれは必須ではない。減衰通路を設ける形態としては、例えば、第1ガス室から第2ガス室に流通する気体の流れ、又は第2ガス室から第1ガス室に流通する気体の流れに抵抗を付与する1つの減衰通路のみを設け、他方の気体の流れには抵抗を付与しない通路を設ける形態としてもよい。
(7)実施形態1では、バルブ部材を設ける形態を例示したが、本発明において、バルブ部材を設けることは必須ではない。バルブ部材を設ける場合には、例示した第2拡縮部材と一体に設ける形態に限定されず、第1拡縮部材と一体に設けてもよい。また、バルブ部材は、第1拡縮部材及び第2拡縮部材とは別体に設けてもよい。この場合、バルブ部材の配置位置は特に限定されず、例えば、車両のボディやサスペンションアーム等に配置することができるが、ばね下重量低減の観点から、ボディ側(ばね上部材側)に配置することが好ましい。
(8)実施形態1では、ばね上部材として車両のボディを例示したが、本発明に係るばね上部材はこれに限定されない。
(9)実施形態1では、ばね下部材としてサスペンションアームを例示したが、本発明に係るばね下部材はこれに限定されない。
(10)実施形態1では、第1拡縮部材及び第2拡縮部材が所定の方向性をもって拡縮する形態、すなわち、所定方向に伸縮自在に設けられた形態を例示したが、これは必須ではない。本発明に係る第1拡縮部材及び第2拡縮部材の少なくとも一方は、風船等のように、所定の方向性を有することなく拡縮する形態であってもよい。