【実施例】
【0019】
図1〜
図5に基づいて湯水を分配するために3つの熱動弁を備えた熱動弁ヘッダ1の例を説明するが、熱動弁の数はこれに限定されるものではない。尚、熱動弁が1つで分配しない場合は、熱動弁ヘッダではなく単に熱動弁と呼ばれる。
【0020】
熱動弁ヘッダ1は、熱動弁ヘッダケース2(熱動弁ケース)と熱動弁10a〜10cを有する。熱動弁ヘッダケース2は、本体部3とカバー部7を有する。本体部3は、湯水を分配する通路が形成された分配通路部4と、分配通路部4の入口に装備された入口接続部5と、分配通路部4の3つの通路出口4a〜4cに対応する配管接続部6a〜6cを備えて分配通路部4に装備された出口接続部6を備えている。
【0021】
入口接続部5には図示外の熱源機で加熱した湯水が循環する湯水供給管8が接続され、熱動弁10a〜10cのうちの少なくとも1つが開いたときに湯水が分配通路部4内の通路を流れる。配管接続部6a〜6cには、湯水配管9a〜9cが夫々接続され、温水暖房装置等に湯水を分配する。
【0022】
本体部3には筒状の収容部3a〜3c等が形成され、カバー部7が収容部3a〜3cを覆って本体部3にビス3d等によって固定されている。収容部3a〜3cは、ロッド挿通孔4d〜4fを介して通路出口4a〜4cに直線的に夫々連通している。以下では通路出口4a〜4cを夫々開閉する熱動弁10a〜10cについて説明するが、熱動弁10a〜10cは同じ構成なので、入口接続部5に最も近い熱動弁10aについて説明し、熱動弁10b,10cの説明を省略する。
【0023】
収容部3aはロッド挿通孔4dよりも大径に形成され、ロッド挿通孔4dに挿通されたロッド12の進出量を規制するロッドケース11が収容部3aに収容されている。このロッドケース11にロッド12の基端部12aが収容され、通路出口4aに挿通されたロッド12の先端部に通路出口4aを開閉するための弁体13が装着されている。ロッド挿通孔4dには、収容部3aへの湯水の浸入を防ぐために、リング状のシール部材14が装着されている。
【0024】
収容部3aには、ワックスサーモエレメント15が収容されている。ワックスサーモエレメント15は、感温部15aの温度をピストン15bの進出量に変換する。ピストン15bが進出すると、ピストン15bの先端がロッド12の基端部12aに当接する。尚、ピストン15bの先端がロッド12の基端部12aに連結されていてもよい。
【0025】
収容部3aには更に1対の電極を有するヒータ16が収容され、そのヒータ16の加熱面16a(電極)がワックスサーモエレメント15の感温部15aに当接するように配設されている。ヒータ16に通電するために1対の電極から延びる被覆電線16b,16cは、本体部3とカバー部7の間に設けられた配線用の隙間から外部に引き出されている。ヒータ16には、通電により発熱し且つその温度上昇を制御可能なPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ等が用いられる。
【0026】
収容部3aを覆うカバー部7に形成されたヒータ支持部7aが、ヒータ16の加熱面16aと反対側の支持面16d(電極)に当接している。ヒータ支持部7aは、カバー部7から収容部3a内のヒータ16に向けて部分球面状に突出させて形成され、支持面16dの中央近傍に点接触状に当接する。これによりヒータ支持部7aが、ワックスサーモエレメント15の傾きに合せて傾けた状態のヒータ16を支持することができる。ヒータ支持部7aが部分球面状なので、ヒータ16がどの方向に傾いていてもヒータ16を支持することができる。
【0027】
ロッドケース11にはコイル状のスプリング17(付勢部材)が外嵌状に装備され、このスプリング17がワックスサーモエレメント15をヒータ16に向けて付勢するように圧縮された状態で収容部3aに収容されている。スプリング17がワックスサーモエレメント15の感温部15aをヒータ16の加熱面16aに密着させるように付勢し、カバー部7のヒータ支持部7aがヒータ16の支持面16dを支持してその付勢力を受け止める。
【0028】
通路出口4aには、出口接続部6によって弁室6dが設けられている。弁室6d内には、弁体13が通路出口4aを配管接続部6a側から閉塞するように弁体13を付勢するコイル状のスプリング21が圧縮状態で収容されている。弁体13にはリング状のシール部材13aが装着されている。
【0029】
ワックスサーモエレメント15の感温部15aが低温のときには、スプリング21の付勢力によって弁体13が通路出口4aを閉塞する。ヒータ16によって感温部15aが加熱されると温度に応じてピストン15bが進出し、進出するピストン15bがスプリング21の付勢力に打ち勝ってロッド12を介して弁体13を弁室6dの内方に押し込み、通路出口4aが開放される。
【0030】
上記実施例の熱動弁ヘッダ1の作用、効果について説明する。
弁体13と、この弁体13を駆動するためのワックスサーモエレメント15と、このワックスサーモエレメント15を加熱するためのヒータ16が熱動弁ヘッダケース2内に直列状に配設されて熱動弁ヘッダ1が形成されている。ヒータ16はワックスサーモエレメント15に当接させる加熱面16aとその反対側の支持面16dを有している。熱動弁ヘッダケース2は、支持面16dの中央近傍に点接触状に当接するように突出させたヒータ支持部7aを有している。
【0031】
ヒータ支持部7aをヒータ16の支持面16dの中央近傍に点接触状に当接させることによって、ワックスサーモエレメント15が傾いた状態であっても、その傾きに合せてヒータ16を傾けて支持することができる。従って、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0032】
また、熱動弁ヘッダケース2は、ワックスサーモエレメント15とヒータ16を収容する収容部3a等を有する本体部3と、収容部3a等を覆うカバー部7を備え、ヒータ支持部7aはカバー部7からヒータ16に向けて突出させて形成されている。そのため、従来の熱動弁ヘッダに本実施例の点接触状に当接するヒータ支持部7aを備えたカバー部7を装着して、容易にヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0033】
ヒータ支持部7aは、部分球面状に形成されているので、ワックスサーモエレメント15の傾きに合せてヒータ16を傾けた状態で、部分球面状のヒータ支持部7aがヒータ16の支持面16dの中央近傍を支持することができる。従って、寸法誤差や組立て方によってワックスサーモエレメント15がどの方向に傾いても、その傾きに合わせて傾いたヒータ16をヒータ支持部7aが支持するので、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0034】
ワックスサーモエレメント15をヒータ16に向けて付勢するスプリング17を有している。スプリング17がワックスサーモエレメント15をヒータ16の加熱面16aに押し当てるように付勢して、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0035】
カバー部7が合成樹脂材料により形成される場合に、その弾性を利用してヒータ支持部7aが点接触状に当接するヒータ16をワックスサーモエレメント15に密着させるように構成してもよい。この場合、スプリング17を省略して組立てを容易にし、熱動弁ヘッダ1の製造コストを抑えることもできる。
【0036】
ヒータ支持部7aは、ヒータ16の支持面16dに点接触状に当接する先端部分のみ部分球面状に形成されていてもよく、先端部分がスプリング17の付勢力に耐え得る細い棒状に形成されていてもよい。この場合でもワックスサーモエレメント15の傾きに合せてヒータ16が傾くことを許容して、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0037】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。