特開2020-193653(P2020-193653A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-193653(P2020-193653A)
(43)【公開日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】熱動弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/68 20060101AFI20201106BHJP
【FI】
   F16K31/68 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-98990(P2019-98990)
(22)【出願日】2019年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小川 恭平
【テーマコード(参考)】
3H057
【Fターム(参考)】
3H057AA02
3H057BB06
3H057BB26
3H057CC06
3H057DD03
3H057EE10
3H057FA24
3H057FC05
3H057FD05
3H057HH03
3H057HH18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヒータとワックスサーモエレメントの密着性を向上させる構造を有する熱動弁を提供すること。
【解決手段】弁体13と、この弁体を駆動するためのワックスサーモエレメント15と、このワックスサーモエレメントを加熱するためのヒータ16とが熱動弁ケース内に直列状に配設された熱動弁において、ヒータはワックスサーモエレメントに当接させる加熱面16aとその反対側の支持面16dを有し、熱動弁ケースには支持面の中央近傍に点接触状に当接するように突出させたヒータ支持部7aを設けた。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体と、前記弁体を駆動するためのワックスサーモエレメントと、前記ワックスサーモエレメントを加熱するためのヒータとが熱動弁ケース内に直列状に配設された熱動弁において、
前記ヒータは前記ワックスサーモエレメントに当接させる加熱面とその反対側の支持面を有し、
前記熱動弁ケースは、前記支持面の中央近傍に点接触状に当接するように突出させたヒータ支持部を有することを特徴とする熱動弁。
【請求項2】
前記熱動弁ケースは、前記ワックスサーモエレメントと前記ヒータを収容する収容部を有する本体部と、前記収容部を覆うカバー部を備え、
前記ヒータ支持部は、前記カバー部から前記ヒータに向けて突出させて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の熱動弁。
【請求項3】
前記ヒータ支持部は、部分球面状に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱動弁。
【請求項4】
前記ワックスサーモエレメントを前記ヒータに向けて付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータで加熱して弁体を駆動する熱動弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゆっくりと作動してウォーターハンマー現象の発生が抑えられる静音性に優れた熱動弁が、温水暖房装置の温水通路の開閉弁等に利用されている。熱動弁は、例えば特許文献1のように、温水等の通路が形成された熱動弁ケースに、通電により昇温するヒータと、ヒータに当接させた感温部の温度に応じてピストンを進出させるワックスサーモエレメントと、ピストンの進出によって駆動される弁体等を有している。
【0003】
熱動弁は、ヒータに通電してワックスサーモエレメントの感温部を加熱し、ピストンを進出させると、ピストンの進出方向に弁体が移動して通路が開放される。従って、ヒータの加熱面をワックスサーモエレメントの感温部に密着させることが重要である。それ故、特許文献1の熱動弁では、組付部に収容したワックスサーモエレメントの感温部とヒータの加熱部を密着させるように係止段部と上蓋で挟んで固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−364771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の熱動弁は、ワックスサーモエレメントやヒータ、熱動弁ケースや上蓋の製造上の寸法誤差等によって、ワックスサーモエレメントとヒータが密着しない虞がある。そのような寸法誤差等を許容するように、例えば図6に示す複数の熱動弁を備えた熱動弁ヘッダ31では、ワックスサーモエレメント35をヒータ36に密着させるように付勢するスプリング37を配設している。
【0006】
しかし、熱動弁ケースやスプリング等の部材の加工精度及びそれらの組立て方によっては、スプリングで付勢してもワックスサーモエレメントが傾いた状態になってヒータに密着せず、熱動弁が正常に作動しない虞がある。
【0007】
本発明の目的は、ヒータとワックスサーモエレメントの密着性を向上させる構造を有する熱動弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の熱動弁は、弁体と、前記弁体を駆動するためのワックスサーモエレメントと、前記ワックスサーモエレメントを加熱するためのヒータとが熱動弁ケース内に直列状に配設された熱動弁において、前記ヒータは前記ワックスサーモエレメントに当接させる加熱面とその反対側の支持面を有し、前記熱動弁ケースは、前記支持面の中央近傍に点接触状に当接するように突出させたヒータ支持部を有することを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、熱動弁ケースのヒータ支持部をヒータの支持面の中央近傍に点接触状に当接させることによって、ワックスサーモエレメントが傾いた状態であっても、その傾きに合せてヒータを傾けて支持することができる。従って、ヒータとワックスサーモエレメントの密着性を向上させることができる。
【0010】
請求項2の発明の熱動弁は、請求項1の発明において、前記熱動弁ケースは、前記ワックスサーモエレメントと前記ヒータを収容する収容部を有する本体部と、前記収容部を覆うカバー部を備え、前記ヒータ支持部は、前記カバー部から前記ヒータに向けて突出させて形成されたことを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、点接触状に当接するヒータ支持部を備えたカバー部を装着して容易にヒータとワックスサーモエレメントの密着性を向上させることができる。
【0012】
請求項3の発明の熱動弁は、請求項1又は2の発明において、前記ヒータ支持部は、部分球面状に形成されたことを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、ワックスサーモエレメントの傾きに合せてヒータを傾けた状態で、部分球面状のヒータ支持部がヒータの支持面の中央近傍を支持することができる。従って、寸法誤差や組立て方によってワックスサーモエレメントがどの方向に傾いても、その傾きに合せて傾けたヒータをヒータ支持部が支持するので、ヒータとワックスサーモエレメントの密着性を向上させることができる。
【0014】
請求項4の発明の熱動弁は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記ワックスサーモエレメントを前記ヒータに向けて付勢する付勢部材を有することを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、ワックスサーモエレメントをヒータの加熱面に押し当てるように付勢して、ヒータの加熱面とワックスサーモエレメントの密着性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の熱動弁によれば、ワックスサーモエレメントとヒータの密着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例に係る熱動弁を備えた熱動弁ヘッダの斜視図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3図2の熱動弁の要部拡大断面図である。
図4】カバー部の断面図である。
図5】傾いたワックスサーモエレメントとヒータの支持状態の説明図である。
図6】従来の熱動弁ヘッダの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
図1図5に基づいて湯水を分配するために3つの熱動弁を備えた熱動弁ヘッダ1の例を説明するが、熱動弁の数はこれに限定されるものではない。尚、熱動弁が1つで分配しない場合は、熱動弁ヘッダではなく単に熱動弁と呼ばれる。
【0020】
熱動弁ヘッダ1は、熱動弁ヘッダケース2(熱動弁ケース)と熱動弁10a〜10cを有する。熱動弁ヘッダケース2は、本体部3とカバー部7を有する。本体部3は、湯水を分配する通路が形成された分配通路部4と、分配通路部4の入口に装備された入口接続部5と、分配通路部4の3つの通路出口4a〜4cに対応する配管接続部6a〜6cを備えて分配通路部4に装備された出口接続部6を備えている。
【0021】
入口接続部5には図示外の熱源機で加熱した湯水が循環する湯水供給管8が接続され、熱動弁10a〜10cのうちの少なくとも1つが開いたときに湯水が分配通路部4内の通路を流れる。配管接続部6a〜6cには、湯水配管9a〜9cが夫々接続され、温水暖房装置等に湯水を分配する。
【0022】
本体部3には筒状の収容部3a〜3c等が形成され、カバー部7が収容部3a〜3cを覆って本体部3にビス3d等によって固定されている。収容部3a〜3cは、ロッド挿通孔4d〜4fを介して通路出口4a〜4cに直線的に夫々連通している。以下では通路出口4a〜4cを夫々開閉する熱動弁10a〜10cについて説明するが、熱動弁10a〜10cは同じ構成なので、入口接続部5に最も近い熱動弁10aについて説明し、熱動弁10b,10cの説明を省略する。
【0023】
収容部3aはロッド挿通孔4dよりも大径に形成され、ロッド挿通孔4dに挿通されたロッド12の進出量を規制するロッドケース11が収容部3aに収容されている。このロッドケース11にロッド12の基端部12aが収容され、通路出口4aに挿通されたロッド12の先端部に通路出口4aを開閉するための弁体13が装着されている。ロッド挿通孔4dには、収容部3aへの湯水の浸入を防ぐために、リング状のシール部材14が装着されている。
【0024】
収容部3aには、ワックスサーモエレメント15が収容されている。ワックスサーモエレメント15は、感温部15aの温度をピストン15bの進出量に変換する。ピストン15bが進出すると、ピストン15bの先端がロッド12の基端部12aに当接する。尚、ピストン15bの先端がロッド12の基端部12aに連結されていてもよい。
【0025】
収容部3aには更に1対の電極を有するヒータ16が収容され、そのヒータ16の加熱面16a(電極)がワックスサーモエレメント15の感温部15aに当接するように配設されている。ヒータ16に通電するために1対の電極から延びる被覆電線16b,16cは、本体部3とカバー部7の間に設けられた配線用の隙間から外部に引き出されている。ヒータ16には、通電により発熱し且つその温度上昇を制御可能なPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ等が用いられる。
【0026】
収容部3aを覆うカバー部7に形成されたヒータ支持部7aが、ヒータ16の加熱面16aと反対側の支持面16d(電極)に当接している。ヒータ支持部7aは、カバー部7から収容部3a内のヒータ16に向けて部分球面状に突出させて形成され、支持面16dの中央近傍に点接触状に当接する。これによりヒータ支持部7aが、ワックスサーモエレメント15の傾きに合せて傾けた状態のヒータ16を支持することができる。ヒータ支持部7aが部分球面状なので、ヒータ16がどの方向に傾いていてもヒータ16を支持することができる。
【0027】
ロッドケース11にはコイル状のスプリング17(付勢部材)が外嵌状に装備され、このスプリング17がワックスサーモエレメント15をヒータ16に向けて付勢するように圧縮された状態で収容部3aに収容されている。スプリング17がワックスサーモエレメント15の感温部15aをヒータ16の加熱面16aに密着させるように付勢し、カバー部7のヒータ支持部7aがヒータ16の支持面16dを支持してその付勢力を受け止める。
【0028】
通路出口4aには、出口接続部6によって弁室6dが設けられている。弁室6d内には、弁体13が通路出口4aを配管接続部6a側から閉塞するように弁体13を付勢するコイル状のスプリング21が圧縮状態で収容されている。弁体13にはリング状のシール部材13aが装着されている。
【0029】
ワックスサーモエレメント15の感温部15aが低温のときには、スプリング21の付勢力によって弁体13が通路出口4aを閉塞する。ヒータ16によって感温部15aが加熱されると温度に応じてピストン15bが進出し、進出するピストン15bがスプリング21の付勢力に打ち勝ってロッド12を介して弁体13を弁室6dの内方に押し込み、通路出口4aが開放される。
【0030】
上記実施例の熱動弁ヘッダ1の作用、効果について説明する。
弁体13と、この弁体13を駆動するためのワックスサーモエレメント15と、このワックスサーモエレメント15を加熱するためのヒータ16が熱動弁ヘッダケース2内に直列状に配設されて熱動弁ヘッダ1が形成されている。ヒータ16はワックスサーモエレメント15に当接させる加熱面16aとその反対側の支持面16dを有している。熱動弁ヘッダケース2は、支持面16dの中央近傍に点接触状に当接するように突出させたヒータ支持部7aを有している。
【0031】
ヒータ支持部7aをヒータ16の支持面16dの中央近傍に点接触状に当接させることによって、ワックスサーモエレメント15が傾いた状態であっても、その傾きに合せてヒータ16を傾けて支持することができる。従って、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0032】
また、熱動弁ヘッダケース2は、ワックスサーモエレメント15とヒータ16を収容する収容部3a等を有する本体部3と、収容部3a等を覆うカバー部7を備え、ヒータ支持部7aはカバー部7からヒータ16に向けて突出させて形成されている。そのため、従来の熱動弁ヘッダに本実施例の点接触状に当接するヒータ支持部7aを備えたカバー部7を装着して、容易にヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0033】
ヒータ支持部7aは、部分球面状に形成されているので、ワックスサーモエレメント15の傾きに合せてヒータ16を傾けた状態で、部分球面状のヒータ支持部7aがヒータ16の支持面16dの中央近傍を支持することができる。従って、寸法誤差や組立て方によってワックスサーモエレメント15がどの方向に傾いても、その傾きに合わせて傾いたヒータ16をヒータ支持部7aが支持するので、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0034】
ワックスサーモエレメント15をヒータ16に向けて付勢するスプリング17を有している。スプリング17がワックスサーモエレメント15をヒータ16の加熱面16aに押し当てるように付勢して、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0035】
カバー部7が合成樹脂材料により形成される場合に、その弾性を利用してヒータ支持部7aが点接触状に当接するヒータ16をワックスサーモエレメント15に密着させるように構成してもよい。この場合、スプリング17を省略して組立てを容易にし、熱動弁ヘッダ1の製造コストを抑えることもできる。
【0036】
ヒータ支持部7aは、ヒータ16の支持面16dに点接触状に当接する先端部分のみ部分球面状に形成されていてもよく、先端部分がスプリング17の付勢力に耐え得る細い棒状に形成されていてもよい。この場合でもワックスサーモエレメント15の傾きに合せてヒータ16が傾くことを許容して、ヒータ16とワックスサーモエレメント15の密着性を向上させることができる。
【0037】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0038】
1 :熱動弁ヘッダ
2 :熱動弁ヘッダケース(熱動弁ケース)
3 :本体部
3a〜3c :収容部
4 :分配通路部
4a〜4c :通路出口
4d〜4f :ロッド挿通孔
5 :入口接続部
6 :出口接続部
6a〜6c :配管接続部
6d :弁室
7 :カバー部
7a :ヒータ支持部
10a〜10c :熱動弁
11 :ロッドケース
12 :ロッド
13 :弁体
15 :ワックスサーモエレメント
15a :感温部
15b :ピストン
16 :ヒータ
16a :加熱面
16d :支持面
17 :スプリング(付勢部材)
21 :スプリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6