【解決手段】撮像装置1は、回転軸線L1に沿って延在し、回転軸線L1周りに回転可能な軸部4と、軸部4に取り付けられ、光路の向きを変更する光路変更部3と、軸部4の外周面に摩擦係合すると共に予め設定された伸縮方向L2に沿って伸縮可能なアクチュエータ5と、を備える。軸部4は、アクチュエータ5の伸縮によって回転する。光路変更部3は、軸部4の回転に伴って回転軸線L1を中心に可動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された駆動装置では、利用者がロータリーツマミを回転させることによって光路の向きを変更している。このため、本技術分野においては、利用者ではなく、アクチュエータを用いて光路の向きを変更することが求められている。
【0005】
そこで、本発明の一側面は、アクチュエータを用いて光路の向きを変更可能な駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る駆動装置は、回転軸線に沿って延在し、回転軸線周りに回転可能な軸部と、軸部に取り付けられ、光路の向きを変更する光路変更部と、軸部の外周面に摩擦係合すると共に予め設定された伸縮方向に沿って伸縮可能なアクチュエータと、を備え、軸部は、アクチュエータの伸縮によって回転し、光路変更部は、軸部の回転に伴って回転軸線を中心に可動する。
【0007】
この駆動装置においてアクチュエータは、軸部の外周面に摩擦係合している。これにより、駆動装置は、アクチュエータを伸縮させることによって軸部を回転させることができる。すなわち、駆動装置は、軸部を回転させることによって、光路の向きを変更するための光路変更部を可動させることができる。このように、駆動装置は、アクチュエータを用いて光路の向きを変更できる。
【0008】
駆動装置において、アクチュエータは、伸縮方向に沿って伸縮可能な圧電素子と、圧電素子における伸縮方向に沿った一方の端部に固定され、軸部の外周面に摩擦係合するシャフトと、を有していてもよい。この場合、アクチュエータは、圧電素子を伸縮させることによって光路変更部を可動させ、光路の向きを変更できる。
【0009】
駆動装置において、軸部の外周面には、アクチュエータに摩擦係合する係合部が設けられ、係合部は、回転軸線方向において互いに対面する第1係合面及び第2係合面を有し、シャフトは、回転軸線方向において第1係合面と第2係合面との間に配置され、第1係合面及び第2係合面にそれぞれ摩擦係合してもよい。軸部の第1係合面と第2係合面との間にシャフトが位置していることにより、回転軸線方向における軸部の移動が規制される。すなわち、回転軸線方向における光路変更部の移動が規制される。このように、駆動装置は、第1係合面及び第2係合面を、回転軸線方向における光路変更部の移動を規制するストッパとして用いることができ、光路変更部を安定して可動させることができる。また、シャフトに対して2つの面(第1係合面及び第2係合面)が摩擦係合している。これにより、駆動装置は、シャフトと軸部との摩擦係合力を向上させることができ、光路変更部をより確実に可動させることができる。
【0010】
駆動装置において、係合部には、軸部の外周面において周方向に延在するV字溝が設けられ、第1係合面及び第2係合面は、V字溝を形成する2つの面によって構成されていてもよい。この場合、駆動装置は、軸部に設けられたV字溝によって、回転軸線方向における光路変更部の移動を規制し、摩擦係合力を向上させることができる。
【0011】
駆動装置において、光路変更部は、光路の向きを変更する光学部材と、光学部材が取り付けられる取付面を有すると共に、軸部に接続される本体部と、を備え、取付面の法線方向に沿って見たときに、軸部が光路変更部の重心位置を横切るように、本体部が軸部に接続されていてもよい。この場合、駆動装置は、軸部を回転させて回転軸線を中心に光路変更部を可動させる際に、光路変更部を安定して可動させることができる。
【0012】
駆動装置において、光路変更部は、光路の向きを変更する光学部材と、光学部材が取り付けられる取付部と、一方の端部が取付部に接続され、他方の端部が軸部に接続される第1接続部と、一方の端部が取付部に接続され、他方の端部が軸部に接続される第2接続部と、を備え、第1接続部における他方の端部と第2接続部における他方の端部とは、回転軸線方向において互いに異なる位置で軸部に接続され、アクチュエータは、第1接続部における他方の端部と第2接続部における他方の端部との間の位置において、軸部の外周面に摩擦係合していてもよい。この場合、駆動装置は、軸部の回転力を第1接続部及び第2接続部を介して偏りを抑制しつつ適切に取付部へ伝達できる。これにより、駆動装置は、光路変更部を安定して可動させることができ、光路のブレを抑制できる。
【0013】
駆動装置は、アクチュエータを軸部の外周面に向けて付勢して、アクチュエータを軸部の外周面に摩擦係合させる付勢部材と、軸部を回転可能に支持する第1支持部及び第2支持部と、を更に備え、第1支持部及び第2支持部は、回転軸線方向において第1接続部における他方の端部と第2接続部における他方の端部とを間に挟むようにして軸部をそれぞれ支持し、付勢部材は、付勢部材によるアクチュエータの付勢方向に沿って見たときに、第1接続部と第2接続部との間に位置していてもよい。ここで、例えば、伸縮するアクチュエータと付勢部材との摺動部分においてパーティクルが生じることが考えられる。しかしながら、この駆動装置では、パーティクルが発生する摺動部分と第1支持部及び第2支持部とが離れていることによって、発生したパーティクルが第1支持部及び第2支持部に到達することが抑制される。これにより、駆動装置は、発生したパーティクルが第1支持部及び第2支持部に付着(入り込む)ことによって軸部の回転が阻害されてしまうことを抑制できる。また、パーティクルが発生する摺動部分から第1支持部へ至るまでの間には第1接続部が存在し、パーティクルが発生する摺動部分から第2支持部へ至るまでの間には第2接続部が存在している。このため、駆動装置は、第1接続部及び第2接続部によって、第1支持部及び第2支持部へパーティクルが到達することをより一層抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アクチュエータを用いて光路の向きを変更することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の駆動装置が適用された撮像装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1に示される撮像装置(駆動装置)1は、例えばデジタルカメラ、携帯端末、スマートフォン等に搭載され、撮像を行う機器である。まず、撮像装置1の概略構成について説明する。撮像装置1は、ホルダ2、光路変更部3、軸部4、アクチュエータ5、レンズモジュール6、イメージセンサ7、及び付勢部材8を備えている。
【0018】
光路変更部3は、ホルダ2の開口部2aから取り込まれた光を反射させ、レンズモジュール6を介してイメージセンサ7に入射させる。光路変更部3は、軸部4を軸として、アクチュエータ5によって可動(揺動)させられる。これにより、光路変更部3は、イメージセンサ7に入射する光路Lの向きを変更することができる。すなわち、撮像装置1は、光路変更部3を駆動することにより、イメージセンサ7を用いて撮像を行うときの視野の向きを変更することができる。
【0019】
レンズモジュール6は、レンズを有している。レンズモジュール6は、例えば、ズーム機能を有していてもよい。レンズモジュール6は、例えば、レンズをシフト等させることによって手振れを補正する手振れ補正機能を有していてもよい。イメージセンサ7は、光を電気信号に変換する素子である。イメージセンサ7としては、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等、種々のセンサが用いられ得る。
【0020】
なお、以下の説明では、説明の便宜上、XYZ直交座標系を用いて各部の配置等を説明する。具体的には、レンズモジュール6とイメージセンサ7との並び方向に沿った軸をZ軸とする。光路変更部3を可動させるときの軸となる軸部4の延在方向に沿った軸をX軸とする。また、X軸及びZ軸のそれぞれに直交する軸をY軸とする。また、Z軸方向における位置又は向きを示す場合、イメージセンサ7に対してレンズモジュール6が配置されている側を「上」、その反対側を「下」と称する場合がある。但し、ここでの「上」、「下」は、説明の便宜上のためであり、実際にこの「上」、「下」の向きに撮像装置1が配置されることに限定されない。
【0021】
以下、撮像装置1の各部の詳細について説明する。
図2に示されるように、撮像装置1のホルダ2は、レンズホルダ21、及びミラーホルダ22を有している。ミラーホルダ22は、レンズホルダ21の上部に連結されている。レンズホルダ21は、レンズモジュール6を保持する。イメージセンサ7は、レンズモジュール6の下方の位置において、レンズモジュール6と対向するようにレンズホルダ21の底部に固定されている(
図1参照)。
【0022】
ミラーホルダ22は、軸部4、アクチュエータ5、及び付勢部材8を保持する。ミラーホルダ22は、第1側板部22a、第2側板部22b、第1上部フレーム22c、及び第2上部フレーム22dを有している。第1側板部22aと第2側板部22bとは、X軸方向において互いに対向している。第1上部フレーム22cは、第1側板部22aの上端部と第2側板部22bの上端部とを連結する。同様に、第2上部フレーム22dは、第1側板部22aの上端部と第2側板部22bの上端部とを連結する(
図7参照)。すなわち、ミラーホルダ22は、Y軸方向において開口している(
図1及び
図7等参照)。ミラーホルダ22のY軸方向に開口する2つの開口部のうちの一方の開口部(光路変更部3のミラー30が向く側の開口部)が、上述したホルダ2の開口部2aとなる。
【0023】
図2及び
図3に示されるように、軸部4は、回転軸線L1に沿って延在している。なお、
図3では、軸部4等の周りの構成を示すためにミラーホルダ22の図示が省略されている。他の図においても、要部を図示するために構成要素の一部の図示を省略することがある。回転軸線L1は、X軸方向と平行となっている。軸部4の両端部は、第1側板部22a及び第2側板部22bによって回転可能に支持されている。本実施形態において、軸部4の一方の端部は、第1側板部22aに取り付けられた第1軸受け(第1支持部)Baによって、第1側板部22aに対して回転可能に支持されている。軸部4の他方の端部は、第2側板部22bに取り付けられた第2軸受け(第2支持部)Bbによって、第2側板部22bに対して回転可能に支持されている。
【0024】
なお、第1軸受けBa及び第2軸受けBbは、例えば、ボールベアリングであってもよい。このように、軸部4は、第1軸受けBa及び第2軸受けBbによって支持されることによって、回転軸線L1周りに回転することができる。
【0025】
また、軸部4の外周面には、アクチュエータ5に摩擦係合する係合部40が設けられている。係合部40は、軸部4における回転軸線L1方向の略中央位置に設けられている。係合部40の詳細について、詳しくは後述する。
【0026】
図3〜
図5に示されるように、光路変更部3は、軸部4に取り付けられ、光路の向きを変更する。具体的には、光路変更部3は、ホルダ2の開口部2aから入射した光を、イメージセンサ7に向けて反射させる。光路変更部3は、ミラー(光学部材)30、及び本体部31を有している。ミラー30は、矩形状に形成されている。ミラー30は、開口部2aから入射した光を反射させることによって光路の向きを変更する。
【0027】
本体部31は、ミラーベース(取付部)32、第1接続部33a、及び第2接続部33bを有している。ミラーベース32は、略矩形の板状の部材である。ミラーベース32は、ミラー30が取り付けられる取付面32aを有している(
図4参照)。ミラーベース32の取付面32aには、例えば両面テープ又は接着剤等によって、ミラー30が取り付けられる。
【0028】
第1接続部33aの一方の端部は、ミラーベース32における取付面32aに対して反対側の面である接続面32b(
図4参照)に接続(固定)される。第1接続部33aの他方の端部は、軸部4に接続(固定)される。同様に、第2接続部33bの一方の端部は、ミラーベース32における接続面32bに接続(固定)される。第2接続部33bの他方の端部は、軸部4に接続(固定)される。
【0029】
例えば、ミラーベース32、第1接続部33a、及び第2接続部33bは、樹脂等によって一体に成形されていてもよい。例えば、第1接続部33aの他方の端部に設けられた孔及び第2接続部33bの他方の端部に設けられた孔に軸部4がそれぞれ圧入されることによって、第1接続部33a及び第2接続部33bが軸部4に接続されていてもよい。
【0030】
なお、第1接続部33aにおける他方の端部と第2接続部33bにおける他方の端部とは、回転軸線L1において互いに異なる位置で軸部4に接続されている。本実施形態において、第1接続部33aの他方の端部は、軸部4に設けられた係合部40と、軸部4における第1軸受けBaによって支持される側の端部との間の位置において、軸部4に接続されている。同様に、第2接続部33bの他方の端部は、軸部4に設けられた係合部40と、軸部4における第2軸受けBbによって支持される側の端部との間の位置において、軸部4に接続されている。
【0031】
すなわち、第1軸受けBa及び第2軸受けBbは、回転軸線L1方向において、第1接続部33aにおける他方の端部と第2接続部33bにおける他方の端部とを間に挟むようにして軸部4をそれぞれ支持している。また、軸部4に設けられた係合部40は、第1接続部33aにおける他方の端部と第2接続部33bにおける他方の端部との間に位置している。
【0032】
光路変更部3は、ミラー30がイメージセンサ7側を向くように軸部4に接続されている。より詳細には、光路変更部3は、開口部2aから入射した光がミラー30で反射されてイメージセンサ7に入射可能なように軸部4に接続されている。光路変更部3は、軸部4に接続(固定)されていることにより、軸部4の回転に伴って回転軸線L1を中心に可動(揺動)することができる。
【0033】
図3及び
図4に示されるように、アクチュエータ5は、軸部4の上側に配置されている。アクチュエータ5は、軸部4の外周面に摩擦係合すると共に、予め設定された伸縮方向L2に沿って伸縮することができる。上下方向に沿って見たときに、回転軸線L1と伸縮方向L2とは互いに直交している。アクチュエータ5は、伸縮方向L2に沿って伸縮することによって、回転軸線L1を中心に光路変更部3を揺動させる。
【0034】
より詳細には、アクチュエータ5は、スムーズインパクト駆動機構を構成するアクチュエータである。アクチュエータ5は、錘部51、圧電素子52、及びシャフト53を備えている。圧電素子52は、伸縮方向L2に沿って伸縮可能な素子である。圧電素子52は、圧電材料で構成されている。シャフト53は、円柱状に形成され、円柱形状の軸線が伸縮方向L2に沿って延びるように配置されている。シャフト53は、圧電素子52における伸縮方向L2に沿った一方の端部に固定されている。錘部51は、圧電素子52における伸縮方向L2に沿った他方の端部に固定されている。
【0035】
錘部51は、例えば、タングステン又はタングステン合金等の比重の高い材料から形成されている。
図2に示されるように、錘部51は、ミラーホルダ22の第2上部フレーム22dに固定されている。すなわち、アクチュエータ5は、錘部51、圧電素子52、及びシャフト53の順番で互いに連結されている。アクチュエータ5の錘部51は、シャフト53が開口部2a側を向くように、第2上部フレーム22dの内側面に固定されている。
【0036】
アクチュエータ5の圧電素子52には、図示しないFPC(Flexible Printed Circuits)が接続されている。圧電素子52は、FPCから供給された電力によって伸縮方向L2に沿って伸縮する。シャフト53は、圧電素子52の伸縮に伴って伸縮方向L2に沿って往復移動する。シャフト53は、軸部4の外周面に摩擦係合している。本実施形態において、シャフト53は、軸部4の外周面に設けられた係合部40に摩擦係合している。すなわち、アクチュエータ5のシャフト53は、第1接続部33aにおける他方の端部と第2接続部33bにおける他方の端部との間の位置において、軸部4の外周面(係合部40)に摩擦係合している。
【0037】
次に、アクチュエータ5のシャフト53と軸部4の係合部40との摩擦係合部分について説明する。
図3、
図5及び
図6に示されるように、係合部40は、回転軸線L1方向において互いに対面する第1係合面40a及び第2係合面40bを有している。本実施形態において、係合部40には、軸部4の外周面において周方向に延在するV字溝が設けられている。第1係合面40a及び第2係合面40bは、V字溝を形成する2つの面によって構成されている。
【0038】
なお、第1係合面40a及び第2係合面40bは、溝の開口側から底部側(軸部4の中心側)へ向かうに従って、互いの間隔が徐々に狭くなっていればよい。すなわち、第1係合面40a及び第2係合面40bは、溝の開口側と底部側とが直線でつながれたような面であってもよく、溝の開口側と底部側とが湾曲する曲線でつながれたような面であってもよい。また、第1係合面40a及び第2係合面40bは、V字溝を形成する2つの面によって構成されていることに限定されない。少なくとも、係合部40は、回転軸線L1方向において互いに対面する第1係合面40a及び第2係合面40bを有していればよい。
【0039】
ここで、
図4に示されるように、ミラーベース32においてミラー30が取り付けられる取付面32aの法線を法線L3とする。
図5は、光路変更部3及び軸部4等を法線L3方向に沿ってミラーベース32の接続面32b側から見た図である。また、
図5に示されるように、法線L3方向に沿って見たときに、光路変更部3の重心位置を重心位置Gとする。法線L3方向に沿って見たときに、軸部4は、重心位置Gを横切っている(重なっている)。すなわち、法線L3方向に沿って見たときに、軸部4が光路変更部3の重心位置Gを横切るように、光路変更部3の本体部31が軸部4に接続されている。また、
図5に示されるように、本実施形態において、係合部40は、法線L3方向に沿って見たときに光路変更部3の重心位置Gと重なっている。また、シャフト53は、法線L3方向に沿って見たときに光路変更部3の重心位置Gと重なっている。
【0040】
図3、
図5及び
図6に示されるように、アクチュエータ5のシャフト53は、軸部4の上側から係合部40内(V字溝)内に落とし込まれる。すなわち、シャフト53は、回転軸線L1方向において第1係合面40aと第2係合面40bとの間に配置され、第1係合面40a及び第2係合面40bにそれぞれ摩擦係合する。
【0041】
図6に示されるように、シャフト53と第1係合面40aとは、第1係合点Paにおいて点接触する。シャフト53と第2係合面40bとは、第2係合点Pbにおいて点接触する。このように、アクチュエータ5のシャフト53は、第1係合点Pa及び第2係合点Pbの2つの点において係合部40と摩擦係合する。
【0042】
図6及び
図7に示されるように、付勢部材8は、アクチュエータ5の上方に配置されている。付勢部材8におけるアクチュエータ5の錘部51側の端部は、ねじ等によってミラーホルダ22の第2上部フレーム22dに取り付けられている。付勢部材8は、アクチュエータ5のシャフト53を軸部4の外周面(係合部40)に向けて付勢して、シャフト53を軸部4の外周面(係合部40)に摩擦係合させる。例えば、付勢部材8は、板ばね等の弾性部材であってもよい。付勢部材8は、アクチュエータ5のシャフト53を付勢できれば種々の構成が採用され得る。
【0043】
本実施形態において、付勢部材8は、上側から下側に向けてシャフト53を付勢することによって、シャフト53を係合部40に摩擦係合させる。すなわち、付勢部材8によるシャフト53の付勢方向は、上方から下方に向う方向となる。また、付勢部材8は、
図6に示されるように、付勢部材8によるアクチュエータ5のシャフト53の付勢方向(上方から下方に向う方向)に沿って見たときに、第1接続部33aと第2接続部33bとの間に位置している。すなわち、付勢部材8は、付勢部材8によるアクチュエータ5のシャフト53の付勢方向(上下方向)において、第1軸受けBa、第1接続部33a、第2接続部33b、及び第2軸受けBbのいずれとも対向しない。
【0044】
このように、付勢部材8は、シャフト53を係合部40に向けて付勢することにより、アクチュエータ5のシャフト53と軸部4の係合部40とを適切に摩擦係合させることができる。シャフト53と係合部40とが摩擦係合した状態でアクチュエータ5が伸縮方向L2に沿って伸縮することにより、軸部4は、アクチュエータ5の伸縮に伴って回転する。アクチュエータ5は、例えば圧電素子52が伸びる時の速度と縮む時の速度とを異なる速度とすること等によって、回転軸線L1を中心とする回転方向の一方側又は他方側に軸部4を回転させることができる。このように、撮像装置1は、アクチュエータ5を伸縮させることによって軸部4を直接回転させることができる。
【0045】
図6及び
図8に示されるように、第1接続部33aには磁石MGが取り付けられている。すなわち、光路変更部3が揺動すると、磁石MGの位置が回転軸線L1周りに移動する。また、撮像装置1は、ホール素子HCを備えている。ホール素子HCは、第1接続部33aに設けられた磁石MGとY軸方向において略対向するように配置されている。ホール素子HCは、例えば、第2上部フレーム22dに設けられた図示しないFPC等に取り付けられていてもよい。ホール素子HCは、磁石MGの磁界の変化によって、光路変更部3の揺動の位置(揺動の角度)を検出する位置検出センサとして機能する。ホール素子HCにおける光路変更部3の揺動の位置の検出結果は、例えばアクチュエータ5の伸縮の制御等に用いられる。
【0046】
以上のように、撮像装置1においてアクチュエータ5は、軸部4の外周面に摩擦係合している。これにより、撮像装置1は、アクチュエータ5を伸縮させることによって軸部4を回転させることができる。すなわち、撮像装置1は、軸部4を回転させることによって、光路の向きを変更するための光路変更部3を可動させることができる。このように、撮像装置1は、アクチュエータ5を用いて光路の向きを変更できる。
【0047】
アクチュエータ5は、圧電素子52を有している。この場合、アクチュエータ5は、圧電素子52を伸縮させることによって光路変更部3を可動させ、光路の向きを変更できる。
【0048】
軸部4の係合部40は、第1係合面40a及び第2係合面40bを有している。アクチュエータ5のシャフト53は、第1係合面40aと第2係合面40bとの間に配置される。これにより、回転軸線L1方向における軸部4の移動が規制される。すなわち、回転軸線L1方向における光路変更部3の移動が規制される。このように、撮像装置1は、第1係合面40a及び第2係合面40bを、回転軸線L1方向における光路変更部3の移動を規制するストッパとして用いることができ、光路変更部3を安定して可動させることができる。また、シャフト53に対して2つの面(第1係合面40a及び第2係合面40b)が摩擦係合している。これにより、撮像装置1は、シャフト53と軸部4との摩擦係合力を向上させることができ、光路変更部3をより確実に可動させることができる。
【0049】
係合部40における第1係合面40a及び第2係合面40bは、V字溝を形成する2つの面によって構成されている。この場合、撮像装置1は、軸部4に設けられたV字溝によって、光路変更部3の移動(回転軸線L1方向の移動)の規制し、シャフト53と軸部4との摩擦係合力を向上させることができる。
【0050】
図5に示されるように、ミラーベース32の取付面32aの法線L3方向に沿って見たときに、軸部4が光路変更部3の重心位置Gを横切るように、本体部31が軸部4に接続されている。すなわち、軸部4は、光路変更部3を揺動させるときの重量バランスが良い位置で光路変更部3に接続される。これにより、撮像装置1は、軸部4を回転させて回転軸線L1を中心に光路変更部3を可動させる際に、光路変更部3を安定して可動させることができる。
【0051】
アクチュエータ5は、第1接続部33aと第2接続部33bとの間の位置において、軸部4の外周面に摩擦係合している。この場合、撮像装置1は、軸部4の回転力を第1接続部33a及び第2接続部33bを介して偏りを抑制しつつ適切にミラーベース32へ伝達できる。これにより、撮像装置1は、光路変更部3を安定して可動させることができ、光路のブレを抑制できる。
【0052】
図5に示されるように、付勢部材8は、付勢部材8によるアクチュエータ5のシャフト53の付勢方向(上方から下方に向う方向)に沿って見たときに、第1接続部33aと第2接続部33bとの間に位置している。ここで、例えば、伸縮するアクチュエータ5のシャフト53と付勢部材8との摺動部分においてパーティクルが生じることが考えられる。この場合であっても、撮像装置1では、パーティクルが発生する摺動部分と第1軸受けBa及び第2軸受けBbとが離れていることによって、発生したパーティクルが第1軸受けBa及び第2軸受けBbに到達することが抑制される。これにより、撮像装置1は、発生したパーティクルが第1軸受けBa及び第2軸受けBbに付着(入り込む)ことによって軸部4の回転が阻害されてしまうことを抑制できる。また、パーティクルが発生する摺動部分から第1軸受けBaへ至るまでの間には第1接続部33aが存在し、パーティクルが発生する摺動部分から第2軸受けBbへ至るまでの間には第2接続部33bが存在している。このため、撮像装置1は、第1接続部33a及び第2接続部33bによって、第1軸受けBa及び第2軸受けBbへパーティクルが到達することをより一層抑制できる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、軸部4の係合部40は、第1係合面40a及び第2係合面40bのように、2つの面によってシャフト53に摩擦係合することに限定されない。係合部40は、係合部40の少なくとも一部分がシャフト53に摩擦係合してればよい。
【0054】
光路変更部3は、光路の向きを変更する光学部材として、ミラー30以外の部材(例えばプリズム等)を有していてもよい。
【0055】
また、ミラーベース32の取付面32aの法線L3方向に沿って見たときに、軸部4が光路変更部3の重心位置Gを横切っていることに限定されない。アクチュエータ5は、第1接続部33aと第2接続部33bとの間の位置において、軸部4の外周面に摩擦係合していることに限定されない。本体部31は、第1接続部33a及び第2接続部33bの2つの接続部によって軸部4に接続されていることに限定されない。例えば、本体部31は、一つの接続部によって軸部4に接続されていてもよい。
【0056】
また、付勢部材8によるアクチュエータ5のシャフト53の付勢方向(上方から下方に向う方向)に沿って見たときに、付勢部材8は、第1接続部33aと第2接続部33bとの間に位置していることに限定されない。例えば、付勢部材8は、付勢部材8によるシャフト53の付勢方向に沿って見たときに、第1接続部33a等と対向していてもよい。
【0057】
以上に記載された実施形態及び種々の変形例の少なくとも一部が任意に組み合わせられてもよい。