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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-194190(P2020-194190A)
(43)【公開日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】試料観察装置及び試料観察方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20201106BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20201106BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20201106BHJP
【FI】
   G02B21/06
   G02B21/36
   G01N21/64 E
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-140160(P2020-140160)
(22)【出願日】2020年8月21日
(62)【分割の表示】特願2018-197569(P2018-197569)の分割
【原出願日】2016年10月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】山本 諭
(72)【発明者】
【氏名】松原 正典
(72)【発明者】
【氏名】杉山 範和
【テーマコード(参考)】
2G043
2H052
【Fターム(参考)】
2G043CA05
2G043EA01
2G043FA02
2G043GA04
2G043GA25
2G043KA09
2G043LA03
2H052AA07
2H052AA09
2H052AC09
2H052AC15
2H052AC16
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】
【課題】観察画像データを得るまでのスループットの向上が図られる試料観察装置及び試料観察方法を提供する。
【解決手段】試料観察装置1は、試料Sに面状光L2を照射する照射光学系3と、面状光L2の照射面Rに対して試料Sを走査する走査部4と、照射面Rに対して傾斜する観察軸P2を有し、面状光L2の照射によって試料Sで発生した観察光L3を結像する結像光学系5と、結像光学系5によって結像された観察光L3による光像の一部に対応する部分画像データを複数取得する画像取得部6と、画像取得部6によって生成された複数の部分画像データに基づいて試料Sの観察画像データを生成する画像生成部8と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に面状光を照射する照射光学系と、
前記面状光の照射面に対して前記試料を走査する走査部と、
前記照射面に対して傾斜する観察軸を有し、前記面状光の照射によって前記試料で発生した観察光を結像する結像光学系と、
前記結像光学系によって結像された前記観察光による光像の一部に対応する部分画像データを複数取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって生成された複数の部分画像データに基づいて前記試料の観察画像データを生成する画像生成部と、を備えた試料観察装置。
【請求項2】
前記試料は、前記面状光の入力面を有する試料容器によって保持され、
前記照射光学系による前記面状光の光軸は、前記試料容器の前記入力面に対して直交するように配置されている請求項1記載の試料観察装置。
【請求項3】
前記走査部は、前記照射光学系による前記面状光の光軸に対して直交する方向に前記試料を走査する請求項1又は2記載の試料観察装置。
【請求項4】
前記面状光の照射面に対する前記結像光学系の前記観察軸の傾斜角度は、10°〜80°となっている請求項1〜3のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項5】
前記面状光の照射面に対する前記結像光学系の前記観察軸の傾斜角度は、20°〜70°となっている請求項1〜4のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項6】
前記面状光の照射面に対する前記結像光学系の前記観察軸の傾斜角度は、30°〜65°となっている請求項1〜5のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項7】
前記画像取得部は、二次元撮像装置を含み、前記二次元撮像装置から出力されたデータから前記観察光の光像の一部に対応する画像データを前記部分画像データとして抽出する請求項1〜6のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項8】
前記画像取得部は、前記観察光による光像の一部を撮像し、前記部分画像データを出力するラインセンサを含む請求項1〜6のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項9】
前記画像取得部は、前記観察光による光像の一部を通過させるスリットと、前記スリットを通過した光像を検出する光検出器とを含み、前記光検出器から出力されたデータに基づいて前記部分画像データを生成する請求項1〜6のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項10】
前記画像生成部は、前記複数の部分画像データに基づいて、前記面状光の光軸に直交する面における前記試料の観察画像データを生成する請求項1〜9のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項11】
前記観察画像データを解析し、解析結果を生成する解析部を更に備える請求項1〜10のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項12】
試料に面状光を照射する照射ステップと、
前記面状光の照射面に対して前記試料を走査する走査ステップと、
前記照射面に対して傾斜する観察軸を有する結像光学系を用い、前記面状光の照射によって前記試料で発生した観察光を結像する結像ステップと、
前記結像光学系によって結像された前記観察光による光像の一部に対応する部分画像データを複数取得する画像取得ステップと、
前記複数の部分画像データに基づいて前記試料の観察画像データを生成する画像生成ステップと、を備えた試料観察方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試料観察装置及び試料観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞などの3次元立体構造を持つ試料の内部を観察する手法の一つとして、SPIM(Selective Plane Illumination Microscopy)が知られている。例えば特許文献1に記載の断層像観察装置は、SPIMの基本的な原理を開示したものであり、面状光を試料に照射し、試料の内部で発生した蛍光又は散乱光を結像面に結像させて試料内部の観察画像データを取得する。
【0003】
面状光を用いた他の試料観察装置としては、例えば特許文献2に記載のSPIM顕微鏡が挙げられる。この従来のSPIM顕微鏡では、試料の配置面に対して一定の傾斜角をもって面状光を照射し、面状光の照射面に対して直交する観察軸を有する観察光学系によって試料からの観察光を撮像する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−180241号公報
【特許文献2】特開2014−202967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献2に記載の試料観察装置では、観察光学系のフォーカス面の全面に面状光を照射することで、1回の撮像によって観察軸方向の断層面の画像を取得し得る。したがって、試料の3次元情報を取得するためには、観察軸方向に試料を走査し、観察軸方向の複数断層面の画像を取得する必要があった。このような従来の試料観察装置では、全ての断層面の画像を取得するまでに、画像を取得する断層面の選択(試料の走査及び停止)と画像取得とを繰り返す必要があった。また、観察対象が存在する領域が撮像領域よりも広い場合には、観察軸方向の断面画像を取得する動作に加え、観察軸方向とは異なる方向へステージを移動して撮像視野を選択する動作などが必要となっていた。このため、観察画像データを得るまでに時間を要することが課題となっていた。
【0006】
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、観察画像データを得るまでのスループットの向上が図られる試料観察装置及び試料観察方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る試料観察装置は、試料に面状光を照射する照射光学系と、面状光の照射面に対して試料を走査する走査部と、照射面に対して傾斜する観察軸を有し、面状光の照射によって試料で発生した観察光を結像する結像光学系と、結像光学系によって結像された観察光による光像の一部に対応する部分画像データを複数取得する画像取得部と、画像取得部によって生成された複数の部分画像データに基づいて試料の観察画像データを生成する画像生成部と、を備える。
【0008】
この試料観察装置では、面状光の照射面に対して試料が走査され、また、面状光の照射面に対し、結像光学系の観察軸が傾斜している。このため、画像取得部では、面状光の光軸方向における断層面の部分画像データを順次取得することが可能となり、画像生成部では、複数の部分画像データに基づいて、試料の観察画像データを生成できる。この試料観察装置では、視野選択動作が不要となり、試料の走査と画像取得とを同時進行することが可能となるため、観察画像データを得るまでのスループットの向上が図られる。
【0009】
また、試料は、面状光の入力面を有する試料容器によって保持され、照射光学系による面状光の光軸は、試料容器の入力面に対して直交するように配置されていてもよい。この場合、試料容器によって複数の試料を一度に走査することが可能となる。また、面状光の光軸を試料容器の入力面に対して直交させることで、画像取得部で取得した部分画像データの位置補正などが不要となり、観察画像データの生成処理を容易化できる。
【0010】
また、走査部は、照射光学系による面状光の光軸に対して直交する方向に試料を走査してもよい。この場合、画像取得部で取得した部分画像データの位置補正などの画像処理が不要となり、観察画像データの生成処理を容易化できる。
【0011】
また、面状光の照射面に対する結像光学系の観察軸の傾斜角度は、10°〜80°となっていてもよい。この範囲では、観察画像の解像度を十分に確保できる。
【0012】
また、面状光の照射面に対する結像光学系の観察軸の傾斜角度は、20°〜70°となっていてもよい。この範囲では、観察画像の解像度を一層十分に確保できる。また、観察軸の角度変化量に対する視野の変化を抑えることができ、視野の安定度を確保できる。
【0013】
また、面状光の照射面に対する結像光学系の観察軸の傾斜角度は、30°〜65°となっていてもよい。この範囲では、観察画像の解像度及び視野の安定度を一層好適に確保できる。
【0014】
また、画像取得部は、二次元撮像装置を含んで構成され、二次元撮像装置から出力されたデータから観察光の光像の一部に対応する画像データを部分画像データとして抽出してもよい。このような構成により、部分画像データを精度良く取得できる。
【0015】
また、画像取得部は、観察光による光像の一部を撮像し、部分画像データを出力するラインセンサを含んでいてもよい。このような構成により、部分画像データを精度良く取得できる。
【0016】
また、画像取得部は、観察光による光像の一部を通過させるスリットと、スリットを通過した光像を検出する光検出器とを含み、光検出器から出力されたデータに基づいて部分画像データを生成してもよい。このような構成により、部分画像データを精度良く取得できる。
【0017】
また、画像生成部は、複数の部分画像データに基づいて、面状光の光軸に直交する面における試料の観察画像データを生成してもよい。これにより、バックグラウンドの影響を抑えた試料の断面画像を観察画像として得ることができる。
【0018】
また、試料観察装置は、観察画像データを解析し、解析結果を生成する解析部を更に備えていてもよい。画像生成部によって生成された観察画像データを解析部で解析するため、解析のスループットも向上させることができる。
【0019】
また、本発明の一側面に係る試料観察方法は、試料に面状光を照射する照射ステップと、面状光の照射面に対して試料を走査する走査ステップと、照射面に対して傾斜する観察軸を有する結像光学系を用い、面状光の照射によって試料で発生した観察光を結像する結像ステップと、結像光学系によって結像された観察光による光像の一部に対応する部分画像データを複数取得する画像取得ステップと、複数の部分画像データに基づいて試料の観察画像データを生成する画像生成ステップと、を備える。
【0020】
この試料観察方法では、面状光の照射面に対して試料が走査され、また、面状光の照射面に対して観察軸が傾斜している結像光学系を用いる。このため、画像取得ステップでは、面状光の光軸方向における断層面の部分画像データを順次取得することが可能となり、画像生成ステップでは、複数の部分画像データに基づいて、試料の観察画像データを生成できる。この試料観察方法では、視野選択動作が不要となり、試料の走査と画像取得とを同時進行することが可能となるため、観察画像データを得るまでのスループットの向上が図られる。
【発明の効果】
【0021】
この試料観察装置及び試料観察方法によれば、観察画像データを得るまでのスループットの向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】試料観察装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図2】試料の近傍を示す要部拡大図である。
図3】画像取得部の一例を示す図である。
図4】試料観察装置を用いた試料観察方法の一例を示すフローチャートである。
図5】画像生成部による観察画像データの生成の一例を示す図である。
図6】比較例における画像取得の様子を示す図である。
図7】実施例における画像取得の様子を示す図である。
図8】試料観察装置における視野の算出例を示す図である。
図9】観察軸の傾斜角度と解像度との関係を示す図である。
図10】観察軸の傾斜角度と視野の安定度との関係を示す図である。
図11】観察軸の傾斜角度と試料からの観察光の透過率との関係を示す図である。
図12】結像光学系の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る試料観察装置及び試料観察方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
[試料観察装置の構成]
【0024】
図1は、試料観察装置の一実施形態を示す概略構成図である。この試料観察装置1は、面状光L2を試料Sに照射し、試料Sの内部で発生した蛍光又は散乱光を結像面に結像させて試料S内部の観察画像データを取得する装置である。この種の試料観察装置1としては、スライドガラスに保持される試料Sの画像を取得し表示するスライドスキャナ、あるいはマイクロプレートに保持される試料Sの画像データを取得し、画像データを解析するプレートリーダなどがある。試料観察装置1は、図1に示すように、光源2と、照射光学系3と、走査部4と、結像光学系5と、画像取得部6と、コンピュータ7とを備えて構成されている。
【0025】
観察対象となる試料Sとしては、例えばヒト或いは動物の細胞、組織、臓器、動物或いは植物自体、植物の細胞、組織などが挙げられる。また、試料Sは、溶液、ゲル、或いは試料Sとは屈折率の異なる物質に含まれていてもよい。
【0026】
光源2は、試料Sに照射される光L1を出力する光源である。光源2としては、例えばレーザダイオード、固体レーザ光源といったレーザ光源が挙げられる。また、光源2は、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、ランプ系光源であってもよい。光源2から出力された光L1は、照射光学系3に導光される。
【0027】
照射光学系3は、光源2から出力された光L1を面状光L2に整形し、整形された面状光L2を光軸P1に沿って試料Sに照射する光学系である。以下の説明では、照射光学系3の光軸P1を面状光L2の光軸という場合もある。照射光学系3は、例えばシリンドリカルレンズ、アキシコンレンズ、或いは空間光変調器などの光整形素子を含んで構成され、光源2に対して光学的に結合されている。照射光学系3は、対物レンズを含んで構成されていてもよい。照射光学系3によって形成された面状光L2は、試料Sに照射される。面状光L2が照射された試料Sでは、面状光L2の照射面Rにおいて観察光L3が発生する。観察光L3は、例えば面状光L2によって励起された蛍光、面状光L2の散乱光、或いは面状光L2の拡散反射光である。
【0028】
試料Sの厚さ方向に観察を行う場合、分解能を考慮して、面状光L2は、厚さ2mm以下の薄い面状光であることが好ましい。また、試料Sの厚さが非常に小さい場合、すなわち、後述するZ方向解像度以下の厚さの試料Sを観察する場合には、面状光L2の厚さは分解能に影響しない。したがって、厚さ2mmを超える面状光L2を用いてもよい。
【0029】
走査部4は、面状光L2の照射面Rに対して試料Sを走査する機構である。本実施形態では、走査部4は、試料Sを保持する試料容器11を移動させる移動ステージ12によって構成されている。試料容器11は、例えばマイクロプレート、スライドガラス、シャーレ等である。本実施形態では、マイクロプレートを例示する。試料容器11は、図2に示すように、試料Sが配置される複数のウェル13が一直線状(或いはマトリクス状)に配列された板状の本体部14と、本体部14の一面側においてウェル13の一端側を塞ぐように設けられた板状の透明部材15とを有している。
【0030】
ウェル13内への試料Sの配置にあたっては、ウェル13内が水などの媒体で充填されていてもよい。透明部材15は、ウェル13内に配置された試料Sに対する面状光L2の入力面15aを有している。透明部材15の材質は、面状光L2に対する透明性を有する部材であれば特に限定はされないが、例えばガラス、石英、或いは合成樹脂である。試料容器11は、入力面15aが面状光L2の光軸P1と直交するように移動ステージ12に対して配置されている。なお、ウェル13の他端側は、外部に開放された状態となっている。試料容器11は、移動ステージ12に対して固定されていてもよい。
【0031】
移動ステージ12は、図1に示すように、コンピュータ7からの制御信号に従い、予め設定された方向に試料容器11を走査する。本実施形態では、移動ステージ12は、面状光L2の光軸P1と直交する平面内の一方向に試料容器11を走査する。以下の説明では、面状光L2の光軸P1方向をZ軸、移動ステージ12による試料容器11の走査方向をY軸、面状光L2の光軸P1と直交する平面内においてY軸に直交する方向をX軸と称する。試料Sに対する面状光L2の照射面Rは、XZ平面内の面となる。
【0032】
結像光学系5は、面状光L2の照射によって試料Sで発生した観察光L3を結像する光学系である。結像光学系5は、図2に示すように、例えば対物レンズ16及び結像レンズ等を含んで構成されている。結像光学系5の光軸は、観察光L3の観察軸P2となっている。この結像光学系5の観察軸P2は、試料Sにおける面状光L2の照射面Rに対して傾斜角度θをもって傾斜している。傾斜角度θは、試料Sに向かう面状光L2の光軸P1と観察軸P2とがなす角とも一致する。傾斜角度θは、10°〜80°となっている。観察画像の解像度を向上させる観点から、傾斜角度θは、20°〜70°であることが好ましい。また、観察画像の解像度の向上及び視野の安定性の観点から、傾斜角度θは、30°〜65°であることが更に好ましい。
【0033】
画像取得部6は、図1に示すように、結像光学系5によって結像された観察光L3による光像の一部に対応する部分画像データを複数取得する装置である。画像取得部6は、例えば観察光L3による光像を撮像する撮像装置を含んで構成されている。撮像装置としては、例えばCMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサといったエリアイメージセンサが挙げられる。これらのエリアイメージセンサは、結像光学系5による結像面に配置され、例えばグローバルシャッタ或いはローリングシャッタによって光像を撮像し、二次元画像のデータをコンピュータ7に出力する。
【0034】
観察光L3による光像の部分画像データの取得方法については、種々の態様を採り得る。例えば図3(A)に示すように、エリアイメージセンサ21の撮像面においてサブアレイを設定してもよい。この場合、サブアレイに含まれる画素列21aのみを読み出すことができるので、観察光L3による光像の一部を撮像して部分画像データを取得できる。また、図3(B)に示すように、エリアイメージセンサ21の全ての画素列を読み出しエリアとし、その後の画像処理によって二次元画像の一部を抽出して部分画像データを取得してもよい。
【0035】
さらに、図3(C)に示すように、エリアイメージセンサ21に代えてラインセンサ22を用い、撮像面自体を一の画素列に限定して部分画像データを取得してもよい。図3(D)に示すように、観察光L3の一部のみを透過させるスリット23をエリアイメージセンサ(光検出器)21の前面に配置し、スリット23に対応する画素列21aの画像データを部分画像データとして取得してもよい。スリット23を用いる場合、エリアイメージセンサ21に代えて光電子増倍管などのポイントセンサ(光検出器)を用いてもよい。
【0036】
コンピュータ7は、物理的には、RAM、ROM等のメモリ、及びCPU等のプロセッサ(演算回路)、通信インターフェイス、ハードディスク等の格納部、ディスプレイ等の表示部を備えて構成されている。かかるコンピュータ7としては、例えばパーソナルコンピュータ、クラウドサーバ、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末など)などが挙げられる。コンピュータ7は、メモリに格納されるプログラムをコンピュータシステムのCPUで実行することにより、光源2及び移動ステージ12の動作を制御するコントローラ、試料Sの観察画像データを生成する画像生成部8、及び観察画像データを解析する解析部10として機能する(図1参照)。
【0037】
コントローラとしてのコンピュータ7は、ユーザによる測定開始の操作の入力を受け、光源2、移動ステージ12、及び画像取得部6を同期させて駆動する。この場合、コンピュータ7は、移動ステージ12による試料Sの移動中、光源2が光L1を連続的に出力するように光源2を制御してもよく、画像取得部6による撮像に合わせて光源2による光L1の出力のON/OFFを制御してもよい。また、照射光学系3が光シャッタ(不図示)を備えている場合、コンピュータ7は、当該光シャッタの制御によって試料Sへの面状光L2の照射をON/OFFさせてもよい。
【0038】
また、画像生成部8としてのコンピュータ7は、画像取得部6によって生成された複数の部分画像データに基づいて試料Sの観察画像データを生成する。画像生成部8は、画像取得部6から出力された複数の部分画像データに基づいて、例えば面状光L2の光軸P1に直交する面(XY面)における試料Sの観察画像データを生成する。画像生成部8は、ユーザによる所定の操作に従って、生成した観察画像データの格納、モニタ等への表示等を実行する。
【0039】
解析部10としてのコンピュータ7は、画像生成部8によって生成された観察画像データに基づいて解析を実行し、解析結果を生成する。解析部10は、ユーザによる所定の操作に従って、生成した解析結果の格納、モニタ等への表示等を実行する。なお、画像生成部によって生成された観察画像データのモニタ等への表示は行わず、解析部10によって生成された解析結果のみをモニタ等に表示してもよい。
[試料観察方法]
【0040】
図4は、試料観察装置を用いた試料観察方法の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、この試料観察方法は、照射ステップ(ステップS01)、走査ステップ(ステップS02)、結像ステップ(ステップS03)、画像取得ステップ(ステップS04)、画像生成ステップ(ステップS05)、及び解析ステップ(ステップS06)を備えている。
【0041】
照射ステップS01では、試料Sに面状光L2を照射する。ユーザによって測定開始の操作が入力されると、コンピュータ7からの制御信号に基づいて光源2が駆動し、光源2から光L1が出力される。光源2から出力された光L1は、照射光学系3によって整形されて面状光L2となり、試料Sに照射される。
【0042】
走査ステップS02では、面状光L2の照射面Rに対して試料Sを走査する。ユーザによって測定開始の操作が入力されると、コンピュータ7からの制御信号に基づいて、光源2の駆動と同期して移動ステージ12が駆動する。これにより、試料容器11がY軸方向に一定の速度で直線的に駆動し、面状光L2の照射面Rに対してウェル13内の試料Sが走査される。
【0043】
結像ステップS03では、照射面Rに対して傾斜する観察軸P2を有する結像光学系5を用い、面状光L2の照射によって試料Sで発生した観察光L3を画像取得部6の結像面に対して結像する。画像取得ステップS04では、結像光学系5によって結像された観察光L3による光像の一部に対応する部分画像データを複数取得する。部分画像データは、画像取得部6から画像生成部8に順次出力される。
【0044】
画像生成ステップS05では、複数の部分画像データに基づいて試料Sの観察画像データを生成する。本実施形態では、図1及び図2に示したように、試料Sに対する面状光L2の照射面Rは、XZ平面内の面であり、試料Sに対して照射面RがY軸方向に走査される。したがって、画像生成部8には、図5(A)に示すように、部分画像データであるXZ断面画像データ31をY軸方向に複数取得することによって、試料Sの3次元情報が蓄積される。画像生成部8では、複数のXZ断面画像を用いてデータが再構築され、例えば図5(B)に示すように、試料SにおけるZ軸方向の任意の位置において任意の厚さを持ったXY断面画像が、バックグラウンドを抑えた観察画像32として生成される。
【0045】
解析ステップS06では、解析部10によって観察画像データを解析し、解析結果を生成する。例えば創薬スクリーニングでは、試料容器11に試料S及び試薬を入れ、観察画像データを取得する。そして、解析部10は、観察画像データに基づいて試薬を評価し、評価データを解析結果として生成する。
[作用効果]
【0046】
比較例に係る試料観察装置100は、図6(A)に示すように、面状光L2の照射面Rに対して直交する観察軸P2を有している。この試料観察装置100では、観察光学系のフォーカス面の全面に面状光L2を照射することで、1回の撮像によって試料Sにおける観察軸P2方向に直交する断層面の画像を取得し得る。したがって、試料Sの3次元情報を取得するためには、観察軸P2方向に試料Sを走査し、観察軸P2方向に直交する複数の断層面の画像を取得する必要があった。このような比較例に係る試料観察装置100では、図6(B)に示すように、全ての断層面の画像を取得するまでに、画像を取得する断層面の選択(試料Sの走査及び停止)と画像取得とを繰り返す必要があった。また、観察対象が存在する領域が撮像よりも広い場合には、観察軸P2方向の断面画像を取得する動作に加え、観察軸方向とは異なる方向へステージを移動することにより撮像視野を選択する動作などが必要となっていた。
【0047】
これに対し、実施例に係る試料観察装置1では、図7(A)に示すように、面状光L2の照射面Rに対して試料Sを走査しながら画像取得部6によって画像取得を行い、また、面状光L2の照射面Rに対し、結像光学系5の観察軸P2が傾斜している。このため、画像取得部6では、面状光L2の光軸P1方向(Z軸方向)における断層面の部分画像データを順次取得することが可能となり、画像生成部8では、複数の部分画像データに基づいて、試料Sの観察画像データ32を生成できる。
【0048】
この試料観察装置1では、図7(B)に示すように、試料Sを走査させながら画像取得を順次行うことが可能となる。比較例に係る試料観察装置100の動作では、移動ステージ12の駆動及び停止の際の度に、慣性の影響等により時間的なロスが生じる。一方、試料観察装置1では、移動ステージ12の駆動及び停止の回数を削減し、試料Sの走査動作と画像取得とを同時進行することで、観察画像データ32を得るまでのスループットの向上が図られる。
【0049】
また、試料観察装置1では、図2に示したように、試料Sが面状光L2の入力面15aを有する試料容器11によって保持され、照射光学系3による面状光L2の光軸P1が試料容器11の入力面15aに対して直交するように配置されている。さらに、試料観察装置1では、照射光学系3による面状光L2の光軸P1(Z軸方向)に対して直交する方向(Y軸方向)に走査部4が試料Sを走査する。これにより、画像取得部6で取得した部分画像データの位置補正などの画像処理が不要となり、観察画像データの生成処理を容易化できる。
【0050】
また、試料観察装置1では、試料Sにおける面状光L2の照射面Rに対する結像光学系5の観察軸P2の傾斜角度θが10°〜80°、好ましくは、20°〜70°、より好ましくは30°〜65°となっている。以下、この点について考察する。
【0051】
図8は、試料観察装置における視野の算出例を示す図である。同図に示す例では、結像光学系が屈折率n1の媒質A中に位置し、面状光の照射面が屈折率n2の媒質B中に位置している。結像光学系における視野をV、照射面をV’、照射面に対する観察軸の傾斜角度をθ、媒質A,Bの境界面での屈折角をθ’、視野Vの傾斜角度θにおける媒質Aと媒質Bの界面での距離をLとした場合、以下の式(1)〜(3)が成り立つ。
[数1]
【0052】
L=V/cosθ …(1)
[数2]
【0053】
sinθ’=(n1/n2)sinθ …(2)
[数3]
【0054】
V’=L/tanθ’ …(3)
【0055】
図9は、観察軸の傾斜角度と解像度との関係を示す図である。同図では、横軸を観察軸の傾斜角度θとし、縦軸を視野の相対値V’/Vとしている。そして、媒質Aの屈折率n1を1(空気)とし、媒質Bの屈折率n2を1.0から2.0まで0.1刻みで変化させたときのV’/Vの値を傾斜角度θに対してプロットしたものである。V’/Vの値が小さいほど試料の深さ方向の解像度(以下、「Z方向解像度」と称す)が高く、大きいほどZ方向解像度が低いことを示している。
【0056】
図9に示す結果から、媒質Aの屈折率n1と媒質Bの屈折率n2とが等しい場合には、傾斜角度θに対してV’/Vの値が反比例していることが分かる。また、媒質Aの屈折率n1と媒質Bの屈折率n2とが異なる場合には、傾斜角度θに対してV’/Vの値が放物線を描くことが分かる。この結果から、試料の配置空間の屈折率、結像光学系の配置空間の屈折率、及び観察軸の傾斜角度θによってZ方向解像度をコントロールできることが分かる。そして、傾斜角度θが10°〜80°の範囲では、傾斜角度θが10°未満及び80°を超える範囲に比べて良好なZ方向解像度が得られることが分かる。
【0057】
また、図9に示す結果から、Z方向解像度が最大となる傾斜角度θは、屈折率n1と屈折率n2との差が大きくなるにつれて小さく傾向があることが分かる。屈折率n2が1.1〜2.0の範囲では、Z方向解像度が最大となる傾斜角度θは、約47°〜約57°の範囲となる。例えば屈折率n2が1.33(水)の場合、Z方向解像度が最大となる傾斜角度θは、およそ52°と見積もられる。また、例えば屈折率n2が1.53(ガラス)の場合、Z方向解像度が最大となる傾斜角度θは、およそ48°と見積もられる。
【0058】
図10は、観察軸の傾斜角度と視野の安定度との関係を示す図である。同図では、横軸を観察軸の傾斜角度θとし、縦軸を視野の安定度としている。安定度は、傾斜角度θでのV’/Vに対する傾斜角度θ+1でのV’/Vと傾斜角度θ−1でのV’/Vとの差分値の割合で表され、下記式(4)に基づいて算出される。安定度が0%に近い程、傾斜角度の変化に対する視野の変化が小さく、視野が安定していると評価できる。この図10では、図9と同様に、媒質Aの屈折率n1を1(空気)とし、媒質Bの屈折率n2を1.0から2.0まで0.1刻みで変化させたときの安定度がプロットされている。
[数4]
【0059】
安定度(%)=((V’/V)θ+1−(V’/V)θ−1)/(V’/V)θ …(4)
【0060】
図10に示す結果から、傾斜角度θが10°未満及び80°を超える範囲では、安定度が±20%を超えており、視野のコントロールが困難であることが分かる。一方、傾斜角度θが10°〜80°の範囲では、安定度が±20%以下となり、視野のコントロールが可能となる。さらに、傾斜角度θが20°〜70°の範囲では、安定度が±10%以下となり、視野のコントロールが容易となる。
【0061】
図11は、観察軸の傾斜角度と試料からの観察光の透過率との関係を示す図である。同図では、横軸を観察軸の傾斜角度θとし、左側の縦軸を視野の相対値、右側の縦軸を透過率としている。この図11では、試料容器における試料の保持状態を考慮し、媒質Aの屈折率n1を1(空気)、媒質Bの屈折率n2を1.53(ガラス)、媒質Cの屈折率n3を1.33(水)とし、透過率の値は、媒質B,Cの界面及び媒質A,Bの界面の透過率の積としている。図11には、P波の透過率、S波の透過率、及びこれらの平均値の角度依存性がプロットされている。また、図11には、媒質Cにおける視野の相対値が併せてプロットされている。
【0062】
図11に示す結果から、観察軸の傾斜角度θを変化させることで、試料から結像光学系に至る観察光の透過率が可変となることが分かる。傾斜角度θが80°以下の範囲では、少なくとも50%以上の透過率が得られることが分かる。また、傾斜角度θが70°以下の範囲では、少なくとも60%以上の透過率が得られ、傾斜角度θが65°以下の範囲では、少なくとも75%以上の透過率が得られることが分かる。
【0063】
以上の結果から、試料のZ方向解像度が要求される場合には、例えば視野の相対値であるV’/Vの値が3以下であり、安定度が5%未満、かつ観察光の透過率(P波及びS波の平均値)が75%以上となるように、傾斜角度θを30°〜65°の範囲から選択することが好適である。また、試料のZ方向解像度が要求されない場合には、傾斜角度θを10°〜80°の範囲から適宜選択すればよく、1画素当たりの視野の範囲を確保する観点から、10°〜30°若しくは65°〜80°の範囲から選択することが好適である。
【0064】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば面状光L2の光軸P1と試料容器11の入力面15aとは、必ずしも直交していなくてもよく、面状光L2の光軸P1と走査部4による試料Sの走査方向とは、必ずしも直交していなくてもよい。
【0065】
また、例えば上記実施形態では、試料容器11においてウェル13の一端側を塞ぐように透明部材15が設けられており、透明部材15の入力面15aから面状光L2を入力させているが、ウェル13の他端側から面状光L2を入力させる構成としてもよい。この場合、屈折率が異なる媒質の界面の数が少なくなり、観察光L3の屈折回数を減らすことが可能となる。さらに、試料容器11に代えて、ゲル等の固形物に試料Sを保持してもよく、フローサイトメーターのように、透明容器内に水等の流体を流して試料Sを移動させるようにしてもよい。
【0066】
また、結像光学系5及び画像取得部6を複数対配置してもよい。この場合、観察範囲を拡大できるほか、複数の異なる波長の観察光L3を観察することが可能となる。また、結像光学系5に対して複数の画像取得部6を配置してもよく、複数の結像光学系5に対して画像取得部6を配置してもよい。複数の画像取得部6は、異なる種類の光検出器あるいは撮像装置を組み合わせてもよい。光源2は、波長の異なる光を出力する複数の光源によって構成されてもよい。この場合、波長の異なる励起光を試料Sに照射することができる。
【0067】
また、非点収差の緩和のため、結像光学系5にプリズムを配置してもよい。この場合、例えば図12に示すように、対物レンズ16の後段側(対物レンズ16と画像取得部6との間)にプリズム41を配置してもよい。デフォーカス対策のため、観察軸P2に対して画像取得部6における撮像装置の撮像面を傾斜させてもよい。この他、例えば結像光学系5と画像取得部6との間にダイクロイックミラー或いはプリズムを配置して観察光L3の波長分離を行う構成としてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…試料観察装置、3…照射光学系、4…走査部、5…結像光学系、6…画像取得部、8…画像生成部、10…解析部、11…試料容器、15a…入力面、21…エリアイメージセンサ(撮像装置)、22…ラインセンサ、23…スリット、31…部分画像データ、32…観察画像データ、L2…面状光、L3…観察光、P2…観察軸、R…照射面、S…試料、θ…傾斜角度。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2020年8月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に面状光を照射する照射光学系と、
前記面状光の照射面に対して前記試料を走査する走査部と、
前記照射面に対して傾斜する観察軸を有し、前記面状光の照射によって前記試料で発生した観察光を結像する結像光学系と、
前記走査部による前記試料の走査中に、前記結像光学系によって結像された前記観察光による光像画像データを複数取得し、前記試料の3次元情報を取得する画像取得部とを備える試料観察装置。
【請求項2】
前記試料の3次元情報に基づいて、前記試料の断面画像データを生成する画像生成部をさらに備える請求項1記載の試料観察装置。
【請求項3】
前記画像取得部は、エリアイメージセンサを有し、前記エリアイメージセンサの撮像面にサブアレイを設定し、前記サブアレイに含まれる画素列のみを取得することで前記画像データを取得する請求項1又は2記載の試料観察装置。
【請求項4】
前記画像取得部は、エリアイメージセンサを有し、前記エリアイメージセンサでの撮像によって得られた2次元画像の一部を抽出して前記画像データを取得する請求項1又は2記載の試料観察装置。
【請求項5】
前記画像取得部は、ラインセンサを有し、前記ラインセンサでの撮像によって前記画像データを取得する請求項1又は2記載の試料観察装置。
【請求項6】
前記試料の3次元情報を解析し、解析結果を生成する解析部を更に備える請求項1〜のいずれか一項記載の試料観察装置。
【請求項7】
試料に面状光を照射する照射ステップと、
前記面状光の照射面に対して前記試料を走査する走査ステップと、
前記照射面に対して傾斜する観察軸を有する結像光学系を用い、前記面状光の照射によって前記試料で発生した観察光を結像する結像ステップと、
前記走査ステップによる前記試料の走査中に、前記結像光学系によって結像された前記観察光による光像画像データを複数取得し、前記試料の3次元情報を取得する画像取得ステップとを備えた試料観察方法。
【請求項8】
前記試料の3次元情報に基づいて、前記試料の断面画像データを生成する画像生成ステップをさらに備える請求項7記載の試料観察方法。
【請求項9】
前記画像取得ステップでは、エリアイメージセンサを用い、前記エリアイメージセンサの撮像面にサブアレイを設定し、前記サブアレイに含まれる画素列のみを取得することで前記画像データを取得する請求項7又は8記載の試料観察方法。
【請求項10】
前記画像取得ステップでは、エリアイメージセンサを用い、前記エリアイメージセンサでの撮像によって得られた2次元画像の一部を抽出して前記画像データを取得する請求項7又は8記載の試料観察方法。
【請求項11】
前記画像取得ステップでは、ラインセンサを用い、前記ラインセンサでの撮像によって前記画像データを取得する請求項7又は8記載の試料観察方法。
【請求項12】
記試料の3次元情報を解析し、解析結果を出力する解析ステップをさらに備える請求項7〜11のいずれか一項記載の試料観察方法。