特開2020-194375IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

モータ及びその負荷を含む制御対象の運動を制御するサーボシステムにおいて、制御対象の慣性モーメント、粘性抵抗係数、クーロン摩擦からなるメカニカルパラメータを同定する技術に関するものである。

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】特殊な運転や大容量のメモリを用いずに短時間で各種パラメータを同定する方法を提供する。
【解決手段】所定条件を満たす時の4信号(モータ加速度、モータ速度、モータ速度の符号、トルク)の時系列データに基づき慣性モーメント等を同定する方法において、前記所定条件を速度絶対値が第1閾値より大きく加速度絶対値が第2閾値より大きいこととし、時刻tiにおける4信号をXk(ti)(k=1〜4)と表記した時に、時刻tiで|X1|,|X2|が前記所定条件を満たす時に更新する変数Skl=Σ[Xk(ti)×Xl(ti)](k,l=1〜4)を定義し、|X2|が第1閾値以下の間はSklをゼロとし、|X2|が第1閾値を超えた時にSklの更新を開始し、減速により|X2|が第1閾値以下になった時にSklの更新を完了し、所定の行列式の解として慣性モーメントJ、粘性抵抗係数D、クーロン摩擦Tfを同時に同定する。
【選択図】図2

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

前記特許文献1,2を始めとする多くの従来技術では、制御装置内のメモリ容量を節約可能な逐次最小二乗法等を使ったオンライン同定方法が採用されている。これらのオンライン同定方法では、原理上は、無限に長い過去からのデータを反映して逐次同定することもでき、メモリの節約だけでなくノイズに対しても堅牢な同定が可能であるという利点がある。 一方、サーボシステムでは、時として、機械系パラメータが急変する事態も起こり得る。例えば、一軸ステージに様々な負荷を載せて搬送する場合、負荷によってサーボシステムとしての慣性モーメントも変化するが、慣性モーメントの推定値が新たな真値に収束するまでは過去の推定値の影響を受けるため時間がかかる。このような問題に対しては、例えば忘却係数付きの逐次最小二乗法等を用いることで過去の推定値の影響を軽減することができるが、ノイズに対する堅牢性とのトレードオフとなるため、慣性モーメントの最適値を選択するのは容易ではない。 また、特許文献3や非特許文献1に記載された方法によれば、周期信号である速度指令の周期を適切に選ぶことで、短時間で各パラメータを同定することができる。しかし、同定のために、システムに対して周期的な速度指令を与えることが必須であり、上述した一軸ステージの例のような場合には、通常運転を行う中でパラメータを同定することはできない。
また、同じ機械を同じ条件で運転する場合において、通常、摩擦トルクや粘性抵抗係数は大きく変化することはないが、機械に異常が生じた場合に、著しい異常が生じる前兆として摩擦トルク等が大きく変化して見える場合がある。この種の変化を正確にとらえることができれば事故予防等に適用可能であるが、同じ機械を同じ条件で運転する目的の装置に対して日常的に各種パラメータを監視する目的の特殊運転を加えることは、可能であれば回避したいという要請がある。 本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、トルク指令に応じた電流をモータに通電してモータ及びその負荷機械を含む制御対象の運動を制御するサーボシステムにおいて、慣性モーメント等の機械系パラメータが変化する系においても、同定のための特殊な運転や大容量のメモリを必要とすることなく、短時間で慣性モーメント、粘性抵抗係数、クーロン摩擦からなる機械系パラメータを短時間で同定可能とした、サーボシステムのパラメータ同定方法を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

課題を解決するため、請求項1に係る発明は、トルク指令に応じた電流をモータに通電して前記モータ及びその負荷機械からなる制御対象の運動を制御するサーボシステムを対象として、 更新のための所定条件を満たしている際の、モータ加速度とモータ速度とモータ速度の符号と印加トルクとの4信号からなる時系列データに基づいて、前記制御対象の慣性モーメントJ、粘性抵抗係数D及びクーロン摩擦Tfを同定するサー・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、トルク指令に応じた電流をモータに通電してモータ及びその負荷機械からなる制御対象の運動を制御するサーボシステムにおいて、慣性モーメント等が変化する系においても、同定のための特殊な運転や大容量のメモリを必要とすることなく、短時間で慣性モーメント、粘性抵抗係数及びクーロン摩擦からなる機械系パラメータを同定することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の実施形態が適用されるサーボシステムのブロック図である。

【図2】本発明に係るパラメータ同定方法の第1実施例を示すフローチャートである。

【図3】本発明に係るパラメータ同定方法の第2実施例を示すフローチャートである。

【図4】本発明に係るパラメータ同定方法の第3実施例を示すフローチャートである。

【図5】図4のステップS410による移動平均処理の具体例を示す図である。

【図6】本発明に係るパラメータ同定方法の第4実施例を示すフローチャートである。

【図7】本発明に係るパラメータ同定方法の第5実施例を示すフローチャートである。

【図8】本発明に係るパラメータ同定方法の第6実施例を示すフローチャートである。

【図9】本発明に係るパラメータ同定方法の第7実施例を説明するためのモータ速度及びトルクのタイミングチャートである。

【図10】特許文献1に記載された慣性モーメント推定装置の主要部を示すブロック図である。

【図11】特許文献2に記載された電動機制御装置の主要部を示すブロック図である。

【図12】特許文献3に記載されたサーボ制御装置のブロック図である。

【図13】図12におけるパラメータ同定部の構成図である。

選択図 図2出願人が指定した本件の代表的な図

100:制御対象   101:速度制御器   102:電流源   103:減算手段   104:モデル   105:近似摩擦特性   501:移動平均処理手段   501a:リングバッファ   501b:算術平均手段

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