【課題】本支店会計の登録業務における入力簡易化機能と、仕訳伝票のチェック業務において伝票の検索や確認が簡略化できる検索簡略化機能とを備えた本支店仕訳入力装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本支店仕訳入力装置100の制御部102は、本店や支店に紐付く本支店勘定の設定を行う設定部102aと、本支店仕訳入力の借方と貸方に本店と支店、あるいは、支店同士の付替仕訳を設定した本支店勘定を用いて登録を行う仕訳登録部102bと、登録された付替仕訳の仕訳伝票の承認処理を行う承認処理部102cと、付替仕訳の付替元仕訳伝票が未承認の場合は未承認とし、付替元仕訳伝票が承認された場合は承認済みとして更新を行う更新処理部102dとを備え、更新処理部102dは、付替元仕訳伝票が承認されるとそれに対応した付替先仕訳伝票を承認済みとして更新処理する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
従来の本支店会計では、本店や支店といった各事業所単位でそれぞれ独立した会計を行い、本店と支店でそれぞれ伝票(2つの伝票)を登録する必要があることから、登録作業に手間がかかっていた。また、本支店会計では、本店と支店で別々に会計処理を行うことから、本支店勘定で差額の発生する可能性があるため、そのチェック作業が煩雑となっていた。さらに、本支店の数が多くなればなるほど、上記の伝票登録業務やチェック業務に時間がかかるという課題があった。
【0017】
そこで、本実施形態の特徴は、複数事業所の仕訳に対して、事前に設定した本支店勘定を自動で発生させる仕組みを実装し、帳票出力時ではなく、伝票登録時に自動で判断して仕訳できるようにしたことにより、1回の登録動作で2つの仕訳伝票を同時発生させることが可能となり、本支店会計の入力簡易化機能を備えている。また、本実施形態の特徴は、その仕訳伝票登録後の帳票検索時に帳票履歴を遡って逆引きできる機能を実装することにより、本支店会計の帳票検索簡略化機能を備えている。
【0018】
このように、本実施形態に係る本支店仕訳入力装置は、例えば、本店と支店で費用負担は支店、支払は本店が行うような場合に、これまでは本店と支店で2つの伝票登録をそれぞれ行っていたが、本実施形態では、1回の登録動作で2つの仕訳伝票を同時発生させることができるため、伝票入力を簡易に行うことができる。さらに、これにより伝票間での差額が生じ難くなる上、チェック作業による帳票検索時において帳票履歴を遡って逆引きできることから、帳票検索を簡略化することができる。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る本支店仕訳入力装置の構成の一例について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、本支店仕訳入力装置の構成の一例を示すブロック図であり、
図2は、本支店仕訳入力装置の処理概要の一例を示す図である。
【0020】
本支店仕訳入力装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、本支店仕訳入力装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
本支店仕訳入力装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。本支店仕訳入力装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、本支店仕訳入力装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、本支店仕訳入力装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106は、本支店勘定記憶部106a、仕訳明細テーブル106b等を備えている。
【0024】
本支店勘定記憶部106aは、本店や支店に紐付く本支店勘定を事前に設定したものを記憶している。例えば、本支店勘定は、本支店取引に絡む独立した会計単位である事業所として、東京本社(本店)、大阪支社(支店)、あるいは、横浜支社(支店)などがあり、勘定科目のうち本支店勘定に該当する(東京)本店勘定、(大阪)支店勘定、(横浜)支店勘定との関係を事前に定義し、本支店勘定記憶部106aに記憶している。仕訳明細テーブル106bは、本支店仕訳入力により借方と貸方に本店と支店、あるいは、支店同士の仕訳を行う登録データ、付替仕訳による付替元仕訳伝票や付替先仕訳伝票のデータ(摘要情報を含む)、付替仕訳伝票における承認状態(承認・未承認)、及び、承認状態に応じたデータの更新結果等を格納する。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
制御部102は、本支店仕訳入力装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、設定手段としての設定部102a、仕訳登録手段としての仕訳登録部102b、承認処理手段としての承認処理部102c、更新処理手段としての更新処理部102d、及び摘要情報付与手段としての摘要情報付与部102eを備えている。
【0027】
設定部102aは、本支店仕訳入力を行うにあたって事前に本店や支店に紐付く本支店勘定を設定して本支店勘定記憶部106aに記憶させる。例えば、
図1の本支店勘定記憶部106aには、
図2に示すように、付替仕訳の登録処理を行う際に独立した会計単位の事業所として、東京本社(事業所CD:50)と大阪支店(事業所CD:60)とがあって、本支店勘定に該当する本社(勘定)と大阪(勘定)とが紐付けて記憶されている。
【0028】
仕訳登録部102bは、本支店仕訳入力の借方と貸方に本店(本社)と支店、あるいは、支店同士の付替仕訳を本支店勘定記憶部106aに予め設定されている本支店勘定を用いて登録する。これにより、仕訳登録部102bは、1回の登録動作で2つ以上の仕訳伝票(付替元仕訳伝票と付替先仕訳伝票)を同時に自動発生させることが可能となり、本支店会計の登録作業が軽減できることから、本支店会計の入力を簡易化することができる。
【0029】
承認処理部102cは、登録した付替仕訳の仕訳伝票に対して承認処理を行う。これまでの本支店会計では、本店と支店(あるいは、支店と支店)がそれぞれ独立した帳簿を持ち、独立した決算書を作成し、その独立した決算書を元に合算した決算書を作成するため、承認処理もそれぞれ独立して行われる。しかし、本実施形態では、仕訳登録部102bにより1回の登録動作で2つの仕訳伝票(付替元仕訳伝票と付替先仕訳伝票)を発生させ、付替元仕訳伝票が未承認の場合は付替先仕訳伝票も未承認とし、付替元仕訳伝票が承認されると、それに対応する付替先仕訳伝票も承認済みとする(付替先事業所の事業所権限が無くても承認可能とする)。つまり、本実施形態に係る本支店会計処理は、未達事項を処理する(受け取っていない商品や現金を受け取ったものとして処理する)ことにより本支店勘定を一致させ、付替元仕訳伝票が承認されると付替先仕訳伝票も最終承認が得られたとして処理する点に特徴がある。
【0030】
更新処理部102dは、付替元仕訳伝票が承認処理部102cにより承認されない場合は未承認として更新処理を行い、付替元仕訳伝票が承認されると承認済みとして更新処理を行うと共に、それに対応した付替先仕訳伝票も承認済みとして更新処理を行う。更新処理部102dは、仕訳伝票の承認の有無を常に最新の状態に保つためにデータの更新を行い、仕訳伝票が最終承認され更新されると変更不可伝票とし、その時点における付替先仕訳伝票を元帳に反映させる。
【0031】
摘要情報付与部102eは、仕訳登録部102bによる登録動作で2つの仕訳伝票を登録し、その付替先仕訳伝票の摘要情報としてこれと紐付く付替元伝票の伝票番号を付与する。摘要情報付与部102eは、付替先仕訳伝票の摘要欄にこれと紐付く付替元伝票の伝票番号を付与するため、仕訳伝票のチェック業務において帳票検索時に摘要欄を見るだけで帳票履歴を遡って逆引きできることから、伝票検索の簡略化機能を備えている。
【0032】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図3から
図9を参照して、本実施形態に係る本支店仕訳入力装置の仕訳処理の一例について説明する。
図3は、本支店仕訳入力装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0033】
まず、
図3に示すように、設定部102aは、ユーザにより入力装置112を介して事前に本支店勘定の設定入力を行うと、本店や支店に紐付く本店勘定や支店勘定を設定し、本支店勘定記憶部106aに記憶される(ステップSA−1)。
【0034】
そして、仕訳登録部102bは、本支店仕訳入力画面から入力された本支店仕訳入力データと、本支店勘定記憶部106aに記憶されている本支店勘定に基づいて付替仕訳の登録処理を実行する(ステップSA−2)。例えば、
図2に示すように、売掛金回収のために受取手形を振り出した場合の仕訳は、
受取手形(事業所CD50:東京) / 売掛金(事業所CD60:大阪)
となり、これを本店(本社)と支店(大阪)に分解して、付替仕訳の登録処理を実行する。その結果、事業所CD50の東京本社の付替元仕訳伝票は、
受取手形 / 大阪
となり、事業所CD60の大阪支社の付替先仕訳伝票は、
本社 / 売掛金
となる。
【0035】
仕訳登録部102bは、付替仕訳の登録処理を実行し(ステップSA−2)、承認処理部102cで付替元仕訳伝票が未だ承認されていない場合は(ステップSA−3:Yes)、更新処理部102dにより仕訳明細テーブルに未承認として更新処理される(ステップSA−4)。
【0036】
そして、ステップSA−3に戻って、承認処理部102cは、付替元仕訳伝票が未承認か否かを逐次判断する。承認処理部102cは、付替元仕訳伝票が承認されると(ステップSA−3:No)、更新処理部102dにより仕訳明細テーブルに承認済みとして更新処理を行う(ステップSA−5)。
【0037】
承認処理部102cは、付替元仕訳伝票が最終承認されるとそれに対応する付替先仕訳伝票も承認済みとし、更新処理部102dにより更新処理が行われる(ステップSA−6)。
【0038】
摘要情報付与部102eは、承認され更新された付替先仕訳伝票の摘要欄に付替元伝票の伝票番号を付与し(ステップSA−7)、処理を終了する。なお、ここでは付替先仕訳伝票の伝票番号を自動採番としたが、採番した番号の重複の恐れがなければ、手動採番としてもよい。また、
図3では、付替先仕訳伝票の摘要情報としてこれと紐付く付替元仕訳伝票の伝票番号を付与するタイミングを付替先仕訳伝票の承認後としたが、これに限定されず、付替仕訳の登録時(ステップSA−2)に付与してもよい。これにより、仕訳伝票のチェック時に、付替先仕訳伝票の摘要欄の伝票番号に基づいて、これと紐付く付替元仕訳伝票を逆引きすることが可能となり、伝票の検索を簡略化することができる。
【0039】
また、本実施形態では、本支店仕訳入力の内容を確認するため、仕訳登録部102bで登録した仕訳明細テーブル106bの登録データに基づいて、
図2に示すような本支店仕訳入力チェックリストを作成し、出力装置114から出力してもよい。ユーザは、この本支店仕訳入力チェックリストを使って仕訳入力の内容を確認することができる。
【0040】
ここで、
図4を参照して、比較例としての本支店仕訳入力装置の一例について説明する。
図4は、比較例としての本支店仕訳入力装置の処理概要の一例を示す図である。
【0041】
比較例としての本支店仕訳入力装置は、例えば
図4に示すように、本店と支店で費用負担は支店、支払は本店が行う場合に、各事業所単位でしか登録できなかったため、本支店でそれぞれ伝票を作成し、承認を行うことで本店と支店で2伝票(付替元仕訳伝票と付替先仕訳伝票)の登録が必要となり、登録作業に手間がかかっていた。また、
図4に示すように、本店(本社)側では、付替元仕訳伝票の承認処理を行って登録できるが、付替先仕訳伝票については本店(本社)側に事業所権限が無いため承認することができず、付替先事業所で承認され登録された仕訳外部データの受入処理を行う必要があった。このように、
図4の比較例では、本店と支店で別々に会計処理を行うため、本支店勘定で差額の発生する可能性があり、帳票を検索してチェックする作業が煩雑となっていた。その上、本支店の数が増加するに従って、上記の登録業務やチェック作業に掛かる時間も増大していた。
【0042】
これに対し、本実施形態にかかる本支店仕訳入力装置100は、
図2に示すように、本店と支店間、あるいは、支店間同士のように本店や支店と紐付く本支店勘定を事前に設定しておき、帳票出力時ではなく、仕訳登録時に予め設定しておいた本支店勘定を用いて自動で判断して付替仕訳を行うため、1回の登録動作で複数の付替仕訳伝票を同時に発生させることが可能となり、伝票入力を簡易化することができる。
【0043】
また、本実施形態にかかる本支店仕訳入力装置100は、事業所毎ではなく複数の付替仕訳伝票を同時に発生させるため、本支店勘定による差額の発生する可能性がほとんど無くなり、煩雑なチェック作業も簡略化できる。さらに、本実施形態にかかる本支店仕訳入力装置100は、付替仕訳伝票を発生させ、承認を得てから登録するのではなく、付替仕訳伝票を同時に発生させた時点では未承認として登録を行い、承認が得られた時点で更新登録を行うことで、付替仕訳伝票の内容を変えずに承認・未承認状態を反映させることができる。そして、承認処理部102cは、付替元仕訳伝票の承認処理が完了すると、付替先仕訳伝票も承認済みとして付替先仕訳伝票の更新登録を行う。このように、付替先仕訳伝票は、最終承認されることで伝票内容を確定し、以後変更できないようにすることで、整合性チェック結果の正確性を期することができる。
【0044】
また、本実施形態にかかる本支店仕訳入力装置100は、摘要情報付与部102eによって、
図2に示すように、付替先仕訳伝票の摘要情報にこれと紐付く付替元仕訳伝票の伝票番号を付与するため、帳票検索時に付替先仕訳伝票の摘要欄にある伝票番号に基づいて帳票を逆引きすることが可能となり、帳票の検索を簡略化できる。
【0045】
ここで、
図5〜
図7を参照して、本実施形態における本支店仕訳入力処理の一例について説明する。
図5は、本支店仕訳入力装置の本支店仕訳入力画面の一例を示す図である。
図6は、本支店仕訳入力装置の未承認一覧画面の一例を示す図である。
図7は、本支店仕訳入力装置の仕訳伝票確認画面の一例を示す図である。
【0046】
図5に示すように、本支店仕訳入力装置100の本支店仕訳入力画面では、関東工場(事業所CD:320)は、本社(事業所CD:000)に対し商品1000円(内消費税74円)を掛にて売り上げた場合、事業所、伝票区分、発生日を入力し、借方には売掛金を入力して事業所を本社とし、貸方には売上を入力して事業所を関東工場として、それぞれ金額と消費税額を入力して仕訳すると、
借方(本社CD:000) 貸方(関東工場CD:320)
売掛金 1,000 / 売上 1,000
となる。
【0047】
この仕訳は複数事業所にまたがるため、実際は本支店会計という形で2枚の伝票(付替元仕訳伝票と付替先仕訳伝票)を起こす必要がある。仕訳登録部102bは、伝票登録時に本支店勘定記憶部106aに記憶されている本店と支店に紐付く本支店勘定データを用いて自動で判断し、付替仕訳を行うことにより、1回の登録動作で複数(ここでは2つ)の仕訳伝票(付替元仕訳伝票と付替先仕訳伝票)を同時に発生させることができる。
<付替元仕訳伝票>
売掛金 / 関東工場
<付替先仕訳伝票>
本社 / 売上
【0048】
仕訳登録部102bは、このように発生させた複数の付替仕訳伝票を一旦仕訳明細テーブル106bに格納して登録する。登録された付替仕訳伝票は、未だ承認されていないため、未承認状態として更新処理部102dで更新処理が行われる。承認処理部102cは、仕訳明細テーブル106bに登録されている未承認状態の仕訳伝票データを、
図6に示すように、未承認一覧画面に表示させて回覧させることにより、承認者による承認処理や却下処理を行うことができる。
図6の未承認一覧画面の表示内容は、画面上部の表示条件を適宜入力することで、表示されるデータを所望の範囲に絞り込むことができる。ここでは、表示条件の一例として、申請種別、事業所、申請日の範囲、発生日の範囲、申請者、伝票番号の範囲、伝票区分、案件内容情報、あるいは、表示案件の選択等がある。これらの表示条件を入力した後、再表示ボタンを押下すると、指定条件に従った未承認案件が表示される。
【0049】
承認者が承認を行う場合は、例えば
図6に示す未承認一覧の中の仕訳伝票を選んでダブルクリックすると、
図7に示すような仕訳伝票確認画面が開き、仕訳伝票の内容を確認することができる。また、
図7の仕訳伝票では、付替仕訳する前の仕訳伝票を表示しているため、本支店の勘定科目を表示せずに、借方や貸方の勘定科目をそのまま表示している。また、借方科目の金額欄の領域MA1には、事業所CD(コード)と、事業所名称を表示させても良く、貸方科目の金額欄の領域MA2にも、事業所CD(コード)と、事業所名称を表示させても良い。なお、事業所名称の表示は、領域内に入る最大文字数を表示するようにしても良い。また、
図7の仕訳伝票確認画面は、さらに下にスクロールさせることで、仕訳登録部102bにより同時に自動作成された付替元仕訳伝票や付替先仕訳伝票を確認するための画面を表示させても良い。これにより、承認者は付替元仕訳伝票と付替先仕訳伝票の両方が確認できると共に、付替元仕訳伝票が承認されると、付替先仕訳伝票も承認されるため、仕訳伝票の内容確認と承認処理とを一度に行うことができる。
【0050】
[4.別の実施形態]
ここで、
図8〜
図9を参照して、別の実施形態における仕訳入力から更新処理に到る処理の一例について説明する。
図8は、本支店仕訳入力装置の仕訳入力とそれに対する付替仕訳伝票の一例を示す図である。
図9−1〜
図9−10は、本支店仕訳入力装置において仕訳入力から更新処理に到る処理の一例を示す図である。
【0051】
本支店仕訳入力装置100は、(東京)本店の普通預金から¥300,000を、(横浜)支店の普通預金へ¥100,000、(大阪)支店の普通預金へ¥200,000を振り替えた場合に、
図8の左半分に示すような仕訳入力が行われる。そして、本支店仕訳入力装置100の仕訳登録部102bは、この仕訳入力データと本支店勘定記憶部106aに記憶されている本支店勘定とに基づいて、
図8の右半分に示すように、(東京)本店と(横浜)支店と(大阪)支店の3つの伝票に分解し、3種類の付替仕訳伝票を同時に作成する。
【0052】
図8の右半分に示す(東京)本店の付替元仕訳伝票である東京伝票は、貸方の勘定科目は普通預金のままであるが、(横浜)支店と(大阪)支店の借方の勘定科目が普通預金から支店勘定に変わる。また、(横浜)支店の付替先仕訳伝票である横浜伝票は、借方の勘定科目は普通預金のままであるが、貸方の勘定科目が普通預金から本店勘定に変わり、金額も借方の金額に応じた¥100,000となる。さらに、(大阪)支店の付替先仕訳伝票である大阪伝票は、借方の勘定科目は普通預金のままであるが、貸方の勘定科目が普通預金から本店勘定に変わり、金額も借方の金額に応じた¥200,000となる。なお、(東京)本店の金額欄に記載された「横浜支店・大阪支店へ普通預金を振替」というメモ情報と、(横浜)支店と(大阪)支店の金額欄に記載された「10%は小口現金に回して下さい」というメモ情報は、東京伝票、横浜伝票、大阪伝票のそれぞれのメモ情報に反映される。
【0053】
上記の本支店仕訳をオペレータが画面入力する場合は、
図9−1に示すように、行番号1と2に分け、発生日、事業所、借方事業所、借方総勘定科目、借方金額、貸方事業所、貸方総勘定科目、貸方金額をそれぞれ入力装置112から入力する。仕訳登録部102bは、
図9−2に示すように、入力された本支店仕訳入力データから本支店分解用ワークを作成し、行番号1と2にそれぞれ伝票単位1を付与する。
【0054】
そして、仕訳登録部102bは、この本支店分解用ワークに基づいて本支店分解処理を実行し、本支店分解を行う。その結果、
図9−3に示すような本支店分解結果ワークが生成され、さらに、仕訳伝票に付加するメモ情報に関する本支店メモ情報ワークを行番号に対応させて生成する。この本支店メモ情報ワークは、行番号に対応させて借方メモの内容とその配色(借方R値、借方B値、借方G値)、及び貸方メモの内容とその配色(貸方R値、貸方B値、貸方G値)を指定することができる。仕訳登録部102bは、
図9−3に示す本支店分解結果ワークと本支店メモ情報ワークとを行番号に基づいて結合させることにより、
図9−4に示すような本支店分解用ワーク+本支店メモ情報ワークを生成する。
【0055】
この
図9−4の本支店分解結果ワーク+本支店メモ情報ワークを生成する場合は、まず
図9−3の本支店分解結果ワークの借方総勘定科目と、
図9−1の本支店仕訳入力画面ワークの借方総勘定科目とが一致する行番号の借方R値、借方B値、借方G値、借方メモには、
図9−3の本支店メモ情報ワークの借方R値、借方B値、借方G値、借方メモをセットする。また、それ以外の行番号の借方R値、借方B値、借方G値、借方メモには、NULLをそれぞれセットする。
【0056】
さらに、
図9−3の本支店分解結果ワークの貸方総勘定科目と、
図9−1の本支店仕訳入力画面ワークの貸方総勘定科目とが一致する行番号の貸方R値、貸方B値、貸方G値、貸方メモには、
図9−3の本支店メモ情報ワークの貸方R値、貸方B値、貸方G値、貸方メモをセットする。また、それ以外の行番号の貸方R値、貸方B値、貸方G値、貸方メモには、NULLをそれぞれセットする。
【0057】
そして、本支店分解を行ったデータを、
図9−4の上側の本支店分解用ワーク+本支店メモ情報ワークの新伝票単位と新行番号に対し、
図9−4の下側の仕訳11編集用ワークのキー項目と行番号に対応させて仕訳11編集用ワークに登録し、編集を行う。つまり、本店側の会計単位についても1対1に対応するように分解し、行番号を「3」としている。
【0058】
図9−5に示す仕訳明細データは、
図9−4の仕訳11編集用ワークに基づいて、会計単位が東京本店分(
図8の東京伝票)の付替元仕訳伝票を作成するデータである。また、
図9−6の連携仕訳明細データは、
図9−4の仕訳11編集用ワークに基づいて、会計単位が横浜支店分(
図8の横浜伝票)と大阪支店分(
図8の大阪伝票)の付替先仕訳伝票をそれぞれ作成するデータである。さらに、
図9−7の本支店仕訳明細データは、
図9−4の仕訳11編集用ワークに基づいて、本支店仕訳明細の伝票を作成するデータである。
【0059】
なお、
図9−8に示すメモ情報データ(仕訳明細データ用)は、
図9−4の仕訳11編集用ワークに基づいて、
図9−5の仕訳明細データに付加するメモ情報を作成したものである。また、
図9−9に示す連携メモ情報データ(連携仕訳明細データ用)は、
図9−4の仕訳11編集用ワークに基づいて、
図9−6の連携仕訳明細データに付加するメモ情報を作成したものである。さらに、
図9−10に示す本支店メモ情報データ(本支店仕訳明細データ用)は、
図9−4の仕訳11編集用ワークに基づいて、
図9−5の仕訳明細データに付加するメモ情報を作成したものである。
【0060】
この実施形態では、本支店仕訳入力を行うと、仕訳登録部102bによって3つの会計単位における付替仕訳伝票を同時に作成して登録処理が行われるため(
図3のステップSA−2参照)、本支店会計の登録業務の入力を簡易化することができる。しかし、登録された時点ではまだ承認されていないため、未承認として登録データが更新される(ステップSA−4)。登録された仕訳伝票データは、未承認一覧(
図6参照)に表示されることから、承認者はこの未承認一覧を見ながら付替元仕訳伝票の内容を確認し、承認を行うと承認済みとして登録データの更新が行われる(ステップSA−5)。
【0061】
そして、この実施形態の場合も付替元仕訳伝票が承認されると、これと紐付く付替先仕訳伝票の事業所権限が無くても自動的に承認済みとして、登録データの更新処理が行われる(ステップSA−6)。これにより、本支店会計において会計単位により金額に差が生じたり、仕訳の入力漏れにより未達が生じたりするおそれが無くなり、煩雑なチェック作業を簡略化することができる。
【0062】
さらに、本実施形態の本支店仕訳入力装置に係る摘要情報付与部102eは、付替元伝票である
図8の東京伝票の伝票番号を付替先伝票である
図8の横浜伝票や大阪伝票の摘要情報として付与する(
図3のステップSA−7)。このため、伝票チェック時に遡って帳票を検索する場合であっても、どの伝票が付替元伝票かを付替先伝票の摘要情報から逆引きできることから、伝票検索を簡略化することができる。
【0063】
このように、本実施形態に係る本支店仕訳入力装置によれば、本支店会計における複数回の仕訳登録業務が1度で行えるため、入力作業が簡易化できる。また、帳票のチェック業務では、付替元の伝票を付替先の伝票の摘要情報によって容易に参照できるため、伝票の検索や確認に時間がとられなくなり、検索が簡略化できる。さらに、本支店科目の整合性チェックについては、システムが付替元仕訳伝票と付替先仕訳伝票を自動で1度に発生させることから、本支店勘定の整合性をチェックする必要が無くなった。
【0064】
[5.更に別の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、本支店仕訳入力装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、本支店仕訳入力装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて本支店仕訳入力装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、本支店仕訳入力装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、本支店仕訳入力装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、本支店仕訳入力装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。