【解決手段】端末100は、食材を加熱する調理方法ごとに、調理機器200における火力の制御方法を示す制御方法情報を記憶する記憶部12と、調理機器200が食材を加熱する調理方法を実行中に調理機器200を使用するユーザが所定時間キッチンにいないことが検出された場合、記憶部12に記憶された制御方法情報に示される制御方法の中から、調理機器200で実行中の調理方法に対応付けられた第1の制御方法を決定し、第1の制御方法を調理機器200に実行させる制御部14と、を備える。第1の制御方法は、実行中の調理方法で用いられている火力を減少させる方法である。
人が前記ユーザであると示す前記第2情報が、前記制御方法の実行後に受け取られたとき、前記制御部は、前記調理機器に、前記火力を複数の加熱方法のうちの1つの加熱方法の火力に変更するという、異なる制御方法を実行させる、
請求項1記載の火力制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本実施の形態に係る火力制御システムの構成について
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る火力制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、火力制御システムは、端末100(本発明の火力制御装置の一例)、調理機器200、人感センサ300を有する。
【0014】
図1において、端末100と調理機器200は、例えば、無線ネットワークを介して接続される。また、端末100と人感センサ300は、例えば、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または、無線ネットワークと有線ネットワークとが混在したネットワークのいずれかを介して接続される。なお、上述した無線ネットワークで用いられる通信方式は、例えば、公知の近距離無線通信方式である。
【0015】
まず、端末100の構成について説明する。
【0016】
端末100は、例えば、スマートフォン、タブレットなどの情報処理装置である。端末100は、入力部10、出力部11、記憶部12、通信部13、制御部14を備える。
【0017】
入力部10は、ユーザの操作を受け付ける、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスである。
【0018】
出力部11は、ディスプレイなどの表示デバイス、または、スピーカなどの音声出力デバイスである。
【0019】
例えば、出力部11は、調理工程画像を画面に表示する。調理工程画像とは、レシピの調理工程に対応する画像である。調理工程画像は、例えば、調理工程の具体例が文字、図形、記号、写真等により示される画像である。本実施の形態では、所定のレシピは複数の調理工程を含むものとする。よって、調理工程画像は、各調理工程に対応して予め用意されている。また、各調理工程画像が端末100の画面に表示される順番は、調理工程の順番に対応して予め定められている。ユーザは、調理工程画像の画面表示を見て、レシピの調理を進める。
【0020】
記憶部12は、メモリまたはハードディスクなどの記憶デバイスである。
【0021】
例えば、記憶部12は、上述した調理工程画像の情報(以下、調理工程画像情報という)を記憶する。
【0022】
また、例えば、記憶部12は、レシピ情報を記憶する。レシピ情報とは、レシピの内容を示す情報である。
【0023】
ここで、
図2を用いてレシピ情報の一例について説明する。
図2は、レシピ情報の一例を示す図である。
図2では例として、レシピ名「カレー」について3つの調理工程が示されている。各調理工程には、それぞれ、調理条件として、調理方法、所要時間、火力が定められている。
【0024】
調理方法は、調理工程で実行される調理方法である。所要時間は、調理工程の実行にかかる時間である。火力は、調理工程が加熱工程である場合に用いられる火力である。
図2では例として、第1調理工程は非加熱工程、第2調理工程および第3調理工程は加熱工程としている。これら調理方法、所要時間、火力を示す情報を以下「調理条件情報」という。なお、調理条件情報は、上述した調理方法、所要時間、および火力の情報以外に、例えば、使用される食材の名称、食材の量などの情報を含んでもよい。
【0025】
以上、レシピ情報の一例について説明した。
【0026】
また、例えば、記憶部12は、制御方法情報を記憶する。制御方法情報とは、調理機器200において行われる制御方法を示す情報である。
【0027】
ここで、
図3を用いて制御方法情報の一例について説明する。
図3は、制御方法情報の一例を示す図である。
図3では例として、加熱方法ごとに制御方法が定められている。加熱方法は、食材を加熱する調理方法であり、例えば、煮る、蒸す、炒める、焼く、揚げるなどである。制御方法は、調理機器200において実行される火力の制御方法である。
図3の制御方法情報では、加熱方法が「煮る」または「蒸す」の場合、弱火にする制御方法が定められている。また、加熱方法が「炒める」または「焼く」の場合、弱火にし、一定時間経過後に火を止める制御方法が定められている。また、加熱方法が「揚げる」の場合、火を止める制御方法が定められている。
【0028】
以上、制御方法情報の一例について説明した。
【0029】
なお、上記調理工程画像情報、レシピ情報、または制御方法情報は、図示しないサーバ装置から取得したものでもよいし、端末100が予め保持するものでもよい。以下、端末100の構成例の説明に戻る。
【0030】
通信部13は、他の装置と通信する通信インターフェースである。
【0031】
例えば、通信部13は、人感センサ300から検出情報を受信する。検出情報とは、人感センサ300の検出結果を示す情報である。人感センサ300は、例えば、キッチンにユーザがいるか否かを検出するセンサであり、例えば、赤外線センサ、キッチンマットに内蔵される圧力センサなどである。なお、
図1では例として、人感センサ300を端末100の外部に備える構成としたが、人感センサ300は端末100の内部に備えられてもよい。
【0032】
本実施の形態では、通信部13は、ユーザがキッチンにいないことを示す第1検出情報、または、ユーザがキッチンにいることを示す第2検出情報のいずれかを受信する。
【0033】
また、例えば、通信部13は、制御部14により生成された火力制御情報(詳細は後述)を調理機器200へ送信する。
【0034】
制御部14は、プロセッサなどの制御デバイスである。
【0035】
例えば、制御部14は、記憶部12から所定の調理工程画像情報を読み出し、その調理工程画像情報に基づいて調理工程画像を出力するように出力部11を制御する。この制御により、出力部11では、所定の調理工程画像が画面に表示される。
【0036】
また、例えば、制御部14は、所定の調理工程画像を出力するように出力部11を制御した場合、その調理工程画像に示される調理工程(すなわち、実行中の調理工程)の調理条件情報を記憶部12から読み出す。
【0037】
また、例えば、制御部14は、通信部13により第1検出情報が受信された場合、時間の計測を開始する。
【0038】
また、例えば、制御部14は、通信部13により第1検出情報が受信された場合、記憶部12から読み出した調理条件情報に基づいて、実行中の調理工程が加熱工程であるか否かを判定する(以下、第1の判定という)。例えば、制御部14は、調理条件情報に含まれる調理方法を示す情報が「煮る」、「蒸す」、「炒める」、「焼く」、「揚げる」のいずれかである場合、実行中の調理工程が加熱工程であると判定する。
【0039】
また、例えば、制御部14は、第1の判定において実行中の調理工程が加熱工程であると判定した場合、第1検出情報の受信から一定時間内に通信部13により第2検出情報が受信されたか否かを判定する(以下、第2の判定という)。ここでいう一定時間は、例えば、3秒である。
【0040】
また、例えば、制御部14は、第2の判定において一定時間内に第2検出情報が受信されなかったと判定した場合、火力制御情報を生成する。例えば、制御部14は、記憶部12から
図3の制御方法情報を読み出し、その制御方法情報において、実行中の加熱方法(煮る、蒸す、炒める、焼く、揚げる)に対応付けられている制御方法を特定する。そして、制御部14は、特定した制御方法の実行を指示する火力制御情報を生成する。そして、制御部14は、火力制御情報を調理機器200へ送信するように通信部13を制御する。これにより、火力制御情報は、調理機器200へ送信される。
【0041】
次に、調理機器200の構成について説明する。
【0042】
調理機器200は、例えば、IH(Induction Heating)調理器または電子レンジなどである。調理機器200は、入力部20、機能部21、記憶部22、通信部23、制御部24を備える。
【0043】
入力部20は、ユーザの操作を受け付ける、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスである。
【0044】
例えば、入力部20は、後述する機能部21にその機能を発揮するように指示する操作を受付ける。例えば、入力部20は、機能部21の加熱機能における温度設定の操作を受け付ける。
【0045】
機能部21は、対象物(例えば、鍋、フライパンなどの調理器具、または食材)の状態に変更を加えるデバイスであり、例えば、ヒータなどの加熱デバイスである。
【0046】
例えば、機能部21は、後述する制御部24によって制御されることで、調理器具の加熱を行う。
【0047】
記憶部22は、メモリまたはハードディスクなどの記憶デバイスである。
【0048】
例えば、記憶部22は、後述する通信部23により受信された火力制御情報を記憶する。
【0049】
通信部23は、他の装置と通信する通信インターフェースである。
【0050】
例えば、通信部23は、端末100から送信された火力制御情報を受信する。
【0051】
制御部24は、プロセッサなどの制御デバイスである。
【0052】
例えば、制御部24は、通信部23により火力制御情報が受信された場合、その火力制御情報を記憶部22に記憶させる。そして、制御部24は、所定のタイミングで、記憶部22から火力制御情報を読み出し、火力制御情報に基づいて機能部21を制御する。例えば、制御部24は、火力制御情報に示される制御方法(
図3に示す制御方法のいずれか)を機能部21に実行させる。
【0053】
以上、本実施の形態に係る火力制御システムの構成について説明した。
【0054】
次に、本実施の形態に係る火力制御システムの動作について
図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る火力制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。以下では例として、ユーザが
図2に示す第2調理工程を実行する場合について説明する。
【0055】
まず、端末100の制御部14は、第2調理工程に対応する調理工程画像情報を記憶部12から読み出し、その調理工程画像情報に基づいて調理工程画像を出力するように出力部11を制御する(ステップS11)。この制御により、出力部11では、第2調理工程の具体例を示す調理工程画像が画面に表示される。ユーザは、この画面表示を見て、調理機器200において第2の調理工程を実行する。これにより、調理機器200では、強火の加熱が行われる。
【0056】
また、ステップS11において、制御部14は、第2調理工程の調理条件情報を記憶部12から読み出す。例えば、
図2のレシピ情報において、調理方法「炒める」、所要時間「2分」、火力「強火」をそれぞれ示す情報が調理条件情報として読み出される。
【0057】
ここで、ユーザがキッチンを離れたことで、ユーザキッチンにいないことを人感センサ300が検出した場合、通信部13は、人感センサ300から第1検出情報を受信する(ステップS12)。
【0058】
次に、制御部14は、通信部13により第1検出情報が受信された場合、時間の計測を開始するとともに、記憶部12から読み出した調理条件情報に基づいて、第1の判定を行う。すなわち、制御部14は、実行中の調理工程が加熱工程であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0059】
第1の判定において実行中の調理工程が加熱工程ではないと判定された場合(ステップS13:NO)、フローは終了する。一方、第1の判定において実行中の調理工程が加熱工程であると判定された場合(ステップS13:YES)、フローはステップS14へ進む。ここでは、制御部14は、調理条件情報に含まれる調理方法を示す情報が「炒める」であるので、実行中の第2調理工程が加熱工程であると判定する(ステップS13:YES)。よって、フローはステップS14へ進む。
【0060】
次に、制御部14は、第2の判定を行う。すなわち、制御部14は、第1検出情報の受信から一定時間(例えば、5秒)内に通信部13により第2検出情報が受信されたか否かを判定する(ステップS14)。
【0061】
第2の判定において一定時間内に第2検出情報が受信された場合(ステップS14:YES)、フローは終了する。一方、第2の判定において一定時間内に第2検出情報が受信されなかった場合(ステップS14:NO)、フローはステップS15へ進む。ここでは例として、ユーザが一定時間内にキッチンに戻らないことで、ユーザキッチンにいることを人感センサ300が検出できず、通信部13が第2検出情報を受信しなかったとする(ステップS14:NO)。よって、フローはステップS15へ進む。
【0062】
次に、制御部14は、火力制御情報を生成する(ステップS15)。例えば、制御部14は、記憶部12から
図3の制御方法情報を読み出し、その制御方法情報において、実行中の加熱方法「炒める」に対応付けられている制御方法「弱火にし、一定時間経過後にオフ」を特定する。ここでいう一定時間は、例えば、7秒である。次に、制御部14は、特定した制御方法の実行を指示する火力制御情報を生成する。そして、制御部14は、火力制御情報を調理機器200へ送信するように通信部13を制御する。
【0063】
次に、通信部13は、火力制御情報を調理機器200へ送信する(ステップS16)。
【0064】
次に、調理機器200の通信部23は、端末100から火力制御情報を受信する(ステップS17)。
【0065】
次に、制御部24は、火力制御情報を記憶部22に記憶させた後、所定のタイミングで、記憶部22から火力制御情報を読み出し、火力制御情報に基づいて機能部21の火力を制御する(ステップS18)。例えば、制御部14は、機能部21の火力を強火から弱火に変更し、その変更から一定時間(例えば、7秒)経過後、火を止める。
【0066】
このように本実施の形態によれば、ユーザがキッチンを離れた場合、実行中の加熱方法に応じて火力を調整できる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。以下、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0068】
<変形例1>
例えば、第2の判定で用いられる一定時間は、例えば、
図2のレシピ情報において調理条件として定められている所要時間であってもよい。この具体例について以下に説明する。
【0069】
例えば、
図4のステップS11において、制御部14は、記憶部12から読み出した実行中の調理工程の調理条件情報に含まれる調理方法(加熱方法)の情報が「煮る」または「蒸す」を示す場合、第2の判定で用いる一定時間を、調理条件情報に含まれる所要時間に設定する。例えば、第3調理工程の調理条件情報が読み出された場合、所要時間「15分」が第2の判定で用いられることになる。
【0070】
このように本変形例によれば、例えば「煮る」または「蒸す」など、比較的長い時間の加熱が行われる加熱方法の場合、予め定められた所要時間の間、予め定められた制御方法(例えば、
図3に示す「弱火」にする制御方法)を行わないようにし、調理が中断されないようにすることができる。
【0071】
<変形例2>
例えば、所定の加熱工程が実行され、調理機器200において予め定められた火力と異なる火力で調理が行われている場合、火力を変更するように制御してもよい。この具体例について以下に説明する。
【0072】
例えば、ユーザにより所定の加熱工程が開始された際(例えば、
図4のステップS11における調理工程画像の表示後)、調理機器200の制御部24は、機能部21における火力の状態(例えば、強火、中火、弱火のいずれか)を示す火力状態情報を生成し、端末100へ送信する。制御部14は、通信部13により火力状態情報が受信されると、その火力状態情報が示す火力と、記憶部12から読み出した調理条件情報に含まれる火力の情報が示す予め定められた火力とが一致するか否かを判定する。この判定の結果、2つの火力が一致しない場合、制御部14は、予め定められた火力への変更を指示する火力制御情報を生成する。そして、この火力制御情報は、端末100から調理機器200へ送信される。調理機器200の制御部24は、通信部23により火力制御情報が受信されると、その火力制御情報に基づいて機能部21の火力を制御する。これにより、機能部21における火力は、予め定められた火力に変更される。
【0073】
このように本変形例によれば、例えばユーザが調理機器200において火力を間違えて設定した場合でも、ユーザの操作によらず、適切な火力に変更することができる。
【0074】
<変形例3>
例えば、火力制御情報の調理機器200への送信後、キッチンを離れていたユーザがキッチンに戻ってきた場合、元の火力に戻す制御を行ってもよい。この具体例について以下に説明する。
【0075】
例えば、第1検出情報が受信され(
図4のステップS12)、かつ、火力制御情報が調理機器200へ送信された(
図4のステップS16)後において、通信部13により第2検出情報が受信されたとする。この場合、制御部14は、記憶部12から読み出した調理条件情報に含まれる火力の情報が示す予め定められた火力に戻すように指示する火力制御情報を生成する。そして、この火力制御情報は、端末100から調理機器200へ送信される。調理機器200の制御部24は、通信部23により火力制御情報が受信されると、その火力制御情報に基づいて機能部21の火力を制御する。これにより、機能部21における火力は、予め定められた火力に変更される。
【0076】
このように本変形例によれば、ユーザがキッチンに戻ってきた場合、ユーザの操作によらず、適切な火力に変更することができる。
【0077】
<変形例4>
例えば、火力制御情報の調理機器200への送信後、キッチンを離れていたユーザがキッチンに戻ってきた場合、それまでに行われていた火力を弱めるまたは火を止める制御によって鍋などの調理器具の温度が下がっていることがありうる。そのような場合、ユーザがキッチンを離れた時点の温度に戻るまで火力を強めるように制御してもよい。この具体例について以下に説明する。
【0078】
例えば、第1検出情報が受信された場合(
図4のステップS12)、端末100の通信部13は、火力制御情報とともに、調理器具の温度を示す温度情報の送信を要求する要求情報を調理機器200へ送信する。
【0079】
次に、調理機器200の制御部24は、通信部23により火力制御情報および要求情報が受信されると、図示しない温度センサにより検出された温度情報(以下、第1温度情報という)を取得し、火力制御情報(例えば、中火から弱火への変更を指示する情報)に基づいて機能部21を制御する。そして、通信部23は、第1温度情報を端末100へ送信する。
【0080】
次に、端末100の制御部14は、通信部13により受信された第1温度情報を記憶部12に記憶させる。その後、通信部13により第2検出情報が受信されると、通信部13は、再び要求情報を調理機器200へ送信する。この要求情報を受信した調理機器200は、上記同様、温度情報(以下、第2温度情報という)を端末100へ送信する。
【0081】
次に、端末100の制御部14は、通信部13により受信された第2温度情報を記憶部12に記憶させる。そして、制御部14は、所定のタイミングで、第1温度情報および第2温度情報を記憶部12から読み出し、第2温度情報の温度と第1温度情報の温度との差が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0082】
上記判定の結果、第2温度情報の温度と第1温度情報の温度との差が所定の閾値以上である場合、制御部14は、火力制御情報を生成する。例えば、制御部14は、記憶部12から読み出した調理条件情報に含まれる火力の情報が示す予め定められた火力(例えば、中火)よりも強い火力(強火)へ変更し、その後、第1温度情報の温度に到達したら上記火力の情報が示す予め定められた火力(例えば、中火)に変更するように指示する火力制御情報を生成する。そして、この火力制御情報は、端末100から調理機器200へ送信される。
【0083】
調理機器200の制御部24は、通信部23により火力制御情報が受信されると、その火力制御情報に基づいて機能部21の火力を制御する。これにより、機能部21における火力は、それまでの弱火から強火に変更され、その後、温度センサにより第1温度情報の温度が検出された時点で中火に変更される。
【0084】
このように本変形例によれば、ユーザがキッチンを離れた際の調理器具の温度とユーザがキッチンに戻ってきた際の調理器具の温度との差が所定の閾値以上である場合には、短時間でユーザがキッチンを離れたときの調理器具の温度に戻すことができ、ユーザがスムーズに調理を進めることができる。
【0085】
<変形例5>
例えば、火力制御情報に基づいて所定の制御方法が行われる場合、その制御方法の内容を示す情報(以下、報知情報という)を端末100が出力するようにしてもよい。この具体例について以下に説明する。
【0086】
例えば、火力制御情報に基づいて中火から弱火にする制御方法が行われる場合、端末100の制御部14は、報知情報として、中火から弱火に変更した旨を示す画像および音声の少なくとも一方を出力するように出力部11を制御する。この報知情報の出力は、例えば、火力制御情報の調理機器200への送信時だけ行われてもよいし、または、火力制御情報の調理機器200への送信時から第2検出情報の受信時までの間行われてもよい。
【0087】
なお、上記説明では、端末100が報知情報の出力を行う場合としたが、調理機器200において上記報知情報の出力が行われてもよい。この場合、調理機器200の制御部24は、端末100から受信した報知情報を出力するように調理機器200の出力部(図示せず)を制御する。
【0088】
このように本変形例によれば、ユーザがキッチンを離れる際またはキッチンに戻ってきた際に、火力の変更が行われたことを認識できる。
【0089】
<変形例6>
上記実施の形態では、端末100は出力中の調理工程画像に対応するレシピ情報(例えば、
図2参照)に基づいて調理機器200で実行中の加熱方法を特定する場合について説明したが、その特定方法は、これに限定されない。例えば、調理機器200が複数の加熱モード(加熱方法の種類に応じて動作するモード。例えば、「煮る」を行うモード、「蒸す」を行うモード等)を有する場合、端末100は、調理機器200において加熱方法が開始された際に、調理機器200から加熱モードを示す情報を受信し、その情報が示す加熱モードに基づいて調理機器200で実行中の加熱方法を特定してもよい。
【0090】
<変形例7>
上記実施の形態では、キッチンにユーザがいるか否かを検出する手段(以下、ユーザ検出手段)として人感センサ300を用いる構成としたが、これに限定されない。以下、ユーザ検出手段のその他の例について説明する。
【0091】
例えば、キッチン全体を撮影可能なカメラと、そのカメラで撮影された画像に対して画像解析を行い、ユーザがキッチンにいるか否かを認識する画像処理装置とを用いてもよい。この場合、カメラおよび画像処理装置はともに、端末100の外部に備えられてもよいし、または、端末100の内部に備えられてもよい。あるいは、カメラは端末100の外部に備えられ、画像処理装置は端末100の内部に備えられてもよい。なお、画像処理装置が端末100の外部に備えられる場合、その画像処理装置は、画像認識の結果を示す情報(検出情報の一例)を端末100へ送信する機能を備えるものとする。
【0092】
また、例えば、ユーザに携帯され、ユーザの識別情報が記憶されたタグと、そのタグから近距離無線通信により識別情報を取得するリーダとを用いてもよい。このような技術としては、例えば、RFID(Radio Frequency IDentifier)がある。リーダは、端末100の外部に備えられてもよいし、または、端末100の内部に備えられてもよい。なお、リーダが端末100の外部に備えられる場合、そのリーダは、タグから取得した識別情報を端末100へ送信する機能を備えるものとする。
【0093】
そして、端末100の制御部14は、通信部13により外部のリーダからの識別情報が受信されている間、または、端末100に内蔵されたリーダにより識別情報が取得されている間は、ユーザがキッチンにいると判定する。そして、制御部14は、上記実施の形態で説明した第2検出情報の受信時と同様の処理動作を行う。
【0094】
一方、制御部14は、通信部13により外部のリーダからの識別情報が受信されていない間、または、端末100に内蔵されたリーダにより識別情報が取得されていない間は、ユーザがキッチンを離れたと判定する。そして、制御部14は、上記実施の形態で説明した第1検出情報の受信時と同様の処理動作を行う。
【0095】
なお、上記において、屋内測位技術を用いてもよい。例えば、タグから取得された識別情報を基に計測されたユーザの位置を示す情報と、予め定められたキッチンの位置(領域でもよい)を示す情報とに基づいて、ユーザがキッチンにいるか否かが判定されてもよい。この判定は、例えば、上記リーダで行われてもよいし、端末100の制御部14により行われてもよい。
【0096】
また、例えば、ユーザの識別情報が記憶された人体通信モジュールを内蔵した調理器具と、端末100との間で近距離無線通信が可能な送信装置とを用いてもよい。この場合、ユーザが調理器具に触れることで、人体通信モジュールから送信装置へ識別情報が送信される。そして、送信装置は、人体通信モジュールから受信した識別情報を、端末100へ送信する。
【0097】
そして、端末100の制御部14は、通信部13により送信装置からの識別情報が受信されている場合、ユーザがキッチンにいると判定する。そして、制御部14は、上記実施の形態で説明した第2検出情報の受信時と同様の処理動作を行う。
【0098】
一方、制御部14は、通信部13により送信装置からの識別情報が受信されなくなった場合、ユーザがキッチンを離れたと判定する。そして、制御部14は、上記実施の形態で説明した第1検出情報の受信時と同様の処理動作を行う。
【0099】
また、例えば、調理中に発生する音(例えば、包丁を使用する音、水が流れる音など)またはユーザの声を入力するマイクと、マイクに入力された音に対して音認識または音声認識を行い、ユーザがキッチンにいるか否かを認識する音認識装置または音声認識装置とを用いてもよい。この場合、カメラおよび音声処理装置はともに、端末100の外部に備えられてもよいし、または、端末100の内部に備えられてもよい。あるいは、マイクは端末100の外部に備えられ、音声処理装置は端末100の内部に備えられてもよい。なお、音声処理装置が端末100の外部に備えられる場合、その音声処理装置は、音声認識の結果を示す情報(検出情報の一例)を端末100へ送信する機能を備えるものとする。
【0100】
以上、ユーザ検出手段のその他の例について説明した。なお、上述した各ユーザ検出手段、人感センサ300を適宜組み合わせることで、より精度の高い検出を実現するようにしてもよい。
【0101】
<変形例8>
端末100の制御部14は、キッチンに戻ってきた人物がキッチンを離れた人物と同一であるか否かを判定してもよい。この場合では、上記変形例7で説明した、カメラと画像処理装置の組み合わせまたはタグとリーダの組み合わせを用いることができる。前者の場合、ユーザがキッチンを離れたときに撮影された画像の解析結果(例えば、顔認証等)と、ユーザがキッチンに戻ってきたときに撮影された画像の解析結果とが同じである場合に、両者(キッチンを離れた人物とキッチンに戻ってきた人物)は同一人物であると判定される。後者の場合、ユーザがキッチンを離れたときに取得された識別情報と、ユーザがキッチンに戻ってきたときに取得された識別情報とが同じである場合に、両者は同一人物であると判定される。
【0102】
そして、例えば、制御部14は、第1検出情報の受信時から一定時間内(例えば、
図4のステップS12〜S14の間)に上記判定を行った場合、以下のように動作する。例えば、両者が同一人物であると判定した場合、制御部14は、火力を減少させる制御方法を示す火力制御情報の生成(例えば、
図4のステップS15)を実行しない。すなわち、この場合、ユーザがキッチンを離れたときの火力が維持されることになる。キッチンに戻ってきた人物がユーザ本人であれば、火力を維持したとしても、危険性は少ないと考えられるためである。一方、例えば、両者が同一人物ではないと判定した場合、制御部14は、火力を減少させる制御方法を示す火力制御情報の生成(例えば、
図4のステップS15)を実行する。すなわち、この場合、ユーザがキッチンを離れたときの火力は減少することになる。
【0103】
また、例えば、制御部14は、火力を減少させる制御方法を示す火力制御情報の生成(例えば、
図4のステップS15)後に上記判定を行った場合、以下のように動作する。例えば、両者が同一人物であると判定した場合、火力を元に戻す制御方法(例えば、変形例3、4で説明した制御方法)を示す火力制御情報の生成を実行する。すなわち、この場合、火力を減少させる制御方法により減少していた火力は予め定められた火力に戻ることになる。キッチンに戻ってきた人物がユーザ本人であれば、火力を戻したとしても、危険性は少ないと考えられるためである。一方、例えば、両者が同一人物ではないと判定した場合、制御部14は、火力を元に戻す制御方法(例えば、変形例3、4で説明した制御方法)を示す火力制御情報の生成を中止する。すなわち、この場合、火力を減少させる制御方法の実行が維持される。
【0104】
このように本変形例によれば、ユーザ以外の人物がキッチンに入って来たとしても、実施の形態で説明した火力を減少させる制御が実行されなくなったり、変形例3、4で説明した火力を元に戻す制御が実行されたりしない。
【0105】
なお、上記説明では、キッチンに戻ってきた人物がキッチンを離れた人物と同一であるか否かを判定したが、キッチンに入って来た人物が予め登録された調理者であるか否かを判定してもよい。ここでいう調理者とは、キッチンを離れたユーザ以外の人物であり、調理を引き継いで行う者(例えば、夫婦)である。なお、ここでの判定も、上記説明と同様に、カメラと画像処理装置の組み合わせ、または、タグとリーダの組み合わせを用いることで実現できる。
【0106】
例えば、制御部14は、第1検出情報の受信時から一定時間内(例えば、
図4のステップS12〜S14の間)に上記判定を行った場合、以下のように動作する。例えば、キッチンに入って来た人物が予め登録された調理者であると判定した場合、制御部14は、火力を減少させる制御方法を示す火力制御情報の生成(例えば、
図4のステップS15)を実行しない。一方、例えば、キッチンに入って来た人物が予め登録された調理者ではないと判定した場合、制御部14は、火力を減少させる制御方法を示す火力制御情報の生成(例えば、
図4のステップS15)を実行する。
【0107】
また、例えば、制御部14は、火力を減少させる制御方法を示す火力制御情報の生成(例えば、
図4のステップS15)後に上記判定を行った場合、以下のように動作する。例えば、キッチンに入って来た人物が予め登録された調理者であると判定した場合、火力を元に戻す制御方法(例えば、変形例3、4で説明した制御方法)を示す火力制御情報の生成を実行する。なお、この場合では、火力を元に戻す旨の音声または画像を出力した上で火力を元に戻してもよい。あるいは、より安全のため、「調理を引き継ぎますか」という旨の音声または画像を出力し、調理者による引き継ぎを承認する旨の操作を受け付けた場合に火力を元に戻してもよい。一方、例えば、キッチンに入って来た人物が予め登録された調理者ではないと判定した場合、制御部14は、火力を元に戻す制御方法(例えば、変形例3、4で説明した制御方法)を示す火力制御情報の生成を中止する。
【0108】
また、上記説明では、キッチンに戻ってきた人物がキッチンを離れた人物と同一であるか否かを判定したが、キッチンに入って来た人物が子供であるか否かを判定してもよい。例えば、制御部14は、赤外センサによる検知結果または画像処理装置による画像の解析結果に基づいてキッチンに入って来た人物の身長を推測し、推定した身長が閾値以下の場合に、その人物が子供であると判定する。
【0109】
そして、例えば、第1検出情報の受信時から一定時間内(例えば、
図4のステップS12〜S14の間)、または、火力を減少させる制御方法を示す火力制御情報の生成(例えば、
図4のステップS15)後のいずれかにおいて、制御部14は、キッチンに入って来た人物が子供であると判定した場合、アラーム音を出力するとともに、全ての加熱を停止するように制御する。
【0110】
<変形例9>
上記実施の形態では、端末100と調理機器200とが通信を行うことで火力制御を実現する場合について説明したが、調理機器200の記憶部22、通信部23、制御部24のそれぞれにおいて上述した端末100の記憶部12、通信部13、制御部14の機能を実現するように構成してもよい。この場合、例えば、記憶部22は、
図2のレシピ情報および
図3の制御方法情報を記憶する。また、例えば、通信部23は、人感センサ300から検出情報を受信する。また、例えば、制御部24は、調理工程画像の出力処理(出力先は、図示しない調理機器200の出力部でもよいし、端末100の出力部11であってもよい)、火力制御情報の生成処理などを行う。
【0111】
以上、本発明に係る実施の形態の変形例を説明した。なお、上記変形例は任意に組み合わせてもよい。
【0112】
<コンピュータプログラムによる実現例>
以上、本発明に係る実施の形態および変形例について図面を参照して詳述してきたが、上述した端末100および調理機器200(以下、各装置という)等の各機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0113】
図5は、各部の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。このコンピュータ1000は、入力ボタン、タッチパッドなどの入力装置1001、ディスプレイ、スピーカなどの出力装置1002、CPU(Central Processing Unit)1003、ROM(Read Only Memory)1004、RAM(Random Access Memory)1005を備える。また、コンピュータ1000は、ハードディスク装置、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置1006、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置1007、ネットワークを介して通信を行う送受信装置1008を備える。上述した各部は、バス1009により接続される。
【0114】
そして、読取装置1007は、上記各部の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置1006に記憶させる。あるいは、送受信装置1008が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各部の機能を実現するためのプログラムを記憶装置1006に記憶させる。
【0115】
そして、CPU1003が、記憶装置1006に記憶されたプログラムをRAM1005にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM1005から順次読み出して実行することにより、上記各部の機能が実現される。また、プログラムを実行する際、RAM1005または記憶装置1006には、各実施の形態で述べた各種処理で得られた情報が記憶され、適宜利用される。