(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-19545(P2020-19545A)
(43)【公開日】2020年2月6日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/482 20060101AFI20200110BHJP
B65D 5/52 20060101ALI20200110BHJP
B65D 5/493 20060101ALI20200110BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20200110BHJP
【FI】
B65D5/482
B65D5/52 L
B65D5/493 110
B65D5/52 101D
B65D5/52 M
B65D5/42 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-145327(P2018-145327)
(22)【出願日】2018年8月1日
(71)【出願人】
【識別番号】500048797
【氏名又は名称】株式会社横浜リテラ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】星野 匡
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA06
3E060CB02
3E060CB03
3E060CB07
3E060CB08
3E060CC05
3E060CC14
3E060CC17
3E060CC33
3E060CC43
3E060CD12
3E060DA04
3E060DA11
3E060DA22
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】容器本体内に装着されてその内部空間を多層状に区画する仕切り部材の剛性を高め、これによって、前記形成される多層状の空間の形状変化を抑制する。
【解決手段】
容器本体2と、この容器本体内の空間を複層空間に区画する仕切り部材とからなる包装容器1であって、容器本体が略平行な表面部2aおよび裏面部2bと、これらの表裏面部の側部に折り線Bを介して連設され、容器本体を略矩形状の筒体とする複数の側面部2cと、各開口を開閉可能に閉塞する蓋部2eと、表裏面部と略平行に配置される仕切り部2fと、この仕切り部を表面部若しくは前記裏面部に連結する連結部2dからなり、表面部、裏面部、側面部、連結部、および、仕切り部を各折り線によって折り込むことにより、仕切り部と連結部を取り囲んで前記略矩形状の筒体を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形の容器本体と、この容器本体内に装着されてこの容器本体内の空間を複層空間に区画する仕切り部材とからなる包装容器であって、前記容器本体が略平行な表面部および裏面部と、これらの表裏面部の側部に折り線を介して連設され、前記容器本体を両端部が開口された略矩形状の筒体とする複数の側面部と、前記各開口を開閉可能に閉塞する蓋部と、前記表面部と前記裏面部との間に、これらと略平行に配置されて前記容器本体内の空間を分割する仕切り部と、この仕切り部を、折り線を介して前記表面部若しくは前記裏面部に連結する連結部からなり、前記表面部、前記裏面部、前記側面部、前記連結部、および、前記仕切り部を前記各折り線によって折り込むことにより、前記仕切り部と前記連結部を、前記表面部、前記裏面部、および、前記側面部によって取り囲んで前記略矩形状の筒体を構成し、かつ、前記仕切り部を前記表面部と前記裏面部との間に保持してなることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記仕切り部材が、前記表裏面部と略平行に配置される複数の仕切り板と、これらの仕切り板に連設され、これらの仕切り板を所定間隔に保持して前記複層空間を形成する複数の間隔保持板とからなり、前記仕切り板と前記間隔保持板とが折り線を介して交互に連結され、前記仕切り部材が、前記折り線において折り込まれることにより、一つの前記仕切り板を前記他の間隔保持板および他の前記仕切り板によって取り囲んで構成され、前記容器本体の前記表面部と前記仕切り部との間、若しくは、前記裏面部と前記仕切り部との間に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記容器本体の表裏面部の少なくとも一方に、前記仕切り板を露出させる窓が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記窓が形成されている前記表裏面部に、前記窓を覆う透明フィルムが装着されていることを特徴とする請求項3に記載の包装容器。
【請求項5】
前記表裏部の前記窓が形成された部位に、一部に不連続部を残した切れ目によって、前記窓を開閉する扉が連設されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の包装容器。
【請求項6】
前記仕切り部や前記仕切り板に、これらの切り部や仕切り板を切り抜くことによって形成された飾りが設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に係わり、特に、内部空間を多層状に区画して用途を多様化することの可能な包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば特許文献1に示されるように、用途の多様化等を目的として、内部を多層状に区画した包装容器が知られている。
【0003】
この包装容器は、角筒型の本体部と、該本体部の開口部に連成された開閉自在な蓋部からなる包装箱において、上記本体部の前面板に、窓部が形成され、窓付前面板の内側に小間隔を存して目隠し用面板が設けられ、該目隠し用面板の前面に、適宜の図柄の意匠部が形成された構成としたもので、前記目隠し用面板によって前記箱体内部を多層に区画している。
【0004】
そして、前記目隠し用面板は、その両側縁部を折り曲げることによって形成された一対の係止板を、前記目隠し用面板の両側部に位置する前記本体部の両側内面に当接させることによって前記本体部の内部に係止されており、このような係止状態において前記本体部の内部空間を多層状に区画している。
【0005】
また、前記係止板は、前記本体部の空間の、隣接する一対の角部に当接する形状に形成されてその動きが拘束されており、これによって前記目隠し用面板を、前記本体部の内部空間の所定位置に保持するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−91515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前述した従来の包装容器では、前記目隠し用面板を、その両側を折り曲げて形成した係止板を、前記本体部の内部空間を形成する対向面に当接させることによって前記本体部の内部空間の所定位置に係止するようにしている。
【0008】
しかしながら、このような係止状態において、前記係止板は前記本体部の内面に当接させられているのみであるから、その離間方向への相対移動を拘束することができない。
【0009】
このために、前記目隠し用面板の、その面と直交する撓み方向の変形を拘束することができず、この目隠し用面板の形状が崩れやすい。
【0010】
そして、前記目隠し用面板が変形すると、この目隠し用面板によって区画された多層状の空間形状も変形するために、これらの空間への物品の収納作業が繁雑になる。
【0011】
このような不具合を解消するためには、前記目隠し用面板を厚みのある、もしくは、硬めの材料によって形成することが要求される。
【0012】
この結果、包装容器の制作に際し、使用可能な材料の選択の自由度が狭められてしまうといった問題点が生じることが想定される。
【0013】
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みなされたもので、容器本体の内部空間を仕切り板によって多層状に区画した包装容器において、前記仕切り板の変形を極力防止することの可能な包装容器を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の包装容器は、前述した課題を解決するために、箱形の容器本体と、この容器本体内に装着されてこの容器本体内の空間を複層空間に区画する仕切り部材とからなる包装容器であって、前記容器本体が略平行な表面部および裏面部と、これらの表裏面部の側部に折り線を介して連設され、前記容器本体を両端部が開口された略矩形状の筒体とする複数の側面部と、前記各開口を開閉可能に閉塞する蓋部と、前記表面部と前記裏面部との間に、これらと略平行に配置されて前記容器本体内の空間を分割する仕切り部と、この仕切り部を、折り線を介して前記表面部若しくは前記裏面部に連結する連結部からなり、前記表面部、前記裏面部、前記側面部、前記連結部、および、前記仕切り部を前記各折り線によって折り込むことにより、前記仕切り部と前記連結部を、前記表面部、前記裏面部、および、前記側面部によって取り囲んで前記略矩形状の筒体を構成し、かつ、前記仕切り部を前記表面部と前記裏面部との間に保持してなることを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、前記容器本体を、前記仕切り部と前記連結部を、前記表面部、前記裏面部、および、前記側面部によって取り囲んで前記略矩形状の筒体とすることにより、前記容器本体の内部空間を複数の分割空間に画成することができる。
【0016】
また、前記仕切り部と前記連結部によって、対峙して位置させられている前記側面部の一対をその中間部において連結した構成とすることができる。
【0017】
これによって、前記各側面部の撓みによる変形を抑制することができるとともに、これらの側面部によって、前記表裏面の両側縁間の距離を保持することにより、これら表裏面部の撓みによる変形も抑制することができる。
この結果、変形の少ない包装容器を得ることができる。
【0018】
前記仕切り部材は、前記表裏面部と略平行に配置される複数の仕切り板と、これらの仕切り板に連設され、これらの仕切り板を所定間隔に保持して前記複層空間を形成する複数の間隔保持板とからなり、前記仕切り板と前記間隔保持板とが折り線を介して交互に連結され、前記仕切り部材が、前記折り線において折り込まれることにより、一つの前記仕切り板を前記他の間隔保持板および他の前記仕切り板によって取り囲んで構成され、前記容器本体の前記表面部と前記仕切り部との間、若しくは、前記裏面部と前記仕切り部との間に挿入される構成とすることができる。
【0019】
このように構成される仕切り部材は、一つの仕切り板を他の間隔保持板および他の仕切り板によって取り囲まれて、断面視において矩形状の剛な構造に組み上げられ、この結果、前記仕切り板の、その面と直交する方向の撓みに対する拘束力を高めてその変形を抑制することができる。
【0020】
さらに、前記仕切り部材を前記容器本体内に挿入することにより、この容器本体をその内部から支持することにより、前記容器本体の剛性を高めることができる。
【0021】
また、前記仕切り部材自体の変形が抑制されていることにより、前記仕切り部材によって区画形成される多層状の各空間の形状が崩れることを防止して、これらの空間部への物品の出し入れの容易性ならびに確実性を確保することができる。
【0022】
さらに、前記仕切り部材が剛な構造に組み上げられていることにより、この仕切り部材を容器本体内に組み込む際に、前記仕切り部材の形崩れが抑制される。
これによって、前記仕切り部材の組み込み作業を容易なものとすることができる。
【0023】
前記容器本体の表裏面部の少なくとも一方に、前記仕切り板を露出させる窓を形成することができる。
【0024】
このような構成とすると、前記仕切り板に、図柄や写真、あるいは、切り抜き等によって装飾を施しておくことにより、この装飾を、前記容器本体の外部から前記窓を介して視認することができ、包装用容器の視覚的な機能を高めることができる。
【0025】
ここで、前記仕切り部材の剛性を高めて前記仕切り板の変形が抑制されていることにより、この仕切り板に施されている装飾の変化も抑制され、その意匠的効果を維持することができる。
【0026】
そして、前記窓は、透明フィルムによって覆うことが好ましい。
このような構成とすることにより、前記窓のよる意匠的効果を維持しつつ、異物等が前記容器本体の内部へ侵入することを防止することができる。
【0027】
また、前記表裏面部の前記窓が形成された部位に、一部に不連続部を残して切れ目を入れて前記窓を開閉する扉を形成することもできる。
【0028】
これによって、前記扉の開閉動作による動的機能を容器本体に付与して、包装容器の付加価値を高めることができる。
【0029】
さらに、前記仕切り部や前記仕切り板に、これらの仕切り部や仕切り板を切り抜くことによって装飾空間を形成することもできる。
これによって、複数の装飾空間を多層状に立体感をもって視認することができ、その意匠的な効果をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の包装容器によれば、容器本体内に装着されてその内部空間を多層状に区画する仕切り部材の剛性を高め、これによって、前記形成される多層状の空間の形状変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示す外観斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態を示すもので、
図1のII−II線に沿った拡大断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態を示すもので、容器本体の展開図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態を示すもので、仕切り部材の展開図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態を示すもので、容器本体を展開した状態の斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態を示すもので、容器本体の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態を示すもので、容器本体の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態を示すもので、容器本体の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態を示すもので、容器本体の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態を示すもので、容器本体の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態を示すもので、仕切り部材の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態を示すもので、仕切り部材の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図13】本発明の第1の実施形態を示すもので、仕切り部材の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図14】本発明の第1の実施形態を示すもので、包装容器の組み立て手順を示す外観斜視図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態を示す正面図である。
【
図16】本発明の第3の実施形態を示す正面図である。
【
図17】本発明の第4の実施形態を示す容器本体の展開図である。
【
図18】本発明の第4の実施形態を示す容器本体の展開図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の第1の実施形態について、
図1ないし
図14を参照して説明する。
図1において、符号1は本実施形態の包装容器を示す。
【0033】
この包装容器1は、箱形の容器本体2と、この容器本体2内に装着されてこの容器本体2内の空間Gを複層の空間(G1・G2・G3)に区画する仕切り部材3とからなり、前記容器本体2が略平行な一対の表裏面部2a・2bと、これらの表裏面部2a・2bの両側部に連設されて両端部(図中の上下端)が開口(Z)された略矩形状の筒体を形成する側面部2cと連結部2dと、前記各開口Zを開閉可能に閉塞する蓋部2eと、前記表面部2aと前記裏面部2bとの間に、これらと略平行に配置されて前記容器本体2内の空間を分割する仕切り部2fとを備えている。
【0034】
図3に示すように、前記連結部2dは、一対の平行な折り線B1を介して、前記仕切り部2fと前記裏面部2bとに連結されている。
また、前記側面部2cは、一対の平行な折り線B2を介して、前記裏面部2bと前記表面部2aとに連結されている。
【0035】
前記表面部2aの、前記側面部2cが連設された縁部と反対側の縁部には、折り線B3を介して接続部2gが連設されている。
【0036】
前記仕切り部2fの、前記連結部2dが連設された縁部と反対側の縁部には、折り線B4を介してのり付け部2hが連設されている。
【0037】
前記裏面部2bの、前記折り線B1・B2が設けられている縁部と直交する一対の縁部に、それぞれ折り線B5を介して前記蓋部2eが連設されている。
【0038】
このように構成された前記容器本体2は、
図5ないし
図10に順を追って示すように、前記前記表面部2a、前記裏面部2b、前記側面部2c、前記連結部2d、および、前記仕切り部2fを、各折り線B1・B2・B3・B4において山折りすることにより、前記仕切り部2fと前記連結部2dを、前記表面部2a、前記裏面部2b、および、前記側面部2cによって取り囲んで断面略矩形の筒状の容器本体2を構成する。
【0039】
そして、前記のり付け部2hを前記側面部2cの裏面にのり付けし、また、前記接続部2gを前記連結部2dの表面にのり付けすることによって固定する。
これによって、前記前記仕切り部2fが、前記表面部2aと前記裏面部2bとの間に保持された構成となされる。
【0040】
ついで、
図10に示すように、前記各蓋部2eを折り線B5において山折りすることにより、前記それぞれの開口Zを閉じることによって前記容器本体2の単体を組み上げることができる。
【0041】
前記仕切り部材3は、
図4に示すように、前記表裏面部2a・2bと略平行に配置される複数の仕切り板4・5・6と、これらの仕切り板4・5・6に連設され、これらの仕切り板4・5・6を所定間隔で略平行に保持する複数の間隔保持板7・8とを備えている。
【0042】
前記仕切り板4は、折り線B6を介して前記間隔保持板7へ連設され、また、この間隔保持板7と反対側には、折り線B7を介してのり付け片9が連設されている。
【0043】
前記間隔保持板7には折り線B7を介して前記仕切り板5が連設されている。
この仕切り板5の前記折り線B7と直交する平行な一対の縁部には、折り線B8を介して蓋片10が連設されている。
【0044】
また、前記仕切り板5の、前記間隔保持板7が連設された縁部と反対側の縁部には、折り線B9を介して前記間隔保持板8が連設されている。
【0045】
前記間隔保持板8の、前記仕切り板5が連設された縁部と反対側の縁部には、折り線B10を介して前記仕切り板6が連設されている。
【0046】
前記仕切り板6の、前記間隔保持板8が連設されている縁部と反対側の縁部には、折り線B11を介してのり付け片11が連設されている。
【0047】
このような本実施形態の仕切り部材3は、
図11ないし
図13に順を追って示すように、各折り線B8〜B11を山折りすることにより、前記仕切り板6を他の部位で取り囲み、前記のり付け片11を前記間隔保持板7の内面に当接させるとともにのり付けし、また、前記のり付け片9を前記間隔保持板8の外面に当接させるとともにのり付けし、ついで、前記両蓋板10を前記折り線B8において山折りすることにより組み上げられる。
【0048】
このようにして組み上げられた前記容器本体2と前記仕切り部材3は、この仕切り部材3を、
図14に矢印で示すように、前記容器本体2の前記仕切り部2fと前記裏面部2bとの間に形成された空間G2内に挿入した後に、前記両蓋部2eを閉じることによって、
図1に示すように、包装容器1を得ることができる。
【0049】
このようにして得られた本実施形態の包装容器1では、その容器本体2内に、前記仕切り部2fと前記仕切り部材3とによって、
図2に示すように、多層状の空間G1・G2・G3を形成することができる。
【0050】
すなわち、前記仕切り部2fと、前記仕切り部材3の前記仕切り板4および前記仕切り板6が、面と直交する方向に間隔をおいて保持され、これらの間に、前記空間G1・G2・G3が形成される。
【0051】
そして、組み上げられた状態において、前記容器本体2の前記表面部2aおよび前記裏面部2bは、その両縁部に連設されている前記側面部2cと前記連結部2dとの間隔が、前記仕切り部2fによって保持されていることにより、前記表裏面2a・2bの撓みが抑制される。
したがって、前記容器本体2の剛性が高められてその変形が抑制される。
【0052】
また、前記仕切り部材3は、一つの仕切り板6を、前記間隔保持板7・8、前記のり付け片9、および、他の仕切り板4・5によって取り囲んで断面視において矩形状の剛な構造に組み上げられる。
【0053】
そして、このような剛構造の前記仕切り部材3を内装することにより、前記容器本体2の剛性も高められる。
【0054】
これによって、前記容器本体2内に区画形成される多層状の各空間G1・G2・G3の形状が崩れることを防止して、これらの空間部への物品の出し入れの容易性ならびに確実性を確保することができる。
【0055】
また、前記容器本体2および前記仕切り部材3が剛な構造に組み上げられていることにより、この仕切り部材3を容器本体2内に組み込む際に、前記容器本体2や前記仕切り部材3の形崩れが抑制され、これによって、前記仕切り部材3の組み込み作業を容易なものとすることができる。
【0056】
本実施形態においては、前記容器本体2の表面部2aに開口X1を、前記仕切り部2fに開口X2を、また、前記仕切り部材3の前記仕切り板4に開口X3を形成してあり、これらの各開口X1・X2・X3は上下に間隔をおいて重畳させられている。
【0057】
ここで、その開口面積をX1>X2>X3とすることにより、たとえば、上方の開口X1に物品を入れた場合、この開口X1の内周縁で物品の外周を支持し、前記開口X2の周縁部の面で前記物品の下部を支持することができる。
これによって、物品の安定した収納を可能にする。
【0058】
図15は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前記容器本体2の表面部2aに、前記仕切り部2fを露出させる窓12を形成したものである。
【0059】
このような構成とすることにより、前記窓12を介して前記容器本体2の内部を覗いて内容物の確認をすることができる。
【0060】
図16は、本発明の第3の実施形態を示すもので、
図15に示す実施形態における前記表面部2aの前記窓12が形成される部位に、一部に不連続部を残して切れ目を入れることにより、前記窓12を開閉する観音開きの扉13を形成したものである。
【0061】
これによって、前記扉13の開閉動作による動的機能を容器本体2に付与して、包装容器1の付加価値を高めることができる。
【0062】
図17ないし
図19は、本発明の第4の実施形態を示すもので、前記開口X2・X3に、たとえば、人物や樹木等の輪郭を残して切り抜いて飾りH1・H2を形成したものである。
【0063】
そして、前記包装容器1を組み上げた際に、
図19に示すように、前記装飾H1・H2が、前記容器本体2の内方へ向かう方向において所定間隔を有して重畳状態に配置される。
【0064】
そして、この重畳状態にある前記各装飾H1・H2を、
図19に示すように、前記容器本体2に形成されている前記窓12から立体的に視認することができる。
これによって、包装容器1の意匠性を高めることができる。
【0065】
ここで、組み上げられた前記容器本体2や仕切り部材3の剛性が高められてその変形が抑制されていることにより、前記装飾H1・H2の変化も抑制され、その意匠的効果を維持することができる。
【0066】
そして、前記窓12は、図示しない透明フィルムによって覆うことが好ましい。
このような構成とすることにより、前記窓12による意匠的効果を維持しつつ、異物等が前記容器本体2の内部へ侵入することを防止することができる。
【0067】
なお。前記各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、包装容器の形状や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 包装容器
2 容器本体
2a 表面部
2b 裏面部
2c 側面部
2d 連結部
2e 蓋部
2f 仕切り部
2g 接続部
2h のり付け部
3 仕切り部材
4 仕切り板
5 仕切り板
6 仕切り板
7 間隔保持板
8 間隔保持板
9 のり付け片
10 蓋片
11 のり付け片
12 窓
13 扉
B1〜B11 折り線
G(G1・G2・G3) 空間
H1・H2 飾り
Z 開口
X1〜X3 開口