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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-196485(P2020-196485A)
(43)【公開日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】袋供給方法及び袋供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/16 20060101AFI20201113BHJP
   B65B 35/18 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
   B65B43/16
   B65B35/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-102941(P2019-102941)
(22)【出願日】2019年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】東洋自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】森野 学
(72)【発明者】
【氏名】福永 一生
【テーマコード(参考)】
3E030
3E054
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BA02
3E030BB02
3E030BC04
3E030CA01
3E030CC02
3E030DA02
3E030FA03
3E030GA03
3E054AA13
3E054BA07
3E054CA05
3E054DA03
3E054DB03
3E054DC03
3E054FA02
3E054FB11
3E054FC19
3E054GA08
3E054GB05
(57)【要約】
【課題】高精度に姿勢が調整された袋を後段に供給することができる袋供給方法及び袋供給装置を提供する。
【解決手段】第1移送機構12によって、ストック部11から取り出された1枚の袋Bが位置決め部13の載置面32に載せられる。複数の規制部材16a、16b、16c、16dが規制位置Prに配置されている状態で、載置面32のうちの取出エリアRvに袋Bが配置されるように、載置面32上の袋Bの位置が規制される。複数の規制部材を規制位置Prに配置しつつ、第2移送機構14が有する第1保持ユニット41によって、取出エリアRvに配置されている袋Bの露出部分が把持される。少なくとも1つの規制部材16aが規制位置Prに配置されていない状態で第1保持ユニット41を移動させることによって、第1保持ユニット41により把持されている袋Bが引渡位置に配置される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移送機構によって、ストック部から1枚の袋を取り出し、取り出された当該袋を位置決め部の載置面に載せる工程と、
複数の規制部材が規制位置に配置されている状態で、前記載置面のうちの取出エリアに前記袋が配置されるように、前記載置面上の前記袋の位置を規制する工程と、
前記複数の規制部材を前記規制位置に配置しつつ、第2移送機構が有する第1保持ユニットによって、前記取出エリアに配置されている前記袋の露出部分を把持する工程と、
前記複数の規制部材のうちの少なくとも1つを前記規制位置から移動させ、前記複数の規制部材のうちの少なくとも1つが前記規制位置に配置されていない状態で前記第1保持ユニットを移動させることによって、前記第1保持ユニットにより把持されている前記袋を引渡位置に配置する工程と、
前記引渡位置において、前記第1保持ユニットにより把持されている前記袋を第2保持ユニットにより保持する工程と、を備える袋供給方法。
【請求項2】
前記複数の規制部材は、前記取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第1規制部材及び第2規制部材と、前記取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第3規制部材及び第4規制部材と、を含む請求項1に記載の袋供給方法。
【請求項3】
前記袋は、当該袋の端部に位置する口部を有し、
前記規制位置に配置されている前記第1規制部材は、前記載置面上の前記袋の前記口部に接触し、
前記袋を前記取出エリアから前記引渡位置に向けて移動させる間、前記第1規制部材は前記規制位置に配置されていない請求項2に記載の袋供給方法。
【請求項4】
前記袋は、前記口部とは反対側の端部に位置する底部と、前記口部と前記底部との間に延びる2つの端部に位置する2つの側部と、を有し、
前記第1保持ユニットは、前記口部側から前記袋を把持し、
前記第2保持ユニットは、前記2つの側部の各々の側から前記袋を把持する請求項3に記載の袋供給方法。
【請求項5】
前記第1保持ユニットは、前記取出エリアに配置されている前記袋を前記引渡位置の側から把持し、
前記複数の規制部材のうち、水平方向に関して前記取出エリアと前記引渡位置との間に位置する規制部材は、回転軸によって支持され、当該回転軸を中心に回転して前記規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の袋供給方法。
【請求項6】
ピックアップエリアを有するストック部であって、1枚以上の袋が搬送方向に搬送されて前記ピックアップエリアに配置される、ストック部と、
準備エリア及び取出エリアを含む載置面を有する位置決め部と、
前記ピックアップエリアから1枚の袋を取り出し、取り出された当該袋を前記載置面の前記準備エリアに載せる第1移送機構と、
規制位置に配置された状態で、前記載置面上の前記袋が前記取出エリアに配置される複数の規制部材であって、前記取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第1規制部材及び第2規制部材と、前記取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第3規制部材及び第4規制部材とを含む複数の規制部材と、
第1保持ユニットを有する第2移送機構であって、前記第1保持ユニットは、前記取出エリアに配置されている前記袋を保持して当該袋を前記取出エリアから引渡位置に移動させる、第2移送機構と、を備え、
前記ピックアップエリア及び前記準備エリアは、前記搬送方向と平行に延びる延長軸線上に位置する袋供給装置。
【請求項7】
前記ストック部は、前記搬送方向に沿って並べられ且つ隣り合う袋と少なくとも部分的に重なる複数の袋を、前記ピックアップエリアに向けて搬送するコンベア機構を有する請求項6に記載の袋供給装置。
【請求項8】
前記複数の規制部材のうちの少なくとも1つは、回転軸によって支持され、当該回転軸を中心に回転して前記規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられている請求項6又は7に記載の袋供給装置。
【請求項9】
前記引渡位置において、前記第1保持ユニットにより把持されている前記袋を把持する第2保持ユニットを備える請求項6〜8のいずれか一項に記載の袋供給装置。
【請求項10】
前記袋は、当該袋の端部に位置する口部と、前記口部とは反対側に設けられる端部に位置する底部と、前記口部と前記底部との間に延びる2つの端部に位置する2つの側部と、を有し、
前記第1保持ユニットは、前記袋のうちの前記口部側の端部を把持し、
前記第2保持ユニットは、前記袋のうちの前記2つの側部側の端部を把持する請求項9に記載の袋供給装置。
【請求項11】
前記第1保持ユニットは、前記取出エリアに配置されている前記袋のうち、前記規制位置に配置されている前記第1規制部材と前記搬送方向に関して重ならない箇所を、把持する請求項10に記載の袋供給装置。
【請求項12】
前記取出エリアは、前記延長軸線上に位置する請求項6〜9のいずれか一項に記載の袋供給装置。
【請求項13】
前記取出エリアは、少なくとも部分的に前記準備エリアと共通する請求項6〜10のいずれか一項に記載の袋供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋供給方法及び袋供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装機に袋を所望の姿勢で精度良く供給するため、包装機よりも前段において袋の姿勢を整えた後に、当該袋を吸盤により保持して包装機に供給する装置が知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−359310号公報
【特許文献2】特開2016−3038号公報
【特許文献3】特開平4−6021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の装置では、包装袋の位置決め精度が必ずしも十分ではない。特許文献1の装置では、押送機構のベルトを使って包装袋の2つの縁部のそれぞれを横規制板の内面及び縦規制板の内面に押しつけることで、包装袋の位置決めを行う。したがって包装袋のうちの2つの縁部のみが横規制板及び縦規制板により規制され、他の2つの縁部は規制板によって規制されない。その一方で、特許文献1の押送機構の構造上、包装袋の位置決め後にベルトが動いてしまうことがあり、ベルトの意図していない動きによって、位置決めされた包装袋が所望位置から移動してしまう懸念がある。
【0005】
また吸引保持は必ずしも保持力が強くない。そのため、位置決めされた包装袋を吸盤により保持しつつ移動させる場合、移動中に包装袋の保持箇所(すなわち吸盤によって吸引される箇所)がズレたり、保持が解除されて吸盤から包装袋が脱落したりする懸念もある。
【0006】
また特許文献2の装置では、給袋装置における包装袋の搬送方向と直角を成す方向に、袋配置部は給袋装置に対して位置している。そのため袋配置部を設置するためのスペースを、給袋装置から、包装袋の搬送方向と直角を成す方向に離れた位置に確保する必要がある。また後段に設けられる包装機等の装置は、袋配置部の設置位置に応じたスペースに設けられる。そのため後段の装置も、給袋装置から、包装袋の搬送方向と直角を成す方向に離れた場所に設置することが求められうる。このように特許文献2の装置では、給袋装置における包装袋の搬送方向と直角を成す方向に関し、各種装置を設置するためのスペースを確保する必要があり、装置面積が大きくなる傾向がある。
【0007】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、高精度に姿勢が調整された袋を後段に供給することができる技術を提供する。また本開示は、上流側における袋の搬送方向と直角を成す方向に関する装置の大型化を防ぐのに有効な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、第1移送機構によって、ストック部から1枚の袋を取り出し、取り出された当該袋を位置決め部の載置面に載せる工程と、複数の規制部材が規制位置に配置されている状態で、載置面のうちの取出エリアに袋が配置されるように、載置面上の袋の位置を規制する工程と、複数の規制部材を規制位置に配置しつつ、第2移送機構が有する第1保持ユニットによって、取出エリアに配置されている袋の露出部分を把持する工程と、複数の規制部材のうちの少なくとも1つを規制位置から移動させ、複数の規制部材のうちの少なくとも1つが規制位置に配置されていない状態で第1保持ユニットを移動させることによって、第1保持ユニットにより把持されている袋を引渡位置に配置する工程と、引渡位置において、第1保持ユニットにより把持されている袋を第2保持ユニットにより保持する工程と、を備える袋供給方法に関する。
【0009】
複数の規制部材は、取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第1規制部材及び第2規制部材と、取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第3規制部材及び第4規制部材と、を含んでもよい。
【0010】
袋は、当該袋の端部に位置する口部を有し、規制位置に配置されている第1規制部材は、載置面上の袋の口部に接触し、袋を取出エリアから引渡位置に向けて移動させる間、第1規制部材は規制位置に配置されていなくてもよい。
【0011】
袋は、口部とは反対側の端部に位置する底部と、口部と底部との間に延びる2つの端部に位置する2つの側部と、を有し、第1保持ユニットは、口部側から袋を把持し、第2保持ユニットは、2つの側部の各々の側から袋を把持してもよい。
【0012】
第1保持ユニットは、取出エリアに配置されている袋を引渡位置の側から把持し、複数の規制部材のうち、水平方向に関して取出エリアと引渡位置との間に位置する規制部材は、回転軸によって支持され、当該回転軸を中心に回転して規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられていてもよい。
【0013】
本発明の他の態様は、ピックアップエリアを有するストック部であって、1枚以上の袋が搬送方向に搬送されてピックアップエリアに配置される、ストック部と、準備エリア及び取出エリアを含む載置面を有する位置決め部と、ピックアップエリアから1枚の袋を取り出し、取り出された当該袋を載置面の準備エリアに載せる第1移送機構と、規制位置に配置された状態で、載置面上の袋が取出エリアに配置される複数の規制部材であって、取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第1規制部材及び第2規制部材と、取出エリアを介してお互いに対向する位置に配置されている第3規制部材及び第4規制部材とを含む複数の規制部材と、第1保持ユニットを有する第2移送機構であって、第1保持ユニットは、取出エリアに配置されている袋を保持して当該袋を取出エリアから引渡位置に移動させる、第2移送機構と、を備え、ピックアップエリア及び準備エリアは、搬送方向と平行に延びる延長軸線上に位置する袋供給装置に関する。
【0014】
ストック部は、搬送方向に沿って並べられ且つ隣り合う袋と少なくとも部分的に重なる複数の袋を、ピックアップエリアに向けて搬送するコンベア機構を有してもよい。
【0015】
複数の規制部材のうちの少なくとも1つは、回転軸によって支持され、当該回転軸を中心に回転して規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられていてもよい。
【0016】
引渡位置において、第1保持ユニットにより把持されている袋を把持する第2保持ユニットを備えてもよい。
【0017】
袋は、当該袋の端部に位置する口部と、口部とは反対側に設けられる端部に位置する底部と、口部と底部との間に延びる2つの端部に位置する2つの側部と、を有し、第1保持ユニットは、袋のうちの口部側の端部を把持し、第2保持ユニットは、袋のうちの2つの側部側の端部を把持してもよい。
【0018】
第1保持ユニットは、取出エリアに配置されている袋のうち、規制位置に配置されている第1規制部材と搬送方向に関して重ならない箇所を、把持してもよい。
【0019】
取出エリアは、延長軸線上に位置してもよい。
【0020】
取出エリアは、少なくとも部分的に準備エリアと共通してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、高精度に姿勢が調整された袋を後段に供給することができる。また本開示によれば、上流側における袋の搬送方向と直角を成す方向に関する装置の大型化を有効に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、袋供給装置の概略構成を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す断面線II−IIに沿った袋供給装置の断面を側方から見た図である。
図3図3は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の平面構造を示す。
図4図4は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の断面(図1に示す断面線II−II参照)の側方図である。
図5図5は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の平面構造を示す。
図6図6は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の断面(図1に示す断面線II−II参照)の側方図である。
図7図7は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の平面構造を示す。
図8図8は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の断面(図1に示す断面線II−II参照)の側方図である。
図9図9は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の平面構造を示す。
図10図10は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の断面(図1に示す断面線II−II参照)の側方図である。
図11図11は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置の断面(図1に示す断面線II−II参照)の側方図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0024】
本明細書において、特に断りがない限り、「高さ方向」は重力が作用する鉛直方向と平行な方向を意味し、「水平方向」は高さ方向と直角を成す方向を意味し、「上」及び「下」は高さ方向を基準に定められている。
【0025】
図1は、袋供給装置10の概略構成を示す平面図である。図2は、図1に示す断面線II−IIに沿った袋供給装置10の断面を側方から見た図である。
【0026】
本実施形態の袋供給装置10によれば、ストック部11から1枚ずつ袋Bが取り出され、取り出された袋Bは位置決め部13の載置面32に載せられる。袋Bは載置面32上において複数の規制部材16により位置及び姿勢が矯正され、矯正後の袋Bが第2移送機構14を介して位置決め部13から後段装置15に供給される。
【0027】
各袋Bの形状等の特性及び用途は限定されない。図示の各袋Bは、長方形の平面形状を有するシート状の空袋であり、基本的には各袋の表側壁部(すなわち上側壁部)と裏側壁部(すなわち下側壁部)とが密着した状態で、ストック部11から後段装置15に向かって移送される。各袋Bは、一端部に位置する口部Bm、口部Bmとは反対側の端部に位置する底部Bt、及び口部Bmと底部Btとの間に延びる2つの端部に位置する2つの側部Bsを有する。
【0028】
ストック部11はピックアップエリアRsを有する。ストック部11は、1枚以上の袋BをピックアップエリアRsに向けて搬送方向Dに搬送し、1枚以上の袋BがピックアップエリアRsに配置される。図示のストック部11はコンベア機構20を有する。コンベア機構20は、搬送方向Dに沿って並べられ且つ隣り合う袋Bと少なくとも部分的に重なる複数の袋Bを、ピックアップエリアRsに向けて搬送する。図示の例において、ピックアップエリアRsはストッパー23に隣り合っている。ピックアップエリアRsに配置される袋B(本例では先頭に位置する取出対象袋B1)は、基本的にストッパー23と接触して位置決めされるが、必ずしもストッパー23と接触していなくてもよい。
【0029】
コンベア機構20は、コンベア本体21、搬送ベルト(図示省略)、2つのサイドガイド22及びストッパー23を備える。
【0030】
コンベア本体21は、搬送ベルトが掛け渡される2つの回転ローラ(図示省略)を回転自在に支持する。2つの回転ローラのうちの少なくとも一方は、モーター等の搬送駆動部(図示省略)により回転させられ、搬送駆動部は制御部(図示省略)の制御下で駆動される。搬送ベルトは、無端形状を有し、少なくとも一方の回転ローラの回転に伴って走行し、各回転ローラで反転して搬送方向Dの順方向及び逆方向へ継続的に走行する。搬送ベルトのうち搬送方向Dの順方向に走行する面(すなわち上方に向けられた面)には、複数の袋Bが載せられる。搬送ベルトに載せられている複数の袋Bは、搬送ベルトの走行によって、搬送方向Dに搬送される。搬送ベルト上に複数の袋Bを載せる作業は、作業者によって又は図示しない機械によって行われる。
【0031】
2つのサイドガイド22は、搬送方向Dと直角を成す水平方向に関して搬送ベルトを間に挟むようにお互いに離れた位置で、コンベア本体21上に立設されており、搬送ベルト上の各袋Bの、搬送方向Dと直角を成す水平方向への移動を制限する。ストッパー23は、コンベア本体21のうち、搬送方向Dの順方向へ搬送ベルトを仮想的に延長した領域に含まれるエリアに立設されており、搬送ベルト上の各袋Bの搬送方向Dの順方向への移動を制限する。2つのサイドガイド22及びストッパー23は、基本的には、コンベア本体21及び搬送ベルトに対して固定的に設けられている。ただし必要に応じて、各サイドガイド22及びストッパー23の配置を手動的に調整することは可能であり、各袋Bの形状及びサイズに応じて2つのサイドガイド22及びストッパー23の位置が微調整されてもよい。
【0032】
上述の搬送ベルト、2つのサイドガイド22及びストッパー23が協働することで、袋Bが次々にピックアップエリアRsに取出対象袋B1として配置される。ピックアップエリアRsに配置される取出対象袋B1は、第1移送機構12によって取り出される。
【0033】
ストック部11における袋Bの配置態様は限定されない。ストック部11に収容される複数の袋Bは、図示の例では隣り合う袋と重なりつつ搬送方向Dにずらされているが、搬送方向Dにずらされることなく高さ方向に重ねられていてもよい。またストック部11はコンベア機構20を具備していなくてもよく、ストック部11におけるピックアップエリアRs(例えば所定の規制位置)に、1枚の袋B又は複数の袋B(例えば袋束)が作業者によって又は図示しない装置によって直接的に置かれてもよい。高さ方向に積み重ねられる複数の袋BがピックアップエリアRsに配置される場合、最上位置の袋Bが取出対象袋B1となる。ピックアップエリアRsに設けられる昇降機構(図示省略)に袋束が載せられ、昇降機構によってピックアップエリアRsに配置されている袋Bの高さ方向位置が変えられてもよい。この場合、昇降機構に載せられている袋Bの数にかかわらず、最上位置の袋B(すなわち取出対象袋B1)の高さ方向の位置が実質的に一定となるように、昇降機構が駆動されることが好ましい。
【0034】
第1移送機構12は、ピックアップエリアRsから1枚ずつ袋Bを取り出し(すなわち取出対象袋B1を取り出し)、取り出された当該袋Bを位置決め部13の載置面32のうちの準備エリアRtに載せる。本実施形態の第1移送機構12は、取出吸盤デバイス24と、取出吸盤デバイス24を駆動する移送駆動デバイス(図示省略)と、を有する。
【0035】
取出吸盤デバイス24は、真空吸引によって袋Bを保持することが可能であり、また真空吸引を解除して袋Bをリリースすることが可能である。移送駆動デバイスは、ピックアップエリアRsに配置されている取出対象袋B1を取出吸盤デバイス24によって取り出すための位置と、取出吸盤デバイス24からリリースされる取出対象袋B1を載置面32(特に準備エリアRt)に載せるための位置との間を、取出吸盤デバイス24が往復移動するように、取出吸盤デバイス24を駆動する。移動駆動デバイスは、図示しない制御部によって制御されてもよい。
【0036】
位置決め部13は載置面32を有する。載置面32には、第1移送機構12により供給される袋Bが載せられる。
【0037】
本実施形態の載置面32は、固定板として設けられているベースプレート31の上面により構成されている。ベースプレート31は切欠部31aを有する。載置面32(特に後述の取出エリア)に配置されている袋Bの一部は、切欠部31aにおいて外部に露出される。すなわち載置面32上の袋Bのうち、第2移送機構14によって把持される予定の部分の表側壁部及び裏側壁部が外部に露出するような位置に、切欠部31aが設けられている。これにより第2移送機構14は、袋Bの露出部分を的確に把持することができる。
【0038】
ベースプレート31は、上面側において退避凹部33を有する。退避凹部33には、第1規制部材16aが配置されている。退避位置に配置される第1規制部材16aは、全体が退避凹部33に配置され、ベースプレート31よりも上方には突出せず、載置面32上の袋Bの位置を制限しない。一方、規制位置に配置される第1規制部材16aは、少なくとも一部がベースプレート31よりも上方に突出し、載置面32上の袋Bの位置を制限する。退避凹部33は、退避位置と規制位置との間を移動する第1規制部材16aの動作(本例では回転軸34を中心とした旋回動作)を阻害しないよう形状及び大きさを有する。
【0039】
載置面32は、準備エリアRt(後述の図5参照) 及び取出エリアRv(後述の図7参照)を含む。準備エリアRt及び取出エリアRvは、複数の規制部材16のうちの少なくとも一部によって区画されており、複数の規制部材16の各々は、準備エリアRtを区画するための位置と取出エリアRvを区画するための位置とに配置可能に設けられている。準備エリアRtは、比較的広い載置面積を有し、第1移送機構12からリリースされた袋Bが置かれる可能性のある領域である。取出エリアRvは、比較的狭い載置面積を有し、複数の規制部材16によって規制されて位置決めされた袋Bが配置される領域であり、袋Bの平面形状に応じて定められている。袋Bを厳密に位置決めする場合、取出エリアRvの面積及び形状は、各袋Bの面積及び形状(特に平面形状の外形)に完全に一致又はほぼ一致していてもよい。
【0040】
本実施形態において、ピックアップエリアRs及び準備エリアRtは、搬送方向Dと平行に延びる共通の軸線(すなわち延長軸線A(図1参照))上に位置する。本実施形態の取出エリアRvは、少なくとも部分的に準備エリアRtと共通している。図示の取出エリアRvは、全体が準備エリアRtの一部によって構成されている。取出エリアRvは、ピックアップエリアRs及び準備エリアRtとともに共通の軸線(すなわち延長軸線A)上に位置する。
【0041】
複数の規制部材16は、部材移動部(図示省略)によって移動され、規制位置と退避位置とに配置可能に設けられている。複数の規制部材16は、規制位置に配置されている状態で、載置面32上の袋Bが取出エリアRvに配置されるように載置面32上の袋Bの位置を制限する(図7参照)。すなわち取出エリアRvは、載置面32のうち、規制位置に配置される複数の規制部材16によって区画される領域に対応する。一方、準備エリアRtは、載置面32のうち、1以上の規制部材16が退避位置に配置されている状態で、複数の規制部材16によって区画される領域に対応する(図5参照)。
【0042】
本実施形態の複数の規制部材16は、第1規制部材16a、第2規制部材16b、第3規制部材16c及び第4規制部材16dを含む。第1規制部材16a及び第2規制部材16bは、取出エリアRvを介し、搬送方向Dと平行な水平方向に関してお互いに対向する位置に配置されている。第3規制部材16c及び第4規制部材16dは、取出エリアRvを介し、搬送方向Dと直角を成す水平方向に関してお互いに対向する位置に配置されている。規制位置に配置されている第1規制部材16aは、載置面32上の袋Bの口部Bmに接触することによって、搬送方向Dの順方向への当該袋Bの移動を制限する(図7及び図8参照)。規制位置に配置されている第2規制部材16bは、載置面32上の袋Bの底部Btに接触することによって、搬送方向Dの逆方向への当該袋Bの移動を制限する(図7及び図8参照)。規制位置に配置されている第3規制部材16c及び第4規制部材16dは、載置面32上の袋Bの対応の側部Bsに接触することによって、搬送方向Dと直角を成す水平方向への当該袋Bの移動を制限する(図7及び図8参照)。
【0043】
複数の規制部材16の各々の移動態様は限定されない。典型的には、各規制部材16は、規制位置と退避位置との間で水平方向に移動させられることができるが、他の方向(例えば高さ方向(例えば鉛直方向))に移動させられてもよい。また複数の規制部材16のうちの少なくとも1つは、回転軸によって支持され、当該回転軸を中心に回転して規制位置と退避位置との間で旋回移動可能に設けられてもよい。規制部材16を規制位置と退避位置との間で水平方向に移動させる場合、規制部材16は、規制位置及び退避位置のいずれにおいても、載置面32上の領域を区画する部材として機能することができる。規制部材16を規制位置と退避位置との間で高さ方向に移動させる場合、載置面32上の袋Bの移動が、退避位置に配置される規制部材16によって阻害されないようにすることができる。規制部材16を規制位置と退避位置との間で旋回移動させる場合、規制部材16は、載置面32上の袋Bに摩擦力等の不要な力を加えることなく、規制位置及び退避位置の各々に移動することができる。
【0044】
図示の例では、第1規制部材16aは、回転軸34により支持されており、当該回転軸34の回転によって当該回転軸34を中心に回転することで、規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられている。回転軸34は、ベースプレート31によって回転可能に支持されており、退避凹部33の内側に位置する。回転軸34は、対応の部材移動部(例えばサーボモータ)によって回転させられる。このように、複数の規制部材16のうち、水平方向に関して取出エリアRvと引渡位置Pdとの間に位置する規制部材(図示の例では第1規制部材16a)は、回転軸34によって支持され、当該回転軸34を中心に回転して規制位置Prと退避位置Ptとの間で移動可能に設けられている。一方、第2規制部材16b、第3規制部材16c及び第4規制部材16dの各々は、対応の部材移動部によって、規制位置と退避位置との間で水平方向に移動させられる。具体的には、第2規制部材16bは搬送方向Dと平行な水平方向に移動可能に設けられており、第3規制部材16c及び第4規制部材16dの各々は搬送方向Dと直角を成す水平方向に移動可能に設けられている。
【0045】
第2移送機構14は、第1保持ユニット41と、第1保持ユニット41を移動させるユニット移動機構(図示省略)とを有する。ユニット移動機構は、任意の移動機構によって構成可能であり、例えば特開平4−6021により開示される装置構成がユニット移動機構に応用されてもよい。第1保持ユニット41は、載置面32(特に取出エリアRv)上の袋Bを保持するための位置と、保持している袋Bを引渡位置Pdに配置するための位置との間で、往復移動させられる。
【0046】
第1保持ユニット41は、載置面32に配置されている袋Bを保持し、自らの移動に応じて当該袋Bを取出エリアRvから引渡位置Pdに移動させる。図示の第1保持ユニット41は、袋Bを把持するチャック構造を有する。また本実施形態の第1保持ユニット41は、複数の規制部材16が規制位置に配置されている状態で、載置面32上の袋Bを保持する。特に図示の第1保持ユニット41は、袋Bのうちの口部Bm側の端部を把持する。このようにして第1保持ユニット41は、複数の規制部材16によって位置が制限されている袋Bの所望領域(すなわち把持領域)を精度良く把持し、意図しない保持位置ズレを防ぎつつ袋Bの確実な保持を継続することができる。
【0047】
図示の第1保持ユニット41は、水平方向にお互いに向かい合った位置に配置される可動チャック部41a及び固定チャック部41bを具備する。可動チャック部41aは、固定チャック部41bに対する相対位置を能動的に変えることができるように、移動可能に設けられている。すなわち可動チャック部41aは、図示しない移動駆動部によって移動される。この移動駆動部は制御部(図示省略)により制御されてもよい。一方、固定チャック部41bは、可動チャック部41aに対する相対位置を能動的に変えることはない。したがって第2保持ユニット42による袋Bの把持及びリリースは、可動チャック部41aを能動的に移動させて可動チャック部41aと固定チャック部41bとの間の距離を変えることにより、行われる。
【0048】
第1保持ユニット41は、第1規制部材16aと衝突しないような形状を有する。図示の例では、規制位置に配置される第1規制部材16aは、載置面32(特に取出エリアRv)上の袋Bの口部Bm側端部のうちの、搬送方向Dと直角を成す水平方向に関する中央部分に向かい合う。可動チャック部41a及び固定チャック部41bの各々は、規制位置に配置される第1規制部材16aとの衝突を回避するため、屈曲した平面形状を有し、袋Bのうちの2つの隅部(すなわち口部Bm側端部と両側部Bs側端部との間の2つの隅部)を把持するように設けられている。このように第1保持ユニット41は、取出エリアRvに配置されている袋Bのうち、規制位置に配置されている第1規制部材16aと搬送方向Dに関して重ならない箇所を把持する。
【0049】
袋Bを的確に保持する観点から、第1保持ユニット41は、袋Bを表側壁部及び裏側壁部の両方向から挟むことが好ましい。ただし第1保持ユニット41の保持態様は把持には限定されず、第1保持ユニット41は他の保持形態を採用してもよい。例えば真空吸引に基づいて、第1保持ユニット41は袋Bを保持及びリリースしてもよい。
【0050】
後段装置15は第2保持ユニット42を備える。第2保持ユニット42は、第1保持ユニット41により保持されて引渡位置Pdに配置されている袋Bを、保持することができる。本実施形態の第2保持ユニット42は、搬送方向Dと直角を成す水平方向にお互いに離間して設けられる2つのグリッパーによって構成されている。第2保持ユニット42を構成する2つのグリッパーは、引渡位置Pdに配置されている袋Bのうちの2つの側部Bs側の端部を把持することができる。第2保持ユニット42の移動、保持動作及びリリース動作は、図示しないユニット駆動機構によって行われる。このユニット移動機構は、図示しない制御部によって制御されてもよい。
【0051】
後段装置15の具体的な構成及び用途は限定されない。典型的には、後段装置15は、袋Bに内容物を入れる処理及び内容物が入れられた袋Bの口部Bmをシールする処理を行うことができる。上述のように位置決め部13において高精度に位置決めされた袋Bが、第2移送機構14を介して後段装置15に供給されるので、後段装置15は、位置及び姿勢が高精度に調整された袋Bを使って各種処理を行うことができる。これにより後段装置15は、袋Bに対する各種処理を精度良く行うことができる。
【0052】
次に、上述の袋供給装置10によって行われる袋供給方法の一例について説明する。以下に説明する袋供給方法は、袋供給装置10を構成する各種機器が協働することで行われ、各種機器の作動は必要に応じて制御部(図示省略)により制御される。
【0053】
図3図5図7及び図9は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置10の平面構造を示す。図4図6図8図10及び図11は、袋供給方法を説明するための図であって、袋供給装置10の断面(図1に示す断面線II−II参照)の側方図である。
【0054】
[空袋取り出し工程]
第1移送機構12によって、ストック部11から1枚の袋Bが取り出され、取り出された当該袋Bが位置決め部13の載置面32に載せられる(図3図6参照)。本実施形態では、ピックアップエリアRsに配置されている袋B(すなわち取出対象袋B1)が取出吸盤デバイス24によって保持され、当該袋Bが取出吸盤デバイス24とともに移動される。
【0055】
図3及び図4に示すように、袋Bを載置面32に載せるのに先立って、複数の規制部材16は、載置面32において準備エリアRtを区画する。本例では、第1規制部材16aが規制位置Prに配置され、第2規制部材16b、第3規制部材16c及び第4規制部材16dの各々が退避位置Ptに配置されることによって、準備エリアRtは区画される。一方、取出吸盤デバイス24は、ピックアップエリアRsに配置されている袋B(すなわち取出対象袋B1)を保持するための位置に配置される。取出対象袋B1は、2つのサイドガイド22及びストッパー23によって精度良くピックアップエリアRsに配置されている。そのため、取出吸盤デバイス24は、袋B(すなわち取出対象袋B1)の保持予定位置を精度良く保持することができ、また位置決め部13において袋Bの位置及び姿勢を補正する程度を小さくすることができる。
【0056】
そして図5及び図6に示すように、袋Bを保持している取出吸盤デバイス24を移動させることによって、取出吸盤デバイス24が保持する袋BをピックアップエリアRsから載置面32(特に準備エリアRt)の上方に移動させる。移動途中の取出吸盤デバイス24及び袋Bが、図6において2点鎖線により表されている。そして取出吸盤デバイス24は、載置面32(特に準備エリアRt)の上方において袋Bをリリースし、当該Bを載置面32(特に準備エリアRt)上に載せる。
【0057】
なお取出吸盤デバイス24によって袋BがピックアップエリアRsから移動させられた後、搬送ベルト上の別の袋B(すなわち先頭の袋B)が新たな取出対象袋B1としてピックアップエリアRsに配置されるように(図7参照)、コンベア機構20が駆動される。
【0058】
[空袋位置決め工程]
そして、第1規制部材16aが規制位置Prに配置されている状態を維持しつつ、他の規制部材16(すなわち第2規制部材16b、第3規制部材16c及び第4規制部材16d)は退避位置Ptから移動させられて規制位置Prに配置される。その結果、図7及び図8に示すように、複数の規制部材16によって載置面32上の袋Bの位置が規制され、複数の規制部材16が規制位置Prに配置されている状態で、載置面32のうちの取出エリアRvに袋Bが配置される。
【0059】
この場合、規制位置Prに配置されている第1規制部材16a、第2規制部材16b、第3規制部材16c及び第4規制部材16dのうちの少なくとも2以上が、載置面32上の袋Bに接触していることが好ましい。例えば、規制位置Prに配置されている第1規制部材16aが、載置面32上の袋Bの口部Bm側の端部に接触することで、袋Bの口部Bm側の端部の位置を厳密に調整することができる。
【0060】
取出エリアRvに配置されている袋Bと複数の規制部材16の各々とは、お互いに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。取出エリアRvに配置されている袋Bを各規制部材16に接触させることによって、当該袋Bの位置を厳密に調整することができる。取出エリアRvに配置されている袋Bが接触している規制部材16の数が多くなるほど、当該袋Bの位置調整をより厳密に行うことができる。例えば、取出エリアRvに配置されている袋Bが全ての規制部材16と接触する場合、当該袋Bを特定位置に確実に配置することができる。また取出エリアRvに配置されている袋Bを、搬送方向Dへの袋Bの移動を規制する規制部材16(本例では第1規制部材16a及び第2規制部材16b)のうちの少なくとも1つに接触させ、且つ、搬送方向Dと直角を成す水平方向への袋Bの移動を規制する規制部材16(本例では第3規制部材16c及び第4規制部材16d)のうちの少なくとも1つに接触させることによっても、当該袋Bを特定位置に確実に配置することができる。
【0061】
[空袋挟持工程]
そして複数の規制部材16を規制位置Prに配置しつつ、第2移送機構14が有する第1保持ユニット41によって、取出エリアRvに配置されている袋Bの露出部分が把持される(図9及び図10参照)。図示の第1保持ユニット41は、取出エリアRvに配置されている袋Bを、引渡位置Pdの側から(すなわち口部Bm側から)把持する。
【0062】
具体的には、第1保持ユニット41の把持部材(すなわち可動チャック部41a及び固定チャック部41b)が開状態に保たれつつ、当該把持部材が所定の受け取り位置まで移動させられる。これにより、取出エリアRvに配置されている袋B(特に露出部分)が、可動チャック部41aと固定チャック部41bとの間に配置される。図示の例では、取出エリアRvに配置されている袋Bよりも上方に固定チャック部41bが配置され、当該袋Bよりも下方に可動チャック部41aが配置され、固定チャック部41bが袋Bの表側壁部に接触し、可動チャック部41aが袋Bと接触していない。
【0063】
そして、少なくとも1つの規制部材16が規制位置Prに配置されている状態で(本実施形態では全ての規制部材16が規制位置Prに配置されている状態で)、取出エリアRvに配置されている袋Bが第1保持ユニット41の把持部材によって保持される。具体的には、可動チャック部41aが固定チャック部41bに近づくように移動させられて、取出エリアRvに配置されている袋B(特に露出部分)が可動チャック部41a及び固定チャック部41bによって把持される。
【0064】
[位置決め解放工程及び空袋供給工程]
そして、複数の規制部材16のうちの少なくとも1つが規制位置Prから移動させられる。そして、複数の規制部材16のうちの少なくとも1つが規制位置Prに配置されていない状態で第1保持ユニット41が移動させられて、第1保持ユニット41により把持されている袋Bが引渡位置Pdに配置される。この際、複数の規制部材16のうち、水平方向に関して取出エリアRvと引渡位置Pdとの間に位置する規制部材(図示の例では第1規制部材16a)が規制位置Prに配置されていない状態で、袋Bを取出エリアRvから引渡位置Pdに向けて移動させることが好ましい。この場合、取出エリアRvから引渡位置Pdへの袋Bの移送距離を短くすることができ、また移送中に袋Bが規制部材16によって乱されるのを防ぐことができる。
【0065】
図示の例では、載置面32上の袋Bが第1保持ユニット41によって保持された後に、全ての規制部材16が規制位置Prから退避位置Ptに移動させられる。その後、第2移送機構14によって袋Bが引渡位置Pdに向けて移動させられる(図9図11参照)。図11において、移動途中の第1保持ユニット41が二点鎖線で示されている。
【0066】
袋Bの取出エリアRvから引渡位置Pdへの移動の開始タイミングは限定されない。本実施形態のように、全ての規制部材16の退避位置Ptへの移動が完了した後に、第2移送機構14によって袋Bが取出エリアRvから移動させられてもよい。また少なくとも1つの規制部材16の退避位置Ptへの移動が完了する前に、第2移送機構14によって袋Bが取出エリアRvから移動させられてもよい。また少なくとも1つの規制部材16が規制位置Prに配置されている状態で、第2移送機構14によって袋Bが取出エリアRvから移動させられてもよい。図示の例において、第3規制部材16c及び第4規制部材16dが規制位置Prに配置されている状態で袋Bが取出エリアRvから移動させられる場合、第3規制部材16c及び第4規制部材16dは袋Bの移動を案内するガイド部材として機能しうる。
【0067】
[空袋受け渡し工程]
そして引渡位置Pdにおいて、第1保持ユニット41により把持されている袋Bが第2保持ユニット42により保持(把持)される(図11参照)。この際、第2保持ユニット42は、口部Bm側から袋Bを把持する第1保持ユニット41と衝突しないように、2つの側部Bsの各々の側から袋Bを把持する。
【0068】
そして引渡位置Pdに位置する袋Bの両側部Bsが第2保持ユニット42(すなわち左右のグリッパー)により把持されている状態で、第1保持ユニット41は袋Bの保持を解除する。これにより、第1保持ユニット41から第2保持ユニット42に袋Bが受け渡される。
【0069】
第2保持ユニット42に受け渡された袋Bは、後段装置15において各種の処理を受ける。
【0070】
以上説明したように本実施形態の袋供給装置10及び袋供給方法によれば、高精度に位置及び姿勢が矯正された袋Bを後段に供給することができる。すなわち各袋Bは、位置決め部13において位置及び姿勢が矯正された後に、第2移送機構14によって的確に把持される。そのため、所望姿勢の袋Bを安定的に保持及び移動させることができ、袋Bを高速に移動させても袋Bの姿勢は崩れにくい。したがって、矯正後の袋Bの姿勢を補正する必要がなくなり、そのような補正を行うための装置を設置しなくてもよい。
【0071】
また本実施形態の袋供給装置10によれば、ストック部11(特にピックアップエリアRs)及び位置決め部13(特に準備エリアRt及び取出エリアRv)が共通の延長軸線A上に配置される。そのため搬送方向Dと直角を成す水平方向に関する装置の大型化を有効に防ぐことができる。
【0072】
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また、上述の構成要素及び/又は方法以外の構成要素及び/又は方法を含む形態も、本発明の実施形態に含まれる。また、上述の構成要素及び/又は方法のうちの一部の要素が含まれない形態も、本発明の実施形態に含まれる。また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 袋供給装置
11 ストック部
12 第1移送機構
13 位置決め部
14 第2移送機構
15 後段装置
16 規制部材
16a 第1規制部材
16b 第2規制部材
16c 第3規制部材
16d 第4規制部材
20 コンベア機構
21 コンベア本体
22 サイドガイド
23 ストッパー
24 取出吸盤デバイス
31 ベースプレート
31a 切欠部
32 載置面
33 退避凹部
34 回転軸
41 第1保持ユニット
41a 可動チャック部
41b 固定チャック部
42 第2保持ユニット
A 延長軸線
B 袋
B1 取出対象袋
Bm 口部
Bs 側部
Bt 底部
D 搬送方向
Pd 引渡位置
Pr 規制位置
Pt 退避位置
Rs ピックアップエリア
Rt 準備エリア
Rv 取出エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11