【解決手段】銀イオン水生成噴射装置1における噴射容器10は、開口を有し液体を貯留するタンクTと、タンクTの内部に設けられ板状に形成された板形状部353a、および板形状部353aの辺の一部分からタンクTの外部に突出しタンクTと固定された脚部353aを有する一対の電極板353と、電極板353を保護する保護部(電極板支持体354、接続部341、封止部B等)とを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施の形態1:銀イオン水生成噴射装置の基本構造〕
図1は、本発明の一実施形態である銀イオン水生成噴射装置(容器セット、金属イオン水生成装置)1の外観を示す分解斜視図である。本実施の形態1では、銀イオン水生成噴射装置1の基本構造について説明する。
図1に示すように、銀イオン水生成噴射装置1は、噴射容器(容器、金属イオン水生成容器)10と、噴射容器10を載置する台座(ホルダ)20とにより構成されている。噴射容器10は、ノズルヘッド11を有する容器であり、容器内で生成して貯留する銀イオン水をノズルヘッド11から噴射することができる。尚、ここでは、生成する金属イオンとして銀イオンを例示しているが、抗菌作用のある金属イオンを生成できるものであれば特に限定されるものではなく、銀以外にも、銅または亜鉛等が利用可能である。
【0010】
噴射容器10は、容器内に水を貯留したときに水に接触する(水に浸かる)位置に銀電極部(電極部)351(
図8参照)を有している。噴射容器10は、台座20に載置したときに、台座20に備えられた給電部から噴射容器10の銀電極部351に給電が行えるようになっている。すなわち、噴射容器10を台座20に載置して銀電極部351に給電し、電極間に通電することで、銀電極部351から銀イオンが水中に溶出し、噴射容器10内で銀イオン水が生成される。噴射容器10内で銀イオン水が生成されると、ユーザは、噴射容器10のみを手に取って、噴射容器10から銀イオン水を噴射することができる。
図1に示す銀イオン水生成噴射装置1では、台座20に噴射容器10を載置した状態で台座20に設けられた操作ボタン(操作部)21を押圧することで、銀電極部351に給電を開始(銀イオン水を生成開始)することができるものとする。
【0011】
本実施の形態1に係る銀イオン水生成噴射装置1は、銀電極部351の電極間に通電することで銀イオンを生成するものであるため、短時間で高濃度の銀イオン水を生成することも容易である。
【0012】
また、給電部は、噴射容器10自体に備えられるものではなく、台座20に備えられている。これによって、噴射容器10の軽量化や、ユーザが銀イオン水の噴射を行うときの安全性向上(感電防止)等を図ることができる。また、使用時に噴射容器10を誤って水没させたときに、給電回路が損傷することもない。さらには、噴射容器10の日常使用によって消耗するノズルヘッド11や銀電極部351を一体的に交換して使用することも可能となる。
【0013】
台座20の電源としては、外部電源(商用電源)または内部電源(電池)の何れが使用されるものであってもよいが、外部電源(商用電源)の使用がより好ましい。台座20の電源に外部電源を使用した場合には、水漏れ等に起因する電池のショートによる爆発等を回避することができる。また、外部電源を使用することで電源電圧を一定にできるため、電圧変動等による誤作動も回避することができる。
【0014】
台座20から噴射容器10の給電については、接点給電方式または無接点給電方式の何れが使用されるものであってもよいが、コストおよび効率の観点から接点給電方式を用いることが好ましい。これは、銀イオン水生成噴射装置1の通常使用において、台座20や噴射容器10の外側に多量の水が掛かることはなく、防水性の高い無接点給電方式の採用の必要性は低いと考えられるためである。
【0015】
但し、噴射容器10から少量の水が落ちて台座20に掛かることは想定されるため、特に接点給電方式を使用する場合は、これに対する対策は講じておくことが好ましい。例えば、噴射容器10を台座20に載置したとき、
図2に示すように、上方から見てノズルヘッド11の先端が台座20の外周よりも外側となるようにすることが好ましい。このとき、噴射容器10が台座20に対してどのような向きで載置されていても、ノズルヘッド11の先端が台座20の外周よりも外側にあるものとする。これにより、ノズルヘッド11の先端に付着していた銀イオン水が滴下したとしても、滴下した銀イオン水が台座20に掛かることを防止できる。
【0016】
〔実施の形態2:噴射容器と台座との接点構造〕
本実施の形態2では、銀イオン水生成噴射装置1における噴射容器10と台座20との接点構造について説明する。ここでは、台座20から噴射容器10の給電に関し、接点給電方式が用いられることを前提とする。
【0017】
図3は、噴射容器10の底面に形成された容器側接点部12を示す図であり、(a)は噴射容器10の底面図、(b)は噴射容器10の底部付近を斜め下から見た拡大斜視図である。
図4は、台座20の上面に形成された台座側接点部(保持部)22を示す図であり、(a)は台座20の平面図、(b)は台座20を斜め上から見た斜視図である。
【0018】
図3および
図4に示すように、噴射容器10の容器側接点部12は、噴射容器10の底面において凹状に形成されており、台座20の台座側接点部22は、台座20の上面において凸状に形成されている。これにより、噴射容器10を台座20の上に載置したときには、容器側接点部12と台座側接点部22との凹凸が嵌合して噴射容器10を台座20上で位置決めすることができる。このように噴射容器10を台座20上で位置決めすることで、容器側接点部12と台座側接点部22との間での接点接触を確実なものとすることができる(確実に給電が行える)。
【0019】
容器側接点部12には、外周縁に沿って複数の切欠き121が等角度間隔で形成されている。また、台座側接点部22には、外周縁に沿って複数の突起221が形成されている。噴射容器10を台座20の上に載置したときには、切欠き121と突起221とが互いに嵌合することで、噴射容器10が台座20上で回動することが防止される。これにより、容器側接点部12と台座側接点部22との間で接点同士の擦れを防止することができる。
【0020】
噴射容器10の容器側接点部12は、
図3に示すように、その中央に頂面が平面である円状台部122を有しており、円状台部122の周囲に(切欠き121の内側に)円環状平面部123を有している。円状台部122と円環状平面部123とは同心円状に配置されており、かつ、円状台部122の頂面と円環状平面部123とは互いの高さが異なるものとなっている。噴射容器10を台座20の上に載置したときには、円状台部122の頂面が円環状平面部123よりも低い位置となる。
【0021】
円状台部122の頂面には少なくとも一つの第1接点124(
図3では二つ)が設けられており、円環状平面部123には少なくとも一つの第2接点125が設けられている(
図3では二つ)。このとき、第1接点124および第2接点125の何れか一方が正極側の接点、他方が負極側の接点となる。
図3に示す例において、第1接点124および第2接点125には、適切な接触圧力が得られるように板バネ接点が用いられている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1接点124および第2接点125にはスプリングプローブを用いることもできる。なお、この発明の容器の外部に露出する接点は、第1接点124または第2接点125と対応している。
【0022】
台座20の台座側接点部22は、
図4に示すように、中央が窪んだ円環状台部222を有しており、円環状台部222の中央底面に第3接点223を有しており、円環状台部222の頂面に第4接点224を有している。第3接点223は略円状の平面電極として形成されており、第4接点224は略円環状の平面電極として形成されている。第3接点223と第4接点224とは同心円状に配置されており、かつ、第3接点223と第4接点224とは互いの高さが異なるものとなっている。すなわち、第3接点223が第4接点224よりも低い位置となっている。
【0023】
噴射容器10を台座20の上に載置したときには、第3接点223が円状台部122の頂面と対向し、第1接点124と第3接点223との間で接点接触が生じる(導通が得られる)ようになっている。同様に、噴射容器10を台座20の上に載置したときには、第4接点224が円環状平面部123と対向し、第2接点125と第4接点224との間で接点接触が生じる(導通が得られる)ようになっている。
【0024】
本実施の形態2に係る噴射容器10と台座20との接点構造では、円状台部122および円環状平面部123が同心円状に配置され、かつ、第3接点223および第4接点224が同心円状に配置された平面電極となっている。このため、台座20上で噴射容器10をどのような向きに回動させても、容器側接点部12と台座側接点部22との間で接点接触が得られるようになっている。
【0025】
但し、上述の第1〜第4接点124,125,223,224は、通常、接点の摩耗や腐食を防ぐためのメッキが施されている。そして、台座20上に載置された状態で噴射容器10を回動させると、接点同士が擦れてメッキが剥がれ易くなる。本実施の形態2に係る銀イオン水生成噴射装置1では、上述したように、容器側接点部12に形成された切欠き121と台座側接点部22に形成された突起221とが互いに嵌合することで、噴射容器10が台座20上で回動することが防止でき、接点のメッキ剥がれを防止することができる。
【0026】
尚、
図3に示す例において切欠き121の数は12個であり、
図4に示す例において突起221の数は4個である。このように、切欠き121の数と突起221の数とは同数である必要はなく、(突起221の数)≦(切欠き121の数)であればよい。
【0027】
また、切欠き121は容器側接点部12の外周縁に沿って等角度間隔で形成されている。一方、突起221は、その数を切欠き121の数の約数として等角度間隔の配置とすることが好ましいが、突起221は必ずしも等角度間隔の配置でなくてもよい。但し、隣り合う二つの切欠き121の角度間隔をα(
図4の例では、30°(=360°/12))とするとき、隣り合う二つの突起221の角度間隔βは角度間隔αの整数倍とされる。
【0028】
このように、切欠き121と突起221との嵌合によって噴射容器10の台座20上での回動を防止する場合、台座20に載置される噴射容器10の向きは、切欠き121の数をnとする場合、360°/nの角度間隔で回動自在となる。これにより、ユーザが噴射容器10を台座20上に載せるときに、噴射容器10の向きを特定方向に合わせる必要がなく利便性が向上する。
【0029】
台座側接点部22においては、第3接点223と第4接点224とは互いの高さが異なっており、これらの間には段差が生じている。この段差により、台座側接点部22に水滴(特に銀イオン水の水滴)が落ちた場合に、接点間の短絡を防止することができる。すなわち、第3接点223と第4接点224とが同じ平面上で段差なく形成されている場合、台座側接点部22に落ちた水滴が第3接点223および第4接点224の両方に触れ、この水滴によって接点間の短絡が生じる恐れがある。これに対して、第3接点223と第4接点224との間に段差がある場合、台座側接点部22に水滴が落ちたとしても、段差によって水滴が途切れ、水滴による接点間の短絡を防止することができる。
【0030】
また、第3接点223と第4接点224との高さが異なっていることにより、誤ってユーザの指等が台座側接点部22に触れたとしても、第3接点223および第4接点224の両方に同時に触れることはなく、感電を防止することができる。
【0031】
さらに、台座側接点部22において、第3接点223が設けられる円環状台部222の中央底面には水抜き孔225(
図4(a)および
図5参照)が設けられていることが好ましい。水抜き孔225は、台座側接点部22上の水を台座20の下に逃がすことで、円環状台部222の中央底面に水が溜まることを防止するものであり、例えば、円環状台部222の中央底面(窪み)から台座20の底面まで貫通するような貫通孔として形成することが好ましい。無論、水抜き孔225は、台座20内の回路基板等に影響を与えない経路で水抜きを行うものである。
【0032】
本実施の形態2に係る接点構造では、噴射容器10が台座20の上に載置され、容器側接点部12と台座側接点部22とが嵌合したときに、第1接点124と第3接点223とが接触して導通し、かつ、第2接点125と第4接点224とが接触して導通する。そして、容器側接点部12と台座側接点部22とが完全に嵌合する直前までは、接点同士が接触しない構造であることが好ましい。すなわち、噴射容器10が台座20の上に完全に載置されたときのみ、接点接触が生じるようにすることが好ましい。
【0033】
図6は、噴射容器10を台座20の上に載置するときに、容器側接点部12と台座側接点部22とが完全に嵌合する直前の様子を示す断面図である。この状態において、噴射容器10は、図中の点Aおよび点Bにて台座20に接触しているが、第1接点124であるバネ接点は第3接点223に接触していない。また、
図6には表れていないが、このとき、第2接点125であるバネ接点も第4接点224に接触していない。このような構造により、例えば、噴射容器10が空の状態で台座20に載せられて、噴射容器10が台座20に完全に載っておらず僅かに浮いた状態となっている場合に、接点間で中途半端な導通が生じることを防止できる。
【0034】
尚、台座20に近接センサ(図示せず)を設け、噴射容器10が台座20に完全に載っているか否かを検知するようにしてもよい。すなわち、噴射容器10が台座20に完全に載っておらず浮いた状態となっている場合に、このような状態を近接センサで検知するようにしてもよい。
【0035】
また、上記説明では、容器側接点部12の切欠き121と台座側接点部22の突起221とによって、噴射容器10が台座20上で回動することを防止する構造を例示した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、
図7に示すように、噴射容器10の底部外周に少なくとも二つの切欠き126を設け、台座20の上面に少なくとも二つの突起226を設け、切欠き126および突起226によって噴射容器10の回動を防止する構造であってもよい。すなわち、台座20に設けられた突起226を噴射容器10に設けられた切欠き126に対向させ、突起226が噴射容器10の底部を挟み込むようにすることで噴射容器10の回動を防止することができる。
【0036】
尚、
図7に示す構成では切欠き126の数は2個であり、この場合、噴射容器10は台座20上で互いに180°異なる2通りの向きで載置することが可能である。但し、切欠き126の数は2個に限定されるものではなく、切欠き126の数を増やせば噴射容器10の載置時の向きを増やすことができる。例えば、噴射容器10の底部外周に4つの切欠き126を等間隔で設ければ、噴射容器10は台座20上で90°間隔の4通りの向きで載置することが可能となる。
【0037】
〔実施の形態3:噴射容器内部の電極構造〕
本実施の形態3では、噴射容器10内部の電極構造について説明する。
図8は、噴射容器10内の構造を示す縦断面図である。
【0038】
図8に示すように、噴射容器10は、その外観を構成する外部部材としてスプレーノズル部(蓋、噴射部)30、結合キャップ部31、肩カバー部32、胴カバー部33および底カバー部34を有している。さらに、噴射容器10は、内部部材として電極保持台35およびチューブ36を有している。
【0039】
噴射容器10では、肩カバー部32、胴カバー部33および底カバー部34によって水を貯留するタンク(貯留部)Tの外観が構成され、タンクT内の底部には、電極保持台35に設けられた銀電極部351が配置される。タンクTに貯留した水に銀電極部351から銀イオンを溶出させることで銀イオン水を生成でき、生成された銀イオン水はチューブ36で吸い上げて、スプレーノズル部30のノズルヘッド11から噴射することができる。タンクTは、開口を有しており、開口から注がれた水等の液体を貯留するものである。
【0040】
図8に示すように、電極保持台35は、底カバー部34の上面側にビス等によって取り付けられ固定される。噴射容器10における銀電極部351は、電極保持台35に設けられる。詳しくは後述するが、電極保持台35を底カバー部34とは別部材とすることにより、銀電極部351と第1接点124および第2接点125とを電気接続させての組み立てが容易となる。
【0041】
図9は、電極保持台35を示す図であり、(a)は電極保持台35の平面図、(b)は電極保持台35を斜め上から見た斜視図、(c)は電極保持台35における電極板353の配置を示す模式平面図である。
【0042】
図9に示すように、電極保持台35は、底カバー部34への取付けのためのフランジ部352と、フランジ部352の上面側に配置される銀電極部351とから構成されている。フランジ部352には、電極保持台35を底カバー部34にビス止めするためのビス孔が複数(
図9では4箇所)設けられている。銀電極部351は、一対の電極板353と、それぞれの電極板353を外側から支持する一対の電極板支持体(電極保護部)354とを有している。電極板支持体354は、電極板353と当接して電極板353を保護するものである。電極板支持体354は、この発明の保護部に相当するものである。電極板353は、一対の電極板353が対向する対向面と、対向面の裏面の外側面とを有しており、電極板支持体354は、電極板353の外側面を覆っている。電極板支持体354は、電極板353の外側面の全てを覆うように設けられるとよい。電極板支持体354は、電極板353の辺を保護するように、電極板353の辺の外方に突出するように設けられるとよい。電極板支持体354が電極板353と当接して電極板353を支持しているため、電極板353の保護が確実化される。さらに、電極板支持体354が電極板353と当接して支持する構成となっているため、電極板353の取り付けの精度を高精度化することができる。さらに、電極板353の外側面が電極板支持体354と当接して覆われているため、電極板353の外側面の腐食等を抑制することができる。さらに、電極板353の対向面は、電極板支持体354で覆われていないため、電極板353の対向面の清掃を容易に行うことができる。なお、電極板353の対向面の清掃は、ブラシ等で行うとよい。さらに、電極板353の対向面は、電極板支持体354で覆われていないため、電極板353の対向面の視認性が向上しており、電極部の清掃の要否等を容易に確認することができる。さらに、銀電極部351は、電極板353の一方の端部を外側から保持する電極板保持体355を有していてもよい。電極板保持体355による電極板353の保持は、例えば電極板保持体355に保持用溝を設け、この保持用溝に電極板353の端部を差し込むことで行える。電極板支持体354および電極板保持体355は、互いに接続されて一体的に形成されていてもよい。尚、電極板353は、銀単体で形成されていてもよく、あるいは銀を含む材料で形成されていてもよい。
【0043】
電極板353は、
図8にも示されているように、略矩形状の板形状部(平板部)353aと、板形状部353aの一端から下方に延設される脚部353bとを有しており、板形状部353aおよび脚部353bとによって略L字形状に形成されている。電極板353は、板形状部353aに例えば棒状の脚部353bを溶接などで取り付けるものであってもよいが、板形状部353aおよび脚部353bが共に銀を材料として一体的に形成されていることが好ましい。この場合、電極板353を1枚の平板状の銀板からの打抜き加工などで容易に形成できる(脚部353bも平板形状となる)。一対の電極板353は、その一方が脚部353bを介して底カバー部34に設けられた第1接点124と接続され、他方が脚部353bを介して底カバー部34に設けられた第2接点125と接続される。板状に形成された電極板353は、例えば、その厚みが0.5〜1.5mmの薄板状に形成されている。電極板353を薄板状に形成することで、材料費を低減することができる。さらに、電極板353を薄板状に形成することで、電極板353の加工が容易となる。一対の電極板353の間の間隙は、例えば、3〜13mmである。このように、電極板353の間の間隙を狭く形成することで、一対の電極板353の間に異物等が侵入し難い構成となっている。したがって、電極板353が損傷するおそれ等が低減されている。
【0044】
板形状部353aは、タンク底面(貯留部の底面)356と平行な方向を長手方向とする細長い形状(横長の形状)を有しており、その平面がタンク底面356と交差するように(より好ましくは直交するように)配置されることが好ましい。板形状部353aは、横長の形状とすることで、タンクT内での高さを抑制しながら表面積を広くすることができる。板形状部353aは、その表面積を広くすることで、短時間で効率的に銀イオン水を生成することができる。また、板形状部353aの高さを抑制することで、タンクT内の水位が低い場合であっても、板形状部353aが水面上に出にくくなり、銀イオン水の生成効率の低下を抑制できる。
【0045】
電極板353は、その一端部(板形状部353aおよび脚部353bの一部)を電極保持台35の上方(すなわちタンクT内の内部)に突出させ、他端部(脚部353bの一部)を電極保持台35の下方(すなわちタンクT内の外部)に突出させており、脚部353bを介してタンクT内の外部から電力の供給を受けるようになっている。一対の電極板353は、タンクTの内部に設けられ、板状に形成された板形状部353aと、板形状部353aの辺の一部分からタンクTの外部に突出しタンクTと固定された脚部353bとを有している。尚、脚部353bは、リード線やろう付けを利用して第1接点124および第2接点125と接続されていることが好ましい。あるいは、脚部353bは、圧着などの機械的な手段を利用して第1接点124および第2接点125と接続されていてもよい。また、脚部353bの周囲は、電極保持台35との間が封止部(樹脂材料)B(
図13(a),(b)参照)などで封止されることが好ましい。封止部Bでの封止により、電極保持台35の防水性(密閉性)を高めることができ、さらには、電極板353の根元部分である脚部353bの電解を抑制(根元側からの減耗を防止)することができる。封止部Bは、この発明の保護部に相当するものである。
【0046】
より確実な防水性(密閉性)を得るには、封止部Bは脚部353bの周囲全体を囲うようにして封止を行うことが好ましい。このため、電極板353において、脚部353bは板形状部353aの一端に揃えて形成されるのではなく、板形状部353aの一端から若干ずらして形成されることが好ましい。これにより、
図13(a)に示すように、銀電極部351が電極板保持体355を有する場合であっても、脚部353bと電極板保持体355との間に隙間を持たすことができ、封止部Bは脚部353bの周囲全体を囲うことができる。あるいは、
図13(b)に示すように、脚部353bを板形状部353aの一端に揃えて形成し、電極板保持体355における電極板353の保持面に段差を設ける構成としてもよい。この構成によっても、脚部353bと電極板保持体355との間に隙間を持たすことができ、封止部Bは脚部353bの周囲全体を囲うことができる。
【0047】
また、封止部Bは、弾力性の高い樹脂材料とすることが好ましい。封止部Bが脚部353bおよびタンクTよりも柔らかい材質の材料で形成されることで、脚部353bおよびタンクTが損傷するおそれ等を低減することができる。タンクT内で電極板353に外力による衝撃などが加わった場合に、封止部Bによってその衝撃を吸収することができる。
【0048】
略L字形状に形成された電極板353は、脚部353bを電極保持台35(タンク底面356)に固定することにより(脚部353b介して第1接点124および第2接点125と接続することにより)、板形状部353aを電極保持台35から離間して(浮かすよう)配置することが可能となる。すなわち、銀電極部351では、板形状部353aと電極保持台35との間に間隙が設けられている。タンクTのタンク底面356と板形状部353aの下部との間に間隙が設けられることで、一対の電極板353の間に液体等が滞留することを抑制することができる。
【0049】
銀電極部351でイオン生成を行う場合、電極板353の間には電解によって溶出した銀イオンの一部が微粒子(銀微粒子)となる。発生した銀微粒子は、もし板形状部353aと電極保持台35との間に間隙が無ければ、電極間に堆積して電極間ショートを生じさせる恐れがある。また、電極間ショートに至らなくても、電極間に堆積した銀微粒子によって銀イオンの溶出効率が低下し、所望濃度の銀イオン水の生成にかかる時間が長くなるといった問題もある。
【0050】
これに対し、本実施の形態3に係る銀電極部351では、板形状部353aと電極保持台35との間に間隙が設けられているため、電解によって発生する銀微粒子は板形状部353aの下の間隙となっているスペースに沈殿し、電極間に銀微粒子が堆積することを回避できる。これにより、堆積した銀微粒子による電極間ショートや銀イオンの溶出効率低下を回避することができる。
【0051】
さらに、本実施の形態3に係る噴射容器10では、
図8にも示されるように、噴射時に銀イオン水を吸い上げるチューブ36の下端(吸い上げ側)が板形状部353aの下端よりも下方に位置するように配置される。これにより、銀イオン水の噴射時に、板形状部353aの下の間隙となっているスペースに沈殿している銀微粒子をチューブ36によって効率的に吸い上げることができる。これにより、タンクT内全体でも銀微粒子の堆積を抑制でき、堆積した銀微粒子による電極間ショートや銀イオンの溶出効率低下をより確実に回避することができる。
【0052】
銀電極部351において適切な銀イオン生成を行うためには、一対の電極板353における電極間距離を適切に保持することが必要である。すなわち、電極間距離を適切に保持することで、電解時において所望の溶出レートで銀イオン水を生成することができる。例えば、電極間距離が広すぎると、銀イオンの溶出レートが低くなり、銀イオン水の生成効率が低下する。一方、電極間距離が狭すぎると、銀イオンの溶出レートが高くなりすぎて、銀イオン水の濃度調整が困難となる。
【0053】
また、一対の電極板353は、
図9(c)に示すように、上から見て根元側(端子側)が広く先端側が狭くなるようにハ字型に傾斜配置される(一方の電極板353が他方の電極板353に対して傾斜角度γ(例えば、0.64°)を有するように配置される)ことが好ましい。このような傾斜配置は、電極板353を、板形状部353aと板形状部353aの一端から下方に延設される脚部353bとによって略L字形状に形成することで容易となる。このように、一対の電極板353の先端側を根元側よりも狭くすることで、電解時には電極板353の先端側で電極が減り易くなり、根元側(端子側)から電極が消耗することを防止でき、電極板353を最後まで効率よく使用することができる。さらに、一対の電極板353をハ字型に配置することには、樹脂にて金型成型される電極板支持体354を金型から抜きやすくなる、電極板353の上方からの視認性が良くなる(電極板353の消耗を上方から確認しやすくなる)といった利点もある。
【0054】
上述のように一対の電極板353における電極間距離を適切に保持することは、電極板353単独では困難である。また、噴射容器10においては水道水の使用が想定されるが、水道水を用いて電解を行った場合には、電極板353の表面に不純物(スケール)の付着が生じる。このような不純物を除去するために、電極板353の表面をブラシ等で清掃すると、ブラシ圧によって電極間距離が変化してしまうことも起こり得る。
【0055】
これに対し、本実施の形態3に係る電極保持台35は、それぞれの電極板353を電極板支持体354によって外側から支持する構成であるため、電極板353を電極板支持体354の内側に接触させるように配置することで、電極間距離を適切に保持することが容易となる。また、電極板支持体354は電極板353の外側に配置されるため、噴射容器10のタンクT(例えば胴カバー部33)が透明である場合等には、電極板353の消耗を隠すことができ、噴射容器10の見栄えを良くすることができる。また、電極板支持体354の面積を電極板353よりも僅かに大きくし、電極板支持体354の外周縁部が電極板353の外周縁部よりも外側に張り出すようにしてもよい。これにより、例えばチューブ36が電極板353の外周縁部に外側から接触することも防止でき、電極板353の確実な保護が行える。
【0056】
電極板支持体354は、電極板353と同様に、根元側で電極保持台35に保持されるものとし、電極板支持体354の下端と電極保持台35の上面(タンク底面356)との間には間隙が設けられる。これにより、電極板支持体354の存在によって電極板353の電極間に銀微粒子が堆積することも防止できる。また、電極板支持体354による支持強度を高めるために、電極板支持体354の根元以外の箇所で、電極板支持体354と電極保持台35の上面とを接続する支柱354aを設けてもよい。支柱354aは、支柱354a部分での銀微粒子の堆積を極力抑えるため、細い柱状に形成されることが好ましい。
【0057】
上記説明では、噴射時に銀イオン水を吸い上げるチューブ36の下端(吸い上げ側)が板形状部353aの下端よりも下方に位置させることを述べたが、チューブ36の下端は、タンクT内の外側寄りに位置させることが好ましく、一対の電極板353の先端側(脚部353bと反対側)に位置させることがさらに好ましい。チューブ36をこのように配置することにより、チューブ36の下端を着実に板形状部353aよりも下方に位置させることができ、電解後に発生する銀微粒子を吸い上げやすくなる。チューブ36の太さは、電極板353における電極間距離よりも太くすることが好ましい。チューブ36の直径が一対の電極板353の間の間隙よりも大きく形成されることで、チューブ36が、電極間に入り込み、電極板353に接触することを防止できる(電極板353が保護できる)。さらに、チューブ36の直径が一対の電極板支持体354の間の間隙よりも大きく形成されることで、電極板353の保護が確実化される。チューブ36を確実に上述のように配置するために、噴射容器10は、例えば以下のような構成を有するものであってもよい。
【0058】
第1の構成例として、チューブ36をタンクT内の外側寄りに位置させるために、スプレーノズル部30をタンクTに接合する部材(例えば、肩カバー部32)に、チューブ36を外側へ案内する部材を設けることが考えられる。具体的には、
図10に示すように、肩カバー部32の内側に案内フック321を設け、チューブ36を案内フック321に引っ掛け、案内フック321によってチューブ36をタンクT内の外側寄りに案内することができる。
【0059】
第2の構成例として、噴射容器10のタンク底面356において、外周部の高さを中央部よりも低くし(例えばタンク底面356の外周に沿った溝部を設け)、チューブ36の下端がタンク底面356の中央よりも下になるようにチューブ36の長さを設定することが考えられる。この場合は、チューブ36の下端がタンク底面356の中央部付近にきても、チューブ36の弾力によって自動的に外側寄りに移動させることができる。
【0060】
第3の構成例として、噴射容器10のタンク底面356において、チューブ36の下端を適切な位置で停止させる手段を設けることが考えられる。具体的には、
図11に示すように、胴カバー部33の内側に位置決め板331を設け、スプレーノズル部30をタンクTに装着する(ねじ込む)ときに、チューブ36の下端を位置決め板331に当接させて、適切な位置(例えば、電極板353の先端側)で位置決めすることができる。
【0061】
〔実施の形態4:表示灯〕
本実施の形態4に係る銀イオン水生成噴射装置1は、例えば、電解時等に台座20において表示灯(表示部)の点灯を行い、ユーザに対して電解中であることを報知できるようにしたものである。
【0062】
図12は本実施の形態4に係る台座20の一構成例を示す図であり、(a)は台座20の分解斜視図、(b)は台座20に含まれる表示灯を斜め下から見た斜視図である。
図12に示すように、台座20は、台座筐体23(上部筐体231および下部筐体232)内部に、環状導光体24と、複数の発光素子25(例えばLED)とを備えている。
図12に示す台座20では、環状導光体24および発光素子25が表示灯として機能する。
【0063】
環状導光体24は、
図12(b)に示すように、上面が平面状とされており、下面に複数(
図12では4つ)の傾斜突起241が形成されている。これら複数の傾斜突起241は、環状導光体24の円周方向に沿って同じ傾斜向きに形成されており、傾斜突起241の一方の端部(傾斜突起241によって環状導光体24の厚みが大きくなる側の端部)には垂直面となる段差242が形成されている。
【0064】
発光素子25は、その発光面を段差242の垂直面とそれぞれ対向させるようにして、環状導光体24の下方に配置されている。発光素子25からの照射光は、段差242から環状導光体24に対して水平方向に入射し、さらに傾斜突起241の傾斜面(下面)で上方に反射される。これにより、少ない数の発光素子25でも、環状導光体24を極力均等に円状発光させることができる。また、万一、環状導光体24に水が伝った場合でも、傾斜突起241を伝って下部に水が落ちることが想定できるため、発光素子25を段差242から一定距離を保って配置することにより、発光素子25への直接の水濡れを回避することができる。
【0065】
環状導光体24の上面は台座20の上面において露出しており、その上面は防水シール26にて覆われている。防水シール26は、台座20の上面において台座側接点部22を除く全体を覆うものであり、環状導光体24だけでなく操作ボタン21も覆うようになっている。これにより、防水シール26は、台座20内部への水の侵入を防止する。
【0066】
環状導光体24の内径は噴射容器10の底部外径よりも大きくされている。また、操作ボタン21は、環状導光体24の外周側に配置される。噴射容器10が台座20に載置されているとき、環状導光体24は噴射容器10の外周側に配置され、噴射容器10の周囲を取り囲むことになる。これにより、ユーザは表示灯の点灯(環状導光体24の発光)を四方のどの方向からでも視認することができる。また、環状導光体24を噴射容器10に近接させることで、環状導光体24の照射光を噴射容器10の側面で反射させることができる。この場合、横方向からでも表示灯の点灯が視認しやすくなる。また、噴射容器10のタンクTが透明な場合等、電解の際に発生する気泡を光で目立たせることができ、電解の様子をユーザが視認しやすくなる。
【0067】
複数の発光素子25は、共通の回路基板27に取り付けられて発光制御されるようになっている。そして、各々の発光素子25の発光タイミングを変化させるような発光制御により、電解状態の変化をユーザに伝えることも可能である。例えば、高濃度/低濃度電解モード、電解完了までの時間、電極寿命等を、発光素子25の発光タイミングの変化によって伝えることが考えられる。
【0068】
本実施の形態4に係る銀イオン水生成噴射装置1では、例えば、操作ボタン21がオンされて電解が開始された後は、電解が終了するまで操作ボタン21の再入力を受け付けないようにすることが考えられる。これは、電解中に操作ボタン21がオフされて電解時間のリセットが生じることを防止するためである。すなわち、電解時間のリセットを防止することで、生成する銀イオン水の電解濃度を一定にする(所望の電解濃度を得る)ことができる。
【0069】
このような場合、表示灯の点灯制御によって、電解中の状態と電解終了をユーザに報知することが好ましい。具体例としては、電解中(例えば60秒)は表示灯を所定間隔(例えば1秒間隔)で点滅させ、電解が終了すると表示灯を点灯させることが考えられる。尚、電解終了を示す表示灯の点灯は、一定時間(例えば1分間)とすることが好ましい。電解終了後の表示灯の点灯期間は、長めの時間とすることより、ユーザの見逃しを防いで確実に完了の合図を伝えることができる。
【0070】
〔実施の形態5:噴射容器のタンク構造〕
本実施の形態5では、噴射容器10における好適なタンクTの構造例について説明する。噴射容器10では、上述したように、肩カバー部32、胴カバー部33および底カバー部34によって水を貯留するタンクTの外観が構成されている。すなわち、噴射容器10におけるタンクTは、一つの部材として一体的に形成されているのではなく、複数の部材を組み合わせて構成されている。これは、噴射容器10において以下のメリットを得るためである。
【0071】
まず、胴カバー部33と底カバー部34との分離構造は、タンクTの底部に電極保持台35を配置するのに適したものとなる。すなわち、胴カバー部33と底カバー部34とが分離されていれば、電極保持台35を底カバー部34に取り付けた後で、さらに胴カバー部33を取り付けることで、タンクTの底部への電極保持台35の配置が容易となる。尚、
図8に示す噴射容器10では、胴カバー部33と底カバー部34との間からの水漏れを防止するためにパッキング40が設けられている。
【0072】
例えば、胴カバー部33、底カバー部34および電極保持台35の組み立ては、以下の手順で行うことができる。
【0073】
まず、電極保持台35に、電極板353を取り付ける。具体的には、電極板353の脚部353bを電極保持台35に形成された開口に上方から差し込み、この開口における脚部353bの周囲に樹脂材料等を充填して、脚部353bの周囲とタンクTとの間に封止部Bを形成する。
【0074】
続いて、電極板353の脚部353bと接続部341とを電気的に接続する。接続部341は、第1接点124、第2接点125と、電極板353とを接続するものである。接続部341は、この発明の保護部に相当するものである。例えば、第1接点124、第2接点125は、電極板353が取り付けられた後の接続部341に取り付けられる。なお、第1接点124、第2接点125が取り付けられた後の接続部341に、電極板353が取り付けられてもよい。第1接点124、第2接点125と、電極板353とが、接続部341を介して接続されることで、第1接点124、第2接点125、または電極板353の脚部353bに作用する負荷を低減することができる。例えば、噴射容器10を台座20に載置するときに、第1接点124、第2接点125に作用する力が、接続部341を介して、脚部353bに作用する。つまり、接続部341は、第1接点124、第2接点125、または電極板353に作用する力を低減する作用を有する。例えば、接続部341と電極板353とは、リード線等を介して接続するとよい。リード線等は、第1接点124、第2接点125、または脚部353bに作用する負荷をさらに低減することができる。また、例えば、第1接点124、第2接点125と脚部353bとは、タンクTの底部に形成されたタンク底面356と平行な面(水平面)において、位置をずらして設けるとよい。第1接点124、第2接点125と脚部353bとが、位置ずれして設けられることで、脚部353bに作用する負荷をさらに低減することができる。
【0075】
電極板353、接続部341、第1接点124、および第2接点125が取り付けられた電極保持台35は、胴カバー部33に取り付けられる。電極保持台35と胴カバー部33との間には、パッキング40が設けられる。電極保持台35およびパッキング40は、底カバー部34によって、胴カバー部33に押し付けられた状態で、胴カバー部33と固定される。底カバー部34および胴カバー部33は、噴射容器10の外郭を形成する。電極保持台35は、底カバー部34および胴カバー部33によって囲まれたスペースに収容される。底カバー部34と胴カバー部33とは、パッキング40よりも周方向の外側で、ビス42などで固定される。ビス42は、底カバー部34の下面側から差し込まれ、電極保持台35に設けられたビス穴を貫通して、胴カバー部33に締結される。
【0076】
次に、肩カバー部32と胴カバー部33との分離構造は、タンクTの清掃性や給水の容易性を高めるのに適したものとなる。すなわち、スプレーノズル部30と接続されるタンクT上部は、細首状に形成される必要がある。このとき、肩カバー部32と胴カバー部33とが一体的に(分離不可に)形成されていれば、細首のタンクT上部からタンクT内部を清掃することは困難である。肩カバー部32と胴カバー部33とが分離可能であることで、肩カバー部32および胴カバー部33の何れもが容易に清掃可能となる(広い開口側から清掃できる)。また、噴射容器10への給水を行う場合には、肩カバー部32を胴カバー部33から外すことで広い開口から給水でき、給水が容易となる。また、肩カバー部32を取り外し可能とすることで、消耗品であるスプレーノズル部30の交換も容易となる。
【0077】
尚、肩カバー部32と胴カバー部33との接合箇所においては、胴カバー部33の上部にアンダーカットを形成しないことが好ましい。すなわち、
図8に示すように、胴カバー部33の上部は、他の部分に比べて径を絞ることはせず(上部の径を絞ると胴カバー部33の内面にアンダーカット(段差)が形成される)、やや厚肉に形成した上で上縁部に雄ネジを形成する(肩カバー部32の下縁部には雌ネジが形成される)。このように、胴カバー部33にアンダーカットを形成しないことで、胴カバー部33の成形性を高めることができ、同時にタンクT内の清掃も容易となる。
【0078】
また、
図8に示す噴射容器10では、肩カバー部32と胴カバー部33との間からの水漏れを防止するためにパッキング41が設けられている。このパッキング41は、
図8に示すように、胴カバー部33の上端と接触させるように配置されることが好ましい。例えば、
図8において不適例として示されているように、肩カバー部32の下端付近にパッキング41を配置した場合、パッキング41よりも上方の肩カバー部32と胴カバー部33との間の隙間に水が溜まることがある。この隙間に溜まった水は、例えば、台座20上で胴カバー部33から肩カバー部32を外したときにこぼれ、台座20を濡らす恐れがある。胴カバー部33の上端と接触させるように配置されたパッキング41は、肩カバー部32と胴カバー部33との間の隙間に水が溜まることを防止できる。
【0079】
また、噴射容器10におけるタンクTは、少なくとも側面(すなわち、胴カバー部33)が透明もしくは半透明な透光部とされることが好ましい。これにより、タンクT内の水位の視認性を高めることができる。水位の視認性が良くなれば、タンクTの側面に指定量の水位の目盛りをつけることで一定量の水を入れやすくなる、水のにごり具合で電解前か電解後かの判別がしやすくなる等のメリットが得られる。
【0080】
〔実施の形態6:動作制御例〕
本実施の形態6では、銀イオン水生成噴射装置1における好適な動作制御例について説明する。
【0081】
本実施の形態6に係る銀イオン水生成噴射装置1は、台座20側の給電回路において銀電極部351の電極間電流や電圧を検知する電流センサや電圧センサを設け、これらセンサの検知結果に基づいて電解電流を調整するようにしてもよい。噴射容器10のタンクT内の水(通常、水道水)は、その硬度や水温が一定でない。このため、タンクT内の水の硬度や水温によって電解速度に変動が生じ、同量の水に同じ時間の電解を行っても生成される銀イオン水の電解濃度が異なることがある。これに対し、センサの検知結果に基づいて電解電流の変動を抑制する調整を行えば、タンクT内の水の硬度や水温に幅広く対応し、銀イオン水の電解濃度を安定化させることができる。
【0082】
また、比較的直近(例えば1時間以内)の前回の電解と今回の電解とで、センサの検知結果に基づいて電極間電流や電圧の比較をし、電解済みかどうかの判定を行うことも考えられる。例えば、前回の電解時に比べて今回の電解における電流が基準値以上に大きければ、タンクT内の水は既に電解済みのものであると判定することができ、この判定に基づいて今回の電解をキャンセルすることも可能となる。
【0083】
〔実施の形態7:銀電極部の形状例〕
本実施の形態7では、噴射容器10における銀電極部351の変形例について説明する。
【0084】
上記実施の形態3では、電極板353を板形状部353aと脚部353bとから構成し、板形状部353aは平板状であるとしている。しかしながら、本発明において、板形状部353aは平板状に限定されるものではない。
【0085】
図14(a),(b)は、タンクTの底部における電極部351を上方から見た模式平面図である。
図14(a),(b)に示すように、板形状部353aは、1枚の平板状の銀板を、平面視で直線的もしくは曲線的に折り曲げて形成されるものであってもよい(直線的および曲線的な折り曲げ部分が併用されていてもよい)。無論、板形状部353aを折り曲げた形状とする場合、電極板支持体354も板形状部353aに合わせた形状とされる。このように、板形状部353aを折り曲げた形状とすることで、板形状部353aの長手方向の最大長さを抑制しながら、板形状部353aの表面積を増加させることができる。すなわち、表面積が大きく、銀イオン水の生成効率の高い電極板353をタンクT内にコンパクトに収容することができる。
【0086】
また、折り曲げた形状の一対の板形状部353aは、平面視において、タンクTの中心点に対して点対称の配置とされることが好ましい。この場合、一対の板形状部353aの両端部において、タンクTの半径方向に対する傾きが同じ向きとなる。これにより、例えば、タンクT内の洗浄時に、タンクTに水を入れて矢印R方向の水流が生じるような撹拌を与えた場合、この水流が板形状部353aの両端部から電極間に入り易くなる。このような電極間に入り込む水流により、板形状部353aの表面に付着する不純物(スケール)に対する洗浄効果を向上させることができる。
【0087】
水流を板形状部353aの両端部から電極間に入り込ませようとする場合、電極板353の端部を保持する電極板保持体355に代えて、一対の板形状部353aの長手方向中心付近に、タンク底面356から上方に立設される保持用突起357を設ける構成としてもよい。保持用突起357を設けることで、各電極板353は、板形状部353aを電極板支持体354と保持用突起357との間に挟むようにして保持することができる。また、保持用突起357は、電極板353が内側へ倒れ込み、電極板353同士が接触・短絡することを防止する機能もある。
【0088】
また、水流を電極板353の両端部から電極間に入り易くするために、電極板353を、
図15(a)または(b)に示すような構成としてもよい。
図15(a)は、板形状部353aを曲線的に折り曲げて形成し、両端部の曲率を中央部の曲率よりも大きくした構成である。この場合、板形状部353aの両端部の曲率を大きくすることで、タンクTの半径方向に対する傾きが大きくなり、矢印R方向の水流が板形状部353aの両端部から電極間に入り易くなる。また、板形状部353aの中央部は、曲率が小さいため流路抵抗が小さく、両端部から入り込んだ水流が中央部まで届きやすくなる。
【0089】
図15(b)は、板形状部353aを曲線的に折り曲げて形成し、一対の板形状部353aの端部において、一方の板形状部353aの端部を他方の板形状部353aの端部よりも半径方向外側に配置し、矢印R方向の水流が板形状部353aの端部から電極間に入り易くなるような“受け”構造を設けた構成である。例えば、一方の板形状部353aの端部が、他方の板形状部353aの端部を覆うように、他方の板形状部353aよりも半径方向に略90度傾くように形成されることで、上記の効果がさらに向上する。また、例えば、一方の板形状部353aの端部が、他方の板形状部353aの端部を覆うように、他方の板形状部353aよりも半径方向に略90度傾くように形成され、かつ一方の板形状部353aの端部側の曲率が、他方の板形状部353aの端部側の曲率よりも小さく形成されることで、上記の効果がさらに向上する。
【0090】
また、矢印R方向の水流が板形状部353aの端部から電極間に入り易くなるような“受け”構造は、
図16(a),(b)に示すように、板形状部353aではなく、電極板支持体354の形状によって設けるものであってもよい。すなわち、
図16(a),(b)は、一対の電極板支持体354の端部において、一方の電極板支持体354の端部に、タンクTの外周、かつ他方の電極板支持体354側に向かう方向に延設された延設部354bを設け、矢印R方向の水流が板形状部353aの端部から電極間に入り易くなるような“受け”構造を設けた構成である。延設部354bは、
図16(a)に示すように直線状に形成されていてもよく、
図16(b)に示すように曲線状に形成されていてもよい。
【0091】
また、
図14および
図15に示す例では、電極板353の板形状部353aは、長手方向に沿って左右交互に周期的に折り曲げた形状としているが、板形状部353aは非周期的に折り曲げられていてもよい。
【0092】
例えば、
図17(a),(b)に示すように、板形状部353aは、1度だけ折り曲げられた簡易的な形状であってもよい。この場合、一対の板形状部353aの全長は、
図17(a)に示すように異なる長さであってもよく、
図17(b)に示すように同じ長さであってもよい。
【0093】
また、
図18に示すように、板形状部353aを、左右何れかの一方向に複数回折り曲げた渦形状としてもよい。板形状部353aを、
図18に示すような渦形状とした場合、平面視において2次元的に広いスペースを用いて電極部351を配置することができる。そのため、表面積がより大きく、銀イオン水の生成効率の高い電極板353をタンクT内にコンパクトに収容することができる。
【0094】
図18に示す板形状部353aは、1枚の平板状の電極板を複数回折り曲げて形成してもよいが、複数枚の平板状の電極板を繋ぎ合わせて形成してもよい。何れの方法でも平板状の電極板を用いるため、電極板353の生産コストを低くすることができる。
【0095】
尚、
図14、
図15、
図17および
図18に示す電極板353の板形状部353aは、水平方向への投影形状(水平方向への投影長さが最大となる投影形状)において、タンク底面356と平行な方向を長手方向とする細長い形状(横長の形状)を有している。つまり、板形状部353aは、タンクTのタンク底面356と平行な第一の辺よりも、第一の辺と交差する第二の辺が短い形状を有している。これにより、実施の形態3に示す平板状の板形状部353aと同様に、タンクT内での板形状部353aの高さを抑制しながら表面積を広くすることができる。
【0096】
また、
図19に示すように、電極板353には、板形状部353aを厚さ方向に貫通する空洞部353cが設けられていてもよい。空洞部353cは、板形状部353aの長手方向(すなわち水平方向)に沿って延びる切欠きとして設けられ、脚部353bの設けられている端部から脚部353bとは反対側の端部に向けて幅が広くなる台形状の切欠きとされている。また、空洞部353cは、脚部353bとは反対側の端部が開口し、脚部353bとは反対側の端部には円状の空洞が設けられている。
【0097】
板形状部353aに空洞部353cを設けることにより、板形状部353aの堆積に対する表面積の比率を増加させることができる。これにより、高濃度の銀イオン水の効率的な生成が容易となる。また、空洞部353cの端部に設けられる円状の空洞は、板形状部353aの電極溶解に伴う電極崩壊を防止する機能を有し、電極板353の長時間使用を可能とする。
【0098】
尚、
図19では、板形状部353aにのみ空洞部353cとしての切欠きを設けているが、電極板支持体354にも同様の切欠きを設けてもよい。電極板支持体354にも切欠きを設けた場合、板形状部353aおよび電極板支持体354の両方を厚さ方向に貫通する空洞が形成されることとなり、噴射容器10のタンクTの洗浄時に電極間を水が通り易くなり、洗浄効果を向上させることができる。
【0099】
また、
図20(a),(b)に示すように、電極板353の板形状部353aの表面に、板形状部353aを厚さ方向に貫通しない溝部353dが設けられていてもよい。ここでは、板形状部353aの表面とは電極板支持体354との接触面と反対側の面であり、電極板支持体354との接触面を板形状部353aの裏面とする。板形状部353aに溝部353dを設けることによっても、板形状部353aの堆積に対する表面積の比率を増加させることができ、高濃度の銀イオン水の効率的な生成が容易となる。
【0100】
溝部353dは、板形状部353aの長手方向(すなわち水平方向)に沿って形成されるものであり、特に、溝下面は、板形状部353aの裏面から表面に向かう方向に沿って下がるような傾斜面とされる好ましい。溝部353dの溝下面をこのように傾斜させることで、溝部353d内にできるスケールが落下しやすくなり、スケールが溝部353dに詰まることを抑制できる。また、溝部353dにおける溝上面は、溝下面と同様に傾斜していてもよく(
図20(a)参照)、あるいは水平面であってもよい(
図20(b)参照)。
【0101】
さらに、電極板353の板形状部353aは、上端側の厚みが薄く、下端側の厚みが厚くなるように断面が略台形状とされていてもよい。板形状部353aの断面を略台形状とすることで、電極の摩耗(薄肉化)に伴う板形状部353aの倒壊(上端側の倒れ込み)および倒壊による短絡が生じにくくなり、電極板353の長時間使用を可能とする。
【0102】
また、本発明に係る容器および容器セットは、以下のような態様として記載することもできる。本発明の他の態様に係る金属イオン水生成容器(容器)は、開口を有し液体を貯留するタンクと、前記タンク内に配置される金属電極部とを有しており、前記金属電極部は、互いに離間して設けられ、前記タンク内に貯留された前記液体に接触するように配置された一対の電極板を有しており、前記電極板は、前記液体中に抗菌作用のある金属イオンとして溶出可能な金属を含む材料で形成されていることを特徴としている。
【0103】
上記の構成によれば、金属イオン水生成容器のタンク内に金属電極部を有し、金属電極部に含まれる一対の電極板の電極間に通電することで、容器内で液体(通常は水)中に抗菌作用のある金属イオンを溶出させ、短時間で高濃度な金属イオン水を生成することができる。
【0104】
また、上記金属イオン水生成容器では、前記電極板は、その一端部が前記タンクに固定されており、前記電極板の前記一端部の周囲は、前記タンクとの間が樹脂で封止されている構成とすることができる。
【0105】
上記の構成によれば、電極板の固定箇所の周囲が樹脂で封止され、電極板とタンクとの間の防水性(密閉性)を高めることができる。さらに、電極板の根元部分(端子との接続部分)の電解を抑制(根元側からの減耗を防止)することができる。
【0106】
また、上記金属イオン水生成容器では、一対の前記電極板のそれぞれが、銀を含む材料で一体的に形成されている構成とすることができる。
【0107】
また、上記金属イオン水生成容器では、前記タンクの少なくとも側面が透明もしくは半透明とされている構成とすることができる。
【0108】
上記の構成によれば、タンク内の水位の視認性が良くなり、タンクの側面に指定量の水位の目盛りをつけることで一定量の水を入れやすくなる、あるいは、水のにごり具合で電解前か電解後かの判別がしやすくなる等のメリットが得られる。
【0109】
また、上記金属イオン水生成容器では、前記金属電極部が、前記タンクの側面を介して外部から見える位置に設けられている構成とすることができる。
【0110】
上記の構成によれば、金属電極部における電極板の消耗が外部から確認できる。
【0111】
また、上記金属イオン水生成容器では、前記電極板は、略矩形状の平板部と、当該平板部の一端から下方に延設される脚部とを有しており、一対の前記電極板は、それぞれの平板部を対向させて配置されている構成とすることができる。
【0112】
また、上記金属イオン水生成容器では、一対の前記電極板における前記平板部が、端子のある根元側が広く、先端側が狭くなるように傾斜配置されている構成とすることができる。
【0113】
上記の構成によれば、一対の電極板の先端側を根元側よりも狭くすることで、電解時には電極板の先端側で電極が減り易くなり、根元側(端子側)から電極が消耗することを防止でき、電極板を最後まで効率よく使用することができる。
【0114】
また、上記金属イオン水生成容器では、前記電極板の前記平板部が、前記タンクの底部から離間して配置されている構成とすることができる。
【0115】
上記の構成によれば、電極板の平板部をタンクの底部から離間することにより、平板部イオンとタンクの底部との間に間隙が設けられるため、電解によって発生する金属微粒子(銀微粒子等)が平板部の下の間隙となっているスペースに沈殿し、電極間に金属微粒子が堆積することを回避できる。これにより、堆積した金属微粒子による電極間ショートや金属イオンの溶出効率低下を回避することができる。
【0116】
また、上記金属イオン水生成容器では、一対の前記電極板のそれぞれは、支持体によって外側から支持されている構成とすることができる。
【0117】
上記の構成によれば、それぞれの電極板を支持体によって外側から支持することで、電極間距離を適切に保持することが容易となる。
【0118】
また、上記金属イオン水生成容器は、前記タンクに貯留されている前記液体を噴射する噴射部を有している構成とすることができる。
【0119】
また、上記金属イオン水生成容器では、前記電極板は、略矩形状の平板部と、当該平板部の一端から下方に延設される脚部とを有しており、前記平板部が、前記タンクの底部から離間して配置されており、前記タンクに貯留されている前記液体を吸い上げて前記噴射部に送り込むチューブの下端が、前記平板部の下端よりも下方に位置している構成とすることができる。
【0120】
上記の構成によれば、金属イオン水の噴射時に、平板部の下の間隙となっているスペースに沈殿している金属微粒子をチューブによって効率的に吸い上げることができ、タンク内全体で金属微粒子の堆積を抑制できる。これにより、堆積した金属微粒子による電極間ショートや金属イオンの溶出効率低下をより確実に回避することができる。
【0121】
また、本発明の他の態様である金属イオン水生成装置(容器セット)は、前記記載の金属イオン水生成容器と、前記金属イオン水生成容器を載置する台座とによって構成されており、前記台座には、前記金属イオン水生成容器を当該台座に載置したときに、前記金属イオン水生成容器の前記金属電極部に給電可能な給電部が備えられていることを特徴としている。
【0122】
上記の構成によれば、給電部が台座に備えられることによって、金属イオン水生成容器の軽量化や、ユーザが銀イオン水の噴射を行うときの安全性向上(感電防止)等を図ることができる。
【0123】
また、上記金属イオン水生成装置は、前記台座から前記金属イオン水生成容器への給電が接点給電方式で行われるものであり、前記金属イオン水生成容器は、底面において凹状に形成された容器側接点部を有しており、前記台座は、上面において凸状に形成された台座側接点部を有しており、前記金属イオン水生成容器を当該台座に載置したときに、前記容器側接点部と前記台座側接点部とが嵌合することで、前記金属イオン水生成容器を前記台座上で位置決めする構成とすることができる。
【0124】
上記の構成によれば、金属イオン水生成容器を台座上で位置決めすることで、容器側接点部と台座側接点部との間での接点接触を確実なものとすることができる(確実に給電が行える)。
【0125】
また、上記金属イオン水生成装置では、前記容器側接点部および前記台座側接点部は、嵌合時に、前記金属イオン水生成容器が前記台座上で回動することを防止する構成とすることができる。
【0126】
上記の構成によれば、金属イオン水生成容器が台座上で回動することが防止でき、接点の擦れによるメッキ剥がれを防止することができる。
【0127】
また、上記金属イオン水生成装置では、前記金属イオン水生成容器が、前記タンクに貯留されている前記液体を噴射する噴射部を有しており、前記金属イオン水生成容器を当該台座に載置したときに、前記噴射部におけるノズルヘッドの先端が、上方から見て前記台座の外周よりも外側に位置する構成とすることができる。
【0128】
上記の構成によれば、ノズルヘッドの先端に付着していた金属イオン水が滴下したとしても、滴下した金属イオン水が台座に掛かることを防止できる。
【0129】
また、上記金属イオン水生成装置では、前記台座は、前記台座側接点部の上の水を台座下に逃がすための水抜き孔を有している構成とすることができる。
【0130】
上記の構成によれば、台座側接点部の上に水が溜まることを防止できる。
【0131】
また、上記金属イオン水生成装置では、前記台座は、前記金属イオン水生成容器を当該台座に載置したときに、当該金属イオン水生成容器よりも外周側に配置される表示灯を有している構成とすることができる。
【0132】
上記の構成によれば、表示灯の発光制御により、金属イオン水生成装置における電解状態等をユーザに報知することができる。
【0133】
また、上記金属イオン水生成装置では、前記表示灯は、前記金属イオン水生成容器の周囲を取り囲む配置とされる構成とすることができる。
【0134】
上記の構成によれば、ユーザは表示灯の点灯を四方のどの方向からでも視認することができる。
【0135】
また、上記金属イオン水生成装置では、前記台座には、当該金属イオン水生成装置での電解を開始するときに操作する操作ボタンが設けられており、前記操作ボタンは、前記表示灯の外周側に配置されている構成とすることができる。
【0136】
また、上記の課題を解決するために、本発明の第3の態様である噴射装置は、液体を貯留するタンクと、前記タンクの内部に突出し、銀を含む材料で形成された電極と前記電極で生成された銀イオン水を噴射する噴射部と、を有することを特徴としている。
【0137】
また、本発明に係る容器は、開口を有し液体を貯留する貯留部と、貯留部の内部に設けられ板状に形成された板形状部、および板形状部の辺の一部分から貯留部の外部に突出し貯留部と固定された脚部を有する一対の電極板と、電極板を保護する保護部と、を備えたものである。保護部は、電極板を保護するものであり、上記の実施形態の例では、封止部、電極保護部、または接続部を有している。なお、保護部は、例えば、指先、棒形状の細長い器具等が電極板と直接的に接触したとき、または、容器を台座に載置したときの衝撃等が電極板に伝わったとき等の、電極板の損傷等のおそれを低減するものである。例えば、貯留部の底面と板形状部の下部との間に間隙が設けられている。例えば、開口を覆う蓋と、蓋に取り付けられ、液体が流れるチューブと、を備え、チューブの直径が、一対の電極板の間の間隙よりも大きく形成されている。例えば、容器の外部に露出する接点を備え、保護部は、接点と脚部とを接続する接続部を含んでいる。例えば、接点と脚部とが、貯留部の底面と平行な面において、位置をずらして設けられている。例えば、保護部は、一対の電極板の外側の面を覆う電極保護部を含んでいる。例えば、保護部は、脚部の周囲と貯留部との間に介在し脚部および貯留部よりも柔らかい材質で形成された封止部を含んでいる。例えば、電極板は、銀を含む材料で形成されている。例えば、板形状部は、貯留部の底面と平行な第一の辺よりも、第一の辺と交差する第二の辺が短く形成されている。
【0138】
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。