【実施例】
【0152】
実施例1−セニクリビロックメシル酸塩組成物
Key 1Lボウル型造粒機(bowl granulator)中で湿式造粒し、続いて、トレイ乾燥させ、ふるい掛けし、混合し、かつCarverプレスで錠剤に圧縮することによって、酸性溶解補助剤のアイデンティティを除いて同一な一連のセニクリビロックメシル酸塩組成物を調製した。当該製剤の組成を表2において示す。
【表2】
【0153】
当該錠剤を、ビーグル犬に投与した。経口用液剤も、対照として投与した。当該製剤及び当該経口用液剤の絶対生物学的利用能を決定し、
図2において示す。結果は、フマル酸を伴うセニクリビロックメシル酸塩が、試験した他の溶解補助剤のいずれよりも有意に高い生物学的利用能を有することを示している。
【0154】
実施例2:セニクリビロックメシル酸塩組成物
セニクリビロックメシル酸塩、フマル酸、微結晶性セルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを混合し、乾式造粒し、粉砕し、顆粒外(extragranular)微結晶性セルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとブレンドし、かつ10kP超の硬度及び0.8%w/w未満の脆砕性を有する錠剤に圧縮した。得られた錠剤は、表3において示す組成を有した。
【表3】
【0155】
実例として、実施例2b(すなわち、Ex.2b)における濃度パーセンテージ及び成分の錠剤1個当たりの質量を表4において示す。
【表4】
【0156】
実施例3:セニクリビロックメシル酸塩組成物
セニクリビロックメシル酸塩、微結晶性セルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを混合し、乾式造粒し、乾燥させ、粉砕し、顆粒外微結晶性セルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム、フマル酸、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムとブレンドし、かつ10kP
超の硬度及び0.8%w/w未満の脆砕性を有する錠剤に圧縮した。得られた錠剤は、表5において示す組成を有した。
【表5】
【0157】
特に、表5の製剤は、表3bの製剤と同じ成分比を有し、各錠剤について使用した成分の合計量だけが異なる。したがって、表4は、セニクリビロック150mg(遊離塩基に基づく)を含む錠剤を示しているのに対して、表CC−1は、表4において示されている実施例2bの150mg錠剤と同じ成分比を有する、セニクリビロック25mg(遊離塩基に基づく)を含む錠剤を示している。
【0158】
実施例4、参照
表6のクエン酸ベースの製剤を、次のとおりに調製した。セニクリビロック、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、及び架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウムを混合し、湿式造粒し、乾燥させ、粉砕し、かつ微結晶性セルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム、クエン酸、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、及びステアリン酸マグネシウムとブレンドした。得られたブレンドを、10kP超の硬度及び0.8%w/w未満の脆砕性を有する錠剤に圧縮した。錠剤を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール8000、二酸化チタン、及び黄色酸化鉄で被覆した。こうして生産した被覆錠剤は、米国特許出願公開第2008/031942号(例えば、表3を参照されたい)において開示されているものと実質的に同一であった。
【表6】
【0159】
実施例5、参照
セニクリビロック及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルをメタノールに溶解させ、噴霧乾燥させて、セニクリビロック25重量%(セニクリビロック遊離塩基の重量に基づく)を含有する微細粉末にした。その粉末をコロイド状二酸化ケイ素、微結晶性セルロース、マンニトール、ラウリル硫酸ナトリウム、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムと混合した。その混合物を、10kP超の硬度及び0.8%w/w未満の脆砕性を有する錠剤に圧縮した。錠剤の最終組成を表7において示す。
【表7】
【0160】
実施例6:CVC製剤の生物学的利用能
ビーグル犬における実施例3の錠剤の絶対生物学的利用能を、実施例4及び5の錠剤の生物学的利用能と、さらには、セニクリビロックメシル酸塩の経口用液剤及びセニクリビロックメシル酸塩散剤を含有するゼラチンカプセル剤の両方と比較した。結果を表8において示す。
【表8】
【0161】
この実施例は、フマル酸を含む乾式造粒錠剤(実施例3)におけるセニクリビロックの生物学的利用能が、経口液剤の生物学的利用能と実質的に同様であり、かつフマル酸(実施例1b)またはクエン酸(実施例4)を含む湿式造粒錠剤におけるセニクリビロックの生物学的利用能よりも、かつHPMC−ASを含む噴霧乾燥分散剤(実施例5)において非晶質セニクリビロックを含む錠剤におけるセニクリビロックの生物学的利用能の2倍よりも有意に高いことを実証している。結晶質APIの乾式造粒が湿式造粒及び非晶質噴霧乾燥分散剤を超える生物学的利用能の有意な増大をもたらすと気づく理由がなかったので、これらの結果は意外である。これは特に、水溶性が不十分な薬物の生物学的利用能を増大させるために、非晶質噴霧乾燥分散剤が多くの場合に使用されるためである。これらの結果はまた、フマル酸がクエン酸よりも遅い溶解時間を有し、かつCVC APIに対してより低い酸質量比で使用されたので(クエン酸:APIでは3:1に対して、フマル酸:APIでは1.06:1)、意外である。したがって、CVCには、フマル酸が、クエン酸よりも有効な溶解補助剤であることが判明したことは意外であった。
【0162】
実施例7:CVC製剤の安定性の促進
40℃で相対湿度75%の環境に曝露することによって、実施例2bの錠剤の加速安定性を実施例1b、4、及び5の錠剤の加速安定性と比較した。すべての錠剤を、研究中に乾燥剤と共にパッケージングした。
図3において示すとおり、実施例2bの錠剤は、他の湿式造粒錠剤よりも意外にもかなり安定しており、かつ噴霧乾燥分散錠剤と同様に安定している。実施例2bと実施例4の錠剤との間の安定性のこの差は、それら2種の間の唯一の重大な差がそれらの製剤を作製する方法(乾式造粒に対して、湿式造粒)であるので、特に意外である。これらの結果はまた、造粒方法がセニクリビロック生物学的利用能及び安定性の両方に対して作用を有し得るとはこれまで知られていなかったので、意外である。
【0163】
実施例8:CVC製剤の安定性
錠剤を6週間にわたって40℃で相対湿度75%の環境に曝露することによって、実施例2及び3の錠剤の安定性を試験した。すべての錠剤を、研究中に乾燥剤と共にパッケージングした。結果を表9において示すが、これは、それらの錠剤がこれらの条件下で非常に安定していることを示している。
【表9】
【0164】
実施例9:CVC製剤の安定性
25℃での動的蒸気収着等温線は、セニクリビロックメシル酸塩の安定性と共に、実施例3及び4の錠剤の安定性と相関する。収着を5%間隔で相対湿度0%から相対湿度90%まで行った。間隔ごとに、各サンプルを10分以上及び30分以下にわたって平衡化させた。質量上昇の速度が1分当たり0.03%w/w以下になったときか、または30分後かの、いずれか短時間のほうで、平衡化を停止した。
図4において示されている結果は、実施例2bの錠剤が実施例4の錠剤よりも有意に安定していることを示している。この結果は、実施例4よりも有意に吸湿性が低い実施例3と一致する。実施例2bと比較して、実施例4の吸湿性の上昇は、移動性の水の含有率が高いことに関連し得て、次いで、このことが実施例4の部分的ゲル化及びその後の安定性の低下の原因となり得る。
【0165】
実施例10:NASHのマウスモデルにおける、二重CCR2及びCCR5アンタゴニストであるセニクリビロックの抗線維化及び抗炎症活性
バックグラウンド:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、脂肪の蓄積、慢性炎症(炎症誘発性単球及びマクロファージを含む)によって特徴づけられ、かつ線維症が存在する場合には、これは、硬変または肝細胞癌腫につながり得る。現在、NASHのための承認された治療薬は存在しない。証拠によって、C−Cケモカイン受容体(CCR)2型及びその主なリガンドである単球走化性タンパク質−1が肝臓における炎症誘発性単球動員の一因となっていることが示唆されている。セニクリビロック(CVC)は、143人のHIV−1感染成人における48週間のフェーズ2b試験(NCT01338883)において好ましい安全性及び耐容性を示した経口用の有効な二重CCR2/CCR5アンタゴニストである。CVCを、肝細胞癌につながる食餌誘発性NASHのマウスモデルにおいて評価した;そのモデルの第1の線維化ステージからのデータを提示する。
【0166】
方法:誕生の2日後のストレプトゾトシン200μgの単回注射(グルコース制御の損傷をもたらす)、続く、4週齢からの高脂肪食によって、NASHを雄のマウスにおいて誘発した。6週齢から9週齢まで、3群の動物(n=6/群)に、0(ビヒクル)、20(低用量)、または100(高用量)mg/kg/日のCVC用量を1日2回の強制経口投与によって投与した。動物を9週齢で屠殺し、生化学、遺伝子発現、及び肝臓の組織学的評価を行った。
【0167】
結果:CVC処置は、体重もしくは肝臓重量、全血糖、または肝臓トリグリセリドに対して作用を有さなかった。平均(±SD)アラニンアミノトランスフェラーゼレベルが、対照と比較して両方のCVC処置群で有意に低下し(低用量、高用量、及びビヒクルでそれぞれ58±12、51±13、及び133±80U/L;p<0.05)、かつ肝臓ヒドロキシプロリンは、処置群では低下傾向にあった。リアルタイムRT−PCRによると、全肝臓溶解産物におけるコラーゲン1型mRNAは、CVC処置で27〜37%低下した。線維化面積のパーセンテージ(シリウスレッド染色による)は、対照に対してCVC処置によって有意に低下した(p<0.01):血管周囲を含めた場合には20mg/kg/日、100mg/kg/日、及び対照でそれぞれ、0.66%±0.16、0.64%±0.19及び1.10%±0.31;血管周囲を差し引いた場合にはそれぞれ、0.2
9%±0.14、0.20%±0.06、及び0.61%±0.23。重要なことに、主に炎症及びバルーニングスコアの低減によって、組織学的非アルコール性脂肪肝疾患活性スコア(このモデルにおいて、未処置マウスでは、スコアは0である)が、CVC処置で有意に低下した(低用量、高用量、及びビヒクルでそれぞれ4.0±0.6、3.7±0.8、及び5.3±0.5;p<0.05)。ヒトにおいて以前に示されたとおり、血漿中単球走化性タンパク質−1レベルのCVC用量関連代償性上昇が、マウスにおいて観察され(低用量及び高用量でそれぞれ、1.1倍及び1.5倍)、これはCCR2の拮抗作用と一致した。
【0168】
結論:これらのデータは、現在、HIV−1のためにヒトにおいて試験中の治験薬であるCVCが、NASHのマウスモデルにおいて抗線維化及び抗炎症活性を有することを示唆しており、これによって臨床調査が是認される。これらの所見は、CCR2/単球走化性タンパク質−1軸の破壊が、NASHのための新規の処置手法であり得るというさらなる証拠を提供する。
【0169】
実施例11:チオアセトアミド誘発性肝線維症及び硬変のラットモデルにおける、二重CCR2/CCR5アンタゴニストであるセニクリビロックの有意な抗線維化活性
バックグラウンド:C−Cケモカイン受容体(CCR)2及び5型は、炎症誘発性単球及びマクロファージ、クッパー細胞、ならびに肝星状細胞(HSC)上で発現され、これらは、肝臓における炎症及び線維形成の一因となる。セニクリビロック(CVC;新規の有効な経口用二重CCR2/CCR5アンタゴニスト)は、143人のHIV−1感染成人における48週間のフェーズ2b試験(NCT01338883)において好ましい安全性/耐容性を有した。この研究で、チオアセトアミド(TAA)誘発性損傷による新興肝線維症を有するラットにおいて、CVCのin vivo抗線維化効果、及び疾患発症に対する処置介入のタイミングを評価する。
【0170】
方法:8週間にわたる3回/週のTAA150mg/kgの腹腔内投与によって、線維症を雄のSprague−Dawleyラットにおいて誘発した。ラット(n=4〜8/群)に、CVC30mg/kg/日(a)、CVC100mg/kg/日(b)、またはビヒクル対照(c)をTAAと同時に、初めの8週間にわたって(群1;早期介入)、4〜8週目に(群2;新興線維症)、またはTAA投与の完了後の8〜12週目に(群3;硬変の反転)投与した。生化学、遺伝子発現、及び肝臓の組織学的評価を行った。
【0171】
結果:TAAと同時に開始した場合(群1)、30mg(群1a)及び100mg(群1b)のCVCは、コラーゲン形態計測によって評価されるとおり、線維化を有意に減少させた(それぞれ49%及び38%;p<0.001)。コラーゲン1型でのタンパク質レベルは、群1a及び1bでそれぞれ、30%及び12%低下した一方で、α−SMAは、それぞれ、17%及び22%低下した。TAA誘発性損傷から4週間後に処置を開始した場合(群2)、CVC30mg(群2a、コラーゲンの36%低下;p<0.001)では統計的に有意な抗線維化効果が観察されたが、CVC100mg(群2b)では観察されなかった。処置を8週目に開始し(硬変が存在)、4週間にわたって継続した場合には(群3)、線維形成性遺伝子の発現または線維化に対して、CVCの有意な効果は存在しなかった。
【0172】
結論:CVCは、TAAによる非硬変肝線維症において、有効な抗線維薬である。当該薬物は、早期介入(群1)及び新興線維症(群2a)においては有効であったが、硬変がすでに確立された場合(群3)には有効ではなかった。
【0173】
実施例12:腎線維症のマウスモデルにおける、二重CCR5/CCR2アンタゴニストであるセニクリビロックの抗線維化活性
バックグラウンド:セニクリビロック(CVC)は、フェーズ2bのHIV開発(研究202;NCT01338883)を完了している新規の経口1日1回用二重CCR5/CCR2アンタゴニストである。CVCは、48週間にわたってCVCで処置された115人のHIV−1感染成人を含めて、少なくとも1用量で処置された555人の対象で好ましい安全性プロファイルを有する。最近、CVCは、食餌誘発性非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のマウスモデル及びチオアセトアミド誘発性線維症のラットモデルにおいて有意な抗線維化活性を実証した。ここでは、片側尿管閉塞(UUO)によって誘発された腎線維症の十分に確立されたマウスモデルにおいて、本発明者らはCVCを評価した。
【0174】
方法:試験動物を外科手術の前日(−1日目)に、体重マッチングした処置群に割り当てた。雄のCD−1マウス(N=51;7〜8週齢)に、無菌側腹切開によって、偽外科手術または右尿管の完全結紮、すなわち、UUOのいずれかを施した(
図5)。0〜5日目:偽外科手術を施されたマウスに、1日2回の強制経口投与によってビヒクル対照(0.5%メチルセルロース+1%Tween−80)を投与し;永久UUOを有するマウスに、1日2回の強制経口投与によってビヒクル対照、CVC7mg/kg/日、またはCVC20mg/kg/日のいずれかを投与した。別の群には、−1〜4日目に3mg/kg/日で、1日1回腹腔内注射される抗トランスフォーミング増殖因子TGF−β1抗体、化合物1D11(陽性対照)を、かつ0〜5日目にビヒクル対照を投与した。CVC100mg/kg/日群(N=9)が最初は研究に含まれたが、瀕死によって、早期に停止した(動物が5日目に到達しなかったので、分析を行わなかった)。外科手術を伴わないマウス毒性研究では、2000mg/kg/日までのCVC用量は、忍容性が良好であった。5日目に、動物に麻酔を掛け、血液及び組織を屠殺前に収集した。
【0175】
研究終点:研究終点には、a)体重及び腎臓重量;b)ピクロシリウスレッド染色の組織学的定量的イメージ分析によって評価され(腎臓皮質面積の60〜70%のサンプリングを可能にするために、10のイメージ/深度/腎臓を得、光学顕微鏡[200倍]を使用して盲検様式で評価した)、かつ閉塞腎臓からの3つの解剖学的に別個の(200〜250μM間隔)組織切片または深度にわたる平均陽性染色液として表される複合コラーゲン容積分率(CVF[イメージングされた全面積%])スコアによって定量化される閉塞腎臓における線維化;c)生化学分析によって評価されるとおりの凍結腎臓皮質組織生検材料のヒドロキシプロリン含有率;d)HPRT(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ)に対して正規化される相対発現を伴うLuminex(登録商標)(Life Technologies(商標)、Carlsbad、CA、USA)アッセイによって評価される、線維化促進性及び炎症性バイオマーカー(MCP−1、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、フィブロネクチン−1、α−平滑筋アクチン(α−SMA)及び結合組織成長因子−1(CTGF−1)を含む)のmRNA発現が含まれる。
【0176】
統計的分析:データを、平均±平均の標準誤差(SEM)として表す。統計的分析を、GraphPad Prism(登録商標)(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA、USA)を使用して行った。偽外科手術+ビヒクル対照群とUUO+ビヒクル対照群との間の、及びUUO+ビヒクル対照群とUUO+化合物−1D11(陽性対照)群との間の処置差を独立t検定によって分析した。UUO+ビヒクル対照群とCVC投与群との間の処置差を、ダネット検定(事後)と共に一元ANOVA(分散分析)によって分析した。
【0177】
方法:腎線維症の十分に確立されたマウスUUOモデルにおいて、コラーゲン容積分率またはCVF(組織学的閉塞腎臓切片においてコラーゲンについて陽性染色された面積%)の低減によって規定されるとおり、CVCは有意な抗線維化効果を実証した。閉塞した腎臓では、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、及びフィブロネクチン
−1 mRNA発現が減少する傾向が観察されたが、これらは、統計学的有意性には達しなかった。まとめると、CVCの作用機序、動物モデルにおける抗線維化活性(腎臓及び肝臓)、及び広範な安全性データベースは、線維性疾患におけるさらなる評価を裏付けている。NASH及び肝線維症を有する非HIV感染患者における概念証明型研究が計画されている。ガイドラインにおいて好ましい第3の薬剤と共に同時投与する場合に、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン(TDF/FTC)に対する新規の「骨格」として、CVC/ラミブジン(3TC)の固定用量の組合せを評価するために、HIV−1感染患者におけるフェーズIII試験も計画されている。
【0178】
結果:体重及び閉塞腎臓重量:CVC7mg/kg/日及び化合物1D11(陽性対照)は体重に対して作用を有さなかったが、CVC20mg/kg/日は、5日目に、UUO+ビヒクル対照群の場合と比較して、体重の僅かな、しかし有意な減少(5%)をもたらした(p<0.05)(
図6;体重変化がグラム[g]で示されている)。UUO+ビヒクル対照群に対して、閉塞または対側腎臓重量または腎臓重量指数で、有意な処置効果(CVCまたは化合物1D11[陽性対照])は観察されなかった(データは図示せず)。組織診:CVFの複合測定(3つの深度で平均した面積%[±SEM])は、偽外科手術群の場合と比較して、UUO+ビヒクル対照群では有意に高かった(11.4±1.0倍;p<0.05)(
図7)。CVC7及び20mg/kg/日ならびに化合物1D11(陽性対照)は、CVFの複合測定において、UUO+ビヒクル対照群の場合に対して、UUO誘発性増大を有意に減弱させた(3つの深度で平均した[±SEM])(それぞれ28.6±8.8%、31.8±6.8%及び50.3±7.3%減少;p<0.05)。
【0179】
ヒドロキシプロリン含有率:UUO+ビヒクル対照群からの、閉塞した腎臓におけるヒドロキシプロリン含有率(タンパク質%)が、偽外科手術群に対して有意に上昇した(0.27%に対して0.72%;p<0.05)(データは図示せず)。UUO+ビヒクル対照群に対して、試験したCVCのいずれの用量も、閉塞した腎臓のヒドロキシプロリン含有率におけるUUO誘発性上昇に影響を及ぼさなかったが;しかしながら、化合物1D11(陽性対照)群は、有意に低いレベルを有した(0.72%に対して0.55%;p<0.05)(データは図示せず)。
【0180】
線維化促進性及び炎症性バイオマーカーmRNA発現:評価するバイオマーカー(MCP−1、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、フィブロネクチン−1、α−SMA、及びCTGF−1)のそれぞれについて、UUO+ビヒクル対照群におけるmRNAの発現は、偽外科手術群における場合と比較して、有意に上昇した(p<0.05)(
図8)。CVC7及び20mg/kg/日は、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、及びフィブロネクチン−1mRNA発現のUUO誘発性増大を減弱させた。しかしながら、これらの減少は、UUO+ビヒクル対照群と比較して、統計的有意性に達しなかった。化合物1D11(陽性対照)は、UUO+ビヒクル対照群と比較して、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、及びフィブロネクチン−1のmRNA発現のUUO誘発性増大を有意に減少させた(p<0.05)。CVC7及び20mg/kg/日ならびに化合物1D11(陽性対照)は、UUO+ビヒクル対照群と比較して、閉塞腎臓皮質MCP−1、α−SMA、及びCTGF−1 mRNA発現のUUO誘発性増大に有意な作用を有さなかった(α−SMA及びCTGF−1 mRNAについて、データは図示せず)。
【0181】
結論:CVCは、腎線維症の十分に確立されたマウスUUOモデルにおいてコラーゲン容積分率またはCVF(組織学的閉塞腎臓切片においてコラーゲンについて陽性染色された面積%)の低減によって規定されるとおり、有意な抗線維効果を実証した。閉塞腎臓において、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、及びフィブロネクチン−
1 mRNA発現が減少する傾向が観察されたが、これらは、統計的有意性には達しなかった。まとめると、CVCの作用機序、動物モデルにおける抗線維化活性(腎臓及び肝臓)、及び広範な安全性データベースは、線維性疾患におけるさらなる評価を裏付けている。NASH及び肝線維症を有する非HIV感染患者における概念証明型研究が計画されている。ガイドラインにおいて好ましい第3の薬剤と共に同時投与する場合に、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン(TDF/FTC)に対する新規の「骨格」として、CVC/ラミブジン(3TC)の固定用量の組合せを評価するために、HIV−1感染患者におけるフェーズIII試験も計画されている。
【0182】
実施例13:APRI及びFIB−4線維化スコアの改善は、48週間にわたってセニクリビロックを投与されたHIV−1感染成人におけるsCD14の減少と相関する
【0183】
バックグラウンド及び目的:新規の経口1日1回用CCR2/CCR5アンタゴニストであるセニクリビロック(CVC)は、治験において好ましい安全性及び抗HIV活性を実証している。CVCは、肝疾患の2種の動物モデルにおいて抗線維化活性を実証した。研究202(NCT01338883)において、APRI及びFIB−4スコアで、事後分析を行った。
【0184】
方法:CCR5指向性HIV−1を有し、BMI≦35kg/m2で、顕性肝疾患を有さない143人の成人(すなわち、ALT/AST Grade≦2、総ビリルビン≦ULNで、HBV、HCV、活性または慢性肝疾患、または硬変なし)をCVCまたはエファビレンツ(EFV)に4:1で無作為化した。APRI及びFIB−4スコアを計算した。基線(BL)から24及び48週目までのスコアカテゴリーの変化を患者において評価し、欠損データはなかった。APRI及びFIB−4スコアのBLからの変化、ならびにMCP−1(CCR2 リガンド)及びsCD14(炎症性バイオマーカー)レベルの間の相関を評価した。
【0185】
結果:BLでは、EFVよりもCVCで、より多くの患者がAPRI≧0.5及びFIB−4≧1.45を有し;これらの閾値を超えるCVC患者の割合は、24及び48週目に低下した(表10)。24週目に、APRIスコア及びMCP−1レベル(p=0.014)の変化の間で、及びFIB−4スコア及びsCD14レベル(p=0.011)の間で、ならびに48週目に、APRI(p=0.028)及びFIB−4スコア(p=0.007)及びsCD14レベルの変化の間で、有意な相関が観察された(表10)。
【表10】
【0186】
結論:顕性肝疾患を有さないこの集団において、CVC処置は、APRI及びFIB−4スコアの改善と関連し、かつ48週目にAPRI及びFIB−4スコア及びsCD14レベルの変化の間に相関が観察された。動物モデルにおいて判明したCCR2/CCR5拮抗作用、抗線維効果、及び広範な臨床安全性データはすべて、肝線維症におけるCVCの臨床研究を裏付けた。
【0187】
実施例14:非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデルにおけるセニクリビロックのin vivo有効性研究
非アルコール性脂肪性肝炎のSTAM(商標)マウスモデルにおけるセニクリビロックの効果を検査するために、このin vivo有効性研究を行った。
【0188】
材料及び方法
実験設計及び処置
研究群
群1−ビヒクル:18匹のNASHマウスに、6週齢から1日2回(9:00及び19:00)、10mL/kgの体積でビヒクルを経口投与した。
【0189】
群2−セニクリビロック20mg/kg(低CVC):18匹のNASHマウスに、6
週齢から1日2回(9:00及び19:00)、10mL/kgの用量(20mg/kg/日)でセニクリビロックを補充したビヒクルを経口投与した。
【0190】
群3−セニクリビロック100mg/kg(高CVC):18匹のNASHマウスに、6週齢から1日2回(9:00及び19:00)、50mL/kgの用量(100mg/kg/日)でセニクリビロックを補充したビヒクルを経口投与した。
【0191】
表11に、処置スケジュールをまとめる:
【表11】
【0192】
結果
パート1:CVCの抗NASH/線維化効果を評価するための研究
9週目までの体重変化及び全身状態(
図9)
【0193】
処置期間中に、体重が徐々に増加した。処置期間中、ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間に平均体重に有意な差はなかった。本研究における動物のいずれも、は、処置期間を通じて、全身状態の悪化を示さなかった。
【0194】
9週目の屠殺日での体重(
図10A及び表12)
【0195】
ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、平均体重に有意な差はなかった(ビヒクル:18.9±3.3g、低CVC:19.5±2.0g、高CVC:18.7±0.9g)。
【表12】
【0196】
9週目での肝臓重量及び肝臓重量対体重比(
図10B及びCならびに表12)
【0197】
ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、平均肝臓重量に有意な差はなかった(ビヒクル:1270±326mg、低CVC:1334±99mg、高CVC:1307±119mg)。
【0198】
ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、平均での肝臓重量対体重比に有意な差はなかった(ビヒクル:6.6±0.8%、低CVC:6.9±1.0%、高CVC:7.0±0.8%)。
【0199】
9週目での全血及び生化学
全血糖データを、
図11A〜D及び表13において示す。
【0200】
ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、血糖値に有意な差はなかった(ビヒクル:590±108mg/dL、低CVC:585±91mg/dL、高CVC:585±91mg/dL)。4.4.2.血漿中ALT(
図11B、表14)。低CVC群及び高CVC群は、ビヒクル群と比較して、血漿中ALTレベルの有意な低下を示した(ビヒクル:133±80U/L、低CVC:58±12U/L、高CVC:52±13U/L)。
【表13】
【0201】
血漿中MCP−1データを
図11C及び表13において示す。高CVC群は、ビヒクル群と比較して、血漿中MCP−1レベルの有意な上昇を示した。ビヒクル群と低CVC群との間で、血漿中MCP−1レベルに有意な差はなかった(ビヒクル:60±4pg/mL、低CVC:68±16pg/mL、高CVC:91±14pg/mL)。
【0202】
血漿中MIP−1βデータを
図11D、表13において示す。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、血漿中MIP−1βレベルに有意な差はなかった(ビヒクル:18±5pg/mL、低CVC:18±2pg/mL、高CVC:20±4pg/mL)。
【0203】
9週目での肝臓生化学
肝臓トリグリセリド含有率データを
図11D及び表13において示す。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、肝臓トリグリセリド含有率に有意な差はなかった(ビヒクル:40.8±20.4mg/肝臓g、低CVC:48.5±16.1mg/肝臓g、高CVC:51.7±14.1mg/肝臓g)。
【0204】
肝臓ヒドロキシプロリン含有率データを
図11E及び表13において示す。肝臓ヒドロキシプロリン含有率は、ビヒクル群と比較して、低CVC及び高CVC群では低下する傾向があった(ビヒクル:0.75±0.18μg/mg、低CVC:0.63±0.05μg/mg、高CVC:0.62±0.09μg/mg)。
【0205】
9週目での組織学的分析
HE染色及びNAFLD活性スコアデータを
図12及び13、ならびに表15において示す。ビヒクル群からの肝臓切片は、重篤な小滴性及び大滴性脂肪沈着、肝細胞バルーニング、ならびに炎症性細胞浸潤を示した。低CVC及び高CVC群は、炎症性細胞浸潤及び肝細胞バルーニングの中等度の改善を、ビヒクル群と比較してNASの有意な低減と共に示した(ビヒクル:5.3±0.5、低CVC:4.0±0.6、高CVC:3.7±0.8)。HE染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図12において示す。
【表14】
【0206】
シリウスレッド染色データを
図14、15、及び16、ならびに表15において示す。ビヒクル群からの肝臓切片は、肝臓小葉の中心周囲領域においてコラーゲン沈着を示した。ビヒクル群と比較して、低CVC及び高CVC群では、中心周囲領域におけるコラーゲン沈着が顕著に減少した。線維化面積(シリウスレッド陽性面積)は、ビヒクル群と比較して、低CVC及び高CVC群では有意に減少した(ビヒクル:1.10±0.31%、低CVC:0.66±0.16%、高CVC:0.64±0.19%)。変性線維化面積も、ビヒクル群と比較して、低CVC及び高CVC群では有意に減少した(ビヒクル:0.61±0.23%、低CVC:0.29±0.14%、高CVC:0.20±0.06%)。
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【0207】
肝臓のシリウスレッド染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図14において示す。
【0208】
F4/80免疫組織化学データを
図15及び16、ならびに表15において示す。ビヒクル群からの肝臓切片のF4/80免疫染色は、肝臓小葉におけるF4/80+細胞の蓄積を実証した。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、F4/80+細胞の数及びサイズに、さらには、炎症面積(F4/80陽性面積)のパーセンテージに有意な差はなかった(ビヒクル:4.99±1.10%、低CVC:4.77±1.02%、高CVC:4.96±0.60%)。
【0209】
F4/80−免疫染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図15において示す。
【0210】
F4/80+CD206+及びF4/80+CD16/32+免疫組織化学データを
図17〜21、及び表15)において示す。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、マクロファージにおけるF4/80+CD206+細胞のパーセンテージに有意な差はなかった(ビヒクル:34.3±4.2%、低CVC:34.7±6.3%、高CVC:33.1±3.0%)。ビヒクル群と低CVC群との間で、マクロファージにおけるF4/80+CD16/32+細胞のパーセンテージに有意な差はなかった。
F4/80+CD16/32+細胞のパーセンテージは、ビヒクルと比較して、高CVC群では上昇する傾向があった(ビヒクル:33.5±3.7%、低CVC:38.7±7.6%、高CVC:41.5±8.2%)。ビヒクル群と低CVC群との間で、M1/M2比に有意な差はなかった。高CVC群では、M1/M2比は、ビヒクルと比較して上昇する傾向があった(ビヒクル:99.6±20.2%、低CVC:112.3±17.0%、高CVC:125.1±21.9%)。
【0211】
F4/80及びCD206、F4/80及びCD16/32二重免疫染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図17及び19において示す。
【0212】
オイルレッド染色データを、
図22、23、及び表15において示す。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、脂肪沈着に、さらに、脂肪沈着面積(オイル陽性面積)のパーセンテージに有意な差はなかった(ビヒクル:9.66±5.02%、低CVC:6.51±3.88%、高CVC:7.23±3.59%)。
【0213】
オイルレッド染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図22において示す。
【0214】
TUNEL染色データを
図23、25、及び表15において示す。TUNEL陽性細胞のパーセンテージが、ビヒクル群と比較して、低CVC群では有意に上昇した。ビヒクル群と高CVC群との間で、TUNEL陽性細胞のパーセンテージに有意な差はなかった(ビヒクル:36.0±3.7%、低CVC:43.3±2.9%、高CVC:39.0±5.3%)。
【0215】
肝臓におけるTUNEL陽性細胞の代表的な顕微鏡写真を
図24において示す。
【0216】
9週目での遺伝子発現分析のデータを
図26及び表16〜17において示す。
【表16】
【表17】
【0217】
TNFα
ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、TNFα mRNA発現レベルに有意な差はなかった(ビヒクル:1.00±0.24、低CVC:1.16±0.39、高CVC:1.09±0.23)。
【0218】
MCP−1
ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間でMCP−1 mRNAに有意な差はなかった(ビヒクル:1.00±0.31、低CVC:1.05±0.50、高CVC:1.00±0.53)。
【0219】
コラーゲン1型
コラーゲン1型mRNA発現レベルは、ビヒクル群と比較して、低CVC群で有意にダウンレギュレートされた。コラーゲン1型mRNA発現レベルは、ビヒクル群と比較して、高CVC群でダウンレギュレートされる傾向があった(ビヒクル:1.00±0.42、低CVC:0.63±0.10、高CVC:0.73±0.04)。
【0220】
TIMP−1
ビヒクル群と、低CVC及び高CVC群との間で、TIMP−1 mRNA発現レベルに有意な差はなかった(ビヒクル:1.00±0.46、低CVC:0.75±0.32、高CVC:0.80±0.20)。
【0221】
パート2:CVCの抗HCC効果を評価するための研究
18週までの体重変化(
図28)
処置期間中に、体重は徐々に増加した。処置期間中に、ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、平均体重に有意な差はなかった。
【0222】
生存分析データを
図29において示す。ビヒクル群では、12匹のマウスのうちの4匹が59日目(ID112)、75日目(ID113、115)、及び84日目(ID116)に死亡した(最初の投与日を0日目と指定した)。低CVC群では、12匹のマウスのうちの6匹が62日目(ID209)、64日目(ID217)、75日目(ID212)、76日目(ID213)、84日目(ID215)、及び86日目(ID208)において死亡した。高CVC群では、12匹のマウスのうちの5匹が62日目(ID317)、65日目(ID312)、70日目(ID316)、78日目(ID314)、及び85日目(ID309)に死亡した。NASHの典型的な肝病変を除いて、死亡した動物に異常な死検所見はなかった。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、生存率に有意な差はなかった。委託者の指示によって、残りの動物を、予定されていたよりも早く18週齢で屠殺した(20週齢での屠殺が予定されていた)。
【0223】
18週目での屠殺日での体重データを
図30A及び表18において示す。体重は、ビヒクル群と比較して、高CVC群では減少する傾向があった。ビヒクル群と低CVC群との間で、平均体重に有意な差はなかった(ビヒクル:23.0±2.3g、低CVC:22.9±3.5g、高CVC:20.8±2.7g)。
【表18】
【0224】
18週目での肝臓重量及び肝臓重量対体重比のデータを
図30B及びC、ならびに表18において示す。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、平均肝臓重量に有意な差はなかった(ビヒクル:1782±558mg、低CVC:1837±410mg、高CVC:1817±446mg)。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、平均肝臓重量対体重比に有意な差はなかった(ビヒクル:7.7±2.2%、低CVC:8.3±2.8%、高CVC:8.8±2.3%)。
【0225】
18週目での肝臓の肉眼分析
肝臓の肉眼での外観を
図31A〜Cにおいて示す。
【0226】
肝臓表面上で形成された可視腫瘍結節の数を
図32及び表29において示す。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、個々のマウス当たりの肝腫瘍結節の数に有意な差はなかった(ビヒクル:2.4±4.1、低CVC:1.5±1.9、高CVC:3.6±2.5)。
【表19】
【0227】
肝臓表面上で形成された可視腫瘍結節の最大直径を
図33及び表19において示す。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、腫瘍の最大直径に有意な差はなかった(ビヒクル:4.0±4.7mm、低CVC:4.8±5.4mm、高CVC:5.3±5.1mm)。
【0228】
18週目での組織学的分析
HE染色データを
図34において示す。ビヒクル群では、HE染色によって、炎症性細胞の浸潤、小滴性及び大滴性脂肪沈着、肝細胞バルーニング、変性病巣、及び小結節性病変が明らかになった。ビヒクル群における8匹のマウスのうちの6匹が、HCC病変を示した。HCC病変が、低CVC群では6匹のマウスのうちの5匹で、かつ高CVC群では7匹のマウスのうちの6匹で検出された。ビヒクル群と、低CVCまたは高CVC群のいずれかとの間で、明白な差は見い出されなかった。
【0229】
HE染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図34において示す。
【0230】
GS免疫組織化学データを
図35において示す。切片中のGS陽性結節がそれぞれ、ビヒクル群では8匹のマウスのうちの6匹で、低CVC群では6匹のマウスのうちの5匹で、かつ高CVC群では7匹のマウスのうちの7匹で検出された。
【0231】
GS染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図35において示す。
【0232】
CD31免疫組織化学データを
図36及び37、ならびに表20において示す。CD31陽性面積は、ビヒクル群と比較して、低CVC群では減少する傾向があった。CD31陽性面積は、ビヒクル群と比較して、高CVC群では増加する傾向があった(ビヒクル:2.71±1.36%、低CVC:1.47±1.10%、高CVC:3.68±1.37%)。
【0233】
CD31染色切片の代表的な顕微鏡写真を
図36において示す。
【表20】
【0234】
【表21】
【0235】
概要及び考察
9週目での分析では、低用量及び高用量のCVCでの処置は、用量依存的に線維化面積を有意に減少させ、本研究において、CVCの抗線維化作用を実証した。低用量及び高用
量のCVCでの処置はまた、コラーゲン1型のmRNA発現レベル及び肝臓ヒドロキシプロリン含有率を減少させ、その抗線維化特性を裏付けた。CVC処置群は、用量依存的に、ビヒクル群と比較して、血漿中ALTレベル及びNASを有意に減少させた。NASの改善は、小葉炎症及び肝細胞バルーニングの低減に帰することができた。肝細胞バルーニングは、酸化ストレス誘発性肝細胞損傷に由来し、かつNASHの疾患進行に関連するので[26;27]、肝細胞損傷及びバルーニングを阻害することによって、CVCがNASHの病状を改善したことが強く示唆される。同時に、CVCは、この研究において、潜在的な抗NASH及び肝臓保護効果を有する。
【0236】
ヒトにおいて示されたとおり、本研究において、血漿中MCP−1レベルが、CVCでの処置によって上昇し、CVCによるCCR2の用量依存的拮抗作用を示したが、血漿中MIP−1βレベルは、その処置によって何らの有意な変化を示さなかった。CVCの作用機序を調査するために、本発明者らは、マクロファージ集団に対するCVCの効果を評価した。先行する結果は、CVCが、ビヒクル群と比較して、高いM1/M2比の傾向を示すことを実証し、炎症を起こした肝臓においてマクロファージ分集団のバランスを調節することによって、CVCが線維形成を阻害したのであろうことを示唆した。これは、将来さらに調査されるであろう。
【0237】
18週目での分析では、CVC処置群では、NASH由来HCCに対する効果は観察されなかった。結論として、CVCは、本研究において抗NASH、肝臓保護、及び抗線維化効果を示した。
【0238】
実施例15:HIV−1感染成人対象における長期有効性データ
研究202の有効性結果
研究の設計及び目的
米国特許出願第61/968,829号及び同第62/024,713号(両方とも、それらの全体がすべての目的について、参照によって本明細書に組み込まれる)において記載されているとおり、承認済みの抗レトロウイルス薬エファビレンツ(EFV、Sustiva(登録商標))と比較して、CVC100mg及びCVC200mgの有効性及び安全性を評価する無作為化二重盲検ダブルダミー48週間比較研究(研究202)の分析は、CVC投与が抗線維化効果を有することを示した。
【0239】
炎症のバイオマーカー
探査分析として、炎症性バイオマーカーであるMCP−1、sCD14、高感度C反応性タンパク質[hs−CRP]、インターロイキン−6[IL−6]、D二量体、及びフィブリノーゲン)のレベルを測定した。MCP−1、sCD14、hs−CRP、IL−6、D二量体、及びフィブリノーゲンの基線値ならびに24週目及び48週目での基線からの変化を表22においてまとめる。
【表22-1】
【表22-2】
【0240】
CVCでは、CCR2のリガンドであるMCP−1の経時的増大において、用量反応が観察されたが、EFVアームでは、MCP−1は、基線値のままであった(
図38を参照されたい)。24週目及び48週目で、EFV及びCVC100mg及びCVC200mg処置アームの間での血漿中MCP−1の基線からの変化の差は、統計的に有意であった(p<0.001)(表22を参照されたい)。
【0241】
加えて、両方のCVC処置アームでは、sCD14(繰り返しsCD14分析の直線的混合モデル分析、下記を参照されたい)について、48週間の処置にわたる減少が観察されたが、EFVアームでは、同じ観察期間中に、sCD14について、増大が観察された(
図39を参照されたい)。可溶性CD14は、単球活性化のバイオマーカーであり、かつ独立に、HIV感染患者における大規模長期コホート研究において、罹患率及び死亡率に、また、慢性ウイルス性肝炎を有する患者及び重篤な肝線維症を有する患者における劣悪な臨床結果に関連している。
【0242】
sCD14サンプルを初めは、2つの別々のバッチで分析した:バッチ1は、24週目の一次分析までのサンプルを含み、バッチ2は、32週週目及び48週週目(研究の終了)サンプルを含んだ。それらの2バッチ分析からの、基線からのsCD14の変化についての結果を表22において示す。1バッチで分析されたすべての保存サンプルの繰り返し分析を、時点全体の分析で一致性のために行った。共変数の作用について調整するために、直線的混合モデル繰り返し測定分析を、sCD14の基線からの変化で行った(2013年9月付の分析)。CVC200mgアームでの基線から32週目までの変化を除いては、48週間の処置にわたって両方の用量(100及び200mg)においてCVCで観察されたsCD14レベルの低下(LS平均)は、EFVで観察された上昇と比較して統計的に有意であった(p<0.05)(表23及び
図39を参照されたい)。
【表23】
【0243】
炎症の他のバイオマーカー(hs−CRP、IL−6、D二量体)の変化は、CVC及びEFV処置群で同様であった。
【0244】
APRI及びFIB−4スコア
さらに、厳格な適格基準(HIV−1感染があり、ALT/ASTグレード≧2、総ビリルビン>ULN、HBV及び/もしくはHCV、活動性または慢性肝疾患、硬変またはBMI>35kg/m2を有さない)によれば顕性肝疾患を有さない対象を登録したこの研究からのデータの事後分析では、すべてのCVC処置対象の≧10%において、標準的な生化学値、血小板、ALT、AST、及び年齢(FIB−4)スコアと合わせて、AST対血小板比指数(APRI)及び非侵襲的肝線維症指数スコアの改善が経時的に観察された(CVC100mg及び200mgについて貯留したデータ)(
図40)。EFVアームでは、24週目では対象の5%及び48週目では対象の6%が、基線から1カテゴリーのAPRIスコアの低下を有した;EFVで処置された対象では、FIB−4スコアを1カテゴリー低下させた対象はおらず、すべての対象が基線で<1.45のスコアを有した。
【0245】
上述のとおり、この研究では、CVCはまた、単球活性化の重要なマーカーであるsCD14に対して有意な効果を有した。上記の同じ事後分析において、24週目のCVC処置対象ではFIB−4スコアとsCD14レベルとの変化の間で、かつ48週目でのAPRI及びFIB−4スコアと、sCD14レベルとの変化の間で、統計的に有意な相関が観察された。48週目の結果を
図41及び
図42において示す。
【0246】
1000mg/kg/日の高用量では、顕微鏡評価によると、臨床病理パラメーターまたは肝臓を含むいずれの組織においても炎症の指標は見られず、慢性(3及び9カ月)サル毒性研究における血漿中MCP−1レベルは、対照の約5倍であった。
【0247】
実際に、NASHのマウスモデルにおいて観察された100mg/kg/日用量でのCVCの抗線維化効果が、血漿中MCP−1レベルの有意な上昇と併せて見られた。加えて、有意で持続的なMCP−1上昇にも関わらず、48週間にわたってCVC処置対象において観察されたAPRI及びFIB−4線維化指数スコアの改善が起こった。この研究ではまた、最高48週間にわたってCVC100mg及び200mgで処置された115人の対象において、CVCは一般に、忍容性が良好であった。
【0248】
1年目及び2年目にNAS及び肝線維症段階(NASH CRNシステム及びIsha
k)における変化を組織学によって評価することとなる。肝臓生検材料でのコラーゲンの形態計測定量的評価の変化も、評価することとなる。CVC処置で観察される長期MCP−1上昇が、NASHによる肝線維症を有する対象において潜在的なリスクをもたらすか否かを決定するために、有効性終点とMCP−1血漿レベルとの間の相関を評価することとなる。
【0249】
実施例16:炎症及び免疫機能のバイオマーカー
CVCでは、MCP−1、単球上に存在するケモカイン受容体であるCCR2のリガンドの経時的な上昇において、用量反応を観察したが、EFVアームでは、MCP−1は基線値にとどまった。EFV及びCVC100mg及びCVC200mg処置アームの間での血漿中MCP−1の基線からの変化の差は、24週目及び48週目で統計的に有意であり、CVCによる有効で用量依存的なCCR2遮断を示唆した。さらに、両方のCVC処置アームで、単球活性化のバイオマーカー及びHIV感染における死亡率の独立予測因子であるsCD14について、最初の24週間にわたって低下が観察されたが、EFVアームでは、同じ観察期間中にsCD14について上昇が観察された。CVC処置対象では、24週間〜48週間の間に、sCD14レベルは基線値に戻ったが、EFV処置対象では上昇し続けた。CVCアームとEFVアームとの間での基線からの変化の差は、24週目及び48週目で、ならびに繰り返し分析における48週目でも、統計的に有意であった(p<0.001)。これらの結果は、単球活性化を低下させることに対するCVCの潜在的な効果を示している。
【0250】
他の炎症性バイオマーカー(hs−CRP、フィブリノーゲン、IL−6、及びD二量体)及び免疫機能のバイオマーカー(CD4+T細胞またはCD8+T細胞での総CD38+発現及び総HLA DR+発現)では、基線からの変化において、処置アームの間で、有意な差は観察されなかった。
【0251】
実施例17:NASHにおける肝組織学的改善を評価するためのCVCの研究
CVCが抗炎症及び抗線維化活性を有し、かつ一般に忍容性が良好であることを示す非臨床及び臨床データに基づき、Tobiraは、NASHによる肝線維症を有する対象でのフェーズ2試験において、CVCを調査することを計画している。このフェーズ2試験は、2型糖尿病(T2DM)、National Cholesterol Education Program(NCEP)が定義するとおりの代謝症候群(MS)の少なくとも1つの判定基準と共に高い肥満指数(BMI)(>25kg/m2)、架橋線維症、及び/または確定NASH(NAS≧5)を含む少なくとも1つの寄与因子の存在によって、疾患進行のリスクを有する、肝線維症を有する成人対象において、NASHを処置するためのCVCの有効性を評価することとなる。
【0252】
フェーズ2試験は、この重篤な状態を処置し、かつNASHによる肝線維症を有する患者の未だ対処されていない重大な医学的必要性に対処するCVCの可能性を評価するために設計される。この試験は、NASHによる肝線維症を有する対象において、プラセボと比較した場合の、CVC150mgの有効性及び安全性を評価するために設計されている無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。試験個体群は、疾患進行のリスクを有する、NASH(NAS≧4)による肝線維症(NASH Clinical Research Network [CRN] Stage 1〜3)を有する対象からなる。
【0253】
次の検討事項に基づき試験652−2−203において、CVC150mg(DP7製剤)の用量を、肝線維症を有する対象のNASHの処置について評価することとなる:
【0254】
CVCは、CCR2及びCCR5補助受容体のその拮抗作用、ならびに肝損傷部位への炎症誘発性単球の動員、遊走、及び浸潤に対して生じる作用によって主に、抗炎症及び抗
線維化活性の両方をもたらすと予測される。したがって、この試験において使用するための用量を選択するための基本的な検討事項は、CVC血漿曝露がCCR2及びCCR5のほぼ最大の拮抗作用を得るために十分であることを保証することである。
【0255】
CVCによるCCR2及びCCR5拮抗作用は、in vitro及びex vivo研究で、かつHIV−1感染の処置におけるCVCの2つの臨床試験(フェーズ2a試験652−2−201及びフェーズ2b試験652−2−202)において評価されている。それぞれの場合において、CCR2及びCCR5の有効で、濃度依存的拮抗作用が観察された。これらの2つのフェーズ2試験ではそれぞれ、血漿中MCP−1(CCR2のリガンド)濃度の基線からの変化、及び血漿中HIV−RNAの変化(CCR5補助受容体がHIV登録のために必要とされた)を測定することによって、CCR2及びCCR5拮抗作用の臨床的証拠が確立された。
【0256】
試験652−2−202では、CVC100mg及びCVC200mg(DP6製剤)の用量を、115人のHIV−1感染対象で最高48週間にわたって評価し(CVC摂取の平均[SE]期間:41.1[1.33]週間)、それらが、HIV感染の処置において有効であり、かつ忍容性が良好であることが見出された。CVC血漿中濃度の上昇がウイルス学的結果の改善と相関することを示す曝露−応答分析に基づき、CVC200mgは、フェーズ3試験においてHIV感染を処置するための抗ウイルス薬としてCVCをさらに評価するために適した用量と判断された。
【0257】
しかしながら、CVCを同じ投薬条件下で投与した場合に、CVC血漿曝露が、HIV感染対象と比較して、非HIV感染の健康なボランティア対象において高いようである(試験652−1−111、652−1−110、652−2−202)。試験652 2 203では、肝線維症を有する対象においてNASHを処置するために、CVC150mgの用量を評価することとなる。参照した利用可能なデータに基づき、この用量は、治療関連範囲にあると判断され、かつNASH及び肝線維症を有する対象において、試験652−2−202において評価され、かつ有効なCCR2及びCCR5拮抗作用をもたらすことが見出されたCVC200mgの曝露に匹敵する曝露をもたらすと予測される。
【0258】
合計250人の対象(1処置アーム当たり125人の対象)を計画し、かつ総治験薬投与期間は2年となる。試験集団には、≧1寄与因子(複数可)の存在によって疾患進行の高いリスクを有する、NASH(NAS≧4)及び肝線維症(Stages1〜3[NASH CRNシステム])を有する対象が含まれることとなる:
【0259】
2型糖尿病の文書化された証拠
【0260】
NCEPが定義するとおりの次の代謝症候群基準の少なくとも1つを伴う高いBMI(>25kg/m2):
【0261】
中心性肥満:≧102cmまたは40インチ(男性)、≧88cmまたは35インチ(女性)の腹囲
【0262】
脂質異常症:TG≧1.7mmol/L(150mg/dL)
【0263】
脂質異常症:HDL−コレステロール<40mg/dL(男性)、<50mg/dL(女性)
【0264】
血圧≧130/85mmHg(または高血圧により治療中)
【0265】
空腹時血漿中グルコース≧6.1mmol/L(110mg/dL);または
【0266】
架橋線維症(NASH CRN Stage 3)及び/または確定NASH(NAS≧5)。
【0267】
2つの処置期間が存在することとなる。処置期間1は、1年間にわたる二重盲検無作為化処置(CVC150mgまたはマッチングプラセボ)からなる。対象及び治験責任医師は期間1の間、処置の割り当てについて知らないままとなる。処置期間2の間、CVC150mgに初めに無作為化された対象は、さらに1年間にわたってその処置を受けることとなり、プラセボに初めに無作為化された対象は、プラセボからCVC150mgに移行することとなる。
【0268】
対象に、2年間にわたって1日1回(QD)治験薬を投与することとなる。その試験は、2つの処置期間を含む:処置期間1(1年目)及び処置期間2(2年目)。適格な対象を、処置の1年目(処置期間1)の間、CVC(n=126)またはマッチングプラセボ(n=126)を投与するために割り当てることとなる。処置期間2では、プラセボ処置対象の半数(基線で無作為化)はCVCに移行し、もう半数は、処置の2年目にわたってプラセボに留まることとなる。基線(1日目)で、スクリーニング評価に従って、スクリーニング(4または≧5)及び線維化ステージ(≦2または>2)でNASによって層別された順列ブロック無作為化を使用して、適格対象を処置アームに割り当てることとなる。適格な対象を、2:1:1の比で、
図24において示すとおりの次の3つの処置アームの1つに、無作為化することとなる。
【表24】
【0269】
CVC及びマッチングプラセボを、二重盲検治験薬として投与することとなる。治験薬(CVC/マッチングプラセボ)は、食事と共に毎朝服用されるべきである。
【0270】
処置期間2を開始する前に、処置期間1の終了前1か月以内に、一次終点(1年目)生検を行う必要がある。治験薬での処置の終了前1か月以内に、最終(2年目)生検を行う必要がある。
【0271】
最高20人の対象が無作為化及び処置され、安全性データがData Monitoring Committee(DMC)によって調査されるまでは、限られた数の場所で、登録を開始することとなる。第1のDMC調査は、最初の対象が登録されてから3カ月以内か、または最高20人の対象が無作為化され、かつ少なくとも10人の対象が1か月にわたって処置を受けるかの、いずれか早い方で行われることとなる。DMCがこれらの最初の10〜20人の対象について安全性データを評価し、かつ試験を継続し得ると決定したら、残りの試験対象のその後の登録を行う。
【0272】
処置期間1の間に、すべての対象は、1か月目の2週目及び4週目に安全性評価を受けることとなる。加えて、最初の20人の対象は、1か月目の1週目及び3週目に安全性評
価を受けることとなる。すべての対象は、2か月目には2週毎の来院評価、3〜6ヶ月目ならびに8、10、及び12か月目には月1回の来院評価を受けることとなる。処置期間2の間に、対象は、13〜15か月目ならびに18、21、及び24か月目に月1回の来院評価を受けることとなる。
【0273】
重要な評価
試験中:
【0274】
第1終点(1年目:処置期間1の終了前1か月以内で、処置期間2の開始前)、及び2年目(処置の終了前1か月以内)に、スクリーニングで、肝臓生検材料を採取することとなる。
【0275】
炎症誘発性サイトカイン、炎症のバイオマーカー、肝細胞アポトーシスのバイオマーカー、細菌移行のバイオマーカー、空腹時代謝パラメーター、腎臓パラメーター、及びeGFRを、基線ならびに3、6、12、15、18、及び24カ月目に測定することとなる。
【0276】
利用可能な場所では、非侵襲的肝臓イメージング(例えば、超音波トランジェントエラストグラフィー[TE]、二次元磁気共鳴エラストグラフィー[MRE]、音響放射圧インパルス[ARFI])の評価を基線ならびに6、12、18、及び24か月目に行うこととなる。
【0277】
CVCでの薬物動態サンプルを、基線(処置開始直前の投与前サンプル)、0.5、3、及び15か月目(投与前及び投与後少なくとも1時間)、及び6、12、18、及び24カ月目(投与前)に収集することとなる。
【0278】
体重、腹囲、腰囲、腕囲、及び上腕三頭筋皮下脂肪を、基線ならびに3、6、12、15、18、及び24か月目に行うこととなる。身長をスクリーニング時及び12か月目に行うこととなる。
【0279】
理学的検査及び実験室分析を来院ごとに行うこととなる。ECGを、基線ならびに3、6、12、15、18、及び24か月目に行うこととなる。
【0280】
有害事象及び随伴薬物を、来院ごとに評価することとなる。
【0281】
インフォームドコンセント、ならびにNASH、肝線維症、及び肝臓生検手順についての患者用教材を、スクリーニングのための来院時に見直すこととなる。
【0282】
治験薬日誌を治験薬の分配と同時に、各対象に提供することとなる。その日誌を、すべての処置中の来院時及び早期中止来院時に見直すこととなる。
【0283】
対象は、試験後追跡評価のために、最後の処置を受けてから1か月後に、診療所を再訪することとなる。
【0284】
試験の一次有効性目標は、1つより多いカテゴリーの少なくとも1ポイントの改善を伴い、かつ線維化段階の同時悪化(架橋線維症または硬変への進行として悪化は定義される)を伴わないNASの最低2ポイントの改善によって定義される、スクリーニング生検に対する1年目での非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)活性スコア(NAS)の肝組織学的改善の評価である。
【0285】
二次有効性目標には、2年目での、線維化段階の同時悪化(架橋線維症または硬変への進行として定義される悪化)を伴わないNASHの解消;1年目での、線維化段階の同時悪化(架橋線維症または硬変への進行として定義される悪化)を伴わないNASHの解消;肝線維症を有する成人対象におけるNASHの処置の1年間及び2年間にわたるCVCの安全性及び耐容性;個体群PK分析におけるCVCの血漿中PKの特性決定;2年目での、1つより多いカテゴリーの少なくとも1ポイント改善を伴い、かつ線維化段階の同時悪化(架橋線維症または硬変への進行として定義される悪化)を伴わないNASの最低2ポイントの改善によって定義されるNASにおける肝組織学的改善の評価;1年目及び2年目での、肝臓生検材料での形態測定定量的コラーゲンの変化によって決定されるとおりの、肝線維症を有する成人対象におけるプラセボに対するCVCの有効性の評価;1年目及び2年目での組織学的線維症ステージ(非アルコール性脂肪性肝炎臨床研究ネットワーク[NASH CRN]システム及びIshak)の変化の評価;1年目及び2年目での肝組織線維形成性タンパク質(アルファ−平滑筋アクチン[α−SMA])における変化の評価;3、6、12、15、18、及び24か月目での非侵襲的肝線維化マーカー(APRI、FIB−4、ヒアルロン酸、FibroTest(FibroSure)、NAFLD線維症スコア[NFS]及び増強肝線維症検査[ELF])における基線からの変化の評価;1年目及び2年目での肝細胞アポトーシスのバイオマーカーにおける基線からの変化の評価;3、6、12、15、18、及び24か月目での肝臓パラメーター及び空腹時代謝パラメーターにおける基線からの変化の評価;3、6、12、15、18、及び24カ月目での体重、BMI、腹囲、胴−腰比、腕囲、及び上腕三頭筋皮下脂肪における基線からの変化の評価が含まれる。
【0286】
三次目的には、6、12、18、及び24か月目での(利用可能な場所では)非侵襲的肝臓イメージング法(例えば、超音波トランジェントエラストグラフィー[TE]、二次元磁気共鳴エラストグラフィー[MRE]、音響放射圧インパルス[ARFI])における基線からの変化の評価;3、6、12、15、18、及び24か月目での炎症の炎症誘発性サイトカイン及びバイオマーカーにおける基線からの変化;3、6、12、15、18、及び24カ月目での推定糸球体濾過率(eGFR)及び腎臓パラメーターにおける基線からの変化;ならびに3、6、12、15、18、及び24か月目での細菌移行に関連するバイオマーカーにおける基線からの変化が含まれる。
【0287】
実施例18:線維症の処置におけるCVC併用療法の評価
この非臨床研究は、線維症の処置において、CVCを単独で、またはFXRアゴニストもしくはPPAR−α及び−δアゴニストと組み合わせて用いる処置を評価することを目的とする。簡単には、CVCを、単独か(22週間、8週間、及び4週間)、または4週間にわたって同期でFXRアゴニストもしくはPPAR−αアゴニストのいずれかと組み合わせるかのいずれかで投与することとなる。この研究を、NASHのCDAAマウスモデルにおいて行うこととなる。
図43は、この試験において使用することとなる種々の処置群を示している。
【0288】
一次目的は、ビヒクル対照またはCVCでの野生型マウスの処置を、CCR2−/−マウスに対して比較することである(標準固型飼料対CDAA食、22週間にわたって投与)。
【0289】
二次目的は、CDAA食のみを与えられたマウスにおいて研究することとなる。本発明者らは、CVCの22週間の処置を、8週間の処置(14〜22週目)及び4週間の処置(18〜22週目)での処置と比較することとなる。さらに、本発明者らは、CVCのみ対FXRアゴニストのみ対PPAR−α及び−δのみ対CVC及びFXRアゴニスト(GW4064)対CVC及びPPAR−αアゴニスト(GW7647)での4週間(18〜22週目)の処置を比較することとなる。
【0290】
実施例19:セニクリビロック及びピオグリタゾン同時投与は、健康な対象において好ましい薬物動態及び安全性を示す
背景:セニクリビロック(CVC)は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び肝線維症を有する成人におけるフェーズ2b試験において評価された有効な経口1日1回用二重CCR2/CCR5アンタゴニストである。ピオグリタゾン(PGZ)は、2型糖尿病を有する患者において使用されるPPARγアゴニストであり、かつNASHを有する対象において利点を示している。いずれの薬物も、CYP2C8及びCYP3A4によって代謝され、CVCを、PGZまたは他の抗糖尿病薬と共に投与してよい。
【0291】
方法:このフェーズ1、多回用量オープンラベル、3ピリオド固定シーケンスクロスオーバー試験では、健康な対象において、単独または併用で使用されるCVC及びPGZのPK及び安全性/耐容性を評価した。10日の処置期間は、A:CVC150mg QD;B:PGX45mg QD;C:CVC150mg及びPGZ45mg QDからなった。対象(n=20)を処置シーケンスA/B/C(n=10)またはB/A/C(n=10)に無作為化し、A及びBの間に、10日の休薬期間を設けた。CVC、PGZ、ならびにその活性な代謝産物M−III及びM−IVの定常状態PKを評価した。血漿サンプルを、各投与の前、及び各処置期間の終了時に24時間にわたって収集した。非コンパートメント法を使用して、C
max、C
min、t
max、及びAUC
0−tauを決定した。相乗平均、GMR、及びCIを計算した。
【0292】
結果:CVC及びPGZ曝露は、両方の薬物を同時投与した場合に、やや低く、両方の薬物で定常状態C
max及びAUC
0−tauがわずかに低下したが、C
minは変化しないままであった;両方の薬物でGMRは、≧0.80であった。PGS M−II及びM−IV代謝産物に対する同時投与の効果は、明白なほどではなく、3つのPKパラメーターすべてで、0.80〜1.25の「効果なし」の範囲内の、全身曝露比についての90%CIを伴った(データは図示せず)。併用処置は、忍容性が良好であり、重篤なAEまたは中止に至るAEはなかった。すべてのAEが、軽度の重症度のAEであり、最も共通して報告された2つは、頭痛及び倦怠であった。
【0293】
結論:CVC及びPGZの同時投与は、忍容性が良好であり、臨床的に有意とは判断されないわずかな相互作用をもたらし、これは、両方の薬物を併用する場合に、用量調節が必要ないことを示唆している。
【0294】
本明細書の詳細な記載は、本発明の様々な態様及び実施形態を記載しているが、しかしながら、別段の指定がない限り、それらのいずれも、限定を意図したものではない。実際に、本開示を読んだ当業者であれば、本発明の範囲及び意図から逸脱することなく成すことができる変形、改変、及び調整を構想するであろうし、それらはすべて、別段の指定がない限り、本発明の一部であると判断されるべきである。したがって、本出願人は、本明細書に記載の本発明が、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを構想している。
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