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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-197005(P2020-197005A)
(43)【公開日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】折り曲げ機構及びハンドリング装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/08 20060101AFI20201113BHJP
   B02C 1/06 20060101ALI20201113BHJP
   B02C 21/02 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
   E04G23/08 A
   B02C1/06
   B02C21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-101989(P2019-101989)
(22)【出願日】2019年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】小川 達也
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 豊
【テーマコード(参考)】
2E176
4D063
4D067
【Fターム(参考)】
2E176DD01
2E176DD03
4D063AA13
4D063GA10
4D067DD04
(57)【要約】
【課題】ハンドリング装置を低いスペース内に折り曲げ可能とする折り曲げ機構を提供する。
【解決手段】折り曲げ機構300は、アーム部16に支持され、第1挿通孔311を有する第1接続部材302と、ブーム部14に支持され、第2挿通孔321を有する第2接続部材304と、第1接続部材302と第2接続部材304とを回動可能に固定する固定軸部材306と、を備え、第1挿通孔311と第2挿通孔321とが同軸に一致したときに第1挿通孔311と第2挿通孔321に挿入可能な挿入軸部材が設けられている。第1接続部材302と第2接続部材304とは、挿入軸部材が第1挿通孔311と第2挿通孔321とに挿入された第1配置と、挿入軸部材が第1挿通孔311と第2挿通孔321とに挿入されない第2配置とを選択可能に設けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材に支持され、第1挿通孔を有する第1接続部材と、
第2部材に支持され、第2挿通孔を有する第2接続部材と、
前記第1接続部材と前記第2接続部材とを回動可能に固定する固定軸部材と、
を備え、
前記第1接続部材と前記第2接続部材とが相対的に回動して前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とが同軸に一致したときに前記第1挿通孔と前記第2挿通孔に挿入可能な挿入軸部材が設けられ、
前記第1接続部材と前記第2接続部材とは、前記挿入軸部材が前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とに挿入される第1配置と、前記挿入軸部材が前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とに挿入されない第2配置とが選択可能に設けられる、
折り曲げ機構。
【請求項2】
前記第1接続部材と前記第2接続部材の少なくとも一方には、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔が同軸になる配置で前記第1接続部材と前記第2接続部材の相対的な回動を規制する第1係止部材が設けられている、
請求項1に記載の折り曲げ機構。
【請求項3】
前記第1接続部材と前記第2接続部材の少なくとも一方には、所定の前記第2配置で前記第1接続部材と前記第2接続部材の相対的な回動を規制する第2係止部材が設けられている、
請求項1又は2に記載の折り曲げ機構。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の折り曲げ機構を備えたハンドリング装置であって、
旋回可能に設けられたブーム部と、
前記ブーム部に接続され、前記ブーム部に対する姿勢を変更するアーム部と、
前記アーム部の先端に取り付けられ、物体に対して作業するための作業用治具をハンドリング可能に構成されたアタッチメント部と、
を備え、
前記第1部材は前記アーム部であり、前記第2部材は前記ブーム部であり、
前記アーム部の所定の位置には前記第1接続部材が支持され、前記ブーム部の先端には該第1接続部材に回動可能に固定される前記第2接続部材が支持された、
ハンドリング装置。
【請求項5】
前記ブーム部の基端側には、前記ブーム部を駆動する駆動部が設けられ、
前記ブーム部の基端に支持される別の前記第1接続部材が設けられ、
前記ブーム部の基端に支持される前記別の第1接続部材に回動可能に固定される別の前記第2接続部材が前記駆動部に支持されている、
請求項4に記載のハンドリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り曲げ機構及びハンドリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等の建築物の解体の際には、懸垂型のハンドリング装置が用いられる。懸垂型のハンドリング装置は、切断用具、把持用具等の作業用治具をクレーン等の懸垂装置で吊り下げた状態で使用される装置である。切断用具としては、大型解体重機を改造したものが挙げられる。把持用具としては、グラブバケットが挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、揚重機に懸垂支持され、自身の鉛直軸回りの旋回方向を調整する旋回手段を有する駆動・制御ユニット部と、駆動・制御ユニット部の下部に鉛直軸回りに旋回可能に固定されるブーム部と、ブーム部にピン接合され、ブーム部に対する姿勢を変更可能なアーム部と、アーム部の先端に取付けられ、物体をハンドリングするために動作する作業用治具とを備えたハンドリング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−59371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1のハンドリング装置は、建築物の解体時以外では、油圧シリンダ等に負荷がかからないように、略水平方向に沿うアーム部に対してブーム部が立ち、且つ駆動・制御ユニット部が専用の架台に載った状態で保管される。しかしながら、近年の建築物の大型化に伴い、ハンドリング装置の大型化が進んでいるため、大型のハンドリング装置を前述の状態で保管しようとすると、十数メートル、或いはそれ以上の非常に高い架台が必要になり、架台の設置に多くの労力及びコストがかかる虞があった。また、架台が前述のように高くなることによって、ハンドリング装置の作業者の安全を確保しにくくなる虞があった。そのため、ハンドリング装置等の大型装置を低いスペース内に折り曲げ可能とする折り曲げ機構、及び、この折り曲げ機構を備えたハンドリング装置が求められていた。
【0006】
本発明は、大型装置(ハンドリング装置)を低いスペース内に折り曲げ可能とする折り曲げ機構、及び、この折り曲げ機構を備えたハンドリング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の折り曲げ機構は、第1部材に支持され、第1挿通孔を有する第1接続部材と、第2部材に支持され、第2挿通孔を有する第2接続部材と、前記第1接続部材と前記第2接続部材とを回動可能に固定する固定軸部材と、を備え、前記第1接続部材と前記第2接続部材とが相対的に回動して前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とが同軸に一致したときに前記第1挿通孔と前記第2挿通孔に挿入可能な挿入軸部材が設けられ、前記第1接続部材と前記第2接続部材とは、前記挿入軸部材が前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とに挿入される第1配置と、前記挿入軸部材が前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とに挿入されない第2配置とが選択可能に設けられることを特徴とする。
【0008】
上述の折り曲げ機構によれば、第1部材及び第2部材の使用時以外の時や保管時には、第1接続部材と第2接続部材とを第2配置にして第1部材及び第2部材の形状や大きさと保管スペースの高さ等をふまえた適当な配置にすることによって、第1部材及び第2部材のそれぞれに負荷をかけることなく、第1部材と第2部材とを低いスペース内に折り曲げることができる。
【0009】
本発明の折り曲げ機構において、前記第1接続部材と前記第2接続部材の少なくとも一方には、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔が同軸になる配置で前記第1接続部材と前記第2接続部材の相対的な回動を規制する第1係止部材が設けられていてもよい。
また、本発明の折り曲げ機構において、前記第1接続部材と前記第2接続部材の少なくとも一方には、所定の前記第2配置で前記第1接続部材と前記第2接続部材の相対的な回動を規制する第2係止部材が設けられていてもよい。
【0010】
上述の折り曲げ機構によれば、第1係止部材が設けられているので、第1接続部材と第2接続部材が第1挿通孔と第2挿通孔が同軸になる配置で挿入軸部材に加えて第1係止部材によって係止され、挿入軸部材への負荷が抑えられる。このことによって、挿入軸部材の変形・破損や、第1挿通孔と第2挿通孔との軸ずれの発生を防止できる。
また、上述の折り曲げ機構によれば、第2係止部材が設けられているので、第2配置における第1接続部材と第2接続部材の相対的な回動を、第1部材と第2部材とを低いスペース内に折り曲げることに支障がない所定の範囲内に制約し、過剰な折り曲げによる折り曲げ機構自身の損傷や耐久性の低下、第1部材及び第2部材の変形を防止できる。
【0011】
本発明のハンドリング装置は、上述の折り曲げ機構を備えたハンドリング装置であって、旋回可能に設けられたブーム部と、前記ブーム部に接続され、前記ブーム部に対する姿勢を変更するアーム部と、前記アーム部の先端に取り付けられ、物体に対して作業するための作業用治具をハンドリング可能に構成されたアタッチメント部と、を備え、前記第1部材は前記アーム部であり、前記第2部材は前記ブーム部であり、前記アーム部の所定の位置には前記第1接続部材が支持され、前記ブーム部の先端には該第1接続部材に回動可能に固定される前記第2接続部材が支持されたことを特徴とする。
【0012】
上述のハンドリング装置によれば、アーム部とブーム部が上述の折り曲げ機構で接続されているので、使用時以外の時や保管時には、第1接続部材と第2接続部材とを適当な第2配置にすることによって、アーム部及びブーム部のそれぞれに負荷をかけることなく、アーム部とブーム部とを低いスペース内に折り曲げ、ハンドリング装置を保管できる。
【0013】
本発明のハンドリング装置は、前記ブーム部の基端側には、前記ブーム部を駆動する駆動部が設けられ、前記ブーム部の基端に支持される上述の第1接続部材とは別の前記第1接続部材が設けられ、前記ブーム部の基端に支持される前記別の第1接続部材に回動可能に固定される上述の第2接続部材とは別の前記第2接続部材が前記駆動部に支持されていてもよい。
【0014】
上述のハンドリング装置によれば、ブーム部と駆動部が上述の折り曲げ機構で接続されているので、使用時以外の時や保管時には、第1接続部材と第2接続部材とを適当な第2配置にすることによって、ブーム部及び駆動部のそれぞれに負荷をかけることなく、アーム部とブーム部とに加えてブーム部と駆動部とを低いスペース内に折り曲げ、ハンドリング装置を保管できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ハンドリング装置等の大型装置を低いスペース内に折り曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態のハンドリング装置の側面図である。
図2図1に示すハンドリング装置の正面図である。
図3図1に示すハンドリング装置の折り曲げ機構の第1配置を示す側面図である。
図4図3に示す折り曲げ機構の第2配置を示す側面図である。
図5図1に示すハンドリング装置の別の折り曲げ機構の第1配置を示す側面図である。
図6図5に示す折り曲げ機構の第2配置を示す側面図である。
図7図1に示すハンドリング装置を折り曲げた状態を示す側面図である。
図8図1に示すハンドリング装置のカウンターウェイトに関する構成を説明する側面図であり、基端部と分離部とが接続されている状態の図である。
図9図1に示すハンドリング装置のカウンターウェイトに関する構成を説明する側面図であり、分離部がアーム部の基端部から分離された後の状態の図である。
図10図8に示すカウンターウェイトに関する構成において、分離部をアーム部の基端部から分離する方法を設営するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の折り曲げ機構及びハンドリング装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
[ハンドリング装置の構成及び使用方法]
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態のハンドリング装置100は、本発明の一実施形態の折り曲げ機構200,300を備えた懸垂型のハンドリング装置である。ハンドリング装置100は、例えば解体中の建築物(図示略)の躯体から落下する可能性がある鉄骨や、躯体から突出した瓦礫(物体)を切断し、撤去するために用いられる。建築物の幅や高さは、例えば15m以上である。
【0019】
ハンドリング装置100は、駆動部(第2部材)12と、ブーム部(第2部材、第1部材、)14と、アーム部(第1部材)16と、アタッチメント部18と、をさらに備えている。駆動部12は、クレーン等の揚重機(図示略)にワイヤーで吊り下げられる。以下、ハンドリング装置100の各構成要素について、駆動部12の軸線(軸芯)13に沿った方向において、前述の揚重機等で吊り下げられた状態で上側の端部を「基端」とし、下側の端部を「先端」とする。
【0020】
駆動部12は、ブーム部14の基端側に設けられ、ブーム部14、アーム部16、アタッチメント部18、作業用治具20を駆動・制御する。駆動部12は、直方体状の枠体22と、駆動装置25と、を備えている。枠体22は、枠部23と、基台27と、囲い部29、手すり31と、を備えている。駆動部12の軸線13から見て、枠部23の大きさは、基台27と略同じである。枠部23の軸線13に沿った高さは、駆動装置25の高さより大きく、作業者が立っても天井部分との間に余裕がある程度に適宜決められている。囲い部29は、基台27の底面の外周端からブーム部14に向かって軸線13に沿って突出している。手すり31は、基台27に作業者が立って基台27上を移動する時等に作業者が把持できるように形成されている。
【0021】
駆動装置25は、基台27に載せられ、枠体22内に収容されている。駆動装置25は、軸線13を中心とする旋回方向を調整する旋回ファン(旋回機構)36を備えている。旋回ファン36の回転速度、回転方向等を制御することによって、駆動部12は軸線13を中心として360°の範囲内を旋回自在であり、所望の角度の方向に向けられる。駆動装置25には、旋回ファン36の他に、ブーム部14、アーム部16、アタッチメント部18、作業用治具20を駆動するための電源(図示略)、制御盤(図示略)や、作業箇所の粉塵等の飛散を抑えるための散水装置等が設けられている。
【0022】
基台27の底面の略中央部分(所定の位置)に、軸線13に沿って筒状に構成された旋回輪38が固定されている。旋回輪38の先端部(先端)39には、折り曲げ機構200の第2接続部材(別の第2接続部材)204が固定(支持)されている。即ち、第2接続部材204は、旋回輪38を介して駆動部12の基台27に固定されている。ブーム部14の基端部(基端)15には、折り曲げ機構200の第1接続部材(別の第1接続部材)202が固定(支持)されている。
【0023】
ブーム部14は、軸線13に沿って柱状に形成された本体17を備え、旋回輪38によって折り曲げ機構200と共に軸線13を中心として所望の角度に旋回可能に設けられている。ブーム部14には、アーム部16の姿勢を制御する油圧シリンダ40が設けられている。油圧シリンダ40は、軸線13に沿って延在している。油圧シリンダ40の基端部41は、軸線13を中心とする径方向に沿って、軸線13に沿った方向において本体17の所定の位置に接続されている。
【0024】
ブーム部14の先端部(先端)19には、折り曲げ機構300の第2接続部材304が固定(支持)されている。第2接続部材304は、油圧シリンダ40の先端部43にも接続されている。先端部43は、第2接続部材304に固定ピン等の固定軸部材57でピン接合されている。アーム部16の軸線33に沿った方向において、アーム部16の所定の位置には、折り曲げ機構300の第1接続部材302が固定(支持)されている。
【0025】
アーム部16は、軸線33に沿って柱状に形成された本体35を備え、油圧シリンダ40の伸縮操作によって、アーム部16は、図1に示すように折り曲げ機構300の固定軸部材306の軸方向A306を中心として周方向R300に回動可能になっている。周方向R300に沿って回転することによって、アーム部16のブーム部14に対する相対的な姿勢が変更される。
【0026】
アーム部16には、作業用治具20の姿勢を制御する油圧シリンダ54が設けられている。油圧シリンダ54は、軸線33に沿って延在している。油圧シリンダ54の基端部55は、第1接続部材302に固定ピン等の固定軸部材53でピン接合されている。油圧シリンダ54の先端部56は、アタッチメント部18に接続されている。
【0027】
アーム部16の基端部45には、カウンターウェイト52が設けられている。カウンターウェイト52は、ブーム部14に対する相対的な姿勢が変更される際にアーム部16のバランスを取るために設けられている。カウンターウェイト52に関する詳細は、後述する。
【0028】
アーム部16の先端部(先端)47には、瓦礫に対して作業するための作業用治具20をハンドリング可能に構成されたアタッチメント部18が接続されている。アタッチメント部18は、本体61と、作業用治具挿入部63と、を備えている。本体61には、先端部47が固定ピン等の固定軸部材51でピン接合され、先端部56が固定ピン等の固定軸部材59でピン接合されている。油圧シリンダ54の伸縮操作によって、アタッチメント部18は、図1に示すように固定軸部材51の軸方向A51を中心として周方向R18に回動可能になっている。周方向R18に沿って回転することによって、アタッチメント部18のアーム部16に対する相対的な姿勢が変更される。
【0029】
作業用治具20は、瓦礫等の物体に対して作業をするための治具であり、アーム部16の先端部47に取り付けられている。作業用治具20としては、例えば、解体中の建築物の配管や鉄骨等の瓦礫を切断するカッターや瓦礫を把持するペンチ、建築物に衝突させて瓦礫を露出させる破砕具等が挙げられる。なお、作業用治具20には前述のように複数の種類の用具が該当し、作業用治具20の種類は特に限定されない。図1には、作業用治具20の一例として、カッター71を示している。カッター71は、2つの切断刃73,74と、把持部75と、を備えている。把持部75は、切断刃73,74の基端部を把持し、切断刃73,74を開閉可能に支持している。把持部75の基端は、作業用治具挿入部63に着脱可能に挿入されている。作業用治具挿入部63は、把持部75の軸線77を中心に回転可能になっている。
【0030】
切断刃73,74の近傍のアタッチメント部18には、切断刃73,74によって切断された瓦礫等の被切断物体を把持する防舷材78が設けられている。防舷材78が設けられていることによって、被切断物体の落下が防止される。
【0031】
ハンドリング装置100の使用方法として、瓦礫を切断する方法について簡単に説明する。先ず、後述する保管状態で解体対象の建築物の周辺に配置されたハンドリング装置100の駆動部12を、揚重機を用いて所定の高さから吊り下げる。作業者は、駆動部12の制御盤を操作し、駆動部12のブーム部14に対する相対的な姿勢、アーム部16のブーム部14に対する相対的な姿勢、アタッチメント部18のアーム部16に対する相対的な姿勢、及び軸線77を中心とする把持部75の角度を調整する。その後、作業用治具20が瓦礫に届くように揚重機で駆動部12をさらに高い高さから吊り下げ、瓦礫を切断する。
【0032】
上述のように瓦礫を切断した後、別の作業を行う場合は、作業用治具20としてカッター71を別の作業に合う作業用治具に付け替えればよい。
【0033】
[折り曲げ機構の構成及び使用方法]
次いで、本実施形態の折り曲げ機構200,300について、図面を参照して詳しく説明する。
【0034】
図3及び図4に示すように、折り曲げ機構200は、第1接続部材202と、第2接続部材204と、固定軸部材206と、を備えている。
【0035】
第1接続部材202は、図3に示す配置において先端から基端に進むに従って大きくなるように面取りされた略二等辺三角形状を有する。第1接続部材202は、軸線13に直交する幅方向Wに互いに間隔をあけて二等辺三角形の底辺両端の2角に相当する部分に形成された2つの第1挿通孔211,212を有する。
【0036】
第2接続部材204は、図3及び図4に示す配置において先端から基端まで略一定の幅で略長方形状を有し、面取りされている。第2接続部材204の幅、即ち幅方向Wの大きさは、第1接続部材202の二等辺三角形の底辺部分の大きさと同じである。第2接続部材204は、幅方向Wに互いに間隔をあけて第1挿通孔211,212に対応する位置に形成された2つの第2挿通孔221,222を有する。前述の「第1挿通孔211,212に対応する」とは、回転操作等により第1挿通孔211,212と同軸に一致し得る位置を意味する。
【0037】
固定軸部材206は、互いに同軸に一致する第1挿通孔211と第2挿通孔221に挿通し、第1接続部材202と第2接続部材204とを軸方向A206を中心として回動方向R200に回動可能に固定する。即ち、第2接続部材204は、第1接続部材202に回動可能に固定されている。固定軸部材206は、例えば固定ピンである。
【0038】
折り曲げ機構200には、挿入軸部材205が設けられている。挿入軸部材205は、第1接続部材202と第2接続部材204が回動方向R200に沿って相対的に回動して、図3に示すように第1挿通孔212と第2挿通孔222とが同軸に一致したときに、第1挿通孔212と第2挿通孔222に挿入可能な部材である。挿入軸部材205は、例えば手動ピンである。
【0039】
挿入軸部材205の挿抜によって、第1接続部材202と第2接続部材204とは、図3に示す第1配置と、図4に示す第2配置とが選択可能に設けられている。図3に示すように、第1配置では、第1挿通孔212と第2挿通孔222とが同軸に一致し、挿入軸部材205が第1挿通孔212と第2挿通孔222とに挿入されている。一方、第2配置では、第1挿通孔212と第2挿通孔222とが同軸に一致せず、挿入軸部材205が第1挿通孔212と第2挿通孔222とに挿入されず、図4に示すように、第1接続部材202と第2接続部材204とが片持ち状態になっている。なお、図4は第2配置の一例を示している。第2配置は、図4に示すように、第1挿通孔212が軸方向A206を中心として第2挿通孔222を回動方向R200に略90°移動させた位置にある配置に限らない。図示していないが、第2配置は、挿入軸部材205が第1挿通孔212と第2挿通孔222とに挿入されない配置を全て含んでいる。
【0040】
第2接続部材204には、第1係止部材231及び第2係止部材232として、軸線13に直交する面方向に沿った板面235,236を有する当て板234が設けられている。当て板234の基端側の板面235は、旋回輪38の先端部39の端面37に当接している。なお、図1図2及び図7では、当て板234は、省略されている。
【0041】
第1係止部材231は、第1挿通孔212と第2挿通孔222が同軸になる第1配置で、第1接続部材202と第2接続部材204の相対的な回動を規制する。具体的には、図3に示すように、第1配置において、第1接続部材202の二等辺三角形の底辺に相当する端面242は、当て板234の先端側の板面236に当接している。そのため、第1接続部材202は、図3に示す配置より軸方向A206を中心として回動方向R200の反時計回り、即ち第1挿通孔212を第2挿通孔222より基端側に移動させる方向には回動できない。このように端面242が板面236に当接することによって、第1接続部材202と第2接続部材204の相対的な回動は規制され、第1挿通孔212と第2挿通孔222が同軸になる状態が保持又は再現される。
【0042】
第2係止部材232は、所定の第2配置で、第1接続部材202と第2接続部材204の相対的な回動を規制する。具体的には、図4に二点鎖線で示すように、第2配置において、第1接続部材202が図4に実線で示す配置より軸方向A206を中心として回動方向R200の時計回り、即ち第1挿通孔212を最も先端側の位置から基端側に移動すると、第1接続部材202の二等辺三角形の2辺のうち第1挿通孔211に近い側の1辺に相当する端面244が先端部39及び当て板234の角部に当接する。そのため、第1接続部材202は、図4に二点鎖線で示す配置(所定の第2配置)より軸方向A206を中心として回動方向R200の時計回りには回動できない。このように端面244が先端部39及び当て板234の角部に当接することによって、第2配置における第1接続部材202と第2接続部材204の相対的な回動は規制される。
【0043】
図5及び図6に示すように、折り曲げ機構300は、第1接続部材302と、第2接続部材304と、固定軸部材206と、を備えている。
【0044】
第1接続部材302は、面取りされた台形状を有する。図5及び図6に示す配置において、第1接続部材302の台形の下底に相当する先端側の部分より、上底に相当する基端側の部分の方が小さい。第1接続部材302は、幅方向Wに互いに間隔をあけて台形の上底両端の2角に相当する部分に形成された2つの第1挿通孔311,312を有する。第1挿通孔311は、第1挿通孔312より僅かに基端側に形成されている。
【0045】
第2接続部材304は、図5及び図6に示す配置において略L字形状を有し、面取りされている。第2接続部材304のL字の長辺に相当する部分の大きさは、第1接続部材302の台形の上辺部分の大きさと略同じである。第2接続部材304は、幅方向Wに互いに間隔をあけて第1挿通孔311,312に対応する位置に形成された2つの第2挿通孔321,322を有する。前述の「第1挿通孔311,312に対応する」とは、回転操作等により第1挿通孔311,312と同軸に一致し得る位置を意味する。
【0046】
図5及び図6に示すように、第2接続部材304のL字の長辺の端部に相当する位置に第2挿通孔322が形成され、固定軸部材306が配置されている。第2接続部材304のL字の短辺の端部に相当する位置に、油圧シリンダ40の先端部43が固定軸部材306でピン接合されている。第2接続部材304のL字の角部に相当する位置に第2挿通孔321が形成されている。固定軸部材306は、互いに同軸に一致する第1挿通孔312と第2挿通孔322に挿通し、第1接続部材302と第2接続部材304とを軸方向A306を中心として回動方向R300に回動可能に固定する。即ち、第2接続部材304は、第1接続部材302に回動可能に固定されている。固定軸部材306は、例えば固定ピンである。
【0047】
折り曲げ機構300には、挿入軸部材305が設けられている。挿入軸部材305は、第1接続部材302と第2接続部材304が回動方向R300に沿って相対的に回動して、図5に示すように第1挿通孔312と第2挿通孔322とが同軸に一致したときに、第1挿通孔312と第2挿通孔322に挿入可能な部材である。挿入軸部材305は、例えば手動ピンである。
【0048】
挿入軸部材305の挿抜によって、第1接続部材302と第2接続部材304とは、図5に示す第1配置と、図6に示す第2配置とが選択可能に設けられている。図5に示すように、第1配置では、第1挿通孔311と第2挿通孔321とが同軸に一致し、挿入軸部材305が第1挿通孔311と第2挿通孔321とに挿入されている。一方、第2配置では、第1挿通孔311と第2挿通孔321が同軸に一致せず、挿入軸部材305が第1挿通孔311と第2挿通孔321とに挿入されず、図6に示すように、第1接続部材302と第2接続部材304とが片持ち状態になっている。なお、図6は第2配置の一例を示している。第2配置は、図6に示すように、第2挿通孔321が軸方向A306を中心として第1挿通孔311を回動方向R300に略90°移動させた位置にある配置に限らない。図示していないが、第2配置は、挿入軸部材305が第1挿通孔311と第2挿通孔321とに挿入されない配置を全て含んでいる。
【0049】
第1接続部材302には、第1係止部材331として、第1接続部材302の台形の下底の1角に相当し且つ固定軸部材53を含む部分に、当て板334が設けられている。なお、図1図2及び図7では、当て板334は、省略されている。
【0050】
第1係止部材331は、第1挿通孔311と第2挿通孔321が同軸になる第1配置で、第1接続部材302と第2接続部材304の相対的な回動を規制する。具体的には、図5に示すように、第1配置において、第2接続部材304のL字の長辺に相当する部分の端面342は、当て板334の先端側の端面336に当接している。そのため、第2接続部材304は、図5に示す配置より軸方向A306を中心として回動方向R300の反時計回り、即ち第2挿通孔321を基端側に移動させる方向には回動できない。このように端面342が端面336に当接することによって、第1接続部材302と第2接続部材304の相対的な回動は規制され、第1挿通孔311と第2挿通孔321が同軸になる状態が保持又は再現される。
【0051】
ハンドリング装置100の使用時以外の時や保管時における折り曲げ方法について、図7を参照し、簡単に説明する。先ず、ハンドリング装置100の保管場所の地面Gには、予め架台400が設置されている。架台400は、アーム部載置台402と、駆動部載置台404と、駆動部アクセス台406と、を備えている。
【0052】
アーム部載置台402は、軸線33が側面視で地面Gと平行になるようにアーム部16を載置可能に構成され、最大限に低く形成されている。駆動部載置台404は、駆動部12を載置可能に構成され、アーム部載置台402の長手方向の端部に接続され、アーム部16より高く形成されている。駆動部載置台404は、枠体410で構成されている。駆動部載置台404高さは、支持枠412に基端側即ち上側から囲み部29を係止させた状態で、旋回輪38及び第2配置の第1接続部材202及び第2接続部材204が枠体410の内部且つ地面Gの上方に配置されるように設計されている。駆動部アクセス台406は、アーム部載置台402とは反対側の駆動部載置台404に接続され、駆動部載置台404より高く形成されている。駆動部アクセス台406には、手すり31に下側から当接するアクセス部408が設けられている。
【0053】
先ず、図1及び図2に示す使用時の状態で、アーム部16がハンドリング装置100の保管場所のアーム部載置台402の上方に来るように、揚重機でハンドリング装置100を解体場所から移動させる。このときには、折り曲げ機構200,300は共に第1配置になっている。挿入軸部材205は、同軸上の第1挿通孔212と第2挿通孔222とに挿入されている(図3参照)。挿入軸部材305は、第1挿通孔311と第2挿通孔321とに挿入されている(図5参照)。
【0054】
次に、軸線33を側面視で地面Gに平行になるようにし、アーム部16をアーム部載置台402に載せ、係止させる。アーム部16の載置と共に、油圧シリンダ54の伸縮操作及び作業用治具20の軸線77を中心とした回動操作を行い、作業用治具20を安定して保持可能な姿勢に向ける。図7に示すように、作業用治具20がカッター71であれば、切断刃73,74の一方が地面Gに接地し、切断刃73,74が鉛直方向に対して平行に向くようにカッター71及びアタッチメント部18の姿勢を調節すればよい。このような姿勢によって、カッター71の重力によって、油圧シリンダ54及びアーム部16に負荷がかからない。
【0055】
次に、折り曲げ機構300の挿入軸部材305を第1挿通孔311と第2挿通孔321から抜出し、第1接続部材302と第2接続部材304とを第1配置から第2配置に切り替える(図5及び図6参照)。油圧シリンダ40の伸縮操作を適宜行い、第1接続部材302に対して軸方向A306を中心として第2接続部材304を回動させる。図7に示すように、軸線49が地面G及び軸線33と平行になるように、アーム部16に対するブーム部14の姿勢を変更する。
【0056】
上述の第1接続部材302と第2接続部材304との相対的な回動と同時に、折り曲げ機構200の挿入軸部材205を第1挿通孔212と第2挿通孔222から抜出し、第1接続部材202と第2接続部材204とを第1配置から第2配置に切り替える(図3及び図4参照)。第2接続部材204に対して軸方向A206を中心として第1接続部材302を回動させる。図7に示すように、軸線13は折り曲げ前のハンドリング装置100の軸線13と同じ方向を向き、鉛直方向に沿うように姿勢を保ちつつ、駆動部12を駆動部載置台404に載せ、係止させる。手すり31の端部は、アクセス部408に支持される。
【0057】
上述の工程により、ハンドリング装置100は、折り曲げられた状態で架台400に格納される。格納された状態から、ハンドリング装置100を建て起こして使用する際には、前述の折り曲げ方法の各工程を最後から最初に戻ればよい。
【0058】
[カウンターウェイトの構成及び使用方法]
図1及び図8に示すように、カウンターウェイト52は、軸線33に沿ってアーム部16の本体35をスライド可能になっている。図1及び図8の実線で示すカウンターウェイト52は、本体35の最も基端側の位置P1に固定されている。
【0059】
カウンターウェイト52は、ウェイト部81と、固定部83,84と、を備えている。ウェイト部81には、本体35が挿通可能な大きさの筒状の貫通孔82が形成されている。ウェイト部81の重量は、複数の種類の作業用治具20の重量の範囲及び後述する分離部92の重量に応じて適宜決められ、例えば3トン〜7トンである。固定部83,84は、ウェイト部81の軸線33に沿った方向の両端に、且つ側面視で本体35と重なる位置に設けられている。固定部83,84には、挿通孔85,86が形成されている。
【0060】
本体35は、軸線33において折り曲げ機構300の第1接続部材302が固定されている位置より基端側の所定の位置P4で、分離部92と分離・接続可能になっている。本体35の基端部90と分離部92とは、複数のビス95の挿抜によって前述のように分離・接続可能になっている。基端部90と分離部92の軸線33に直交する断面は、互いに同じ形状及び大きさを有する。
【0061】
図8に示すように、基端部90の側面97の最も基端側の端部には、凹部101が形成されている。分離部92の側面98の最も先端側の端部には、凹部102が形成されている。図8及び図10に示すように、凹部101,102のそれぞれには、基端部90と分離部92とがず接続状態であるときに軸線33に沿って互いに同軸上になる挿通孔103,104が複数形成されている。基端部90の基端側の上面96及び側面97,97には、軸線33に沿って各面から突出する係止片110,112が設けられている。貫通孔82は、軸線33に沿って、カウンターウェイト52が係止片110,112も含む基端部90と分離部92とを滞ることなく往復できるように形成されている(図10参照)。
【0062】
カウンターウェイト52は、位置P1では分離部92に挿通され、位置P1より先端側の所定の位置P2では基端部90に挿通されている。分離部92の側面98には、カウンターウェイト52が所定の位置P1にあるときに挿通孔85,86のそれぞれと同軸に一致する挿通孔121,122が形成されている。基端部90の側面97には、カウンターウェイト52が所定の位置P2にあるときに挿通孔85,86のそれぞれと同軸に一致する挿通孔123,124が形成されている。
【0063】
上述の構成により、図1に示すアーム部16の基端部45の重量は、大きい順に、第1段階から第3段階に変更できる。第1段階では、図8に実線で示すように、基端部90と分離部92が接続された状態でカウンターウェイト52が所定の位置P1にある。第1段階では、挿通孔85,86と挿通孔121,122とが同軸で一致し、挿通孔85,121及び挿通孔86,122に固定ピン等の固定軸部材131,132が挿入され、カウンターウェイト52が所定の位置P1に固定されている。第2段階では、図8に二点鎖線で示すように、基端部90と分離部92が接続された状態でカウンターウェイト52が所定の位置P2にある。第3段階では、図9に示すように、分離部92が基端部90から切り離された状態でカウンターウェイト52が所定の位置P2にある。第2段階及び第3段階では、挿通孔85,86と挿通孔123,124とが同軸で一致し、挿通孔85,123及び挿通孔86,124に固定軸部材131,132が挿入され、カウンターウェイト52が所定の位置P2に固定されている。
【0064】
前述したハンドリング装置100の使用方法において、作業用治具20の種類やサイズを変更する際に、変更後の作業用治具20の重量に合わせて、カウンターウェイト52を軸線33に沿って所定の位置P1,P2間で適宜スライドさせ、アーム部16の基端部45の重量を第1段階から第3段階の何れかの段階に切り替えることができる。その際に、基端部90と分離部92とを分離する場合は、先ず、図10に示すように、複数のビス95を挿通孔103,104から抜出し、係止片112,112に沿って分離部92を基端部90より下方に移動させる。分離部92の上端が係止片112より下方に位置したところで、分離部92を基端部90から離間させる。逆に、基端部90と分離部92とを接続する場合は、分離部92を下方から係止片112,112の間に挿入し、係止片112,112に沿って上方に移動させる。分離部92の上端が係止片110に当接したところで、複数のビス95を複数の挿通孔103,104に挿入・固定すればよい。なお、作業用治具20の付け替え、アーム部16の基端部45の重量の調整は、ハンドリング装置100の使用前後で、図7に示す折り曲げた状態で行う。
【0065】
上述説明したカウンターウェイト52の構成によれば、作業用治具20の種類やサイズを変更する際に、固定軸部材53の挿抜等を行わずに、折り曲げ機構300を介した油圧シリンダ40とアーム部16との接続状態を保持した状態で、変更後の作業用治具20の重量に合わせて、アーム部16の基端部45の重量を容易に変更できる。
【0066】
なお、上述の構成では、カウンターウェイト52を2つの所定の位置P1,P2のみで固定可能であるが、基端部90の側面97に、挿通孔85,86と同軸で一致し得る一対の挿通孔を増設し、カウンターウェイト52を3つ以上の所定の位置で固定可能としてもよい。また、挿通孔の増設に伴い、軸線33に沿った方向において本体35を接続・分離可能な所定の位置を増やしてもよい。挿通孔や接続・分離位置の増設によって、アーム部16の基端部45の重量を3段階以上に細かく変更できる。
【0067】
以上説明した本実施形態の折り曲げ機構200,300によれば、ハンドリング装置100の保管時には、第1接続部材202,302と第2接続部材204,304とを第1配置から第2配置に切り替え、図4及び図6に例示した配置にすることによって、ブーム部14、アーム部16、油圧シリンダ40のそれぞれに負荷をかけることなく、ブーム部14と駆動部12とをアーム部16とブーム部14とに対して折り曲げ、従来に比べて低いスペース内の架台400にハンドリング装置100を格納できる。
例えば、軸線49に沿ったブーム部14やアーム部16の総長が10m〜15m、総重量30トンのハンドリング装置100であれば、架台400の高さを2m以下に抑えることができる。また、ブーム部14やアーム部16が折り曲げられ、作業者が作業する領域であって自重も大きい駆動部12を含めたハンドリング装置100の構成をできる限り地面Gの近くに位置させることができ、ハンドリング装置100の格納時の倒壊による破損を防ぎ、且つ作業者が作業しやすくなる。
【0068】
本実施形態の折り曲げ機構200,300によれば、第1係止部材231,331が設けられているので、第1挿通孔212,311と第2挿通孔222,312が同軸になる第1接続部材202,302と第2接続部材204,304の配置(即ち、第1配置)で、第1接続部材202及び第2接続部材304を挿入軸部材205,305に加えて第1係止部材231,331によって係止し、正確に位置決めできる。このとき、挿入軸部材205,305への負荷も抑えることができる。このことによって、挿入軸部材205,305の変形・破損や、第1挿通孔212,311と第2挿通孔222,312との軸ずれの発生を防止できる。
また、本実施形態の折り曲げ機構200によれば、第2係止部材232が設けられているので、第2配置における第1接続部材202と第2接続部材204の相対的な回動を、アーム部16とブーム部14とを低いスペース内に折り曲げることに支障がない所定の範囲内に制約し、過剰な折り曲げによる折り曲げ機構200自身の損傷や耐久性の低下、アーム部16とブーム部14の変形並びに油圧シリンダ40の損傷の発生を防止できる。
【0069】
本実施形態のハンドリング装置100によれば、折り曲げ機構200,300によれば、上述の折り曲げ機構200,300を備えているので、油圧シリンダ40に負荷をかけることなく、従来のようにブーム部14を略鉛直方向に沿って立てた状態で保持する場合に比べて低いスペース内に容易に折り曲げ、架台400に格納できる。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されない。本発明は、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、変更可能である。
【0071】
本発明の折り曲げ機構の第1接続部材及び第2接続部材の各形状は、上述の実施形態の第1接続部材202,302及び第2接続部材204,304の各形状に限定されず、接続対象の第1部材及び第2部材の各形状、大きさ等に応じて自由に且つ適切に決められる。上述の実施形態の折り曲げ機構300では、ハンドリング装置100の使用時において、油圧シリンダ40の先端部43がブーム部14の先端部19より基端側に位置することをふまえて、第2接続部材304が略L字状に形成されている。しかしながら、先端部43と先端部19との基本的な相対配置が変更されれば、第2接続部材304は略台形状、略矩形状、円形状、これら以外の任意の形状で形成されてもよい。言い換えれば、本発明の折り曲げ機構の第1接続部材及び第2接続部材の各形状は、特定の形状に限定されない。
【0072】
また、本発明の折り曲げ機構の接続対象の第1部材及び第2部材は、ハンドリング装置100のアーム部16、ブーム部14、駆動部12等に限定されない。本発明の折り曲げ機構の接続対象の第1部材及び第2部材は、それぞれに負荷をかけることなく折り曲げることを求められる部材を広く含み、例えば小型クレーンのジブであってもよい。本発明の折り曲げ機構を小型クレーンのジブに適用することによって、小型クレーンの組立・解体が簡単になる。
【符号の説明】
【0073】
12 駆動部(第2部材)
14 ブーム部(第2部材、第1部材)
16 アーム部(第1部材)
18 アタッチメント部
100 ハンドリング装置
200,300 折り曲げ機構
202,302 第1接続部材
204,304 第2接続部材
205,305 挿入軸部材
206,306 固定軸部材
212,311 第1挿通孔
222,312 第2挿通孔
231,331 第1係止部材
232 第2係止部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10