特開2020-197109(P2020-197109A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020197109-パイプ用保護カバー 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-197109(P2020-197109A)
(43)【公開日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】パイプ用保護カバー
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/00 20060101AFI20201113BHJP
【FI】
   E04G5/00 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-207464(P2019-207464)
(22)【出願日】2019年10月29日
(31)【優先権主張番号】特願2019-113199(P2019-113199)
(32)【優先日】2019年5月30日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516046709
【氏名又は名称】▲高▼井産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】楊 振華
(57)【要約】
【課題】建築現場において露出されている複数本のパイプ建地(垂直材)の長手方向に被覆して保護するのに用いる保護カバーに関し、特に人にぶつかった場合であってもその人に打撲、裂罅等の傷を負わせることがなく、しかも強度に優れ再利用可能なパイプ等の保護カバーの提供にある。
【解決手段】パイプを覆うためのパイプ用保護カバーであって、
保護部材と、
前記パイプに取り外し可能に装着できる複数のフックと、
前記フックは、前記保護部材に移動可能に固定されることを特徴とするパイプ用保護カバー。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプを覆うためのパイプ用保護カバーであって、
保護部材と、
前記パイプに取り外し可能に装着できる複数のフックと、
前記フックは、前記保護部材に移動可能に固定されることを特徴とするパイプ用保護カバー。
【請求項2】
前記フックは、前記パイプに挟持されるフックアームと、フック位置決め手段を有するフック台座とを有することを特徴とする請求項1に記載のパイプ用保護カバー。
【請求項3】
前記保護部材は、前記フック台座に係合するスライド溝が形成され、前記フック台座が前記スライド溝に沿って移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパイプ用保護カバー。
【請求項4】
前記保護部材は、前記フック台座に係合するガイド溝が形成され、前記ガイド溝により、前記フック台座の半径方向の位置決めができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパイプ用保護カバー。
【請求項5】
前記フック台座は、前記スライド溝に係合可能で衝撃吸収部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパイプ用保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
作業用に設置されたパイプの露出部と人とが接触した際の人に対する衝撃を和らげるパイプ用保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から利用される保護カバーとして、軟質材料をパイプの周囲に丸めて紐で縛る緩衝材が知られている。緩衝材の材質としては発泡ポリエチレンやポリエチレンが使われている。例えば、特許文献1、2に開示される管体保護カバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開実用 昭和62−16889
【特許文献1】公開実用 昭和62−16888
【発明の概要】
【発明が簡単に解決しようとする課題】
【0004】
これまでの保護カバーはパイプに取付ける時に手間が掛かり、軟質な素材のため一度使用するとシートが裂け再利用できなかった。
そこで、本発明は、パイプに取り外し可能に装着できるパイプ用保護カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
パイプを覆うためのパイプ用保護カバーであって、
保護部材と、
前記パイプに取り外し可能に装着できる複数のフックと、
前記フックは、前記保護部材に移動可能に固定されることを特徴とするパイプ用保護カバー。
【発明の効果】
【0006】
前記パイプ用保護カバーによれば、取り外し可能なフックを備えるので、再使用が可能で、コスト削減となり、取付けに手間が省け、また取外しが簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るパイプ用保護カバーの正面を示す斜視図である。
図2】(A)は、パイプ用保護カバーの裏面を示す斜視図であり、(B)は、フック3を示す斜視図である、(C)は、保護部材の溝の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
図3】パイプ用保護カバーの裏面を示す裏面図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5図3のB−B断面図である。
図6】パイプ用保護カバーを単管パイプに装着された使用状態を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、好適な実施例について図面を参照しながら詳述する。図1は、実施形態に係るパイプ用保護カバーの正面を示す斜視図、図2Aは、パイプ用保護カバーの裏面を示す斜視図、図2Bは、フック3を示す斜視図、図2Cは保護部材の溝の一部を拡大して示す拡大斜視図、図3は、パイプ用保護カバーの裏面を示す裏図面、図4図3のA−A断面図、図5図3のB−B断面図、図6はパイプ用保護カバーをパイプに装着された使用状態を示す参考図である。
【0009】
図1は、実施形態に係るパイプ用保護カバーの正面を示す斜視図であり、1は工事場の建地(垂直材)のパイプに人間がぶつかる時の衝撃を和らげるための保護カバーであって、この保護カバー1は保護部材2とフック3とから成る。
【0010】
保護部材2は樹脂による押出成形等の手法により一体成形されており、パイプ6の外形を覆うように半円筒形長尺の形状をしている。図1ではパイプ6を保護カバー1に取り付ける状態を破線で示している。内側にはフック3を任意の位置に固定するための内部フック取り付け溝9とスライド溝10が構成されている。(図2参照)
フック3は保護部材2とは別部材に構成され複数個用いる。
【0011】
図2で示すようにフック3はパイプ6に取り付ける為に有り、円弧状に湾曲しているアーム部位3aと、その下部に垂直につながるフック脚部3bと、フック脚部3bの基部と直角に交わるフック台座3cと、フック台座3cの外縁部3dから成り、これら部位は全て一体成形されている。
【0012】
蝶ボルト4を緩めることによりフック3が内部フック取り付け溝9とスライド溝10内を長手方向7及び8方向にスライドし、蝶ボルト4を締め付けることにより任意な位置に固定される。
【0013】
図4にも示すように、フックのアーム部位3aは柔軟性があり、円弧の開口部を単管パイプ6の円周半分以上を覆う形まで強く押し付けることによりフックのアーム部位3aの円弧の開口部内側にパイプ6が堅固に固定される。
【0014】
フック台座外縁3dと取り付けナット5は保護部材2内周面にあるスライド溝9と内側フック取り付け溝10内部を長手方向7及び8方向にスライド移動できる。その詳細は図2で説明する。
図2において、
(A)は、パイプ用保護カバーの裏面を示す斜視図である。
【0015】
(B)は、フック3を示す斜視図である。
【0016】
(C)は、保護部材の溝の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
【0017】
図2に基づいて、この保護カバー1のパイプ6への使用状態を説明する。図2(B)は一体成形されたフックアーム部3a、フック脚部3b、フック台座部3c、フック台座外縁3dと、保護部材2への取り付け部材である蝶ボルト4、取り付けナット5を示している。又図2(C)は保護部材2の内周面にある内部フック取り付け溝9とスライド溝10の位置を示している。
【0018】
先ず、図2(B)が示すように、フック台座部3cの穴に蝶ボルト4を挿入しフック台座3cを挟む形で台座3cの反対側から取り付けナット5で締める。図2ではフック二個を用いた例で説明したが、必要に応じて二個以上で使用することもできる。
【0019】
次にフック台座3cを内部フック取り付け溝9に差し込むが、この時同時に取り付けナット5もスライド溝10に差し込み蝶ボルト4を時計回り方向に締めることによりフック3が保護部材2に固定される。
【0020】
パイプ6に保護カバー1が安定して堅固に固定するように、図2(A)が示すようにフック3を内部フック取り付け溝9とスライド溝10の中に長手方向に2個以上取り付ける。
【0021】
2個以上のフック3を取り付け後、フックアーム3aの円弧の開口部をパイプ6の円周半分以上を覆うまで強く押し付けることによりフックアーム部3aの円弧の開口部内側にパイプ6を堅固に固定させる。
【0022】
フックの蝶ボルト4を緩めることに依りフック台座3cと取り付けナット5はそれぞれ保護部材2の内周面にある内部フック取り付け溝9及びスライド溝10内を滑らかにスライドして、フック3を長手方向11又は12へ移動できる。
【0023】
図1で示すように、フック3は保護部材2の内周面に位置する内部フック溝9とスライド溝10に沿って長手方向7又は8へ移動できる。
【0024】
図2でも示すように、このようにフック3を長手方向11又は12へ移動させることにより、足場のパイプ6にくさびポケット14等(図6参照)のフックアーム3aに干渉する障害物が有る場合でもそのような障害物を避けた位置でフックアーム3をパイプ6に固定することができる。
【0025】
図3は、本発明の保護部材にフックが取り付けられていることを示す。
保護部材2の内周面の内部フック取り付け溝9とスライド溝10にフック3が取り付けられた図である。
【0026】
フック台座3cは蝶ボルト4と取り付けナット5により上下から挟み締められている。フック台座3cの裏側に位置する取り付けナット5は蝶ボルト4によりフック台座3cの表側から締められており、内側フック取り付け溝10の中に固定されている。
【0027】
蝶ボルト4を反時計回り方向に回すことにより蝶ボルト4とスライド溝10の中に固定されているフック3を長手方向へ任意な位置までスライド移動できる。そして必要な位置で蝶ボルト4を時計回り方向に回すことによりフック3を保護部材2の内周面に堅固に固定することができる。
【0028】
図4は、タテ方向A−A断面図を示し、保護部材2の内周面にある内部フック取り付け溝9とスライド溝10の位置を示す。
【0029】
内側フック取り付け溝9に挿入されたフックの台座3cの位置を示す。
スライド溝10に挿入され蝶ボルト4によって締められ固定された取り付けナット5の位置を示す。
【0030】
保護部材2、蝶ボルト4、取り付けナット5、内部フック取り付け溝9、スライド溝10、フック3、フックアーム3a、フック脚部3b、フック台座3c、フック台座外縁3dの位置関係を示す。
【0031】
破線6はフックアーム3aに取り付けられたパイプを示す。
【0032】
図5は、横方向B−B断面図を示し、フック3が保護部材2の内周面にある内部フック取り付け溝9とスライド溝10に沿って長手方向7及び8へスライドする様子を示す横方向B−B断面図。
【0033】
保護部材2内周面下部に位置するスライド溝10の中の取り付けナット5の位置と取り付けナット5を蝶ボルト4で挟んだフック台座3cとフック脚部3bとフックアーム3aの位置関係を示す。
【0034】
蝶ボルト4を反時計回り方向へ回して緩めることにより取り付けナット5がスライド溝10内を、又同時にフック台座3cが内部フック取り付け溝9内を長手方向7及び8方向へ、フック3をパイプ6の任意な位置までスライド移動することができる。
【0035】
フック3をパイプ6の任意な位置まで長手方向7及び8方向へスライド移動したら、蝶ボルト4を時計回り方向へ回して取り付けナット5と締め付けることによりフック3を保護部材2内周面の任意な位置に固定させる。
【0036】
図6は、本発明の保護カバーを使用していることを示す参考図である。
さらに、建地(垂直材)のパイプ6に取付けられた保護カバー2の使用状態を示す。
【0037】
フックアーム3aの円弧の開口部をパイプ6の円周半分以上を覆う形まではめ込んで固定させた状態を示す。(図4参照)
この保護カバー2に人がぶつかった場合であっても、その衝撃力を保護カバー2が緩衝し、その人に打撲や裂か傷等の傷を負わせることが少ない。更に保護カバー2を黄色と黒のトラ模様にすると遠くからでも目に付き、人の注意をひくことができ安全に工事等を行うことができる。
【0038】
更に保護カバー2に例えば工事中・頭上注意等の注意を喚起する表示をすることにより遠くからでも目に付き、人の注意をひくことができ、安全に工事等を行うことができる。
又、保護カバー2に企業名や商品名等を表示することにより、企業宣伝や商品宣伝にも利用可能である。
【0039】
参考図が示すように,建地のパイプ6にフック3を取り付ける時に障害となる、パイプのクサビポケット14等の出っ張りを避けた位置にフック3の取り付け位置を調整することが可能である。フック3を長手方向7又は8方向の任意位置へスライド移動させる方法は図1図5の説明文で詳細に述べられている。
【符号の説明】
【0040】
1 保護カバー
2 保護部材
3 フック
3a フックアーム
3b フック脚部
3c フック台座
3d フック台座外縁
4 蝶ボルト
5 取り付けナット
6 パイプ
7 長手方向へのスライド
8 長手方向へのスライド
9 内部フック取り付け溝
10 スライド溝
11 フックの長手方向へのスライド
12 フックの長手方向へのスライ
13 取り付け穴
14 クサビポケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6