【解決手段】コンクリート杭1は、鉛直方向に延びる複数本の主筋20と、主筋20を囲んで巻き立てられたフープ筋21と、を備える。杭上部30のせん断強度は、杭中間部31および杭下部32のせん断強度よりも高くなっている。建物下面と杭との接合部分には大きな水平荷重が作用するが、本発明によれば、建物下面に接合される杭上部30についてのみせん断強度を高めたので、大きな水平荷重に低コストで抵抗できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建物下面と杭との接合部分には大きな水平荷重が作用するため、杭上部の強度を杭中間部および杭下部の強度よりも増大させる必要がある。しかしながら、上述の特許文献1〜3の構造では、杭の全長に亘って杭主筋やフープ筋の配筋が同一であり、コスト高となる。
【0007】
本発明は、低コストで、建物下面と杭との接合部分に作用する大きな水平荷重に抵抗できるコンクリート杭を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、高層建物を支持する鉄筋コンクリート杭構造として、杭上部側にはスパイラル型フープ筋を複数本重ねて巻き立てるダブルスパイラル筋を設け、杭中間部と杭下部にはシングルスパイラル筋を配筋することで、必要なせん断補強筋量を確保しつつ、コンクリートを充填する際に必要な配筋間隔が広く確保できることに着目し、本発明のコンクリート杭を発明するに至った。
【0009】
第1の発明のコンクリート杭(例えば、後述のコンクリート杭1)は、鉛直方向に延びる複数本の主筋(例えば、後述の主筋20)と、当該主筋を囲んで巻き立てられたフープ筋(例えば、後述のフープ筋21)と、を備えるコンクリート杭であって、杭上部(例えば、後述の杭上部30)のせん断強度は、杭中間部(例えば、後述の杭中間部31)および杭下部(例えば、後述の杭下部32)のせん断強度よりも高いことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、杭の全長に亘ってせん断強度を同一とするのではなく、杭上部のせん断強度を杭中間部および杭下部より高くすることで、杭上部に生じる水平変位を低減しつつ、杭中間部および杭下部の杭体の靱性能を高めることができる。また、建物下面に接合される杭上部についてのみ、せん断強度を高めることで、杭の全長に亘ってせん断強度を同一とした場合に比べて、低コストで、建物下面と杭との接合部分に作用する大きな水平荷重に抵抗できる。
具体的には、例えば、杭上部において、フープ筋の降伏強度や鉄筋径、フープ筋の配筋量、あるいはコンクリート強度を、杭中間部および杭下部よりも増加させる。または、杭上部に鋼製リングを配置する。
【0011】
第2の発明のコンクリート杭は、前記杭上部のフープ筋は、複数の螺旋状の鉄筋が重ねて巻き立てられた重ね巻き部(例えば、後述の重ね巻き部23)を有し、前記杭中間部および前記杭下部のフープ筋は、一本の螺旋状の鉄筋であることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、杭上部のフープ筋に、複数の螺旋状の鉄筋が重ねて巻き立てられた重ね巻き部を設け、杭中間部および杭下部のフープ筋に一本の螺旋状の鉄筋を用いることで、杭の全長に亘ってフープ筋同士の間隔を殆ど変更することなく、杭上部のせん断強度を、杭中間部および杭下部のせん断強度よりも容易に高くできる。
具体的には、杭上部においては、螺旋状の鉄筋を複数本重ねて巻き立てたので、フープ筋の必要な鉄筋量を確保しつつ、フープ筋間隔を杭中間部および杭下部のフープ筋に比べて、フープ筋1本の直径分だけ狭めるだけでよいので、高密度に配筋でき、杭の隅々までコンクリートを確実に打設できる。
また、螺旋状の鉄筋を複数本重ねて巻き立てることで、杭主筋の周囲に巻き立てるフープ筋は1本のみであり、フープ筋のかぶり厚さが増大するのを防止できる。
また、フープ筋として螺旋状(スパイラル型)の鉄筋を用いたので、1本毎に閉鎖した形状に折り曲げ加工された円環状や矩形環状のフープ筋を用いる場合に比べて、所定の間隔を維持した複数のフープ筋を短時間で主筋に結束できる。
【0013】
第3の発明のコンクリート杭は、前記杭上部のフープ筋は、前記杭中間部および前記杭下部のフープ筋よりも高強度および/または太径の螺旋状の鉄筋であり、前記杭上部のフープ筋同士の間隔は、前記杭中間部および前記杭下部のフープ筋同士の間隔と同等以上であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、杭上部に、高強度鉄筋、太径鉄筋、または、高強度の太径鉄筋を使用することで、フープ筋同士の間隔を狭めることなく、杭上部のせん断強度を、杭中間部および杭下部のせん断強度よりも容易に高くできる。また、杭上部に高強度フープ筋を用いることで、杭上部を高密度に配筋することなく、必要なせん断強度を実現することができる。
【0015】
第4の発明のコンクリート杭は、前記主筋は、前記杭上部のみに配置された内側主筋(例えば、後述の内側主筋24)と、当該内側主筋の外側でかつ杭の略全長に亘って配置された外側主筋(例えば、後述の外側主筋25)と、を備え、前記フープ筋は、前記内側主筋を囲んで巻き立てられた一本の螺旋状の鉄筋である内側フープ筋(例えば、後述の内側フープ筋26)と、前記外側主筋を囲んで巻き立てられた一本の螺旋状の鉄筋である外側フープ筋(例えば、後述の外側フープ筋27)と、を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、杭上部のみに内側主筋および外側主筋を配置し、それぞれの主筋を囲むように螺旋状にフープ筋を配筋することで、杭上部のせん断強度および曲げ強度を、杭中間部および杭下部のせん断強度および曲げ強度よりも容易に高くできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、低コストで、建物下面と杭との接合部分に作用する大きな水平荷重に抵抗できるコンクリート杭を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、杭径がほぼ一様なコンクリート杭において、杭の全長に亘って杭主筋やフープ筋を同一形式で配筋してせん断強度を一定にするのではなく、杭上部のせん断強度を杭中間部および杭下部より高くする。具体的には、コンクリート杭として、杭上部側のみスパイラル型フープ筋を複数本重ねて巻き立てたダブルスパイラル筋を配筋する第1実施形態(
図1〜
図4)と、杭上部側のみに内側杭主筋および外側杭主筋を配置し、それぞれの主筋にフープ筋を配筋する第2施形態(
図5、
図6)と、杭上部側のみ高強度スパイラル型フープ筋または太径のスパイラル型フープ筋を配筋する第3形態(
図7)と、杭上部側のみ杭外周面に鋼製リングを配置する第1の変形例(
図8、
図9)と、杭上部側のみを高強度コンクリートで築造する第2の変形例(
図10)がある。
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るコンクリート杭1を備えた建物の基礎構造10の縦断面図である。
図2は、
図1に示すコンクリート杭のA−A横断面図である。
基礎構造10は、地盤に打ち込まれた鉄筋コンクリート造のコンクリート杭1と、このコンクリート杭1の上端に支持されたフーチング11と、フーチング11同士を連結する基礎梁12と、フーチング11の上に設けられた柱13と、を備える。
【0021】
コンクリート杭1は、略円柱形状であり、鉛直方向に延びる複数本の主筋20と、これら主筋20を囲んで巻き立てられたフープ筋21と、を備える。
以下、コンクリート杭1の上部を杭上部30、中間部を杭中間部31、下部を杭下部32とする。
【0022】
図3(a)は、コンクリート杭1の杭中間部31および杭下部32の拡大縦断面図である。
図3(b)は、コンクリート杭1の杭上部30の拡大縦断面図である。
杭中間部31および杭下部32のフープ筋21は、一本の螺旋状の鉄筋である。
杭上部30のフープ筋21は、2本の螺旋状(スパイラル型)の鉄筋を重ねて巻き立てられた重ね巻き部23で構成されている。
【0023】
ここで、杭上部30と杭中間部31および杭下部32とでは、降伏強度および鉄筋径が同一のフープ筋21が使用されている。これにより、配筋時に使用する鉄筋を間違えるリスクを低減できるとともに、配筋作業の効率を高めるができる。また、フープ筋21同士および重ね巻き部23同士の間隔も、略同一となっている。
よって、コンクリート杭1の杭上部30のせん断強度は、杭中間部31および杭下部32のせん断強度よりも高くなっている。
【0024】
ここで、せん断補強筋比をpw、せん断補強筋の降伏強度σwyとすると、せん断補強筋量Qは、以下の式(1)で表される。
Q=pw×σwy ・・・(1)
【0025】
以下、杭中間部および杭下部について、添え字を1とし、杭上部については、添え字を2とする。
よって、例えば、杭中間部および杭下部では、pw1が0.2%、σwy1が390N/mm2とすると、Q1は0.78N/mm2となる。一方、杭上部では、重ね巻き部が設けられているため、pw2がpw1の2倍の0.4%となり、その結果、Q2もQ1の2倍の1.56N/mm2となり、杭上部のせん断強度を高めることができる。
【0026】
図4(a)は、地震時に建物および杭の挙動を示す模式図である。
地震が発生すると、建物に水平力Hが作用し、
図4(a)に示すように、杭が変形することになる。
図4(b)は、本願発明、従来の普通強度杭、従来の高耐力杭の水平変位を示す模式図である。
図4(b)中、実線が本発明の杭の水平変位の分布であり、一点破線が従来の普通強度杭の水平変位の分布であり、破線が従来の高耐力杭の水平変位の分布である。
【0027】
ここで、普通強度杭としては、遠心力成形の鉄筋コンクリートRC杭、遠心力成形のプレストレストコンクリートPC杭、および場所打ち鉄筋コンクリート杭が挙げられる。また、高耐力杭としては、遠心力成形の高強度プレストレストコンクリートPHC杭、遠心力成形の高強度プレストレスト鉄筋コンクリートPRC杭、遠心力成形の外殻鋼管付コンクリートSC杭、場所打ち鋼管コンクリート杭、および地中壁杭が挙げられる。
【0028】
建物と杭上部との接合部分には、建物に作用する水平力を打ち消そうと、反対方向に大きなせん断力が作用することになる。その際、杭に生じる水平変位は、杭上端が最も大きくなり、杭下端側に向うに従って減少する。この水平変位の分布に対応するものが、杭に作用する曲げモーメントの分布である。
【0029】
従来の高耐力杭は、杭の全長に亘って高強度とした構造であるため、
図4(b)中破線で示すように、杭の水平変位を全長に亘って抑制して小さくできる。しかし、このような高耐力杭は築造方法が複雑で、製作日数が長くなり、高コストになるという課題があった。
これに対して、本発明の杭は、杭上部のせん断強度のみを杭中間部および杭下部よりも増大させることで、杭上部に生じる水平変位量のみを抑制する点に特徴がある。よって、高い靱性能を備えた高いせん断強度を備える鉄筋コンクリート杭を実現できる。
【0030】
コンクリート杭1は、予め工場で製造しておき、現場に運搬して打ち込む既製杭と、現場で築造する場所打ち杭と、がある。
コンクリート杭1を既製杭とした場合、次の手順で製造する。すなわち、工場にて、主筋20とフープ筋21とで鉄筋かごを組立てておき、この鉄筋かごを水平方向に延びる鋼製の円筒形状の型枠内に配置した後、型枠内にコンクリートを打設して製造する。
【0031】
コンクリート杭1を場所打ち杭とした場合、次の手順で築造する。まず、現場にて、主筋20とフープ筋21とで鉄筋かごを組立てておく。次に、地盤面に鉛直方向に延びる杭穴を形成して、この杭穴に鉄筋かごを投入し、その後、この杭穴にコンクリートを流し込んで築造する。
【0032】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)杭上部30のせん断強度を、杭中間部31および杭下部32のせん断強度よりも高くした。フーチング11とコンクリート杭1との接合部には大きな水平荷重が作用するが、フーチング11に接合される杭上部30についてのみ、せん断強度を高めたので、この大きな水平荷重に低コストで抵抗できる。
【0033】
(2)杭上部30のフープ筋21に、2本の螺旋状の鉄筋が重ねて巻き立てられた重ね巻き部23を設け、杭中間部31および杭下部32のフープ筋21を、一本の螺旋状の鉄筋とした。よって、杭上部30のせん断強度を、杭中間部31および杭下部32のせん断強度よりも容易に高くできる。
また、杭上部30において、螺旋状の鉄筋を2本重ねて巻き立てたので、フープ筋21の必要な鉄筋量を確保しつつ、コンクリートの充填に必要なフープ筋間隔を広く確保でき、杭の隅々までコンクリートを確実に打設できる。
また、螺旋状の鉄筋を複数本重ねて巻き立てることで、フープ筋21のかぶり厚さが増大するのを防止できる。
【0034】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係るコンクリート杭1Aを備えた基礎構造10の縦断面図である。
図6は、
図5に示すコンクリート杭1AのB−B横断面図である。
本実施形態では、コンクリート杭1Aは、主筋として、杭上部30に配置された内側主筋24と、内側主筋24の外側でかつコンクリート杭1の略全長に亘って配置された外側主筋25と、を備える。
【0035】
また、コンクリート杭1Aは、フープ筋として、内側主筋24を囲んで巻き立てられた一本の螺旋状の鉄筋である内側フープ筋26と、外側主筋25を囲んで巻き立てられた一本の螺旋状の鉄筋である外側フープ筋27と、を備える。
また、フープ筋26同士の間隔とフープ筋27同士の間隔は、略同一となっている。
【0036】
また、図示しないが、内側主筋24の杭中間部側の端部には、プレートまたはフックが設けられ、定着固定されている。このように内側主筋24の端部にプレート端部またはフックを設けることで、杭コンクリートに埋設する内側主筋24の定着長さを短くできる。
【0037】
よって、例えば、杭中間部および杭下部では、pw1が0.2%、σwy1が390N/mm2とすると、Q1は0.78N/mm2となる。一方、杭上部では、内側フープ筋が設けられているため、pw2がpw1の2倍の0.4%となり、その結果、Q2もQ1の2倍の1.56N/mm2となり、第1実施形態と同様に、杭上部のせん断強度を高めることができる。
【0038】
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(3)杭上部30に内側主筋24および外側主筋25を配置し、それぞれのフープ筋として一本の螺旋状の鉄筋を用いたので、杭上部30のせん断強度を、杭中間部31および杭下部32のせん断強度よりも容易に高くできる。
【0039】
(4)杭上部30に内側主筋24と外側主筋25とが配筋されていることで、杭中間部31および杭下部32に比べて、曲げ強度が高くなり、高い靱性能を実現できる。
【0040】
〔第3実施形態〕
図7は、本発明の第3実施形態に係るコンクリート杭1Bを備えた基礎構造10の縦断面図である。
本実施形態では、杭上部30のフープ筋21aには、一本の螺旋状の高強度鉄筋を配筋し、杭中間部31および杭下部32のフープ筋21bには、杭上部よりも低強度の一本の螺旋状の鉄筋を配筋している。
本実施形態では、杭上部30のフープ筋21a同士の間隔と、杭中間部31および杭下部32のフープ筋21b同士の間隔は、略同一となっている。
【0041】
よって、例えば、杭中間部および杭下部では、pw1が0.2%、σwy1が390N/mm2とすると、Q1は0.78N/mm2となる。一方、杭上部では、高強度鉄筋を用いるため、pw2がpw1と等しい0.2%であり、σwy2を490N/mm2とすると、Q2が0.98N/mm2となり、Q1よりも大きくなって杭上部のせん断強度を高めることができる。
【0042】
なお、杭上部のフープ筋に、鉄筋径D19の鉄筋を使用し、杭中間部および杭下部のフープ筋に鉄筋径D16の螺旋状の鉄筋を使用して、杭上部のフープ筋を太径としてもよい。この場合も、杭上部のフープ筋のせん断強度を杭中間部および杭下部のせん断強度より高めることができる。
【0043】
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(5)杭上部30のフープ筋21に高強度の鉄筋を使用したので、フープ筋21同士の間隔を杭中間部および杭下部のフープ筋21同士の間隔よりも狭めることなく、杭上部30のせん断強度を、杭中間部31および杭下部32のせん断強度よりも容易に高くできる。
【0044】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上述の各実施形態では、フープ筋21として螺旋状の鉄筋を用いたが、これに限らず、フープ筋として円環状や矩形環状の鉄筋を用いてもよい。
【0045】
〔第1の変形例〕
また、
図8および
図9に示すように、コンクリート杭1Cの全長に亘って、フープ筋21を一本の螺旋状の鉄筋で構成し、さらに、フープ筋21に用いられる鉄筋の材質およびフープ筋21同士の間隔を略同一として、コンクリート杭1の杭上部30側の外周面にのみ、円筒形状の鋼製リング40を配置して、杭上部30のせん断強度を高めてもよい。
【0046】
〔第1の変形例〕
ここで、鋼製リング40を周方向に沿って複数の円弧状のリング部材に分割しておき、現場にて、この分割したリング部材同士をボルトで連結してもよい。このリング部材は、薄肉鋼板に補強鋼材を取り付けたもので、コンクリート型枠材を兼用できる。コンクリート杭1Cを現場で築造する場合、フープ筋に略水平に直線状に延びる支持鉄筋41を取り付け、その支持鉄筋41で鋼製リング40を支持する。
このようにしても、上述の(1)と同様の効果がある。
【0047】
〔第2の変形例〕
また、
図10に示すように、コンクリート杭1Dの全長に亘って、フープ筋21を一本の螺旋状の鉄筋で構成し、さらに、フープ筋21に用いられる鉄筋の材質およびフープ筋21同士の間隔を略同一として、杭上部30を高強度コンクリート50(
図10中斜線で示す)で築造し、杭中間部31および杭下部32を低強度コンクリート51で築造してもよい。この場合、杭上部30が杭中間部31および杭下部32より高強度のコンクリートで形成されていることで、杭上部30のせん断強度を杭中間部31および杭下部32のせん断強度よりも高めることができる。
【0048】
このコンクリート杭1Dを建設現場で場所打ち杭として築造する場合、先ず、地盤中に築造孔を設けた後、その築造孔に、主筋とフープ筋で組み立てられた鉄筋かごを挿入する。その後、築造孔に杭下部から杭中間部まで第1のコンクリート(低強度コンクリート51)を打設し、一旦打ち止める。その後、杭体断面内に脆弱部として打継面が形成されないように、第1コンクリートを打ち止めた時点から1時間以内に、再度、築造孔中に第1のコンクリートより高強度な第2のコンクリート(高強度コンクリート50)を打設する。これにより、杭上部側に高強度コンクリートを有するコンクリート杭1Dを形成できる。
【0049】
また、コンクリート杭1DをPC工場で既製杭として製造する場合、杭に打ち込む鉄筋かごを水平方向に延びる鋼製の円筒形状の型枠内に配置した後、杭上部と杭中間部との打継面には、鉄筋かごを横切るようにメッシュ型枠を設置し、この状態で、杭下部から杭中間部まで第1のコンクリート(低強度コンクリート51)を打設する。第1のコンクリートを打設した後、メッシュ型枠を取り除き、杭上部に第1のコンクリートより高強度な第2のコンクリート(高強度コンクリート50)を打設して、コンクリート杭1Dを形成する。