特開2020-197296(P2020-197296A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-197296(P2020-197296A)
(43)【公開日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】直動案内装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/06 20060101AFI20201113BHJP
   F16C 41/00 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
   F16C29/06
   F16C41/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-105615(P2019-105615)
(22)【出願日】2019年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】松村 恵介
【テーマコード(参考)】
3J104
3J217
【Fターム(参考)】
3J104AA03
3J104AA23
3J104AA36
3J104AA65
3J104AA69
3J104BA80
3J104DA20
3J217JA02
3J217JA14
3J217JA39
3J217JB16
(57)【要約】
【課題】スライダに作用しているモーメント荷重の方向を適切に判別することができる直動案内装置を提供する。
【解決手段】直動案内装置10は、案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を備える。スライダは、案内レールの幅方向の両側に配置された一対の袖部と、一対の袖部を連結する基部と、を有するスライダ本体を備え、案内レールの長手方向に移動可能である。一対の袖部には、スライダの長手方向における中心線に対して対称に一対のひずみセンサがそれぞれ配置されており、一方の袖部に配置された一対のひずみセンサと、他方の袖部に配置された一対のひずみセンサとは、スライダの幅方向における中心線に対して対称に配置されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を備える直動案内装置であって、
前記スライダは、前記案内レールの幅方向の両側に配置された一対の袖部と、前記一対の袖部を連結する基部と、を有するスライダ本体を備え、前記案内レールの長手方向に移動可能であり、
前記一対の袖部には、前記スライダの前記長手方向における中心線に対して対称に一対のひずみセンサがそれぞれ配置されており、
一方の前記袖部に配置された前記一対のひずみセンサと、他方の前記袖部に配置された前記一対のひずみセンサとは、前記スライダの前記幅方向における中心線に対して対称に配置されていることを特徴とする直動案内装置。
【請求項2】
前記ひずみセンサの検出値を比較し、前記スライダに作用しているモーメント荷重の方向を判別する判別部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置。
【請求項3】
前記判別部は、
前記スライダに作用しているモーメント荷重の方向が、
前記長手方向の軸回りのローリング方向、前記幅方向の軸回りのピッチング方向、および前記長手方向と前記幅方向とに直交する厚さ方向の軸回りのヨーイング方向のうちいずれであるかを判別することを特徴とする請求項2に記載の直動案内装置。
【請求項4】
前記判別部は、
前記ひずみセンサの検出値に基づいて、前記モーメント荷重の大きさを判別することを特徴とする請求項2または3に記載の直動案内装置。
【請求項5】
前記ひずみセンサは、前記袖部の前記幅方向における外側面に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の直動案内装置。
【請求項6】
前記ひずみセンサは、いずれも検出方向が一様であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の直動案内装置。
【請求項7】
前記ひずみセンサは、小型チップにセンサ素子とアンプを含む回路とを集積したMEMSひずみセンサであり、無線通信機能を有した機器と組み合わせることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の直動案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直動案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
設備に直動案内装置を取付けたときに、取付誤差などが原因で意図しない大きなモーメント荷重が作用し、早期故障に結びつく場合があった。これを避けるため、直動案内装置のスライダに作用する加重の方向を検出する需要があった。
従来、直動案内装置のスライダに作用する荷重の方向を検出する技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、スライダ本体の袖部に、圧縮ひずみ検出用センサと引張ひずみ検出用センサとを設置して、外部荷重の方向を判別する技術である。具体的には、引張ひずみ検出用センサを、スライダに荷重が作用した場合に袖部の外側面に形成される膨らみ部に設け、圧縮ひずみ検出用センサを、上記膨らみ部の上方に形成される凹み部に設ける。そして、各センサのひずみ検出値の比率を用いて、圧縮方向、引張方向、ローリング方向の荷重を判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4435104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、ピッチング方向やヨーイング方向に作用する荷重については判別することができない。
そこで、本発明は、スライダに作用しているモーメント荷重の方向を適切に判別することができる直動案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様の直動案内装置は、案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を備える直動案内装置であって、前記スライダは、前記案内レールの幅方向の両側に配置された一対の袖部と、前記一対の袖部を連結する基部と、を有するスライダ本体を備え、前記案内レールの長手方向に移動可能であり、前記一対の袖部には、前記スライダの前記長手方向における中心線に対して対称に一対のひずみセンサがそれぞれ配置されており、一方の前記袖部に配置された前記一対のひずみセンサと、他方の前記袖部に配置された前記一対のひずみセンサとは、前記スライダの前記幅方向における中心線に対して対称に配置されている。
このように、長手方向および幅方向の中心を対称にひずみセンサが配置されているため、これらのひずみセンサの検出値を用いて、スライダに作用しているモーメント荷重の方向を適切に判別することができる。
【0006】
また、上記の直動案内装置において、前記ひずみセンサの検出値を比較し、前記スライダに作用しているモーメント荷重の方向を判別する判別部をさらに備えてもよい。このように、長手方向および幅方向の中心を対称に配置されたひずみセンサの検出値を比較することで、容易にスライダに作用しているモーメント荷重の方向を判別することができる。したがって、例えば設備への取付時に、意図せずスライダに対してモーメント荷重が作用した場合などには、当該モーメント荷重の方向を判別し、取付誤差を検知することができる。
さらに、上記の直動案内装置において、前記判別部は、前記スライダに作用しているモーメント荷重の方向が、前記長手方向の軸回りのローリング方向、前記幅方向の軸回りのピッチング方向、および前記長手方向と前記幅方向とに直交する前記案内レールの厚さ方向の軸回りのヨーイング方向のうちいずれであるかを判別することができる。このように、スライダに作用しうるモーメント荷重の方向を適切に判別することができる。
【0007】
また、上記の直動案内装置において、前記判別部は、前記ひずみセンサの検出値に基づいて、前記モーメント荷重の大きさを判別するようにしてもよい。この場合、例えば設備への取付時に、意図せずスライダに対してモーメント荷重が作用した場合には、当該モーメント荷重の方向と大きさを判別し、取付誤差を適切に検知することができる。
【0008】
さらにまた、上記の直動案内装置において、前記ひずみセンサは、前記袖部の前記幅方向における外側面に配置されていてもよい。この場合、ひずみセンサの設置が容易となる。
また、上記の直動案内装置において、前記ひずみセンサは、いずれも検出方向を一様とすることができる。これにより、スライダに作用しているモーメント荷重によって生じるひずみを適切に検出し、当該モーメント荷重の方向を適切に判別することができる。
さらに、上記の直動案内装置において、前記ひずみセンサは、小型チップにセンサ素子とアンプを含む回路とを集積したMEMSひずみセンサであり、無線通信機能を有した機器と組み合わせてもよい。この場合、検出装置システムを簡略化でき、配線等が困難な狭い空間にもひずみセンサを配置できる。また、直動案内装置の繰返し移動による断線の問題を解決することも可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、スライダに作用しているモーメント荷重の方向を適切に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態における直動案内装置の正面図であって、右側半分は、断面図である。
図2図2は、本実施形態における直動案内装置の側面図である。
図3図3は、本実施形態における直動案内装置の平面図である。
図4図4は、ローリング方向の荷重が作用した場合の説明図である。
図5図5は、ピッチング方向の荷重が作用した場合の説明図である。
図6図6は、ヨーイング方向の荷重が作用した場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0012】
図1は、本実施形態における直動案内装置10の正面図である。図1において、右半分は、直動案内装置10をXZ平面で切断した場合の断面図である。図2は、本実施形態における直動案内装置10の側面図である。図3は、本実施形態における直動案内装置10の平面図である。
直動案内装置10は、案内レール1と、スライダ2と、複数の転動体(ボール)3と、を備える。スライダ2は、Y方向に一直線状に延びる断面形状略矩形の案内レール1の上に、案内レール1の長手方向(Y方向)に沿って移動可能に組み付けられている。
なお、以降の説明で参照する各図において、互いに直交するXYZ直交座標系のX軸方向は案内レール1及びスライダ2の幅方向、Y軸方向は案内レール1及びスライダ2の長手方向、Z軸方向は案内レール1及びスライダ2の厚さ方向である。
【0013】
案内レール1は、ボール3の軌道面11を二対四列有する。軌道面11は、案内レール1の幅方向の両側面1aと、各側面1aと上面1bとの角部とに形成され、案内レール1の長手方向に延びている。また、案内レール1の側面1aに形成された軌道面11には、ワイヤー状の保持器31を配置するための溝13が形成されている。
スライダ2は、案内レール1の幅方向の両側に配置された一対の袖部(脚部)2Aと、案内レール1の上面1b側に配置されて一対の袖部2Aを連結する基部(胴部)2Bと、を有するスライダ本体201を備える。そして、スライダ2は、両袖部2Aの間に案内レール1を挟み、スライダ2の内側面(袖部2Aの内側面)2aが、案内レール1の側面1aと対向配置されるように、案内レール1に移動可能に取り付けられている。スライダ2は、案内レール1の長手方向を移動方向として移動することができる。
【0014】
スライダ2は、移動方向(案内レール1の長手方向)に沿って、スライダ本体201、一対のエンドキャップ202、および一対のサイドシール203を備える。
具体的には、エンドキャップ202は、スライダ本体201の移動方向における両端部に着脱可能に取り付けられている。また、サイドシール203は、エンドキャップ202の移動方向における外端面に装着されている。サイドシール203は、案内シール1とスライダ2との間の移動方向における端面側の隙間を密封する。スライダ本体201は、例えば金属により構成することができる。また、エンドキャップ202は、例えば樹脂材料の成形品により構成することができる。
【0015】
スライダ本体201の両内側面2aには、案内レール1の軌道面11と対向する軌道面21が形成されている。これらの軌道面11、21によって、ボール3の転動通路が形成される。また、スライダ本体201には、袖部2Aの軌道面21よりも幅方向外側に、移動方向に延びる戻し通路22が形成されている。
【0016】
エンドキャップ202のスライダ本体201との当接面には、断面形状円形で円弧状に湾曲する方向転換路(不図示)が形成されている。このエンドキャップ202をねじ等の締結部材によりスライダ本体201に取り付けると、方向転換路によって上記のボール3の転動通路と戻し通路22とが連通される。ボール3は、上記の転動通路、戻し通路22および方向転換路からなる循環経路内に配置される。
このとき、案内レール1の側面1aの軌道面11により形成される転動通路に配置されたボール3は、保持器31により回転自在に保持される。また、案内レール1の角部の軌道面11により形成され転動通路道に配置されたボール3は、スライダ2に取り付けられた保持器32により回転自在に保持される。
【0017】
この直動案内装置10では、循環経路を循環するボール3を介して、スライダ2が案内レール1の長手方向に沿って直線移動する。
なお、転動体3の種類はボールに限定されるものではなく、例えば、ころ(円筒ころ等)であってもよい。また、案内レール1およびスライダ2が備える軌道面11、21の数は、片側二列に限定されるものではなく、例えば、片側一列や片側三列以上であってもよい。
【0018】
本実施形態における直動案内装置10は、スライダ本体201の袖部2Aの幅方向における外側面2bに配置されたひずみセンサ41〜44を備える。具体的には、一対の袖部2Aに、それぞれスライダ2の移動方向(案内レール1の長手方向)における中心線52に対して対称に一対のひずみセンサ(41と43、42と44)が配置されている。そして、一方の袖部2Aに配置された一対のひずみセンサ41、43と、他方の袖部2Aに配置された一対のひずみセンサ42、44とは、スライダ2の幅方向(案内レール1の幅方向)における中心線51に対して対称に配置されている。
【0019】
ひずみセンサ41〜44のZ方向における配置位置は、例えばスライダ本体201の袖部2AのZ方向中央位置とすることができる。また、ひずみセンサ41〜44のY方向における配置位置は、例えばスライダ本体201の袖部2AのY方向両端位置とすることができる。
このように、ひずみセンサ41〜44は、スライダ2の長手方向(Y方向)および幅方向(X方向)の中心を対称に袖部2Aに配置されている。また、ひずみセンサ41〜44は、いずれも検出方向が一様に取り付けられている。
【0020】
ひずみセンサ41〜44により検出された検出値(ひずみ量)は、判別部50(図3参照)に入力される。ここで、判別部50は、直動案内装置10が取り付けられた装置が備えていてもよいし、外部装置が備えていてもよい。
また、ひずみセンサ41〜44は、小型チップにセンサ素子とアンプなどの回路を集積したMEMS(Micro-Electrical-Mechanical Systems)ひずみセンサとすることができ、検出装置システムを簡略化することができる。この場合、ひずみセンサ41〜44は、それぞれセンサ信号を増幅し、デジタル信号に変換して、無線通信により検出値を判別部50に送信する。無線通信機能を有した機器を活用すれば、配線等が困難な狭い空間にも対応可能であり、直動案内装置の繰返し移動による断線の問題も解決することが可能である。この無線通信機能を有した機器を判断部50としてもよい。
なお、ひずみセンサ41〜44から判別部50への検出値の送信は、有線通信により行ってもよい。
【0021】
判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値を比較することで、スライダ2に作用しているモーメント荷重の方向を判別する。
スライダ2に対して作用するモーメント荷重としては、ローリング方向の荷重、ピッチング方向の荷重、ヨーイング方向の荷重がある。判別部50は、スライダ2に作用している荷重の方向が、上記のうちのいずれであるかを判別することができる。
【0022】
ローリング方向の荷重は、図4に示すように、Y軸(長手方向の軸)回りの回転モーメントP1である。図4に示すように、スライダ2にY軸回りの回転モーメントP1が作用した場合、幅方向の中心を対称に配置された一方のひずみセンサ41と43とが同等の検出値を示し、他方のひずみセンサ42と44とが同等の検出値を示す。また、ひずみセンサ41(43)とひずみセンサ42(44)とが異なる検出値を示す。
したがって、判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値を比較することで、スライダ2に作用している荷重の方向がローリング方向であることを判別することができる。
【0023】
ピッチング方向の荷重は、図5に示すように、X軸(幅方向の軸)回りの回転モーメントP2である。図5に示すように、スライダ2にX軸回りの回転モーメントP2が作用した場合、長手方向の中心を対称に配置された一方のひずみセンサ41と42とが同等の検出値を示し、他方のひずみセンサ43と44とが同等の検出値を示す。また、ひずみセンサ41(42)とひずみセンサ43(44)とが異なる検出値を示す。
したがって、判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値を比較することで、スライダ2に作用している荷重の方向がピッチング方向であることを判別することができる。
【0024】
ヨーイング方向の荷重は、図6に示すように、Z軸(長手方向と幅方向とに直交する、厚さ方向の軸)回りの回転モーメントP3である。図6に示すように、スライダ2にZ軸回りの回転モーメントP3が作用した場合、ひずみセンサ41と44とが同等の検出値を示し、ひずみセンサ42と43とが同等の検出値を示す。また、ひずみセンサ41(44)とひずみセンサ42(43)とが異なる検出値を示す。
したがって、判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値を比較することで、スライダ2に作用している荷重の方向がヨーイング方向であることを判別することができる。
【0025】
さらに、判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値に基づいて、スライダ2に実際に作用しているモーメント荷重の大きさを判別することもできる。例えば、予めひずみ量とモーメント荷重との関係をデータベース化しておき、判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値の大きさをもとに、上記データベース(テーブル)を参照してスライダ2に作用しているモーメント荷重の大きさを判別する。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の直動案内装置10において、スライダ本体201の袖部2Aには、長手方向および幅方向の中心を対称にひずみセンサ41〜44が配置されている。そのため、これらのひずみセンサ41〜44の検出値を用いて、スライダ2に作用しているモーメント荷重の方向を適切に判別することができる。
ここで、ひずみセンサ41〜44は、袖部2Aの幅方向における外側面2bに配置することができる。この場合、ひずみセンサ41〜44を容易に設置することができる。さらに、ひずみセンサ41〜44は、いずれも一様に取り付けられている。したがって、スライダ2に作用している荷重によって生じるひずみを適切に検出し、当該荷重の方向を適切に判別することができる。
【0027】
判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値をそれぞれ取得し、取得した検出値の大きさをそれぞれ比較することで、スライダ2に作用している外部荷重の方向を判別することができる。このように、比較的容易に外部荷重の方向を判別することができる。
また、判別部50は、ひずみセンサ41〜44の検出値に基づいて、スライダ2に作用している荷重の大きさを判別することもできる。この場合、上述したように、ひずみ量と荷重との関係を示すデータベース(テーブル)を用いることで、容易に外部荷重の大きさを判別することができる。
さらに、判別部50は、ローリング方向、ピッチング方向、ヨーイング方向といった、スライダ2に作用しうるモーメント荷重の方向を適切に判別することができる。
したがって、上記の判別結果を用いることで、設備への取付時に発生する取付誤差を検知し、早期故障を予防することができる。特に、取付時に意図せずして大きなモーメント荷重が発生するような場合には非常に有効であり、適切に早期故障を予防することができる。
【0028】
設備においてスライダは底部に設置されることが多いため、一般にセンサの配線やアンプの設置が困難である。しかしながら、小型チップにセンサ素子とアンプなどの回路とを集積したMEMSセンサに無線通信機能を有した機器を組み合わせることで、配線等が困難な狭い空間にもひずみセンサを配置することができ、検出値を適切に取得することができる。
さらに、スライダ本体201の袖部2Aにひずみセンサ41〜44を直接設置することができるので、ひずみ量を検出するために、例えば弾性体等の部材を別途設置する必要がなく、装置のサイズアップやコストアップを抑制することができる。
【0029】
(変形例)
なお、上記実施形態においては、直動案内装置10が4つのひずみセンサ41〜44を備える場合について説明したが、センサの数は上記に限定されない。センサ配置の対称性をくずさない限りでは、必要に応じてセンサの数を増やしてもよいし、逆に、必要な判別機能に合わせて、センサの数を減らしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、ひずみセンサが袖部2Aの外側面2bに配置されている場合について説明したが、センサ配置の対称性を保てれば、袖部2Aの内側面2aなど別の場所に配置してもよい。また、ひずみセンサは、外付けでも内蔵でもどちらでも構わない。
【符号の説明】
【0030】
1…案内レール、2…スライダ、2A…袖部、2B…基部、2a…内側面、2b…外側面、3…転動体、10…直動案内装置、41〜44…ひずみセンサ、201…スライダ本体、202…エンドキャップ、203…サイドシール
図1
図2
図3
図4
図5
図6