【課題】磁気センサが、所定の平面内で方向が変化する磁界を検出するのに適したMR素子を含み、検出対象磁界が、所定の平面外の方向を含む可変範囲内で方向が変化するものであっても、検出精度の低下を抑制できるようにする。
【解決手段】位置検出装置は、検出対象磁界を発生する磁石と、磁気センサ3を備えている。磁気センサ3は、検出対象磁界を検出して、磁石の位置に対応する検出値を生成する。検出対象磁界は、第1の平面内の基準位置において、第1の平面内で変化する第1の方向を有している。磁気センサ3は、MR素子R1,R2,R3,R4を含んでいる。各MR素子は、それに対応する第2の平面内において変化可能な方向の第1の磁化を有する第1の磁性層を含んでいる。第1の平面と第2の平面は、90°以外の二面角αをなして交差している。検出値は、第1の磁化の方向に依存する。
前記第1の磁性層は、前記第1の方向が前記可変範囲内の少なくとも一部の範囲内にあるときに、前記検出対象磁界によって前記第1の磁化が飽和状態になる特性を有することを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、更に、前記第2の平面に平行な方向の第2の磁化を有する第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層の間に配置されたギャップ層とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の位置検出装置。
前記磁気センサに対する前記磁界発生器の相対的な位置は、前記磁気センサと前記磁界発生器との間の距離が変化するように変化可能であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の位置検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、
図1および
図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る位置検出装置の概略について説明する。
図1および
図2に示したように、本実施の形態に係る位置検出装置1は、検出対象磁界を発生する磁界発生器2と、磁気センサ3とを備えている。磁気センサ3は、検出対象磁界を検出して、磁気センサ3に対する磁界発生器2の相対的な位置に対応する検出値θsを生成する。本実施の形態では特に、磁界発生器2は磁石である。以下、磁石についても符号2で表す。また、磁石2に関する説明は、磁界発生器2にも当てはまる。
【0032】
後で詳しく説明するが、磁気センサ3は、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と記す。)と、少なくとも1つのMR素子を支持する基板とを含んでいる。基板は、平面からなる主面と、主面に対して傾斜した少なくとも1つの傾斜面とを含んでいる。
【0033】
ここで、
図1および
図2に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、基板の主面に垂直な一方向(
図1および
図2では上側に向かう方向)をZ方向とする。X方向とY方向は、いずれも、基板の主面に対して平行な方向である。また、X方向とは反対の方向を−X方向とし、Y方向とは反対の方向を−Y方向とし、Z方向とは反対の方向を−Z方向とする。また、以下、基準の位置に対してZ方向の先にある位置を「上方」と言い、基準の位置に対して「上方」とは反対側にある位置を「下方」と言う。磁石2は、磁気センサ3の上方に位置している。
【0034】
磁気センサ3に対する磁石2の相対的な位置は、磁石2中の所定の点が線状の可動範囲RM内を移動するように変化可能である。以下、磁気センサ3に対する磁石2の相対的な位置を、単に、磁石2の位置と言う。また、上記の磁石2中の所定の点を、位置基準点と言い、符号2Cで表す。本実施の形態では特に、磁石2の位置は、磁気センサ3と磁石2との間の距離が変化するように変化可能である。位置基準点2Cは、例えば、磁石2の重心等の磁石2の内部の点であってもよいし、磁石2の表面上の点であってもよい。以下の説明では、磁石2の重心を位置基準点2Cとする。
【0035】
可動範囲RMは、主面に垂直な垂直面VP内に存在している。垂直面VPは、
図1に示している。また、
図2は垂直面VPを表している。本実施の形態では特に、垂直面VPはYZ平面であり、可動範囲RMはY方向に平行な線分で表される。磁石2は、垂直面VPに平行な方向の磁化を有している。本実施の形態では特に、磁石2は、Y方向の磁化を有している。
図1および
図2において、符号2Mを付した矢印は、磁石2の磁化の方向を表している。また、
図2において、点線は、検出対象磁界に対応する磁束の一部を表している。
【0036】
検出対象磁界は、第1の平面内の基準位置において第1の方向を有している。磁石2と磁気センサ3は、磁石2の位置が変化すると、第1の方向が第1の平面内において所定の可変範囲内で変化するように構成されている。本実施の形態では、第1の平面は、磁石2および磁気センサ3と交差するYZ平面である。第1の平面は、垂直面VPと一致していてもよい。以下の説明では、第1の平面は、垂直面VPと一致しているものとする。
【0037】
次に、
図3および
図4を参照して、磁気センサ3の構成の一例について説明する。
図3は、磁気センサ3の構成の一例を示す斜視図である。
図4は、磁気センサ3の回路構成の一例を示す回路図である。この例では、
図3に示したように、磁気センサ3は、4つのMR素子R1,R2,R3,R4と、MR素子R1,R2,R3,R4を支持する基板10とを含んでいる。基板10は、平板状の本体部10Mと、4つの突起部11,12,13,14を含んでいる。本体部10Mは、いずれも平面からなる上面10Maおよび底面10Mbを有している。上面10Maは、本体部10MにおけるZ方向の端に位置する。底面10Mbは、本体部10Mにおける−Z方向の端に位置する。上面10Maおよび底面10Mbは、いずれもXY平面であり、前述の主面に相当する。
【0038】
4つの突起部11,12,13,14は、上面10Maから上方に突出するように設けられている。突起部11,12,13,14は、それぞれ、主面である上面10Maに対して傾斜した傾斜面11a,12a,13a,14aを含んでいる。
【0039】
ここで、αを、0°よりも大きく90°よりも小さい角度とする。また、Z方向から−X方向に向かってαだけ回転した方向をU方向とし、U方向とは反対の方向を−U方向とする。また、Z方向からX方向に向かってαだけ回転した方向をV方向とする。また、V方向とは反対の方向を−V方向とする。
【0040】
傾斜面11a,14aは、いずれも、U方向およびY方向に平行な平面すなわちUY平面である。傾斜面12a,13aは、いずれも、V方向およびY方向に平行な平面すなわちVY平面である。
【0041】
MR素子R1,R2,R3,R4は、それぞれ傾斜面11a,12a,13a,14aに配置されている。以下、MR素子R1,R2,R3,R4のうちの任意のMR素子について説明する際には、そのMR素子を記号Rで表す。MR素子Rは、それに対応する第2の平面内において変化可能な方向の第1の磁化を有する第1の磁性層を含んでいる。MR素子Rが受ける検出対象磁界は、第2の平面に平行な面内成分と第2の平面に垂直な垂直成分に分けることができる。前述の第1の平面と第2の平面は、90°以外の二面角をなして交差している。本実施の形態では、この二面角は、前記のαである。
【0042】
本実施の形態において、第2の平面を基準平面とも言う。基準平面は、MR素子R毎に存在する。この基準平面を用いて表現すると、MR素子Rの第1の磁性層は、そのMR素子Rに対応する基準平面内において変化可能な方向の第1の磁化を有していると言える。また、前記の垂直面VPと基準平面は、二面角αをなして交差している。
【0043】
MR素子Rは、スピンバルブ型のMR素子であってもよいし、異方性MR素子であってもよい。本実施の形態では特に、MR素子Rは、スピンバルブ型のMR素子である。この場合、MR素子Rは、前述の第1の磁性層の他に、MR素子Rに対応する第2の平面に平行な方向の第2の磁化を有する第2の磁性層と、第1の磁性層と第2の磁性層の間に配置されたギャップ層とを含んでいる。第2の磁化の方向は変化しない。スピンバルブ型のMR素子は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、ギャップ層はトンネルバリア層である。GMR素子では、ギャップ層は非磁性導電層である。MR素子Rでは、第1の磁性層の第1の磁化の方向が第2の磁性層の第2の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。
図3および
図4において、塗りつぶした矢印は、第2の磁化の方向を表している。
【0044】
本実施の形態では、MR素子R1,R4における第2の磁化の方向は−U方向であり、MR素子R2,R3における第2の磁化の方向はV方向である。第2の磁化の方向は、MR素子Rの作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。
【0045】
MR素子R1に対応する第2の平面は、MR素子R1が配置された傾斜面11aに平行である。MR素子R2に対応する第2の平面は、MR素子R2が配置された傾斜面12aに平行である。MR素子R3に対応する第2の平面は、MR素子R3が配置された傾斜面13aに平行である。MR素子R4に対応する第2の平面は、MR素子R4が配置された傾斜面14aに平行である。MR素子R1,R2,R3,R4の各々に対応する第2の平面と、第1の平面との関係については、後で更に詳しく説明する。
【0046】
なお、基板10は、4つの突起部11,12,13,14の代わりに、上面10Maから窪んだ4つの溝部を含んでいてもよい。この4つの溝部は、それぞれ傾斜面11a,12a,13a,14aを含む。
【0047】
図4に示したように、磁気センサ3は、更に、電源端V1と、グランド端Gと、第1の信号出力端E1と、第2の信号出力端E2を含んでいる。MR素子R1とMR素子R2は、信号出力端E1を介して直列に接続されている。MR素子R1は、電源端V1と第1の信号出力端E1との間に設けられている。MR素子R2は、第1の信号出力端E1とグランド端Gとの間に設けられている。MR素子R3とMR素子R4は、第2の信号出力端E2を介して直列に接続されている。MR素子R3は、電源端V1と第2の信号出力端E2との間に設けられている。MR素子R4は、第2の信号出力端E2とグランド端Gとの間に設けられている。電源端V1には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランド端Gはグランドに接続される。
【0048】
磁気センサ3は、更に、差分検出器21と、検出値生成部22を含んでいる。差分検出器21は、信号出力端E1,E2の電位差に対応する検出信号S1を出力する。検出値生成部22は、検出信号S1に基づいて検出値θsを生成する。検出値生成部22は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)あるいはマイクロコンピュータによって構成されている。
【0049】
ここで、
図5を参照して、MR素子Rの構成の一例について説明する。
図5は、MR素子Rの一部を示す斜視図である。この例では、MR素子Rは、複数の下部電極41と、複数のMR膜50と、複数の上部電極42とを有している。複数の下部電極41は、MR素子Rが配置された傾斜面上に配置されている。個々の下部電極41は細長い形状を有している。下部電極41の長手方向に隣接する2つの下部電極41の間には、間隙が形成されている。
図5に示したように、下部電極41の上面上において、長手方向の両端の近傍に、それぞれMR膜50が配置されている。MR膜50は、下部電極41側から順に積層された第1の磁性層51、ギャップ層52、第2の磁性層53および反強磁性層54を含んでいる。第1の磁性層51は、下部電極41に電気的に接続されている。反強磁性層54は、反強磁性材料よりなり、第2の磁性層53との間で交換結合を生じさせて、第2の磁性層53の磁化の方向を固定する。複数の上部電極42は、複数のMR膜50の上に配置されている。個々の上部電極42は細長い形状を有し、下部電極41の長手方向に隣接する2つの下部電極41上に配置されて隣接する2つのMR膜50の反強磁性層54同士を電気的に接続する。このような構成により、
図5に示したMR素子Rは、複数の下部電極41と複数の上部電極42とによって直列に接続された複数のMR膜50を有している。なお、MR膜50における層51〜54の配置は、
図5に示した配置とは上下が反対でもよい。
【0050】
次に、
図2、
図6および
図7を参照して、磁石2の位置と検出対象磁界との関係について説明する。以下、磁石2の位置を位置基準点2Cの位置で表す。この場合、可動範囲RMは、磁石2の位置の可動範囲と言える。
図2は、磁石2が可動範囲RMの中央に位置する状態を表している。
図6は、磁石2が可動範囲RMの−Y方向の端に位置する状態を表している。
図7は、磁石2が可動範囲RMのY方向の端に位置する状態を表している。
【0051】
以下、第1の平面内の基準位置を記号P0で表し、基準位置P0における検出対象磁界を記号Hで表す。
図2に示したように、本実施の形態では、可動範囲RMの中央の点は、基準位置P0を通過しZ方向に平行な仮想の直線L1上に位置している。
【0052】
図2、
図6および
図7に示したように、検出対象磁界Hは、Z方向に平行な方向の第1の成分Hzと、Y方向に平行な方向の第2の成分Hyに分けることができる。なお、
図2に示した状態では、第1の成分Hzは0であり、第2の成分Hyは検出対象磁界Hと等しい。磁石2の位置が変化すると、検出対象磁界Hの方向すなわち第1の方向が変化する。以下、第1の方向を記号D1で表す。また、第1の方向D1が所定の基準方向に対してなす角度を第1の角度と言い、記号θ1で表す。本実施の形態では、Z方向を基準方向とする。第1の角度θ1は、Z方向からY方向に向けて回転する方向に見たときに正の値で表し、Z方向から−Y方向に向けて回転する方向に見たときに負の値で表す。磁石2の位置が変化すると、第1の角度θ1が変化する。従って、第1の角度θ1は、磁石2の位置と対応関係を有する。
【0053】
次に、
図8ないし
図12を参照して、MR素子R1,R2,R3,R4の各々に対応する第2の平面と、第1の平面との関係について説明する。以下、第1の平面を記号PL1で表す。また、MR素子R1,R4の各々に対応する第2の平面を記号PL21で表し、MR素子R2,R3の各々に対応する第2の平面を記号PL22で表す。
図8は、第1の平面PL1と第2の平面PL21を示している。
図9は、第1の平面PL1と第2の平面PL22を示している。なお、
図8および
図9は、便宜上、基準位置P0を通過するように第2の平面PL21,PL22を描いているが、第2の平面PL21,PL22は基準位置P0を通過するとは限らない。
図8および
図9において、記号PL3を付した平面は、基準位置P0を通るXY平面を表している。以下、この平面を第3の平面と言う。
【0054】
MR素子R1,R2,R3,R4は、検出対象磁界を受ける位置によって検出対象磁界の方向の実質的な相違が生じない領域内に配置される。MR素子R1,R2,R3,R4が受ける検出対象磁界の方向は、基準位置P0における検出対象磁界Hの方向すなわち第1の方向D1と実質的に同じである。
【0055】
磁石2の位置が可動範囲RM内で変化することにより、第1の方向D1は、第1の平面PL1内において所定の可変範囲内で変化する。
図8および
図9において、記号D1を付した矢印は、第1の方向D1と、基準位置P0における検出対象磁界Hの強度とを表している。記号D1を付した矢印の先端は、記号C1を付した円上を移動する。本実施の形態では、第1の方向D1の可変範囲の大きさは、180°以下である。第1の角度θ1の可変範囲は、最大で−180°から0°までの範囲である。
【0056】
図8に示したように、第2の平面PL21は、U方向およびY方向に平行な平面すなわちUY平面である。第2の平面PL21は、第1の平面PL1と第3の平面PL3の両方に対して傾いている。第1の平面PL1と第2の平面PL21は、90°以外の二面角αをなして交差する。第2の平面PL21は、Y方向の軸を中心としてXY平面を90°−αの角度だけ回転した平面である。
【0057】
本実施の形態では、第1の平面PL1は、
図1に示した垂直面VPと一致している。また、第2の平面PL21は、MR素子R1,R4の各々に対応する基準平面でもある。以下、基準平面を記号RPで表す。
図8に示したように、垂直面VPと、MR素子R1,R4の各々に対応する基準平面RPは、二面角αをなして交差する。
【0058】
第2の平面PL21上の面内成分は、第1の方向D1の変化に応じて変化する第2の方向D21を有している。
図8において、記号D21を付した矢印は、第2の方向D21と、第2の平面PL21上の面内成分の強度とを表している。記号D21を付した矢印の先端は、記号C21を付した楕円上を移動する。第2の方向D21および楕円C21は、それぞれ、第1の方向D1および円C1を、第2の平面PL21に垂直投影したものである。
【0059】
図9に示したように、第2の平面PL22は、V方向およびY方向に平行な平面すなわちVY平面である。第2の平面PL22は、第1の平面PL1と第3の平面PL3の両方に対して傾いている。第1の平面PL1と第2の平面PL22は、90°以外の二面角αをなして交差する。第2の平面PL22は、Y方向の軸を中心としてXY平面を90°−αの角度だけ回転した平面である。第2の平面PL22は、YZ平面に対して第2の平面PL21と面対称の関係にある。
【0060】
本実施の形態では、第2の平面PL22は、MR素子R2,R3の各々に対応する基準平面RPでもある。
図9に示したように、垂直面VPと、MR素子R2,R3の各々に対応する基準平面RPは、二面角αをなして交差する。
【0061】
第2の平面PL22上の面内成分は、第1の方向D1の変化に応じて変化する第2の方向D22を有している。
図9において、記号D22を付した矢印は、第2の方向D22と、第2の平面PL22上の面内成分の強度とを表している。記号D22を付した矢印の先端は、記号C22を付した楕円上を移動する。第2の方向D22および楕円C22は、それぞれ、第1の方向D1および円C1を、第2の平面PL22に垂直投影したものである。
【0062】
第2の方向D21がU方向に対してなす角度θ21と、第2の方向D22がV方向に対してなす角度θ22は等しい。以下、これらの角度θ21,θ22をいずれも第2の角度と呼ぶ。
【0063】
図10は、第1の方向D1と第1の角度θ1と円C1を示している。
図11は、第2の方向D21と第2の角度θ21と楕円C21を示している。
図12は、第2の方向D22と第2の角度θ22と楕円C22を示している。
【0064】
第2の角度θ21は、U方向からY方向に向けて回転する方向に見たときに正の値で表し、U方向から−Y方向に向けて回転する方向に見たときに負の値で表す。第2の角度θ22は、V方向からY方向に向けて回転する方向に見たときに正の値で表し、V方向から−Y方向に向けて回転する方向に見たときに負の値で表す。第2の角度θ21,θ22は、第1の角度θ1と対応関係を有している。本実施の形態では、第2の方向D21,D22の可変範囲の大きさは、180°以下である。第2の角度θ21,θ22の可変範囲は、最大で−180°から0°までの範囲である。
【0065】
第1の角度θ1が−180°のときは第2の角度θ21,θ22も−180°であり、第1の角度θ1が−90°のときは第2の角度θ21,θ22も−90°であり、第1の角度θ1が0°のときは第2の角度θ21,θ22も0°である。
【0066】
次に、第1の角度θ1、第2の角度θ21,θ22および検出信号S1の関係について説明する。MR素子R1,R4の各々における第1の磁性層の第1の磁化の方向は、第2の方向D21の変化すなわち第2の角度θ21の変化に応じて変化する。MR素子R1,R4の各々の抵抗値は、第1の磁化の方向に依存する。従って、MR素子R1,R4の各々の抵抗値は、第2の角度θ21の変化に応じて変化する。このように、MR素子R1,R4の各々の抵抗値は、MR素子R1,R4の各々の第1の磁性層の第1の磁化の方向および第2の角度θ21に依存する。
【0067】
MR素子R2,R3の各々における第1の磁性層の第1の磁化の方向は、第2の方向D22の変化すなわち第2の角度θ22の変化に応じて変化する。MR素子R2,R3の各々の抵抗値は、第1の磁化の方向に依存する。従って、MR素子R2,R3の各々の抵抗値は、第2の角度θ22の変化に応じて変化する。このように、MR素子R2,R3の各々の抵抗値は、MR素子R2,R3の各々の第1の磁性層の第1の磁化の方向および第2の角度θ22に依存する。
【0068】
図3および
図4に示した磁気センサ3では、第2の角度θ21,θ22が−180°のときに、MR素子R1,R4の抵抗値は最小値になり、MR素子R2,R3の抵抗値は最大値になる。また、第2の角度θ21,θ22が0°のときに、MR素子R1,R4の抵抗値は最大値になり、MR素子R2,R3の抵抗値は最小値になる。
【0069】
前述の通り、第2の角度θ21,θ22は、第1の角度θ1と対応関係を有している。従って、MR素子R1,R2,R3,R4の抵抗値は、第1の角度θ1にも依存する。
【0070】
検出信号S1は、信号出力端E1,E2の電位差に対応する。信号出力端E1の電位は、MR素子R1,R2の抵抗値に依存する。信号出力端E2の電位は、MR素子R3,R4の抵抗値に依存する。従って、検出信号S1は、MR素子R1,R2,R3,R4の抵抗値に依存する。
【0071】
以上のことから、検出信号S1は、MR素子R1,R2,R3,R4の各々の第1の磁性層の第1の磁化の方向、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22に依存する。
【0072】
なお、磁気センサ3の構成は、
図3および
図4に示した構成に限られない。例えば、磁気センサ3は、MR素子R1,R2を含むが、MR素子R3,R4を含まなくてもよい。この場合は、信号出力端E1の電位に対応する信号を、検出信号S1とすることができる。この場合の検出信号S1も、第1の磁化の方向、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22に依存する。
【0073】
また、磁気センサ3は、MR素子R3,R4を含まないと共に、MR素子R1の代わりに、一定の抵抗値を有する抵抗器を含んでいてもよい。この場合も、信号出力端E1の電位に対応する信号を、検出信号S1とすることができる。この場合の検出信号S1も、第1の磁化の方向、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22に依存する。
【0074】
次に、検出値生成部22が生成する検出値θsについて説明する。検出値θsは、検出信号S1に依存する。前述の通り、検出信号S1は、第1の磁化の方向、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22に依存する。従って、検出値θsは、第1の磁化の方向、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22に依存する。
【0075】
本実施の形態では特に、検出値θsは、第1の角度θ1を表す値である。前述のように、第1の角度θ1は、磁石2の位置と対応関係を有する。従って、検出値θsは、磁石2の位置に対応する。なお、検出値θsは、磁石2の位置そのものを表す値であってもよいし、第2の角度θ21,θ22を表す値であってもよい。前述のように、第2の角度θ21,θ22は第1の角度θ1と対応関係を有し、第1の角度θ1は磁石2の位置と対応関係を有する。従って、第2の角度θ21,θ22は磁石2の位置と対応関係を有し、第2の角度θ21,θ22を表す検出値θsも磁石2の位置と対応関係を有する。
【0076】
以下、検出値θsの生成方法について具体的に説明する。始めに、検出値θsの生成方法の概要について説明する。
図10に示した第1の方向D1を表す矢印は、基準位置P0を原点とするYZ座標系において、MR素子Rが受ける検出対象磁界の方向と強度を表すベクトルを表していると言える。以下、このベクトルを第1のベクトルD1と言う。また、第1のベクトルD1のY成分とZ成分をそれぞれY1,Z1とする。
【0077】
図11に示した第2の方向D21を表す矢印は、基準位置P0を原点とするYU座標系において、MR素子R1,R4の各々が受ける面内成分の方向と強度を表すベクトルを表していると言える。以下、このベクトルを、第2のベクトルD21と言う。第2のベクトルD21は、第2の平面PL21に第1のベクトルD1を垂直投影したものである。第2のベクトルD21のY成分は、第1のベクトルD1のY成分と同じ値すなわちY1になる。以下、第2のベクトルD21のY成分とU成分をそれぞれY1,U1とする。
【0078】
図12に示した第2の方向D22を表す矢印は、基準位置P0を原点とするYV座標系において、MR素子R2,R3の各々が受ける面内成分の方向と強度を表すベクトルを表していると言える。以下、このベクトルを、第2のベクトルD22と言う。第2のベクトルD22は、第2の平面PL22に第1のベクトルD1を垂直投影したものである。第2のベクトルD22のY成分は、第1のベクトルD1のY成分と同じ値すなわちY1になる。以下、第2のベクトルD22のY成分とV成分をそれぞれY1,V1とする。
【0079】
Z1は、U1と二面角αを用いて表すことができる。従って、比Y1/Z1は、比Y1/U1と二面角αを用いて表すことができる。なお、比Y1/V1は、比Y1/U1と等しい。比Y1/Z1と第1の角度θ1の関係と、比Y1/U1と第2の角度θ21の関係と、比Y1/Z1と比Y1/U1の関係を利用すると、第1の角度θ1と第2の角度θ21の関係を表す式が得られる。
【0080】
また、第2の角度θ21を表す値θ2sは、検出信号S1を用いて求めることができる。本実施の形態では、検出値生成部22は、θ2sを求め、第1の角度θ1と第2の角度θ21の関係を表す式にθ2sを代入することによって、検出値θsを生成する。
【0081】
次に、検出値θsの具体的な計算方法について説明する。比Y1/Z1および比Y1/U1は、それぞれ下記の式(1)、(2)で表される。
【0082】
Y1/Z1=tanθ1 …(1)
Y1/U1=tanθ21 …(2)
【0083】
また、Z1は、下記の式(3)で表される。
【0085】
式(1)を変形し、変形後の式に式(2)、(3)を代入すると、第1の角度θ1と第2の角度θ21の関係を表す下記の式(4)が得られる。なお、“atan”は、アークタンジェントを表す。
【0086】
θ1=atan(Y1/Z1)
=atan(Y1/(U1/cosα))
=atan(cosα・Y1/U1)
=atan(cosα・tanθ21) …(4)
【0087】
図3および
図4に示した磁気センサ3では、検出信号S1は、第2の角度θ21,θ22が−180°のときに最大値になり、第2の角度θ21,θ22が0°のときに最小値になる。
【0088】
検出信号S1は、第2の角度θ21が−180°のときに検出信号S1の値が1になり、第2の角度θ21が−90°のときに検出信号S1の値が0になり、第2の角度θ21が0°のときに検出信号S1の値が−1になるように規格化することができる。この場合、検出信号S1は、下記の式(5)で表される。
【0090】
以下、第1の角度θ1の可変範囲が異なる第1の例と第2の例について説明する。第1の角度θ1の可変範囲は、第1の例では−180°から0°までの範囲であり、第2の例では−180°より大きく0°より小さい範囲である。
【0091】
第1および第2の例のいずれにおいても、検出値生成部22は、下記の式(6)によって値θ2sを算出する。値θ2sの範囲は、第1の例では、−180°から0°までの範囲であり、第2の例では−180°より大きく0°より小さい範囲である。式(6)は、式(5)におけるθ21をθ2sに置き換えて変形したものである。なお、“acos”は、アークコサインを表す。
【0092】
θ2s=acos(−S1) …(6)
【0093】
第1の例では、検出値生成部22は、後で説明する例外を除いて、下記の式(7)によって検出値θsを算出する。検出値θsの範囲は、−180°から0°までの範囲である。式(7)は、式(4)におけるθ1,θ21を、それぞれθs,θ2sに置き換えたものである。
【0094】
θs=atan(cosα・tanθ2s) …(7)
【0095】
上記の例外とは、値θ2sが−180°または0°のときである。値θ2sが−180°または0°のときには、式(7)によるθsの解には、−180°と0°の2つの解がある。そこで、検出値生成部22は、値θ2sが−180°または0°のときには、値θ2sをそのまま検出値θsとする。これは、第1の角度θ1が−180°のときは第2の角度θ21,θ22も−180°であり、第1の角度θ1が0°のときは第2の角度θ21,θ22も0°であることを利用したものである。
【0096】
第2の例では、上記の例外は無く、検出値生成部22は、常に式(7)によって検出値θsを算出する。
【0097】
なお、検出値生成部22の処理内容は、上記の例に限られない。例えば、検出値生成部22は、検出信号S1と検出値θsとの対応関係を示すテーブルを保持し、このテーブルを参照して、検出信号S1から検出値θsを生成してもよい。上記テーブルにおける検出信号S1と検出値θsとの対応関係は、上述のように理論的に求められたものであってもよいし、実験によって求められたものであってもよい。
【0098】
次に、本実施の形態に係る位置検出装置1の作用および効果について説明する。位置検出装置1の磁気センサ3は、少なくとも1つのMR素子Rを含んでいる。各MR素子Rは、所定の平面すなわち第2の平面PL21またはPL22内において変化可能な方向の第1の磁化を有する第1の磁性層を含んでいる。そのため、各MR素子Rは、所定の平面すなわち第2の平面PL21またはPL22内で方向が変化する磁界を検出するのに適している。
【0099】
一方、磁石2が発生する検出対象磁界は、第1の平面PL1(YZ平面)内の基準位置P0において第1の方向D1を有している。磁石2の位置が変化すると、第1の方向D1は第1の平面PL1内において所定の可変範囲内で変化する。すなわち、磁石2の位置が変化すると、第1の方向D1は、上記の所定の平面外の方向を含む可変範囲内で変化する。本実施の形態によれば、以下のようにして、磁気センサ3が、所定の平面内で方向が変化する磁界を検出するのに適したMR素子Rを含み、基準位置P0における検出対象磁界が、所定の平面外の方向を含む可変範囲内で方向が変化するものであっても、検出精度の低下を抑制しながら、磁石2の位置に対応した検出値θsを生成することができる。
【0100】
すなわち、本実施の形態では、各MR素子Rは基板10の傾斜面に配置され、各MR素子Rに対応する第2の平面PL21またはPL22は第1の平面PL1に対して二面角αをなすように傾斜している。これにより、各MR素子Rによって、検出対象磁界の一成分である面内成分を検出することができる。面内成分の方向である第2の方向D21,D22は、基準位置P0における検出対象磁界の方向である第1の方向D1の変化に応じて変化する。第1の方向D1は、磁石2の位置の変化に応じて変化する。従って、第2の方向D21,D22も、磁石2の位置の変化に応じて変化する。
【0101】
また、各MR素子Rにおいて、第1の磁化の方向は、第2の方向D21またはD22の変化に応じて変化する。検出値θsは、第1の磁化の方向に依存する。以上のことから、検出値θsは、第1の方向D1および第2の方向D21,D22に依存すると共に、磁石2の位置に対応したものとなる。
【0102】
ところで、もし、第2の平面が、第1の平面PL1に垂直な平面であったら、第1の方向D1次第では、面内成分の強度が0または0に近い値になる場合がある。第2の平面が第1の平面PL1に垂直な場合の例としては、第2の平面が、X方向の軸を中心としてXY平面を0°より大きく90°より小さい角度だけ回転した平面である場合がある。この場合には、第1の方向D1が第2の平面に垂直であるときに面内成分の強度が0になり、第1の方向D1が第2の平面に垂直に近い方向であるときに面内成分の強度が0に近い値になる。このように、面内成分の強度が0または0に近い値になるときには、検出対象磁界の強度のばらつきに対する磁気センサ3の検出精度の低下の程度が大きくなる。
【0103】
これに対し、本実施の形態では、第2の平面PL21,PL22の各々は、第1の平面PL1と90°以外の二面角αをなして交差する。これにより、検出対象磁界が存在する限り、可変範囲内における第1の方向D1に関わらず、面内成分の強度が0になることはない。そのため、本実施の形態に係る位置検出装置1によれば、磁気センサ3が、所定の平面内で方向が変化する磁界を検出するのに適したMR素子Rを含み、基準位置P0における検出対象磁界が、所定の平面外の方向を含む可変範囲内で方向が変化するものであっても、検出精度の低下を抑制しながら、磁石2の位置に対応した検出値θsを生成することができる。
【0104】
また、本実施の形態では、磁石2の位置は、線状の可動範囲RM内を移動するように変化可能である。可動範囲RMは、主面に垂直な垂直面VP内に存在している。磁石2は、垂直面VPに平行な方向の磁化を有している。また、垂直面VPと、MR素子R毎の基準平面RPは、90°以外の二面角αをなして交差している。このような構成により、検出対象磁界が存在する限り、可変範囲内における第1の方向D1に関わらず、検出対象磁界の、基準平面RPに平行な成分すなわち面内成分の強度が0になることはない。これにより、上述の効果が得られる。
【0105】
また、本実施の形態では、第1の平面PL1は、基板10の主面である上面10Maおよび底面10Mbに垂直である。これにより、本実施の形態によれば、磁気センサ3と磁石2の位置関係を容易に規定することが可能になる。
【0106】
以下、二面角αの好ましい範囲について説明する。検出対象磁界の強度をH1とすると、面内成分の強度の最小値は、H1cosαである。面内成分の強度の最小値は、H1の10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。そのため、二面角αは、84°以下であることが好ましく、73°以下であることより好ましい。一方、二面角αが小さすぎると、基板10の傾斜面上にMR素子Rを形成することが難しくなる。そのため、二面角αは、30°以上であることが好ましく、45°以上であることがより好ましい。以上のことから、二面角αは、30°〜84°の範囲内であることが好ましく、45°〜73°の範囲内であることがより好ましい。
【0107】
ところで、MR素子Rの第1の磁性層の第1の磁化の方向は、面内成分の第2の方向D21またはD22の変化に精度よく追従することが好ましい。そのためには、第1の磁性層は、検出対象磁界の第1の方向D1が可変範囲内の少なくとも一部の範囲内にあるときに、検出対象磁界によって第1の磁化が飽和状態になる特性を有することが好ましい。第1の磁性層は、第1の方向D1が可変範囲内のいずれの方向であっても、検出対象磁界によって第1の磁化が飽和状態になる特性を有することがより好ましい。
【0108】
また、MR素子Rがスピンバルブ型のMR素子である場合、第1の磁性層の第1の磁化の方向が第2の方向D21またはD22の変化に精度よく追従するためには、第1の磁性層の一軸磁気異方性は小さいことが好ましい。
【0109】
MR素子Rの第1の磁性層は、第1の方向D1が可変範囲内のいずれの方向であっても、検出対象磁界によって第1の磁化が飽和状態になる特性を有していてもよい。この場合には、検出対象磁界の強度の変動によって、第1の磁性層の第1の磁化の方向が変動することはない。そのため、この場合には、検出対象磁界の強度の変動による検出値θsの変動を抑制することができる。検出対象磁界の強度の変動は、例えば、環境温度の変化や、磁気センサ3と磁石2の位置関係の変動によって生じ得る。
【0110】
本実施の形態に係る位置検出装置1は、位置を検出したい対象物の動きに連動して磁石2が動くように構成することで、種々の対象物の位置を検出する装置として利用することができる。例えば、位置検出装置1は、以下のような光学式手振れ補正機構を備えたカメラモジュールに適用することができる。このカメラモジュールは、レンズと支持機構と駆動装置とを備えている。レンズの光軸方向は、本実施の形態におけるZ方向に平行な方向である。支持機構は、Z方向に垂直な第1および第2の方向にレンズが移動可能なように、レンズを支持している。駆動装置は、第1および第2の方向にレンズを移動させるための装置である。
【0111】
このカメラモジュールでは、第1の方向についてのレンズの位置と、第2の方向についてのレンズの位置を検出する必要がある。本実施の形態に係る位置検出装置1は、このレンズの位置を検出するために用いることができる。位置検出装置1を、第1の方向についてのレンズの位置を検出するために用いる場合には、レンズの第1の方向の動きに連動して磁石2が本実施の形態におけるY方向に平行な方向に動くように、位置検出装置1を構成すればよい。同様に、位置検出装置1を、第2の方向についてのレンズの位置を検出するために用いる場合には、レンズの第2の方向の動きに連動して磁石2が本実施の形態におけるY方向に平行な方向に動くように、位置検出装置1を構成すればよい。
【0112】
次に、位置検出装置1によって磁石2の位置に対応する検出値θsを生成できることを示すシミュレーションの結果について説明する。このシミュレーションでは、磁石2の磁化の方向をY方向とし、可動範囲RMをY方向に平行な線分で表されるものとした。シミュレーションでは、磁石2の位置を、位置基準点2Cと可動範囲RMの中央との間の距離を絶対値とする値で表す。磁石2の位置は、位置基準点2Cが可動範囲RMの中央よりも−Y方向の先にある場合は負の値で表し、位置基準点2Cが可動範囲RMの中央よりもY方向の先にある場合は正の値で表す。
【0113】
また、シミュレーションでは、検出対象磁界Hの、Y方向に平行な方向の第2の成分Hyに対応する磁束密度Byと、検出対象磁界Hの、Z方向に平行な方向の第1の成分Hzに対応する磁束密度Bzとを求めた。シミュレーションでは、更に、第2の平面PL21上の面内成分の、U方向に平行な方向の成分をHuとし、成分Huに対応する磁束密度Buを求めた。磁束密度Bzは、第1の成分Hzの方向が−Z方向である場合は負の値で表し、第1の成分Hzの方向がZ方向である場合は正の値で表す。磁束密度Byは、第2の成分Hyの方向が−Y方向である場合は負の値で表し、第2の成分Hyの方向がY方向である場合は正の値で表す。磁束密度Buは、成分Huの方向が−U方向である場合は負の値で表し、成分Huの方向がU方向である場合は正の値で表す。
【0114】
図13は、シミュレーションで求めた磁石2の位置と磁束密度By,Bz,Buとの関係を示している。
図13において、横軸は磁石2の位置を表し、縦軸は磁束密度By,Bz,Buを表している。
【0115】
また、シミューションでは、
図13に示した結果を用いて、
図10に示した第1の角度θ1と、
図11に示した第2の角度θ21とを求めた。
図14は、シミュレーションで求めた磁石2の位置と角度θ1,θ21との関係を示している。
図14において、横軸は磁石2の位置を表し、縦軸は角度θ1,θ21を表している。
【0116】
図14から、第1の角度θ1と第2の角度θ21はいずれも磁石2の位置と対応関係を有することと、第2の角度θ21は第1の角度θ1と対応関係を有することが分かる。前述の通り、本実施の形態における検出値θsは、第1の角度θ1を表す値でもよいし、第2の角度θ21を表す値でもよい。従って、シミュレーションの結果から、本実施の形態によれば、磁石2の位置に対応する検出値θsを生成できることが分かる。
【0117】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図15は、本実施の形態に係る位置検出装置1の斜視図である。
図16は、本実施の形態に係る位置検出装置1の断面図である。以下、本実施の形態に係る位置検出装置1が第1の実施の形態に係る位置検出装置1と異なる点について説明する。本実施の形態に係る位置検出装置1は、第1の実施の形態における磁界発生器2の代わりに磁界発生器62を含んでいる。本実施の形態では特に、磁界発生器62は磁石である。以下、磁石についても符号62で表す。また、磁石62に関する説明は、磁界発生器62にも当てはまる。
【0118】
磁石62は、磁気センサ3の上方に位置している。第1の実施の形態と同様に、磁石62は、垂直面VPに平行な方向の磁化を有している。本実施の形態では特に、磁石62は、Z方向の磁化を有している。
図15および
図16において、符号62Mを付した矢印は、磁石62の磁化の方向を表している。また、
図16において、複数の点線は、検出対象磁界に対応する磁束の一部を表している。
【0119】
第1の実施の形態と同様に、磁気センサ3に対する磁石62の相対的な位置を、単に、磁石62の位置と言う。磁石62の相対的な位置は、磁石62中の位置基準点62Cが線状の可動範囲RM内を移動するように変化可能である。位置基準点62Cは、例えば磁石62の重心である。
【0120】
本実施の形態における可動範囲RMは、第1の実施の形態と同様である。すなわち、可動範囲RMは、
図15に示した垂直面VP内に存在している。
図16は垂直面VPを表している。本実施の形態では特に、垂直面VPはYZ平面であり、可動範囲RMはY方向に平行な線分で表される。
【0121】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、第1の平面PL1、基準位置P0、第1の方向D1、第1の角度θ1、第2の平面PL21,PL22、第2の方向D21,D22および第2の角度θ21,θ22が定義される。
図16は、垂直面VPと一致する第1の平面PL1を表している。
【0122】
可動範囲RM内で磁石62の位置が変化すると、基準位置P0における検出対象磁界Hの方向である第1の方向D1が第1の平面PL1内において所定の可変範囲内で変化する。これは、
図16から、容易に理解することができる。すなわち、可動範囲RM内で磁石62の位置が変化すると、基準位置P0を通過する磁束の方向すなわち第1の方向D1が変化する。
【0123】
第1の実施の形態と同様に、本実施の形態においても、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22は、磁石62の位置と対応関係を有する。
【0124】
本実施の形態において、第1の方向D1の可変範囲の大きさは180°以下であり、第1の角度θ1の可変範囲は最大で−90°から90°までの範囲である。また、第2の方向D21,D22の可変範囲の大きさは180°以下であり、第2の角度θ21,θ22の可変範囲は最大で−90°から90°までの範囲である。
【0125】
本実施の形態では、MR素子R1,R4における第2の磁化の方向はY方向であり、MR素子R2,R3における第2の磁化の方向は−Y方向である。検出信号S1は、第2の角度θ21が−90°のときに検出信号S1の値が−1になり、第2の角度θ21が0°のときに検出信号S1の値が0になり、第2の角度θ21が90°のときに検出信号S1の値が1になるように規格化することができる。この場合、検出信号S1は、第1の実施の形態における式(5)の代わりに、下記の式(8)で表される。
【0127】
本実施の形態における検出値生成部22は、第1の実施の形態における式(6)の代わりに、下記の式(9)によって値θ2sを算出する。なお、“asin”は、アークサインを表す。
【0129】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0130】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図17は、本実施の形態に係る位置検出装置1の斜視図である。
図18は、本実施の形態に係る位置検出装置1の断面図である。以下、本実施の形態に係る位置検出装置1が第1の実施の形態に係る位置検出装置1と異なる点について説明する。
【0131】
本実施の形態に係る位置検出装置1では、磁石2の可動範囲RMが第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態における可動範囲RMは、Z方向に平行な線分で表される。この可動範囲RMは、
図17に示した垂直面VP内に存在している。垂直面VPはYZ平面である。
図18は垂直面VPを表している。
【0132】
また、
図18に示したように、本実施の形態では、磁石2の重心である位置基準点2Cは、基準位置P0を通過しZ方向に平行な仮想の直線L1から、Y方向にずれた位置にある。
【0133】
本実施の形態における磁石2の磁化の方向2Mは、第1の実施の形態と同様に、Y方向である。
図18において、複数の点線は、磁石2が発生する検出対象磁界に対応する磁束の一部を表している。
【0134】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、第1の平面PL1、基準位置P0、第1の方向D1、第1の角度θ1、第2の平面PL21,PL22、第2の方向D21,D22および第2の角度θ21,θ22が定義される。
図18は、垂直面VPと一致する第1の平面PL1を表している。
【0135】
可動範囲RM内で磁石2の位置が変化すると、基準位置P0における検出対象磁界Hの方向である第1の方向D1が第1の平面PL1内において所定の可変範囲内で変化する。これは、
図18から、容易に理解することができる。すなわち、可動範囲RM内で磁石2の位置が変化すると、基準位置P0を通過する磁束の方向すなわち第1の方向D1が変化する。
【0136】
第1の実施の形態と同様に、本実施の形態においても、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22は、磁石2の位置と対応関係を有する。
【0137】
本実施の形態において、第1の方向D1の可変範囲の大きさは90°以下であり、第1の角度θ1の可変範囲は最大で−90°から0°までの範囲である。また、第2の方向D21,D22の可変範囲の大きさは90°以下であり、第2の角度θ21,θ22の可変範囲は最大で−90°から0°までの範囲である。
【0138】
本実施の形態に係る位置検出装置1は、例えば、以下のようなオートフォーカス機構を備えたカメラモジュールに適用することができる。このカメラモジュールは、レンズと支持機構と駆動装置とを備えている。レンズの光軸方向は、本実施の形態におけるZ方向に平行な方向である。支持機構は、Z方向に平行な方向にレンズが移動可能なように、レンズを支持している。駆動装置は、Z方向に平行な方向にレンズを移動させるための装置である。
【0139】
このカメラモジュールでは、Z方向に平行な方向についてのレンズの位置を検出する必要がある。本実施の形態に係る位置検出装置1は、このレンズの位置を検出するために用いることができる。この場合、レンズの動きに連動して磁石2がZ方向に平行な方向に動くように、位置検出装置1を構成すればよい。
【0140】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0141】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図19は、本実施の形態に係る位置検出装置1の斜視図である。
図20は、本実施の形態に係る位置検出装置1の断面図である。以下、本実施の形態に係る位置検出装置1が第2の実施の形態に係る位置検出装置1と異なる点について説明する。
【0142】
本実施の形態では、磁石62の可動範囲RMが第2の実施の形態と異なっている。本実施の形態における可動範囲RMは、Z方向に平行な線分で表される。この可動範囲RMは、
図19に示した垂直面VP内に存在している。垂直面VPはYZ平面である。
図20は垂直面VPを表している。
【0143】
また、
図20に示したように、本実施の形態では、磁石62の重心である位置基準点62Cは、基準位置P0を通過しZ方向に平行な仮想の直線L1から、Y方向にずれた位置にある。
【0144】
本実施の形態における磁石62の磁化の方向62Mは、第2の実施の形態と同様に、Z方向である。
図20において、複数の点線は、磁石62が発生する検出対象磁界に対応する磁束の一部を表している。
【0145】
本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、第1の平面PL1、基準位置P0、第1の方向D1、第1の角度θ1、第2の平面PL21,PL22、第2の方向D21,D22および第2の角度θ21,θ22が定義される。
図20は、垂直面VPと一致する第1の平面PL1を表している。
【0146】
可動範囲RM内で磁石62の位置が変化すると、基準位置P0における検出対象磁界Hの方向である第1の方向D1が第1の平面PL1内において所定の可変範囲内で変化する。これは、
図20から、容易に理解することができる。すなわち、可動範囲RM内で磁石62の位置が変化すると、基準位置P0を通過する磁束の方向すなわち第1の方向D1が変化する。
【0147】
第2の実施の形態と同様に、本実施の形態においても、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22は、磁石2の位置と対応関係を有する。
【0148】
本実施の形態において、第1の方向D1の可変範囲の大きさは90°以下であり、第1の角度θ1の可変範囲は最大で0°から90°までの範囲である。また、第2の方向D21,D22の可変範囲の大きさは90°以下であり、第2の角度θ21,θ22の可変範囲は最大で0°から90°までの範囲である。
【0149】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。
【0150】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る位置検出装置は、
図21および
図22に示したハプティクスデバイス100に含まれている。このハプティクスデバイス100は、振動等の機械的な変動を発生して、利用者に仮想的な力覚を与えることを可能にするデバイスである。
図21は、本実施の形態に係る位置検出装置を含むハプティクスデバイス100の概略の構成を示す斜視図である。
図22は、
図21に示したハプティクスデバイス100の概略の構成を示す断面図である。
【0151】
図21および
図22に示したように、ハプティクスデバイス100は、筐体101と、可動部102と、支持部103と、第1のコイル111と、第2のコイル112と、磁気センサ3とを備えている。可動部102、支持部103、第1のコイル111、第2のコイル112および磁気センサ3は、筐体101内に設けられている。
【0152】
本実施の形態では、
図21および
図22に示したように、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向が定義される。
【0153】
筐体101は、Z方向の端に位置する上面と、−Z方向の端に位置する下面と、上面と下面を連結する連結面とを有している。筐体101は、X方向、Y方向、Z方向の各寸法のうち、Y方向の寸法が最も大きく、Z方向の寸法が最も小さい形状を有している。
【0154】
可動部102は、ケース120と、このケース120内に収容された第1の磁石121および第2の磁石122を含んでいる。第1の磁石121は、Y方向におけるケース120の中央の位置よりも−Y方向の先に配置されている。第2の磁石122は、Y方向におけるケース120の中央の位置よりもY方向の先に配置されている。
【0155】
第1の磁石121は、Z方向の磁化を有している。
図22において、符号121Mを付した矢印は、第1の磁石121の磁化の方向を表している。第2の磁石122は、−Z方向の磁化を有している。
図22において、符号122Mを付した矢印は、第2の磁石122の磁化の方向を表している。
【0156】
支持部103は、2つのばね103A,103Bを含んでいる。ばね103Aは、筐体101の内面のうちの−Y方向の端に位置する一箇所と、ケース120の外面のうちの−Y方向の端に位置する一箇所とを連結している。ばね103Bは、筐体101の内面のうちのY方向の端に位置する一箇所と、ケース120の外面のうちのY方向の端に位置する一箇所とを連結している。支持部103は、可動部102を、Y方向に平行な方向に移動できるように支持している。
【0157】
第1のコイル111は、筐体101の内面のうちのZ方向の端に位置する一部分に接合されている。第2のコイル112は、筐体101の内面のうちの−Z方向の端に位置する一部分に接合されている。第1のコイル111と第2のコイル112は、いずれも、Z方向に延びる仮想の中心線の周りに巻かれている。第1および第2のコイル111,112の各々の内側には、空間が形成されている。
【0158】
磁気センサ3は、第1のコイル111の内側の空間に配置されている。本実施の形態における磁気センサ3の構成は、第1の実施の形態における磁気センサ3と同じである。
【0159】
第1および第2の磁石121,122と磁気センサ3は、本実施の形態に係る位置検出装置を構成する。第1および第2の磁石121,122は、本実施の形態における磁界発生器を構成する。
【0160】
次に、ハプティクスデバイス100の動作について説明する。第1および第2のコイル111,112には、図示しない制御部から交流電流が供給される。同じ時刻において、第1のコイル111を流れる電流の方向と、第2のコイル112を流れる電流の方向は同じである。交流電流が供給された第1および第2のコイル111,112は磁界を発生する。この第1および第2のコイル111,112が発生する磁界と、第1および第2の磁石121,122が発生する磁界との作用により、第1および第2の磁石121,122を含む可動部102は、Y方向に平行な方向に機械的に変動する。この可動部102の機械的変動が、利用者に仮想的な力覚を与える。可動部102の機械的変動は、可動部102の振動を含む。
【0161】
本実施の形態に係る位置検出装置は、磁気センサ3に対する第1および第2の磁石121,122の相対的な位置に対応する検出値を生成する。磁気センサ3に対する第1および第2の磁石121,122の相対的な位置は、磁気センサ3に対する可動部102の相対的な位置に対応する。従って、検出値によって、例えば、磁気センサ3に対する可動部102の相対的な位置や、可動部102の振動の振幅の大きさを知ることができる。検出値は、例えば、上記制御部が可動部102の動作を制御するために用いられる。
【0162】
本実施の形態における検出対象磁界は、第1および第2の磁石121,122が発生する磁界である。検出対象磁界は、磁気センサ3に印加される。磁気センサ3には、検出対象磁界の他に、第1および第2のコイル111,112が発生する磁界も印加される。しかし、第1および第2のコイル111,112が発生する磁界の強度は、第1および第2の磁石121,122が発生する磁界の強度よりも十分に小さい。そのため、第1および第2のコイル111,112が発生する磁界が磁気センサ3の検出値に与える影響は小さく、磁気センサ3は、実質的に検出対象磁界を検出する。
【0163】
磁気センサ3に対する磁石121の相対的な位置は、磁気センサ3と磁石121との間の距離が変化するように変化可能である。磁気センサ3に対する磁石122の相対的な位置は、磁気センサ3と磁石122との間の距離が変化するように変化可能である。
【0164】
以下、磁気センサ3に対する第1および第2の磁石121,122の相対的な位置を、単に、磁石121,122の位置と言う。また、磁石121,122中の所定の点を位置基準点と言い、磁石121,122の位置を位置基準点の位置で表す。位置基準点は、第1の磁石121の重心または第2の磁石122の重心であってもよい。
【0165】
磁石121,122の位置は、位置基準点が線状の可動範囲内を移動するように変化可能である。本実施の形態における可動範囲は、Y方向に平行な線分で表される。
【0166】
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、垂直面VP、第1の平面PL1、基準位置P0、第1の方向D1、第1の角度θ1、第2の平面PL21,PL22、第2の方向D21,D22および第2の角度θ21,θ22が定義される。
図22は、垂直面VPおよび第1の平面PL1を表している。垂直面VPおよび第1の平面PL1は、YZ平面である。
【0167】
磁石121,122の磁化の方向121M,122Mは、垂直面VPに平行である。可動範囲は、垂直面VP内に存在している。
【0168】
可動範囲内で磁石121,122の位置が変化すると、基準位置P0における検出対象磁界Hの方向である第1の方向D1が第1の平面PL1内において所定の可変範囲内で変化する。
図22は、磁石121,122が可動範囲の中央に位置に位置する状態を表している。この状態では、第1の方向D1はY方向である。
図22に示した状態から、磁石121,122が−Y方向に移動すると、第1の方向D1は、Y方向から−Z方向に向かって回転する。
図22に示した状態から、磁石121,122がY方向に移動すると、第1の方向D1は、Y方向からZ方向に向かって回転する。
【0169】
第1の実施の形態と同様に、本実施の形態においても、第1の角度θ1および第2の角度θ21,θ22は、磁石121,122の位置と対応関係を有する。
【0170】
本実施の形態において、第1の方向D1の可変範囲の大きさは180°以下であり、第1の角度θ1の可変範囲は最大で0°から180°までの範囲である。また、第2の方向D21,D22の可変範囲の大きさは180°以下であり、第2の角度θ21,θ22の可変範囲は最大で0°から180°までの範囲である。
【0171】
本実施の形態における検出値θsの具体的な計算方法は、第1の実施の形態と同様である。なお、第1の実施の形態における角度θ1,θ21,θ22の−180°は、本実施の形態における角度θ1,θ21,θ22の180°と等価である。
【0172】
本実施の形態に係る位置検出装置のその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0173】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明において、磁気センサに対する磁界発生器の相対的な位置は、磁気センサと磁界発生器との間の距離が一定のままで変化してもよい。
信号出力端E1を介して直列に接続されている。MR素子R1は、電源端V1と第1の信号出力端E1との間に設けられている。MR素子R2は、第1の信号出力端E1とグランド端Gとの間に設けられている。MR素子R3とMR素子R4は、第2の信号出力端E2を介して直列に接続されている。MR素子R3は、電源端V1と第2の信号出力端E2との間に設けられている。MR素子R4は、第2の信号出力端E2とグランド端Gとの間に設けられている。電源端V1には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランド端Gはグランドに接続される。
可動範囲内で磁石121,122の位置が変化すると、基準位置P0における検出対象磁界Hの方向である第1の方向D1が第1の平面PL1内において所定の可変範囲内で変化する。