【解決手段】料金算出サーバ20において、取得部21は、ユーザが使用する車両に搭載された車載機器の利用状況が記録された利用状況データを取得する。利用履歴管理部22は、利用状況データの履歴をユーザに対応付けて管理する。車両管理部25は、車載機器が有する一の機能の利用可否を示す利用可否情報を、車載機器が搭載される車両に対応付けて記録する。料金決定部26は、ユーザが車両を新たに利用する場合、車両の貸出料金を決定する。貸し出される車両の利用可否情報が、当該車両の車載機器が有する一の機能を利用できないことを示し、かつ、利用状況データの履歴が所定条件を満たす場合、料金調整部27は、貸出料金の一部を値引きする。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
[1.構成]
[1.1.レンタカーシステム100の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る料金算出サーバ20を備えるレンタカーシステム100の構成を示す機能ブロック図である。
図1を参照して、レンタカーシステム100は、記録装置10と、車載機器10Aと、加速度センサ10Bと、料金算出サーバ20と、予約端末30とを備える。
【0024】
記録装置10は、レンタカーシステム100を運用する企業が貸し出す車両1に搭載される。記録装置10は、車両1に搭載された車載機器10Aの利用状況を記録する。記録装置10は、車両1に搭載された加速度センサ10Bから受ける加速度情報や、車両1の速度情報に基づいて、車両1を運転するユーザの運転状況を記録する。記録装置10は、記録した利用状況及び運転状況を示す状況データ51を料金算出サーバ20に出力する。
【0025】
車載機器10Aは、本実施の形態では、カーナビゲーション装置である。車載機器10Aは、車両1の走行ルートを案内するナビゲーション機能の他に、映像再生機能、音楽再生機能、テレビ機能、ラジオ機能、ETC(Electronic Toll Collection system)機能を含む。車載機器10Aは、記録装置10からの要求に応じて、車載機器10Aの利用状況を通知する。
【0026】
加速度センサ10Bは、車両1の前後方向、左右方向及び鉛直方向の各々の加速度を測定し、その測定結果を示す加速度情報を記録装置10に出力する。
【0027】
予約端末30は、レンタカーサービスを提供する企業の営業所に設定され、料金算出サーバ20と通信する。予約端末30は、ユーザ9からのレンタカーの予約申し込みを受け付ける。予約端末30は、ユーザ9によるレンタカーの新たな予約を受け付けた場合、予約内容を含む料金算出要求52を料金算出サーバ20に送信する。
【0028】
料金算出サーバ20は、記録装置10及び予約端末30の各々と通信する。料金算出サーバ20は、状況データ51を車両1に搭載された記録装置10から受ける。料金算出サーバ20は、料金算出要求52を予約端末30から受けた場合、料金算出要求52に含まれる予約申込内容に基づいて、貸出料金を算出する。料金算出サーバ20は、記録装置10から受けた状況データ51に基づいて、算出した貸出料金の値引き額を決定し、決定した値引額を用いて貸出料金を調整する。料金算出サーバ20は、調整された貸出料金を示す料金通知53を予約端末30に出力する。
【0029】
[1.2.記録装置10の構成]
図2は、
図1に示す記録装置10の構成を示す機能ブロック図である。
図2を参照して、記録装置10は、動作確認部11と、利用時間取得部12と、運転状況取得部13と、状況データ作成部14と、通信部15とを備える。
【0030】
動作確認部11は、動作確認要求111を車載機器10Aに所定の要求間隔で送信する。動作確認要求111は、車載機器10Aが実行している機能の通知を要求するメッセージである。所定の要求間隔は、例えば、1分である。動作確認部11は、動作確認要求111の応答である機能通知112を車載機器10Aから受けた場合、その受けた機能通知112を利用時間取得部12に供給する。
【0031】
利用時間取得部12は、動作確認部11から受けた機能通知112に基づいて、車載機器10Aが有する各機能の利用時間を取得し、取得した利用時間に基づいて利用状況データ121を生成する。利用状況データ121は、車載機器10Aが有する各機能の利用時間を示し、車両1を特定する情報と、各機能の利用時間と、利用状況データ121の生成日とを示す。生成された利用状況データ121は、状況データ作成部14に出力される。
【0032】
運転状況取得部13は、加速度センサ10Bから加速度情報131を受け、車両1から速度情報132を受ける。速度情報132は、車両1の車輪の単位時間あたりの回転量を示す。運転状況取得部13は、その受けた加速度情報131及び速度情報132に基づいて、車両1の運転状況を特定する。具体的には、運転状況取得部13は、加速度情報131及び速度情報132に基づいて危険運転の発生回数をカウントし、危険運転の発生回数を示す運転状況データ133を状況データ作成部14に出力する。運転状況データ133は、車両1を特定する情報と、危険運転の発生回数と、運転状況データ133の作成日とを含む。
【0033】
状況データ作成部14は、利用時間取得部12から受けた利用状況データ121と、運転状況取得部13から受けた運転状況データ133とを含む状況データ51を作成する。状況データ作成部14は、その作成した状況データ51を、通信部15を介して料金算出サーバ20に送信する。
【0034】
通信部15は、無線通信を用いて、状況データ作成部14から受けた状況データ51を料金算出サーバ20に送信する。
【0035】
[1.3.料金算出サーバ20の構成]
図3は、
図1に示す料金算出サーバ20の構成を示す機能ブロック図である。
図3を参照して、料金算出サーバ20は、取得部21と、利用履歴管理部22と、運転履歴管理部23と、ポイント管理部24と、車両管理部25と、料金決定部26と、料金調整部27と、利用履歴データベース31と、運転履歴データベース32と、ポイントデータベース33と、車両管理データベース34と、予約データベース35とを備える。以下の説明において、データベースを「DB(DataBase)」と省略して記載する。
【0036】
なお、料金算出サーバ20とは別のサーバが、
図3に示すDBを備えてもよい。この場合、料金算出サーバ20は、別のサーバと通信してこれらのDBにアクセスする。
【0037】
取得部21は、記録装置10と通信することにより、状況データ51を記録装置10から取得する。取得部21は、その取得した状況データ51に含まれる利用状況データ121を利用履歴管理部22及びポイント管理部24に出力する。取得部21は、その取得した状況データ51に含まれる運転状況データ133を運転履歴管理部23に出力する。
【0038】
利用履歴管理部22は、利用履歴DB31を用いて、取得部21から受けた利用状況データ121をユーザ9と対応付けて管理する。具体的には、ユーザ9が車両1を借りていた場合、利用履歴管理部22は、利用履歴DB31に含まれる複数の累積利用データのうちユーザ9に対応する累積利用データを特定する。利用履歴管理部22は、特定した累積利用データを取得部21から受けた利用状況データ121を用いて更新する。累積利用データは、ユーザ9がレンタカーサービスを利用した時の車載機器の利用状況を示す。詳細は後述するが、累積利用データは、車載機器が有する各機能の累積利用時間を記録する。
【0039】
運転履歴管理部23は、運転履歴DB32を用いて、取得部21から受けた運転状況データ133をユーザ9と対応付けて管理する。具体的には、ユーザ9が車両1を借りていた場合、運転履歴管理部23は、運転履歴DB31に含まれる複数の危険運転データのうちユーザ9に対応する危険運転データを特定する。運転履歴管理部23は、特定した運転履歴データを、取得部21から受けた運転状況データ133を用いて更新する。詳細は後述するが、運転履歴データは、ユーザ9がレンタカーサービスから借りた車両において危険運転を行う頻度を示す。
【0040】
ポイント管理部24は、予約DBと、取得部21から受けた利用状況データ121とを用いて、利用状況データ121の作成日において車両1を使用していたユーザ9を特定する。ユーザ9の特定の詳細については後述する。なお、予約DB35は、車両の予約状況を管理するためのデータベースであり、ユーザ9のID報と、ユーザ9の予約車両と、予約期間とを対応付けて管理する。
【0041】
また、ポイント管理部24は、取得部21から受けた利用状況データ121を用いて、ユーザ9に付与するポイントを決定する。ポイント管理部24は、決定したポイントをユーザ9のIDに対応付けて、ポイントDB33に記録されたユーザ9のポイントに加算する。ポイントDB33は、レンタカーサービスを利用するユーザの各々に付与されたポイントを記録する。
【0042】
車両管理部25は、レンタカーサービスで貸し出される車両を管理する車両管理DB34を用いて、貸し出される車両の車載機器で利用できる機能を記録する。具体的には、車両管理部25は、車載機器が有する各機能の利用可否を示す利用可否情報を、この車載機器が搭載される車両に対応付けて車両管理DB34に記録する。
【0043】
料金決定部26は、予約端末30から受けた料金算出要求52を受けた場合、料金算出要求52に含まれる予約内容に基づいて、車両の貸出料金を決定する。料金決定部26は、決定した貸出料金と、予約したユーザのIDとを含む料金情報261を料金調整部27に出力する。
【0044】
料金調整部27は、料金情報261を料金決定部26から受けた場合、料金情報261で含まれる貸出料金を値引きするか否かを決定する。貸出料金の値引きの決定の詳細については、後述する。料金調整部27は、貸出料金の値引きを決定した場合、第1〜第3の値引き額の少なくとも1つを用いて、貸出料金を値引きする。料金調整部27は、値引きされた貸出料金を示す料金通知53を予約端末30に送信する。
【0045】
第1〜第3の値引き額は、以下のようにして決定される。料金調整部27は、車両を予約したユーザのポイントに基づいて第1の値引き額を決定する。料金調整部27は、車両を予約したユーザの運転履歴に基づいて第2の値引き額を決定する。料金調整部27は、予約された車両に搭載された車載機器が有する一の機能の利用可否に基づいて第3の値引き額を決定する。料金調整部27は、第2の値引き額を決定する。値引額の決定については後述する。
【0046】
[2.動作]
[2.1.レンタカーシステム100の動作]
図4は、
図1に示すレンタカーシステム100の動作を示すシーケンス図である。以下、
図4を参照しながら、レンタカーシステム100の動作について説明する。また、
図4において、記録装置10により生成される利用状況データ121及び運転状況データ133の一例を示している。
【0047】
以下、特に説明のない限り、ユーザ9が状況データ51の作成日に車両1を使用していたと仮定して、レンタカーシステム100の動作を説明する。
【0048】
(状況データ51の送信)
記録装置10は、所定期間における車載機器10Aの利用状況を示す利用状況データ121を生成する(ステップS11)。所定期間は、本実施の形態では、1日である。記録装置10は、動作確認要求111の応答である機能通知112に基づいて、車載機器10Aが有する各機能の利用時間を利用状況データ121に記録する。利用時間の記録の詳細については後述する。
【0049】
利用状況データ121は、車両1のIDと、作成日と、各機能の利用時間とを含む。
図4に示す利用状況データ121は、2019年5月21日における各機能の利用時間を示す。
図4に示す利用状況データ121において、ナビゲーションの利用時間が115分であることがわかる。
【0050】
記録装置10は、所定期間における車両1の運転状況を示す運転状況データ121を生成する(ステップS12)。所定期間は、本実施の形態では、1日である。記録装置10は、加速度センサ10Bから受けた加速度情報131と、車両1から受ける速度情報132とに基づいて急加速等の危険運転の発生回数をカウントする。記録装置10は、所定期間における危険運転の発生回数を、運転状況データ133に記録する。
【0051】
運転状況データ133は、車両1のIDと、作成日と、危険運転の発生回数とを含む。危険運転の発生回数は、危険運転の種別ごとにカウントされる。
図4に示す運転状況データ133は、2019年5月21日における危険運転の発生回数を示す。
図4に示す運転状況データ133において、急ブレーキの発生回数が2回であることがわかる。
【0052】
記録装置10は、利用状況データ121及び運転状況データ133を含む状況データ51を生成し、生成した状況データ51を料金算出サーバ20に送信する(ステップS13)。本実施の形態では、記録装置10は、1日に1回、状況データ51を送信する。本実施の形態において、状況データ51の作成日は、利用状況データ121及び運転状況データ133の作成日に一致する。
【0053】
(ポイントの付与)
料金算出サーバ20は、状況データ51を受けた場合、その受けた状況データ51に含まれる利用状況データ121を用いて、ユーザ9にポイントを付与する(ステップS14)。具体的には、ユーザ9が、
図4に示す利用状況データ121の作成日に車両1を借りているため、料金算出サーバ20は、ユーザ9に付与するポイントを利用状況データ121に基づいて決定する。料金算出サーバ20は、決定したポイントを、ポイントDBに記録されたユーザ9のポイントに加算する。
【0054】
(データベースの更新)
料金算出サーバ20は、状況データ51を受けた場合、利用履歴DB31及び運転履歴DB32を更新する(ステップS15)。具体的には、料金算出サーバ20は、利用履歴DB31に記録されているユーザ9の利用履歴データを、利用状況データ121に記録されている利用時間に基づいて更新する。料金算出サーバ20は、運転履歴DB32に記録されているユーザ9の運転履歴データを、運転状況データ133に記録されている危険運転の発生回数に基づいて更新する。
【0055】
(貸出料金の算出)
ユーザ9が、予約端末30が設定された営業所で、レンタカーの予約を新たに申し込んだ場合、予約端末30は、営業所のオペレータの操作に応じて、ユーザ9の新たな予約を受け付ける(ステップS16)。予約端末30は、ユーザ9の予約を受け付けた場合、料金算出要求52を料金サーバ20に送信する(ステップS17)。料金算出要求52は、貸し出される車両の種類、貸出期間等の予約内容を含む。
【0056】
料金算出サーバ20は、料金算出要求51を予約端末30から受けた場合、その受けた料金算出要求41に基づいて、車両の貸出料金を決定する(ステップS18)。具体的には、料金決定部26は、図示しない料金決定テーブルを参照して、料金算出要求52に含まれる予約内容に応じた貸出料金を算出する。
【0057】
料金調整部27は、ステップS18で決定された貸出料金を調整する(ステップS19)。上述のように、料金調整部27は、第1〜第3の値引き額の少なくとも1つを用いて、決定された貸出料金を値引きする。料金調整部27は、値引きされた貸出料金を示す料金通知53を予約端末30に送信する(ステップS20)。
【0058】
[2.2.記録装置10の動作]
図5は、
図2に示す記録装置10の動作を示すフローチャートである。
図5を参照しながら、記録装置10の動作を詳しく説明する。記録装置10は、車両1のイグニッションスイッチがオンされた場合、
図5に示す処理を開始する。
【0059】
動作確認部11は、最後に動作確認要求を出力した基準時刻からの時間が所定の要求間隔を経過したか否かを判断する(ステップS101)。要求間隔は、例えば、1秒である。なお、動作確認部11は、
図5に示す処理の開始後にステップS101を最初に実行する場合、イグニッションスイッチがオンされた時刻を基準時刻に設定する。
【0060】
基準時刻からの時間が要求間隔を経過していない場合(ステップS101においてNo)、記録装置10は、後述するステップS105に進む。
【0061】
基準時刻からの時間が要求間隔を経過した場合(ステップS101においてYes)、動作確認部11は、動作確認要求111を車載機器10Aに出力する(ステップS102)。動作確認要求111は、上述のように、車載機器10Aで利用中の機能の通知を要求するためのメッセージである。動作確認部11は、動作確認要求111の応答である機能通知112を車載機器10Aから取得するまで待機する(ステップS103)。
【0062】
動作確認部11は、機能通知112を車載機器10Aから取得した場合(ステップS103においてYes)、その取得した機能通知112を利用時間取得部12に出力する。利用時間取得部12は、動作確認部11から受けた機能通知112に基づいて、利用状況データ121を更新する(ステップS104)。ステップS104は、
図4に示すステップS11に対応する。
【0063】
機能通知112は、機能通知112が生成された時刻を含む。第1時刻及び第2時刻に生成された機能通知112が、ナビゲーション機能が利用中であることを示すと仮定する。第2時刻は、第1時刻よりも後の時刻である。この場合、利用時間取得部12は、第1時刻から第2時刻までの時間をナビゲーション機能の利用時間に加算する。これにより、第2時刻までのナビゲーションの利用時間が特定される。ETC機能を除く機能の利用時間が、ナビゲーションの利用時間と同様に特定される。
【0064】
機能通知112は、ETC機能が利用されたか否かを示す情報を含む。機能通知112が、ETC機能が利用されたことを示す場合、利用時間取得部12は、ETC機能の利用回数をインクリメントする。
【0065】
運転状況取得部13は、加速度センサ10Bから受ける加速度情報131と車両1から受ける速度情報132とに基づいて、車両1の挙動を特定する(ステップS105)。
【0066】
具体的には、運転状況取得部13は、加速度情報131に基づいて、車両1の急加速、急ブレーキ、急ハンドルのうち少なくとも1つが行われたか否かを判断する。急加速等の判断の詳細な説明については省略する。速度情報132が所定の基準速度よりも大きい速度を示す場合、運転状況取得部13は、車両1が速度超過の状態にあると判断する。
【0067】
運転状況取得部13は、ステップS105の結果に基づいて、運転状況データ133を更新する(ステップS106)。ステップS106は、
図4に示すステップS11に対応する。具体的には、運転状況取得部13は、急加速、急ブレーキ、急ハンドル及び速度超過の各々の発生回数を、ステップS105の特定結果に基づいてインクリメントする。例えば、運転状況取得部13は、急ブレーキが発生したと判断した場合、急ブレーキの発生回数をインクリメントする。
【0068】
状況データ作成部14は、現在時刻が状況データ51の送信時刻であるか否かを判断する(ステップS107)。送信時刻は、予め設定されており、例えば、午前0である。
【0069】
具体的には、現在時刻が状況データ51の送信時刻である場合(ステップS107においてYes)、状況データ作成部14は、利用状況データ121を利用時間取得部12から取得し、運転状況データ133を運転状況取得部13から取得する。状況データ作成部14は、取得した利用状況データ121及び運転状況データ133を含む状況データ51を、料金算出サーバ20に送信する(ステップS108)。ステップS108は、
図4に示すステップS13に対応する。利用状況データ121及び運転状況データ133が、利用時間取得部12及び運転状況取得部13においてリセットされる(ステップS109)。後述するステップS110に進む。
【0070】
現在時刻が送信時刻ではない場合(ステップS107においてNo)、記録装置10は、車両1のイグニッションスイッチがオフされたか否かを判断する(ステップS110)。イグニッションスイッチがオンである場合(ステップS110においてYes)、記録装置10は、ステップS101を再び実行する。イグニッションスイッチがオフである場合(ステップS110においてNo)、記録装置10は、
図5に示す処理を終了する。
【0071】
[2.3.料金算出サーバ20の動作]
図6は、
図1に示す料金算出サーバ20の動作を示すフローチャートである。
図6を参照しながら、料金算出サーバ20の動作を詳しく説明する。
【0072】
料金算出サーバ20は、電源がオンされた場合に、
図6に示す処理を開始する。料金算出サーバ20は、状況データ51を記録装置10から取得した場合(ステップS21においてYes)、料金算出サーバ20は、ポイント付与処理(ステップS22)を実行する。ポイント付与処理(ステップS22)は、車両1を借りているユーザ9にポイントを付与し、利用状況DB31と運転履歴DB32とポイントDB33とを更新する。ステップS22は、
図4に示すステップS14及びS15に対応する。ステップS22の詳細については、後述する。
【0073】
取得部21が状況データ51を記録装置10から取得していない場合(ステップS21においてNo)、料金算出サーバ20は、後述するステップS23に進む。
【0074】
料金算出サーバ20は、料金算出要求52を予約端末30から受けた場合(ステップS23においてYes)、料金算出処理(ステップS24)を実行する。料金算出処理(ステップS24)は、料金算出要求52に含まれる予約内容に基づいて貸出料金を算出し、算出された貸出料金を値引きにより調整する。調整された貸出料金は、予約端末30に通知される。料金算出処理(ステップS24)は、
図4に示すステップS18〜S20に対応する。ステップS24の詳細については、後述する。
【0075】
料金算出サーバ20は、料金算出要求52を予約端末30から受けていない場合(ステップS23においてNo)、ステップS25に進む。
【0076】
[2.4.ポイント付与処理(ステップS22)]
図7は、
図6に示すポイント付与処理(ステップS22)のフローチャートである。料金算出サーバ20は、取得部21が状況データ51を記録装置10から取得した場合に、
図7に示す処理を開始する。
【0077】
取得部21は、
図4に示す処理が開始される前に、取得した状況データ51に含まれる利用状況データ121を、利用履歴管理部22及びポイント管理部24に出力する。取得部21は、取得した状況データ51に含まれる運転状況データ133を運転履歴管理部23に出力する。
【0078】
ポイント管理部24は、予約DB35と取得部21から受けた利用状況データ121とに基づいて、ユーザを特定する(ステップS221)。具体的には、ポイント管理部24は、
図4に示す利用状況データ121を取得した場合、日付及び車両IDを、取得した利用状況データ121から抽出する。ポイント管理部24は、抽出した日付及び車両IDに基づいて、状況データ51の作成日において車両1を借りていたユーザ9を予約DB35から特定する。ポイント管理部24は、ステップS221において特定したユーザ9のIDを利用履歴管理部22と、運転履歴管理部23とに通知する。
【0079】
ポイント管理部24は、取得した利用状況データ121に基づいて、ステップS221で特定したユーザにポイントを付与するか否かを決定する(ステップS222)。
【0080】
図4に示す利用状況データ121を取得し、ステップS221においてユーザ9が特定された場合を例にして、ステップS222を説明する。ポイント管理部24は、利用状況データ121に記録されている各機能の利用時間又は利用回数が予め設定された付与基準時間又は付与基準回数以上であるか否かを判断する。例えば、ナビゲーションの付与基準時間は、30分である。音楽再生、映像再生、テレビ及びラジオの各々の付与基準時間は、15分である。ETCの付与基準回数は、2回である。
図4に示す利用状況データ121において、ナビゲーションの利用時間が付与基準時間を上回っている。この場合、ポイント管理部24は、ユーザ9にポイントを付与することを決定し(ステップS222においてYes)、後述するステップS223に進む。
【0081】
利用状況データ121に記録されている全ての機能の利用時間又は利用回数が、付与基準時間又は付与基準回数を下回っている場合、ポイント管理部24は、ユーザ9にポイントを付与しないことを決定する(ステップS222においてNo)。この場合、ポイント管理部24は、後述するステップS225に進む。
【0082】
ユーザへのポイント付与が決定された場合(ステップS222においてYes)、ポイント管理部24は、ユーザに付与するポイントを決定する(ステップS223)。ステップS223を、
図4及び
図8を参照しながら説明する。
図8は、ポイント管理部24がステップS223で使用する付与テーブル36の一例を示す図である。
【0083】
図4に示す利用状況データ121において、ナビゲーション、音楽再生及びテレビの利用時間が、上述の付与基準時間を上回っている。ポイント管理部24は、ナビゲーション、音楽再生及びテレビの各々に対応するポイントのうち、最も高いポイントを付与テーブル36の中から特定する。付与テーブル36において、ナビゲーション、音楽再生及びテレビの中で、ナビゲーションのポイントが最も高い。ポイント管理部24は、ナビゲーションに対応する100ポイントを、ユーザ9に付与することを決定する。
【0084】
なお、ポイント管理部24は、付与基準時間又は付与基準回数を上回る機能に対応する全てのポイントを、ユーザ9に付与してもよい。
【0085】
再び
図7を参照して、ポイント管理部24は、ステップS223で付与したポイントを用いて、ポイントDB33を更新する(ステップS224)。
【0086】
図9は、
図3に示すポイントDB33の一例を示す図である。
図9を参照しながら、ステップS224を説明する。
図9において、ユーザ9に割り当てられたユーザIDは、「A3」である。ポイント管理部24は、100ポイントをユーザ9に付与することを決定した場合(ステップS223)、ポイントDB33に記録されたユーザ9のポイントに100を加算する。この結果、
図9に示すポイントDB33において、ユーザ9のポイントは、1840から1940に更新される。
【0087】
このように、料金算出サーバ20は、ユーザ9による車載機器の利用状況に基づいて、ユーザ9にポイントを付与する。従って、料金算出サーバ20は、車載機器の利用状況という新たな観点に基づいてポイントを付与することができる。
【0088】
再び
図7を参照して、利用履歴管理部22が、取得部21から受けた利用状況データ121を用いて、利用履歴DB31を更新する(ステップS225)。ステップS225を、
図10を参照しながら具体的に説明する。
【0089】
図10は、
図3に示す利用履歴DB31の一例を示す図である。
図10を参照して、利用履歴DB31は、車載機器の各機能の利用時間の累積値をユーザごとに記録する。利用履歴DB31において、1行分のデータが、各ユーザの利用履歴データに相当する。利用履歴管理部22は、利用状況データ121に記録された利用時間を、ステップS221で特定されたユーザに対応する利用履歴データの利用時間に加算する。
【0090】
例えば、
図4に示す利用状況データ121において、ナビゲーションの利用時間は、115(min)である。このため、利用履歴管理部22は、115(min)を、ユーザ9の利用履歴データに記録されたナビゲーションの記録時間に加算する。この結果、ユーザ9の利用履歴データにおいて、ナビゲーションの利用時間が、285(min)から395(min)に更新される。つまり、利用状況データ121に記録された利用時間又は利用回数が、ユーザ9に対応する利用履歴データに機能ごとに加算される。
【0091】
再び
図7を参照して、運転履歴管理部23が、取得部21にから受けた運転状況データ133を用いて、運転履歴DB32を更新する(ステップS226)。ステップS226を、
図11を参照しながら具体的に説明する。
【0092】
図11は、
図3に示す運転履歴DB32の一例を示す図である。
図11を参照して、運転履歴DB32は、危険運転の発生頻度をユーザごとに記録する。運転履歴DB32において、1行分のデータが、各ユーザの運転履歴データに相当する。運転履歴データにおいて、危険運転の発生頻度が、1時間当たりの発生回数で記録されている。例えば、ユーザ9の運転履歴データにおいて、急加速、急ブレーキ、速度超過、急ハンドルの1時間あたりの発生回数は、それぞれ、0.4回、0.2回、0.5回及び0.1回である。累積使用時間は、各ユーザがレンタカーサービスを利用した時間の累積値である。
【0093】
運転履歴管理部23は、運転状況データ133に記録された危険運転の発生回数を用いて、ステップS221で特定されたユーザに対応する利用履歴データを更新する。具体的には、運転履歴管理部23は、ユーザ9の利用履歴データにおける累積使用時間を急加速の発生頻度に乗じることにより、ユーザ9の急加速の累積発生回数を算出する。運転履歴管理部23は、算出した急加速の累積発生回数に、
図4に示す運転状況データ133に記録された急加速の発生回数を加算する。これにより、急加速の発生回数が更新される。
【0094】
運転履歴管理部23は、予約DBを参照してユーザ9が車両1を予約した時間を取得する。運転履歴管理部23は、取得した時間をユーザ9の累積使用時間に加算することにより、累積使用時間を更新する。運転履歴管理部23は、更新された急加速の発生回数を更新された累積使用時間で除算し、その除算値をユーザ9の新たな急加速の発生回数として、ユーザ9の運転履歴データに記録する。ユーザ9の急ブレーキ、速度超過及び急ハンドルの各々の発生頻度も、同様にして更新される。
【0095】
料金算出サーバ20は、ステップS225を実行した後に、
図11に示す処理を終了する。
【0096】
[2.5.料金算出処理(ステップS24)]
図12は、
図6に示す料金算出処理(ステップS24)のフローチャートである。料金算出サーバ20は、料金算出要求52を予約端末30から受けた場合に、
図12に示す処理を開始する。以下、ユーザ9が新たに車両の予約をした場合を例にして、
図12に示す処理を説明する。
【0097】
料金決定部26は、予約端末30から受けた料金算出要求52から予約内容を抽出する。料金決定部26は、その抽出した予約内容に基づいて、車両の貸出料金を決定する(ステップS241)。
【0098】
予約内容は、ユーザ9のIDと、ユーザ9が予約した車両のIDと、車両の予約期間と、ポイントの使用可否の情報とを含む。料金決定部26は、抽出した予約内容に対応する各種料金を図示しない料金テーブルから読み出し、読み出した各種料金を合計して貸出料金を決定する。料金決定部26は、ステップS241で決定した貸出料金を示す料金情報261を料金調整部27に出力する。料金情報261は、ユーザ9のIDと、予約した車両のIDと、ポイントの使用可否を示す情報とを含む。
【0099】
料金調整部27は、料金決定部26から受けた料金情報261に基づいて、貸出料金の調整にポイントを使用するか否かを判断する(ステップS242)。具体的には、料金情報261がポイントの使用を指示する情報を含む場合、料金調整部27は、ポイントの使用を決定する(ステップS242においてYes)。この場合、料金調整部27は、第1の値引き額を決定するために、後述するステップS242を実行する。料金情報261がポイントを使用しないこと指示する情報を含む場合、料金調整部27は、ポイントを使用しないことを決定する(ステップS242においてNo)。この場合、料金調整部27は、第1の値引き額を決定することなく、後述するステップS244を実行する。
【0100】
料金調整部27は、ポイントの使用を決定した場合(ステップS242においてYes)、ユーザ9のポイントに基づく第1の値引き額を決定する(ステップS243)。
【0101】
具体的には、料金調整部27は、料金情報261に含まれるユーザ9のIDをポイント管理部24に出力して、ユーザ9のポイントの通知を要求する。ポイント管理部24は、料金調整部27からポイント通知の要求を受けた場合、ユーザ9のIDを用いて、ポイントDB33からユーザ9のポイントを読み出す。ポイント管理部24は、読み出したポイントを料金調整部27に出力する。料金調整部27は、ポイント管理部24から受けたポイントを用いて、第1の値引き額を決定する。
【0102】
例えば、ユーザ9のポイントが1000ポイント未満の場合、料金調整部27は、貸出料金の10%を第1の値引き額に決定する。ユーザ9のポイントが1000ポイント以上3000ポイント未満の場合、料金調整部27は、貸出料金の30%を第1の値引き額に決定する。ユーザ9のポイントが3000ポイント以上の場合、料金調整部27は、貸出料金の50%を第1の値引き額に決定する。
【0103】
このように、料金調整部27は、車載機器が有する機能ごとに特定されたユーザの利用状況に基づいて、レンタカーの貸出料金を算出することができる。
【0104】
なお、料金調整部27は、予め設定された1ポイント当たりの値引き額に、ポイント管理部24からのポイントを乗ずることにより、第1の値引き額を決定してもよい。
【0105】
料金調整部27は、ユーザ9の運転履歴に基づいて、第2の値引き額を決定する(ステップS244)。具体的には、料金調整部27は、料金情報261に含まれるユーザ9のIDを運転履歴管理部23に出力して、ユーザ9に対応する運転履歴データを要求する。運転履歴管理部23は、ユーザ9のIDを料金調整部27から受けた場合、その受けたユーザ9のIDを用いて、ユーザ9の運転履歴データを運転履歴DB32から読み出す。運転履歴管理部23は、読み出した運転履歴データを料金調整部27に出力する。
【0106】
料金調整部27は、ユーザ9の運転履歴データに記録された危険運転の発生頻度を所定の基準値と比較し、その比較結果に基づいて第2の値引き額を決定する。例えば、
図11を参照して、ユーザ9が急加速をする頻度は、1時間あたり0.4回である。急加速についての基準値が0.5回である場合、料金調整部27は、ユーザ9についての急加速の発生頻度が基準値を下回っていると判断する。料金調整部27は、危険運転の種類ごとに、危険運転の発生頻度を基準値と比較する。基準値は、危険運転の種類ごとに設定される。
【0107】
料金調整部27は、発生頻度が基準値を下回っている危険運転の数に基づいて、第2の値引き額を決定する。例えば、発生頻度が基準値を下回っている危険運転の数が2以下である場合、料金調整部27は、第2の値引き額を0円に決定する。発生頻度が基準値を下回っている危険運転の数が3である場合、料金調整部27は、ステップS241で決定された貸出料金の2%を、第2の値引き額として決定する。発生頻度が基準値を下回っている危険運転の数が4である場合、料金調整部27は、ステップS241で決定された貸出料金の5%を、第2の値引き額として決定する。
【0108】
料金調整部27は、発生頻度が基準値を下回る危険運転の数が増加するにつれて第2の値引き額が増加するように、第2の値引き額を決定してもよい。
【0109】
このように、料金調整部27は、レンタカーサービスを利用するユーザ9の運転状況に応じて、ユーザ9の貸出料金を決定する。これにより、ユーザが交通事故の発生や、車両の故障、車載機器の故障につながる危険運転をすることが抑制されるため、車両及び車載機器の維持に要するコストを低減できる。
【0110】
再び、
図12を参照して、車両管理部25は、ユーザ9が予約した車両の車載機器において、使用できない機能があるか否かを判断する(ステップS245)。具体的には、料金調整部27は、料金情報261に含まれる予約車両のIDを車両管理部25に出力して、予約車両の車載機器で利用できない機能の通知を車両管理部25に要求する。車両管理部25は、予約車両のIDを料金調整部27から受けた場合、車両管理DB34を参照して、予約車両に搭載された車載機器の故障の有無を確認する。
【0111】
図13は、
図3に示す車両管理DB34の一例を示す図である。
図13を参照して、車両管理DB34は、各車両の車載機器で利用できる機能を記録する。車両管理DB34における1行分のデータが、各車両における車載機器で利用できる機能を示す利用可否情報である。
【0112】
例えば、利用可否情報351は、車両IDが「C101」である車両の車載機器で利用可能な機能を示す。利用可否情報351は、車両IDが「C101」である車両における車載機器において、ナビゲーション、音楽再生、映像再生、テレビ、ラジオ、ETCの全ての機能が利用可能であることを示す。利用可否情報354は、車両IDが「C104」である車両の車載機器で利用可能な機能を示す。利用可否情報354は、ナビゲーションが利用可能であり、音楽再生及び映像再生の機能が故障中であり、テレビ、ラジオ及びETCの装備がないことを示す。
【0113】
予約車両のIDが「C103」である場合、車両管理部25は、車両管理DB34に含まれる利用可否情報353に基づいて、予約車両の車載機器においてナビゲーションを利用できないと判断する。車両管理部25は、予約車両でナビゲーションを利用できないことを料金調整部27に通知する。なお、車両管理部25は、予約車両で全ての機能を利用できると判断した場合、全ての機能を利用可能であることを料金調整部27に通知する。
【0114】
車両管理部25が、予約車両の車載機器において利用不可の機能があると判断した場合(ステップS244においてYes)、料金調整部27は、第3の値引き額を決定するために、後述するステップS245を実行する。車両管理部25が、予約車両の車載機器において全ての機能を利用できると判断した場合(ステップS244においてNo)、料金調整部27は、第3の値引き額を決定することなく、後述するステップS245を実行する。この場合、第3の値引き額は0円である。
【0115】
再び、
図12を参照して、車両管理部25が、予約車両の車載機器で利用できない機能があると判断した場合(ステップS245においてYes)、利用履歴管理部22は、ユーザ9が車載機器において最も利用する機能を特定する(ステップS246)。
【0116】
具体的には、料金調整部27は、ユーザ9のIDを利用履歴管理部22に出力して、車載機器の機能のうちユーザが最も利用する機能の通知を要求する。利用履歴管理部22は、ユーザ9のIDを料金調整部27から受けた場合、ユーザ9のIDに対応する利用履歴データを利用履歴DB31から読み出す。利用履歴管理部22は、その読み出した利用履歴データの中から利用時間が最も長い機能を特定する。
図10を参照して、ユーザ9に対応する利用履歴データにおいて、利用時間の最も長い機能は、ナビゲーションである。利用履歴管理部22は、ナビゲーションがユーザ9により最も利用される機能であると特定し、特定結果を料金調整部27に通知する。
【0117】
図12を参照して、料金調整部27は、車両管理部25が利用できないと判断した機能がユーザ9が最も利用する機能と一致するか否かを判断する(ステップS247)。つまり、料金調整部27は、ユーザ9が最も利用する機能がユーザ9の予約車両において利用可能であるか否かを判断する。
【0118】
例えば、ユーザ9の予約車両が、車両ID「C103」の車両である場合、車両管理部25は、
図13に示す車両管理DB34に基づいて、予約車両でナビゲーションを利用できないと判断する。
図10に示すように、ユーザ9が最も利用する機能はナビゲーションである。この場合、ユーザ9の予約車両で利用できない機能がユーザ9が最も利用する機能と一致するため(ステップS247においてYes)、料金調整部27は、第3の値引き額を決定する(ステップS248)。第3の値引き額は、例えば、ステップS241で決定された貸出料金の3%である。第3の値引き額は一定の額であってもよい。
【0119】
なお、料金調整部27は、利用できない機能の数が増加するにつれて第3の値引き額が増加するように、第3の値引き額を決定してもよい。
【0120】
ユーザ9の予約車両で利用できない機能がユーザ9が最も利用する機能と一致しない場合(ステップS247においてYes)、料金調整部27は、第3の値引き額を決定することなく、ステップS249を実行する。この場合、第3の値引き額は0円である。
【0121】
料金調整部27は、第1〜第3の値引き額を用いて、ステップS241で決定された貸出料金を調整する(ステップS249)。具体的には、料金調整部27は、第1〜第3の値引き額の合計を貸出料金から差し引くことにより、新たな貸出料金を算出する。料金調整部27は、ステップS249で調整された貸出料金を予約端末30に通知する(ステップS250)。
【0122】
以上説明したように、車両に搭載された車載機器が有する機能の一部を利用できない場合、料金算出サーバ20は、この車両の貸出料金を値引きする。これにより、料金算出サーバ20は、車両に搭載された車載機器が有する機能の一部を利用できない場合において、適切な使用料金を算出できる。
【0123】
料金算出サーバ20は、車載機器が有する機能ごとの利用状況に応じてユーザにポイントを付与し、付与したポイントに応じた額を貸出料金から値引きする。これにより、レンタカーサービスの事業者は新たなポイントサービスを提供することができる。
【0124】
料金算出サーバ20は、レンタカーサービスを利用するユーザの運転状況に応じて、車両の貸出料金を算出する。これにより、ユーザが、車両や車載機器の故障につながる危険な運転をすることを抑制できるため、車両及び車載機器の維持コストを低減できる。
【0125】
[変形例]
上記実施の形態において、記録装置10が車載機器10Aとは別の装置である例を説明したが、これに限られない。車載機器10Aが記録装置10を含んでいてもよい。
【0126】
上記実施の形態において、料金算出サーバ20が、ユーザに付与されたポイントを用いて第1の値引き額を決定する例を説明したが、これに限られない。料金算出サーバ20は、第1の値引き額を決定する処理を実行しなくてもよい。
【0127】
上記実施の形態において、料金算出サーバ20が、ユーザの運転履歴に基づいて第2の値引き額を決定する例を説明したが、これに限られない。料金算出サーバ20は、第2の値引き額を決定する処理を実行しなくもよい。この場合、料金算出サーバ20が、動作確認要求を車載機器10Aに定期的に送信してもよい。取得部21が、車載機器10Aから受けた機能通知112を用いて、利用状況データ121を生成する。
【0128】
上記実施の形態において、車載機器で利用できない機能が、ユーザが最もよく利用する機能に一致する場合に、料金算出サーバ20が貸出料金を値引きする例を説明したがこれに限られない。車載機器が有する機能のうち一部の機能を利用できない場合、料金算出サーバは、この車載機器を搭載する車両の貸出料金を値引きしてもよい。
【0129】
上記実施の形態において、料金算出サーバ20が、利用状況データ121に基づいてユーザにポイントを付与する例を説明したが、これに限られない。料金算出サーバ20は、利用状況データ121のデータに基づいてユーザにポイントを付与してもよい。
【0130】
上記実施の形態において、料金算出サーバ20がレンタカーシステム100で用いられる例を説明したが、これに限られない。料金算出サーバ20を、カーシェアリングサービス等の車両貸し出しサービスに用いてもよい。
【0131】
上記実施の形態において、記録装置10及び料金算出サーバ20の各機能ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0132】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0133】
また、記録装置10及び料金算出サーバ20の各機能ブロックにより実行される処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記各実施の形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
【0134】
また、上記実施の形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
【0135】
例えば、上記実施の形態(変形例を含む)の各機能ブロックを、ソフトウェアにより実現する場合、
図14に示したハードウェア構成(例えば、CPU、ROM、RAM、入力部、出力部等をバスBusにより接続したハードウェア構成)を用いて、各機能部をソフトウェア処理により実現するようにしてもよい。
【0136】
また、上記実施の形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施の形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えてもよい。
【0137】
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
【0138】
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0139】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。