特開2020-198377(P2020-198377A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2020198377-伝熱体の移動速度決定方法 図000003
  • 特開2020198377-伝熱体の移動速度決定方法 図000004
  • 特開2020198377-伝熱体の移動速度決定方法 図000005
  • 特開2020198377-伝熱体の移動速度決定方法 図000006
  • 特開2020198377-伝熱体の移動速度決定方法 図000007
  • 特開2020198377-伝熱体の移動速度決定方法 図000008
  • 特開2020198377-伝熱体の移動速度決定方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-198377(P2020-198377A)
(43)【公開日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】伝熱体の移動速度決定方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20201113BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
   H01L23/46 Z
   H01L23/36 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-104385(P2019-104385)
(22)【出願日】2019年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 真
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
【課題】本願が開示する技術は、一つの側面として、受熱器から放熱器に輸送される熱の輸送効率を高めることができる伝熱体の移動速度を求めることを目的とする。
【解決手段】受熱器12から放熱器14へ移動するとともに、受熱器12及び放熱器14の各々と熱交換する伝熱体の一例としての環状ベルト20の移動速度決定方法において、受熱器12と熱交換前後の環状ベルト20の第一温度差ΔT、及び放熱器14と熱交換前後の環状ベルト20の第二温度差ΔTを増加させ、かつ、受熱器12から放熱器14への移動前後の環状ベルト20の第三温度差ΔTを減少させるように、環状ベルト20の移動速度を求める。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受熱器から放熱器へ移動するとともに、前記受熱器及び前記放熱器の各々と熱交換する伝熱体の移動速度決定方法において、
前記受熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第一温度差、及び前記放熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第二温度差を増加させ、かつ、前記受熱器から前記放熱器への移動前後の前記伝熱体の第三温度差を減少させるように、前記伝熱体の移動速度を求める、
伝熱体の移動速度決定方法。
【請求項2】
前記第一温度差をΔTとし、前記第二温度差をΔTとし、前記第三温度差をΔTとすると、評価温度T(=ΔT+ΔT−ΔT)が増加するように、前記伝熱体の移動速度を求める、
請求項1に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
【請求項3】
前記評価温度Tの最大値に基づいて、前記伝熱体の移動速度を求める、
請求項2に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
【請求項4】
前記伝熱体を異なる移動速度で前記受熱器から前記放熱器に複数回移動させるとともに、各回において、前記受熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第一温度及び第二温度と、前記放熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第三温度及び第四温度と、前記受熱器から前記放熱器までの移動前後の前記伝熱体の第五温度及び第六温度とを測定し、
前記第一温度及び前記第二温度に基づいて前記第一温度差を算出し、
前記第三温度及び前記第四温度に基づいて前記第二温度差を算出し、
前記第五温度及び前記第六温度に基づいて前記第三温度差を算出する、
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
【請求項5】
前記第一温度及び前記第二温度は、前記受熱器に対する前記伝熱体の移動方向の両側に設置された第一温度測定器及び第二温度測定器でそれぞれ測定し、
前記第三温度及び前記第四温度は、前記放熱器に対する前記伝熱体の移動方向の両側に設置された第三温度測定器及び第四温度測定器で測定し、
前記第五温度は、第二温度測定器で測定し、
前記第六温度は、第三温度測定器で測定する、
請求項4に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願が開示する技術は、伝熱体の移動速度決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝熱体と、受熱器から放熱器へ伝熱体を移動させる移動機構とを備える熱輸送装置がある(例えば、特許文献1〜3参照)。この種の熱輸送装置では、伝熱体が受熱器と熱交換することにより、受熱器から伝熱体に熱が伝達される。この伝熱体は、移動機構によって受熱器から放熱器へ移動され、放熱器と熱交換する。これにより、受熱器から伝熱体に伝達された熱が、放熱器に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−29081号公報
【特許文献2】特開2007−227437号公報
【特許文献3】特開2004−327884号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】福岡俊道,野村昌孝,山田章博,“異材界面における接触熱抵抗の評価”,日本機械学会論文集A編,Vol.76, No.763 (2010), pp.344-350.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような熱輸送装置では、伝熱体の移動速度に応じて、受熱器から放熱器に輸送される熱の輸送効率が変化する。そのため、伝熱体の移動速度の最適化が望まれる。
【0006】
本願が開示する技術は、一つの側面として、受熱器から放熱器に輸送される熱の輸送効率を高めることができる伝熱体の移動速度を求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願が開示する技術は、受熱器から放熱器へ移動するとともに、受熱器及び放熱器の各々と熱交換する伝熱体の移動速度決定方法である。この伝熱体の移動速度決定方法では、受熱器と熱交換前後の伝熱体の第一温度差、及び放熱器と熱交換前後の伝熱体の第二温度差を増加させ、かつ、受熱器から放熱器への移動前後の伝熱体の第三温度差を減少させるように、伝熱体の移動速度を求める。
【発明の効果】
【0008】
本願が開示する技術によれば、一つの側面として、受熱器から放熱器に輸送される熱の輸送効率を高めることができる伝熱体の移動速度を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第一実施形態に係る冷却装置が適用された電子機器の縦断面図である。
図2図2は、図1の冷却装置、及び冷却装置の周辺部を拡大した縦断面図である。
図3図3は、図2の冷却装置における受熱器、及び受熱器の周辺部を拡大した斜視図である。
図4図4は、図3の受熱器の縦断面図であって、受熱器の内側に環状ベルトが挿入されていない状態を示す図である。
図5図5は、図3の受熱器の縦断面図であって、受熱器の内側に環状ベルトが挿入された状態を示す図である。
図6図6は、速度評価試験において、第一温度測定器、第二温度測定器、第三温度測定器、及び第四温度測定器を冷却装置に設置した状態を示す縦断面図である。
図7図7は、速度評価試験から得られる環状ベルトの移動速度と評価温度との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、本実施形態に係る冷却装置、及び冷却装置が適用された電子機器の構成について説明する。
【0011】
(電子機器)
図1には、本実施形態に係る冷却装置10が適用された電子機器70が示されている。電子機器70は、例えば、サーバ等とされる。この電子機器70は、筐体72と、シャーシ74と、基板76と、ファン86と、冷却装置10とを備えている。なお、図中の矢印UPは、電子機器70の上下方向の上側を示している。
【0012】
筐体72は、箱形に形成されている。この筐体72には、シャーシ74及び基板76が収容されている。基板76は、シャーシ74の内側に配置されている。シャーシ74は、基板76の上方に配置される天壁78を有している。天壁78は、基板76と上下方向に対向している。
【0013】
基板76の上には、冷却対象物80、及び複数の部品82が配置されている。冷却対象物80は、例えば、Central Processing Unit(CPU)、Graphics Processing Unit(GPU)、プロセッサ、メモリ、又は電源ユニットなどの発熱体とされる。この冷却対象物80は、冷却装置10によって冷却される。
【0014】
(冷却装置)
冷却装置10は、電子機器70の筐体72に収容されている。図2に示されるように、冷却装置10は、受熱器12と、放熱器14と、放熱部材16と、ガイド部材18と、環状ベルト20と、移動機構22とを備えている。なお、冷却装置10は、「熱輸送装置」の一例である。
【0015】
(受熱器、放熱器)
受熱器12及び放熱器14は、例えば、銅又はアルミニウムなどの熱伝導性を有する金属で形成された熱交換器とされる。各受熱器12及び放熱器14は、一例として、偏平箱形に形成されている。また、受熱器12は、一例として、冷却対象物80の上に横置きの状態で設置されている。この受熱器12は、冷却対象物80と熱的(熱交換可能)に接続されている。
【0016】
放熱器14は、シャーシ74(図1参照)の天壁78の上に横置きの状態で配置されている。この放熱器14の上には、複数の放熱フィン24を有する放熱部材16が配置されている。放熱部材16は、放熱器14と熱的(熱交換可能)に接続されている。また、放熱器14は、放熱部材16を介して、放熱部材16の周囲環境84と熱的(熱交換可能)に接続されている。
【0017】
図1に示されるように、電子機器70には、ファン86が設けられている。このファン86が作動すると、ファン86から放熱フィン24に冷却風が供給され、放熱フィン24を含む放熱部材16の全体が冷却される。
【0018】
図3に示されるように、受熱器12は、後述する環状ベルト20が貫通される筒状部53を有している。筒状部53は、断面矩形の筒状に形成されている。図4に示されるように、筒状部53の軸方向の中間部における内壁面には、凹部54が形成されている。凹部54は、環状ベルト20の厚み方向の両側にそれぞれ配置されている。
【0019】
受熱器12は、入口12A及び出口12Bを有している。入口12A及び出口12Bは、筒状部53の軸方向の両端にそれぞれ形成されている。各入口12A及び出口12Bは、筒状部53内の凹部54と連通している。
【0020】
放熱器14は、後述する環状ベルト20が貫通される筒状部55を有している。筒状部55は、受熱器12の筒状部53と同様の構成とされている。この筒状部55は、断面矩形の筒状に形成されている。また、筒状部55の軸方向の中間部における内壁面には、凹部56が形成されている。凹部56は、環状ベルト20の厚み方向の両側にそれぞれ配置されている。
【0021】
放熱器14は、入口14A及び出口14Bを有している。入口14A及び出口14Bは、筒状部55の軸方向の両端にそれぞれ形成されている。各入口14A及び出口14Bは、筒状部55内の凹部56と連通している。
【0022】
(ガイド部材)
ガイド部材18は、後述する環状ベルト20の循環経路を規定するための部材である。また、ガイド部材18は、受熱器12と放熱器14との間に設けられている。このガイド部材18は、第一ガイド部材26と、第二ガイド部材28とを含んでいる。第一ガイド部材26及び第二ガイド部材28は、断面矩形の筒状にそれぞれ形成されている。
【0023】
第一ガイド部材26は、受熱器12の出口12Bと、放熱器14の入口14Aとを接続している。一方、第二ガイド部材28は、放熱器14の出口14Bと、受熱器12の入口12Aとを接続している。これにより、受熱器12、放熱器14、第一ガイド部材26、及び第二ガイド部材28が環状に連なっている。また、受熱器12、放熱器14、及びガイド部材18と、後述する環状ベルト20との間には、熱伝導性を有する半固体状の潤滑剤30が充填されている。
【0024】
(環状ベルト)
環状ベルト20は、受熱器12から放熱器14に熱を輸送可能な蓄熱性を有している。また、環状ベルト20は、環状のベルト状に形成されている。この環状ベルト(伝熱ベルト)20には、例えば、銅又はアルミニウムなどの熱伝導性を有する金属製の薄いベルトが適用可能である。また、環状ベルト20には、基材となる樹脂材の表面に金属被膜を有するベルト、又は熱伝導率が高い炭素繊維製のベルトが適用可能である。なお、環状ベルト20は、「伝熱体」及び「環状部材」の一例である。
【0025】
環状ベルト20は、環状ベルト20の幅方向が基板76と平行又は略平行になるように配置されている。また、環状ベルト20は、シャーシ74(図1参照)の天壁78に形成された一対のスリット32に挿入されている。
【0026】
環状ベルト20は、後述する移動機構22の作動に伴い、受熱器12と放熱器14との間を循環移動(循環運動)する。この際、環状ベルト20の一部は、受熱器12の凹部54及び放熱器14の凹部56を通過する。なお、図2の矢印Mは、環状ベルト20の移動方向を示している。
【0027】
具体的に説明すると、図2では、環状ベルト20の第1部分21Aが、受熱器12(筒状部53)内に配置されている。この第1部分21Aは、環状ベルト20の循環移動に伴って、受熱器12内及び放熱器14内を順に通過し、これらの受熱器12及び放熱器14の各々と熱交換する。
【0028】
一方、図2では、環状ベルト20の第2部分21Bは、放熱器14(筒状部55)内に配置されている。この第2部分21Bは、環状ベルト20の循環移動に伴って、放熱器14内及び受熱器12内を順に通過し、放熱器14及び受熱器12の各々と熱交換する。
【0029】
また、図2において、ガイド部材18の第一ガイド部材26及び第二ガイド部材28は、環状ベルト20の周方向において、環状ベルト20の第1部分21Aと第2部分21Bとの間を囲う凹部19をそれぞれ有している。そして、第1部分21A及び第2部分21Bは、環状ベルト20の循環移動に伴って、第1部分21Aの凹部19及び第2部分21Bの凹部19をそれぞれ通過する。
【0030】
なお、本実施形態では、第一ガイド部材26及び第二ガイド部材28の凹部19が、環状ベルト20の周方向において、環状ベルト20の第1部分21Aと第2部分21Bとの間をそれぞれ囲っている。しかし、第一ガイド部材26及び第二ガイド部材28の凹部19は、環状ベルト20の第1部分21Aと第2部分21Bとの間の少なくとも一部を囲っても良い。
【0031】
基板76の上に配置された複数の部品82のうち部品82A,82Bは、冷却対象物80に隣り合って配置されている。これらの部品82A,82Bを避けるように、環状ベルト20が配置されている。具体的には、環状ベルト20は、部品82A,82Bを避けるように、部品82Aと冷却対象物80との間、及び部品82Bと冷却対象物80との間でそれぞれ屈曲される屈曲部20A,20Bを有している。各屈曲部20A,20Bは、基板76と平行な状態から基板76に垂直な状態になるように屈曲している。
【0032】
(移動機構)
移動機構22は、環状ベルト20を循環移動させるための機構である。この移動機構22は、一例として、第二ガイド部材28の長さ方向の中央部に設けられている。移動機構22は、一対のローラ34と、モータ36と、ケース38とを有している。
【0033】
一対のローラ34は、互いの径方向に対向して配置されている。この一対のローラ34の間には、環状ベルト20が挿入されている。環状ベルト20は、一対のローラ34によって挟まれている。一対のローラ34のうち、一方のローラ34には、モータ36の回転軸が固定されている。ケース38は、第二ガイド部材28の一部を構成している。このケース38内には、環状ベルト20の一部が配置されている。
【0034】
図4は、図3の受熱器12の縦断面図であって、受熱器12の内側に環状ベルト20が挿入されていない状態を示す図である。図5は、図3の受熱器12の縦断面図であって、受熱器12の内側に環状ベルト20が挿入された状態を示す図である。
【0035】
図4及び図5に示されるように、受熱器12の凹部54には、受熱器12から環状ベルト20に熱を伝達するための複数の第一伝熱部材40が設けられている。複数の第一伝熱部材40は、弾性を有するひれ状にそれぞれ形成されている。また、複数の第一伝熱部材40は、凹部54の底面から環状ベルト20に向かってそれぞれ延出している。さらに、複数の第一伝熱部材40は、環状ベルト20の長さ方向に配列されている。これらの第一伝熱部材40の先端部は、筒状部53内において環状ベルト20に接触している。これにより、複数の第一伝熱部材40が環状ベルト20と熱的(熱交換可能)に接続される。
【0036】
複数の第一伝熱部材40は、環状ベルト20の厚み方向の両側に配置される複数の表側伝熱部材42及び複数の裏側伝熱部材44を含んでいる。複数の表側伝熱部材42は、環状ベルト20の表面23A側に配置され、環状ベルト20の長さ方向に配列されている。一方、複数の裏側伝熱部材44は、環状ベルト20の裏面23B側に配置され、環状ベルト20の長さ方向に配列されている。複数の表側伝熱部材42と複数の裏側伝熱部材44とは、環状ベルト20の長さ方向に交互に配列されている。
【0037】
図2に示されるように、放熱器14の内側には、放熱器14から環状ベルト20に熱を伝達するための複数の第二伝熱部材46が設けられている。なお、複数の第二伝熱部材46は、複数の第一伝熱部材40と同様の構成とされている。
【0038】
複数の第二伝熱部材46は、弾性を有するひれ状にそれぞれ形成されている。また、複数の第二伝熱部材46は、凹部56の底面から環状ベルト20に向かってそれぞれ延出している。さらに、複数の第二伝熱部材46は、環状ベルト20の長さ方向に配列されている。これらの第二伝熱部材46の先端部は、環状ベルト20に接触している。これにより、複数の第二伝熱部材46が環状ベルト20と熱的(熱交換可能)に接続される。
【0039】
また、複数の第二伝熱部材46は、前述した第一伝熱部材40と同様に、複数の表側伝熱部材42と、複数の裏側伝熱部材44とを含んでいる。
【0040】
なお、第一伝熱部材40及び第二伝熱部材46には、例えば、銅又はアルミニウムなどの熱伝導性を有する金属製の伝熱部材が適用可能である。また、第一伝熱部材40及び第二伝熱部材46には、弾性を有する樹脂基材の表面に金属被膜を有する伝熱部材、又は熱伝導率が高い炭素繊維製の伝熱部材が適用可能である。
【0041】
前述した環状ベルト20、複数の第一伝熱部材40、及び複数の第二伝熱部材46の熱伝導率は、例えば、次のように設定されている。すなわち、環状ベルト20は、複数の第一伝熱部材40よりも熱伝導率が高く設定されており、複数の第二伝熱部材46は、環状ベルト20よりも熱伝導率が高く設定されている。
【0042】
(冷却装置の動作)
次に、本実施形態に係る冷却装置の動作について説明する。
【0043】
図2に示されるように、本実施形態に係る冷却装置10では、モータ36が作動してローラ34が回転すると、受熱器12と放熱器14との間を環状ベルト20が循環移動する。この環状ベルト20の循環移動に伴い、受熱器12内では、複数の第一伝熱部材40が環状ベルト20の一部に摺接し、放熱器14内では、複数の第二伝熱部材46が環状ベルト20の一部に摺接する。
【0044】
なお、図5に示されるように、複数の第一伝熱部材40が環状ベルト20の一部に摺接した状態では、複数の第一伝熱部材40が環状ベルト20の移動方向(循環方向)に弾性変形する。これと同様に、図2に示されるように、複数の第二伝熱部材46が環状ベルト20の一部に摺接した状態では、複数の第二伝熱部材46が環状ベルト20の移動方向(循環方向)に弾性変形する。
【0045】
ここで、受熱器12内において、複数の第一伝熱部材40が環状ベルト20の一部に摺接すると、発熱した冷却対象物80の熱が複数の第一伝熱部材40を通じて環状ベルト20に伝達される。この結果、複数の第一伝熱部材40と接触した環状ベルト20の部位が局所的に加熱される。その後、局所的に加熱された環状ベルト20の部位は、環状ベルト20の循環移動に伴って放熱器14に移動する。
【0046】
また、加熱された環状ベルト20の部位が、放熱器14内において複数の第二伝熱部材46に接触すると、加熱された環状ベルト20の部位の熱が複数の第二伝熱部材46を通じて放熱部材16に伝達される。この結果、複数の第二伝熱部材46と接触した環状ベルト20の部位が放熱される。その後、放熱された環状ベルト20の部位は、環状ベルト20の循環移動に伴って受熱器12に移動する。
【0047】
この環状ベルト20の循環移動が継続することにより、受熱器12において環状ベルト20が冷却対象物80から受熱する動作と、放熱器14において環状ベルト20から放熱部材16に放熱される動作が繰り返される。これにより、冷却対象物80の熱が、環状ベルト20及び放熱器14を介して放熱部材16に輸送され、冷却対象物80が冷却される。
【0048】
(環状ベルトの移動速度決定方法)
次に、環状ベルトの移動速度決定方法について説明する。
【0049】
受熱器12から放熱器14に輸送される熱の輸送効率が高まると、冷却装置10による冷却対象物80の冷却効率も高まる。この受熱器12から放熱器14に輸送される熱の輸送効率は、環状ベルト20の移動速度によって変動する。
【0050】
具体的には、環状ベルト20の移動速度が遅くなると、受熱器12において、複数の第一伝熱部材40と環状ベルト20との接触時間が長くなる。この結果、複数の第一伝熱部材40から環状ベルト20に伝達される熱の伝達量(熱交換量)が増加する。
【0051】
これと同様に、環状ベルト20の移動速度が遅くなると、放熱器14において、環状ベルト20と複数の第二伝熱部材46との接触時間が長くなる。この結果、環状ベルト20から複数の第二伝熱部材46に伝達される熱の伝達量(熱交換量)が増加する。
【0052】
このように環状ベルト20の移動速度が遅くなると、受熱器12及び放熱器14の各々と環状ベルト20との熱交換量が増加する。したがって、受熱器12から放熱器14への熱の輸送効率が高くなる。
【0053】
一方、環状ベルト20の移動速度が遅くなると、受熱器12から放熱器14へ移動する環状ベルト20の移動時間が長くなる。この結果、環状ベルト20から潤滑剤30及び第一ガイド部材26を介して筐体72内に放熱される放熱量が増加する。換言すると、環状ベルト20の移動速度が遅くなると、受熱器12から放熱器14への移動中の環状ベルト20の熱損失量が増加する。
【0054】
このように環状ベルト20の移動速度が遅くなると、受熱器12から放熱器14への移動中の環状ベルト20の熱損失量が増加する。したがって、受熱器12から放熱器14への熱の輸送効率が低くなる。
【0055】
次に、環状ベルト20の移動速度が速くなると、受熱器12において、複数の第一伝熱部材40と環状ベルト20との接触時間が短くなる。この結果、複数の第一伝熱部材40から環状ベルト20に伝達される熱の伝達量(熱交換量)が減少する。
【0056】
これと同様に、環状ベルト20の移動速度が速くなると、放熱器14において、環状ベルト20と複数の第二伝熱部材46との接触時間が短くなる。この結果、環状ベルト20から複数の第二伝熱部材46に伝達される熱の伝達量(熱交換量)が減少する。
【0057】
このように環状ベルト20の移動速度が速くなると、受熱器12及び放熱器14の各々と環状ベルト20との熱交換量が減少する。したがって、受熱器12から放熱器14への熱の輸送効率が低くなる。
【0058】
一方、環状ベルト20の移動速度が速くなると、受熱器12から放熱器14へ移動する環状ベルト20の移動時間が短くなる。この結果、環状ベルト20から潤滑剤30及び第一ガイド部材26を介して筐体72内に放熱される放熱量が減少する。換言すると、環状ベルト20の移動速度が遅くなると、受熱器12から放熱器14への移動中の環状ベルト20の熱損失量が減少する。
【0059】
このように環状ベルト20の移動速度が速くなると、受熱器12から放熱器14への移動中の環状ベルト20の熱損失量が減少する。したがって、受熱器12から放熱器14への熱の輸送効率が高くなる。
【0060】
以上のことから、次のように、環状ベルト20の移動速度を調整することにより、環状ベルト20の移動速度の最適化を図ることができる。すなわち、受熱器12及び放熱器14の各々と環状ベルト20との熱交換量が大きく、かつ、受熱器12から放熱器14への移動中の環状ベルト20の熱損失量が小さくなるように、環状ベルト20の移動速度を調整する。
【0061】
ここで、受熱器12と環状ベルト20との熱交換量は、受熱器12との熱交換前後の環状ベルト20の温度差ΔTから推定することができる。これと同様に、放熱器14と環状ベルト20との熱交換量は、放熱器14と熱交換前後の環状ベルト20の温度差ΔTから推定することができる。また、受熱器12から放熱器14への移動中の環状ベルト20の熱損失量は、受熱器12から放熱器14への移動前後の環状ベルト20の温度差ΔTから推定することができる。
【0062】
そうすると、下記式(1)で表される評価温度Tが大きくなるように環状ベルト20の移動速度を調整することで、環状ベルト20の移動速度の最適化を図ることができる。
評価温度T=ΔT+ΔT−ΔT ・・・ (1)
【0063】
(速度評価試験)
上記評価温度Tが最大となる環状ベルト20の移動速度を求めるためには、例えば、速度評価試験を行う。速度評価試験では、冷却対象物80の単位時間当たりの発熱量、及び放熱部材16の単位時間当たりの放熱量を一定とした状態で、受熱器12と放熱器14との間で、環状ベルト20を異なる移動速度で複数回循環移動させる。そして、環状ベルト20の移動速度ごとに、受熱器12に対する環状ベルト20の移動方向の両側、及び放熱器14に対する環状ベルト20の移動方向の両側において環状ベルト20の温度を測定し、前述した温度差ΔT,ΔT,ΔTを求める。
【0064】
具体的には、図6に示されるように、受熱器12に対する環状ベルト20の移動方向の両側に、第一温度測定器60及び第二温度測定器62をそれぞれ設置する。また、放熱器14に対する環状ベルト20の移動方向の両側に、第三温度測定器64及び第四温度測定器66をそれぞれ設置する。
【0065】
第一温度測定器60、第二温度測定器62、第三温度測定器64、及び第四温度測定器66は、例えば、温度センサとされ、環状ベルト20の所定部の表面温度を測定可能に設置される。これらの第一温度測定器60、第二温度測定器62、第三温度測定器64、及び第四温度測定器66によって、例えば、環状ベルト20の温度を同時又は略同時に測定する。
【0066】
なお、第一温度測定器60、第二温度測定器62、第三温度測定器64、及び第四温度測定器66は、環状ベルト20の所定部(特定部)の温度を順に測定することも可能である。
【0067】
ここで、第一温度測定器60、第二温度測定器62、第三温度測定器64、及び第四温度測定器66によって測定された環状ベルト20の所定部(測定部)の温度をT1,T2,T3,T4とすると、温度差ΔT,ΔT,ΔTは、以下の式で表される。
ΔT=T2−T1
ΔT=T3−T4
ΔT=T2−T3
【0068】
そうすると、上記式(1)の評価温度Tは、下記式(2)で表される。
評価温度T=ΔT+ΔT−ΔT ・・・ (1)
=(T2−T1)+(T3−T4)−(T2−T3)
=2×T3−T1−T4 ・・・ (2)
【0069】
図7には、一例として、速度評価試験で得られる環状ベルト20の移動速度Vと評価温度Tとの関係を示すグラフ90が示されている。グラフ90は、例えば、速度評価試験から得られる評価温度Tの分布に応じた近似曲線とされる。このグラフ90から、評価温度Tが最大値TMAXとなる環状ベルト20の移動速度Vが求められる。この移動速度Vに基づいて、環状ベルト20の移動速度Vが決定される。
【0070】
なお、環状ベルト20の移動速度Vは、評価温度Tが最大値TMAXとなる移動速度Vに限らず、例えば、評価温度Tが最大値TMAXの90%以上となる移動速度Vとしても良い。
【0071】
また、図6では、一例として、第一温度測定器60が受熱器12の入口12Aに隣接して設置され、第二温度測定器62が受熱器12の出口12Bに隣接して設置される。しかし、第一温度測定器60及び第二温度測定器62は、受熱器12と熱交換前後の環状ベルト20の温度差を算出可能な範囲内に設置可能である。これと同様に、図6では、一例として、第三温度測定器64は、放熱器14の入口14Aに隣接して設置され、第四温度測定器66は、放熱器14の出口14Bに隣接して設置される。しかし、第三温度測定器64及び第四温度測定器66は、放熱器14と熱交換前後の環状ベルト20の温度差を算出可能な範囲内に設置可能である。
【0072】
(効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0073】
(移動速度決定方法)
先ず、環状ベルトの移動速度決定方法の効果について説明する。本実施形態では、速度評価試験を行うことにより、環状ベルト20の移動速度の最適化を図ることができる。これにより、環状ベルト20の循環移動によって受熱器12から放熱器14へ輸送される熱の輸送効率が高められる。したがって、冷却装置10の冷却効率を高めることができる。
【0074】
また、本実施形態では、第二温度測定器62及び第三温度測定器64で測定した環状ベルト20の温度T2,T3に基づいて、受熱器12から放熱器14への移動前後の環状ベルト20の温度差ΔTを求める。これにより、本実施形態では、第二温度測定器62及び第三温度測定器64とは別の温度測定器によって、受熱器12から放熱器14への移動前後の環状ベルト20の温度T2,T3を測定する場合と比較して、温度測定器の数が低減される。したがって、温度測定器のコストを削減することができる。
【0075】
なお、受熱器12から放熱器14への移動前後の環状ベルト20の温度T2,T3は、第二温度測定器62及び第三温度測定器64とは別の温度測定器によって測定することも可能である。
【0076】
(冷却装置)
次に、冷却装置10の効果について説明する。前述したように、冷却装置10では、受熱器12と放熱器14との間を環状ベルト20が循環移動する。この際、受熱器12及び放熱器14の各々と環状ベルト20とが熱交換することにより、冷却対象物80の熱が環状ベルト20を介して放熱部材16に輸送される。
【0077】
ここで、熱は、熱伝導率が低い部材から熱伝導率が高い部材に伝わり易いという性質を有している(非特許文献1参照)。この熱の性質を利用するために、本実施形態では、環状ベルト20の熱伝導率が、受熱器12の第一伝熱部材40の熱伝導率よりも高く設定されている。また、放熱器14の第二伝熱部材46の熱伝導率が、環状ベルト20の熱伝導率よりも高く設定されている。つまり、第一伝熱部材40、環状ベルト20、及び第二伝熱部材46の熱伝導率は、第一伝熱部材40、環状ベルト20、及び第二伝熱部材46の順に高くなるように設定されている。
【0078】
これにより、本実施形態では、例えば、第一伝熱部材40、環状ベルト20、及び第二伝熱部材46の熱伝導率が同じ場合と比較して、冷却対象物80から放熱部材16に輸送される熱の輸送効率が高められる。したがって、冷却装置10の冷却効率を高めることができる。
【0079】
また、受熱器12の凹部54には、複数の第一伝熱部材40が設けられている。複数の第一伝熱部材40は、弾性を有するひれ状にそれぞれ形成されている。また、複数の第一伝熱部材40の先端部は、環状ベルト20にそれぞれ接触している。
【0080】
これにより、複数の第一伝熱部材40を通じて、受熱器12と環状ベルト20との間で熱交換される。したがって、本実施形態では、例えば空気を通じて、受熱器12と環状ベルト20との間で熱交換する場合と比較して、受熱器12と環状ベルト20との間の熱交換効率が高められる。
【0081】
また、放熱器14の凹部56には、複数の第二伝熱部材46が設けられている。複数の第二伝熱部材46は、弾性を有するひれ状にそれぞれ形成されている。また、複数の第二伝熱部材46の先端部は、環状ベルト20にそれぞれ接触している。
【0082】
これにより、第二伝熱部材46を通して、環状ベルト20と放熱器14との間で熱交換される。したがって、本実施形態では、例えば空気を通じて、環状ベルト20と放熱器14との間で熱交換する場合と比較して、環状ベルト20と放熱器14との間の熱交換効率が高められる。
【0083】
さらに、受熱器12の内側には、複数の第一伝熱部材40が環状ベルト20の長さ方向に配列されている。これにより、受熱器12と環状ベルト20との熱交換量が増加する。これと同様に、放熱器14の内側には、複数の第二伝熱部材46が環状ベルト20の長さ方向に配列されている。これにより、放熱器14と環状ベルト20との熱交換量が増加する。したがって、受熱器12及び放熱器14の各々と環状ベルト20との熱交換効率がさらに高められる。
【0084】
また、第一伝熱部材40は、環状ベルト20の厚み方向の両側に配置される複数の表側伝熱部材42及び複数の裏側伝熱部材44を有している。これにより、受熱器12の熱が複数の表側伝熱部材42を介して環状ベルト20の表面23Aに伝達されるとともに、複数の裏側伝熱部材44を介して環状ベルト20の裏面23Bに伝達される。
【0085】
これと同様に、第二伝熱部材46は、環状ベルト20の厚み方向の両側に配置される複数の表側伝熱部材42及び複数の裏側伝熱部材44を有している。これにより、環状ベルト20の表面23A側の熱が、複数の表側伝熱部材42を介して放熱器14に伝達されるとともに、環状ベルト20の裏面23B側の熱が、複数の裏側伝熱部材44を介して放熱器14に伝達される。
【0086】
したがって、本実施形態では、例えば環状ベルト20の厚み方向の片側にのみ伝熱部材が配置される場合と比較して、受熱器12及び放熱器14の各々と環状ベルト20との間の熱交換効率が高められる。
【0087】
また、受熱器12と放熱器14との間には、環状ベルト20の循環経路を規定するガイド部材18が設けられている。これにより、本実施形態では、例えば、環状ベルト20を巻き掛けるためのローラ等を省略することができる。
【0088】
また、受熱器12及び放熱器14は、中空状に形成されている。これと同様に、ガイド部材18を構成する第一ガイド部材26及び第二ガイド部材28は、中空状に形成されている。これらの受熱器12、放熱器14、第一ガイド部材26、及び第二ガイド部材28の内側に環状ベルト20を収容することにより、環状ベルト20が電子機器70内の部品等に干渉することが抑制される。
【0089】
さらに、本実施形態に係る冷却装置10によれば、受熱器12、放熱器14、及びガイド部材18と、環状ベルト20との間には、熱伝導性を有する半固体状の潤滑剤30が充填されている。この潤滑剤30によって、環状ベルト20の循環移動が円滑化されるとともに、潤滑剤30を通じて受熱器12から放熱器14に熱が伝達される。したがって、冷却装置10の冷却効率がさらに高められる。
【0090】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0091】
上記実施形態では、受熱器12から放熱器14に熱を輸送する伝熱体として、環状ベルト20が用いられている。しかし、伝熱体は、例えば、断面円形状、又は断面矩形状のワイヤ等の環状線材であっても良い。また、伝熱体は、例えば、受熱器12と放熱器14との間に配置された回転軸を中心として回転することにより、受熱器12から放熱器14に移動する回転部材であっても良い。
【0092】
また、上記実施形態では、環状ベルト20の熱伝導率が、第一伝熱部材40の熱伝導率よりも高く設定されている。また、第二伝熱部材46の熱伝導率が、環状ベルト20の熱伝導率よりも高く設定されている。しかし、第一伝熱部材40、環状ベルト20、及び第二伝熱部材46の熱伝導率は、適宜変更可能である。したがって、例えば、第一伝熱部材40、環状ベルト20、及び第二伝熱部材46の熱伝導率が同じに設定されても良い。
【0093】
また、上記実施形態では、複数の第一伝熱部材40及び複数の第二伝熱部材46が、ひれ状にそれぞれ形成されている。しかし、複数の第一伝熱部材及び複数の第二伝熱部材は、ひれ状に限らず、例えば、ブラシ状に形成されても良い。また、第一伝熱部材及び第二伝熱部材は、例えば、金属製のバネで形成されても良い。さらに、第一伝熱部材40及び第二伝熱部材46は、複数に限らず、一つでも良い。
【0094】
また、上記実施形態では、複数の第一伝熱部材40が、環状ベルト20の厚み方向の両側に配置される複数の表側伝熱部材42及び複数の裏側伝熱部材44を有している。しかし、複数の表側伝熱部材42及び複数の裏側伝熱部材44の一方は、省略されても良い。つまり、複数の第一伝熱部材40は、環状ベルト20の厚み方向の片側にのみ配置されても良い。
【0095】
これと同様に、上記実施形態では、複数の第二伝熱部材46が、環状ベルト20の厚み方向の両側に配置される複数の表側伝熱部材42及び複数の裏側伝熱部材44を有している。しかし、複数の表側伝熱部材42及び複数の裏側伝熱部材44の一方は、省略されても良い。つまり、複数の第二伝熱部材46は、環状ベルト20の厚み方向の片側にのみ配置されても良い。
【0096】
また、上記実施形態では、環状ベルト20の一部が、受熱器12及び放熱器14の内側に配置されている。しかし、環状ベルト20は、受熱器12及び放熱器14の外側に配置されても良い。また、環状ベルト20が受熱器12及び放熱器14の外側に設けられる場合、第一伝熱部材40及び第二伝熱部材46は、例えば、受熱器12及び放熱器14の外側に設けられる。
【0097】
また、上記実施形態では、ガイド部材18の内側に潤滑剤30が充填されている。しかし、潤滑剤30は、省略されても良い。また、潤滑剤30及びガイド部材18の両方が省略されても良い。
【0098】
また、上記実施形態の放熱部材16は、放熱フィン24を有している。しかし、放熱部材16の構成は、適宜変更可能である。また、放熱部材16は、省略可能である。
【0099】
また、上記実施形態の電子機器70は、一例として、サーバとされている。しかし、電子機器70は、サーバ以外の電子機器であっても良い。また、冷却装置10は、電子機器70以外の機器、装置等にも適用可能である。さらに、上記実施形態の冷却装置10は、電子機器の分野に限らず、他の分野(自動車のパワーユニットの部品の冷却等)に適用可能である。
【0100】
また、上記実施形態の熱輸送装置は、一例として、冷却装置10とされている。しかし、熱輸送装置は、冷却装置10に限らず、受熱器の熱を放熱器へ輸送し、空調等に利用する装置とされても良い。
【0101】
以上、本願が開示する技術の一実施形態について説明したが、本願が開示する技術は上記の実施形態に限定されるものでない。また、上記実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本願が開示する技術の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0102】
なお、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0103】
(付記1)
受熱器から放熱器へ移動するとともに、前記受熱器及び前記放熱器の各々と熱交換する伝熱体の移動速度決定方法において、
前記受熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第一温度差、及び前記放熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第二温度差を増加させ、かつ、前記受熱器から前記放熱器への移動前後の前記伝熱体の第三温度差を減少させるように、前記伝熱体の移動速度を求める、
伝熱体の移動速度決定方法。
(付記2)
前記第一温度差をΔTとし、前記第二温度差をΔTとし、前記第三温度差をΔTとすると、評価温度Tが増加するように、前記伝熱体の移動速度を求める、
付記1に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記3)
前記評価温度Tの最大値に基づいて、前記伝熱体の移動速度を求める、
付記2に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記4)
前記評価温度Tの前記最大値は、各回の前記評価温度Tの分布から求める、
付記3に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記5)
前記評価温度Tが前記最大値となる前記伝熱体の移動速度を求める、
付記3又は付記4に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記6)
前記評価温度Tが前記最大値の90%以内となる前記伝熱体の移動速度を求める、
付記3又は付記4に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記7)
前記伝熱体を異なる移動速度で前記受熱器から前記放熱器に複数回移動させるとともに、各回において、前記受熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第一温度及び第二温度と、前記放熱器と熱交換前後の前記伝熱体の第三温度及び第四温度と、前記受熱器から前記放熱器までの移動前後の前記伝熱体の第五温度及び第六温度とを測定し、
前記第一温度及び前記第二温度に基づいて前記第一温度差を算出し、
前記第三温度及び前記第四温度に基づいて前記第二温度差を算出し、
前記第五温度及び前記第六温度に基づいて前記第三温度差を算出する、
付記1〜付記6の何れか1つに記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記8)
前記第一温度及び前記第二温度は、前記受熱器に対する前記伝熱体の移動方向の両側に設置された第一温度測定器及び第二温度測定器でそれぞれ測定し、
前記第三温度及び前記第四温度は、前記放熱器に対する前記伝熱体の移動方向の両側に設置された第三温度測定器及び第四温度測定器で測定し、
前記第五温度は、第二温度測定器で測定し、
前記第六温度は、第三温度測定器で測定する、
付記7に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記9)
第一温度測定器は、前記受熱器の入口と隣接して設置し、
第二温度測定器は、前記受熱器の出口と隣接して設置し、
第三温度測定器は、前記放熱器の入口と隣接して設置し、
第四温度測定器は、前記放熱器の出口と隣接して設置する、
付記8に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記10)
前記伝熱体は、前記受熱器と前記放熱器との間を循環移動する、
付記1〜付記9の何れか1つに記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記11)
前記伝熱体は、前記受熱器と前記放熱器との間を循環移動する環状部材とされる、
付記10に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記12)
前記伝熱体は、伝熱ベルトとされる、
付記11に記載の伝熱体の移動速度決定方法。
(付記13)
前記伝熱体は、前記受熱器及び前記放熱器の各々との接触に伴って、前記受熱器及び前記放熱器の各々と熱交換する、
付記1〜付記12の何れか1つに記載の伝熱体の移動速度決定方法。
【符号の説明】
【0104】
12 受熱器
12A 入口(受熱器の入口の一例)
12B 出口(受熱器の出口の一例)
14 放熱器
14A 入口(放熱器の入口の一例)
14B 出口(放熱器の出口の一例)
20 環状ベルト(伝熱体及び環状部材の一例)
60 第一温度測定器
62 第二温度測定器
64 第三温度測定器
66 第四温度測定器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7