【実施例1】
【0018】
図1(a)および
図1(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの断面図および平面図である。
図1(b)は、基板10、20、封止部30および環状金属層32を主に示している。
【0019】
図1(a)および
図1(b)に示すように、基板10は支持基板10aと圧電基板10bとを有する。支持基板10aは、例えばサファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板またはシリコン基板である。圧電基板10bは、例えばタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である。圧電基板10bは支持基板10aの上面に接合されている。支持基板10aの線膨張係数は圧電基板10bより小さい。圧電基板10bと支持基板10aとの間に酸化シリコンまたは窒化アルミニウム等の絶縁体層を設けてもよい。このように、圧電基板10bは支持基板10aに直接または間接的に接合されている。
【0020】
基板10の上面に弾性波素子12、配線14および環状金属層32が設けられている。環状金属層32は圧電基板10bに埋め込まれ、平面視において弾性波素子12および配線14を囲むように設けられている。環状金属層32上に環状金属層34が設けられている。基板10の下面に端子18が設けられている。端子18は、弾性波素子12および22を外部と接続するためのフットパッドである。基板10を貫通するビア配線16が設けられている。ビア配線16は端子18と配線14とを電気的に接続する。配線14、ビア配線16、端子18および環状金属層32は、例えば銅層、アルミニウム層、白金層または金層等の金属層である。環状金属層34は例えばニッケル層である。
【0021】
基板10上に基板20が搭載されている。基板20は、例えばサファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板またはシリコン基板である。基板20の下面に弾性波素子22および配線24が設けられている。配線24は例えば銅層、アルミニウム層、白金層または金層等の金属層である。基板20はバンプ28を介し基板10にフリップチップ実装(フェースダウン実装)されている。バンプ28は、例えば金バンプ、半田バンプまたは銅バンプである。バンプ28は、配線14および24と接合する。
【0022】
基板10上に基板20を囲むように封止部30が設けられている。封止部30は、例えば半田(錫銀、錫または錫銀銅)等の金属層または樹脂等の絶縁層である。封止部30は、環状金属層34に接合されている。基板20の上面および封止部30の上面に平板状のリッド36が設けられている。リッド36は例えばコバール板等の金属板または絶縁板である。リッド36および封止部30を覆うように保護膜38が設けられている。保護膜38はニッケル膜等の金属膜または絶縁膜である。
【0023】
弾性波素子12は空隙26を介し基板20に対向している。弾性波素子22は空隙26を介し圧電基板10bに対向している。弾性波素子12および22は、封止部30、基板10、基板20およびリッド36により封止される。バンプ28は空隙26に囲まれている。端子18はビア配線16および配線14を介し弾性波素子12と電気的に接続され、さらに、バンプ28および配線24を介し弾性波素子22に電気的に接続されている。
【0024】
支持基板10aの側面70は封止部30の側面より外側に位置している。圧電基板10bの側面72の下部72aは支持基板10aの側面70と略同一平面である。圧電基板10bの側面72の上部72bは下部72aより内側に位置している。封止部30の側面74は支持基板10aの側面70より内側に位置している。側面70、下部72aおよび側面74は各々略平面であり、側面72の上部72bの少なくとも一部は曲面である。
【0025】
支持基板10aの厚さは例えば50μmから300μmである。圧電基板10bの厚さは例えば0.5μmから30μmであり、例えば弾性波の波長以下である。バンプ28の厚さは例えば10μmから20μmである。基板20の厚さは例えば50μmから200μmである。
【0026】
図2(a)は、実施例1における弾性波素子12の平面図、
図2(b)は弾性波素子22の断面図である。
図2(a)に示すように、弾性波素子12は弾性表面波共振器である。基板10の圧電基板10b上にIDT(Interdigital Transducer)40と反射器42が形成されている。IDT40は、互いに対向する1対の櫛型電極40aを有する。櫛型電極40aは、複数の電極指40bと複数の電極指40bを接続するバスバー40cとを有する。反射器42は、IDT40の両側に設けられている。IDT40が圧電基板10bに弾性表面波を励振する。弾性波の波長は一対の櫛型電極40aの一方の櫛型電極40aの電極指40bのピッチにほぼ等しい。すなわち、弾性波の波長は一対の櫛型電極40aの電極指40bのピッチの2倍にほぼ等しい。IDT40および反射器42は例えばアルミニウム膜、銅膜またはモリブデン膜により形成される。圧電基板10b上にIDT40および反射器42を覆うように保護膜または温度補償膜が設けられていてもよい。
【0027】
図2(b)に示すように、弾性波素子22は圧電薄膜共振器である。基板20上に圧電膜46が設けられている。圧電膜46を挟むように下部電極44および上部電極48が設けられている。下部電極44と基板20との間に空隙45が形成されている。圧電膜46の少なくとも一部を挟み下部電極44と上部電極48とが対向する領域が共振領域47である。共振領域47において、下部電極44および上部電極48は圧電膜46内に、厚み縦振動モードの弾性波を励振する。基板20は、例えばサファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、ガラス基板、水晶基板またはシリコン基板である。下部電極44および上部電極48は例えばルテニウム膜等の金属膜である。圧電膜46は例えば窒化アルミニウム膜である。空隙45の代わりに弾性波を反射する音響反射膜が設けられていてもよい。
【0028】
弾性波素子12および22は、弾性波を励振する電極を含む。このため、弾性波を制限しないように、弾性波素子12および22は空隙26に覆われている。
【0029】
[実施例1の製造方法]
図3は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す平面図である。
図4(a)から
図6(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
【0030】
図4(a)に示すように、支持基板10aの上面に圧電基板10bの下面を例えば表面活性化法を用い常温接合する。支持基板10aと圧電基板10bとは数nmのアモルファス層等を介し直接接合されていてもよいし、絶縁層を介し間接的に接合されていてもよい。
【0031】
図4(b)に示すように、圧電基板10bを例えばエッチングにより除去し開口15aおよび15bを形成する。開口15a内の支持基板10aの上面に例えばレーザ光を照射しビア15cを形成する。開口15aおよびビア15cにより貫通孔15が形成される。
【0032】
図4(c)に示すように、貫通孔15内、開口15b内および圧電基板10b上に銅等の金属層を例えばめっき法を用い形成する。圧電基板10bの表面が露出するように金属層の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い平坦化する。これにより、ビア配線16および環状金属層32が形成される。
【0033】
図3に示すように、分割領域68が格子状に設けられている。分割領域68はウエハが切断されるときに封止部30が除去される領域である。分割領域68の幅は例えば50μmから200μmである。分割領域68には圧電基板10bが設けられ、分割領域68の両側に環状金属層32が設けられている。環状金属層32内には島状のビア配線16が設けられている。
【0034】
図4(d)に示すように、圧電基板10b上に弾性波素子12を形成する。圧電基板10bおよびビア配線16上に配線14を形成する。環状金属層32上に環状金属層34を形成する。
【0035】
図5(a)に示すように、基板10上にバンプ28を介し基板20をフリップチップ実装する。これにより、弾性波素子12と22とは空隙26を挟み対向する。
図3のように、環状金属層32が基板20を囲むように基板20が基板10上に搭載される。
【0036】
図5(b)に示すように、基板20を囲むように封止部30を形成する。封止部30は例えば半田であり、環状金属層34の上面に接合する。基板20および封止部30の上面にリッド36が設けられる。基板10の下面にビア配線16と接続する端子18を形成する。
【0037】
図5(c)に示すように、基板10の下面に樹脂テープ等のテープ56を貼り付ける。テープ56は基板10の補強用テープである。分割領域68のリッド36、封止部30および圧電基板10bにダイシングブレード58を用い溝64を形成する。溝64の底面は圧電基板10b内に位置しており、溝64の下に圧電基板10bの一部が残存している。溝64によりリッド36および封止部30が切断される。溝64の先端は曲面でなく略平面でもよい。
【0038】
図6(a)に示すように、分割領域68内の溝64の底面にレーザ光54を照射することで、圧電基板10bおよび支持基板10aの上部に溝60を形成する。レーザアブレーションにより圧電基板10bおよび支持基板10aの一部が昇華し溝60が形成される。
図3において溝60は環状金属層32間を延伸する。支持基板10a内の溝60の深さは例えば10μmから40μmである。レーザ光54は例えばNd:YAGレーザの第2高調波であり、レーザ光54の波長は例えば532nmであり、例えば500nmから600nmである。レーザ光54は可視光、紫外線または赤外線でもよい。
【0039】
圧電基板10bがレーザ光54に対し透明な場合、溝60の代わりに支持基板10aの上部に改質領域を形成してもよい。改質領域は支持基板10aの所望の位置にレーザ光54の焦点を結ぶことにより形成する。改質領域では支持基板10aが溶融しその後固化しアモルファスまたは多結晶の領域となる。圧電基板10bがレーザ光54に対し透明でない場合、支持基板10aに改質領域を設けることが難しいため、支持基板10aには溝60を設ける。
【0040】
図6(b)に示すように、テープ56下からブレイク刃59を押し当てる。これにより、支持基板10aは溝60を起点に支持基板10aを貫通するクラック62が形成される。これにより、支持基板10aが割断される。テープ56を拡張することで、基板10が個片化される。その後、テープ56を剥がす。環状金属層34、封止部30およびリッド36の表面に保護膜38を例えばめっき法を用い形成する。以上により実施例1の弾性波デバイスが製造される。
【0041】
図7(a)および
図7(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの側面図である。
図7(b)は、保護膜38を透過した側面図である。
図7(a)および
図7(b)に示すように、支持基板10aの側面70の下部70aは、ブレイクされた側面である。
【0042】
支持基板10aの側面70の上部70bにはレーザ痕61が設けられている。レーザ痕61の高さH1は、例えば10μmから30μmであり、平均値の一例として約13μmである。支持基板10aの厚さは例えば75μmから150μmであり、高さH1は支持基板10aの厚さの5%から40%である。
【0043】
図6(a)において、レーザ光54をパルス光とし一定速度でレーザ光54を移動させながら照射した場合、支持基板10aの側面に形成されるレーザ痕61は三角波状となる。三角状波の周期D1は、パルス光のパルス周期とレーザ光54の移動速度により定まり、例えば1μmから50μmである。レーザ痕61は、支持基板10aの昇華により形成した溝60の一部であり、表面は多結晶またはアモルファスである。
図6(a)において溝60の代わりに改質領域を形成した場合、側面70の上部70bにはレーザ痕として改質領域が露出する。
【0044】
圧電基板10bの側面72の下部72aは、圧電基板10bの昇華により形成した溝60の一部であり、表面はレーザ痕61と同様に多結晶またはアモルファスである。下部72aと支持基板10aの側面70とほぼ同一平面である。
【0045】
圧電基板10bの側面72の上部72bおよび封止部30の側面74は、ブレードダイシング法により切断した溝64の側面である、ダイシングブレード58により形成された溝64の幅はレーザ光54により形成された溝60より広い。このため、封止部30の側面74および圧電基板10bの側面72の上部72bは支持基板10aの側面70より内側に位置する。側面70と74との距離D2は、ダイシングブレード58の幅のほぼ1/2であり、例えば10μmから40μmである。
【0046】
[比較例1]
図8(a)から
図8(c)は、比較例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図8(a)に示すように、ダイシングブレード58を用いて支持基板10aに達する溝64を形成する。
図8(b)に示すように、溝64の底面にレーザ光54を照射することで、支持基板10aに溝60または改質領域を形成する。溝64が圧電基板10bを貫通しているため、圧電基板10bに溝60は形成されない。
図8(c)に示すように、ブレイク刃59を押し当てることで、支持基板10aを個片化する。その他の工程は実施例1と同じである。
【0047】
図9(a)は、比較例1に係る弾性波デバイスの断面図、
図9(b)は、
図9(a)の拡大図である。支持基板10aは圧電基板10bを支持するため、圧電基板10bおよび封止部30より硬い。よって、支持基板10aをブレードダイシングにより切断することは難しい。封止部30は金属または樹脂であり柔らかい。よって、封止部30をブレイク刃59を用い割断することは難しい。そこで、比較例1では、封止部30および圧電基板10bをブレードダイシング法を用い切断した後、支持基板10aをレーザ光54の照射およびブレイク刃59を用い切断する。これにより、
図9(a)に示すように、圧電基板10bの側面72と封止部30の側面74は溝64により形成されており、略平面である。支持基板10aの側面70の上部70cは側面70の下部70aより内側に位置している。
【0048】
図9(b)に示すように、封止部30および圧電基板10bをブレードダイシング法を用いて切断すると、ダイシングブレード58で形成される溝64が支持基板10aの上部に達する。ダイシングブレード58が支持基板10aに接触すると、支持基板10aにチッピングおよびクラック76が形成される。クラック76は、温度サイクル等により破線77のように延伸することがある。例えば矢印78のように、クラック76を介し空隙26の気密性が低下し空隙26に水分が侵入する可能性がある。また、クラック76が延伸すると支持基板10aが割れる可能性がある。
【0049】
実施例1によれば、
図5(a)のように、圧電基板10bと支持基板10aとが直接または間接的に接合された基板10(第1基板)上に複数の基板20(第2基板)を、圧電基板10bとの間に空隙を挟み対向するように搭載する。
図5(b)のように、基板20を囲み基板10と接合し、圧電基板10bおよび基板20の少なくとも一方に設けられた弾性波素子12および22(圧電素子)を空隙26に封止する封止部30を形成する。
図5(c)のように、封止部30および基板10を分割するための分割領域68において、基板20間の封止部30および圧電基板10bに、底面に圧電基板10bの一部が残存するようにダイシングブレード58を用い溝64(第1溝)を形成する。
図6(a)に示すように、溝64の底面にレーザ光54を照射することで、支持基板10aに溝60(第2溝)または改質領域を形成する。
図6(b)のように、溝60または改質領域において基板10を割断する。
【0050】
このように、ダイシングブレード58を用い溝64を形成するときに溝64の底面に圧電基板10bの一部を残存させる。これにより、支持基板10aに溝64が形成されないため、支持基板10aに
図9(b)のようなクラック76が形成されない。よって、支持基板10aの劣化を抑制できる。
【0051】
このように形成された弾性波デバイスでは、
図7(a)および
図7(b)のように、支持基板10aの側面70における厚さ方向の上部70bにレーザ痕61を有する。圧電基板10bの側面72の下部72aは支持基板10aの側面70と略一致し、圧電基板10bの側面72の上部72bは側面72の下部72aより内側に位置する。封止部30の側面74は、支持基板10aの側面70より内側に位置する。なお、下部72aは側面70と略一致するとは、溝60の幅、位置合わせ精度および製造誤差を許容する程度に一致することであり、例えば距離D2の1/5程度の誤差を許容する。
【0052】
図5(c)における溝64の底面下の圧電基板10bの一部の厚さ(すなわち圧電基板10bの側面72の下部72aの厚さ)は、圧電基板10bの厚さの1/2以下が好ましい。これにより、
図6(b)において、溝60を支持基板10aに形成しやすくなる。
【0053】
支持基板10aは、サファイア基板、スピネル基板、石英基板または水晶基板であり、封止部30は半田または樹脂である。サファイア基板は単結晶のAl
2O
3を主成分とする基板である。スピネル基板は、単結晶または多結晶のMgAl
2O
4を主成分とする基板である。石英基板は、アモルファスのSiO
2を主成分とする基板である。水晶基板は、単結晶のSiO
2を主成分とする。この場合、支持基板10aが硬いため、支持基板10aに溝64が形成されると、支持基板10aにクラック76が形成されやすい。特に、サファイア基板は固くクラック76が生成されやすい。よって、実施例1のように溝64の底面に圧電基板10bの一部を残存させることが好ましい。圧電基板10bは単結晶タンタル酸リチウム基板または単結晶ニオブ酸リチウム基板である。このとき、圧電基板10bは支持基板10aほど固くないため、溝64を圧電基板10bを切断するように形成することができる。
【0054】
[実施例1の変形例1]
図10は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す平面図である。
図11(a)から
図12(b)は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図10および
図11(a)に示すように、分割領域68に環状金属層32が形成されている。
図11(b)に示すように、分割領域68のリッド36、封止部30、環状金属層34および32にダイシングブレード58を用い溝64を形成する。溝64の底面は環状金属層32内に位置しており、溝64の下に環状金属層32の一部が残存している。
【0055】
図12(a)に示すように、分割領域68内の溝64の底面にレーザ光54を照射することで、環状金属層32および支持基板10aの上部に溝60を形成する。環状金属層32はレーザ光54に対し透明でないため、支持基板10a内にレーザ光54の焦点を結ばせ支持基板10aに改質領域を形成することは難しい。
【0056】
図12(b)に示すように、テープ56下からブレイク刃59を押し当て、クラック62が形成することにより、基板10が個片化される。その他の製造工程は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0057】
図13(a)および
図13(b)は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの断面図および側面図である。
図13(b)は、保護膜38を透過した側面図である。
図13(a)および
図13(b)に示すように、環状金属層32の側面は保護膜38と接している。
【0058】
環状金属層32の側面73の下部73aは、環状金属層32の昇華により形成した溝60の一部であり、下部73aと支持基板10aの側面70とはほぼ同一平面である。環状金属層32の側面73の上部73bおよび封止部30の側面74は、ブレードダイシング法により切断した溝64である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0059】
実施例1の変形例1によれば、
図10および
図11(a)のように、基板10の圧電基板10bの一部を格子状に除去し支持基板10aに接合する格子状の環状金属層32を形成する。
図11(b)のように、分割領域68において、基板20間の封止部30および環状金属層32に、底面に環状金属層32の一部が残存するようにダイシングブレード58を用い溝64を形成する。
図12(a)に示すように、溝64の底面にレーザ光54を照射することで、支持基板10aに溝60を形成する。
図12(b)のように、溝60において基板10を割断する。
【0060】
このように、溝64の底面に環状金属層32の一部を残存させる。これにより、支持基板10aに溝64が形成されないため、支持基板10aに
図9(b)のようなクラック76が形成されない。よって、支持基板10aの劣化を抑制できる。
【0061】
このように形成された弾性波デバイスでは、環状金属層32は、基板10の周縁の圧電基板10bが除去された領域において支持基板10aに接合する。環状金属層32の側面73の下部73aは支持基板10aの側面70と略一致し、側面73の上部73bは下部73aより内側に位置する。なお、下部73aは側面70と略一致するとは、溝60の幅、位置合わせ精度および製造誤差を許容する程度に一致することであり、例えば距離D2の1/5程度の誤差を許容する。
【0062】
分割領域68において、封止部30と支持基板10aとに挟まれる分割層は、実施例1のように圧電基板10bの少なくとも一部でもよいし、実施例2のように環状金属層32の少なくとも一部でもよい。
【0063】
実施例1およびその変形例では、弾性波素子12および22が設けられているが、弾性波素子12および22の少なくとも一方が設けられていればよい。弾性波素子22として圧電薄膜共振器の例を説明したが、弾性波素子22は弾性表面波共振器でもよい。また、弾性波素子12および22の少なくとも一方は圧電体を有する圧電素子であればよい。基板20の下面に設けられる機能素子として弾性波素子22の例を説明したが、機能素子は、インダクタまたはキャパシタ等の受動素子、トランジスタを含む能動素子、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子でもよい。