【解決手段】中継装置10は、ネットワークNのトポロジを特定する所定プロトコルに対応したルータ2と、所定プロトコルに非対応の情報機器3との通信を中継する中継装置である。中継装置10は、所定プロトコルに準じた形式を有する情報機器3の機器情報が記憶された記憶部13を備える。中継装置10は、ルータ2から送信されたパケットを情報機器3へ転送し、情報機器3から送信されたパケットをルータ2へ転送すると共に、記憶部13に記憶された機器情報をルータ2へ送信する。
前記情報機器から送信された前記パケットの送信元情報に基づいて、前記情報機器から送信された前記パケットを前記ルータへ転送するか否かを判断する判断部を更に備える
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の中継装置。
ネットワークのトポロジを特定する所定プロトコルに対応したルータと、前記所定プロトコルに非対応の情報機器との通信を、中継装置に中継させるための中継プログラムであって、
前記ルータから送信されたパケットを前記情報機器へ転送する第1転送ステップと、
前記情報機器から送信されたパケットを前記ルータへ転送する第2転送ステップと、
前記所定プロトコルに準じ形式を有して前記中継装置に記憶された前記情報機器の機器情報を、前記ルータへ送信する機器情報送信ステップと
を備えることを特徴とする、中継プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の幾つかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、実施形態で説明される構成又は動作の全てが本発明の構成又は動作として必須であるとは限らない。
【0016】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るネットワークシステム1の構成を模式的に示す図である。
【0017】
ネットワークシステム1は、コンピュータネットワークシステムである。ネットワークシステム1は、ルータ2を介して外部ネットワークWに繋がるネットワークを構築するシステムである。例えば、外部ネットワークWは、インターネット等のWAN(Wide Area Network)であり、ネットワークシステム1で構築されるネットワークNは、LAN(Local Area Network)である。好適には、ネットワークNは、ホームネットワークであり、ネットワークシステム1は、宅内の情報機器3が有線又は無線にてルータ2に接続され、ルータ2を介してインターネットに接続されたホームネットワークシステムである。
【0018】
ネットワークシステム1は、HTIP(Home-network Topology Identifying Protocol)又はLLDP(Link Layer Discovery Protocol)等の、データリンク層の接続を検知及び管理する所定プロトコルに準じたネットワークシステムである。好適には、ネットワークシステム1は、HTIPに準じたネットワークシステムである。本実施形態では、ネットワークシステム1がHTIPに準じたシステムであるとして説明する。
【0019】
複数の情報機器3は、ネットワークNのノードを構成し、ネットワーク機器4と、エンド端末5とを含む。ネットワーク機器4は、複数のポートを有し、一のポートで受信したフレーム又はパケットを他のポートへ転送する機能を有する機器である。エンド端末5は、フレーム又はパケットを終端する機器である。
【0020】
図1には、ネットワーク機器4としてスイッチングハブが例示されており、エンド端末5として、デスクトップパソコン、電子ロックドア、エアコン、及び、室内監視用のWebカメラが例示されている。
【0021】
情報機器3は、HTIPのエージェント機能を実現するエージェントプログラムが実装された情報機器3と、HTIPのマネージャ機能を実現するマネージャプログラムが実装された情報機器3とに分類され得る。このマネージャプログラムは、ネットワークに接続された任意の情報機器3に実装されてよい。エージェントプログラムは、マネージャプログラムが実装された機器以外の情報機器3に実装されてよい。
【0022】
すなわち、マネージャプログラムが実装された情報機器3には、ネットワーク機器4又はエンド端末5の何れかが該当してよい。また、エージェントプログラムが実装された情報機器3には、ネットワーク機器4又はエンド端末5の何れかが該当してもよいし、ネットワーク機器4とエンド端末5との両方が該当してもよい。なお、
図1には、マネージャプログラムが実装された情報機器3として、エンド端末5であるデスクトップパソコンが例示されており、符号「5M」が付されている。
【0023】
エージェントプログラムが実装された情報機器3は、ネットワークNに接続されると、自身の識別情報及び機器情報を互いに対応付けて、ブロードキャスト方式でネットワークN内へ送信する。識別情報は、情報機器3に対して一意に決定された情報であり、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスである。機器情報は、情報機器3ごとに備える情報である。機器情報は、情報機器3の区分、メーカ名(メーカコード)、機種名及び型番を示す情報である。機器情報は、これらの他、チャンネル使用状態情報、通信エラー率情報、ステータス情報、CPU使用率及びバッテリ残量等の、情報機器3の動作状態及び通信状態を示す情報を含んでよい。
【0024】
エージェントプログラムが実装された情報機器3がネットワーク機器4である場合、情報機器3は、自身の識別情報及び機器情報に加え、接続構成情報を対応付けて、ブロードキャスト方式でネットワークN内へ送信する。接続構成情報は、ネットワーク機器4の各ポートに対して直接的又は間接的に接続された情報機器3に関する情報である。接続構成情報は、ネットワーク機器4の各ポートを識別するポート番号と、各ポートに接続された情報機器3の識別情報とを対応付けた情報であり、例えば、MACアドレステーブルである。
【0025】
なお、ポートに直接的に接続された情報機器3とは、ポートに物理的に接続された情報機器3を意味する。ポートに間接的に接続された情報機器3とは、ポートに物理的に接続された情報機器3(すなわちネットワーク機器4)のポートに対して、更に物理的に接続された情報機器3を意味する。
【0026】
マネージャプログラムが実装された情報機器3は、ネットワークNを監視し、情報機器3から送信された識別情報、機器情報及び接続構成情報等を収集する。そして、マネージャプログラムが実装された情報機器3は、収集された各種情報に基づいて、ネットワークNのトポロジをマッピングする。
【0027】
図2は、実施形態1に係る中継装置10の機能的構成を示す図である。
【0028】
ネットワークシステム1は、HTIPに対応したルータ2と、ルータ2に後続する情報機器3との通信を中継する中継装置10を備える。中継装置10は、ルータ2に後続する情報機器3がHTIPに非対応の情報機器3である場合、ルータ2と、この情報機器3との間に接続される。
図1には、HTIPに非対応の情報機器3は、エンド端末5である室内監視用のWebカメラであり、このWebカメラとルータ2との間に中継装置10が接続された例が示されている。中継装置10は、HTIPに非対応の情報機器3の代理として、HTIPに対応したルータ2に接続されるプロキシデバイスである。
【0029】
中継装置10は、
図2に示されるように、複数のポート11a及び11bと、通信回路部12と、記憶部13と、情報設定部14と、制御部15とを備える。
【0030】
ポート11aは、ルータ2と物理的に接続されるポートであり、ポート11bは、ルータ2に後続するHTIPに非対応の情報機器3と物理的に接続されるポートである。
【0031】
通信回路部12は、複数のポート11a及び11bに接続されたそれぞれの機器との間でパケットの送受信を行う通信制御回路である。通信回路部12は、ポート11aに接続されたルータ2から送信されたパケットを受信し、ポート11bに接続された情報機器3へそのまま転送する。通信回路部12は、ポート11bに接続された情報機器3から送信されたパケットを受信し、ポート11aに接続されたルータ2へ転送する。更に、通信回路部12は、制御部15による制御の下、記憶部13に記憶された後述の機器情報を、ポート11aに接続されたルータ2へ送信する。
【0032】
記憶部13は、中継装置10の中継機能を実現するための各種プログラム、及び、各種設定情報等を記憶するメモリである。記憶部13は、フラッシュメモリ等の、記憶されるデータの書き換えが可能な不揮発性メモリにより構成される。記憶部13には、中継装置10自身の機器情報の他、ポート11bに接続されたHTIPに非対応の情報機器3の機器情報が記憶されている。記憶部13に記憶されたHTIPに非対応の情報機器3の機器情報は、HTIPに準じた形式を有する。HTIPに準じた形式とは、HTIPに準じた通信フォーマットであってよい。
【0033】
情報設定部14は、中継装置10の外部にある外部装置Aから接触又は非接触で情報の取得が可能であり、外部装置Aから取得した情報を記憶部13に書き込んで、中継装置10の各種設定を行う。情報設定部14は、HTIPに非対応の情報機器3の機器情報を、外部装置Aから取得し、記憶部13に書き込む。情報設定部14は、HTIPに非対応の情報機器3の機器情報を、予めHTIPに準じた形式を有する状態で、外部装置Aから取得してもよし、外部装置Aから取得した後に、HTIPに準じた形式に変換してもよい。情報設定部14は、HTIPに準じた形式を有するHTIPに非対応の情報機器3の機器情報を、記憶部13に書き込むことによって、HTIPに準じた形式を有するHTIPに非対応の情報機器3の機器情報を設定する。
【0034】
なお、情報設定部14は、外部装置Aからの情報取得を、NFC(Near Field Communication)若しくはUHF(Ultrahigh Frequency)等のRFID(Radio Frequency Identification)、若しくは、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信、又は、赤外線通信等を用いて行うことができる。この場合、情報設定部14は、リーダ等の非接触式の読取機器に接続される。また、情報設定部14は、外部装置Aからの情報取得を、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体から直接情報を読み取ることによって行うことができる。この場合、情報設定部14は、USBコネクタ等に接続される。
【0035】
制御部15は、プロセッサを含み、中継装置10の各構成要素を統括的に制御する制御部15を備える。特に、制御部15は、HTIPに対応したルータ2と、HTIPに非対応の情報機器3との通信を中継する中継処理を行う。本実施形態では、中継装置10(制御部15)に中継処理を実行させるためのプログラムを、「中継プログラム」とも称する。中継処理の詳細については、
図3を用いて後述する。
【0036】
図3は、実施形態1に係る中継装置10で行われる中継処理の流れを示す図である。
【0037】
制御部15は、ポート11a及び11bに対してルータ2及びHTIPに非対応の情報機器3がそれぞれ接続されたことを検知すると、中継処理を行う。制御部15は、ルータ2及びHTIPに非対応の情報機器3のそれぞれから少なくとも送信された識別情報を通信回路部12が受信したことを検知することによって、ルータ2及びHTIPに非対応の情報機器3が接続されたことを検知することができる。
【0038】
なお、ポート11bに接続された情報機器3がHTIPに対応した情報機器3である場合、この情報機器3は、自身の識別情報に対応付けて自身の機器情報を送信する。制御部15は、識別情報に対応付けて機器情報が送信されているか否かを判断することによって、ポート11bに接続された情報機器3がHTIPに対応した情報機器3であるか否かを判断することができる。
【0039】
ステップ301において、制御部15は、ポート11aに接続されたルータ2、又は、ポート11bに接続された情報機器3から送信されたパケットを、通信回路部12が受信したか否かを判断する。制御部15は、通信回路部12がパケットを受信していない場合、本処理を終了する。一方、制御部15は、通信回路部12がパケットを受信した場合、ステップ302へ移行する。
【0040】
ステップ302において、制御部15は、受信したパケットがルータ2から送信されたパケットか否かを判断する。制御部15は、受信したパケットに含まれる送信元情報が、ルータ2を示す情報か否かを判断することによって、受信したパケットがルータ2から送信されたパケットか否かを判断することができる。制御部15は、受信したパケットがルータ2から送信されたパケットでない場合、ステップ304へ移行する。一方、制御部15は、受信したパケットがルータ2から送信されたパケットである場合、ステップ303へ移行する。
【0041】
ステップ303において、制御部15は、通信回路部12を制御して、受信したパケットをポート11bに接続された情報機器3へ転送する。その後、制御部15は、本処理を終了する。
【0042】
ステップ304において、制御部15は、通信回路部12を制御して、受信したパケットをルータ2へ転送する。
【0043】
ステップ305において、制御部15は、記憶部13に記憶された、ポート11bに接続された情報機器3の機器情報を読み出し、通信回路部12を制御して、この機器情報をルータ2へ送信する。その後、制御部15は、本処理を終了する。
【0044】
ポート11bに接続された情報機器3からルータ2に対して一のデータが送信される際、一の送信データは、複数のパケットに分割してパケット単位で送信される。このため、中継装置10は、一の送信データをパケット単位で順次受信し、ルータ2へ順次転送する。制御部15は、一の送信データを分割して得られた全てのパケットをルータ2へ転送した後ではなく、一の送信データを分割して得られた複数のパケットの各転送の間に、記憶部13に記憶されたこの機器情報をルータ2へ送信することができる。すなわち、制御部15は、ポート11bに接続された情報機器3から送信されたパケットのルータ2への転送に割り込んで、記憶部13に記憶されたこの機器情報をルータ2へ送信することができる。
【0045】
この際、制御部15は、ポート11bに接続された情報機器3からルータ2に対して送信される複数のパケットの転送間隔や、これらのパケットの通信フォーマットを変更することなく、記憶部13に記憶されたこの機器情報をルータ2へ送信することができる。例えば、制御部15は、記憶部13に記憶されたこの機器情報をルータ2へ送信する処理を、所定時間が経過する毎に実行されるタイマ割り込み処理として実行すればよい。そして、制御部15は、この所定時間が経過するタイミングを、パケットの転送処理の間のタイミングに設定すればよい。
【0046】
ポート11bに接続された情報機器3は、HTIPに非対応の情報機器3であるが、記憶部13に記憶されたこの機器情報は、HTIPに準じた形式を有する。すなわち、制御部15は、HTIPに非対応の情報機器3から送信されたパケットのルータ2への転送に割り込んで、HTIPに準じた形式を有するHTIPに非対応の情報機器3の機器情報をルータ2へ送信することができる。
【0047】
以上のように、実施形態1に係る中継装置10は、ネットワークNのトポロジを特定するHTIP等の所定プロトコルに対応したルータ2と、所定プロトコルに非対応の情報機器3との通信を中継する中継装置である。そして、実施形態1に係る中継装置10は、HTIP等の所定プロトコルに準じた形式を有する情報機器3の機器情報が記憶された記憶部13を備える。そして、実施形態1に係る中継装置10は、ルータ2から送信されたパケットを、所定プロトコルに非対応の情報機器3へ転送する。そして、実施形態1に係る中継装置10は、所定プロトコルに非対応の情報機器3から送信されたパケットをルータ2へ転送すると共に、記憶部13に記憶された情報機器3の機器情報をルータ2へ送信する。
【0048】
このため、実施形態1に係るネットワークシステム1では、HTIP等の所定プロトコルに非対応の情報機器3がネットワークNに接続されても、所定プロトコルに非対応の情報機器3の機器情報を、中継装置10が代理で送信する。それにより、実施形態1に係るネットワークシステム1では、所定プロトコルに非対応の情報機器3がネットワークNに接続されても、所定プロトコルに非対応の情報機器3の接続関係を特定することができるため、ネットワークNのトポロジを特定し、マッピングすることができる。よって、実施形態1に係るネットワークシステム1では、ネットワークNに接続された機器の情報が異なる形式で表されていても、ネットワークNのトポロジを特定し、マッピングすることができる。
【0049】
更に、実施形態1に係る中継装置10は、HTIP等の所定プロトコルに非対応の情報機器3から送信されたパケットのルータ2への各転送の間に、記憶部13に記憶された、所定プロトコルに非対応の情報機器3の機器情報をルータ2へ送信する。このため、実施形態1に係る中継装置10は、ルータ2へ転送されるパケットの転送間隔や通信フォーマットを変更することなく、記憶部13に記憶されたこの機器情報をルータ2へ送信することができる。よって、実施形態1に係るネットワークシステム1では、ネットワークNに接続された機器の情報が異なる形式で表されていても、この機器を改造することなく、ネットワークNのトポロジを特定し、マッピングすることができる。
【0050】
更に、実施形態1に係る中継装置10は、外部装置Aから機器情報を取得して記憶部13に書き込むことによって、機器情報を設定する情報設定部14を備える。このため、中継装置10は、所定のプロトコルに非対応の情報機器3を種々、中継装置10に接続してルータ2との通信を中継する場合であっても、情報設定部14によって機器情報を設定し直せば済むため、中継装置10の汎用性を向上させることができる。よって、実施形態1に係るネットワークシステム1では、ネットワークNに接続された種々の機器の情報が異なる形式で表されていても、ネットワークNのトポロジを確実に特定し、マッピングすることができる。
【0051】
[他の実施形態]
実施形態2に係る中継装置10について説明する。実施形態2に係る中継装置10の説明において、実施形態1に係る中継装置10と同様の構成及び動作に係る説明については、重複する説明となるため省略する。
【0052】
図4は、実施形態2に係る中継装置10の機能的構成を示す図である。
【0053】
実施形態1に係る中継装置10では、制御部15は、ポート11bに接続された情報機器3から送信されたパケットを通信回路部12が受信すると、通信回路部12を制御し、受信したパケットをそのままルータ2へ転送する。
【0054】
これに対し、実施形態2に係る中継装置10は、制御部15が、判断部16を備える。判断部16は、ポート11bに接続された情報機器3から送信されたパケットの送信元情報に基づいて、ポート11bに接続された情報機器3から送信されたパケットをルータ2へ転送するか否かを判断する。
【0055】
図5は、実施形態2に係る中継装置10で行われる中継処理の流れを示す図である。
【0056】
ステップ501〜ステップ503において、制御部15は、ステップ301〜ステップ303と同様の処理を行う。
【0057】
ステップ504において、制御部15は、ポート11bに接続された情報機器3から送信されて、通信回路部12にて受信したパケットの送信元情報が、既知の情報機器3を示す情報か否かを判断する。送信元情報は、送信元の情報機器3の識別情報であり、例えば、送信元の情報機器3のMACアドレスである。例えば、制御部15は、受信したパケットの送信元情報が、記憶部13に記憶された情報機器3の機器情報に対応付けられた識別情報と同一であるか否かを判断することによって、受信したパケットの送信元情報が、既知の情報機器3を示す情報であるか否かを判断することができる。制御部15は、受信したパケットの送信元情報が、既知の情報機器3を示す情報である場合、ステップ505へ移行する。一方、制御部15は、受信したパケットの送信元情報が、既知の情報機器3を示す情報でない場合、ステップ507へ移行する。
【0058】
ステップ505及び506において、制御部15は、ステップ304及び305と同様の処理を行う。
【0059】
ステップ507において、制御部15は、通信回路部12にて受信したパケットを破棄する。
【0060】
ステップ508において、制御部15は、ポート11bに不明な機器が接続されたことを通知する。例えば、制御部15は、マネージャプログラムが実装された情報機器3に対して、ポート11bに不明な機器が接続されたことを通知する。更に、制御部15は、ネットワークNの管理者の情報端末等に対して、ポート11bに不明な機器が接続されたことを通知してもよい。
【0061】
以上のように、実施形態2に係る中継装置10は、ポート11bに接続された情報機器3から送信されたパケットをルータ2へ転送するか否かを判断する判断部16を備える。このため、実施形態2に係る中継装置10は、不明な機器から送信されたパケットをルータ2へ転送させないようフィルタリングすることができる。よって、実施形態2に係るネットワークシステム1では、ネットワークNに接続された機器の情報が異なる形式で表されていても、ネットワークNのトポロジを特定し、マッピングすることができると共に、ネットワークNのセキュリティを強化することができる。
【0062】
上述の実施形態において、中継装置10には、HTIPに非対応の情報機器3が1つだけ接続されているが、HTIPに非対応の情報機器3が複数接続されていてもよい。すなわち、中継装置10は、HTIPに非対応の複数の情報機器3のそれぞれとルータ2との通信を中継することもできる。
【0063】
この場合、中継装置10は、HTIPに非対応の複数の情報機器3のそれぞれの機器情報を、HTIPに準じた形式で、それぞれの識別情報に対応付けて記憶部13に記憶しておく。そして、中継装置10は、HTIPに非対応の複数の情報機器3のうちの一の情報機器3から送信されたパケットを受信すると、受信したパケットをルータ2へ転送する。加えて、中継装置10は、受信したパケットの送信元情報に基づいて、記憶部13に記憶された一の情報機器3の機器情報をルータ2へ送信すればよい。それにより、ネットワークシステム1では、ネットワークNに接続された複数の機器の情報が異なる形式で表されていても、1つの中継装置10を用いる簡易な構成で、ネットワークNのトポロジを特定し、マッピングすることができる。
【0064】
上述の実施形態において、中継装置10は、HTIPに非対応の情報機器3が接続された場合、記憶部13に記憶されたこの情報機器3の機器情報をルータ2へ送信するステップ305又はステップ506を含む中継処理を行う。中継装置10は、HTIPに対応する情報機器3が接続された場合、ステップ305又はステップ506を除いた中継処理を行ってよい。
【0065】
中継装置10は、HTIPに対応する情報機器3が接続されると、この情報機器3は、自身の識別情報に対応付けて自身の機器情報を中継装置10に送信する。このため、中継装置10は、記憶部13に記憶されたこの情報機器3の機器情報をルータ2へ送信する必要がない。よって、ネットワークシステム1では、HTIPに対応する情報機器3が中継装置10に接続された場合、中継装置10がステップ305又はステップ506を除いた中継処理を行うことによって、中継装置10及びルータ2の処理負荷、並びに、ネットワークNのトラフィックを軽減することができる。
【0066】
[その他]
上述の実施形態において、ネットワークNは、特許請求の範囲に記載された「ネットワーク」の一例に該当する。ルータ2は、特許請求の範囲に記載された「ルータ」の一例に該当する。情報機器3は、特許請求の範囲に記載された「情報機器」の一例に該当する。中継装置10は、特許請求の範囲に記載された「中継装置」の一例に該当する。記憶部13は、特許請求の範囲に記載された「記憶部」の一例に該当する。情報設定部14は、特許請求の範囲に記載された「情報設定部」の一例に該当する。判断部16は、特許請求の範囲に記載された「判断部」の一例に該当する。ステップ303又はステップ503は、特許請求の範囲に記載された「第1転送ステップ」の一例に該当する。ステップ304又はステップ505は、特許請求の範囲に記載された「第2転送ステップ」の一例に該当する。ステップ305又はステップ506は、特許請求の範囲に記載された「機器情報送信ステップ」の一例に該当する。
【0067】
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
【0068】
上述の実施形態及び特許請求の範囲で使用される用語は、限定的でない用語として解釈されるべきである。例えば、「含む」という用語は、「含むものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「含有する」という用語は、「含有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「備える」という用語は、「備えるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。