【解決手段】ワイヤレス送電装置の送電コイルからワイヤレス受電装置の受電コイルに電力をワイヤレスで伝送するワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムであって、前記ワイヤレス送電装置と前記ワイヤレス受電装置との一方に、電波を発信する少なくとも一つの送信アンテナを備え、前記ワイヤレス送電装置と前記ワイヤレス受電装置との他方に、前記電波を受信する複数の受信アンテナを異なる位置に備え、前記受信アンテナによって受信される前記電波の強度を検知する電波検知部と、前記複数の前記受信アンテナのそれぞれについて前記電波検知部によって検知された前記強度に基づいて、前記送電コイルと前記受電コイルとの相対位置を検知する位置検知部と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
[ワイヤレス電力伝送システム]
本実施形態では、説明の便宜上、ワイヤレスによる電力の伝送をワイヤレス電力伝送と称して説明する。
また、本実施形態では、直流電力に応じた電気信号または交流電力に応じた電気信号を伝送する導体のことを、伝送路と称して説明する。伝送路は、例えば、基板上にプリントされた導体である。なお、伝送路は、このような導体に代えて、導線等であってもよい。導線は、線状に形成された導体のことである。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の概略的な構成を示す図である。
図1には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ座標軸を示してある。
本実施形態では、Z軸の方向が高さ方向となっており、Z軸の負から正へ向かう方向が上方に相当する。
また、本実施形態では、地表が、XY平面に平行な面となっている。本実施形態では、説明を簡易化するために、地表が平面であるとみなして説明する。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態に係る送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34の配置の一例を示す図である。
図2には、説明の便宜上、
図1に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
【0014】
以下、
図1および
図2を参照し、ワイヤレス電力伝送システム1の構成について説明する。
ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置10と、ワイヤレス受電装置20を備える。
【0015】
ワイヤレス送電装置10は、変換回路11と、送電回路12と、送電コイルユニット13と、制御回路14と、送電側通信部15と、位置制御部40を備える。一方、ワイヤレス受電装置20は、受電コイルユニット21と、整流平滑回路22と、保護回路23と、制御回路24と、受電側通信部25と、通信制御部61を備える。そして、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadと接続可能である。
図1に示した例では、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadと接続されている。なお、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadを備える構成であってもよい。
ここで、送電コイルユニットは、例えば、送電パッドと呼ばれてもよい。また、受電コイルユニットは、例えば、受電パッドと呼ばれてもよい。
【0016】
ワイヤレス送電装置10について説明する。
変換回路11は、例えば、外部の商用電源Pと接続され、商用電源Pから入力される交流電圧を所望の直流電圧に変換するAC(Alternating Current)/DC(Direct Current)コンバータである。変換回路11は、送電回路12と接続されている。変換回路11は、当該交流電圧を変換した直流電圧を送電回路12に供給する。
【0017】
なお、変換回路11は、送電回路12に対して直流電圧を出力するものであれば如何なるものであってもよい。例えば、変換回路11は、交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流平滑回路と力率改善を行うPFC(Power Factor Correction)回路とを組み合わせた変換回路であってもよく、当該整流平滑回路とスイッチングコンバータ等のスイッチング回路とを組み合わせた変換回路であってもよく、送電回路12に対して直流電圧を出力する他の変換回路であってもよい。
【0018】
送電回路12は、変換回路11から供給される直流電圧を交流電圧に変換するものである。例えば、送電回路12は、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路により構成されたインバータを備える。送電回路12は、送電コイルユニット13に接続されている。送電回路12は、送電コイルユニット13が備える送電側共振回路の共振周波数に基づいて駆動周波数が制御された交流電圧を送電コイルユニット13に供給する。
【0019】
送電コイルユニット13は、送電側共振回路として、例えば、送電コイルL1とともに、
図1において図示しないコンデンサを備えたLC共振回路を備える。この場合、送電コイルユニット13は、当該コンデンサの静電容量を調整することにより、送電側共振回路の共振周波数を調整可能である。ワイヤレス送電装置10は、送電側共振回路の共振周波数を、受電コイルユニット21が備える受電側共振回路の共振周波数に近づけ(または、一致させ)、磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を行う。当該コンデンサは、例えば、送電コイルL1に直列に接続されたコンデンサにより構成されてもよく、送電コイルL1に対して直列に接続されたコンデンサと、送電コイルL1に対して並列に接続されたコンデンサとにより構成されてもよく、他の態様により構成されてもよい。
【0020】
このように送電コイルユニット13の送電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つは、コンデンサモジュールCMによって置き換えることが可能である。その結果、当該送電側共振回路は、小型化、製造コストの抑制、配線構造の簡素化のうちの少なくとも1つを実現することができる。
【0021】
なお、送電コイルユニット13は、LC共振回路に代えて、送電コイルL1を備えた他の共振回路を送電側共振回路として備える構成であってもよい。また、送電コイルユニット13は、送電側共振回路に加えて、他の回路、他の回路素子等を備える構成であってもよい。また、送電コイルユニット13は、送電コイルL1と受電コイルL2との間の磁気的結合を高める磁性体、送電コイルL1が発生させる磁界の外部への漏洩を抑制する電磁気遮蔽体(例えば、金属板等)等を備える構成であってもよい。これらの場合であっても、送電コイルユニット13は、送電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つを、コンデンサモジュールCMによって置き換えることが可能である。
【0022】
送電コイルL1は、例えば、銅、アルミニウム等からなるリッツ線をスパイラル状に巻き回したワイヤレス電力伝送用コイルである。本実施形態の送電コイルL1は、電気自動車EVのフロアの下側と向かい合うように、地面Gの上に設置または地面Gに埋設されている。以下では、一例として、送電コイルL1(すなわち、送電コイルユニット13)が送電回路12とともに地面Gの上に設置されている場合について説明する。
【0023】
制御回路14は、ワイヤレス送電装置10を制御する。制御回路14は、送電側通信部15を制御し、各種の情報をワイヤレス受電装置20との間で送受信させる。例えば、制御回路14は、ワイヤレス受電装置20が受電した電力を示す電力情報を、送電側通信部15によってワイヤレス受電装置20から受信する。なお、当該電力情報の代わりに、電圧を示す電圧情報が用いられてもよく、あるいは、電流を示す電流情報が用いられてもよい。
【0024】
また、制御回路14は、送電側通信部15を介してワイヤレス受電装置20から受信した電力情報に基づいて、送電回路12が送電コイルL1に供給する交流電圧を制御する。具体的には、制御回路14は、当該電力情報に応じて、ワイヤレス受電装置20に送電する送電電力量を算出する。制御回路14は、算出した送電電力量に応じて、送電回路12が備えるインバータの駆動周波数、当該インバータのデューティ比等を制御する。これにより、制御回路14は、送電回路12が送電コイルL1に供給する交流電圧を制御する。すなわち、制御回路14は、電力情報に基づくフィードバック制御によって、送電回路12が送電コイルL1に供給する交流電圧を調整する。制御回路14は、例えば、当該交流電圧を調整するためのフィードバック制御として、PID制御を行う。なお、制御回路14は、当該交流電圧を調整するためのフィードバック制御として、PID制御以外の制御を行う構成であってもよい。
【0025】
送電側通信部15は、無線通信、光通信、電磁誘導、音、振動等により信号の送受信を行う通信回路(または、通信装置)である。送電側通信部15は、制御回路14からの信号に応じて、各種の情報をワイヤレス受電装置20との間で送受信する。
【0026】
位置制御部40、および送電コイルユニット13に備えられる受信アンテナ31〜34については後述する。
なお、
図1では、受信アンテナ31〜34のうち、受信アンテナ33〜34については、図示の方向から見て裏側に存在しており、図示を省略してある。
本実施形態では、ワイヤレス電力伝送システム1は、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出する位置検知システムを含んでいる。本実施形態では、位置検知システムは、通信制御部61および送信アンテナ51と、位置制御部40および受信アンテナ31〜34を含む。
【0027】
ワイヤレス受電装置20について説明する。
受電コイルユニット21は、受電側共振回路として、例えば、受電コイルL2とともに、
図1において図示しないコンデンサを備えたLC共振回路を備える。この場合、受電コイルユニット21は、当該コンデンサの静電容量を調整することにより、受電側共振回路の共振周波数を調整可能である。ワイヤレス受電装置20は、受電側共振回路の共振周波数を送電側共振回路の共振周波数に近づけ(または、一致させ)、磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を行う。当該コンデンサは、例えば、受電コイルL2に直列に接続されたコンデンサにより構成されてもよく、受電コイルL2に対して直列に接続されたコンデンサと、受電コイルL2に対して並列に接続されたコンデンサとにより構成されてもよく、他の態様により構成されてもよい。
【0028】
このように受電コイルユニット21の受電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つは、送電コイルユニット13の送電側共振回路と同様に、コンデンサモジュールCMによって置き換えることが可能である。その結果、当該受電側共振回路は、小型化、製造コストの抑制、配線構造の簡素化のうちの少なくとも1つを実現することができる。
【0029】
なお、受電コイルユニット21は、LC共振回路に代えて、受電コイルL2を備えた他の共振回路を受電側共振回路として備える構成であってもよい。また、受電コイルユニット21は、受電側共振回路に加えて、他の回路、他の回路素子等を備える構成であってもよい。また、受電コイルユニット21は、送電コイルL1と受電コイルL2との間の磁気的結合を高める磁性体、受電コイルL2が発生させる磁界の外部への漏洩を抑制する電磁気遮蔽体(例えば、金属板等)等を備える構成であってもよい。これらの場合であっても、受電コイルユニット21は、受電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つを、コンデンサモジュールCMによって置き換えることが可能である。
【0030】
整流平滑回路22は、受電コイルユニット21に接続され、受電コイルL2から供給される交流電圧を整流して直流電圧に変換する。整流平滑回路22は、負荷Vloadと接続可能である。
図1に示した例では、整流平滑回路22は、保護回路23を介して負荷Vloadと接続されている。整流平滑回路22が負荷Vloadと接続されている場合、整流平滑回路22は、変換した直流電力を負荷Vloadに供給する。なお、ワイヤレス受電装置20では、整流平滑回路22は、負荷Vloadと接続される場合において、保護回路23に代えて、充電回路を介して負荷Vloadと接続される構成であってもよく、保護回路23に加えて、充電回路を介して負荷Vloadと接続される構成であってもよい。
【0031】
ここで、負荷Vloadは、整流平滑回路22と接続されている場合、整流平滑回路22から直流電圧が供給される。例えば、負荷Vloadは、電気自動車EVに搭載されたバッテリ、電気自動車EVに搭載されたモータ等である。負荷Vloadは、電力の需要状態(貯蔵状態または消費状態)によって、等価抵抗値が時間とともに変わる抵抗負荷である。なお、ワイヤレス受電装置20において、負荷Vloadは、当該バッテリ、当該モータ等に代えて、整流平滑回路22から供給される直流電圧が供給される他の負荷であってもよい。
【0032】
保護回路23は、ワイヤレス受電装置20の状態が、意図しない大きさの電圧または電流が負荷Vloadに供給されてしまう可能性がある状態(例えば、過電圧状態)になった場合において、負荷Vloadに当該電圧または当該電流が供給されることによって不具合が生じてしまうことを抑制し、負荷Vloadを保護する。例えば、保護回路23は、受電コイルL2の端子間を短絡させるスイッチング素子を備える。保護回路23は、制御回路24からの駆動信号に応じて当該スイッチング素子の状態をオンとオフとの間で切り替える。なお、ワイヤレス受電装置20は、保護回路23を備えない構成であってもよい。
【0033】
制御回路24は、ワイヤレス受電装置20を制御する。制御回路24は、受電側通信部25を制御し、各種の情報をワイヤレス送電装置10との間で送受信させる。例えば、制御回路24は、ワイヤレス受電装置20が受電した電力を示す電力情報を、受電側通信部25によってワイヤレス送電装置10に送信する。
【0034】
また、制御回路24は、ワイヤレス受電装置20の状態が、意図しない大きさの電圧または電流が負荷Vloadに供給されてしまう可能性がある状態になった場合において、保護回路23に駆動信号を出力し、負荷Vloadを保護する。
【0035】
受電側通信部25は、無線通信、光通信、電磁誘導、音、振動等により信号の送受信を行う通信回路(または、通信装置)である。受電側通信部25は、制御回路24からの信号に応じて、各種の情報をワイヤレス送電装置10との間で送受信する。
【0036】
通信制御部61、および受電コイルユニット21に備えられる送信アンテナ51については後述する。
【0037】
本実施形態では、ワイヤレス電力伝送システム1において、ワイヤレス電力伝送によって電力がワイヤレス送電装置10からワイヤレス受電装置20に伝送される。より具体的には、ワイヤレス電力伝送システム1では、ワイヤレス送電装置10が備える送電コイルL1から、ワイヤレス受電装置20が備える受電コイルL2へと、ワイヤレス電力伝送によって電力が伝送される。ワイヤレス電力伝送システム1は、例えば、磁界共鳴方式を用いてワイヤレス電力伝送を行う。なお、ワイヤレス電力伝送システム1は、磁界共鳴方式に代えて、他の方式を用いてワイヤレス電力伝送を行う構成であってもよい。
【0038】
本実施形態では、一例として、ワイヤレス電力伝送システム1が、
図1に示したように、電気自動車EVに搭載されたバッテリ(二次電池)に対してワイヤレス電力伝送による充電を行うシステムに適用された場合を示してある。電気自動車EVは、バッテリに充電された電力によりモータを駆動して走行する電動車両(移動体)である。
図1に示した例では、ワイヤレス電力伝送システム1は、充電設備側の地面Gに設置されたワイヤレス送電装置10と、電気自動車EVに搭載されたワイヤレス受電装置20とを備える。なお、ワイヤレス電力伝送システム1は、当該システムに適用される構成に代えて、他の装置、他のシステム等に適用される構成であってもよい。
【0039】
ここで、磁界共鳴方式によるワイヤレス電力伝送では、ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置10が備える図示しない送電側共振回路(
図1に示した例では、送電コイルユニット13に備えられている。)とワイヤレス受電装置20が備える図示しない受電側共振回路(
図1に示した例では、受電コイルユニット21に備えられている。)との間の共振周波数を近づけ(または、当該共振周波数を一致させ)、共振周波数付近の高周波電流および電圧を送電コイルユニット13に印加し、電磁的に共振(共鳴)させた受電コイルユニット21に電力をワイヤレスで伝送(供給)する。
【0040】
このため、本実施形態のワイヤレス電力伝送システム1は、充電ケーブルとの接続を行わずに、充電設備側から供給される電力をワイヤレスで電気自動車EVに伝送しながら、電気自動車EVに搭載されたバッテリに対してワイヤレス電力伝送による充電を行うことができる。
【0041】
[ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システム]
図2を参照して、送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34の配置の一例を説明する。
図2には、送電コイルL1および受信アンテナ31〜34と、受電コイルL2および送信アンテナ51を示してある。
【0042】
本例では、送電コイルL1の面は、XY平面に平行な面(または、ほぼ平行な面)となっている。
送電コイルL1の面は、当該面の中心を通るX軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。同様に、送電コイルL1の面は、当該面の中心を通るY軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。
【0043】
4つの受信アンテナ31〜34は、それぞれ、送電コイルユニット13および送電コイルL1の周縁に所定の間隔で配置されている。より具体的には、4つの受信アンテナ31〜34は、それぞれ、送電コイルL1の面が有する4つの角のそれぞれの付近に配置されている。また、4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の内側に配置されている。4つの受信アンテナ31〜34は、例えば、送電コイルユニット13の筐体の縁に配置されてもよい。
このように、本実施形態では、4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の中心を囲う領域に、当該中心を中心軸とする回転方向に沿って、所定の間隔で配置されている。
また、他の構成例として、送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34がそれぞれ受電コイルユニット21および送電コイルユニット13に配置される代わりに、送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34の一方または両方が、他のところに配置されてもよい。本実施形態の場合、例えば、送信アンテナ51は電気自動車EVの車体上に配置されてもよく、受信アンテナ31〜34は地面上に配置されてもよい。このような配置においても、送電コイルL1と受信アンテナ31〜34との相対的な位置関係が定まり、受電コイルL2と送信アンテナ51との相対的な位置関係が定まる、構成とすることができる。
このように本実施形態では、複数である4つの受信アンテナ31〜34が、それぞれ、異なる位置に配置されている。
このような配置において、送信アンテナ51から送信される信号が複数の受信アンテナ31〜34のそれぞれによって受信されるときにおける複数の電波の強度の組み合わせによって、送信アンテナ51と受信アンテナ31〜34との相対的な位置関係を特定することができる。また、送電コイルL1と受信アンテナ31〜34との相対的な位置関係が定まっており、受電コイルL2と送信アンテナ51との相対的な位置関係が定まっていることにより、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置関係を特定することができる。
【0044】
4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の中心を通るX軸に平行な線に対して、線対称の位置および姿勢で配置されている。同様に、4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の中心を通るY軸に平行な線に対して、線対称の位置および姿勢で配置されている。
4つの受信アンテナ31〜34は、それぞれ、バーアンテナである。バーアンテナでは、アンテナを構成する棒状の線分の方向がアンテナの軸方向となる。バーアンテナは、所定の指向性を有する。
4つの受信アンテナ31〜34は、それぞれ、アンテナを構成する棒状の線分に対して垂直方向であって当該線分の中心を通る線が、送電コイルL1の面の中心(または、当該中心の付近)に向かうように、配置されている。
【0045】
本例では、受信アンテナ31と受信アンテナ32、受信アンテナ32と受信アンテナ33、受信アンテナ33と受信アンテナ34、受信アンテナ34と受信アンテナ31といった、周縁方向に隣り合う受信アンテナ同士は、送電コイルL1の面(コイル面)と平行な面内において、それぞれの軸方向が異なるように配置されている。
なお、複数の受信アンテナ31〜34の相対的な位置関係は、様々な配置条件によって決定されてもよい。
例えば、複数の受信アンテナ31〜34の回転軸として、当該受信アンテナ31〜34の送電コイルL1の面(コイル面)と直交する方向の回転軸を想定した場合に、当該回転軸を中心軸として回転することで変化し得るそれぞれの受信アンテナ31〜34の軸方向の向きが異なっているという配置条件が用いられてもよい。
例えば、複数の受信アンテナ31〜34の形状が同じである場合に、当該形状における任意の方向を基準方向としたときに、それぞれの受信アンテナ31〜34の基準方向の向きが異なっているという配置条件が用いられてもよい。当該基準方向として、例えば、受信指向性が最大となる方向、あるいは、受信指向性が最小となる方向が用いられてもよい。
【0046】
ここで、隣り合う受信アンテナ31〜34同士の距離が大きい方が、送信アンテナ51と受信アンテナ31〜34との相対位置を把握し易い場合が多い。本実施形態では、例えば、送電コイルユニット13の4角にそれぞれの受信アンテナ31〜34を配置することで、隣り合う受信アンテナ31〜34同士の距離を大きく確保している。
【0047】
図2に示されるような受信アンテナ31〜34の配置により、送電コイルL1の面において
図2に示される当該面の中心付近の領域101に送信アンテナ51が位置する場合においても、送信アンテナ51から発信される電波の受信強度を十分に確保することができる。
なお、仮に、4つの受信アンテナ31〜34が、すべて、アンテナを構成する棒状の線分がY軸に平行となるように、配置される構成では、送電コイルL1の面の中心付近の領域101に送信アンテナ51が位置する場合には、送信アンテナ51から発信される電波の受信強度が小さくなる。つまり、この場合、当該領域101は、すべての受信アンテナ31〜34による受信強度が低下する不感知帯となる。
【0048】
ここで、他の構成例として、少なくとも1つの受信アンテナが、送電コイルL1の面(コイル面)と平行な面内において、他の受信アンテナの軸方向とは異なる軸方向で設置されている構成が用いられてもよい。このような構成においても、不感知帯の不感の程度を抑制することが可能である。
【0049】
なお、本例では、受電コイルL2の面は、XY平面に平行な面(または、ほぼ平行な面)となっている。
受電コイルL2の面は、当該面の中心を通るX軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。同様に、受電コイルL2の面は、当該面の中心を通るY軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。
本例では、受電コイルL2の面は、送電コイルL1の面よりも小さく、両者の中心が揃えられて重ねられた場合に送電コイルL1の面に含まれ得るサイズである。
【0050】
1つの送信アンテナ51は、受電コイルL2の面の中心(または、当該中心の付近)に配置されている。
送信アンテナ51は、バーアンテナである。
送信アンテナ51は、アンテナを構成する棒状の線分の中心が受電コイルL2の面の中心(または、当該中心の付近)に合わせられており、当該線分がY軸に平行(または、ほぼ平行)となるように、配置されている。
【0051】
図1および
図2を参照して、位置検知の処理について説明する。
通信制御部61は、送信アンテナ51から無線により電波を発信させる。ここで、当該電波の周波数および強度などは、任意であってもよく、例えば、受信アンテナ31〜34によって当該電波を受信することが可能であればよい。当該電波の周波数としては、LF帯の周波数が好ましい一例であるが、他の周波数であってもよい。また、当該電波の波形は、任意であってもよく、例えば、正弦波の波形などが用いられてもよい。
【0052】
通信制御部61は、例えば、電波信号の発振、当該電波信号の増幅などを行ってもよい。
なお、本実施形態では、通信制御部61は、制御回路24と別体としたが、他の構成例として、通信制御部61が制御回路24と一体で構成されてもよい。また、例えば、通信制御部61と送信アンテナ51とが一体で構成されてもよい。
本実施形態では、実質的に、送信アンテナ51は、受信アンテナ31〜34に対して、電波を送信する。
【0053】
それぞれの受信アンテナ31〜34は、送信アンテナ51から送信される電波を受信する。そして、それぞれの受信アンテナ31〜34は、受信された電波の信号(電波信号)を位置制御部40に有線の回線を介して送信する。
【0054】
位置制御部40は、電波検知部41と、位置検知部42と、記憶部43を備える。
電波検知部41は、それぞれの受信アンテナ31〜34から位置制御部40に送信された電波信号を受信し、当該電波信号に基づいて、それぞれの受信アンテナ31〜34によって受信された電波の強度を検出する。
なお、電波検知部41は、それぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号について、例えば、増幅などを行ってもよい。
【0055】
位置検知部42は、電波検知部41によって検出されたそれぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度に基づいて、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出する。
ここで、本実施形態では、送電コイルL1と受信アンテナ31〜34との相対的な位置は固定されており、受電コイルL2と送信アンテナ51との相対的な位置は固定されている。これらにより、受信アンテナ31〜34と送信アンテナ51との相対的な位置が把握されれば、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置が把握され得る。
【0056】
本実施形態では、それぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度と、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置との関係が、あらかじめ測定などされて、取得されている。
記憶部43は、各種の情報を記憶することが可能であり、本実施形態では、それぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度と、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置との関係を表す情報を記憶している。
【0057】
そして、位置検知部42は、記憶部43に記憶された当該関係を表す情報を参照して、電波検知部41によって検出されたそれぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度に基づいて、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出する。
他の例として、位置検知部42は、電波検知部41によって検出されたそれぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度に基づいて、所定の数式を演算することによって、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出してもよい。この場合、例えば、当該数式の情報が記憶部43に記憶されてもよい。
なお、本実施形態では、位置制御部40は、制御回路14と別体としたが、他の構成例として、位置制御部40が制御回路14と一体で構成されてもよい。また、例えば、位置制御部40と受信アンテナ31〜34とが一体で構成されてもよい。
【0058】
[送信アンテナの配置の他の例]
図3および
図4は、本発明の一実施形態に係る送信アンテナ201〜202の配置の他の例を示す図である。
図3および
図4には、説明の便宜上、
図1に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
図3および
図4には、送電コイルユニット13および4つの受信アンテナ31〜34と、受電コイルユニット21aおよび2つの送信アンテナ201〜202を示してある。なお、
図3および
図4では、他の構成要素の図示を省略してある。
【0059】
ここで、送電コイルユニット13および4つの受信アンテナ31〜34の構成については、
図1および
図2を用いて説明した構成と同様であり、同じ符号を付してある。
本例では、受電コイルユニット21aおよび2つの送信アンテナ201〜202は、
図1および
図2に示される受電コイルユニット21および1つの送信アンテナ51の代わりに用いられる。
【0060】
図3には、Z軸に平行な視線で見た場合に、送電コイルユニット13と受電コイルユニット21aとが重複しない状態を示してある。このような状態は、例えば、電気自動車EVに備えられた受電コイルユニット21aが送電コイルユニット13の上方に到達する前の状態、あるいは、電気自動車EVに備えられた受電コイルユニット21aが送電コイルユニット13の上方から移動した後の状態である。
【0061】
図4には、Z軸に平行な視線で見た場合に、送電コイルユニット13の中心と受電コイルユニット21aの中心とが一致している状態を示してある。
本例では、送電コイルユニット13は、正方形などの方形の形状を有する。また、本例では、受電コイルユニット21aは、正方形などの方形の形状を有する。
本例では、受電コイルユニット21aの面は、送電コイルユニット13の面よりも小さく、両者の中心が揃えられて重ねられた場合に送電コイルユニット13の面に含まれ得るサイズである。
【0062】
送信アンテナ201〜202について説明する。
本例では、受電コイルユニット21aに2つの送信アンテナ201〜202が備えられている。
本例では、2つの送信アンテナ201〜202は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21aの対向する2つの辺のそれぞれに配置されている。
図3の例では、2つの送信アンテナ201〜202は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21aが有するY軸に平行な2つの辺のそれぞれに配置されている。
【0063】
送信アンテナ201〜202は、それぞれ、バーアンテナである。
送信アンテナ201〜202は、それぞれ、アンテナを構成する棒状の線分の中心が辺の中心(または、当該中心の付近)に合わせられており、当該線分が当該辺に平行(または、ほぼ平行)となるように、配置されている。
本例では、送信アンテナ201〜202が備えられる当該辺の方向(Y軸に平行な方向)が、電気自動車EVの前方と後方とを結ぶ方向と一致するように、電気自動車EVに受電コイルユニット21aが配置されている。
【0064】
<時分割多重方式>
本例では、通信制御部61は、2つの送信アンテナ201、202を切り替えて使用する制御を行う。
例えば、通信制御部61は、1つの送信アンテナ201を選択した状態に切り替えているときには、当該送信アンテナ201から無線により電波を発信させる。同様に、通信制御部61は、1つの送信アンテナ202を選択した状態に切り替えているときには、当該送信アンテナ202から無線により電波を発信させる。
【0065】
通信制御部61は、時分割多重方式により、2つの送信アンテナ201、202を時間ごとに切り替える。通信制御部61は、例えば、時分割のタイミングを表す時間チャートなどの情報に基づいて、時分割多重方式の切り替えを行ってもよい。
位置制御部40の電波検知部41は、送信アンテナ201〜202の切り替えに同期して、受信アンテナ31〜34によって受信された電波の送信元が送信アンテナ201であるか、または、送信アンテナ202であるかを、判定する。本例では、例えば、送信アンテナ201から電波が発信される状態と、送信アンテナ202から電波が発信される状態とが、通信制御部61によって交互に切り替えられる。
【0066】
このように、受信側である位置制御部40の電波検知部41は、通信時に送信側と同期して、2つの送信アンテナ201〜202を区別して、電波信号を取得している。これにより、電波検知部41は、それぞれの送信アンテナ201〜202からの電波信号を分離して認識することができる。
図3には、説明の便宜上、このように2つの送信アンテナ201〜202を切り替える機能を、スイッチSW1として示してあるが、当該スイッチSW1は必ずしもスイッチを示すものではない。
【0067】
ここで、本実施形態では、ワイヤレス送電装置10の制御回路14とワイヤレス受電装置20の制御回路24とが、無線通信方式を用いて、互いの装置における時刻を合わせる制御を行っている。本実施形態では、例えば、当該時刻を用いて、同期が確保されてもよい。なお、本実施形態では、このような無線通信の詳細については説明を省略する。また、このような無線通信によって、時刻合わせ以外の制御が行われてもよい。また、本実施形態では、このような無線通信がワイヤレス送電装置10の制御回路14とワイヤレス受電装置20の制御回路24との間で行われるが、他の例として、このような無線通信がワイヤレス送電装置10の位置制御部40とワイヤレス受電装置20の通信制御部61との間で行われてもよい。
【0068】
本例のように2つの送信アンテナ201〜202が用いられる場合、例えば、1つの送信アンテナが用いられる場合と比べて、より多くの通信経路のパターンについて、受信強度の情報を取得することが可能である。また、受信強度の情報がより多く取得されることで、統計的な処理の信頼度が向上し、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置の検出精度が向上する。
本例では、
図3に示されるように、2つの送信アンテナ201〜202と4つの受信アンテナ31〜34によって、合計で8(=2×4)個の通信経路のパターンについて、受信強度の情報を取得することが可能である。具体的には、送信アンテナ201とそれぞれの受信アンテナ31〜34との通信経路a1〜a4が4通りあり、送信アンテナ202とそれぞれの受信アンテナ31〜34との通信経路b1〜b4が4通りあり、合計で8通りある。
【0069】
<周波数多重方式>
通信制御部61は、周波数多重方式により、2つの送信アンテナ201〜202から電波を発信させてもよい。この場合、2つの送信アンテナ201〜202から電波を発信させる時間は重複してもよく、それぞれの送信アンテナ201〜202から発信させられる電波の周波数が異なっている。
位置制御部40の電波検知部41は、受信される電波の周波数に基づいて、受信アンテナ31〜34によって受信された電波の送信元が送信アンテナ201であるか、または、送信アンテナ202であるかを、判定する。これにより、電波検知部41は、それぞれの送信アンテナ201〜202からの電波信号を分離して認識することができる。
【0070】
<符号多重方式>
通信制御部61は、符号多重方式により、2つの送信アンテナ201〜202から電波を発信させてもよい。この場合、2つの送信アンテナ201〜202から電波を発信させる時間は重複してもよく、それぞれの送信アンテナ201〜202から発信させられる電波に、異なる符号の情報が含められている。
位置制御部40の電波検知部41は、受信される電波に含まれる符号の情報に基づいて、受信アンテナ31〜34によって受信された電波の送信元が送信アンテナ201であるか、または、送信アンテナ202であるかを、判定する。これにより、電波検知部41は、それぞれの送信アンテナ201〜202からの電波信号を分離して認識することができる。
【0071】
<ワイヤレス電力伝送システムで発生する要求に応じた方式>
通信制御部61は、ワイヤレス電力伝送システム1で発生する要求に応じて、2つの送信アンテナ201〜202から電波を発信させてもよい。この場合、2つの送信アンテナ201〜202から電波を発信させる時間、当該電波の周波数、あるいは、当該電波に含められる符号のうちの1以上が異ならされてもよい。
位置制御部40の電波検知部41は、ワイヤレス電力伝送システム1で発生する要求に応じて、受信アンテナ31〜34によって受信された電波の送信元が送信アンテナ201であるか、または、送信アンテナ202であるかを、判定する。
【0072】
ここで、ワイヤレス電力伝送システム1で発生する要求としては、例えば、ワイヤレス電力伝送システム1における制御系統によって発生させられる指令であってもよい。
このような指令は、例えば、ワイヤレス送電装置10の制御回路14などにおいて発生させられる指令、あるいは、ワイヤレス受電装置20の制御回路24などにおいて発生させられる指令があり、これら両方の指令であってもよい。
これらの指令の一部または全部は、オペレータなどの人によってワイヤレス電力伝送システム1に入力されてもよい。
これらの指令は、例えば、リアルタイムに処理されてもよい。
【0073】
[送信アンテナと受信アンテナとの相対的な配置の他の例]
図5は、本発明の一実施形態に係る送信アンテナ301〜302と受信アンテナ31〜34との相対的な配置の他の例を示す図である。
図5には、説明の便宜上、
図1に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
図5には、送電コイルユニット13および4つの受信アンテナ31〜34と、受電コイルユニット21bおよび2つの送信アンテナ301〜302を示してある。なお、
図5では、他の構成要素の図示を省略してある。
【0074】
ここで、送電コイルユニット13および4つの受信アンテナ31〜34の構成については、
図1および
図2を用いて説明した構成と同様であり、同じ符号を付してある。
本例では、受電コイルユニット21bおよび2つの送信アンテナ301〜302は、
図1および
図2に示される受電コイルユニット21および1つの送信アンテナ51の代わりに用いられる。
【0075】
図5には、Z軸に平行な視線で見た場合に、送電コイルユニット13の中心と受電コイルユニット21bの中心とが一致している状態を示してある。
本例では、送電コイルユニット13は、正方形などの方形の形状を有する。また、本例では、受電コイルユニット21bは、正方形などの方形の形状を有する。
本例では、受電コイルユニット21bの面は、送電コイルユニット13の面よりも小さく、両者の中心が揃えられて重ねられた場合に送電コイルユニット13の面に含まれ得るサイズである。
【0076】
送信アンテナ301〜302について説明する。
本例では、受電コイルユニット21bに2つの送信アンテナ301〜302が備えられている。
本例では、2つの送信アンテナ301〜302は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21bの対向する2つの辺のそれぞれに配置されている。
図5の例では、2つの送信アンテナ301〜302は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21bが有するX軸に平行な2つの辺のそれぞれに配置されている。
【0077】
送信アンテナ301〜302は、それぞれ、バーアンテナである。
送信アンテナ301〜302は、それぞれ、アンテナを構成する棒状の線分の中心が辺の中心(または、当該中心の付近)に合わせられており、当該線分が当該辺に平行(または、ほぼ平行)となるように、配置されている。
本例では、送信アンテナ301〜302が備えられる当該辺の方向(X軸に平行な方向)が、電気自動車EVの前方と後方とを結ぶ方向に対して垂直となるように、電気自動車EVに受電コイルユニット21bが配置されている。
概略的には、本例における送信アンテナ301〜302の配置は、
図4の例における送信アンテナ201〜202の配置に対して、受電コイルユニット21bの中心の周りに90度回転した配置となっている。
【0078】
[受信アンテナの配置の他の例]
図6は、本発明の一実施形態に係る受信アンテナ401〜404の配置の他の例を示す図である。
図6には、説明の便宜上、
図1に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
図6には、送電コイルユニット13aおよび4つの受信アンテナ401〜404と、受電コイルユニット21aおよび2つの送信アンテナ201〜202を示してある。なお、
図6では、他の構成要素の図示を省略してある。
【0079】
ここで、受電コイルユニット21aおよび2つの送信アンテナ201〜202の構成については、
図4を用いて説明した構成と同様であり、同じ符号を付してある。
本例では、受電コイルユニット21aおよび2つの送信アンテナ201〜202は、
図1および
図2に示される受電コイルユニット21および1つの送信アンテナ51の代わりに用いられる。
また、本例では、送電コイルユニット13aおよび4つの受信アンテナ401〜404は、
図1および
図2に示される送電コイルユニット13および4つの受信アンテナ31〜34の代わりに用いられる。
【0080】
図6には、Z軸に平行な視線で見た場合に、送電コイルユニット13aの中心と受電コイルユニット21aの中心とが一致している状態を示してある。
本例では、送電コイルユニット13aは、正方形などの方形の形状を有する。また、本例では、受電コイルユニット21aは、正方形などの方形の形状を有する。
本例では、受電コイルユニット21aの面は、送電コイルユニット13aの面よりも小さく、両者の中心が揃えられて重ねられた場合に送電コイルユニット13aの面に含まれ得るサイズである。
【0081】
受信アンテナ401〜404について説明する。
本例における受信アンテナ401〜404の配置は、
図4の例における受信アンテナ31〜34の配置と比べて、送電コイルL1の面における姿勢(アンテナを構成する棒状の線分の向き)が異なっている。
具体的には、受信アンテナ401および受信アンテナ404は、それぞれ、アンテナを構成する棒状の線分が、X軸と平行となるように、配置されている。また、受信アンテナ402および受信アンテナ403は、それぞれ、アンテナを構成する棒状の線分が、Y軸と平行となるように、配置されている。
なお、本例では、受信アンテナ401、受信アンテナ402、受信アンテナ403、受信アンテナ404の順に、送電コイルL1の面の中心に対して左回りに、4つの角のそれぞれに配置されている。
【0082】
[送信アンテナの数の他の例]
図7は、本発明の一実施形態に係る送信アンテナ501〜503の数の他の例を示す図である。
図7には、説明の便宜上、
図1に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
図7には、送電コイルユニット13および4つの受信アンテナ31〜34と、受電コイルユニット21cおよび3つの送信アンテナ501〜503を示してある。なお、
図7では、他の構成要素の図示を省略してある。
【0083】
ここで、送電コイルユニット13および4つの受信アンテナ31〜34の構成については、
図1および
図2を用いて説明した構成と同様であり、同じ符号を付してある。
本例では、受電コイルユニット21cおよび3つの送信アンテナ501〜503は、
図1および
図2に示される受電コイルユニット21および1つの送信アンテナ51の代わりに用いられる。
【0084】
図7には、Z軸に平行な視線で見た場合に、送電コイルユニット13の中心と受電コイルユニット21cの中心とが一致している状態を示してある。
本例では、送電コイルユニット13は、正方形などの方形の形状を有する。また、本例では、受電コイルユニット21cは、正方形などの方形の形状を有する。
本例では、受電コイルユニット21cの面は、送電コイルユニット13の面よりも小さく、両者の中心が揃えられて重ねられた場合に送電コイルユニット13の面に含まれ得るサイズである。
【0085】
送信アンテナ501〜503について説明する。
本例では、受電コイルユニット21cに3つの送信アンテナ501〜503が備えられている。
本例では、2つの送信アンテナ501〜502は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21cの対向する2つの辺のそれぞれに配置されている。
図7の例では、2つの送信アンテナ501〜502は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21cが有するY軸に平行な2つの辺のそれぞれに配置されている。
また、残りの1つの送信アンテナ503は、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21cの他の1つの辺に配置されている。
図7の例では、残りの1つの送信アンテナ503は、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニット21cが有するX軸に平行な1つの辺に配置されている。当該辺は、受電コイルユニット21cが有するX軸に平行な2つの辺のうちで、電気自動車EVの先頭の側の辺である。
【0086】
送信アンテナ501〜503は、それぞれ、バーアンテナである。
送信アンテナ501〜503は、それぞれ、アンテナを構成する棒状の線分の中心が辺の中心(または、当該中心の付近)に合わせられており、当該線分が当該辺に平行(または、ほぼ平行)となるように、配置されている。
本例では、送信アンテナ501〜502が備えられる当該辺の方向(Y軸に平行な方向)が、電気自動車EVの前方と後方とを結ぶ方向と一致するように、電気自動車EVに受電コイルユニット21cが配置されている。
【0087】
[様々な態様について]
ここで、
図1および
図2の例について様々な態様を示すが、
図3〜
図7の構成あるいは他の構成が用いられる場合についても同様である。
送電コイルユニットの形状、送電コイルの形状、受信アンテナの数および配置などとしては、様々な態様が用いられてもよい。例えば、受信アンテナの数は、2つ以上の任意の数であってもよい。複数の受信アンテナは、例えば、それぞれ異なる位置に設けられる。
また、受電コイルユニットの形状、受電コイルの形状、送信アンテナの数および配置などとしては、様々な態様が用いられてもよい。例えば、送信アンテナの数は、少なくとも1つであり、2つ以上の任意の数であってもよい。複数の送信アンテナが用いられる場合、例えば、これら複数の送信アンテナは、切り替えられて用いられてもよく、あるいは、多重通信に用いられてもよい。複数の送信アンテナは、例えば、それぞれ異なる位置に設けられる。
【0088】
図1の例において、送電コイルL1が筐体を有する場合、受信アンテナ31〜34は、当該筐体の内部に配置されてもよく、あるいは、当該筐体の外部に配置されてもよい。一例として、受信アンテナ31〜34は、当該筐体の表面の上方に載せられてもよい。
図1の例において、送電コイルユニット13が筐体を有する場合、受信アンテナ31〜34は、当該筐体の内部に配置されてもよく、あるいは、当該筐体の外部に配置されてもよい。一例として、受信アンテナ31〜34は、当該筐体の表面の上方に載せられてもよい。
本実施形態では、受信アンテナ31〜34は、地面Gに接する上方または地面Gから離隔した上方に配置されているが、他の構成例として、受信アンテナ31〜34は、地面Gのなか(つまり、地中)に配置されてもよい。
【0089】
図1の例において、受電コイルL2が筐体を有する場合、送信アンテナ51は、当該筐体の内部に配置されてもよく、あるいは、当該筐体の外部に配置されてもよい。一例として、送信アンテナ51は、当該筐体の表面の下方に取り付けられてもよい。
図1の例において、受電コイルユニット21が筐体を有する場合、送信アンテナ51は、当該筐体の内部に配置されてもよく、あるいは、当該筐体の外部に配置されてもよい。一例として、送信アンテナ51は、当該筐体の表面に取り付けられてもよい。
【0090】
本実施形態では、送電コイルユニット13に対して受電コイルユニット21が上方に位置する状態でワイヤレス電力伝送が行われる場合を示したが、他の構成例として、送電コイルユニット13に対して受電コイルユニット21が下方に位置する状態でワイヤレス電力伝送が行われてもよい。
本実施形態では、送電コイルユニット13に受信アンテナ31〜34が備えられ、受電コイルユニット21に送信アンテナ51が備えられる場合を示したが、他の構成例として、送電コイルユニット13に送信アンテナ51が備えられ、受電コイルユニット21に受信アンテナ31〜34が備えられる構成が用いられてもよい。
【0091】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の位置検知システムでは、複数の受信アンテナが備えられるコイル(本実施形態では、送電コイルL1)と平行な面内において、複数の受信アンテナのうちの少なくとも一つの受信アンテナの軸方向の配置角度を他の受信アンテナに対して相対的に異ならせることで、それぞれの受信アンテナについて受信強度が極端に下がる領域がすべての受信アンテナについて重なることを防ぎ、これにより、位置検知精度の低下を抑制することができる。このような受信アンテナの配置では、例えば、それぞれの受信アンテナとして指向性を有するバーアンテナなどが用いられる場合に、当該指向性によって受信強度が下がる領域がすべての受信アンテナについて重なることが回避される。
したがって、本実施形態に係る位置検知システムでは、ワイヤレス送電装置の送電コイルとワイヤレス受電装置の受電コイルとの相対位置が変更可能である場合に、送電コイルL1と受電コイルL2との相対位置の検出において、位置の検出精度を向上させることができる。
【0092】
本実施形態に係る位置検知システムでは、複数の受信アンテナが、コイル(本実施形態では、送電コイルL1)の周縁に所定の間隔で配置されている。
したがって、本実施形態に係る位置検知システムでは、各受信アンテナが空間的に離れていることで、これらの受信アンテナによって位置検知に有用なデータを得ることができる。
【0093】
本実施形態に係る位置検知システムでは、例えば、コイル(本実施形態では、送電コイルL1)の周縁の方向に隣り合う受信アンテナ同士が、それぞれの軸方向が異なるように配置される。
したがって、本実施形態に係る位置検知システムでは、それぞれの受信アンテナの受信強度が下がる領域がコイルの中心領域に集中することを防止することができる。
本実施形態に係る位置検知システムでは、例えば、それぞれの受信アンテナの受信強度が強い方向がコイルの中心に向けられることにより、送電コイルL1と受電コイルL2との位置合わせが完了するとき付近での位置検知精度を向上させることができる。
【0094】
本実施形態に係る位置検知システムでは、所定の方式により複数の送信アンテナを用いて、複数の受信アンテナに対して、電波を発信する。ここで、複数の送信アンテナを用いる方式としては、例えば、時分割多重方式、周波数多重方式、符号多重方式のうちのいずれかが用いられてもよい。
したがって、本実施形態に係る位置検知システムでは、複数の送信アンテナのそれぞれから発信される電波について、受信アンテナによる受信強度のデータを取得して記憶することで、送電コイルL1と受電コイルL2との一つの相対位置(相対座標)に対するデータ点数を増やすことができ、位置検知精度を向上させることができる。
【0095】
本実施形態に係る位置検知システムでは、ワイヤレス電力伝送システム1においてオペレータなどから発生する要求に基づいて、複数の送信アンテナを用いて、複数の受信アンテナに対して、電波を発信する。
したがって、本実施形態に係る位置検知システムでは、複数の送信アンテナのそれぞれから発信される電波について、受信アンテナによる受信強度のデータを取得して記憶することで、送電コイルL1と受電コイルL2との一つの相対位置(相対座標)に対するデータ点数を増やすことができ、位置検知精度を向上させることができる。
【0096】
<構成例>
一構成例として、ワイヤレス送電装置(
図1および
図2の例では、ワイヤレス送電装置10)の送電コイル(
図1および
図2の例では、送電コイルL1)からワイヤレス受電装置(
図1および
図2の例では、ワイヤレス受電装置20)の受電コイル(
図1および
図2の例では、受電コイルL2)に電力をワイヤレスで伝送するワイヤレス電力伝送システム(
図1および
図2の例では、ワイヤレス電力伝送システム1)の位置検知システムであって、次のような構成とした。
ワイヤレス電力伝送システムは、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置との一方に、電波を発信する少なくとも一つの送信アンテナ(
図1および
図2の例では、送信アンテナ51であり、
図3の例では、送信アンテナ201〜202であり、
図5の例では、送信アンテナ301〜302であり、
図7の例では、送信アンテナ501〜503)を備える。
ワイヤレス電力伝送システムは、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置との他方に、電波を受信する複数の受信アンテナ(
図1および
図2の例では、受信アンテナ31〜34であり、
図6の例では、受信アンテナ401〜404)を異なる位置に備える。
ワイヤレス電力伝送システムは、受信アンテナによって受信される電波の強度を検知する電波検知部(
図1および
図2の例では、電波検知部41)と、複数の受信アンテナのそれぞれについて電波検知部によって検知された強度に基づいて、送電コイルと受電コイルとの相対位置を検知する位置検知部(
図1および
図2の例では、位置検知部42)と、を備える。
ワイヤレス送電装置の送電コイルとワイヤレス受電装置の受電コイルとのうちで受信アンテナが備えられる一方のコイル(
図1および
図2の例では、送電コイルL1)の面に対して垂直な方向に、複数の受信アンテナを前記した一方のコイルの面と平行な面に射影して見た場合に、少なくとも一つの受信アンテナは、当該面内において、他の受信アンテナの軸方向とは異なる軸方向で配置されている。
ここで、複数の受信アンテナを前記した一方のコイルの面と平行な方向から見た場合、例えば、これら複数の受信アンテナは、当該面に対して同じ角度またはほぼ同じ角度となるように配置されている。一例として、当該角度は0度であってもよく、つまり、これら複数の受信アンテナを前記した一方のコイルの面と平行な方向から見た場合に、これら複数の受信アンテナは、当該面に対して平行またはほぼ平行に配置されてもよい。他の例として、当該角度は0度以外の値であってもよく、つまり、これら複数の受信アンテナを前記した一方のコイルの面と平行な方向から見た場合に、これら複数の受信アンテナは、当該面に対して当該角度またはほぼ当該角度、傾斜するように配置されてもよい。
なお、例えば、複数の受信アンテナを前記した一方のコイルの面と平行な方向から見た場合、これら複数の受信アンテナは、当該面に対して互いの角度が同じになるように配置されるが、設計誤差によってこれらがほぼ同じ角度となる配置となってもよい。一例として、これらの受信アンテナのそれぞれについて、当該受信アンテナの構成部分の少なくとも一部が前記した一方のコイルの面と平行な一つの共通な面に交わる配置が用いられてもよい。
【0097】
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムにおいて、複数の受信アンテナは、前記したコイルの面の中心を囲む領域に所定の間隔で配置されている(例えば、
図2〜
図7の例)。ここで、複数の受信アンテナは、例えば、コイルの周縁に所定の間隔で配置されてもよく、コイルユニットの周縁に所定の間隔で配置されてもよく、あるいは、コイルユニットの周辺の領域上に所定の間隔で配置されてもよい。このように、コイルの面の中心を囲む領域は、例えば、コイルの周縁を含む領域であってもよく、コイルユニットの周縁を含む領域であってもよく、あるいは、コイルユニットの周辺を含む領域であってもよい。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムにおいて、複数の受信アンテナのうち、前記した所定の間隔で隣り合う(例えば、前記したコイルの面の中心を中心軸として回転する方向で隣り合う)受信アンテナ同士は、それぞれの軸方向が異なるように設置されている(例えば、
図2〜
図5、
図7の例)。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムにおいて、複数の送信アンテナ(
図3の例では、送信アンテナ201〜202であり、
図5の例では、送信アンテナ301〜302であり、
図7の例では、送信アンテナ501〜503)を備え、複数の送信アンテナを時分割多重方式で切り替えて電波を発信する。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムにおいて、複数の送信アンテナ(
図3の例では、送信アンテナ201〜202であり、
図5の例では、送信アンテナ301〜302であり、
図7の例では、送信アンテナ501〜503)を備え、周波数多重方式で複数の送信アンテナによって電波を発信する。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムにおいて、複数の送信アンテナ(
図3の例では、送信アンテナ201〜202であり、
図5の例では、送信アンテナ301〜302であり、
図7の例では、送信アンテナ501〜503)を備え、符号多重方式で複数の送信アンテナによって電波を発信する。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムにおいて、複数の送信アンテナ(
図3の例では、送信アンテナ201〜202であり、
図5の例では、送信アンテナ301〜302であり、
図7の例では、送信アンテナ501〜503)を備え、ワイヤレス電力伝送システムで発生する要求に基づいて複数の送信アンテナを切り替えて電波を発信する。
【0098】
[位置検知システム]
以上では、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムについて説明したが、同様な機能を有する位置検知システムがワイヤレス電力伝送システム以外の任意のシステムに適用されてもよい。ここで、本実施形態において、ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムについて説明された事項は、ワイヤレス電力伝送システム以外の任意のシステムに適用された位置検知システムに適用されてもよい。
【0099】
一構成例として、互いの相対位置が変更可能な第1物体と第2物体との相対位置を検出する位置検知システムであって、次のような構成とした。
当該位置検知システムは、第1物体と第2物体との一方に、電波を発信する少なくとも一つの送信アンテナを備える。
当該位置検知システムは、第1物体と第2物体との他方に、電波を受信する複数の受信アンテナを異なる位置に備える。
当該位置検知システムは、受信アンテナによって受信される電波の強度を検知する電波検知部と、複数の受信アンテナのそれぞれについて電波検知部によって検知された強度に基づいて、第1物体と第2物体との相対位置を検知する位置検知部と、を備える。
第1物体と第2物体との相対位置が検知されるときに第1物体と第2物体とが対向する方向に、複数の受信アンテナを当該方向に垂直な面に射影して見た場合に、複数の受信アンテナのうちの少なくとも一つの受信アンテナは、当該面内において、他の受信アンテナの軸方向とは異なる軸方向で配置されている。
ここで、複数の受信アンテナを前記した面に平行な方向から見た場合、例えば、これら複数の受信アンテナは、前記した面に対して同じ角度またはほぼ同じ角度となるように配置されている。一例として、当該角度は0度であってもよく、つまり、これら複数の受信アンテナを前記した面と平行な方向から見た場合に、これら複数の受信アンテナは、前記した面に対して平行またはほぼ平行に配置されてもよい。他の例として、当該角度は0度以外の値であってもよく、つまり、これら複数の受信アンテナを前記した面と平行な方向から見た場合に、これら複数の受信アンテナは、前記した面に対して当該角度またはほぼ当該角度、傾斜するように配置されてもよい。
なお、例えば、複数の受信アンテナを前記した面と平行な方向から見た場合、これら複数の受信アンテナは、前記した面に対して互いに角度が同じになるように配置されるが、設計誤差によってこれらがほぼ同じ角度となる配置となってもよい。一例として、これらの受信アンテナのそれぞれについて、当該受信アンテナの構成部分の少なくとも一部が前記した面と平行な一つの共通な面に交わる配置が用いられてもよい。
【0100】
このような位置検知システムでは、ワイヤレス給電以外の用途に適用された場合においても、第1物体と第2物体との相対位置の検出において、位置の検出精度を向上させることができる。
ここで、第1物体および第2物体としては、それぞれ、任意の物体が用いられてもよい。
【0101】
[以上の実施形態について]
なお、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0102】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0103】
以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、本実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0104】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0105】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。