【解決手段】アンテナ部160は、バレル受け部110に載置されたバレル20の応答部40に対して電磁波を発信可能であるとともに、発信された電磁波に応答して応答部40から送信されるデータを受信可能である。制御部は、第1検知部および第2検知部の各々の検知信号、並びに、アンテナ部160が受信したデータを入力される。第1検知部および第2検知部の両方から設定条件を満たす検知信号が制御部に入力されたあと、アンテナ部160が電磁波を発信し、アンテナ部160が受信したデータが制御部に入力される。
後端に第1フランジを有するバレル、該バレルの表面に設けられ、電磁波に対して応答する応答部、および、前記バレルの内側に嵌入され、後端に第2フランジを有するプランジャロッドを含むシリンジに適用されるシリンジポンプであって、
前記バレルが載置されるバレル受け部と、
前記バレル受け部の後端に設けられ、前記第1フランジが挿入される溝部と、
前記バレルに向かって前記プランジャロッドを移動可能に保持する駆動部と、
前記バレルが前記バレル受け部に載置されたことを検知する第1検知部と、
前記プランジャロッドが前記駆動部に保持されたことを検知する第2検知部と、
前記バレル受け部に載置された前記バレルの前記応答部に対して電磁波を発信可能であるとともに、発信された電磁波に応答して前記応答部から送信されるデータを受信可能なアンテナ部と、
前記第1検知部および前記第2検知部の各々の検知信号、並びに、前記アンテナ部が受信した前記データを入力される制御部とを備え、
前記第1検知部および前記第2検知部の両方から設定条件を満たす検知信号が前記制御部に入力されたあと、前記アンテナ部が電磁波を発信し、前記アンテナ部が受信した前記データが前記制御部に入力される、シリンジポンプ。
前記制御部は、前記挟持間隔が第1閾値以上第2閾値以下である場合に、前記第2検知部からの検知信号が前記設定条件を満たしていると判断する、請求項2に記載のシリンジポンプ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプについて図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ、および、シリンジポンプに装着されるシリンジの各々の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1のシリンジポンプを矢印II方向から見た平面図である。
図3は、
図1のシリンジポンプを矢印III方向から見た正面図である。
図4は、
図1のシリンジポンプを矢印IV方向から見た側面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100は、シリンジ10に適用されるシリンジポンプである。シリンジ10は、バレル20およびプランジャロッド30を含む。
【0016】
バレル20は、略円筒状の外形を有している。バレル20の先端に注液口22が設けられている。バレル20の後端に第1フランジ21が設けられている。バレル20の表面に、応答部40が設けられている。バレル20は、ポリプロピレンなどの透明または半透明の樹脂にて構成されている。バレル20の内周面に、シリコーンオイルなどの潤滑油が塗布されていてもよい。バレル20の内側に、薬液が充填される。
【0017】
本実施形態においては、応答部40は、バレル20の外周面に貼り付けられているRFID(Radio Frequency Identification)タグにより構成されている。RFIDタグは、回路チップと、回路チップに結線されたシート状のループアンテナとを有しており、回路チップに記録されているデータをループアンテナの電磁誘導により無線送信する。
【0018】
回路チップに記録されているデータとしては、バレル20およびプランジャロッド30の各々に関する情報、バレル20に充填される薬液に関する情報、および、薬液の投与条件に関する情報などが含まれている。
【0019】
プランジャロッド30は、バレル20の内側に嵌入され、後端に第2フランジ31を有する。プランジャロッド30の先端側には、バレル20の内周面と摺接するガスケット部32が設けられている。ガスケット部32は、加硫ゴムまたは熱可塑性エラストマなどの弾性体で構成されている。プランジャロッド30におけるガスケット部32以外の部分は、ポリプロピレンなどの樹脂にて構成されている。
【0020】
図1〜
図4に示すように、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100は、バレル受け部110と、溝部111と、駆動部120とを備える。
【0021】
バレル受け部110には、バレル20が載置される。バレル受け部110は、バレル20の外周面の下側部分と接する凹面部を有している。溝部111は、バレル受け部110の後端に設けられている。溝部111には、第1フランジ21が挿入される。バレル受け部110および溝部111は、一体成形によって形成されている。
【0022】
本実施形態においては、バレル受け部110の内側に、アンテナ部160が設けられている。アンテナ部160は、バレル受け部110に載置されたバレル20の応答部40に対して電磁波を発信可能であるとともに、発信された電磁波に応答して応答部40から送信されるデータを受信可能である。
【0023】
アンテナ部160は、シート状のループアンテナを有している。アンテナ部160は、アンテナ部160の厚み方向の一方側に向かって指向性を有する電磁波を発信する。よって、応答部40とアンテナ部160とが対向するように、バレル受け部110にバレル20が載置される。アンテナ部160の厚み方向の他方側は、電磁波を遮蔽可能な遮蔽部材で覆われている。アンテナ部160は、応答部40から送信されるデータを電磁誘導により無線受信する。
【0024】
駆動部120は、第2フランジ31を押圧する押圧面121、および、第2フランジ31を押圧面121と挟持して保持する可動爪部122を有している。可動爪部122は、ばねなどの付勢機構により押圧面121に接近する方向に付勢されている。駆動部120は、バレル20に向かってプランジャロッド30を移動可能に保持する。駆動部120によって、プランジャロッド30がバレル20に向かって移動させられることにより、バレル20内の薬液が注液口22からチューブ内に注入される。
【0025】
駆動部120は、プランジャロッド30を着脱する際に、プランジャロッド30の延在方向における、駆動部120自体の位置および可動爪部122の位置を、手動で調整するためのクラッチレバー123をさらに有している。具体的には、クラッチレバー123を一方向に回動させることにより、駆動部120は手動で移動することが規制されるロック状態になるとともに、可動爪部122は押圧面121側に付勢された状態で維持される。クラッチレバー123を他方向に回動させることにより、駆動部120はアンロック状態になるとともに、可動爪部122は付勢力に抗して押圧面121から離間するように移動させられる。
【0026】
なお、駆動部120の構成は上記に限られず、駆動部120は、第2フランジ31を押圧する押圧面121、および、第2フランジ31を押圧面121との間に収容する固定爪部を有していてもよい。
【0027】
本実施形態においては、シリンジポンプ100は、バレル保持部112をさらに備えている。バレル保持部112は、バレル受け部110の上方において上下方向に回動するように回動軸113に接続されている。バレル保持部112は、回動して下りた状態において、バレル受け部110に載置されているバレル20を保持する。なお、バレル保持部112は、必ずしも設けられていなくてもよい。また、アンテナ部160が、バレル受け部110の内側ではなく、バレル保持部112の内周側に設けられていてもよい。
【0028】
図5は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプの制御系統を示すブロック図である。
図5に示すように、シリンジポンプ100は、第1検知部130と、第2検知部140と、制御部150と、アンテナ部160とを備える。本実施形態においては、シリンジポンプ100は、操作パネル180および第3検知部190をさらに備える。
【0029】
図2に示すように、第1検知部130は、バレル受け部110の上面においてバレル保持部112の下方の位置に設けられている。第1検知部130は、バレル20がバレル受け部110に載置されたことを検知する。具体的には、第1検知部130は、バレル20によって押圧される押圧センサで構成されている。
図5に示すように、第1検知部130の検知信号は、制御部150に入力される。
【0030】
なお、第1検知部130は、バレル20がバレル受け部110に載置されたことを検知できる構成であればよく、押圧センサに限られない。たとえば、バレル受け部110の後端面との間で第1フランジ21を挟持可能な可動爪部が設けられており、第1検知部130が、後述する第2検知部140と同様の構成を有して、第1フランジ21によって押圧されたことを検知可能な押圧センサと、バレル受け部110の後端面と可動爪部との第1フランジ21の挟持間隔を検知可能な測位機構とを含んでいてもよい。
【0031】
図2に示すように、第2検知部140は、押圧面121と可動爪部122との間の位置に設けられている。第2検知部140は、押圧面121と可動爪部122との第2フランジ31の挟持間隔を検知する。具体的には、第2検知部140は、第2フランジ31によって押圧されたことを検知可能な押圧センサと、押圧面121と可動爪部122との第2フランジ31の挟持間隔を検知可能な測位機構とを含んでいる。
【0032】
測位機構は、たとえば、可変抵抗部、リミットスイッチまたは光電センサなどを用いることにより、押圧面121に対する可動爪部122のスライド量を検知可能な機構で構成されている。
【0033】
本実施形態においては、制御部150は、押圧面121と可動爪部122との挟持間隔が第1閾値以上第2閾値以下である場合に、第2検知部140からの検知信号が設定条件を満たしていると判断する。第1閾値および第2閾値の各々は、第2フランジ31の厚さに対応して予め設定される。設定された第1閾値および第2閾値の各々は、制御部150に記憶される。
図5に示すように、第2検知部140の検知信号は、制御部150に入力される。
【0034】
駆動部120が、第2フランジ31を押圧する押圧面121、および、第2フランジ31を押圧面121との間に収容する固定爪部を有している場合、第2検知部140は、押圧面121と固定爪部との間の位置に設けられており、押圧センサのみで構成されている。第2検知部140は、押圧面121と固定爪部との間に第2フランジ31が挿入された際に、第2フランジ31によって押圧センサが押圧されることにより、プランジャロッド30が駆動部120に保持されたことを検知する。
【0035】
第3検知部190は、バレル保持部112におけるバレル20の保持状態を検知する。具体的には、第3検知部190は、バレル保持部112の回動角度を検知可能なセンサで構成されている。第3検知部190は、たとえば、回動軸113に接続されたエンコーダなどで構成されている。
【0036】
本実施形態においては、制御部150は、バレル保持部112の回動角度が第3閾値以上第4閾値以下である場合に、第3検知部190からの検知信号が設定条件を満たしていると判断する。第3閾値および第4閾値の各々は、バレル20の外径に対応して予め設定される。設定された第3閾値および第4閾値の各々は、制御部150に記憶される。
図5に示すように、制御部150に、第3検知部190の検知信号が入力される。
【0037】
なお、第3検知部190は、バレル保持部112がバレル20を押圧していることを検知する押圧センサで構成されていてもよい。第3検知部190は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0038】
図5に示すように、制御部150は、第1検知部130、第2検知部140、第3検知部190、駆動部120、アンテナ部160および操作パネル180の各々と電気的に接続されている。
【0039】
図1および
図2に示すように、シリンジポンプ100において、装着されるシリンジ10と平行に位置するように操作パネル180が設けられている。操作パネル180は、表示部および操作入力部を含む。表示部には、制御部150から入力された情報が表示される。操作入力部にて設定された操作信号は、制御部150に入力される。
【0040】
アンテナ部160からの電磁波の発信は、制御部150によって制御される。応答部40から送信されてアンテナ部160が受信したデータは、制御部150に入力される。
【0041】
ここで、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100にシリンジ10を取り付ける際の動作について説明する。
【0042】
図6は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプにおいて、バレル保持部を上方に回動させた状態を示す部分斜視図である。シリンジポンプ100にシリンジ10を取り付ける際には、
図6に示すように、まず、バレル保持部112を上方に回動させる。
【0043】
図7は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプにおいて、バレル受け部にシリンジのバレルを載置した状態を示す部分斜視図である。
図7に示すように、溝部111に第1フランジ21を挿入するとともに、バレル受け部110にバレル20を載置する。このとき、第1検知部130は、押圧センサが完全に押圧されることにより、バレル20がバレル受け部110に載置されたことを検知する。第1検知部130からの検知信号は、制御部150に入力される。
【0044】
本実施形態においては、バレル20が不十分な状態でバレル受け部110に載置されたときに、バレル20が押圧センサを全く押圧していない状態では、第1検知部130は検知信号を出力せず、バレル20が押圧センサを不完全に押圧している状態では、第1検知部130は設定条件を満たしていない不完全押圧であることを示す検知信号を出力する。なお、第1検知部130は、押圧センサが完全に押圧されたときのみ検知信号を出力するように構成されていてもよい。この場合は、第1検知部130が検知信号を出力した場合は、設定条件が満たされていることになる。
【0045】
図8は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプにおいて、第2フランジが可動爪部に保持された状態を示す部分斜視図である。
図8に示すように、クラッチレバー123を他方向に回動させて、駆動部120のロックを解除するとともに、可動爪部122を押圧面121から離間させる。その状態で、押圧面121が第2フランジ31に接触するように駆動部120を手動で移動させつつ、第2フランジ31を押圧面121と可動爪部122との間に挿入する。
【0046】
次に、クラッチレバー123を一方向に回動させて戻すことにより、第2フランジ31を押圧面121と可動爪部122とによって挟持して保持する。クラッチレバー123を一方向に回動させることにより、駆動部120は、手動で移動しないようにロックされる。このとき、第2検知部140は、押圧面121と可動爪部122との第2フランジ31の挟持間隔Dを検知する。第2検知部140からの検知信号は、制御部150に入力される。
【0047】
本実施形態においては、制御部150は、挟持間隔Dが第1閾値以上第2閾値以下である場合に、第2検知部140からの検知信号が設定条件を満たしていると判断する。挟持間隔Dが第1閾値未満である場合、および、挟持間隔Dが第2閾値より大きい場合、シリンジポンプ100に予め設定されたシリンジ10とは異なるシリンジが装着されている可能性、および、第2フランジ31が可動爪部122に正常な状態で保持されていない可能性がある。
【0048】
第2検知部140が押圧センサのみで構成されている場合、第2検知部140は、押圧センサが完全に押圧されることにより、プランジャロッド30が駆動部120に保持されたことを検知する。第2検知部140からの検知信号は、制御部150に入力される。
【0049】
この場合、プランジャロッド30が不十分な状態で駆動部120に保持されたときに、第2フランジ31が押圧センサを全く押圧していない状態では、第2検知部140は検知信号を出力せず、第2フランジ31が押圧センサを不完全に押圧している状態では、第2検知部140は設定条件を満たしていない不完全押圧であることを示す検知信号を出力する。なお、第2検知部140は、押圧センサが完全に押圧されたときのみ検知信号を出力するように構成されていてもよい。この場合は、第2検知部140が検知信号を出力した場合は、設定条件が満たされていることになる。
【0050】
図9は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプにおいて、バレル保持部を下方に回動させた状態を示す部分斜視図である。
図9に示すように、バレル保持部112を下方に回動させることにより、バレル受け部110に載置されているバレル20をバレル保持部112によって保持する。このとき、第3検知部190は、バレル保持部112の回動角度αを検知する。第3検知部190からの検知信号は、制御部150に入力される。
【0051】
本実施形態においては、制御部150は、回動角度αが第3閾値以上第4閾値以下である場合に、第3検知部190からの検知信号が設定条件を満たしていると判断する。回動角度αが第3閾値未満である場合、および、回動角度αが第4閾値より大きい場合、シリンジポンプ100に予め設定されたシリンジ10とは異なるシリンジが装着されている可能性、および、バレル20がバレル受け部110に正常な状態で載置されていない可能性がある。
【0052】
以下、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100の制御部によるアンテナ部の制御フローについて説明する。
【0053】
図10は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプの制御部によるアンテナ部の制御フローを示すフローチャートである。
【0054】
図10に示すように、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100の制御部150は、まず、第1検知部130からの検知信号が設定条件を満たしているかどうか判断する(工程S1)。
【0055】
第1検知部130からの検知信号が設定条件を満たしている場合は、制御部150は、第2検知部140からの検知信号が設定条件を満たしているかどうか判断する(工程S2)。第1検知部130からの検知信号が設定条件を満たしていない場合は、工程S1に戻る。
【0056】
第2検知部140からの検知信号が設定条件を満たしている場合は、制御部150は、第3検知部190からの検知信号が設定条件を満たしているかどうか判断する(工程S3)。第2検知部140からの検知信号が設定条件を満たしていない場合は、工程S1に戻る。
【0057】
第3検知部190からの検知信号が設定条件を満たしている場合は、制御部150は、アンテナ部160から電磁波を発信させる(工程S4)。第3検知部190からの検知信号が設定条件を満たしていない場合は、工程S1に戻る。
【0058】
制御部150は、応答部40から送信されたデータをアンテナ部160から入力されているかどうかを判断する(工程S5)。応答部40から送信されたデータをアンテナ部160から入力されている場合は、制御部150は、アンテナ部160からの電磁波の発信を停止させる(工程S6)。応答部40から送信されたデータをアンテナ部160から入力されていない場合は、工程S4に戻る。
【0059】
上記のように、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100においては、第1検知部130、第2検知部140および第3検知部190の全てから設定条件を満たす検知信号が制御部150に入力されたあと、アンテナ部160が電磁波を発信し、アンテナ部160が受信したデータが制御部150に入力される。
【0060】
シリンジポンプ100が、バレル保持部112および第3検知部190を備えていない場合は、第1検知部130および第2検知部140の両方から設定条件を満たす検知信号が制御部150に入力されたあと、アンテナ部160が電磁波を発信し、アンテナ部160が受信したデータが制御部150に入力される。
【0061】
本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100は、上記のように構成されていることにより、正常に装着されたシリンジ10におけるバレル20の応答部40に対してアンテナ部160から電磁波を発信させ、この電磁波に応答して応答部40から送信されたデータが制御部150に入力されるようにすることができるため、シリンジポンプ100に装着されているシリンジ10に関するデータをより確実に取得できる。
【0062】
本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100においては、1つのアンテナ部160を固定配置しているため、シリンジポンプ100が大型化することを抑制することができる。
【0063】
また、シリンジ10が正常に装着されたことを確認した後、アンテナ部160から電磁波を発信させ、この電磁波に応答して応答部40から送信されたデータが制御部150に入力されたときに、アンテナ部160からの電磁波の発信を停止させるため、アンテナ部160から電磁波が発信されている時間を短くして、シリンジポンプ100の消費電力を低減することができる。
【0064】
本実施形態においては、制御部150が、押圧面121と可動爪部122との第2フランジ31の挟持間隔Dが第1閾値以上第2閾値以下である場合に、第2検知部140からの検知信号が設定条件を満たしていると判断することにより、シリンジポンプ100に第2フランジ31の厚さが異なるシリンジが装着された場合に、このシリンジに関するデータを取得しないようにすることができる。
【0065】
本実施形態においては、制御部150が、バレル保持部112の回動角度αが第3閾値以上第4閾値以下である場合に、第3検知部190からの検知信号が設定条件を満たしていると判断することによって、シリンジポンプ100にバレル20の直径が異なるシリンジが装着された場合に、このシリンジに関するデータを取得しないようにすることができる。
【0066】
上記のように、シリンジポンプ100に予め設定されたシリンジ10とは異なるシリンジが装着された場合にシリンジに関するデータを取得しないようにすることにより、制御部150が駆動部120を駆動することができなくなるため、誤った種類の薬剤が注液されること、および、誤った量の薬剤が注液されることなどの、薬剤の誤投与を抑制することができる。
【0067】
図11は、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプが1つのスタンドに複数取り付けられている状態を示す正面図である。
図11に示すように、本発明の一実施形態に係るシリンジポンプ100は、1つのスタンド50に複数のシリンジポンプ100が取り付けられる使用状態においても、装着されていないシリンジ10に関するデータが取得されることを抑制することができる。また、シリンジポンプ100が大型化することを抑制しつつシリンジポンプ100に装着されているシリンジ10に関するデータをより確実に取得することができるため、
図11に示すように、複数のシリンジポンプ100が1つのスタンド50に取り付けられた、いわゆるスマートポンプをシステム全体として小型化することができる。
【0068】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。