特開2020-199203(P2020-199203A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-199203(P2020-199203A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20201120BHJP
【FI】
   A47J37/06 366
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-110154(P2019-110154)
(22)【出願日】2019年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】矢野 宏治
(72)【発明者】
【氏名】水上 裕人
(72)【発明者】
【氏名】根笹 典政
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB03
4B040AC03
4B040AD04
4B040AE13
4B040CA02
4B040CA17
4B040CB02
4B040CB20
4B040CB30
(57)【要約】
【課題】グリルプレートを用いた低温調理に好適な加熱調理器を提供する。
【解決手段】被調理物が載置されたグリルプレート80を収容するグリル庫20と、グリル庫20の左右側壁21,22の外側に配置された左右一対の下火バーナと、を備え、左右の下火バーナはそれぞれ、グリル庫20の左右側壁21,22に設けられた導入口201,202を介し、グリル庫20の左右側壁21,22の外方からグリル庫20内に収容されたグリルプレート80の左右の側端部83に向けて燃焼排気を噴出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物が載置されたグリルプレートを収容するグリル庫と、
グリル庫の左右側壁の外側に配置された左右一対の下火バーナと、を備え、
左右の下火バーナはそれぞれ、グリル庫の左右側壁に設けられた導入口を介し、グリル庫の左右側壁の外方からグリル庫内に収容されたグリルプレートの左右の側端部に向けて燃焼排気を噴出する加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、グリルプレートの左右の側端部に向けて噴出する燃焼排気が、グリルプレートの上下に分流するように構成されている加熱調理器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、上下にずれて配置された複数のスリット状の炎孔を有する加熱調理器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、斜め上内方に向かって開口する複数のスリット状の斜め上向き炎孔と、斜め下内方に向かって開口する複数のスリット状の斜め下向き炎孔とを有する加熱調理器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、下火バーナの内方側端面から上面に亘って開口する複数のスリット状の炎孔と、下火バーナの内方側端面から下面に亘って開口する複数のスリット状の炎孔とを有する加熱調理器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器において、
グリルプレートは、左右の側端部にそれぞれ、左右の下火バーナから噴出される燃焼排気をグリルプレートの上下に分流させる分流部を有する加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被調理物が載置されたグリルプレートをグリル庫内に収容して加熱調理する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グリル庫の左右側壁の内側下方に前後方向に延びる左右一対の下火バーナが設けられ、これらの下火バーナの炎孔からグリル庫の左右中央部に向かって噴出される燃焼排気によって、焼網上に載置された肉や魚などの被調理物を加熱調理する加熱調理器が知られている。上記加熱調理器では、グリル庫の左右側壁の内面に二次空気整流板を設け、グリル庫の外部から各下火バーナの炎孔周辺に二次空気を導き、二次空気流により炎孔から噴出する燃焼排気をグリル庫の左右中央部における焼網の下方の空間まで飛ばすようにしている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、調理メニューの多様化やグリル庫内の清掃性向上のために、焼網に代えて、グリルプレートを利用する加熱調理器も提案されている(例えば、特許文献2)。この種の加熱調理器では、グリル庫内の下方に配設された下火バーナを覆うようにグリルプレートが収容されている。そのため、グリルプレート上に載置された被調理物の下面は、主として下火バーナで加熱されるグリルプレートの伝熱により加熱される。
【0004】
しかしながら、上記のようなグリルプレートを用いると、グリル庫内の空間がグリルプレートによって上下に分離されるため、下火バーナから噴出される燃焼排気がグリルプレートの下方の空間に滞留し、グリルプレートよりも上方の空間まで燃焼排気が回り難くなる。その結果、下火バーナの火力を弱めても、グリルプレート及びグリル庫内の温度が高温となり、ローストビーフや焼き芋などの低温で長時間の加熱が必要な被調理物では、被調理物の下面に焼き過ぎが生じやすい。また、低温調理における被調理物の下面の焼き過ぎを抑えるために、下火バーナの火力を弱めると、さらにグリル庫内の上方の空間に燃焼排気が回り難くなるため、被調理物の上面を十分に加熱することができない。また、グリルプレートを用いた場合、線材からなり大きな隙間を有する焼網よりもグリル庫内での通気抵抗が大きくなるため、グリル庫の外部から下火バーナの炎孔周辺に二次空気を十分に供給することができず、酸欠火炎となり、グリル庫外への炎溢れや燃焼不良が生じやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−57842号公報
【特許文献2】特開2015−164494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、グリルプレート上に載置された被調理物の上下両面を下火バーナにより低温でバランスよく加熱調理可能な加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
被調理物が載置されたグリルプレートを収容するグリル庫と、
グリル庫の左右側壁の外側に配置された左右一対の下火バーナと、を備え、
左右の下火バーナはそれぞれ、グリル庫の左右側壁に設けられた導入口を介し、グリル庫の左右側壁の外方からグリル庫内に収容されたグリルプレートの左右の側端部に向けて燃焼排気を噴出する加熱調理器である。
【0008】
上記加熱調理器によれば、グリル庫の左右側壁の外側に左右一対の下火バーナが配置され、左右の下火バーナはそれぞれ、グリル庫の左右側壁に設けられた導入口を介し、グリル庫の左右側壁の外方からグリル庫内に収容されたグリルプレートの左右の側端部に向けて燃焼排気を噴出させるから、グリルプレートの左右の側端部に接触した燃焼排気がグリルプレートの上下に分流される。これにより、グリル庫内のグリルプレートの下方の空間に分流される燃焼排気によってグリルプレートの下面が加熱される。一方、グリルプレートの上方に分流される燃焼排気は、グリル庫内の上方の空間に回り込み、グリルプレートの上面及び被調理物の上面を上方から加熱する。従って、従来のようにグリルプレートの下方に下火バーナからの燃焼排気が集中して、グリルプレート及びグリル庫内の温度が過度に上昇するのを防止することができ、低温調理に適した温度環境を形成することができる。それゆえ、下火バーナの火力を弱めても、グリルプレート上に載置された被調理物の上下両面をバランスよく加熱することができる。また、グリルプレートの上下への燃焼排気の分流によって、下火バーナの燃焼排気がグリルプレートの下方に滞留し難くなり、グリルプレートの上方へ抜けやすくなることで、炎孔周辺に安定して二次空気を供給することができる。これにより、下火バーナの酸欠火炎によるグリル庫の外方への炎溢れや燃焼不良を防止して、安定に被調理物を加熱することができる。
【0009】
好ましくは、上記加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、グリルプレートの左右の側端部に向けて噴出する燃焼排気が、グリルプレートの上下に分流するように構成される。
【0010】
上記加熱調理器によれば、左右の下火バーナからグリルプレートの左右の側端部に向けて噴出された燃焼排気が円滑にグリルプレートの上下に分流されるから、下火バーナの火力を弱めても、グリルプレート上に載置された被調理物の上下両面をバランスよく加熱することができる。
【0011】
好ましくは、上記加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、上下にずれて配置された複数のスリット状の炎孔を有する。
【0012】
上記加熱調理器によれば、左右の下火バーナはそれぞれ、上下にずれて配置された複数の炎孔を有するから、燃焼排気をより円滑にグリルプレートの上下に分流させることができる。また、左右の下火バーナはそれぞれ、スリット状の炎孔を有しているから、各炎孔に形成される燃焼炎を短炎化することができ、保炎性を向上させることができる。これにより、下火バーナの火力を弱めても、小さな燃焼炎で安定に燃焼させることができる。また、短炎化された燃焼炎が炎孔に安定に形成されるから、グリル扉を開いたときでも、二次空気不足による燃焼炎の揺らぎが生じ難く、グリル庫の外方への燃焼排気の溢れを低減することができる。
【0013】
好ましくは、上記加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、斜め上内方に向かって開口する複数のスリット状の斜め上向き炎孔と、斜め下内方に向かって開口する複数のスリット状の斜め下向き炎孔とを有する。
【0014】
上記加熱調理器によれば、左右の下火バーナはそれぞれ、斜め上内方に向かって開口する複数のスリット状の斜め上向き炎孔と、斜め下内方に向かって開口する複数のスリット状の斜め下向き炎孔とを有するから、燃焼排気をより円滑にグリルプレートの上下に分流させることができる。
【0015】
好ましくは、上記加熱調理器において、
左右の下火バーナはそれぞれ、下火バーナの内方側端面から上面に亘って開口する複数のスリット状の炎孔と、下火バーナの内方側端面から下面に亘って開口する複数のスリット状の炎孔とを有する。
【0016】
上記加熱調理器によれば、左右の下火バーナはそれぞれ、下火バーナの内方側端面から上面に亘って開口する複数のスリット状の炎孔と、下火バーナの内方側端面から下面に亘って開口する複数のスリット状の炎孔とを有するから、燃焼排気をより円滑にグリルプレートの上下に分流させることができる。
【0017】
好ましくは、上記加熱調理器において、
グリルプレートは、左右の側端部にそれぞれ、左右の下火バーナから噴出される燃焼排気をグリルプレートの上下に分流させる分流部を有する。
【0018】
上記加熱調理器によれば、左右の下火バーナから噴出する燃焼排気が分流部に接触することにより、燃焼排気をより円滑にグリルプレートの上下に分流させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、グリル庫の左右側壁の外側に配置させた左右一対の下火バーナから噴出する燃焼排気をグリル庫内に収容されたグリルプレートの上下に分流させることにより、グリルプレート上に載置させた被調理物の上下両面を低温でバランスよく加熱調理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示す概略斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示すグリル庫周辺の概略縦断面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示すグリル庫周辺の概略横断面図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器に用いられる下火バーナの一例を示す概略斜視図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器に用いられる下火バーナの一例を示す炎孔周辺の概略側方断面図であり、図5(A)は、炎孔が上方にずれて配置されている場合を、図5(B)は、炎孔が下方にずれて配置されている場合を示す。
図6図6は、本発明の実施形態に係る加熱調理器に用いられる下火バーナの他の一例を示す概略斜視図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る加熱調理器に用いられる下火バーナの他の一例を示す炎孔周辺の概略側方視図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る加熱調理器に用いられる下火バーナのさらに他の一例を示す炎孔周辺の概略斜視図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の他の一例を示す下火バーナ周辺の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る加熱調理器を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本実施の形態に係る加熱調理器の一例であるガスコンロを示す概略斜視図である。図1に示すように、加熱調理器は、天板9の上面に設けられた複数のコンロバーナ1と、グリルプレート80を用いた調理を行うためのグリル2とを備える。
【0022】
図1及び図2に示すように、グリル2は、コンロ本体10の内部に搭載され、前方に開口する矩形箱状のグリル庫20と、グリル庫20の前面開口部100を前方から被閉するグリル扉5を備える。グリル扉5の後面下方には、グリル庫20内へ向かって連結板210が延設されており、連結板210にグリルプレート80を下方から支持する支持枠220が連結されている。これにより、グリル扉5を手前に引くことで、支持枠220とともにグリルプレート80がグリル庫20の前方に引き出され、グリル扉5を後方に押すことで、支持枠220とともにグリルプレート80がグリル庫20内に収容されるように構成されている。なお、本明細書では、グリル扉5が設けられている面を正面とし、グリル扉5側から見たときのグリル扉5とグリル庫20の奥側とが対向する方向を前後方向、グリル庫20の幅方向を左右方向、グリル庫20の高さ方向を上下方向という。
【0023】
グリル扉5の左側に形成された操作部には、後述する上下バーナ56,55の点・消火と火力調節機能を兼備したグリル用スイッチ41と、その下方のカンガルー式の操作ユニット40とが設けられている。操作ユニット40は、使用者が操作部の下方の前面パネル401を押し操作することにより、手前に傾斜して使用者が操作可能に構成されている。また、使用者が前面パネル401を閉じると、操作ユニット40がコンロ本体10内に格納される。
【0024】
図2及び図3に示すように、グリル庫20の上壁24には、被調理物を上方から加熱するための上火バーナ56が設けられている。上火バーナ56は、例えば、下面がセラミック製の板体で構成された表面燃焼式のセラミックバーナであり、上記板体の下面に炎孔560が開設されている。従って、混合管(図示せず)から燃料ガスと一次空気とが供給されて、上火バーナ56が点火されると、板体の下面に燃料ガスの燃焼炎が形成され、その輻射熱や燃焼排気がグリル庫20内の下方に向けて放射される。図示しないが、上火バーナ56の炎孔560には、燃料ガスを点火させるための点火電極の電極部と、燃焼炎を検知するための熱電対とが臨んでいる。
【0025】
グリル庫20の左右側壁21,22の下方領域には、前後方向に長い導入口201,202が開口されている。導入口201,202は、前後方向の中心が、グリルプレート80をグリル庫20内に収容させたときにグリルプレート80の前後方向の中心よりも前方に位置するように、グリル庫20の左右側壁21,22の前方寄りの位置に形成されている。
【0026】
グリル庫20の左右側壁21,22の外側には、左右側壁21,22に沿って前後方向に延びる左右一対の下火バーナ55が配設されている。各下火バーナ55は、例えば、所定箇所を打ち抜き加工してスリット状の炎孔550を構成する開口部が複数、穿設された一枚の金属板を開口部近傍で折り曲げるとともに略直管状に成形し、金属板の端部を接合させることにより形成される。なお、左右の下火バーナ55は、左右対称である以外は同一の構成を有するため、下火バーナ55及びその周辺の構成については、左の下火バーナ55を例に挙げて説明する。
【0027】
図2図4に示すように、下火バーナ55は、細長平板状に形成されたバーナ本体500と、バーナ本体500の左右方向内方側の内側縁部570に形成された炎孔550と、後端部に形成されたガスノズル(図示せず)が挿入される流入部551と、バーナ本体500の左右方向外方側に金属板が接合された水平に延びるフランジ部552とを有する。下火バーナ55は、バーナ本体500の内側縁部570を上記導入口201に対向させ、且つバーナ本体500が略水平となる姿勢でコンロ本体10に支持固定されている。
【0028】
グリル庫20の左側壁21の外面には、下火バーナ55を上方及び左外方から覆うように断面略L字状の排気溢れ防止カバー600が接続されており、導入口201の開口上縁には、下火バーナ55の上方に向かって斜め上外方に延在する整流板601が接続されている。排気溢れ防止カバー600の下端と下火バーナ55の上面との間及び排気溢れ防止カバー600の内面と整流板601の外方端部との間にはそれぞれ、一定の大きさの隙間が形成されている。従って、下火バーナ55を点火させると、排気溢れ防止カバー600と下火バーナ55との間の隙間から流入する二次空気が整流板601によって下火バーナ55の上方から炎孔550周辺に供給され、二次空気によって燃焼排気がグリル庫20内の遠方まで飛ばされる。これにより、グリルプレート80の下面の左右中央部を効率的に加熱することができる。
【0029】
グリル庫20の後方上部には、排気通路300と連通する排気用開口11が開設されている。グリル庫20の後壁25には、排気ダクト30が連設されており、排気ダクト30が排気通路300を構成している。
【0030】
図4及び図5に示すように、バーナ本体500の内側縁部570は、縦断面略コ字状に形成されており、その上コーナ部555及び下コーナ部556にはそれぞれ、上下方向に長い複数のスリット状の炎孔550が形成されている。
【0031】
複数の炎孔550は、下火バーナ55の内側縁部570に沿って、所定数(ここでは、6孔)ごとに上コーナ部555と下コーナ部556とに分かれて交互に開口している。すなわち、複数の炎孔550は、内側縁部570の上下にずれて配置されている。また、上コーナ部555の炎孔550は、内側縁部570の上面505から側面507に亘って略L字状に切欠形成され、下コーナ部556の炎孔550は、内側縁部570の下面506から側面507に亘って略L字状に切欠形成されている。また、上コーナ部555の炎孔550の下端及び下コーナ部556の炎孔550の上端は、側面507の上下中央の略一致する高さまで切り欠かれている。すなわち、各炎孔550は、下火バーナ55の内方側端面である側面507の上下中央から側面507に続く上下面505,506のいずれか一方に亘って開口している。
【0032】
従って、図5に示すように、バーナ本体500に一次空気とともに供給される燃料ガスは、上コーナ部555の炎孔550から水平よりも稍上向きに噴出され、下コーナ部556の炎孔550から水平よりも稍下向きに噴出される。これにより、図示しない点火電極からの火花放電で下火バーナ55を点火させると、下火バーナ55からの燃焼排気は、グリル庫20の左側壁21に開口された導入口201を介してグリル庫20の左右方向内方に向かって上下に拡散するように噴出される。
【0033】
図4に示すように、上コーナ部555の炎孔550群と、下コーナ部556の炎孔550群との間には、所定の炎孔非形成部558が設けられている。また、上コーナ部555の炎孔550群は、所定数ずつ(ここでは、3孔ずつ)前後に分かれて配置されており、これら前後の炎孔550群間にも炎孔非形成部558が設けられている。下コーナ部556の炎孔550群も、同様に、所定数ずつ前後に分かれて配置されており、これら前後の炎孔550群間には、所定の炎孔非形成部558が設けられている。
【0034】
図1図3に戻って、グリルプレート80は、伝熱性に優れるアルミニウム製の成形体または鋳造体からなり、上面にはフッ素樹脂などにより表面処理加工が施されている。グリルプレート80は、平面視略矩形状を有する。グリルプレート80の上面には、左右方向に延びる上方に凸の突条82が前後方向に所定の間隔を存して複数、形成された食材載置部85が設けられている。グリルプレート80の左右両端部には、食材載置部85の左右方向外方端部から斜め上外方に向けて上り勾配の側端部83が設けられている。左右の側端部83は、グリルプレート80の前後端部で繋がっている。また、左右の側端部83の外側面830には、グリルプレート80の左右方向外方に向かって突出する前方視断面略三角形状の分流突起(分流部)831が形成されている。分流突起831は、左右の側端部83の前後方向略全体に亘って延びている(図1参照)。
【0035】
グリルプレート80は、グリルプレート80がグリル庫20内に収容されたとき、左右の側端部83が導入口201,202と対向するように支持枠220により下方から支持されている。従って、上記のように下火バーナ55から導入口201,202を介してグリル庫20内に噴出する燃焼排気は、グリルプレート80の側端部83に接触し、斜め上外方に向かって傾斜する側端部83によってグリルプレート80の上下に分流される。特に、側端部83には、左右方向外方に向かって突出する分流突起831が形成されているため、分流突起831に沿ってグリルプレート80の上下への分流が促進される。
【0036】
上記のようにして側端部83の下方に向かって分流された燃焼排気は、グリルプレート80の下方の空間S2をグリルプレート80の下面に沿って左右中央部に向かって流れ、グリルプレート80を下方から加熱する。一方、側端部83の上方に向かって分流された燃焼排気は、グリルプレート80とグリル庫20の左右側壁21,22との間の隙間を通って、グリルプレート80の上方の空間S1に回り込み、グリルプレート80の上面及び被調理物の上面を上方から加熱する。
【0037】
本実施の形態の加熱調理器によれば、グリル庫20の左右側壁21,22の外側に配置された左右一対の下火バーナ55から導入口201,202を介してグリル庫20内に向かって噴出される燃焼排気は、グリルプレート80の側端部83に接触するから、グリル庫20内の左右両端でグリルプレート80の上下に燃焼排気を分流させることができる。特に、グリルプレート80の側端部83に設けられた分流突起831によって、燃焼排気のグリルプレート80の上下への分流を促進させることができる。従って、燃焼排気をグリルプレート80の上下両面に十分に行き渡らせることができる。これにより、グリルプレート80の下方に分流された燃焼排気によってグリルプレート80を下方から加熱することができるとともに、グリルプレート80の上方に分流された燃焼排気によってグリルプレート80の上面及び被調理物の上面を加熱することができる。それゆえ、グリルプレート80の下方に下火バーナ55からの燃焼排気が集中して、グリルプレート80及びグリル庫20内の温度が過度に上昇するのを防止することができ、低温調理に適した温度環境を形成することができる。従って、例えば、ローストビーフのように被調理物を低温で長時間、加熱調理したい場合に、上火バーナ56を消火させた状態で下火バーナ55への燃料ガスの供給量を低下させ、下火バーナ55の火力を弱めても、下火バーナ55から噴出する燃焼排気により、被調理物の上下両面をバランスよく加熱することができる。
【0038】
また、本実施の形態の加熱調理器によれば、下火バーナ55からの燃焼排気がグリルプレート80の上下に分流されるため、グリル庫20内に収容されたグリルプレート80によってグリル庫20内の通気抵抗が大きくなっても、炎孔550の周辺に二次空気を安定に供給することが可能となり、下火バーナ55を安定に燃焼させることができ、燃焼不良を防止することができる。
【0039】
また、本実施の形態の加熱調理器によれば、左右の下火バーナ55はそれぞれ、側面507の上下中央から上面505に亘って開口する複数の炎孔550と、側面507の上下中央から下面506に亘って開口する複数の炎孔550とを有しており、これらの炎孔550は上下にずれて配置されているから、燃焼排気をより円滑にグリルプレート80の上下に分流させることができる。従って、下火バーナ55の火力を弱めても、グリルプレート80上に載置された被調理物の上下両面をバランスよく加熱することができる。また、左右の下火バーナ55はそれぞれ、スリット状の炎孔550を有しているから、各炎孔550に形成される燃焼炎を短炎化することができ、保炎性を向上させることができる。従って、下火バーナ55の火力を弱めても、小さな燃焼炎で安定に燃焼させることができる。また、短炎化された燃焼炎が炎孔550に安定に形成されるから、グリル扉5を開いたときでも、二次空気不足による燃焼炎の揺らぎが生じ難く、グリル庫20の外方への燃焼排気の溢れを低減することができる。
【0040】
また、本実施の形態の加熱調理器によれば、グリル庫20の左右側壁21,22の外側に下火バーナ55が設けられているため、加熱調理中に被調理物から油や焼き汁が飛散しても、下火バーナ55にこれらが付着残留し難い。これにより、グリル庫20内の清掃性を格段に向上させることができるだけでなく、炎孔550の閉塞に起因する下火バーナ55の着火不良や燃焼不良も防止できる。しかも、グリル庫20の左右側壁21,22の外側に下火バーナ55が設けられており、グリル庫20内に突起物が少ないから、清掃性にも優れる。
【0041】
また、本実施の形態の加熱調理器によれば、下火バーナ55の火力を弱めることにより、低温調理に適した温度環境を形成することができ、グリルプレート80及びグリル庫20内の温度を低下させるために下火バーナ55の点消火を繰り返す必要がないから、簡易な低コストの回路構成を採用することができる。
【0042】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、下火バーナ55は、バーナ本体500の内側縁部570に沿って、上コーナ部555と下コーナ部556とに分かれて交互に複数のスリット状の炎孔550群を有する。しかしながら、図6及び図7に示すように、下火バーナ55は、上コーナ部555の炎孔550群と下コーナ部556の炎孔550群との間に、上コーナ部555から下コーナ部556に亘って上下方向に長いスリット状の保炎孔440を有してもよい。これによれば、保炎孔440にも燃焼炎が形成されるから、各炎孔550への火移りが良好となるとともに、保炎性が一層向上する。
【0043】
(2)上記実施の形態では、下火バーナ55は、縦断面略コ字状に形成された内側縁部570の上コーナ部555及び下コーナ部556にそれぞれ炎孔550を有する。しかしながら、図8に示すように、内側縁部570を左右方向内方に向かって先細りとなるように前方視断面略V字状に形成して、斜め上外方に向かって傾斜する上傾斜面571及び斜め下外方に向かって傾斜する下傾斜面572を設け、これらの上下傾斜面571,572にそれぞれ、炎孔550を形成してもよい。これによれば、上傾斜面571に形成される炎孔550は、斜め上内方に向かって開口し、下傾斜面572に形成される炎孔550は、斜め下内方に向かって開口する。従って、下火バーナ55から燃焼排気が上下に拡散するように噴出されるため、燃焼排気をグリルプレート80の上下に円滑に分流させることができる。
【0044】
(3)上記実施の形態では、下火バーナ55は、略水平となる姿勢で支持固定されている。しかしながら、図9に示すように、炎孔550の開口の略法線上にグリルプレート80の側端部83に設けられた分流突起831が位置するように、下火バーナ55を斜め上内方に向かって傾斜させてもよい。
【0045】
(4)上記実施の形態では、導入口201,202の開口上縁に、下火バーナ55の上方に向かって斜め上外方に延在する整流板601が設けられている。しかしながら、図9に示すように、導入口201,202の開口下縁に、下火バーナ55の下方に向かって斜め下外方に延在する整流板602を設けてもよい。
【0046】
(5)上記実施の形態では、グリルプレート80の左右の側端部83に燃焼排気を上下に分流させる分流突起831が設けられている。しかしながら、分流部のないグリルプレート80を用いてもよい。また、分流部は、燃焼排気を分流させることができれば、その形状は特に限定されない。例えば、分流部は、前方視断面略半円形状に形成されてもよいし、側端部83の外側面830から外方に突出する板状に形成されてもよい。
【0047】
(6)上記実施の形態では、グリルプレート80は、略平皿状に形成されている。しかしながら、下火バーナ55から導入口201,202を介してグリル庫20内に噴出される燃焼排気が適切にグリルプレート80の上下に分流されれば、グリルプレート80は、深皿状に形成されてもよい。また、調理メニューによっては、グリルプレート80の上方を覆うカバー体を使用してもよい。
【符号の説明】
【0048】
20 グリル庫
21,22 側壁
201,202 導入口
55 下火バーナ
550 炎孔
80 グリルプレート
83 側端部
831 分流突起(分流部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9