特開2020-199488(P2020-199488A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-199488水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-199488(P2020-199488A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/10 20060101AFI20201120BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20201120BHJP
   B22F 1/02 20060101ALI20201120BHJP
   B22F 3/00 20060101ALI20201120BHJP
   C08J 9/04 20060101ALI20201120BHJP
   C08J 9/36 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   C02F3/10 Z
   B22F1/00 W
   B22F1/02 E
   B22F3/00 D
   C08J9/04 103
   C08J9/36CFF
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-115936(P2019-115936)
(22)【出願日】2019年6月22日
(11)【特許番号】特許第6709455号(P6709455)
(45)【特許公報発行日】2020年6月17日
(31)【優先権主張番号】201910501243.6
(32)【優先日】2019年6月11日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】許柯
(72)【発明者】
【氏名】朱遠墨
(72)【発明者】
【氏名】任洪強
(72)【発明者】
【氏名】耿金菊
【テーマコード(参考)】
4D003
4F074
4K018
【Fターム(参考)】
4D003AA12
4D003EA14
4D003EA22
4D003EA26
4D003EA30
4D003EA38
4F074AA78
4F074AA90
4F074AA98
4F074CC22X
4F074CC34Y
4F074CD20
4F074CE04
4F074CE33
4F074CE98
4F074DA59
4K018BA18
4K018BC28
4K018BD01
4K018KA42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法および装置の提供。
【解決手段】磁性粉末をアルカリ改質して活性化させ、続いてポリウレタンをシリコーンエマルジョンと共重合して改質させ、分散潤滑剤、架橋剤、ポロゲンを加えて高速で混練して混合物を得て、混合物を直接押し出して成形して切断し、真空乾燥させてポロゲンを除去し、成形フィラーの内部を多孔質にし、懸濁フィラーを得て、懸濁物を着磁した後に表面補強成分を負荷してバイオ磁性懸濁フィラーを得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法であって、
S1、1〜3mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液に磁性粉末を浸漬し、浸漬中
に撹拌し続け、3〜5時間浸漬した後、取り出して乾燥させ、改質磁性粉末を得て、改質
磁性粉末を撹拌機に入れて撹拌し、チタン酸カップリング剤を白色鉱油で1:1の質量比
で希釈し、希釈後のチタン酸カップリング剤を撹拌機に噴霧し、20〜30分間撹拌し続
け、活性化磁性粉末を得る磁性粉末の表面処理ステップと、
S2、複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2〜2.5:1の質量比で超音波乳化
装置に入れて、1〜2時間の超音波乳化を行い、シリコーンエマルジョンを得て、続いて
シリコーンエマルジョンとポリウレタンを1〜3:1の質量比で混合し、60〜85℃に
なるまで撹拌して過硫酸アンモニウムコを加えて共重合変性させ、改質ポリウレタンを得
る担体材料の改質ステップと、
S3、S2で得られた変性ポリウレタン、S1で得られた活性化磁性粉末および分散潤
滑剤、架橋剤およびポロゲンを、変性ポリウレタン80〜90部、活性化磁性粉末30〜
40部、分散潤滑剤10〜12部、架橋剤5〜8部、ポロゲン18〜20部の割合で混合
し、混合後に高速混練機に送り、80〜90℃で5〜8時間高温混練して混合物を得るマ
トリックスの調製ステップと、
S4、S3で得られた混合物を押出切断機に送り、供給ホッパーの温度を170〜19
0℃に調整し、混合物を軟化させた後にダイにより押し出し、押し出された材料を真空成
形スリーブで成形した後に切断し、成形フィラーを得る押出切断ステップと、
S5、S4で得られた成形フィラーを真空乾燥装置に入れ、80〜100℃で6〜8時
間真空乾燥させ、成形フィラー中のポロゲンを除去し、成形フィラーの内部が多孔質にな
り、そして冷却後に懸濁フィラーを得る真空乾燥ステップと、
S6、S5で得られた懸濁フィラーを着磁器で着磁して磁性懸濁フィラーを得る着磁ス
テップと、
S7、S6で得られた磁気懸濁フィラーを表面負荷装置に通過させて、磁気懸濁フィラ
ーの表面にバイオ強化成分を均一に負荷させ、生物磁気懸濁フィラーを得る表面強化ステ
ップと、
を含むことを特徴とする、水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法。
【請求項2】
前記磁性粉末はネオジム鉄ホウ素粉末である、ことを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複合乳化剤は、Si‐80とトリデシルイソプロパノールを質量比2:3:1で複合
して得られる、ことを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記押出切断機は、
ブラケット(41)と、
ブラケット(41)の下部に設けられて押出力を提供する差動モータ(42)と、差動
モータ(42)の出力端に駆動歯車セット(43)が設けられ、駆動歯車セット(43)
の出力端に押出スクリュー(44)が接続され、
押出スクリュー(44)の外側に設けられた押出バレル(45)と、押出バレル(45
)上に供給ホッパー(46)が設けられ、押出バレル45の内壁に加熱装置(451)が
均等に埋め込まれ、
押出バレル(45)の排出端に設けられた金型(47)と、押出スクリュー(44)は
金型(47)により材料を押し出して成形し、
金型(47)の排出端に嵌着された真空成形スリーブ(48)と、押出材料を冷却し成
形するために使用され、真空成形スリーブ(48)の一端の外側に真空発生器(481)
が設けられ、真空成形スリーブ(48)の内側を真空にするために使用され、
真空成形スリーブ(48)の排出端に設けられた切断装置(49)と、を含み、
切断装置(49)は、十字形状の切断刃(491)と、切断刃(491)に回転力を提
供するための切断モータ(492)と、
を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記表面負荷装置は、
懸濁室(71)と、その一端に供給端(72)が設けられ、一端に排出端(73)が設け
られ、供給端(72)に磁性懸濁フィラーの進入を制御するためのバルブ(721)が設
けられ、懸濁室(71)内の頂部に一列の電磁石(74)が等距離に設けられ、前記電磁
石(74)はPLCコントローラ(75)によって電気的に制御され、PLCコントロー
ラ(75)は懸濁室(71)内の側壁に設けられた赤外線モニタ(751)によって磁性
懸濁フィラーの位置を監視し、かつ電磁石(74)の磁力を制御することによって磁性懸
濁フィラーを懸濁室(71)内に懸濁させ、
懸濁室(71)の底部に設けられたバイオ強化成分の霧化装置(76)と、バイオ強化成
分の霧化装置(76)の内部に霧化器(761)が設けられ、霧化器(761)はバイオ
強化成分の貯蔵キャビティ(762)に接続され、霧化器(761)は、複数の霧化ノズ
ル(763)によって霧化後のバイオ強化成分を懸濁室(71)内に噴霧し、霧化成分は
、バイオ強化成分を磁性懸濁フィラーの外面に負荷させるだけでなく、磁性懸濁フィラー
の内孔にバイオ強化成分を負荷することもでき、
懸濁室(71)の内部側面に設けられた冷却収集タンク(77)と、を含み、懸濁室(7
1)の内部側壁に凝縮したバイオ強化成分をバイオ強化成分の貯蔵キャビティ(762)
にリサイクルのために案内かつ収集する、ことを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの装置であって、
磁性粉末を改質および活性化するために使用される霧化改質装置(1)と、
複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを超音波乳化してシリコーン乳化液を得るために
使用される超音波乳化装置(2)と、
改質ポリウレタン、活性化磁性粉末、分散潤滑剤、架橋剤、およびポロゲンを混合して均
一に分布した混合物を得るために使用される高速混練機(3)と、
混合物を押し出して成形した後に切断し、成形フィラーを得るために使用される押出切断
機(4)と、
成形フィラーを真空乾燥させ、ポロゲンを除去して成形フィラーの内部を多孔質にし、懸
濁フィラーを得るために使用される真空乾燥装置(5)と、
懸濁フィラーを着磁するために使用される着磁器(6)と、
前記磁性懸濁フィラーの表面に対してバイオ強化成分の負荷を行い、バイオ磁性懸濁フィ
ラーを得るために使用される表面負荷装置(7)と、を含む、ことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水処理の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
バイオフィラーは、バイオフィルム水処理の中核技術の1つであり、懸濁フィラーの添加
は反応器内の微生物集団の組成を高め、気液固三相系間の物質移動効率を向上させ、反応
器の硝化性能を向上させ、そして一部の耐火有機物を劣化させる能力を向上させる。しか
しながら、懸濁フィラーを調製する材料特性の限界は、異なる廃水処理プロセスにおける
懸濁フィラーの適用特性によって制限される。懸濁フィラーの改質は、懸濁フィラー材料
を調製する材料または懸濁フィラーの表面への必要な改質であり、特定のニーズを満たす
ことをより良くすることである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法を提供し、以下のステッ
プを含む。
S1、磁性粉末の表面処理:1〜3mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液に磁性
粉末を浸漬し、浸漬中に撹拌し続け、3〜5時間浸漬した後、取り出して乾燥させ、改質
磁性粉末を得て、改質磁性粉末を撹拌機に入れて撹拌し、チタン酸カップリング剤を白色
鉱油で1:1の質量比で希釈し、希釈後のチタン酸カップリング剤を撹拌機に噴霧し、2
0〜30分間撹拌し続け、活性化磁性粉末を得る。
S2、担体材料の改質:複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2〜2.5:1の質
量比で超音波乳化装置に入れて、1〜2時間の超音波乳化を行い、シリコーンエマルジョ
ンを得て、続いてシリコーンエマルジョンとポリウレタンを1〜3:1の質量比で混合し
、60〜85℃になるまで撹拌して過硫酸アンモニウムコを加えて共重合変性させ、改質
ポリウレタンを得る。
S3、マトリックスの調製:S2で得られた変性ポリウレタン、S1で得られた活性化
磁性粉末および分散潤滑剤、架橋剤およびポロゲンを、変性ポリウレタン80〜90部、
活性化磁性粉末30〜40部、分散潤滑剤10〜12部、架橋剤5〜8部、ポロゲン18
〜20部の割合で混合し、混合後に高速混練機に送り、80〜90℃で5〜8時間高温混
練して混合物を得る。
S4、押出切断:S3で得られた混合物を押出切断機に送り、供給ホッパーの温度を1
70〜190℃に調整し、混合物を軟化させた後にダイにより押し出し、押し出された材
料を真空成形スリーブで成形した後に切断し、成形フィラーを得る。
S5、真空乾燥:S4で得られた成形フィラーを真空乾燥装置に入れ、80〜100℃
で6〜8時間真空乾燥させ、成形フィラー中のポロゲンを除去し、成形フィラーの内部が
多孔質になり、そして冷却後に懸濁フィラーを得る。
S6、着磁:S5で得られた懸濁フィラーを着磁器で着磁して磁性懸濁フィラーを得る

S7、表面強化:S6で得られた磁気懸濁フィラーを表面負荷装置に通過させて、磁気
懸濁フィラーの表面にバイオ強化成分を均一に負荷させ、生物磁気懸濁フィラーを得る。
好ましくは、前記磁性粉末はネオジム鉄ホウ素粉末である。
好ましくは、前記複合乳化剤は、化合物乳化剤は、より安定であり、Si‐80とトリ
デシルイソプロパノールを質量比2:3:1で複合して得られ、複合乳化剤はより安定で
あり、そしてより良好な乳化効果を有する。
【0004】
好ましくは、前記押出切断機は、
ブラケットと、
ブラケットの下部に設けられて押出力を提供する差動モータと、差動モータの出力端に駆
動歯車セットが設けられ、駆動歯車セットの出力端に押出スクリューが接続され、
押出スクリューの外側に設けられた押出バレルと、押出バレル上に供給ホッパーが設け
られ、押出バレルの内壁に加熱装置が均等に埋め込まれ、
押出バレルの排出端に設けられた金型と、押出スクリューは金型により材料を押し出し
て成形し、
金型の排出端に嵌着された真空成形スリーブと、押出材料を冷却し成形するために使用
され、真空成形スリーブの一端の外側に真空発生器が設けられ、真空成形スリーブの内側
を真空にするために使用され、
真空成形スリーブの排出端に設けられた切断装置と、を含み、
切断装置は、十字形状の切断刃と、切断刃に回転力を提供するための切断モータと、を含
む。
【0005】
本発明の押出切断機は、製造工程中の造粒工程を省略することができ、直接押出スクリュ
ーによって材料を金型から押し出して成形することができ、かつ成形後の材料は真空成形
スリーブによって冷却成形した後に直接切断し、処理プロセスを単純化させ、生産コスト
が節約される。
【0006】
好ましくは、前記表面負荷装置は、
懸濁室と、その一端に供給端が設けられ、一端に排出端が設けられ、供給端に磁性懸濁フ
ィラーの進入を制御するためのバルブが設けられ、懸濁室内の頂部に一列の電磁石が等距
離に設けられ、前記電磁石はPLCコントローラによって電気的に制御され、PLCコン
トローラは懸濁室内の側壁に設けられた赤外線モニタによって磁性懸濁フィラーの位置を
監視し、かつ電磁石の磁力を制御することによって磁性懸濁フィラーを懸濁室内に懸濁さ
せ、
懸濁室の底部に設けられたバイオ強化成分の霧化装置と、バイオ強化成分の霧化装置の内
部に霧化器が設けられ、霧化器はバイオ強化成分の貯蔵キャビティに接続され、霧化器は
、複数の霧化ノズルによって霧化後のバイオ強化成分を懸濁室内に噴霧し、霧化成分は、
バイオ強化成分を磁性懸濁フィラーの外面に負荷させるだけでなく、磁性懸濁フィラーの
内孔にバイオ強化成分を負荷することもでき、
懸濁室の内部側面に設けられた冷却収集タンクと、を含み、懸濁室の内部側壁に凝縮した
バイオ強化成分をバイオ強化成分の貯蔵キャビティにリサイクルのために案内かつ収集す
る。
【0007】
本発明の懸濁室は、PLCコントローラによって電磁石の磁力をそれぞれ制御し、懸濁室
の磁性懸濁材料が受けた磁力をそれ自体の重力の大きさと相殺させ、かつバイオ強化成分
は噴霧方式によって懸濁室に噴霧させ、磁性懸濁材料の外面と内孔の両方にバイオ強化成
分を負荷させ、負荷効果がより高い。
【0008】
好ましくは、前記懸濁室は、磁性懸濁フィラーは複数セットを並べて配置して磁性懸濁フ
ィラーの表面負荷を同時に行うことができる。
【0009】
本発明は、さらに、水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの装置を提供し、それは、
磁性粉末を改質および活性化するために使用される霧化改質装置と、
複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを超音波乳化してシリコーン乳化液を得るために
使用される超音波乳化装置と、
改質ポリウレタン、活性化磁性粉末、分散潤滑剤、架橋剤、およびポロゲンを混合して均
一に分布した混合物を得るために使用される高速混練機と、
混合物を押し出して成形した後に切断し、成形フィラーを得るために使用される押出切断
機と、
成形フィラーを真空乾燥させ、ポロゲンを除去して成形フィラーの内部を多孔質にし、懸
濁フィラーを得るために使用される真空乾燥装置と、
懸濁フィラーを着磁するために使用される着磁器と、
前記磁性懸濁フィラーの表面に対してバイオ強化成分の負荷を行い、バイオ磁性懸濁フィ
ラーを得るために使用される表面負荷装置と、を含む。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記バイオ強化成分は、塩化カルシウム、ビタミンC、アルギ
ン酸ナトリウム、システイン、ポリビニルアルコールおよび水を1:4:3:5:3:2
0の質量比で混合して得られ、バイオ強化成分はバイオ磁性懸濁フィラーに付着して、下
水処理微生物の活性を増強させ、生物学的酵素の分解を促進させ、そして下水処理の効率
を高めることができる。
【0011】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
1、前記フィラーは、同じ形状および仕様の一般的なプラスチック懸濁フィラーと比べて
、アンモニア態窒素の除去効率を大幅に向上させ、バイオフィルムのデヒドロゲナーゼ活
性を増加させることができ、かつ懸濁フィラー上のバイオフィルムの成長速度も大幅に向
上させる。
2、前記フィラーは製造工程で粒状化する必要がなく、混合材料を直接押出して成形し、
かつ切断することができ、それは加工プロセスを単純化させ、製造コストを節約する。
3、前記フィラーは、比表面積が大きく、親水性が高く、膜成形効率が高く、かつ水中微
生物の活性を高めることができ、それによって下水処理効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明の装置全体の概略図である。
図2図2は本発明の押出切断機の構造概略図である。
図3図3は本発明の表面負荷装置の構造概略図である。
図4図4は本発明の実施例1のフィラーの調製におけるアンモニア態窒素の除去効果の比較図である。
図5図5は本発明の実施例1のフィラーの調製におけるバイオフィルム量の比較図である。ここで、1−霧化改質装置、2−超音波乳化装置、3−高速混練機、4−押出切断機、41−ブラケット、42−差動モータ、43−駆動歯車セット、44−押出スクリュー、45−押出バレル、451−加熱装置、46−供給ホッパー、47−金型、48−真空成形スリーブ、481−真空発生装置、49−切断装置、491−切断刃、492−切断モータ、5−真空乾燥装置、6−着磁器、7−表面負荷装置、71−懸濁室、72−供給端、721−バルブ、73−排出端、74−電磁石、75−PLCコントローラ、751−赤外線モニタ、76−バイオ強化成分霧化装置、761−霧化器、762−バイオ強化成分貯蔵キャビティ、763−霧化ノズル、77−冷却収集タンク。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の技術的解決手段を理解しやすくなるために、以下は、図面1〜5および具体的な
実施例を参照してさらに説明する。
【0014】
実施例1
水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製は、以下のステップを含む。
S1、磁性粉末の表面処理:1mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液に磁性粉末
を浸漬し、前記磁性粉末はネオジム鉄ホウ素粉末であり、浸漬中に撹拌し続け、3時間浸
漬した後、取り出して乾燥させ、改質磁性粉末を得て、改質磁性粉末を撹拌機に入れて撹
拌し、チタン酸カップリング剤を白色鉱油で1:1の質量比で希釈し、希釈後のチタン酸
カップリング剤を撹拌機に噴霧し、20分間撹拌し続け、活性化磁性粉末を得る。
S2、担体材料の改質:複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2:1の質量比で超
音波乳化装置に入れて、1時間の超音波乳化を行い、シリコーンエマルジョンを得て、続
いてシリコーンエマルジョンとポリウレタンを1:1の質量比で混合し、60℃になるま
で撹拌して過硫酸アンモニウムコを加えて共重合変性させ、改質ポリウレタンを得て、複
合乳化剤は、Si‐80とトリデシルイソプロパノールを質量比2:1で複合して得られ
る。
S3、マトリックスの調製:S2で得られた変性ポリウレタン、S1で得られた活性化
磁性粉末および分散潤滑剤、架橋剤およびポロゲンを、変性ポリウレタン80部、活性化
磁性粉末30部、分散潤滑剤10部、架橋剤5部、ポロゲン18部の割合で混合し、混合
後に高速混練機に送り、80℃で5時間高温混練して混合物を得る。
S4、押出切断:S3で得られた混合物を押出切断機に送り、供給ホッパーの温度を1
70℃に調整し、混合物を軟化させた後にダイにより押し出し、押し出された材料を真空
成形スリーブで成形した後に切断し、成形フィラーを得る。
S5、真空乾燥:S4で得られた成形フィラーを真空乾燥装置に入れ、80℃で6時間
真空乾燥させ、成形フィラー中のポロゲンを除去し、成形フィラーの内部が多孔質になり
、そして冷却後に懸濁フィラーを得る。
S6、着磁:S5で得られた懸濁フィラーを着磁器で着磁して磁性懸濁フィラーを得る

S7、表面強化:S6で得られた磁気懸濁フィラーを表面負荷装置に通過させて、磁気
懸濁フィラーの表面にバイオ強化成分を均一に負荷させ、生物磁気懸濁フィラーを得て、
バイオ強化成分は、塩化カルシウム、ビタミンC、アルギン酸ナトリウム、システイン、
ポリビニルアルコールおよび水を1:4:3:5:3:20の質量比で混合して得られる
【0015】
実施例2
実施例1との違いについて、
S1、2mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液で磁性粉末を浸漬する、
4時間浸漬した後、取り出して乾燥させる、
25分間撹拌し続ける。
S2、複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2.3:1の質量比で超音波乳化装置に
入れて、1.5時間の超音波乳化を行う、
シリコーンエマルジョンとポリウレタンを2:1の質量比で混合する、
75℃になるまで撹拌する、
複合乳化剤は、Si‐80とトリデシルイソプロパノールを質量比2.5:1で複合して
得られる。
S3、材料配合:変性ポリウレタン85部、活性化磁性粉末35部、分散潤滑剤14部、
架橋剤7部、ポロゲン19部、
80℃で7時間高温混練する。
S4、供給ホッパーの温度を180℃に調整する。
S5、90℃で7時間真空乾燥させる。
【0016】
実施例3
実施例1との違いについて、
S1、3mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液で磁性粉末を浸漬する、
5時間浸漬した後、取り出して乾燥させる、
30分間撹拌し続ける。
S2、複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2.5:1の質量比で超音波乳化装置に
入れて、2時間の超音波乳化を行う、
シリコーンエマルジョンとポリウレタンを3:1の質量比で混合する、
85℃になるまで撹拌する、
複合乳化剤は、Si‐80とトリデシルイソプロパノールを質量比3:1で複合して得ら
れる。
S3、材料配合:変性ポリウレタン90部、活性化磁性粉末40部、分散潤滑剤12部、
架橋剤8部、ポロゲン20部、
90℃で7時間高温混練する。
S4、供給ホッパーの温度を190℃に調整する。
S5、100℃で8時間真空乾燥させる。
【0017】
図2に示すとおり、上記実施例1〜3に使用される押出切断機は、
ブラケット41と、
ブラケット41の下部に設けられて押出力を提供する差動モータ42と、差動モータ42
の出力端に駆動歯車セット43が設けられ、駆動歯車セット43の出力端に押出スクリュ
ー44が接続され、
押出スクリュー44の外側に設けられた押出バレル45と、押出バレル45上に供給ホ
ッパー46が設けられ、押出バレル45の内壁に加熱装置451が均等に埋め込まれ、
押出バレル45の排出端に設けられた金型47と、押出スクリュー44は金型47によ
り材料を押し出して成形し、
金型47の排出端に嵌着された真空成形スリーブ48と、押出材料を冷却し成形するた
めに使用され、真空成形スリーブ48の一端の外側に真空発生器481が設けられ、真空
成形スリーブ48の内側を真空にするために使用され、
真空成形スリーブ48の排出端に設けられた切断装置49と、を含み、
切断装置49は、十字形状の切断刃491と、切断刃491に回転力を提供するための切
断モータ492と、を含む。
【0018】
図3に示すとおり、上記実施例1〜3に使用される表面負荷装置は、
懸濁室71と、その一端に供給端72が設けられ、一端に排出端73が設けられ、供給端
72に磁性懸濁フィラーの進入を制御するためのバルブ721が設けられ、懸濁室71内
の頂部に一列の電磁石74が等距離に設けられ、前記電磁石74はPLCコントローラ7
5によって電気的に制御され、PLCコントローラ75は懸濁室71内の側壁に設けられ
た赤外線モニタ751によって磁性懸濁フィラーの位置を監視し、かつ電磁石74の磁力
を制御することによって磁性懸濁フィラーを懸濁室71内に懸濁させ、
懸濁室71の底部に設けられたバイオ強化成分の霧化装置76と、バイオ強化成分の霧化
装置76の内部に霧化器761が設けられ、霧化器761はバイオ強化成分の貯蔵キャビ
ティ762に接続され、霧化器761は、複数の霧化ノズル763によって霧化後のバイ
オ強化成分を懸濁室71内に噴霧し、霧化成分は、バイオ強化成分を磁性懸濁フィラーの
外面に負荷させるだけでなく、磁性懸濁フィラーの内孔にバイオ強化成分を負荷すること
もでき、
懸濁室71の内部側面に設けられた冷却収集タンク77と、を含み、懸濁室71の内部側
壁に凝縮したバイオ強化成分をバイオ強化成分の貯蔵キャビティ762にリサイクルのた
めに案内かつ収集する。
【0019】
図1に示すとおり、上記実施例1〜3に使用されるバイオ磁性懸濁フィラーの調製装置は

磁性粉末を改質および活性化するために使用される霧化改質装置1と、
複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを超音波乳化してシリコーン乳化液を得るために
使用される超音波乳化装置2と、
改質ポリウレタン、活性化磁性粉末、分散潤滑剤、架橋剤、およびポロゲンを混合して均
一に分布した混合物を得るために使用される高速混練機3と、
混合物を押し出して成形した後に切断し、成形フィラーを得るために使用される押出切断
機4と、
成形フィラーを真空乾燥させ、ポロゲンを除去して成形フィラーの内部を多孔質にし、懸
濁フィラーを得るために使用される真空乾燥装置5と、
懸濁フィラーを着磁するために使用される着磁器6と、
前記磁性懸濁フィラーの表面に対してバイオ強化成分の負荷を行い、バイオ磁性懸濁フィ
ラーを得るために使用される表面負荷装置と、を含む。
【0020】
デヒドロゲナーゼ活性の比較:実施例2で調製されたフィラーおよび同じ形状と仕様の通
常の高密度ポリエチレン懸濁フィラーをそれぞれ同じ条件下での下水好気性生物学的処理
システムに入れ、デヒドロゲナーゼ活性の比較実験を行い、流入COD濃度は350mg
/Lであり、流入アンモニア態窒素濃度は50mg/Lであり、水中の溶存酸素は0.8
?1.2mg/ Lに制御する。2つの反応器に膜成形が成功した後、懸濁フィラーに付
着したバイオフィルムに対してデヒドロゲナーゼ活性の測定を行い、実施例2で調製され
たバイオ磁性懸濁フィラーに付着したバイオフィルムのデヒドロゲナーゼ活性は207.
23mg TF/g SSであり、従来の高密度ポリエチレン懸濁フィラーに付着したバイオフ
ィルムのデヒドロゲナーゼ活性はわずか108.58mg TF/g SSであり、すな
わちバイオフィルムのデヒドロゲナーゼ活性は90%向上する。
【0021】
アンモニア態窒素除去効果の比較:実施例3で調製されたフィラーおよび同じ形状と仕様
の通常の高密度ポリエチレン懸濁フィラーをそれぞれ同じ条件下での下水好気性生物学的
処理システムに入れ、デヒドロゲナーゼ活性の比較実験を行い、流入COD濃度は350
mg/Lであり、流入アンモニア態窒素濃度は50mg/Lであり、水中の溶存酸素は0
.8?1.2mg/ Lに制御する。図4に示すとおり、実施例3で調製されたバイオ磁
性懸濁フィラーを使用するMBBRシステムは、10日目から、そのアンモニア態窒素除
去率は通常の懸濁フィラーより常に高く、かつ24日目にアンモニア態窒素除去率は73
%に達し、通常の高密度ポリエチレン懸濁フィラーを使用するMBBRシステムは、わず
か26%のアンモニア態窒素除去率を有する。
【0022】
バイオフィルム量の比較:実施例3で調製されたフィラーおよび同じ形状と仕様の通常の
高密度ポリエチレン懸濁フィラーをそれぞれ同じ条件下での下水好気性生物学的処理シス
テムに入れ、デヒドロゲナーゼ活性の比較実験を行い、流入COD濃度は350mg/L
であり、流入アンモニア態窒素濃度は50mg/Lであり、水中の溶存酸素は0.8?1
.2mg/ Lに制御する。図5に示すとおり、実施例3で調製されたバイオ磁性懸濁フ
ィラー上のバイオフィルム重量は通常の懸濁フィラーより常に高く、かつ24日目にその
バイオフィルム重量は47.75mg/個であると測定され、通常の高密度ポリエチレン
懸濁フィラーの2倍以上である。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2020年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法であって、
S1、1〜3mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液に磁性粉末を浸漬し、浸漬中
に撹拌し続け、3〜5時間浸漬した後、取り出して乾燥させ、改質磁性粉末を得て、改質
磁性粉末を撹拌機に入れて撹拌し、チタン酸カップリング剤を白色鉱油で1:1の質量比
で希釈し、希釈後のチタン酸カップリング剤を撹拌機に噴霧し、20〜30分間撹拌し続
け、活性化磁性粉末を得る磁性粉末の表面処理ステップと、
S2、乳化剤とフェニルトリクロロシランを2〜2.5:1の質量比で超音波乳化装置
に入れて、1〜2時間の超音波乳化を行い、シリコーンエマルジョンを得て、続いてシリ
コーンエマルジョンとポリウレタンを1〜3:1の質量比で混合し、60〜85℃になる
まで撹拌して過硫酸アンモニウムを加えて共重合変性させ、改質ポリウレタンを得る担体
材料の改質ステップと、
S3、S2で得られた改質ポリウレタン、S1で得られた活性化磁性粉末および分散潤
滑剤、架橋剤およびポロゲンを、改質ポリウレタン80〜90部、活性化磁性粉末30〜
40部、分散潤滑剤10〜12部、架橋剤5〜8部、ポロゲン18〜20部の割合で混合
し、混合後に高速混練機に送り、80〜90℃で5〜8時間高温混練して混合物を得るマ
トリックスの調製ステップと、
S4、S3で得られた混合物を押出切断機に送り、供給ホッパーの温度を170〜19
0℃に調整し、混合物を軟化させた後にダイにより押し出し、押し出された材料を真空成
形スリーブで成形した後に切断し、成形フィラーを得る押出切断ステップと、
S5、S4で得られた成形フィラーを真空乾燥装置に入れ、80〜100℃で6〜8時
間真空乾燥させ、成形フィラー中のポロゲンを除去し、成形フィラーの内部が多孔質にな
り、そして冷却後に懸濁フィラーを得る真空乾燥ステップと、
S6、S5で得られた懸濁フィラーを着磁器で着磁して磁性懸濁フィラーを得る着磁ス
テップと、
S7、S6で得られた磁気懸濁フィラーを表面付加装置に通過させて、磁気懸濁フィラ
ーの表面にバイオ活性強化成分を均一に付加させ、生物磁気懸濁フィラーを得る表面強化
ステップと、
を含むことを特徴とする、水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水処理の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
バイオフィラーは、バイオフィルム水処理の中核技術の1つであり、懸濁フィラーの添加
は反応器内の微生物集団の組成を高め、気液固三相系間の物質移動効率を向上させ、反応
器の硝化性能を向上させ、そして一部の耐火有機物を劣化させる能力を向上させる。しか
しながら、懸濁フィラーを調製する材料特性の限界は、異なる廃水処理プロセスにおける
懸濁フィラーの適用特性によって制限される。懸濁フィラーの改質は、懸濁フィラー材料
を調製する材料または懸濁フィラーの表面への必要な改質であり、特定のニーズを満たす
ことをより良くすることである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製方法を提供し、以下のステッ
プを含む。
S1、磁性粉末の表面処理:1〜3mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液に磁性
粉末を浸漬し、浸漬中に撹拌し続け、3〜5時間浸漬した後、取り出して乾燥させ、改質
磁性粉末を得て、改質磁性粉末を撹拌機に入れて撹拌し、チタン酸カップリング剤を白色
鉱油で1:1の質量比で希釈し、希釈後のチタン酸カップリング剤を撹拌機に噴霧し、2
0〜30分間撹拌し続け、活性化磁性粉末を得る。
S2、担体材料の改質:複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2〜2.5:1の質
量比で超音波乳化装置に入れて、1〜2時間の超音波乳化を行い、シリコーンエマルジョ
ンを得て、続いてシリコーンエマルジョンとポリウレタンを1〜3:1の質量比で混合し
、60〜85℃になるまで撹拌して過硫酸アンモニウムを加えて共重合変性させ、改質ポ
リウレタンを得る。
S3、マトリックスの調製:S2で得られた改質ポリウレタン、S1で得られた活性化
磁性粉末および分散潤滑剤、架橋剤およびポロゲンを、改質ポリウレタン80〜90部、
活性化磁性粉末30〜40部、分散潤滑剤10〜12部、架橋剤5〜8部、ポロゲン18
〜20部の割合で混合し、混合後に高速混練機に送り、80〜90℃で5〜8時間高温混
練して混合物を得る。
S4、押出切断:S3で得られた混合物を押出切断機に送り、供給ホッパーの温度を1
70〜190℃に調整し、混合物を軟化させた後にダイにより押し出し、押し出された材
料を真空成形スリーブで成形した後に切断し、成形フィラーを得る。
S5、真空乾燥:S4で得られた成形フィラーを真空乾燥装置に入れ、80〜100℃
で6〜8時間真空乾燥させ、成形フィラー中のポロゲンを除去し、成形フィラーの内部が
多孔質になり、そして冷却後に懸濁フィラーを得る。
S6、着磁:S5で得られた懸濁フィラーを着磁器で着磁して磁性懸濁フィラーを得る

S7、表面強化:S6で得られた磁気懸濁フィラーを表面付加装置に通過させて、磁気
懸濁フィラーの表面にバイオ活性強化成分を均一に付加させ、生物磁気懸濁フィラーを得
る。
好ましくは、前記磁性粉末はネオジム鉄ホウ素粉末である。
好ましくは、前記複合乳化剤は、化合物乳化剤は、より安定であり、Si‐80とトリ
デシルイソプロパノールを質量比2:3:1で複合して得られ、複合乳化剤はより安定で
あり、そしてより良好な乳化効果を有する。
【0004】
好ましくは、前記押出切断機は、
ブラケットと、
ブラケットの下部に設けられて押出力を提供する差動モータと、差動モータの出力端に駆
動歯車セットが設けられ、駆動歯車セットの出力端に押出スクリューが接続され、
押出スクリューの外側に設けられた押出バレルと、押出バレル上に供給ホッパーが設け
られ、押出バレルの内壁に加熱装置が均等に埋め込まれ、
押出バレルの排出端に設けられた金型と、押出スクリューは金型により材料を押し出し
て成形し、
金型の排出端に嵌着された真空成形スリーブと、押出材料を冷却し成形するために使用
され、真空成形スリーブの一端の外側に真空発生器が設けられ、真空成形スリーブの内側
を真空にするために使用され、
真空成形スリーブの排出端に設けられた切断装置と、を含み、
切断装置は、十字形状の切断刃と、切断刃に回転力を提供するための切断モータと、を含
む。
【0005】
本発明の押出切断機は、製造工程中の造粒工程を省略することができ、直接押出スクリュ
ーによって材料を金型から押し出して成形することができ、かつ成形後の材料は真空成形
スリーブによって冷却成形した後に直接切断し、処理プロセスを単純化させ、生産コスト
が節約される。
【0006】
好ましくは、前記表面付加装置は、
懸濁室と、その一端に供給端が設けられ、一端に排出端が設けられ、供給端に磁性懸濁フ
ィラーの進入を制御するためのバルブが設けられ、懸濁室内の頂部に一列の電磁石が等距
離に設けられ、前記電磁石はPLCコントローラによって電気的に制御され、PLCコン
トローラは懸濁室内の側壁に設けられた赤外線モニタによって磁性懸濁フィラーの位置を
監視し、かつ電磁石の磁力を制御することによって磁性懸濁フィラーを懸濁室内に懸濁さ
せ、
懸濁室の底部に設けられたバイオ活性強化成分の霧化装置と、バイオ活性強化成分の霧化
装置の内部に霧化器が設けられ、霧化器はバイオ活性強化成分の貯蔵キャビティに接続さ
れ、霧化器は、複数の霧化ノズルによって霧化後のバイオ活性強化成分を懸濁室内に噴霧
し、霧化成分は、バイオ活性強化成分を磁性懸濁フィラーの外面に付加させるだけでなく
、磁性懸濁フィラーの内孔にバイオ活性強化成分付加することもでき、
懸濁室の内部側面に設けられた冷却収集タンクと、を含み、懸濁室の内部側壁に凝縮した
バイオ活性強化成分バイオ活性強化成分の貯蔵キャビティにリサイクルのために案内か
つ収集する。
【0007】
本発明の懸濁室は、PLCコントローラによって電磁石の磁力をそれぞれ制御し、懸濁室
の磁性懸濁材料が受けた磁力をそれ自体の重力の大きさと相殺させ、かつバイオ活性強化
成分は噴霧方式によって懸濁室に噴霧させ、磁性懸濁材料の外面と内孔の両方にバイオ活
性強化成分付加させ、付加効果がより高い。
【0008】
好ましくは、前記懸濁室は、磁性懸濁フィラーは複数セットを並べて配置して磁性懸濁フ
ィラーの表面付加を同時に行うことができる。
【0009】
本発明は、さらに、水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの装置を提供し、それは、
磁性粉末を改質および活性化するために使用される霧化改質装置と、
複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを超音波乳化してシリコーン乳化液を得るために
使用される超音波乳化装置と、
改質ポリウレタン、活性化磁性粉末、分散潤滑剤、架橋剤、およびポロゲンを混合して均
一に分布した混合物を得るために使用される高速混練機と、
混合物を押し出して成形した後に切断し、成形フィラーを得るために使用される押出切断
機と、
成形フィラーを真空乾燥させ、ポロゲンを除去して成形フィラーの内部を多孔質にし、懸
濁フィラーを得るために使用される真空乾燥装置と、
懸濁フィラーを着磁するために使用される着磁器と、
前記磁性懸濁フィラーの表面に対してバイオ活性強化成分付加を行い、バイオ磁性懸濁
フィラーを得るために使用される表面付加装置と、を含む。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記バイオ活性強化成分は、塩化カルシウム、ビタミンC、ア
ルギン酸ナトリウム、システイン、ポリビニルアルコールおよび水を1:4:3:5:3
:20の質量比で混合して得られ、バイオ活性強化成分はバイオ磁性懸濁フィラーに付着
して、下水処理微生物の活性を増強させ、生物学的酵素の分解を促進させ、そして下水処
理の効率を高めることができる。
【0011】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
1、前記フィラーは、同じ形状および仕様の一般的なプラスチック懸濁フィラーと比べて
、アンモニア態窒素の除去効率を大幅に向上させ、バイオフィルムのデヒドロゲナーゼ活
性を増加させることができ、かつ懸濁フィラー上のバイオフィルムの成長速度も大幅に向
上させる。
2、前記フィラーは製造工程で粒状化する必要がなく、混合材料を直接押出して成形し、
かつ切断することができ、それは加工プロセスを単純化させ、製造コストを節約する。
3、前記フィラーは、比表面積が大きく、親水性が高く、膜成形効率が高く、かつ水中微
生物の活性を高めることができ、それによって下水処理効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明の装置全体の概略図である。
図2図2は本発明の押出切断機の構造概略図である。
図3図3は本発明の表面付加装置の構造概略図である。
図4図4は本発明の実施例1のフィラーの調製におけるアンモニア態窒素の除去効果の比較図である。
図5図5は本発明の実施例1のフィラーの調製におけるバイオフィルム量の比較図である。ここで、1−霧化改質装置、2−超音波乳化装置、3−高速混練機、4−押出切断機、41−ブラケット、42−差動モータ、43−駆動歯車セット、44−押出スクリュー、45−押出バレル、451−加熱装置、46−供給ホッパー、47−金型、48−真空成形スリーブ、481−真空発生装置、49−切断装置、491−切断刃、492−切断モータ、5−真空乾燥装置、6−着磁器、7−表面付加装置、71−懸濁室、72−供給端、721−バルブ、73−排出端、74−電磁石、75−PLCコントローラ、751−赤外線モニタ、76−バイオ活性強化成分霧化装置、761−霧化器、762−バイオ活性強化成分貯蔵キャビティ、763−霧化ノズル、77−冷却収集タンク。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の技術的解決手段を理解しやすくなるために、以下は、図面1〜5および具体的な
実施例を参照してさらに説明する。
【0014】
実施例1
水処理用の新規バイオ磁性懸濁フィラーの調製は、以下のステップを含む。
S1、磁性粉末の表面処理:1mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液に磁性粉末
を浸漬し、前記磁性粉末はネオジム鉄ホウ素粉末であり、浸漬中に撹拌し続け、3時間浸
漬した後、取り出して乾燥させ、改質磁性粉末を得て、改質磁性粉末を撹拌機に入れて撹
拌し、チタン酸カップリング剤を白色鉱油で1:1の質量比で希釈し、希釈後のチタン酸
カップリング剤を撹拌機に噴霧し、20分間撹拌し続け、活性化磁性粉末を得る。
S2、担体材料の改質:複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2:1の質量比で超
音波乳化装置に入れて、1時間の超音波乳化を行い、シリコーンエマルジョンを得て、続
いてシリコーンエマルジョンとポリウレタンを1:1の質量比で混合し、60℃になるま
で撹拌して過硫酸アンモニウムを加えて共重合変性させ、改質ポリウレタンを得て、複合
乳化剤は、Si‐80とトリデシルイソプロパノールを質量比2:1で複合して得られる

S3、マトリックスの調製:S2で得られた改質ポリウレタン、S1で得られた活性化
磁性粉末および分散潤滑剤、架橋剤およびポロゲンを、改質ポリウレタン80部、活性化
磁性粉末30部、分散潤滑剤10部、架橋剤5部、ポロゲン18部の割合で混合し、混合
後に高速混練機に送り、80℃で5時間高温混練して混合物を得る。
S4、押出切断:S3で得られた混合物を押出切断機に送り、供給ホッパーの温度を1
70℃に調整し、混合物を軟化させた後にダイにより押し出し、押し出された材料を真空
成形スリーブで成形した後に切断し、成形フィラーを得る。
S5、真空乾燥:S4で得られた成形フィラーを真空乾燥装置に入れ、80℃で6時間
真空乾燥させ、成形フィラー中のポロゲンを除去し、成形フィラーの内部が多孔質になり
、そして冷却後に懸濁フィラーを得る。
S6、着磁:S5で得られた懸濁フィラーを着磁器で着磁して磁性懸濁フィラーを得る

S7、表面強化:S6で得られた磁気懸濁フィラーを表面付加装置に通過させて、磁気
懸濁フィラーの表面にバイオ活性強化成分を均一に付加させ、生物磁気懸濁フィラーを得
て、バイオ活性強化成分は、塩化カルシウム、ビタミンC、アルギン酸ナトリウム、シス
テイン、ポリビニルアルコールおよび水を1:4:3:5:3:20の質量比で混合して
得られる。
【0015】
実施例2
実施例1との違いについて、
S1、2mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液で磁性粉末を浸漬する、
4時間浸漬した後、取り出して乾燥させる、
25分間撹拌し続ける。
S2、複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2.3:1の質量比で超音波乳化装置に
入れて、1.5時間の超音波乳化を行う、
シリコーンエマルジョンとポリウレタンを2:1の質量比で混合する、
75℃になるまで撹拌する、
複合乳化剤は、Si‐80とトリデシルイソプロパノールを質量比2.5:1で複合して
得られる。
S3、材料配合:改質ポリウレタン85部、活性化磁性粉末35部、分散潤滑剤14部、
架橋剤7部、ポロゲン19部、
80℃で7時間高温混練する。
S4、供給ホッパーの温度を180℃に調整する。
S5、90℃で7時間真空乾燥させる。
【0016】
実施例3
実施例1との違いについて、
S1、3mol/Lの過硫酸アルカリカリウム水溶液で磁性粉末を浸漬する、
5時間浸漬した後、取り出して乾燥させる、
30分間撹拌し続ける。
S2、複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを2.5:1の質量比で超音波乳化装置に
入れて、2時間の超音波乳化を行う、
シリコーンエマルジョンとポリウレタンを3:1の質量比で混合する、
85℃になるまで撹拌する、
複合乳化剤は、Si‐80とトリデシルイソプロパノールを質量比3:1で複合して得ら
れる。
S3、材料配合:改質ポリウレタン90部、活性化磁性粉末40部、分散潤滑剤12部、
架橋剤8部、ポロゲン20部、
90℃で7時間高温混練する。
S4、供給ホッパーの温度を190℃に調整する。
S5、100℃で8時間真空乾燥させる。
【0017】
図2に示すとおり、上記実施例1〜3に使用される押出切断機は、
ブラケット41と、
ブラケット41の下部に設けられて押出力を提供する差動モータ42と、差動モータ42
の出力端に駆動歯車セット43が設けられ、駆動歯車セット43の出力端に押出スクリュ
ー44が接続され、
押出スクリュー44の外側に設けられた押出バレル45と、押出バレル45上に供給ホ
ッパー46が設けられ、押出バレル45の内壁に加熱装置451が均等に埋め込まれ、
押出バレル45の排出端に設けられた金型47と、押出スクリュー44は金型47によ
り材料を押し出して成形し、
金型47の排出端に嵌着された真空成形スリーブ48と、押出材料を冷却し成形するた
めに使用され、真空成形スリーブ48の一端の外側に真空発生器481が設けられ、真空
成形スリーブ48の内側を真空にするために使用され、
真空成形スリーブ48の排出端に設けられた切断装置49と、を含み、
切断装置49は、十字形状の切断刃491と、切断刃491に回転力を提供するための切
断モータ492と、を含む。
【0018】
図3に示すとおり、上記実施例1〜3に使用される表面付加装置は、
懸濁室71と、その一端に供給端72が設けられ、一端に排出端73が設けられ、供給端
72に磁性懸濁フィラーの進入を制御するためのバルブ721が設けられ、懸濁室71内
の頂部に一列の電磁石74が等距離に設けられ、前記電磁石74はPLCコントローラ7
5によって電気的に制御され、PLCコントローラ75は懸濁室71内の側壁に設けられ
た赤外線モニタ751によって磁性懸濁フィラーの位置を監視し、かつ電磁石74の磁力
を制御することによって磁性懸濁フィラーを懸濁室71内に懸濁させ、
懸濁室71の底部に設けられたバイオ活性強化成分の霧化装置76と、バイオ活性強化成
の霧化装置76の内部に霧化器761が設けられ、霧化器761はバイオ活性強化成分
の貯蔵キャビティ762に接続され、霧化器761は、複数の霧化ノズル763によって
霧化後のバイオ活性強化成分を懸濁室71内に噴霧し、霧化成分は、バイオ活性強化成分
を磁性懸濁フィラーの外面に付加させるだけでなく、磁性懸濁フィラーの内孔にバイオ活
性強化成分付加することもでき、
懸濁室71の内部側面に設けられた冷却収集タンク77と、を含み、懸濁室71の内部側
壁に凝縮したバイオ活性強化成分バイオ活性強化成分の貯蔵キャビティ762にリサイ
クルのために案内かつ収集する。
【0019】
図1に示すとおり、上記実施例1〜3に使用されるバイオ磁性懸濁フィラーの調製装置は

磁性粉末を改質および活性化するために使用される霧化改質装置1と、
複合乳化剤とフェニルトリクロロシランを超音波乳化してシリコーン乳化液を得るために
使用される超音波乳化装置2と、
改質ポリウレタン、活性化磁性粉末、分散潤滑剤、架橋剤、およびポロゲンを混合して均
一に分布した混合物を得るために使用される高速混練機3と、
混合物を押し出して成形した後に切断し、成形フィラーを得るために使用される押出切断
機4と、
成形フィラーを真空乾燥させ、ポロゲンを除去して成形フィラーの内部を多孔質にし、懸
濁フィラーを得るために使用される真空乾燥装置5と、
懸濁フィラーを着磁するために使用される着磁器6と、
前記磁性懸濁フィラーの表面に対してバイオ活性強化成分付加を行い、バイオ磁性懸濁
フィラーを得るために使用される表面付加装置と、を含む。
【0020】
デヒドロゲナーゼ活性の比較:実施例2で調製されたフィラーおよび同じ形状と仕様の通
常の高密度ポリエチレン懸濁フィラーをそれぞれ同じ条件下での下水好気性生物学的処理
システムに入れ、デヒドロゲナーゼ活性の比較実験を行い、流入COD濃度は350mg
/Lであり、流入アンモニア態窒素濃度は50mg/Lであり、水中の溶存酸素は0.8
?1.2mg/ Lに制御する。2つの反応器に膜成形が成功した後、懸濁フィラーに付
着したバイオフィルムに対してデヒドロゲナーゼ活性の測定を行い、実施例2で調製され
たバイオ磁性懸濁フィラーに付着したバイオフィルムのデヒドロゲナーゼ活性は207.
23mg TF/g SSであり、従来の高密度ポリエチレン懸濁フィラーに付着したバイオフ
ィルムのデヒドロゲナーゼ活性はわずか108.58mg TF/g SSであり、すな
わちバイオフィルムのデヒドロゲナーゼ活性は90%向上する。
【0021】
アンモニア態窒素除去効果の比較:実施例3で調製されたフィラーおよび同じ形状と仕様
の通常の高密度ポリエチレン懸濁フィラーをそれぞれ同じ条件下での下水好気性生物学的
処理システムに入れ、デヒドロゲナーゼ活性の比較実験を行い、流入COD濃度は350
mg/Lであり、流入アンモニア態窒素濃度は50mg/Lであり、水中の溶存酸素は0
.8?1.2mg/ Lに制御する。図4に示すとおり、実施例3で調製されたバイオ磁
性懸濁フィラーを使用するMBBRシステムは、10日目から、そのアンモニア態窒素除
去率は通常の懸濁フィラーより常に高く、かつ24日目にアンモニア態窒素除去率は73
%に達し、通常の高密度ポリエチレン懸濁フィラーを使用するMBBRシステムは、わず
か26%のアンモニア態窒素除去率を有する。
【0022】
バイオフィルム量の比較:実施例3で調製されたフィラーおよび同じ形状と仕様の通常の
高密度ポリエチレン懸濁フィラーをそれぞれ同じ条件下での下水好気性生物学的処理シス
テムに入れ、デヒドロゲナーゼ活性の比較実験を行い、流入COD濃度は350mg/L
であり、流入アンモニア態窒素濃度は50mg/Lであり、水中の溶存酸素は0.8?1
.2mg/ Lに制御する。図5に示すとおり、実施例3で調製されたバイオ磁性懸濁フ
ィラー上のバイオフィルム重量は通常の懸濁フィラーより常に高く、かつ24日目にその
バイオフィルム重量は47.75mg/個であると測定され、通常の高密度ポリエチレン
懸濁フィラーの2倍以上である。