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特開2020-199533金属付加製造装置及び付加造形物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-199533(P2020-199533A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】金属付加製造装置及び付加造形物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20201120BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20201120BHJP
【FI】
   B23K26/34
   B23K26/21 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-108691(P2019-108691)
(22)【出願日】2019年6月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】田野 誠
(72)【発明者】
【氏名】椎葉 好一
(72)【発明者】
【氏名】長濱 貴也
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA33
4E168BA35
4E168BA81
4E168BA83
4E168BA87
4E168CB03
4E168CB08
4E168DA23
4E168DA26
(57)【要約】
【課題】異種金属間の接合面における剥離が抑制され、且つ低コストである付加造形物の製造が可能な金属付加製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】金属付加製造装置1は、第一金属材料で形成されたベース部材100に異なる種類の第二金属材料を付加して付加造形物110を製造する。ベース部材は、ベース本体101と、ベース本体の表面101aにおいて隣接して形成される線状で複数の第一ビード102と、を備える。金属付加製造装置1は、粉末材料供給装置10と、造形光ビーム照射装置20と、第二ビード103を形成する第二ビード形成制御部32と、肉盛層104を形成する肉盛層形成制御部33と、を備える。複数の第一ビードは、ベース本体の表面上で区画される複数箇所の領域Ar1−Ar4にそれぞれ備えられ、領域毎で同一である複数の第一ビードの延在方向は複数存在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一金属材料で形成されたベース部材に前記第一金属材料とは異なる種類の第二金属材料を付加して付加造形物を製造する金属付加製造装置であって、
前記ベース部材は、
ベース本体と、
前記ベース本体の表面において所定の隙間を有してそれぞれ隣接し、且つ所定の幅で形成される線状で複数の第一ビードと、を備え、
前記金属付加製造装置は、
前記第二金属材料から形成される第二粉末材料を、前記ベース本体の前記表面に形成される前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給する粉末材料供給装置と、
前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給される前記第二粉末材料を溶融させるための造形光ビームを照射する造形光ビーム照射装置と、
前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの間に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて前記第一ビードと並列で且つ前記第一ビードと固着する線状の第二ビードを形成する第二ビード形成制御部と、
前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの上方に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて、前記第一ビード及び前記第二ビードと固着する肉盛層を形成する肉盛層形成制御部と、
を備え、
前記複数の第一ビードは、前記ベース本体の前記表面上で区画される複数箇所の領域にそれぞれ備えられ、領域毎で同一である前記複数の第一ビードの延在方向は、複数存在する、金属付加製造装置。
【請求項2】
前記粉末材料供給装置は、前記第一金属材料から形成される第一粉末材料を、前記ベース本体の前記表面上で区画される前記複数箇所の前記領域内に噴射して供給し、
前記造形光ビーム照射装置は、前記領域内に供給される前記第一粉末材料を溶融させるための前記造形光ビームを照射し、
前記金属付加製造装置は、さらに、
前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数箇所の前記領域内に供給した前記第一粉末材料を溶融させた後、固化させて、前記ベース本体と固着する前記線状の前記第一ビードを前記領域内に形成する第一ビード形成制御部を備える、請求項1に記載の金属付加製造装置。
【請求項3】
前記ベース部材の前記第一ビードは、前記ベース本体の前記表面に予め設けられる、請求項1に記載の金属付加製造装置。
【請求項4】
前記複数箇所の領域は、少なくとも三箇所以上存在し、
前記少なくとも三箇所以上の領域は、一部の領域と残りの領域の二種類の領域に分類され、同種に分類された二箇所以上の領域における前記第一ビードの前記延在方向は同一方向であり、分類された前記二種類の領域の前記第一ビードの前記延在方向は異なる方向である、請求項1−3の何れか1項に記載の金属付加製造装置。
【請求項5】
前記二種類の領域の前記第一ビードの前記延在方向のうち、前記一部の領域における前記第一ビードの前記延在方向は、前記ベース部材が最も大きく熱変位する方向と交差する、請求項4に記載の金属付加製造装置。
【請求項6】
前記ベース本体の前記表面上において、前記二種類の領域のうち、前記一部の領域が占める割合は、前記第一ビードの前記延在方向が交差する前記残りの領域が占める割合より大きい、請求項5に記載の金属付加製造装置。
【請求項7】
各前記領域内において、前記複数の第一ビードは、それぞれが直線で形成される、請求項1−6の何れか1項に記載の金属付加製造装置。
【請求項8】
同一の前記領域内に形成される前記複数の第一ビードは、隣接する前記第一ビードと端部同士が接続され、一筆書きが可能な一本の連続線を形成する、請求項1−7の何れか1項に記載の金属付加製造装置。
【請求項9】
第一金属材料で形成されたベース部材に前記第一金属材料とは異なる種類の第二金属材料を付加して製造する金属付加製造装置による付加造形物の製造方法であって、
前記ベース部材は、
ベース本体と、
前記ベース本体の表面において所定の隙間を有してそれぞれ隣接し、且つ所定の幅で形成される線状で複数の第一ビードと、を備え、
前記複数の第一ビードは、前記ベース本体の前記表面上で区画される複数箇所の領域にそれぞれ備えられ、領域毎で同一である前記複数の第一ビードの延在方向は、複数存在し、
前記金属付加製造装置は、
前記第二金属材料から形成される第二粉末材料を、前記ベース本体の前記表面に形成される前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給する粉末材料供給装置と、
前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給される前記第二粉末材料を溶融させるために造形光ビームを照射する造形光ビーム照射装置と、を備え、
前記製造方法は、
前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの間に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて前記第一ビードと並列で且つ前記第一ビードと固着する線状の第二ビードを形成する第二ビード形成工程と、
前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの上方に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて、前記第一ビード及び前記第二ビードと固着する肉盛層を形成する肉盛層形成工程と、を備える付加造形物の製造方法。
【請求項10】
前記金属付加製造装置は、
前記粉末材料供給装置が、前記第一金属材料から形成される第一粉末材料を、前記ベース本体の前記表面上で区画される前記複数箇所の前記領域内に噴射して供給し、
前記造形光ビーム照射装置が、前記領域内に供給される前記第一粉末材料を溶融させるための前記造形光ビームを照射し、
前記製造方法は、
前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数箇所の前記領域内に供給した前記第一粉末材料を溶融させた後、固化させて、前記ベース本体と固着する前記線状の前記第一ビードを前記領域内に複数形成する第一ビード形成工程を備える、請求項9に記載の付加造形物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属付加製造装置及び付加造形物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属付加製造装置によって、ベース部材に肉盛りし付加造形物を製造する技術がある。この場合、金属付加製造装置は、まず、ベース部材上にレーザ光を照射し、ベース部材を溶融させて表面上に溶融池を形成する。そして、溶融池にベース部材とは材質が異なる粉末の異種金属を噴射して供給し、溶融させた後、固化させてベース部材に肉盛り(付加造形)を行なう。このように製造された付加造形物では、ベース部材に異種金属が付加されることにより、例えば、ベース部材の強度を向上させることができる。
【0003】
しかしながら、ベース部材の強度の向上を目的とした場合、肉盛材(異種金属)の材質はベース部の材質と異なるため、通常、線膨張係数が異なる。また、通常、ベース部材と肉盛材との接合面形状は、平面である。このため、製造された付加造形物に熱が加わると、ベース部材及び肉盛材は、それぞれが有する線膨張係数に応じて、接合面と平行な方向に異なる所定の量ずつ伸長することになる。これにより、両者の接合面には熱応力が生じ、剥離する場合がある。
【0004】
このような課題に対し、特許文献1の発明では、異種金属である第一金属部及び第二金属部の間の接合部を三角波状に形成している。そして、三角波状の接合部内では、第二金属部から第一金属部側に向かうに従って、漸次、第一金属部を構成する金属の量が多くなるように形成されている。つまり、三角波状の接合部では、第一金属部の金属及び第二金属部の金属の配合(材料組成)の比率が、第二金属部から第一金属部側に向かうに従って連続的に変化する傾斜部が形成されている。これにより、第一金属部及び第二金属部の間である傾斜部において発生する熱応力を抑制し、第一金属部及び第二金属部が剥離することを防止すると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−214635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した傾斜部を金属付加製造装置が備えるレーザ光の照射によって形成する場合、傾斜部内において連続的に変化する二種類の金属の配合の比率を所望の比率とするためのレーザ光の照射に係る条件設定は複雑なものとなり、コスト増の要因となる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、異種金属間の接合面における剥離が抑制され、且つ低コストである付加造形物の製造が可能な金属付加製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1.金属付加製造装置)
本発明の金属付加製造装置は、第一金属材料で形成されたベース部材に前記第一金属材料とは異なる種類の第二金属材料を付加して付加造形物を製造する金属付加製造装置である。前記ベース部材は、ベース本体と、前記ベース本体の表面において所定の隙間を有してそれぞれ隣接し、且つ所定の幅で形成される線状で複数の第一ビードと、を備える。
【0009】
前記金属付加製造装置は、前記第二金属材料から形成される第二粉末材料を、前記ベース本体の前記表面に形成される前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給する粉末材料供給装置と、前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給される前記第二粉末材料を溶融させるための造形光ビームを照射する造形光ビーム照射装置と、前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの間に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて前記第一ビードと並列で且つ前記第一ビードと固着する線状の第二ビードを形成する第二ビード形成制御部と、前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの上方に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて、前記第一ビード及び前記第二ビードと固着する肉盛層を形成する肉盛層形成制御部と、を備える。前記複数の第一ビードは、前記ベース本体の前記表面上で区画される複数箇所の領域にそれぞれ備えられ、領域毎で同一である前記複数の第一ビードの延在方向は、複数存在する。
【0010】
このように形成された付加造形物に熱が加えられると、第一ビード及び第二ビードは、それぞれが有する線膨張係数に応じた量だけ体積が膨張する。このとき、膨張による熱変位の方向が、相互に接触する第一ビード及び第二ビードの各側面と交差する方向である場合、第一ビードと第二ビードとは、各側面と交差する方向に相互に押圧し合うことになる。これにより、第一ビード(第一金属材料側)と第二ビード(第二金属材料側)、延いては第一ビードが一体的に形成されるベース本体(第一金属材料側)と、第二ビードが一体的に形成される肉盛層(第二金属材料側)とが剥離することを良好に抑制する。
【0011】
ただし、このとき、熱変位が生じる方向は一方向ではない。このため、例えば、ベース本体の表面上における所定の領域において、熱変位が第一ビードと第二ビードとの接触面と平行な方向にも作用すると、たとえ、面同士が、熱変位に応じた分だけ押圧し合っていても、接触面と平行な方向には滑りが生じる虞がある。
【0012】
しかしながら、本発明では、ベース本体の表面上で区画される領域毎に形成された第一ビードの延在方向は複数存在する。このため、例え、一つの領域に配置される第一ビードと第二ビードとの接触面間にすべりを生じさせる熱変位が生じても、他の領域においては、第一ビード及び第二ビードの接触面間にすべりは生じにくい。つまり、一つの領域に生じたすべりを他の領域が良好に規制することができる。これにより、付加造形物として、第一金属材料と第二金属材料との間における剥離が好適に抑制される。また、上記金属付加製造装置によれば、剥離が好適に抑制される付加造形物は高価な傾斜部を設けずとも形成できるので、低コストとすることができる。
【0013】
(2.付加造形物の製造方法)
また、本発明の付加造形物の製造方法は、第一金属材料で形成されたベース部材に前記第一金属材料とは異なる種類の第二金属材料を付加して製造する金属付加製造装置による付加造形物の製造方法である。前記ベース部材は、ベース本体と、前記ベース本体の表面において所定の隙間を有してそれぞれ隣接し、且つ所定の幅で形成される線状で複数の第一ビードと、を備え、前記複数の第一ビードは、前記ベース本体の前記表面上で区画される複数箇所の領域にそれぞれ備えられ、領域毎で同一である前記複数の第一ビードの延在方向は、複数存在する。
【0014】
前記金属付加製造装置は、前記第二金属材料から形成される第二粉末材料を、前記ベース本体の前記表面に形成される前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給する粉末材料供給装置と、前記複数の第一ビードの間及び前記複数の第一ビードの上方に供給される前記第二粉末材料を溶融させるために造形光ビームを照射する造形光ビーム照射装置と、を備える。
【0015】
そして、前記製造方法は、前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの間に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて前記第一ビードと並列で且つ前記第一ビードと固着する線状の第二ビードを形成する第二ビード形成工程と、前記粉末材料供給装置及び前記造形光ビーム照射装置を制御し、前記複数の第一ビードの上方に供給した前記第二粉末材料を溶融させた後、固化させて、前記第一ビード及び前記第二ビードと固着する肉盛層を形成する肉盛層形成工程と、を備える。これにより、上述した金属付加製造装置により製造される付加造形物と同様の効果を備えた付加造形物が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一実施形態に係る金属付加製造装置1の概要図である。
図2】金属付加製造装置1が製造する付加造形物の部分断面図である。
図3】金属付加製造装置1により形成される第一ビードの一例を説明する図である。
図4】第一ビードの変形態様を説明する図である。
図5図2におけるベース部材のV−V矢視断面図であり、隣接する第一ビードの間に第二ビードが形成されている状態を説明する図である。
図6】第一実施形態に係る付加造形物の製造方法のフローチャート1である。
図7】領域Ar2、Ar4に付与される力を説明する図である。
図8】第一実施形態における変形例1の第一ビードを説明する図である。
図9】本発明の第二実施形態に係る金属付加製造装置2の概要図である。
図10】金属付加製造装置2が製造する付加造形物の部分断面図である。
図11】第二実施形態に係る付加造形物の製造方法のフローチャート2である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1.第一実施形態)
(1−1.概要)
以下に、本発明に係る第一実施形態の金属付加製造装置1について、図1図6を用いて説明する。金属付加製造装置1は、図1に示すように、公知のLMD(Laser Metal Deposition)型の金属付加製造装置である。LMD型の金属付加製造装置は、初めに、ベースとなる金属材料の表面上に造形光ビームBMを照射し、金属材料を溶融させて表面上に溶融池を形成する。その後、金属付加製造装置は、溶融池に粉末状の金属材料を噴射して供給し、溶融させた後に固化させて付加造形物を形成する。
【0018】
これにより、ベースとなる金属材料の所望の位置に、且つ所望の形状で金属を付加し付加造形物を形成することができる。なお、造形光ビームBMとしては、安価な近赤外波長のレーザ光が適用できる。また、造形光ビームBMとしては、CO2レーザ(遠赤外レーザ光)、半導体レーザ、又は電子ビーム等も適用可能である。
【0019】
詳細については後に述べるが、第一実施形態に係る金属付加製造装置1は、図2の断面図に示すように、例えば、SPCC、SPCE等の鉄系材料(第一金属材料に相当する)で形成されたベース部材100に、鉄とは異なる種類の金属である、例えば、ハイス鋼(high-speed steel、第二金属材料に相当する)の肉盛層104を付加、即ちコーティング(肉盛り)して付加造形物110を製造する。このように、本実施形態では、第一金属材料で形成されたベース部材100の強度を向上させるため、第一金属材料(例えば、鉄)よりも硬度及び強度が高い第二金属材料(例えば、ハイス鋼)による肉盛層104をベース部材100に付加する。
【0020】
具体的には、金属付加製造装置1は、粉末状のハイス鋼Hs(P)を、ベース部材100の表面(上面)に向けて噴射するとともに、噴射された粉末状のハイス鋼Hs(P)に、造形光ビームBMを照射する。これにより、ベース+部材100の表面に供給される粉末状のハイス鋼Hs(P)を溶融させ、その後、固化させてベース部材100の表面にハイス鋼Hsをコーティングし付加造形物110を製造する。詳細については後述する。
【0021】
ここで、まず、ハイス鋼Hsのコーティング(肉盛り)が行われるベース部材100について説明を行なう(図2参照)。なお、図2は、付加造形物110の一部の断面図である。ベース部材100を形成する第一金属材料としては、鉄Fe以外にも、アルミ、銅、黄銅等が適用できる。また、コーティング材(肉盛層104)としての第二金属材料は、ハイス鋼Hs以外にも、工具鋼、超硬等が適用できる。さらに、上記態様に限らず、鉄Fe、アルミ、銅、黄銅等を第二金属材料とし、ハイス鋼Hs、工具鋼及び超硬等を第一金属材料としても良い。ただし、この場合におけるコーティング(肉盛り)の目的は、強度向上ではなく、例えば、ベース部材100の表面改質や形状の復元等が挙げられる。
【0022】
図2に示すように、ベース部材100は、例えば、板状のベース本体101及びベース本体101の表面上に形成される複数の第一ビード102を備える。複数の第一ビード102は、図3に示すように、それぞれベース本体101の表面101a上において直線状(線状に相当する)に延在するとともに、延在方向と直交する方向に所定の隙間を有して等間隔で整列するよう形成される。
【0023】
つまり、各第一ビード102は、隣接する第一ビード102との間の所定の隙間の大きさが第一隙間L1となるようそれぞれ配置されるとともに、延在方向と直交する方向における所定の幅の大きさが第一幅t1で形成される。第一隙間L1及び第一幅t1については、後に詳細に説明する。
【0024】
ベース本体101及び複数の第一ビード102は、何れも同一材料である鉄Fe(第一金属材料)で形成される。このとき、ベース本体101は、本実施形態のように表面が平面で形成された部材でもよいし、別の態様として表面が曲面で形成された部材であってもよい。
【0025】
また、上記態様に限らず、複数の第一ビードは、直線(線状)ではなく曲線(線状)で形成されていてもよい(図4参照)。このような曲線形状によっても、複数の第一ビード102が直線で形成された場合と同様の効果が期待できる。ただし、図4に示す各第一ビードの曲線形状は、あくまで一例を示したものであり、どのような形状で形成されてもよい。
【0026】
また、詳細な説明については以降に行なうが、本実施形態では、複数の第一ビード102は、金属付加製造装置1の制御装置30が備える第一ビード形成制御部31の制御によって、ベース本体101の表面101a上に、ベース本体101と同一の金属材料(即ち、第一金属材料)が付加されてベース本体101と一体的に形成される。
【0027】
(1−2.金属付加製造装置1)
次に、金属付加製造装置1の構成について説明する(図1参照)。ただし、金属付加製造装置1は、上述したように、公知のLMD型の金属付加製造装置である。このため、LMD型の金属付加製造装置についての詳細な構成及び動作等についての説明は省略する。金属付加製造装置1は、粉末材料供給装置10と、造形光ビーム照射装置20と、制御装置30とを備える。
【0028】
(1−2−1.粉末材料供給装置10)
図1に示すように、粉末材料供給装置10は、第一貯留部11、第二貯留部12、供給材料切替部13及び噴射部14を備える。第一貯留部11及び第二貯留部12は、それぞれ配管11a、12aを介して供給材料切替部13に接続される。また、供給材料切替部13は、噴射部14と接続される。詳細は後述するが、供給材料切替部13は、制御装置30と接続され、制御装置30によって作動が制御される。
【0029】
第一貯留部11には、鉄Fe(第一金属材料)から形成される鉄粉末材料Fe(P)(第一粉末材料)が貯留される。第二貯留部12には、ハイス鋼Hs(第二金属材料)から形成される粉末状のハイス鋼粉末材料Hs(P)(第二粉末材料)が貯留される。そして、供給材料切替部13は、噴射部14に供給する粉末材料を鉄粉末材料Fe(P)とハイス鋼粉末材料Hs(P)との間で切替える。
【0030】
噴射部14と供給材料切替部13とは配管15によって接続される。そして、噴射部14及び配管15は、噴射部14側に傾斜部を有した筒状の容器16に収容される。噴射部14は、容器16の傾斜部の先端に配置され、供給材料切替部13を介して供給された鉄粉末材料Fe(P)又はハイス鋼粉末材料Hs(P)を所望の位置に噴射して供給する。
【0031】
粉末材料供給装置10は、ベース本体101の表面101a上に複数の第一ビード102を形成する際には、第一貯留部11に貯留される粉末状の鉄粉末材料Fe(P)を、供給材料切替部13を介して噴射部14から表面101a上に噴射し供給する。具体的には、粉末材料供給装置10は、図3に示すベース本体101の表面101a上で四箇所(複数箇所に相当)に区画される領域Ar1−Ar4内の所望の位置に鉄粉末材料Fe(P)をそれぞれ噴射し供給する。第一ビード102についての詳細な説明については、後に述べる。
【0032】
なお、図3に示すように、本実施形態では、領域Ar1−Ar4は、一例として矩形の外形を有して形成されるベース本体101の表面101a上において、等分に四分割されている。ただし、これはあくまで一例を例示しただけであり、ベース本体101の外形形状及び領域Ar1−Ar4の形状については、任意に設定可能である。
【0033】
また、粉末材料供給装置10は、複数の第一ビード102の間に第二ビード103を形成する際には、第二貯留部12に貯留される粉末状のハイス鋼粉末材料Hs(P)を、供給材料切替部13を介して噴射部14から複数の第一ビード102の間に噴射し供給する(図5参照)。さらに、粉末材料供給装置10は、肉盛層104を形成する際には、第二貯留部12に貯留される粉末状のハイス鋼粉末材料Hs(P)を、供給材料切替部13を介して噴射部14から複数の第一ビード102の上面(上方)、即ち第一ビード102の上面及び第二ビード103の上面(上方)に噴射し供給する。
【0034】
(1−2−2.造形光ビーム照射装置20)
図1に示すように、造形光ビーム照射装置20は、ビーム生成部21で生成され供給される造形光ビームBMを所望の位置に照射する照射部22を備える。照射部22は、上述した容器16内に収容される。容器16内において、照射部22は、粉末材料供給装置10の噴射部14の近傍に配置される。
【0035】
詳細には、図1に示すように、照射部22は、粉末材料供給装置10の噴射部14から噴射される各粉末材料Fe(P)、Hs(P)の噴射位置に向って、造形光ビームBMが照射可能となるよう容器16の傾斜部の先端で、且つ噴射部14の近傍に配置される。照射部22から照射される造形光ビームBMは、制御装置30によって制御される。また、噴射部14及び照射部22が配置された容器16は、例えば、図略のロボットによって把持され、三次元空間で自在に移動可能となるよう制御される。このため、ロボットが制御装置30により制御されることにより、噴射部14及び照射部22のそれぞれの噴射位置及び照射位置は所望の位置に容易に制御される。ただし、この態様に限らず、ベース本体101側を、例えばロボット等により移動させることによって、ベース本体101に対する噴射部14及び照射部22の各相対位置を移動させても良い。
【0036】
造形光ビーム照射装置20は、ベース本体101の表面101a上に複数の第一ビード102を形成するために、粉末材料供給装置10によって領域Ar1−Ar4内の所望の位置に鉄粉末材料Fe(P)が供給される際、第一ビード102が形成されるベース本体101の所定の表面101a上、及び供給された鉄粉末材料Fe(P)に対し、照射部22から造形光ビームBM1を照射する。
【0037】
なお、このとき、第一ビード102を所望の形状に形成するため、粉末材料供給装置10が噴射する鉄粉末材料Fe(P)の噴射量及び噴射位置と、造形光ビーム照射装置20が照射する造形光ビームBM1の波長、照射出力及び照射位置とは、制御装置30が備える第一ビード形成制御部31によって制御される。これにより、ベース本体101と固着する線状の第一ビード102が、各領域Ar1−Ar4内で所望の位置及び形状で形成される。
【0038】
また、造形光ビーム照射装置20は、第二ビード103(図2図5参照)を形成するために、粉末材料供給装置10によって複数の第一ビード102の間にハイス鋼粉末材料Hs(P)が供給される際、第二ビード103が形成されるベース本体101の所定の表面101a上、及び供給されたハイス鋼粉末材料Hs(P)に対し、造形光ビームBM2を照射する。
【0039】
このとき、第二ビード103を所望の形状に形成するため、粉末材料供給装置10が噴射するハイス鋼粉末材料Hs(P)の噴射量及び噴射位置と、造形光ビーム照射装置20が照射する造形光ビームBM2の波長、照射出力及び照射位置とは、制御装置30が備える第二ビード形成制御部32によって制御される。これにより、所望の形状、即ち第一ビード102と並列で且つ第一ビード102の側面と面同士で固着する線状の第二ビード103が形成される。
【0040】
さらに、造形光ビーム照射装置20は、図2に示す肉盛層104(コーティング層)を形成する際に、粉末材料供給装置10によって複数の第一ビード102の上方(上面)及び第二ビード103の上方(上面)にハイス鋼粉末材料Hs(P)が供給されると、第一ビード102及び第二ビード103の各上面、及び供給されたハイス鋼粉末材料Hs(P)に対し、造形光ビームBM3を照射する。
【0041】
このとき、肉盛層104を所望の形状とするため、粉末材料供給装置10が噴射するハイス鋼粉末材料Hs(P)の噴射量及び噴射位置と、造形光ビーム照射装置20が照射する造形光ビームBM3の波長、照射出力及び照射位置とは、制御装置30が備える肉盛層形成制御部33によって制御される。これにより、所望の形状、即ち第一ビード102の上面及び第二ビード103の上面と固着する平板状の肉盛層104(コーティング層)が形成され、ベース部材100の強度が向上される。
【0042】
(1−2−3.制御装置30)
上述したように、制御装置30は、図1に示すように、第一ビード形成制御部31と、第二ビード形成制御部32と、肉盛層形成制御部33と、を備える。第一ビード形成制御部31は、粉末材料供給装置10の作動を制御して、複数箇所の領域Ar1−Ar4内の所望の位置に鉄粉末材料Fe(P)(第一粉末材料)を噴射し供給する。また、第一ビード形成制御部31は、粉末材料供給装置10に対する作動の制御と同時に、造形光ビーム照射装置20の作動を制御し、第一ビード102が形成されるベース本体101の所定の表面101a上、及び領域Ar1−Ar4内に供給された鉄粉末材料Fe(P)(第一粉末材料)に造形光ビームBM1を照射する。
【0043】
このとき、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20に対する第一ビード形成制御部31の制御内容は以下のとおりである。第一ビード形成制御部31は、初めに、造形光ビーム照射装置20によってベース本体101の表面上に造形光ビームBM1を照射し、ベース本体101を溶融させて表面上に溶融池を形成する。その後、粉末材料供給装置10が、溶融池に鉄粉末材料Fe(P)を噴射して供給し、溶融させた後に固化させて、ベース本体101と固着する線状の第一ビード102を領域Ar1−Ar4内に形成する。なお、このとき、造形光ビーム照射装置20は、噴射により供給される鉄粉末材料Fe(P)に対しても造形光ビームBM1の照射を行ない溶融させる。また、第一ビード102の形状の詳細については、後述する。
【0044】
第二ビード形成制御部32は、粉末材料供給装置10の作動を制御して、複数の第一ビード102の間における所望の位置にハイス鋼粉末材料Hs(P)(第二粉末材料)を噴射し供給する。また、第二ビード形成制御部32は、粉末材料供給装置10に対する作動の制御と同時に、造形光ビーム照射装置20を制御し、第二ビード103が形成される複数の第一ビード102の間におけるベース本体101の所定の表面101a上、及び複数の第一ビード102の間に供給されたハイス鋼粉末材料Hs(P)に造形光ビームBM2を照射する。
【0045】
このとき、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20に対する第二ビード形成制御部32の制御内容は以下のとおりである。第二ビード形成制御部32は、初めに、造形光ビーム照射装置20によって複数の第一ビード102の間におけるベース本体101の表面上に造形光ビームBM2を照射し、ベース本体101を溶融させて表面上に溶融池を形成する。その後、粉末材料供給装置10が、溶融池にハイス鋼粉末材料Hs(P)を噴射して供給し、溶融させた後に固化させて、第一ビード102と並列で且つ第一ビード102と固着する線状の第二ビード103を形成する。なお、このとき、造形光ビーム照射装置20は、噴射により供給されるハイス鋼粉末材料Hs(P)に対しても造形光ビームBM2の照射を行ない溶融させる。また、このとき、第二ビード103の上面の高さは、第一ビード102の上面の高さと同じである。
【0046】
肉盛層形成制御部33は、粉末材料供給装置10の作動を制御して、複数の第一ビード102の上面及び第二ビードの上面における所望の位置にハイス鋼粉末材料Hs(P)(第二粉末材料)を噴射し供給する。また、肉盛層形成制御部33は、粉末材料供給装置10に対する作動の制御と同時に、造形光ビーム照射装置20を制御し、粉末材料供給装置10が複数の第一ビード102の上面、及び第二ビード103の上面と、各上面に供給したハイス鋼粉末材料Hs(P)とに造形光ビームBM3を照射する。
【0047】
このとき、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20に対する肉盛層形成制御部33の制御内容は、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20に対する第一ビード形成制御部31及び第二ビード形成制御部32の制御内容と同様である。よって、説明は省略する。これにより、粉末材料供給装置10により噴射されたハイス鋼粉末材料Hs(P)を、溶融させた後、固化させ、第一ビード102及び第二ビード103と固着する強固な肉盛層104を第一ビード102及び第二ビード103の上方に形成する。
【0048】
(1−3.第一ビード102)
次に、第一ビード102の形状について、図2図3に基づき詳細に説明する。上述したように、複数の第一ビード102は、図3に示すようにベース本体101の表面101a上で区画される複数箇所の領域Ar1−Ar4内にそれぞれ設けられる。そして、領域Ar1−Ar4毎における複数の第一ビード102の延在方向は、二種類(複数に相当する)存在する。
【0049】
詳細には、図3に示すように、一種類目の延在方向として、領域Ar1及び領域Ar3に形成された各第一ビード102が同一方向(図3において上下方向)に直線状に延在して形成される。また、二種類目の延在方向として、領域Ar2及び領域Ar4に形成され同一方向(図3において左右方向)に延在される各第一ビード102が、領域Ar1及び領域Ar3に形成された各第一ビード102の延在方向と直交(交差に相当)するよう形成される。
【0050】
換言すると、四箇所(複数箇所であり、少なくとも三箇所以上に相当)の領域Ar1−Ar4は、一部の領域(領域Ar1及び領域Ar3)と残りの領域(領域Ar2及び領域Ar4)の二種類の領域に分類される。同種に分類された二以上の領域(領域Ar1、領域Ar3、又は領域Ar2、領域Ar4)における第一ビード102の延在方向は同一方向であり、分類された二種類の領域の第一ビード102の延在方向は異なる方向であり直交(交差)する。このように、複数の第一ビード102は、ベース本体101の表面101a上で区画される複数箇所の領域Ar1−Ar4にそれぞれ備えられ、領域毎で同一の複数の第一ビードの延在方向は、二種類(複数に相当)存在する。
【0051】
なお、上記態様に限らず、二種類の領域における第一ビード102の延在方向は、直交ではなく所定の角度を有して交差しているだけでもよい。また、ベース本体101の表面101a上で区画される領域の数は二箇所又は三箇所であっても良いし、五箇所以上であってもよい。さらに、複数個所の領域は、第一ビード102の延在方向で分類した場合、二種類には限らず三種類以上であってもよい。
【0052】
また、図3に示すように、同一の領域内である領域Ar1における複数の第一ビード102は、隣接する第一ビード102と一方又は他方の端部同士が接続され、一筆書きが可能な一本の連続線を形成している。このため、複数の第一ビード102を形成する際、各第一ビード102の端部において、粉末材料供給装置10による鉄粉末材料Fe(P)の噴射を断続的に制御しなくてよい。これにより、鉄粉末材料Fe(P)を噴射する場合の制御の負荷が軽減され、低コスト化に寄与する。なお、領域Ar2−領域Ar4における第一ビード102についても、同様である。
【0053】
ただし、この態様に限らず、第一ビード102は、隣接する第一ビード102と一方又は他方の端部同士が接続されず、平行に整列した複数の直線のみで形成されていてもよい。これによっても、ベース本体(第一金属材料側)と、肉盛層(第二金属材料側)との間における剥離を抑制する効果は十分得られる。
【0054】
(1−4.付加造形物の製造方法)
次に、上記で説明した付加造形物110の製造方法について、図6のフローチャート1に基づき説明する。この製造方法は、上記で説明した金属付加製造装置1を用いて付加造形物110を製造する際の製造方法に関する。付加造形物110の製造方法では、ベース本体101は、図1に示すように、予め、造形台105上に載置されているものとする。また、ベース本体101は上面に平面を備える直方体で板状の部材である。
【0055】
まず、ステップS10(第一ビード形成工程)では、第一ビード形成制御部31が、粉末材料供給装置10の供給材料切替部13を制御し、造形台105上に載置されるベース本体101の表面101aに対して、第一貯留部11に貯留される鉄粉末材料Fe(P)の供給が可能な状態とする。
【0056】
ステップS20(第一ビード形成工程)では、第一ビード形成制御部31が、造形光ビーム照射装置20を制御する。これにより、ベース本体101の表面101a上で区画される複数箇所の領域Ar1−Ar4のうち、まだ第一ビード102が形成されていない領域である、例えば領域Ar1内に、造形光ビームBM1を照射していく。なお、このとき、造形光ビーム照射装置20から照射される造形光ビームBM1は、図3における領域Ar1内のA点からB点に向って、上述した一筆書きに従って連続的に照射される。
【0057】
ステップS30(第一ビード形成工程)では、第一ビード形成制御部31が、ステップS20とほぼ同時に、粉末材料供給装置10の噴射を制御する。詳細には、造形光ビームBM1が照射される位置と同じ位置に、噴射部14から鉄粉末材料Fe(P)を噴射し供給する。つまり、鉄粉末材料Fe(P)は、造形光ビームBM1の照射軌跡に追従して噴射される。これにより、ベース本体101と固着する線状の第一ビード102が領域Ar1内に形成される。
【0058】
ステップS40(第一ビード形成工程)では、領域Ar1−Ar4の全ての領域に対して、第一ビード102の形成が終了したか否かが判定される。そして、まだ第一ビード102を形成していない領域があると判定された場合には、Nに従いステップS20に戻る。そして、まだ第一ビード102が形成されていない、例えば、領域Ar2に対して、ステップS20及びステップS30の処理を行なう。なお、このとき、領域Ar2では、第一ビード102の延在方向が、領域Ar1における第一ビード102の延在方向と直交する方向となるよう第一ビード形成制御部31によって制御される。
【0059】
また、領域Ar2においても、ステップS20において、造形光ビーム照射装置20から照射される造形光ビームBM1は、図3における領域Ar1内のC点からD点に向って、一筆書きに従って連続的に照射されるものとする。その他については、領域Ar1において、第一ビード102を形成した場合と同様である。このようにして、残りの全ての領域Ar2−Ar4において第一ビード102の形成作業が終了するまで、ステップS20−ステップS40の処理が繰り返し実施される。そして、ステップS40において、全ての領域に対して、第一ビード102の形成が終了したと判定されると、Yに従いステップS50に移動する。
【0060】
ステップS50(第二ビード形成工程)では、第二ビード形成制御部32が、粉末材料供給装置10の供給材料切替部13を制御し、表面101a上に形成された複数の第一ビード102の間に対し、第二貯留部12に貯留されるハイス鋼粉末材料Hs(P)の噴射が可能な状態とする。
【0061】
ステップS60(第二ビード形成工程)では、第二ビード形成制御部32が、造形光ビーム照射装置20を制御する。これにより、複数の第一ビード102の間であり、且つベース本体101の表面101a上の所定の位置に、造形光ビームBM2を照射する。
【0062】
ステップS70(第二ビード形成工程)では、第二ビード形成制御部32が、ステップS60とほぼ同時に、粉末材料供給装置10の噴射を制御する。詳細には、造形光ビームBM2が照射される位置と同じ位置に、噴射部14からハイス鋼粉末材料Hs(P)を噴射し供給する。つまり、ハイス鋼粉末材料Hs(P)は、造形光ビームBM2の照射軌跡に追従して噴射される。これにより、第一ビード102と並列で且つ第一ビード102と固着する線状の第二ビード103が形成される。
【0063】
ステップS80(第二ビード形成工程)では、領域Ar1−Ar4の全ての領域に対して、第二ビード103の形成が終了したか否かが判定される。そして、まだ第二ビード103を形成していない領域があると判定された場合には、Nに従いステップS60に戻る。そして、まだ第二ビード103が形成されていない、例えば、領域Ar2に対してステップS60及びステップS70の処理を行なう。なお、このとき、領域Ar2では、第二ビード103の延在方向が、第一ビード102の延在方向に沿った方向、即ち領域Ar1における第一ビード102の延在方向と直交する方向となるよう第二ビード形成制御部32によって制御される。
【0064】
このようにして、残りの全ての領域Ar2−Ar4において第一ビード102の形成作業が終了するまで、ステップS60−ステップS80の処理が繰り返し実施される。そして、ステップS80において、全ての領域Ar1−Ar4に対して、第二ビード103の形成が終了したと判定されると、Yに従いステップS90に移動する。
【0065】
ステップS90(肉盛層形成工程)では、肉盛層形成制御部33が、造形光ビーム照射装置20を制御し、複数の第一ビード102の上面(上方)及び第二ビード103の上面(上方)に造形光ビームBM3を照射する。なお、ステップS90では、各領域毎ではなく、全ての領域Ar1−Ar4に亘って造形光ビームBM3を照射する。このとき、照射の経路については問わない。
【0066】
ステップS100(肉盛層形成工程)では、肉盛層形成制御部33が、ステップS90とほぼ同時に、粉末材料供給装置10の噴射を制御する。これにより、造形光ビームBM3が照射される位置と同じ位置に、噴射部14から、複数の第一ビード102の上面(上方)及び第二ビード103の上面(上方)に、ハイス鋼粉末材料Hs(P)を噴射し供給する。つまり、ハイス鋼粉末材料Hs(P)は、造形光ビームBM3の照射軌跡に追従して噴射される。
【0067】
これにより、ハイス鋼粉末材料Hs(P)は、溶融したのち固化して第一ビード102及び第二ビード103と固着する肉盛層104を形成し、その後、処理は終了される。これにより、第一ビード102の上面及び第二ビード103の上面と固着する平板状の肉盛層104(コーティング層)が形成され、ベース部材100の強度が向上される。
【0068】
(1−5.作用)
上記のように形成された付加造形物110の作用について図2図5及び図7に基づき説明する。まず、前提について説明する。付加造形物110に所定の熱が加わった場合、付加造形物110は、全方向に向って熱変位はするが、領域Ar2及び領域Ar4が備える第一ビード102の延在方向Xと平行な方向に最も大きく熱変位するものと仮定して以後の説明を行なう。なお、このとき、領域Ar1及び領域Ar3(一部の領域)が備える第一ビード102の延在方向Yは、延在方向Xと直交している。ただし、この態様に限らず、第一ビード102の延在方向Yは、延在方向Xと直交ではなく所定の角度を有しているだけでもよい。
【0069】
上記のように形成された付加造形物110に熱が加えられると、第一ビード102及び第二ビード103は、それぞれが有する線膨張係数α1、α2(共に図略)に応じた量だけ延在方向Xと平行な方向に最も大きく熱変位する。これにより、領域Ar2及び領域Ar4において、第一ビード102と第二ビード103とが面102a、103a同士で接触する側面部分では、図7に示すように、熱応力が第一ビードと第二ビードとの接触面102a、103aと平行な方向に作用する。このため、接触面102a、103aと平行な方向には滑りが生じる虞がある。
【0070】
しかしながら、このとき、図2に示すように、領域Ar1及び領域Ar3における第一ビード102の面102aと第二ビード103の面103aとが接触(接合)する側面部分では、面102a、103a同士が相互に法線方向に押圧し合うことになる(矢印E、F参照)。これにより、第一ビード102(第一金属材料側)と第二ビード103(第二金属材料側)、延いては第一ビード102が一体的に形成されるベース本体101(第一金属材料側)と、第二ビード103が一体的に形成される肉盛層104(第二金属材料側)とが相対変位し、接合面が剥離することを効果的に抑制することができる。
【0071】
つまり、付加造形物110の複数の第一ビード102は、ベース本体101の表面101a上で区画される複数箇所の領域Ar1−Ar4にそれぞれ備えられ、領域毎で同一の複数の第一ビード102の延在方向は複数存在する。これにより、付加造形物110に対して熱が加わり、付加造形物110が様々な方向に熱膨張しても、領域毎に異なる第一ビード102の複数の延在方向によって、ベース本体101(第一金属材料側)と、肉盛層104(第二金属材料側)との剥離が良好に抑制できる。
【0072】
なお、上記態様に限らず、ベース部材100が最も大きく熱変位する方向が、領域Ar1及び領域Ar3が備える第一ビード102の延在方向Yと平行な方向である場合には、一部の領域は領域Ar2及び領域Ar4である。そして、一部の領域の延在方向Xは、最も大きく熱変位する方向と直交するよう形成される。これによっても、上記と同様、領域Ar2及び領域Ar4の第一ビード102及び第二ビード103によって、ベース本体101(第一金属材料側)と、肉盛層104(第二金属材料側)との剥離が良好に抑制できる。
【0073】
また、上記と同様、第一ビード102の延在方向Xは、ベース部材100が最も大きく熱変位する延在方向Yと直交ではなく所定の角度を有し交差しているだけでもよい。この場合、領域Ar1及び領域Ar3における第一ビード102と第二ビード103とが接触する側面部分では、面102a、103a同士が相互に法線方向よりも小さな角度で押圧することになるが、これによっても相応の効果は期待出来る。
【0074】
また、上記態様においては、第一ビード102の所定の幅が第一幅t1で形成され、隣接する第一ビード102の間の所定の隙間の大きさ、即ち第二ビード103の幅が、第一隙間L1と等しい第二幅t2で形成されるものとした場合、第一幅t1と第二幅t2との関係は下記のとおりであることが好ましい。
【0075】
つまり、第一ビード102及び第二ビード103がそれぞれ有する線膨張係数をα1、及びα1より小さなα2(<α1)とした場合に、付加造形物110に所定の温度の熱が加えられたとき、第一ビード102及び第二ビード103が、それぞれ線膨張係数α1、α2に応じて幅方向に熱変位する各々の熱変位量が等しくなるよう第一幅t1と第二幅t2(>t1)とが設定されることが好ましい。
【0076】
これにより、第一ビード102及び第二ビード103は、所定の温度において、接触する側面同士が同じ変位量でバランスよく押圧しあうため、第一ビード102及び第二ビード103の変形が好適に抑制できる。なお、上記所定の温度は、付加造形物110に加えられる温度に基づき任意に設定すればよい。
【0077】
(1−6.第一実施形態による効果)
上記第一実施形態によれば、金属付加製造装置1は、粉末材料供給装置10と、造形光ビーム照射装置20と、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20を制御し、複数の第一ビード102の間に供給したハイス鋼粉末材料Hs(P)(第二粉末材料)を溶融させた後、固化させて、第一ビードと並列で且つ第一ビード102と固着する線状の第二ビード103を形成する第二ビード形成制御部32と、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20を制御し、複数の第一ビード102の上方に供給したハイス鋼粉末材料Hs(P)(第二粉末材料)を溶融させた後、固化させて、第一ビード102及び第二ビード103と固着する肉盛層104を形成する肉盛層形成制御部33と、を備える。そして、複数の第一ビード102は、ベース本体101の表面101a上で区画される複数箇所の領域Ar1−Ar4にそれぞれ備えられ、領域毎で同一である複数の第一ビードの延在方向は、複数存在する。
【0078】
このように形成された付加造形物110に熱が加えられると、第一ビード102及び第二ビード103は、それぞれが有する線膨張係数α1、α2に応じた量だけ体積が膨張し熱変位する。これにより、第一ビード102と第二ビード103とが面102a、103a同士で接触する側面部分では、面102a、103aと交差する方向に相互に押圧し合う。従って、第一ビード102(第一金属材料)と第二ビード103(第二金属材料)、延いては第一ビード102が一体的に形成されるベース本体101(第一金属材料)と、第二ビード103が一体的に形成される肉盛層104(第二金属材料)とが剥離することを良好に抑制することができる。
【0079】
ただし、このとき、熱応力(熱変位)が生じる方向は一方向ではない。このため、例えば、ベース本体101の表面101a上における所定の領域において、熱変位が第一ビード102と第二ビード103との接触面102a、103aと平行な方向にも作用すると、たとえ、面同士が、熱膨張に応じた分だけ押圧し合っていても、接触面102a、103aと平行な方向には滑りが生じる虞がある。
【0080】
しかしながら、本発明では、ベース本体101の表面101a上で区画される領域Ar1−Ar4毎に形成された第一ビード102の延在方向は複数存在する。このため、例え、一つの領域に配置される第一ビード102と第二ビード103との接触面間にすべりを生じさせる熱変位が発生しても、他の領域においては、第一ビード102及び第二ビード103の接触面間にすべりは生じにくい。つまり、一つの領域に生じたすべりを他の領域が良好に規制する。これにより、付加造形物110として、ベース本体101(第一金属材料)と肉盛層104(第二金属材料)との間において、剥離が好適に抑制される。また、上記金属付加製造装置1によれば、剥離が好適に抑制される付加造形物110は高価な傾斜部を設けずとも形成できるので、低コストとすることができる。
【0081】
また、上記実施形態によれば、粉末材料供給装置10は、鉄Fe(第一金属材料)から形成される鉄粉末材料Fe(P)(第一粉末材料)を、ベース本体101の表面101a上で区画される複数箇所の領域Ar1−Ar4内に噴射して供給する。また、造形光ビーム照射装置20は、領域Ar1−Ar4内に供給される鉄粉末材料Fe(P)を溶融させるための造形光ビームBM1を照射する。
【0082】
そして、金属付加製造装置1は、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20を制御し、複数箇所の領域Ar1−Ar4内に供給した鉄粉末材料Fe(P)を溶融させた後、固化させて、ベース本体101と固着する直線状(線状)の第一ビード102を領域Ar1−Ar4内に形成する第一ビード形成制御部31を備える。このように、第一ビード形成制御部31によって、複数の第一ビード102を形成するので、第一ビード102の形状を容易に変更でき、様々な熱環境下で使用される付加造形物110に容易に適用させることができ汎用性が向上する。
【0083】
また、上記実施形態によれば、複数箇所の領域Ar1−Ar4は、四箇所(少なくとも三箇所以上)存在し、四箇所の領域は、一部の領域(領域Ar1及び領域Ar3)と残りの領域(領域Ar2及び領域Ar4)の二種類の領域に分類される。そして、同種に分類された二箇所以上の領域(領域Ar1、領域Ar3、又は領域Ar2、領域Ar4)における第一ビード102の延在方向は同一方向であり、分類された二種類の領域の第一ビード102の延在方向は異なる方向であり直交(交差)する。
【0084】
このように、第一ビード102が設けられる領域は三箇所以上設けられるため、熱変位に応じてバランスよく配置することで複雑な方向に生じる熱変位に対して良好に対応できる。つまり、熱変位が様々な方向にさらに複雑に生じても、ベース本体101(第一金属材料)と肉盛層104(第二金属材料)との間における相対変位を効果的に規制できるので、ベース本体101(第一金属材料)と肉盛層104(第二金属材料)との間における剥離を好適に抑制できる。
【0085】
また、上記実施形態によれば、二種類の領域の第一ビード102の延在方向のうち、一部の領域(例えば、領域Ar1及び領域Ar3)における第一ビード102の延在方向Yは、ベース部材100が最も大きく熱変位する方向と交差する。これにより、ベース本体101(第一金属材料)と肉盛層104(第二金属材料)との間における相対移動を効果的に規制できるので、剥離を好適に抑制できる。
【0086】
また、上記実施形態によれば、各領域Ar1−Ar4内において、複数の第一ビード102は、それぞれが直線で形成される。第一ビード102を、このように簡易な形状とすることで、第一ビード形成制御部31による制御負荷が小さくなるとともに、第一ビード102の形成速度も向上し、コスト低減にも寄与する。
【0087】
また、上記実施形態の付加造形物110の製造方法によれば、第二ビード形成制御部32が、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20を制御し、複数の第一ビード102の間に供給するハイス鋼粉末材料Hs(P)(第二粉末材料)を溶融させた後、固化させて、第一ビード102と並列で且つ第一ビード102と固着する直線状(線状)の第二ビード103を形成する第二ビード形成工程と、肉盛層形成制御部33が、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20を制御して、複数の第一ビード102及び第二ビード103の上方に供給するハイス鋼粉末材料Hs(P)を溶融させた後、固化させて、第一ビード102及び第二ビード103と固着する肉盛層104を形成する肉盛層形成工程と、を備える。これにより、上記実施形態において金属付加製造装置1が形成する付加造形物110が備える剥離の抑制に係る効果と同等の効果を有する付加造形物110が製造できる。
【0088】
また、上記実施形態の製造方法によれば、さらに、第一ビード形成制御部31が、粉末材料供給装置10及び造形光ビーム照射装置20を制御して、複数箇所の領域Ar1−Ar4内に鉄粉末材料Fe(P)(第一粉末材料)を噴射して供給し、供給された鉄粉末材料Fe(P)に造形光ビームBM1を照射することによって、ベース本体101と固着する線状の第一ビード102を領域内に複数形成する第一ビード形成工程を備える。これにより、上記実施形態において金属付加製造装置1が形成する付加造形物110と同様、様々な熱環境に容易に適用できる付加造形物110が製造できる。
【0089】
(2.変形例)
上記第一実施形態においては、ベース本体101の表面101a上において区画された領域Ar1−Ar4は、延在方向で種類分けした、領域Ar1及び領域Ar3と、領域Ar2及び領域Ar4とが同じ面積で形成された。しかしながら、この態様には限らず、図8に示すように、変形例1として、二種類の領域のうち、ベース部材100が最も大きく熱変位する方向と延在方向が交差する一部の領域(例えば、領域Ar1及び領域Ar3)が占める割合が、残りの領域(例えば、領域Ar2及び領域Ar2)が占める割合より大きくなるよう配置されてもよい。これにより、ベース本体101(第一金属材料)と肉盛層104(第二金属材料)との間における相対移動を効果的に規制できるので、剥離を好適に抑制できる。
【0090】
(3.第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る金属付加製造装置2について図9図11に基づき説明する。第一実施形態においては、ベース部材100の複数の第一ビード102は、制御装置30が備える第一ビード形成制御部31の制御によって、ベース本体101の表面101a上に、ベース本体101と一体的に形成された。
【0091】
しかしながら、この態様に限らず、第二実施形態として、図9図10に示すように、ベース部材200が切削加工によって予め形成された複数の第一ビード202を備えていてもよい。なお、前述した切削加工は、鋳造又は鍛造であってもよい。つまり、複数の第一ビード202が、ベース本体201と一体で形成されてもよい。この場合、金属付加製造装置2では、上述した第一ビード形成制御部31は不要である。
【0092】
即ち、第二実施形態に係る金属付加製造装置2は、図9に示すように、第一実施形態の金属付加製造装置1に対して、制御装置230が、第一ビード形成制御部31を備えていない点が異なる。また、図10に示す付加造形物210を製造する際に、初めに造形台105上に載置するのが、第一実施形態のように第一ビード102を備えないベース本体101ではなく、予め第一ビード202を備えるベース部材200である点が異なる。その他については、第一実施形態と同様である。よって、以降においては、第一実施形態と同様の構成には同じ符号を付して説明するとともに、異なる部分である製造方法についてのみ詳細に説明する。
【0093】
(3−1.付加造形物の製造方法)
次に、上記で説明した付加造形物210の製造方法について、図11のフローチャート2に基づき簡単に説明する。この製造方法は、上記で説明した金属付加製造装置2を用いて付加造形物210を製造する際の製造方法に関する。
【0094】
ステップS210では、図9に示すように造形台105上にベース部材200を載置して供給する。このとき、ベース部材200は、予め備えられた第一ビード202側を上面として造形台105上に載置される。なお、ステップS210は、第一実施形態におけるフローチャート1のステップS10−ステップS40に相当する。
【0095】
以降、ステップS250−ステップS300は、フローチャート1におけるステップS50−ステップS100と構成品の符号は異なるが同様の処理を行なうものである。これにより、第一ビード202の上面及び第二ビード203の上面と固着する平板状の肉盛層204(コーティング層)が形成され、ベース部材200の強度が向上される。また、ベース部材200と肉盛層204との間の剥離も良好に抑制される。
【符号の説明】
【0096】
1、2;金属付加製造装置、 10;粉末材料供給装置、 20;造形光ビーム照射装置、 30、230;制御装置、 31;第一ビード形成制御部、 32;第二ビード形成制御部、 33;肉盛層形成制御部、 100、200;ベース部材、 101、201;ベース本体、 101a;表面、 102、202;第一ビード、 103、203;第二ビード、 104、204;肉盛層、 110、210;付加造形物、 Ar1−Ar4;領域、 BM、BM1、BM2、BM3;造形光ビーム、 Fe;鉄(第一金属材料)、 Fe(P);鉄粉末材料(第一粉末材料)、 Hs;ハイス鋼(第二金属材料)、 Hs(P);ハイス鋼粉末材料(第二粉末材料)、 L1;第一隙間、 t1;第一幅、 t2;第二幅、 X;延在方向、 Y;延在方向。
図1
図2
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図5
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図8
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図11