特開2020-199585(P2020-199585A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-199585(P2020-199585A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20201120BHJP
【FI】
   B25J15/08 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-108067(P2019-108067)
(22)【出願日】2019年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 俊介
(72)【発明者】
【氏名】栃木 偉伸
(72)【発明者】
【氏名】村井 陽介
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707ES03
3C707ET05
3C707EU05
3C707EV03
3C707HS27
3C707NS26
(57)【要約】
【課題】従来構成に対し、部品点数を増やさずに、柔軟素材の滑り落ちを低減可能とする。
【解決手段】把持方向に移動する一対のフィンガ3−1,3−2と、フィンガ3−1,3−2に個々に設けられた板状部材であり、当該フィンガ3−1,3−2による把持方向への移動に伴い柔軟素材を把持する把持爪部4−1,4−2とを備え、把持爪部4−1,4−2は各々、フィンガ3−1,3−2のうちの1つに固定される固定部41−1,41−2と、面方向が固定部41−1,41−2の面方向に対して傾き、フィンガ3−1,3−2による把持方向への移動に伴い柔軟素材を押圧する把持部42−1,42−2とを備え、把持部42−1,42−2、及び固定部41−1,41−2のうちの把持部42−1,42−2側は、柔軟素材が接する面に溶射処理が施された。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持方向に移動する一対のフィンガと、
前記フィンガに個々に設けられた板状部材であり、当該フィンガによる把持方向への移動に伴い柔軟素材を把持する把持爪部とを備え、
前記把持爪部は各々、
前記フィンガのうちの1つに固定される固定部と、
面方向が前記固定部の面方向に対して傾き、前記フィンガによる把持方向への移動に伴い柔軟素材を押圧する把持部とを備え、
前記把持部、及び前記固定部のうちの前記把持部側は、柔軟素材が接する面に溶射処理が施された
ことを特徴とするロボットハンド。
【請求項2】
前記溶射処理が施された領域は、表面粗さが300μm以下である
ことを特徴とする請求項1記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記固定部と前記把持部との間に1つ設けられ、柔軟素材のうちの当該把持部による押圧に伴って押出されてはみ出た部分を支持する支持部を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記支持部は、前記把持爪部の長手方向に沿って形成された貫通穴である
ことを特徴とする請求項3記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記把持爪部は薄板部材から成り、
前記支持部は、
前記把持部のうちの押圧面とは反対側の面に設けられ、前記貫通穴の当該把持部側の辺に連なる面を有する凸部を有する
ことを特徴とする請求項4記載のロボットハンド。
【請求項6】
前記支持部は、前記把持爪部の長手方向に沿って形成された凹部である
ことを特徴とする請求項3記載のロボットハンド。
【請求項7】
前記把持爪部は薄板部材から成り、
前記凹部は前記薄板部材に対して曲げ加工が施されることで構成された
ことを特徴とする請求項6記載のロボットハンド。
【請求項8】
前記把持爪部は厚板部材から成り、
前記凹部は前記厚板部材に対して溝掘り加工が施されることで構成された
ことを特徴とする請求項6記載のロボットハンド。
【請求項9】
前記固定部と前記把持部との間の角度は150度である
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちの何れか1項記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、柔軟素材を把持するロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多様な形状の物体を安定的に把持するための小型軽量なロボットハンドが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなロボットハンドにおいて、柔軟素材を把持することを想定した場合、把持力又は指先の角度等を制御し易い構造とすることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−164899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のロボットハンドでは、柔軟素材を把持する際に把持力を制御しても柔軟素材自体の形状が変化して滑り落ち易い等の課題がある。これに対し、ロボットハンドの指の数を増やすことも考えられるが、ロボットハンドの動作機構(部品点数)が増え且つ複雑化するため、好ましい対策とは言い難い。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来構成に対し、部品点数を増やさずに、柔軟素材の滑り落ちを低減可能なロボットハンドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るロボットハンドは、把持方向に移動する一対のフィンガと、フィンガに個々に設けられた板状部材であり、当該フィンガによる把持方向への移動に伴い柔軟素材を把持する把持爪部とを備え、把持爪部は各々、フィンガのうちの1つに固定される固定部と、面方向が固定部の面方向に対して傾き、フィンガによる把持方向への移動に伴い柔軟素材を押圧する把持部とを備え、把持部、及び固定部のうちの把持部側は、柔軟素材が接する面に溶射処理が施されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、従来構成に対し、部品点数を増やさずに、柔軟素材の滑り落ちを低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るロボットハンドの構成例を示す斜視図である。
図2】実施の形態1における把持爪部の構成例を示す斜視図である。
図3図3Aは、実施の形態1に係るロボットハンドが餅を把持している状態を示す正面図であり、図3B図3AのA部を示す拡大図である。
図4】実施の形態1に係るロボットハンドが餅を把持している状態を示す斜視図である。
図5図5A図5Bは、実施の形態1における把持爪部の別の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るロボットハンドの構成例を示す斜視図である。なお図1では後述する凸部432−1,432−2の図示を省略している。
ロボットハンドは、柔軟素材を把持する。柔軟素材としては、例えば餅等のように柔らかい食品が挙げられる。このロボットハンドは、本体部1、一対のリンク機構2−1,2−2、一対のフィンガ3−1,3−2及び一対の把持爪部4−1,4−2を備えている。
【0010】
本体部1は、ロボットハンドに把持力を発生させるための動力源であるモータ(不図示)を有する。以下では、一例として、モータは出力軸により回転出力を行うものとする。なお、モータの制御については、従来のロボットハンドと同様である。
【0011】
リンク機構2−1は、モータが有する出力軸の回転をフィンガ3−1の移動に変換する駆動伝達機構である。図1では、リンク機構2−1として4節のリンク機構を用いている。このリンク機構2−1は、駆動リンク21−1、角度保持リンク22−1及び従動リンク23−1を有する。
【0012】
駆動リンク21−1は、一端がウォームギア等の減速機(不図示)を介してモータが有する出力軸に接続されている。この駆動リンク21−1は、モータにより駆動され、モータが有する出力軸の回転に応じて一端の揺動量(角度、速度又はトルク等)が制御される。
【0013】
角度保持リンク22−1は、一端が本体部1に回転自在に接続されている。
【0014】
従動リンク23−1は、駆動リンク21−1の他端がヒンジピン24−1aを介して回転自在に連結され、角度保持リンク22−1の他端がヒンジピン24−1bを介して回転自在に連結され、一端にフィンガ3−1が連結されている。この従動リンク23−1は、フィンガ3−1と一体に連動して運動する。図1では、駆動リンク21−1は従動リンク23−1の一端側(フィンガ3−1側)に回転自在に接続され、角度保持リンク22−1は従動リンク23−1の他端側に回転自在に接続されているが、配置は逆でもよい。
【0015】
リンク機構2−2は、モータが有する出力軸の回転をフィンガ3−2の移動に変換する駆動伝達機構である。図1では、リンク機構2−2として4節のリンク機構を用いている。このリンク機構2−2は、駆動リンク21−2、角度保持リンク22−2及び従動リンク23−2を有する。
【0016】
駆動リンク21−2は、一端がウォームギア等の減速機(不図示)を介してモータが有する出力軸に接続されている。この駆動リンク21−2は、モータにより駆動され、モータが有する出力軸の回転に応じて一端の揺動量(角度、速度又はトルク等)が制御される。
【0017】
角度保持リンク22−2は、一端が本体部1に回転自在に接続されている。
【0018】
従動リンク23−2は、駆動リンク21−2の他端がヒンジピン24−2aを介して回転自在に連結され、角度保持リンク22−2の他端がヒンジピン24−2bを介して回転自在に連結され、一端にフィンガ3−2が連結されている。この従動リンク23−2は、フィンガ3−2と一体に連動して運動する。図1では、駆動リンク21−2は従動リンク23−2の一端側(フィンガ3−2側)に回転自在に接続され、角度保持リンク22−2は従動リンク23−2の他端側に回転自在に接続されているが、配置は逆でもよい。
【0019】
フィンガ3−1,3−2は、リンク機構2−1,2−2の動作により把持方向(開閉方向)に移動する。なお図1では、フィンガ3−1は従動リンク23−1と一体に構成され、フィンガ3−2は従動リンク23−2と一体に構成されている。
【0020】
把持爪部4−1,4−2は、フィンガ3−1,3−2毎に設けられた板状部材であり、当該フィンガ3−1,3−2による把持方向への移動に伴い柔軟素材を把持する。
【0021】
把持爪部4−1は、図1,2に示すように、固定部41−1、把持部42−1及び支持部43−1を有している。
【0022】
固定部41−1は、フィンガ3−1に固定される部位である。固定部41−1は、把持爪部4−1をフィンガ3−1に固定するための固定穴411−1を有している。
【0023】
把持部42−1は、面方向が固定部41−1の面方向に対して傾き、フィンガ3−1による把持方向への移動に伴い柔軟素材を押圧する部位である。なお図1,2では、固定部41−1と把持部42−1との間の角度(図2に示すθ)が150度程度となっている。
【0024】
また、把持部42−1、及び固定部41−1のうちの把持部42−1側(図1に示す符号44−1の領域)は、表面(柔軟素材が接する面)に溶射処理が施され、通常の金属表面よりも表面粗さが増すように構成されている。
【0025】
支持部43−1は、固定部41−1と把持部42−1との間に1つ設けられ、柔軟素材のうちの当該把持部42−1による押圧に伴って押出されてはみ出た部分を支持する部位である。図1,2では、把持爪部4−1が薄板部材から成り、支持部43−1は貫通穴431−1及び凸部432−1(図3参照)から構成されている。貫通穴431−1は、把持爪部4−1の長手方向に沿って形成されている。凸部432−1は、把持部42−1のうちの押圧面とは反対側の面に設けられ、貫通穴431−1の当該把持部42−1側の辺に連なる面を有する部材である。
【0026】
把持爪部4−2は、図1に示すように、固定部41−2、把持部42−2及び支持部43−2を有している。
【0027】
固定部41−2は、フィンガ3−2に固定される部位である。固定部41−2は、把持爪部4−2をフィンガ3−2に固定するための固定穴411−2を有している。
【0028】
把持部42−2は、面方向が固定部41−2の面方向に対して傾き、フィンガ3−2による把持方向への移動に伴い柔軟素材を押圧する部位である。なお図1では、固定部41−2と把持部42−2との間の角度が150度程度となっている。
【0029】
また、把持部42−2、及び固定部41−2のうちの把持部42−2側は、表面(柔軟素材が接する面)に溶射処理が施され、通常の金属表面よりも表面粗さが増すように構成されている。
【0030】
支持部43−2は、固定部41−2と把持部42−2との間に1つ設けられ、柔軟素材のうちの当該把持部42−2による押圧に伴って押出されてはみ出た部分を支持する部位である。図1では、把持爪部4−2が薄板部材から成り、支持部43−2は貫通穴431−2及び凸部432−2(図3参照)から構成されている。貫通穴431−2は、把持爪部4−2の長手方向に沿って形成された部位である。凸部432−2は、把持部42−2のうちの押圧面とは反対側の面に設けられ、貫通穴431−2の当該把持部42−2側の辺に連なる面を有する部材である。
【0031】
図1,2に示す把持爪部4−1は、例えば金属製の薄板部材を用いて構成可能である。この場合、作業者は、この薄板部材の長手方向に沿って1箇所折曲げることで、固定部41−1及び把持部42−1を構成する。そして、作業者は、把持部42−1、及び固定部41−1のうちの把持部42−1側に対し、表面に溶射処理を施す。そして、作業者は、上記折曲げ箇所に長手方向に沿って貫通穴431−1を開け、凸部432−1を取付けることで、支持部43−1を構成する。図1に示す把持爪部4−2についても同様である。
【0032】
なお図1に示すように、把持爪部4−1,4−2は、フィンガ3−1,3−2にそれぞれ取付けられた際に把持部42−1の押圧面と把持部42−2の押圧面とが対向するように配置される。
【0033】
また、把持爪部4−1の形状(例えば、固定部41−1と把持部42−1との間の角度、把持部42−1の長さ、支持部43−1の長さ及び幅、支持部43−1の配置箇所、及び領域44−1等)は、例えば、ロボットハンドの把持対象である柔軟素材の特徴(例えば、種別、弾性率、形状又は量等)に応じて、適宜設計される。なお、支持部43−1は、ロボットハンドが柔軟素材を把持した際に、把持爪部4−1のうちの当該柔軟素材との接触面積が大きくなると想定される部分に設けられることが望ましい。また、領域44−1は、ロボットハンドが柔軟素材を把持した際に柔軟素材が接触すると想定される領域を含む領域である。把持爪部4−2についても同様である。
【0034】
また、溶射処理が施された領域44−1の表面粗さは、ロボットハンドが柔軟素材を把持した際に柔軟素材が滑り落ち難く、また、ロボットハンドが柔軟素材の把持を解除した際に柔軟素材が残り難くなる程度の表面粗さである。この表面粗さは、例えばクロロプレンゴムスポンジの表面粗さに相当する表面粗さ(300μm以下)である。把持爪部4−2についても同様である。
【0035】
次に、図1に示すロボットハンドによる作用及び効果について説明する。以下では、一例として、ロボットハンドの把持対象である柔軟素材が餅50である場合を示す。
ロボットハンドは、餅50を把持する場合、まず、リンク機構2−1,2−2により把持爪部4−1,4−2間を十分に広げた状態で、餅50の位置まで移動する。そして、ロボットハンドは、リンク機構2−1,2−2により把持爪部4−1,4−2間を狭める。これにより、図3,4に示すように、把持部42−1,42−2は餅50を圧縮して把持する。またこの際、餅50は、把持部42−1,42−2による圧縮に伴って変形し、把持部42−1,42−2とは異なる領域に押出され、その一部(図3,4に示す符号501部分)が貫通穴431−1,431−2からはみ出る。そして、貫通穴431−1,431−2からはみ出た部分は、凸部432−1,432−2に引っかかって支持される。よって、支持部43−1,43−2により把持爪部4−1,4−2による餅50の把持が容易となる。
また、把持部42−1,42−2、及び固定部41−1,41−2の把持部42−1,42−2側は、表面に溶射処理が施され、通常の金属表面よりも表面粗さが増すように構成されている。そのため、餅50の滑り落ちが低減される。
【0036】
その後、ロボットハンドは、把持爪部4−1,4−2により餅50を把持した状態で、所定の場所まで移動する。そして、ロボットハンドは、リンク機構2−1,2−2により把持爪部4−1,4−2間を広げ、餅50の把持を解除する。
ここで、把持爪部4−1において、支持部43−1は、餅50の押圧を行う領域(把持部42−1)とは別の領域に設けられている。また、支持部43−1は単一であり、把持部42−1及び支持部43−2が簡易な形状とされている。また、把持部42−1、及び固定部41−1の把持部42−1側は、表面に溶射処理が施され、通常の金属表面よりも表面粗さが増すように構成されている。把持爪部4−2についても同様である。その結果、従来構成に対し、ロボットハンドが餅50の把持を解除した際に把持爪部4−1,4−2に餅50が残り難くなり、また、把持爪部4−1,4−2の洗浄により餅50を容易に取除くことが可能となる。
【0037】
なお図1〜4では、把持爪部4−1が薄板部材から成り、支持部43−1が貫通穴431−1及び凸部432−1から構成されている。しかしながら、これに限らず、支持部43−1は、固定部41−1と把持部42−1との間に1つ設けられ、柔軟素材のうちの当該把持部42−1による押圧に伴って押出されてはみ出た部分を支持する構成であればよい。
【0038】
例えば図5Aに示すように、把持爪部4−1が厚板部材から成る場合、支持部43−1は貫通穴433−1のみから構成されていてもよい。貫通穴433−1は、把持爪部4−1の長手方向に沿って形成された部位である。すなわち、把持爪部4−1が厚板部材である場合には、貫通穴433−1が凸部432−1と同様の機能としても作用するため、凸部432−1に相当する部材が不要となる。
【0039】
また例えば図5Bに示すように、支持部43−1は凹部434−1から構成されていてもよい。凹部434−1は、把持爪部4−1の長手方向に沿って形成された部位である。例えば図5Bに示すように、把持爪部4−1が厚板部材から成る場合、凹部434−1はこの厚板部材に対して溝掘り加工が施されることで構成される。また、例えば、把持爪部4−1が薄板部材から成る場合、凹部434−1はこの薄板部材に対して曲げ加工が施されることで構成される。
なお、把持爪部4−2についても同様である。
【0040】
なお上記では、ロボットハンドが支持部43−1及び支持部43−2を有する場合を示した。しかしながら、支持部43−1及び支持部43−2は、ロボットハンドに必須の構成ではなく、ロボットハンドに設けられていなくてもよい。
【0041】
また図1〜4では、駆動伝達機構として、リンク機構2−1,2−2を用いた場合を示した。しかしながら、これに限らず、その他の駆動伝達機構を用いてもよい。
【0042】
以上のように、この実施の形態1によれば、ロボットハンドは、把持方向に移動する一対のフィンガ3−1,3−2と、フィンガ3−1,3−2に個々に設けられた板状部材であり、当該フィンガ3−1,3−2による把持方向への移動に伴い柔軟素材を把持する把持爪部4−1,4−2とを備え、把持爪部4−1,4−2は各々、フィンガ3−1,3−2のうちの1つに固定される固定部41−1,41−2と、面方向が固定部41−1,41−2の面方向に対して傾き、フィンガ3−1,3−2による把持方向への移動に伴い柔軟素材を押圧する把持部42−1,42−2とを備え、把持部42−1,42−2、及び固定部41−1,41−2のうちの把持部42−1,42−2側は、柔軟素材が接する面に溶射処理が施された。これにより、実施の形態1に係るロボットハンドは、従来構成に対し、部品点数を増やさずに、柔軟素材の滑り落ちを低減可能となる。
【0043】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 本体部
2−1,2−2 リンク機構
3−1,3−2 フィンガ
4−1,4−2 把持爪部
21−1,21−2 駆動リンク
22−1,22−2 角度保持リンク
23−1,23−2 従動リンク
24−1a,24−1b,24−2a,24−2b ヒンジピン
41−1,41−2 固定部
42−1,42−2 把持部
43−1,43−2 支持部
44−1 領域
411−1,411−2 固定穴
431−1,431−2 貫通穴
432−1,432−2 凸部
433−1 貫通穴
434−1 凹部
図1
図2
図3
図4
図5