特開2020-200007(P2020-200007A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200007(P2020-200007A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】空調機能付コンソール装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20201120BHJP
   B60R 7/04 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   B60H1/00 102T
   B60H1/00 102J
   B60R7/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-110691(P2019-110691)
(22)【出願日】2019年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】寺井 伸弘
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 千春
(72)【発明者】
【氏名】政次 美徳
(72)【発明者】
【氏名】福井 直行
【テーマコード(参考)】
3D022
3L211
【Fターム(参考)】
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC19
3D022CC24
3D022CD07
3L211AA10
3L211AA11
3L211BA01
3L211BA53
3L211DA14
3L211GA11
(57)【要約】
【課題】近接空調と一般空調とを同時に行うことができ、かつ汎用性に優れる空調機能付コンソール装置を提供すること。
【解決手段】
内部空間29を有し車両の座席の側方に配置される筐体2と、前記筐体2に組付けられて前記内部空間29に配置される筒状のダクト3と、を有し、
前記筐体2は、前記座席に向けて開口する第1吹出口21と、前記座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口22と、を有し、
前記ダクト3は、車両用空調装置97に連絡して空調空気の流入端部となる流入流路部30と、前記流入流路部30に連絡する分配流路部40とを有し、
前記分配流路部40は、前記第1吹出口21に連絡する第1流路部41と、前記第2吹出口22に連絡する第2流路部42と、の二つの独立した流路に分岐する、空調機能付コンソール装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有し車両の座席の側方に配置される筐体と、前記筐体に組付けられて前記内部空間に配置される筒状のダクトと、を有し、
前記筐体は、前記座席に向けて開口する第1吹出口と、前記座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口と、を有し、
前記ダクトは、車両用空調装置に連絡して空調空気の流入端部となる流入流路部と、前記流入流路部に連絡する分配流路部とを有し、
前記分配流路部は、前記第1吹出口に連絡する第1流路部と、前記第2吹出口に連絡する第2流路部と、の二つの独立した流路に分岐する、空調機能付コンソール装置。
【請求項2】
前記第2流路部のうち前記第1流路部との境界となる第2分岐端部の流路断面積は、前記第1流路部のうち前記第2流路部との境界となる第1分岐端部の流路断面積の2倍以上である、請求項1に記載の空調機能付コンソール装置。
【請求項3】
前記第1吹出口はスリット状をなし、
前記第1流路部は、前記空調空気の流路上流側に位置する導入部と、前記導入部よりも前記空調空気の流路下流側に位置し前記第1吹出口の長手方向に沿って延びる整流部とを有し、
前記整流部は、前記第1吹出口に連絡する出口部と、前記導入部に連絡するバッファー部とを有し、
前記出口部と前記導入部との境界には、前記ダクトにおける前記第1吹出口側の内壁面から突出し前記第1吹出口の長手方向に沿って延びる立壁が設けられ、
前記出口部と前記バッファー部とは、前記第1吹出口とは逆側の領域においては連絡し、前記第1吹出口側の領域においては前記立壁によって隔てられる、請求項1または請求項2に記載の空調機能付コンソール装置。
【請求項4】
前記バッファー部の流路断面積は、前記出口部の流路断面積の2倍以上である、請求項3に記載の空調機能付コンソール装置。
【請求項5】
前記立壁は、前記整流部における前記長手方向の全長に設けられている、請求項3または請求項4に記載の空調機能付コンソール装置。
【請求項6】
前記第1流路部または前記第1吹出口を開閉する第1開閉ダンパと、前記第2流路部または前記第2吹出口を開閉する第2開閉ダンパと、の少なくとも一方を具備する、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の空調機能付コンソール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の冷暖房を行うための空調機能を有するコンソール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な車両には、冷暖房を行うための空調システムが搭載されている。ガソリン等の石油燃料を動力源としエンジンを原動機とするエンジン車においては、空調システムにおける暖房用の熱源として、石油燃料の燃焼時の排熱を利用するのが一般的である。
【0003】
近年台頭がめざましい電気自動車は、リチウムイオン二次電池等の自動車用電池を動力源とするものであり、石油燃料の燃焼がないために、上記したエンジン車に比べて、CO排出量低減等の面で有利である。
【0004】
しかしその反面、電気自動車は、石油燃料の燃焼時の排熱を利用できない。
このため、電気自動車に搭載される空調システムにおいては、電動モータの動力源である自動車用電池を電熱ヒータの動力源としても用いるのが一般的である。しかし、走行用の電動モータ及び暖房用の電熱ヒータの動力源として同じ自動車用電池を用いることで、例えば厳寒期等の暖房に必要なエネルギ量が大きい場合、大きなエネルギを空調システムに費やすことで車両の走行可能な距離が短くなる問題がある。この面において、電気自動車はエンジン車に比べて不利といい得る。エンジンと電動モータとを併用したハイブリッド車についても同様である。
【0005】
近年、車室全体の空調を行うかわりに、車室のうちの目的とする部分だけに空調を行う技術が提案されている。
特許文献1には、車両における座席の側方に配置されるコンソール装置において、コンソールボックスの側面部の上端側と蓋体の側端部との間に、座席に着座した乗員に対して空調空気を吹き出すための隙間を設ける技術が開示されている。
このように、車室内において乗員に近接した部分だけに空調を行うことで、車室全体の空調を行う場合に比べてエネルギの使用量を低減できる可能性がある。
以下、本明細書において、このように車室内において乗員に近接した部分に空調を行う技術を近接空調と称する場合がある。また、車室内の広範囲にわたって空調を行う技術を一般空調と称する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017−56917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のように、近接空調は空調システムひいては車両の省エネルギ化を実現し、かつ、乗員が快適に過ごし得るよう車室内の空調を行うのに有用と考えられる。しかし実際には、近接空調だけでは、車室内の空調を充分に行い難い場合がある。
例えば乗員の数が多い場合には、近接空調によって車室における一部の領域のみに空調を行うと、空調が行われない領域に搭乗する乗員が不快感を覚える可能性がある。このような面からも、車両用の空調システムとして、近接空調だけを行うものは充分でないと考えられる。
【0008】
特許文献1は、実施例として、近接空調と一般空調とをともに行う例を開示している。特許文献1の実施例には、コンソールボックスの外側パネルと内側パネルとの間に一般空調用の流路を区画形成し、当該流路に供給穴を設け、当該供給穴を経て、流路を流通する空調空気を近接空調用の吹出口(隙間27)に供給する旨が開示されている。
また、特許文献1には、他の例として、一般空調用の流路とは別に、近接空調用のダクト(専用ダクト34)を設ける旨も開示されている。
【0009】
このような特許文献1の技術によると、近接空調と一般空調とを同時に行うことが可能である。しかし、この技術によると、流路としてコンソールボックスのサイドパネルを用いるために、コンソールボックスの汎用性が大きく損なわれ、ひいては、近接空調用の吹出口や一般空調用の吹出口の設計の自由度も大きく損なわれる。このため、この種の装置は汎用性に劣る問題がある。
一般空調用の流路とは別に、近接空調用の専用ダクトを設ける場合には、少なくとも当該専用ダクトに関する形状や位置の自由度は向上するが、一般空調用の流路に由来する汎用性の問題は依然として解消しない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、一般空調と近接空調とを同時に行うことができ、かつ汎用性の高い空調機能付コンソール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の空調機能付コンソール装置は、
内部空間を有し車両の座席の側方に配置される筐体と、前記筐体に組付けられて前記内部空間に配置される筒状のダクトと、を有し、
前記筐体は、前記座席に向けて開口する第1吹出口と、前記座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口と、を有し、
前記ダクトは、車両用空調装置に連絡して空調空気の流入端部となる流入流路部と、前記流入流路部に連絡する分配流路部とを有し、
前記分配流路部は、前記第1吹出口に連絡する第1流路部と、前記第2吹出口に連絡する第2流路部と、の二つの独立した流路に分岐する、コンソール装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の空調機能付コンソール装置は、一般空調と近接空調とを同時に行うことができ、かつ汎用性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】車室内における実施例1の空調機能付コンソール装置を模式的に表す説明図である。
図2】実施例1の空調機能付コンソール装置を側面視した様子を模式的に表す説明図である。
図3】実施例1の空調機能付コンソール装置を上面視した様子を模式的に表す説明図である。
図4】実施例1の空調機能付コンソール装置の断面を模式的に表す説明図である。
図5】実施例1の空調機能付コンソール装置におけるダクトを模式的に表す説明図である。
図6】実施例2の空調機能付コンソール装置を上面視した様子を模式的に表す説明図である。
図7】実施例2の空調機能付コンソール装置の断面を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の空調機能付コンソール装置は、内部空間を有し車両の座席の側方に配置される筐体と、当該筐体に組付けられて上記の内部空間に配置される筒状のダクトと、を有する。
【0014】
筐体は、上記の座席に向けて開口する第1吹出口と、上記の座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口と、を有する。筐体は座席の側方に配置されるため、当該筐体に設けられ上記の座席に向けて開口する第1吹出口は、近接空調用の吹出口に相当する。また、当該筐体に設けられ上記の座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口は一般空調用の吹出口に相当する。
【0015】
一方、ダクトは、車両用空調装置に連絡して空調空気の流入端部となる流入流路部と、上記の流入流路部に連絡する分配流路部とを有する。当該分配流路部は、上記の第1吹出口に連絡する第1流路部と、上記の第2吹出口に連絡する第2流路部と、の二つの独立した流路に分岐する。
【0016】
したがって、本発明の空調機能付コンソール装置においては、車両用空調装置から供給された空調空気は、ダクトの流入流路部に進入し、次いで、分配流路部に到達する。分配流路部は、第1流路部と第2流路部とに分岐するため、ダクトを流通する空調空気の一部は第1流路部に進入し、他の一部は第2流路部に進入する。
【0017】
第1流路部は第1吹出口に連絡しているため、第1流路部内の空調空気は第1吹出口を介して座席に向けて吹き出す。これにより、本発明の空調機能付コンソール装置によると、近接空調を行い得る。
一方、第2流路部は第2吹出口に連絡しているため、第2流路部内の空調空気は、第2吹出口を介して車両の後方に吹き出す。これにより、本発明の空調機能付コンソール装置によると、上記した近接空調に加えて、一般空調を行い得る。
【0018】
また、本発明の空調機能付コンソール装置においては、ダクトは筐体に組付けられて当該筐体の内部空間に配置される。つまり、本発明の空調機能付コンソール装置では、ダクトと筐体とは独立して設けられている。このことにより、筐体すなわちコンソールボックスおよびダクトの設計の自由度や、筐体に対するダクトの配置の自由度が向上する。また、例えば、異なる形状の筐体に同じダクトを組付けることや、異なる形状のダクトを同じ形状の筐体に組付けることも可能である。このため、本発明の空調機能付コンソール装置は、筐体やダクトの汎用性に優れるといい得る。
【0019】
更に、ダクトとして、近接空調用および一般空調用の異なる二種のダクトを用いるのではなく、流入流路部を共有する分岐形状のものを用いることで、無駄を省き、ダクトの外形を極力小さくすることができる。そして、このように省スペース化したダクトを筐体の内部空間に配置したことで、本発明の空調機能付コンソール装置は取り扱い性にも優れる。例えばダクトが筐体の下側等に設けられ、筐体の内部に収まらない場合には、空調機能付コンソール装置を車両に取付ける際に、ダクトと筐体とを一体に扱うことができず、取付作業が繁雑になる。しかし、ダクトを筐体の内部に配置することで、空調機能付コンソール装置を車両に取付ける作業が容易になる。
このように、本発明の空調機能付コンソール装置は、省スペース化されたダクトを筐体の内部に配置することにより、車両用のコンソール装置として好適である。
【0020】
以下、本発明の空調機能付コンソール装置を詳細に説明する。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
以下、必要に応じて、空調空気の流路上流側を単に上流側と称し、空調空気の流路下流側を単に下流側と称する場合がある。
【0021】
本発明の空調機能付コンソール装置は、筐体とダクトとを有する。
このうち筐体は、ダクトを配置可能な内部空間を有し、車両における座席の側方に配置される。さらに、筐体は座席に向けて開口する第1吹出口と、座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口とを有する。
【0022】
筐体は、運転席と助手席との間に配置されても良いし、2つの後部座席の間に配置されても良い。場合によっては、筐体は、何れか一つの座席のみの側方、例えば座席とドアとの間等に配置されても良い。
【0023】
筐体の内部空間にはダクトが配置される。ダクトは、その全体が当該内部空間に収納されても良いし、その一部が内部空間の外部、すなわち筐体の外部に露出しても良い。特に、ダクトにおける流入流路部は、車両用空調装置に連絡される部分である。このため、流入流路部と車両用空調装置とを接続する作業の効率を考慮すると、当該流入流路部における車両用空調装置側の端部は筐体の外部に露出するのが好ましいといえる。ダクトにおけるその他の部分は、内部空間に収納され筐体の外部には露出しないのが好ましい。
【0024】
筐体の内部空間には、ダクトのみが配置されても良いし、ダクトに加えてダクト以外の車両搭載機器が配置されても良い。当該車両搭載機器としては、例えば、ドリンクホルダ、テーブル、オーディオ機器、カーナビゲーションシステムまたはそのモニタ、各種の機器を操作するためのタッチパネル等が例示される。これらの車両搭載機器は、本発明の空調機能付コンソール装置の一部とみなしても良いし、本発明の空調機能付コンソール装置とは別の装置とみなしても良い。
【0025】
筐体は、既述した第1吹出口と第2吹出口とを有する。第2吹出口の形状は特に限定しないが、第1吹出口については、座席に着座した乗員の近傍を近接空調することを考慮すると、座席に着座した乗員に沿って延びるスリット状であることが好ましい。
具体的には、当該第1吹出口は、座席の前後方向に沿って延びるのが好ましい。換言すると、第1吹出口における長手方向の一端部は、座席の前後方向において、長手方向の他端部よりも前側に位置するのが好ましい。この場合には、第1吹出口から吹き出す空調空気を乗員の脚部に吹きつけ得る。
または、当該第1吹出口は、座席の上下方向に沿って延びても良い。換言すると、第1吹出口における長手方向の一端部は、座席の上下方向において、長手方向の他端部よりも上側に位置するのが好ましい。この場合には、第1吹出口から吹き出す空調空気を乗員の胴体に吹きつけ得る。
その他、スリット状をなす当該第1吹出口の延びる方向は、種々の方向にすることができる。
【0026】
ここで、例えば、「第1吹出口における長手方向の一端部が座席の前後方向において他端部よりも前側に位置する」とは、「第1吹出口の長手方向を座席の前後方向と概略同じ方向に向ける」ことを意味する。第1吹出口の長手方向は座席の前後方向と一致しなくて良いが、両者のなす角は90°以下であるのが好ましく、45°以下であるのがより好ましく、30°以下であるのがさらに好ましく、15°以下であるのが特に好ましい。
【0027】
また、「座席の前後方向」は、「座席の向き」と捉えることもでき、座席に着座し乗員の臀部と膝とをむすぶ方向と一致する。当該乗員の膝側が座席の前側であり、臀部側が座席の後側である。本発明の空調機能付コンソール装置における座席の前後方向は、車両の進行方向と同じであっても良いし、異なっていても良い。後述する実施例の空調機能付コンソール装置においては、座席の前後方向と車両の進行方向とは一致するが、例えば複数の座席が車両進行方向に対して横向きに並ぶ場合等、前後方向が車両進行方向と一致しない場合もある。複数の座席が車両進行方向に対して横向きに並ぶ場合には、車両の進行方向と略直交する方向が座席の前後方向となる。
【0028】
吹出口の長手方向を座席の前後方向と概略同じ方向に向けることで、吹出口から流出した空調空気を、乗員の臀部と膝との間にある大腿部の全体にわたって吹きつけることができ、乗員の大腿部を効率良く暖めまたは冷やすことができる。
【0029】
ここで、寒冷下においては人体の背中や大腿部を暖めるのが良いとされているため、より小さい熱量によって乗員に暖かさを知覚させるためには、乗員の背中や大腿部を集中的に暖めるのが合理的である。
背中に関しては、座席の背もたれに覆われ、場合によってはシートヒータで暖められる。このため乗員は、背中よりも大腿部において、より寒さや暖かさを知覚し易いと考えられる。
【0030】
本発明の空調機能付コンソール装置において、第1吹出口の形状を座席の前後方向に沿って延びるスリット状とすることで、空調空気を乗員の大腿部に集中して、かつ、当該大腿部の全体にわたって吹き付けることができる。このことにより、乗員が快適な温度であると知覚するように、効率の良い空調を行うことが可能である。
【0031】
乗員の大腿部を充分な範囲で暖めるまたは冷やすためには、第1吹出口の長手方向の長さをある程度長くするのが好ましい。具体的には、当該第1吹出口の長手方向の長さは、座席における座面の前後方向の長さの50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80%以上であるのがさらに好ましい。
第1吹出口の長手方向の実際の長さは、150mm以上であるのが好ましく、170mm以上であるのがより好ましく、200mm以上であるのが特に好ましい。
【0032】
なお、第1吹出口は、長手方向を有する都合上、短手方向も有する。第1吹出口の長手方向の長さと短手方向の長さとの比率は特に問わないが、省エネルギの観点からは、第1吹出口の流路断面積は過大でないのが好ましい。したがって、第1吹出口における短手方向の長さは短い方が好ましい。具体的には、第1吹出口の長手方向の長さは短手方向の長さの2倍以上であるのが好ましく、3倍以上であるのがより好ましく、5倍以上であるのがさらに好ましく、10倍以上であるのが特に好ましい。長手方向と短手方向とは直交する方向であるのが好ましいが、両者は直角以外の角度で交差しても構わない。この場合の両者の交差角(劣角)は、45°以上であるのが好ましく、60°以上であるのがより好ましく、75°以上であるのがさらに好ましい。
【0033】
また、乗員の大腿部をより効率的に暖めるまたは冷やすためには、空調空気が乗員の大腿部の上を流通するのが良い。このため、第1吹出口は座席の座面よりもさらに上側に位置するのが好ましい。好ましくは、第1吹出口の上端は、座席の座面よりも上側にあり、かつ、第1吹出口の上端と座面との上下方向の距離は50mm以上であるのが好ましい。また、この場合、第1吹出口の下端もまた座面よりも上側にあり、かつ第1吹出口の下端と座面との上下方向の距離は10mm以上であるのがより好ましい。
上記した第1吹出口の上端と座面との上下方向の距離のより好ましい範囲として、70mm以上、100mm以上、150mm以上の各範囲を挙げることができる。当該第1吹出口の上端と座面との上下方向の距離に特に上限はないが、好ましい範囲として、250mm以下、230mm以下、200mm以下の各範囲を挙げることができる。
【0034】
また、上記した第1吹出口の下端と座面との上下方向の距離のより好ましい範囲として、20mm以上、40mm以上、80mm以上の各範囲を挙げることができる。当該第1吹出口の下端と座面との上下方向の距離に特に上限はないが、好ましい範囲として、170mm以下、150mm以下、140mm以下の各範囲を挙げることができる。
【0035】
また、近接空調において、空調空気は、乗員の身体のなるべく大きな範囲に吹き付けるのが好ましい。例えば、第1吹出口によって乗員の大腿部を温めまたは冷やす場合には、空調空気は、乗員の一対の大腿部のうち吹出口に近い側の大腿部から遠い側の大腿部に向けて、流通するのが良い。乗員の二つの大腿部の上に空調空気を流通させるためには、座席に対して筐体とは逆側の側方に、空調空気を吸入する吸入ダクトを設ければ良い。こうすることで、乗員の大腿部の上方で空調空気の乱流が生じたり、滞留したりすることが抑制され、乗員の大腿部に適度に温度調整された空調空気が連続的に供給される。したがって、この場合には、乗員の大腿部を効率的に暖め得る。
【0036】
吸入ダクトは、第1吹出口側に位置する吸入口と、当該吸入口とは逆側に位置する排気口とを有する。筐体内部のダクトが給気用のダクトであるのに対して、吸入ダクトは排気用のダクトということもできる。
【0037】
吸入ダクトの排気口は、車室外に連絡しても良いし、車室内に連絡しても良い。また、必要に応じて、吸入ダクト内に空気の流れを生じさせるための吸入ダクト用ブロワを設けても良い。筐体を運転席と助手席との間に配置する場合には、吸入ダクトおよび吸入ダクト用ブロワは筐体と逆側のサイドドアに設けるのが好ましい。
【0038】
ダクトは、既述したように、流入流路部および分配流路部を有し、かつ、分配流路部が第1流路部および第2流路部の二つの独立した流路に分岐したものである。
ダクトは内部に空調空気の流路すなわち上記の流入流路部および分配流路部を有する筒状をなせば良く、その形状や材料は特に限定しない。車両に搭載する都合上、ダクトは軽量であるのが好ましく、ダクトの材料としては樹脂やゴムを選択するのが好ましい。ダクトは、ブロー成形、射出ブロー成形、ウォーターアシスト成形等の方法でその全体が一体に成形されたものであっても良いし、或いは複数の分体として成形され当該分体が互いに組付けられて一体化されたものであっても良い。
ダクトの分配流路部は、第1流路部および第2流路部に分岐すれば良い。
【0039】
ところで、第1流路部はダクトにおける近接空調用の流路であり、第2流路部はダクトにおける一般空調用の流路である。このため、第1流路部を流通し第1吹出口を経て吹き出される空調空気は、主に、乗員に近接した位置から乗員に直接吹き付ける。また、第2流路部を流通し第2吹出口を経て吹き出される空調空気は、主に、乗員から離れた位置から乗員に向けて直接的又は間接的に吹き付ける。このため、乗員にとって快適な空調を行うためには、第2流路部を流通する空調空気は第2吹出口から強く吹き出すことができるのが好ましいのに対し、第1流路部を流通する空調空気は第1吹出口から比較的緩やかに吹き出すのが好ましいと考えられる。空調空気が第1吹出口を経て乗員に直接かつ強く吹き付けると、乗員が不快感を覚える可能性が高いためである。
【0040】
第1流路部を経た空調空気を第1吹出口から緩やかに吹き出すためには、第1流路部における空調空気の流量を、第2流路部における空調空気の流量よりも少なくするのが有効と考えられる。
【0041】
具体的な方法として、第2流路部のうち第1流路部との境界となる部分の流路断面積を、第1流路部のうち第2流路部との境界となる部分の流路断面積の2倍以上とする方法が挙げられる。当該「第1流路部のうち第2流路部との境界となる部分」を第1分岐端部と称する。当該「第2流路部のうち第1流路部との境界となる部分」を第2分岐端部と称する。
第2分岐端部の流路断面積を第1分岐端部の流路断面積の2倍以上とすることで、流入流路部を経て分配流路部に流入した空調空気は、第2流路部に多く分配される。流入流路部を流通する空調空気の量が同じであれば、第2流路部に分配される空調空気の量が多い程、第1流路部に分配される空調空気の量が少なくなり、第1流路部における空調空気の流量が少なくなる。したがって、この場合、空調空気は第1吹出口から緩やかに吹き出す。
【0042】
なお、第2分岐端部の流路断面積は、第1分岐端部の流路断面積の2倍以上であるのが好ましく、2.3倍以上であるのが特に好ましい。
【0043】
ところで、既述したように、第1吹出口から吹き出す空調空気は、乗員の大腿部の全体にわたって吹きつけるのが好ましく、この視点から、第1吹出口は座席の前後方向に沿って延びるスリット状であるのが好ましい。
【0044】
座席に着座した乗員の大腿部をより効率的に暖めまたは冷やすためには、空調空気は、スリット状をなす第1吹出口の長手方向の全体にわたって、均一に吹き出すのが好ましい。
当該第1吹出口の長手方向の全体にわたって空調空気を均一に吹き出すためには、第1流路部のうち第1吹出口の上流側に位置する部分に、空調空気を整流するための機構を設けるのが有効である。
【0045】
上記した空調空気を整流するための機構の具体的な構造は実施例の欄に例示するが、第1流路部に当該機構を設ける目的は、第1吹出口の上流側において、第1流路部における空調空気の流通方向を変えることで、当該空調空気を第1吹出口の長手方向の全体にわたって略均等に分配することにある。第1流路部における空調空気の流通方向を変えることで、第1流路部を流通する空調空気が第1吹出口の一部から直接吹き出すことが抑制されれば、当該空調空気を第1吹出口の長手方向に均等に分配し易くなる。
【0046】
第1流路部における空調空気の流通方向を変えるためには、ダクトのうち第1吹出口の上流側に、内壁面から突出する立壁を設け、当該立壁によって空調空気の流通を干渉するのが良い。立壁に当たった空調空気は、当該立壁に沿って案内され、当該立壁の突出端部側において立壁とダクトの内壁面との隙間を通り、第1吹出口に供給される。このような立壁は、第1吹出口の長手方向に沿って延びるのが好ましい。
【0047】
上記の立壁は、ダクトにおける内壁面のうち第1吹出口側に位置する部分から突出しても良いし、当該内壁面のうち第1吹出口に対面する側に位置する部分から突出しても良い。第1流路部を流通する空調空気が第1吹出口の一部から直接吹き出すことをより確実に抑制するためには、立壁は、ダクトにおける内壁面のうち第1吹出口側に位置する部分から突出するのが好ましい。
【0048】
第1流路部のうち第1吹出口側の部分は、立壁によって二つの部分に分けられる。当該二つの部分を整流部と称し、そのうち第1吹出口に近い側の部分を出口部と称し、第1吹出口から遠い側の部分をバッファー部と称する。
バッファー部は出口部の上流側に位置する。バッファー部と出口部とは、立壁によって部分的に隔てられ、立壁の突出端部側において連絡する。
【0049】
第1流路部を流通する空調空気が第1吹出口の一部から直接吹き出すことをより確実に抑制し、空調空気を第1吹出口の長手方向の全体にわたって略均等に分配するためには、整流部から第1吹出口に至る空調空気の略全部を立壁に当接させるのが好ましい。このためには、立壁を、整流部における長手方向の全長に設けるのが好ましい。ここでいう整流部における長手方向は、第1吹出口の長手方向に一致する。
【0050】
また、整流部から第1吹出口に至る空調空気の略全部を立壁に当接させるためには、流入流路部から整流部に流入する空調空気を、先ず、バッファー部に流入させれば良い。具体的には、流入流路部が出口部ではなくバッファー部に連絡すれば良い。整流部においてバッファー部は出口部の上流側に位置し、立壁はバッファー部と出口部との間に配置されるために、バッファー部に流入した空調空気は立壁に頻度高く当接する。
なお、この場合、立壁を整流部における長手方向の全長に設けることで、より一層空調空気が立壁に当接する頻度を高めることが可能である。
【0051】
また、第1吹出口から吹き出す空調空気をより緩やかにするためには、バッファー部の流路断面積を出口部の流路断面積よりも大きくするのが好ましい。バッファー部の流路断面積は、出口部の流路断面積の1.5倍以上であるのが好ましく、2倍以上であるのが特に好ましい。
【0052】
以下、具体例を挙げて本発明の空調機能付コンソール装置を説明する。
【0053】
(実施例1)
車室内における実施例1の空調機能付コンソール装置を模式的に表す説明図を図1に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置を側面視した様子を模式的に表す説明図を図2に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置を上面視した様子を模式的に表す説明図を図3に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置の断面を模式的に表す説明図を図4に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置におけるダクトを模式的に表す説明図を図5に示す。以下、上、下とは鉛直方向における上、下を指し、前、後、左、右とは車両進行方向における前、後、左、右を意味するものとする。左右方向は車幅方向であり、前後方向は車両進行方向である。
【0054】
図1に示すように、実施例1の空調機能付コンソール装置1は、車室95に配置され、筐体2、ダクト3(図3図5参照)、ドリンクホルダ90、荷室91(図3参照)、および、リッド92を有する。図1に示すように、筐体2は車両のセンターコンソールボックスである。図3に示すように筐体2は運転席99と助手席98との間に配置されている。
【0055】
筐体2は、その長手方向を前後に向けている。図1図3に示すように、筐体2には二つの第1吹出口21および二つの第2吹出口22が設けられている。図1および図2に示すように、一方の第1吹出口21Lは、筐体2の左側壁における前側かつ上側部分に設けられている。図3に示すように、第1吹出口21Lは助手席98に向けて開口する。他方の第1吹出口21Rは、筐体2の右側壁における前側かつ上側部分に設けられ、運転席99に向けて開口する。
【0056】
図1に示すように、二つの第2吹出口22は、筐体2の後側壁における上側部分に設けられ、後方に向けて開口する。一方の第2吹出口22Lは左側に配置され、他方の第2吹出口22Rは右側に配置されている。
【0057】
図3に示すように、筐体2における左右方向の中央部分にはドリンクホルダ90および荷室91が設けられている。荷室91は、上方に開口する箱状をなす。荷室91の上部はリッド92で覆われている。ドリンクホルダ90は荷室91よりも前側に配置され、図4に示すように下底を有し上方に開口する筒状をなす。
【0058】
図3に示すように、筐体2は、内部空間29を有する箱状をなす。筐体2の内部空間29には、ダクト3が配置されている。既述したドリンクホルダ90および荷室91もまた、内部空間29に配置されている。
筐体2およびダクト3は樹脂製であり、ダクト3は筐体2と別体で成形され、筐体2に組付けられている。
【0059】
図3に示すように、ダクト3は概略前後方向に延びる筒状をなす。ダクト3の前端は、車両前部に配設されている車両用空調装置97に連絡する。ダクト3の前端が車両用空調装置97に連絡するため、車両用空調装置97からダクト3に供給された空調空気は前方から後方に向けて流通する。
【0060】
なお、当該車両用空調装置97は、暖房換気空調(HVAC:heating ventilating air conditioning)システムとも称されるものであり、車室95を冷暖房するための図略のヒートポンプシステムおよび図略のブロワを有する。
【0061】
ダクト3は、流入流路部30と、二つの分配流路部40とを有する。一方の分配流路部40を左側分配流路部40Lと称し、他方の分配流路部40を右側分配流路部40Rと称する。右側分配流路部40Rおよび左側分配流路部40Lは、左右に配列し、ともに流入流路部30の後側すなわち下流側に連続する。右側分配流路部40Rおよび左側分配流路部40Lは、各々、第1流路部41および第2流路部42を有する。図5に示すように、第1流路部41は第2流路部42の上側に配置される。なお、第1流路部41および第2流路部42は、分岐箇所となる第1分岐端部41Eおよび第2分岐端部42Eよりも下流側では、連絡せず互いに独立している。
【0062】
実施例1の空調機能付コンソール装置1におけるダクト3は、流入流路部30の下流側において左右に配列する左側分配流路部40Lおよび右側分配流路部40Rに分岐し、更に、左側分配流路部40Lおよび右側分配流路部40Rは、各々、上下に配列する第1流路部41及び第2流路部42に分岐する、といえる。
【0063】
図3に示すように、左側分配流路部40Lの第1流路部41Lは、助手席98に向けて開口する第1吹出口21Lに連絡し、右側分配流路部40Rの第1流路部41Rは、運転席99に向けて開口する第1吹出口21Rに連絡する。また、左側分配流路部40Lの第2流路部42Lは、左側に配置され後方に開口する第2吹出口22Lに連絡し、右側分配流路部40Rの第2流路部42Rは、右側に配置され後方に開口する第2吹出口22Rに連絡する。
【0064】
図5に示すように、第1流路部41のうち、第2流路部42との境界となる第1分岐端部41Eの流路断面積は、第2流路部42のうち、第1流路部41との境界となる第2分岐端部42Eの流路断面積よりも小さい。実施例1の空調機能付コンソール装置1において、第1分岐端部41Eの流路断面積と第2分岐端部42Eの流路断面積との比は3:7である。
【0065】
図5に示すように、第1流路部41は、導入部43と整流部44とを有する。導入部43は第1分岐端部41E側すなわち上流側に位置し、整流部44は下流側に位置する。導入部43および整流部44は、互いに略平行であるように前後方向に延びる。
図2および図5に示すように、第1吹出口21は、その長手方向を前後に向けたスリット状をなす。整流部44は第1吹出口21の長手方向すなわち前後方向に沿って延び、出口部45と、バッファー部46とを有する。
【0066】
出口部45は、バッファー部46よりも上側に位置する。図4に示すように、出口部45は第1吹出口21よりも内側すなわち左右方向の中央側に配置され、図3および図5に示すように、第1吹出口21と略平行となる前後方向に延びる。具体的には、左側分配流路部40Lの第1流路部41Lは、助手席98に向けて開口する第1吹出口21Lの右側に配置され、当該第1吹出口21Lに連絡する。右側分配流路部40Rの第1流路部41Rは、運転席99に向けて開口する第1吹出口21Rの左側に配置され、当該第1吹出口21Rに連絡する。
【0067】
図4に示すように、バッファー部46は出口部45よりも下側に位置し、図5に示すようにバッファー部46は出口部45と略平行となる前後方向に延びる。バッファー部46の流路断面積は出口部45の流路断面積よりも大きい。実施例1の空調機能付コンソール装置1におけるバッファー部46の流路断面積は、出口部45の流路断面積の4倍である。
図5に示すように、導入部43はバッファー部46に連絡している。
【0068】
出口部45とバッファー部46との境界には、立壁35が設けられている。図4に示すように、立壁35は、ダクト3における第1吹出口21側の内壁面から略水平に突出する。また、図5に示すように、立壁35は第1吹出口21の長手方向すなわち前後方向に沿って延び、かつ、整流部44における長手方向の全長に設けられている。
立壁35の突出高さは、出口部45の左右方向の長さおよびバッファー部46の左右方向の長さよりも短い。したがって、立壁35の突出先端側には、出口部45とバッファー部46とを連絡する隙間47が形成されている。
【0069】
出口部45とバッファー部46との境界に立壁35が設けられているために、図4に示すように、出口部45とバッファー部46とは、第1吹出口21とは逆側の領域においては隙間47によって連絡し、第1吹出口21側の領域においては立壁35によって隔てられる。
【0070】
図1および図5に示すように、第2吹出口22の一部は風向調整用のレジスタ80によって構成されている。第2吹出口22から後方に向けて吹き出す空調空気の風向は、当該レジスタ80によって調整可能である。また、図5に示すように、レジスタ80よりもやや上流側の位置には、第2開閉ダンパ82が配置されている。当該第2開閉ダンパ82は、第2吹出口22を閉じる閉位置(図5中2点鎖線で示す)と、第2吹出口22を開く開位置(図5中実線で示す)との間を回動可能である。第2開閉ダンパ82を操作するための操作ダイヤル89は、図1に示すように、レジスタ80の側方に配置されている。
【0071】
なお、図5に示すように、第1流路部41における第1分岐端部41Eの近傍には、第1開閉ダンパ81が配置されている。当該第1開閉ダンパ81は、第1流路部41を閉じる閉位置(図5中2点鎖線で示す)と、第1流路部41を開く開位置(図5中実線で示す)との間を回動可能である。図示しないが、第1開閉ダンパ81を操作するための操作ダイヤルは、第1吹出口21の近傍に配置されている。
【0072】
実施例1の空調機能付コンソール装置1において、図5に示す車両用空調装置97からダクト3の流入流路部30に供給された空調空気は、分配流路部40において第1流路部41と第2流路部42とに分配される。ここで、第1流路部41の上流端に位置する第1分岐端部41Eの流路断面積は、第2流路部42の上流端に位置する第2分岐端部42Eの流路断面積よりも小さいため、空調空気は第2流路部42に多く分配される。したがって、第2流路部42を流通し第2吹出口22を経て後方に吹き出す空調空気の風量は大きく、当該空調空気は比較的遠くにまで到達する。よって、実施例1の空調機能付コンソール装置1によると、一般空調が可能であり、車両における後部側の領域を効率良くかつ充分に空調することが可能である。
【0073】
一方、第1流路部41に分配される空調空気は、比較的少量である。第1流路部41に流入した空調空気は、後方に向けて進み、導入部43を経て、バッファー部46に流入する。
【0074】
ところで、第1流路部41を流通する空調空気の吹出口である第1吹出口21は、バッファー部46の上側にある。したがってダクト3内を後方に向けて進んだ空調空気は、バッファー部46においては上方に進まなければ第1吹出口21に到達しない。さらに、図4に示すように、バッファー部46の上方には立壁35が設けられており、第1吹出口21に至る出口部45と、バッファー部46とは、第1吹出口21とは逆側の領域でのみ連絡している。このため、バッファー部46から第1吹出口21に至る空調空気の流路は方向を複雑に変え、空調空気はバッファー部46および出口部45の内部で拡散する。これにより空調空気は、前後方向すなわち第1吹出口21の長手方向に分配される。よって、実施例1の空調機能付コンソール装置1によると、第1吹出口21における長手方向の全体から、運転席99や助手席98に着座した乗員96に向けて空調空気を吹き出すことができ、近接空調を好適に行い得る。
【0075】
さらに、図1および図2に示すように、実施例1の空調機能付コンソール装置1における第1吹出口21は外側開口部材83で覆われている。図4に示すように、外側開口部材83の上流側には、更に、内側開口部材84が配置されている。
内側開口部材84は、上下方向に延びるスリット状をなし前後方向に配列する内側開口(図略)を多数有する部材である。外側開口部材83は、内側開口よりも小径の貫通孔状をなす外側開口85を多数有する部材である。内側開口部材84および外側開口部材83によって第1吹出口21を覆うことで、第1吹出口21付近における空調空気の流路は、多数に分割され、かつ、段階的に狭められる。このため、第1吹出口21から吹き出す空調空気はさらに拡散される。このことによっても、実施例1の空調機能付コンソール装置1によると、第1吹出口21における長手方向の全体から、空調空気を緩やかに吹き出すことができる。
【0076】
実施例1の空調機能付コンソール装置1によると、上記したように近接空調および一般空調を同時に行うことができる。また、ダクト3は筐体2に組付けられて当該筐体2の内部空間29に配置されるため、筐体2およびダクト3の交換や設計の変更が容易である。よって、実施例1の空調機能付コンソール装置1は筐体2やダクト3の汎用性に優れる。
【0077】
実施例1の空調機能付コンソール装置1において、第1流路部41は第1開閉ダンパ81によって開閉可能であり、第2吹出口22は第2開閉ダンパ82によって開閉可能である。また、第1開閉ダンパ81と第2開閉ダンパ82とは独立して動作可能である。
このため、実施例1の空調機能付コンソール装置1によると、近接空調と一般空調との一方だけを選択的に行うことが可能である。また、第1分岐端部41Eの流路断面積を第2分岐端部42Eの流路断面積よりも遙かに小さくしたことで、第2開閉ダンパ82によって第2吹出口22を閉じた時にも、第1流路部41に供給される空調空気の流量が過大となることが抑制され、第1吹出口21から空調空気を緩やかに吹き出すことができる。
【0078】
なお、実施例1の空調機能付コンソール装置1は、第1開閉ダンパ81と第2開閉ダンパ82との両方を有するが、本発明の空調機能付コンソール装置1は、これらの一方だけを有しても良いし、これらの両方を有さなくても良い。第1開閉ダンパ81によって第1吹出口21を開閉しても良いし、第2開閉ダンパ82によって第2流路部42を開閉しても良い。更に、第1開閉ダンパ81および第2開閉ダンパ82は開放度可変としても良い。
【0079】
(実施例2)
実施例2の空調機能付コンソール装置は、第1流路部と第2流路部との位置関係、および、流入流路部の形状以外は、実施例1の空調機能付コンソール装置と概略同じものである。実施例2の空調機能付コンソール装置を上面視した様子を模式的に表す説明図を図6に示す。実施例2の空調機能付コンソール装置の断面を模式的に表す説明図を図7に示す。
【0080】
図6に示すように、実施例2の空調機能付コンソール装置1におけるダクト3は、二つの流入流路部30L、30Rと、二つの分配流路部40L、40Rとを有する。二つの流入流路部30L、30Rは、左右方向に配列し、各々独立して車両用空調装置97に連絡する。左側に位置する流入流路部30Lは、左側分配流路部40Lに連絡し、右側に位置する流入流路部30Rは右側分配流路部40Rに連絡する。図7に示すように、右側分配流路部40Rにおける第1流路部41Rは第2流路部42Rの右側に配置される。左側分配流路部40Lにおける第1流路部41Lは第2流路部42Lの左側に配置される。つまり実施例2の空調機能付コンソール装置1においては、第1流路部41と第2流路部42とは左右方向に配列する。
【0081】
図7に示すように、実施例2の空調機能付コンソール装置1では、第1流路部41と第2流路部42とが左右方向に配列することで、筐体2の内部空間29の下側に比較的大きな空きスペース28を形成することができる。この空きスペース28は、各種の車両搭載機器を配設するために利用できる。
【0082】
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。また、実施形態を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0083】
2:筐体 3:ダクト 21:第1吹出口
22:第2吹出口 29:内部空間 30:流入流路部
35:立壁 40:分配流路部 41:第1流路部
42:第2流路部 41E:第1分岐端部 42E:第2分岐端部
43:導入部 44:整流部 45:出口部
46:バッファー部 81:第1開閉ダンパ 82:第2開閉ダンパ
91:座席(運転席) 92:座席(助手席) 96:乗員
97:車両用空調装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7