(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200024(P2020-200024A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】海水電池が設けられた独立型ブイ
(51)【国際特許分類】
B63B 22/00 20060101AFI20201120BHJP
B63B 49/00 20060101ALI20201120BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20201120BHJP
G01W 1/08 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
B63B22/00 C
B63B49/00 B
B63B35/00 T
G01W1/08 G
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-78525(P2020-78525)
(22)【出願日】2020年4月27日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0049310
(32)【優先日】2019年4月26日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515351884
【氏名又は名称】ユニスト(ウルサン ナショナル インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー)
(71)【出願人】
【識別番号】519381506
【氏名又は名称】コリア イースト−ウェスト パワー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519381517
【氏名又は名称】4 トゥ ワン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン シク
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン チン
(72)【発明者】
【氏名】キム ミョン チェ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン キ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒェ チン
(57)【要約】
【課題】貯蔵された電気を電子機器に供給できる海水電池が設けられた独立型ブイを提供する。
【解決手段】内部に海水空間が設けられ、前記海水空間に海水が流入され得るように流入口が形成された本体と、前記本体に設置されて前記本体の位置を知らせる位置知らせ部と、前記本体に設置されて入射する太陽光によって電気を生成する太陽光発電部と、前記海水空間に流入した海水に浸漬され得るように前記海水空間内に設置され、海水と反応して前記太陽光発電部から提供される電気を貯蔵し、前記位置知らせ部を作動させることができるように貯蔵された電気を前記位置知らせ部に提供する海水電池ユニットを具備する。本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、太陽光発電部によって生成された電気を海水と反応した海水電池ユニットが貯蔵し、貯蔵された電気は表示ランプのような電子機器に供給されるので、バッテリーを取り替えることなく長時間使用できる長所がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水に浮遊できるように所定の浮力を有するように形成されたものであって、内部に海水空間が設けられ、前記海水空間に海水が流入され得るように流入口が形成された本体と、
前記本体に設置されて前記本体の位置を知らせる位置知らせ部と、
前記本体に設置されて入射する太陽光によって電気を生成する太陽光発電部と、
前記海水空間に流入した海水に浸漬され得るように前記海水空間内に設置され、海水と反応して前記太陽光発電部から提供される電気を貯蔵し、前記位置知らせ部を作動させることができるように貯蔵された電気を前記位置知らせ部に提供する海水電池ユニットと、を具備する、海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項2】
前記位置知らせ部は前記本体に設置され、前記本体に対する位置情報を生成し、生成された前記位置情報を管理サーバーに伝送し、前記海水電池ユニットから電気の供給を受けて作動するGPSモジュールを具備する、請求項1に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項3】
前記本体に設置され、前記本体周囲の環境情報を収集し、収集された環境情報を前記管理サーバーに伝送する環境情報収集部、をさらに具備する、請求項1に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項4】
前記環境情報収集部は、
前記本体が浮遊する海水の温度を測定できるように前記本体に設置された温度センサと、
前記本体周囲の映像を撮影するために前記本体に設置されたカメラと、を具備する、請求項3に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項5】
前記GPSモジュールは、既設定された設定時間間隔で前記本体に対する位置情報を前記管理サーバーに伝送する、請求項2に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項6】
前記GPSモジュールは、前記本体が潮流によって既設定された基準距離以上に移動したり、既設定された基準範囲を離脱する場合に、該当本体に対する位置情報を前記管理サーバーに伝送する、請求項2に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項7】
前記位置知らせ部は、
前記本体の外周面に分離可能に結合され、内部に前記GPSモジュールが設置され得るように設置空間が設けられ、光透過性素材で形成されたケースと、
前記ケースの内部に設置されて前記本体の位置を知らせるための表示光を生成する少なくとも一つのLEDと、を具備する、請求項1に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項8】
前記位置知らせ部は前記本体に設置され、前記本体に対する位置情報を生成し、生成された前記位置情報を管理サーバーに伝送し、前記海水電池ユニットから電気の供給を受けて作動するGPSモジュールをさらに具備し、
前記本体に入射する太陽光を感知するために前記本体に設置される光センサと、
前記本体の内部に設置され、所定の磁力を有する内部磁石部と、
前記内部磁石部に対向する前記本体の外周面に付着されるために前記内部磁石部と磁力結合され得るように所定の磁力を有する外部磁石と、
前記内部磁石部に対する前記外部磁石の付着位置を判別し、判別された付着位置により作動モード、停止モードまたは自動モードのうちいずれか一つのモードを選択するモード選択部と、
前記モード選択部で前記自動モードが選択される場合、前記光センサから提供される感知情報に基づいて、前記本体に太陽光が入射すると前記LEDの作動を停止させるものの、前記太陽光発電部によって生成された電気で前記海水電池ユニットを充電させ、前記本体に太陽光が入射しないと前記LEDを作動させ、前記モード選択部で前記作動モードが選択される場合、前記表示光が常時発生するように前記LEDを作動させ、前記モード選択部で前記停止モードが選択される場合、前記LEDの作動は常時停止させるものの、前記GPSモジュールを作動させるか前記LEDおよびGPSモジュールの作動を停止させる制御モジュールと、をさらに具備する、請求項7に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項9】
前記流入口を通じて前記海水空間に流入する海水を前記海水電池ユニットに誘導できるように、前記流入口に隣接した位置の前記本体の内壁面に、前記海水電池ユニット側に突出形成された少なくとも一つのガイド部材、をさらに具備する、請求項1に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【請求項10】
前記本体は球状に形成され、海水に浮遊時、前記流入口が海水面の下側に位置し得るように、前記流入口に隣接した位置の前記本体の内壁面に所定の重量を有する重量体が設置された、請求項1に記載の海水電池が設けられた独立型ブイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海水電池が設けられた独立型ブイに関し、さらに詳細には海水電池を通じて貯蔵された電気を利用して作動する独立型ブイに関する。
【背景技術】
【0002】
ブイは海上の気象状況および波高、波の向きなどを感知するために海上に設置されたり、危険水域または漁網などの位置を表示できる表示手段として使われる。
【0003】
一般的に従来のブイは内部にバッテリーが設置され、前記バッテリーから電気の供給を受けてランプやその他の電子装備が作動する。しかし、前記ブイはバッテリーを周期的に交換しなければならず、海水によってバッテリーが腐食する短所がある。
【0004】
これに伴い、大韓民国登録特許第10−1236277号に掲示された自家発電型発光ブザーが開発されており、前記発光ブザーは外部にコイルがあり、コイルの内部に波浪の上下運動によって往復する磁石がある自家発電型発光モジュールを含み、発光モジュールの内部と外部を完全に密閉させて製品を半永久的に使用できるように構成されたことを特徴とする。
【0005】
しかし、該当先行技術は波浪の力によって動くため、潮力などが多少不安定な状況で持続的な電流を得難い短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第10−1236277号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記のような問題点を改善するために創出されたものであって、太陽光発電部によって生成された電気を海水と反応して貯蔵し、貯蔵された電気を表示ランプのような電子機器に供給できる海水電池が設けられた独立型ブイを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、海水に浮遊できるように所定の浮力を有するように形成されたものであって、内部に海水空間が設けられ、前記海水空間に海水が流入され得るように流入口が形成された本体と、前記本体に設置されて前記本体の位置を知らせる位置知らせ部と、前記本体に設置されて入射する太陽光によって電気を生成する太陽光発電部と、前記海水空間に流入した海水に浸漬され得るように前記海水空間内に設置され、海水と反応して前記太陽光発電部から提供される電気を貯蔵し、前記位置知らせ部を作動させることができるように貯蔵された電気を前記位置知らせ部に提供する海水電池ユニットを具備する。
【0009】
一方、本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、前記本体に設置され、前記本体に対する位置情報を生成し、生成された前記位置情報を管理サーバーに伝送し、前記海水電池ユニットから電気の供給を受けて作動するGPSモジュールをさらに具備する。
【0010】
また、本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、前記本体に設置され、前記本体周囲の環境情報を収集し、収集された環境情報を前記管理サーバーに伝送する環境情報収集部をさらに具備する。
【0011】
前記環境情報収集部は、前記本体が浮遊する海水の温度を測定できるように前記本体に設置された温度センサと、前記本体周囲の映像を撮影するために前記本体に設置されたカメラを具備することが好ましい。
【0012】
前記GPSモジュールは、既設定された設定時間間隔で前記本体に対する位置情報を前記管理サーバーに伝送する。
【0013】
また、前記GPSモジュールは前記本体が潮流によって既設定された基準距離以上に移動したり、既設定された基準範囲を離脱する場合に該当本体に対する位置情報を前記管理サーバーに伝送してもよい。
【0014】
前記位置知らせ部は前記本体の外周面に分離可能に結合され、内部に前記GPSモジュールが設置され得るように設置空間が設けられ、光透過性素材で形成されたケースと、前記ケースの内部に設置され前記表示光を生成する少なくとも一つのLEDが備えられ得る。
【0015】
一方、本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、前記本体に入射する太陽光を感知するために前記本体に設置される光センサと、前記本体の内部に設置され、所定の磁力を有する内部磁石部と、前記内部磁石部に対向する前記本体の外周面に付着されるために前記内部磁石部と磁力結合され得るように所定の磁力を有する外部磁石と、前記内部磁石部に対する前記外部磁石の付着位置を判別し、判別された付着位置により作動モード、停止モードまたは自動モードのうちいずれか一つのモードを選択するモード選択部と、前記モード選択部で前記自動モードが選択される場合、前記光センサから提供される感知情報に基づいて、前記本体に太陽光が入射すると前記表示ランプを停止させるものの、前記太陽光発電部によって生成された電気で前記海水電池ユニットを充電させ、前記本体に太陽光が入射しないと前記位置知らせ部を作動させ、前記モード選択部で前記作動モードが選択される場合、前記表示光が常時発生するように前記位置知らせ部を作動させ、前記モード選択部で前記停止モードが選択される場合、前記位置知らせ部の作動は停止させるものの、前記GPSモジュールを作動させるか前記LEDおよびGPSモジュールの作動を停止させる制御モジュールをさらに具備してもよい。
【0016】
一方、本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、前記流入口を通じて前記海水空間に流入する海水を前記海水電池ユニットに誘導できるように、前記流入口に隣接した位置の前記本体の内壁面に、前記海水電池ユニット側に突出形成された少なくとも一つのガイド部材をさらに具備してもよい。
【0017】
また、本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、前記本体は球状に形成され、海水に浮遊時、前記流入口が海水面の下側に位置し得るように、前記流入口に隣接した位置の前記本体の内壁面に所定の重量を有する重量体が設置されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイは、太陽光発電部によって生成された電気を海水と反応した海水電池ユニットが貯蔵し、貯蔵された電気は表示ランプのような電子機器に供給されるので、バッテリーを取り替えることなく長時間使用できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイの斜視図。
【
図2】
図1の海水電池が設けられた独立型ブイの断面図。
【
図3】
図1の海水電池が設けられた独立型ブイのブロック図。
【
図4】本発明のさらに他の実施例に係る海水電池が設けられた独立型ブイの断面図。
【
図5】
図4の海水電池が設けられた独立型ブイのブロック図。
【
図6】本発明のさらに他の実施例に係る海水電池が設けられた独立型ブイの断面図。
【
図7】本発明のさらに他の実施例に係る海水電池が設けられた独立型ブイの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例に係る海水電池が設けられた独立型ブイについて詳細に説明する。本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。各図面の説明において、類似する参照符号を類似する構成要素について使用した。添付された図面において、構造物の寸法は本発明の明確性を期するために実際よりも拡大して図示したものである。
【0021】
第1、第2等の用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。
【0022】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0023】
異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んで、ここで使われるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0024】
図1〜
図3には本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイ100が図示されている。
【0025】
図面を参照すると、前記海水電池が設けられた独立型ブイ100は、海水に浮遊できるように所定の浮力を有するように形成されたものであって、内部に海水空間113が設けられ、前記海水空間113に海水が流入され得るように流入口114が形成された本体110と、前記本体110に設置されて前記本体110の位置を知らせる位置知らせ部115と、前記本体110に設置されて入射する太陽光によって電気を生成する太陽光発電部160と、前記本体110に設置され、前記本体110の周囲の環境情報を収集し、収集された環境情報を前記管理サーバーに伝送する環境情報収集部140と、前記海水空間113に流入した海水に浸漬され得るように前記海水空間113内に設置され、海水と反応して前記太陽光発電部160から提供される電気を貯蔵し、前記位置知らせ部115を作動させることができるように貯蔵された電気を前記位置知らせ部115に提供する海水電池ユニット150を具備する。
【0026】
前記本体110は内部に内部空間が設けられた球状に形成され、所定の強度を有し、成形性が優秀なプラスチックのような合成樹脂材で形成される。本体110の上部には、後述される位置知らせ部115のケース121が挿入結合されるように結合口が形成されている。また、本体110の外周面には本体110に入射する太陽光を感知するために光センサ(図示されず)が設置されている。
【0027】
前記本体110の内部には、前記内部空間を上下方向に沿って浮遊空間112および海水空間113に区画するための隔壁111が形成されている。前記隔壁111によって浮遊空間112および海水空間113は互いに独立的に形成され、海水が浮遊空間112に流入することが防止され得るように、浮遊空間112の内壁面は防水処理されることが好ましい。前記浮遊空間112によって本体110は所定の浮力を有する。
【0028】
ここで、本体110は海水空間113に連通するように多数の流入口114が形成されるが、前記流入口114は本体110の下部に形成されることが好ましい。本体110が海水に浮遊している時、流入口114を通じて海水が海水空間113に流入する。
【0029】
一方、図示された例において、本体110は球状に形成されているが、これに限定されず、円筒状、円錐状など、多様な形状に形成されてもよい。
【0030】
位置知らせ部115は前記本体110で設置されて表示光を発生させる表示ランプ部120と、前記本体110に設置され、前記本体110に対する位置情報を生成し、生成された前記位置情報を管理サーバーに伝送するGPSモジュール130を具備する。
【0031】
前記表示ランプ部120は前記本体110の外周面に分離可能に結合され、内部に設置空間123が設けられ、光透過性素材で形成されたケース121と、前記ケース121の内部に設置され前記表示光を生成する多数のLED122を具備する。
【0032】
前記ケース121は円柱状に形成され、本体110の上端部に結合される。一方、ケース121は図面に図示してはいないが、本体110にねじ結合され得るように、下端部に雄ねじ山が形成され、本体110の結合口の内周面に雌ねじ山が形成されてもよい。
【0033】
LED122は多数個が前記ケース121の設置空間123内に設置され、海水電池ユニット150から供給された電気によって作動する。
【0034】
一方、表示ランプ部120は光センサから提供される感知情報に基づいて、昼間または夜間を判別してLED122を制御するコントロール部(図示されず)をさらに具備する。前記コントロール部は本体110に太陽光が入射する場合、昼間と判別してLED122の作動を停止させ、本体120に太陽光が入射されない場合、夜間と判別してLED122を作動させる。
【0035】
GPSモジュール130は、前記本体110の位置情報を生成するために衛星からGPS信号を受信するものであって、ケース121の設置空間123内に設置される。一方、GPSモジュール130はこれに限定されず、本体110の浮遊空間112内に設置されてもよい。この時、GPSモジュール130は昼間、夜間のいずれも海水電池ユニット150から電気の提供を受けて作動する。また、GPSモジュール130は生成された本体110の位置情報を管理サーバーに伝送できるように通信モジュール(図示されず)をさらに具備する。
【0036】
この時、GPSモジュール130の通信モジュールは、消費される電力を節約するために既設定された設定時間間隔で前記本体110に対する位置情報を前記管理サーバーに伝送する。ここで、設定時間は10分が適用されることが好ましい。また、GPSモジュール130は、本体110が潮流によって既設定された基準距離以上に移動したり、既設定された基準範囲を離脱する場合にも、該当本体110に対する位置情報を前記管理サーバーに伝送してもよい。
【0037】
前記太陽光発電部160はケース121の上面に設置され、入射する太陽光によって電気を生成する多数の太陽電池を具備する。太陽光発電部160は生成された電気を海水電池ユニット150に伝送する。
【0038】
一方、太陽光発電部160は持続された悪天候などのような外部の環境要因によって海水電池ユニット150の充電が十分になされない場合に備えて、所定の電力が貯蔵された補助バッテリー(図示されず)を具備してもよい。
【0039】
環境情報収集部140は前記本体110が浮遊する海水の温度を測定できるように前記本体110に設置された温度センサ141と、前記本体110の周囲の映像を撮影するために前記本体110に設置されたカメラ142を具備する。
【0040】
前記温度センサ141は図面に図示してはいないが、海水に接触できるように海水に浸る本体110の下部の外周面に設置される。カメラ142は本体110の上部に設置されて本体110の周囲を撮影する。環境情報収集部140はGPSモジュール130の通信モジュールを利用して、温度センサ141の温度情報およびカメラ142の映像情報を管理サーバーに伝送する。ここで、環境情報収集部140は海水電池ユニット150から電気の提供を受けて作動することが好ましい。
【0041】
前記海水電池ユニット150は本体110の海水空間113の天井面に固定されて海水空間113に流入した海水と反応して電気を貯蔵する。図面に図示してはいないが、海水電池ユニット150は海水に浸水されるカソード(cathode)を含む正極部、有機電解質に含浸されるアノード(anode)を含む負極部および前記正極部と負極部間に位置して前記正極部と負極部を分離する固体電解質を含む。ここで、前記カソードはナトリウムイオンのインターカレーション(intercalation)およびデインターカレーション(deintercalation)および二作用性(bifunctional)電極触媒反応のために利用される電気化学触媒物質からなる触媒層を含む。
【0042】
ここで、前記海水電池ユニット150はこれに限定されず、海水と反応して電気を貯蔵できる電力貯蔵手段であればいずれでもよい。前記海水電池ユニット150は貯蔵された電気を位置知らせ部115、GPSモジュール130および環境情報収集部140に提供する。
【0043】
前述のように構成された本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイ100の作動を詳細に説明すると次の通りである。
【0044】
まず、海水電池が設けられた独立型ブイ100の本体110を設置対象海域に投擲する。この時、本体110は海水面に浮遊するが、流入口114を通じて海水が本体110の海水空間113に流入する。昼間の場合、太陽光発電部160は入射した太陽光によって電気を生成し、海水空間113に設置された海水電池ユニット150は海水空間113に流入した海水と反応して太陽光発電部160で生成された電気を貯蔵し、貯蔵された電気は位置知らせ部115、GPSモジュール130および環境情報収集部140に提供される。
【0045】
この時、位置知らせ部115は本体110に太陽光が入射しない夜間に、海水電池ユニット150から供給された電気によって表示光を発光して本体110の位置を表示する。また、GPSモジュール130は本体110に対する位置情報を生成し、生成された位置情報を通信モジュールを通じて管理サーバーに伝送する。そして、環境情報収集部140は本体110の周囲の海水温度および撮影された映像情報を管理サーバーに伝送する。
【0046】
前述された通り、本発明に係る海水電池が設けられた独立型ブイ100は、太陽光発電部160により生成された電気を、海水と反応した海水電池ユニット150が貯蔵し、貯蔵された電気は表示ランプのような電子機器に供給されるので、バッテリーを取り替えることなく長時間使用できる長所がある。
【0047】
また、前記海水電池が設けられた独立型ブイ100は、本体110内の海水電池ユニット150の海水と接触時に貯蔵された電気によって位置知らせ部115、GPSモジュール130および環境情報収集部140が作動し、本体110を回収する時には、海水電池ユニット150が海水と接触しないので電気が貯蔵および供給されず、位置知らせ部115、GPSモジュール130および環境情報収集部140が停止したり、作業者のスイッチ操作によって作動が停止するため、海水感知センサが要求されない。
【0048】
一方、
図4および
図5には本発明のさらに他の実施例に係る海水電池が設けられた独立型ブイ210が図示されている。
【0049】
前述された図面と同じ機能をする要素は同一参照符号で表記する。
【0050】
図面を参照すると、前記海水電池が設けられた独立型ブイ210は、ユーザーの選択によって作動モード、停止モードまたは自動モードのうちいずれか一つのモードで作動させることができるスイッチユニット211を具備する。
【0051】
前記スイッチユニット211は、前記本体110の内部に設置され、所定の磁力を有する内部磁石部212と、前記内部磁石部212に対向する前記本体110の外周面に付着されるために前記内部磁石部212と磁力結合され得るように所定の磁力を有する外部磁石213と、前記内部磁石部212に対する前記外部磁石213の付着位置を判別し、判別された付着位置により作動モード、停止モードまたは自動モードのうちいずれか一つのモードを選択するモード選択部214と、前記モード選択部214で選択されたモードに応じて位置知らせ部115、GPSモジュール130および環境情報収集部140を制御する制御モジュール215を具備する。
【0052】
内部磁石部は本体110の浮遊空間112の内側面に設置されるものであって、第1〜第3磁石スイッチを具備する。前記第1〜第3磁石スイッチは図面に図示してはいないが、左右方向に沿って互いに離隔するように配列され、所定の磁力を有する。この時、本体110は第1〜第3磁石スイッチに対応する外周面に、それぞれ「停止モード」、「自動モード」、「作動モード」を表示する。
【0053】
外部磁石は所定の磁力を有する永久磁石が適用され、ユーザーが本体110の外周面の「停止モード」、「自動モード」、「作動モード」に対応する各位置のうちいずれか一つの位置に付着する。この時、外部磁石は第1〜第3磁石スイッチの磁力によって本体110の外周面に付着される。
【0054】
モード選択部214は内部磁石部に連結され、第1〜第3磁石スイッチのうち外部磁石を本体110の外周面に付着させた磁石スイッチを判別し、判別された磁石スイッチに対する情報に基づいて、作動モード、停止モードまたは自動モードのうちいずれか一つのモードを選択する。すなわち、外部磁石が第1磁石スイッチによって第1磁石スイッチに対向する本体110の外周面の「停止モード」の位置に付着されるとモード選択部214は停止モードを選択し、外部磁石が第2磁石スイッチによって第2磁石スイッチに対向する本体110の外周面の「自動モード」の位置に付着されるとモード選択部214は自動モードを選択し、外部磁石が第3磁石スイッチによって第3磁石スイッチに対向する本体110の外周面の「作動モード」の位置に付着されるとモード選択部214は作動モードを選択し、選択された情報を制御モジュール215に伝送する。
【0055】
制御モジュール215はモード選択部214で自動モードが選択される場合、前記光センサから提供される感知情報に基づいて、前記本体110に太陽光が入射すると昼間と判別して前記LED122の作動を停止させるものの、前記太陽光発電部160により生成された電気で前記海水電池ユニット150を充電させ、前記本体110に太陽光が入射しないと夜間と判別して前記LED122を作動させる。
【0056】
また、制御モジュール215はモード選択部214で作動モードが選択される場合、前記表示光が常時発生するように前記LED122を作動させる。また、制御モジュール215はモード選択部214で停止モードが選択されると、前記LED122の作動は停止させるものの、前記GPSモジュール130を作動させる。ここで、制御モジュール215は前記LED122およびGPSモジュール130の作動をすべて停止させてもよい。
【0057】
前述のように構成されたスイッチユニット211は、内部磁石部212および外部磁石を利用して位置知らせ部115の作動を制御するので、スイッチ設置のための本体110への穿孔作業が要求されず、浮遊空間112に対する水密を維持することができる。
【0058】
一方、
図6には本発明のさらに他の実施例に係る海水電池が設けられた独立型ブイ220が図示されている。
【0059】
図面を参照すると、前記海水電池が設けられた独立型ブイ220は、前記流入口114を通じて前記海水空間113に流入する海水を前記海水電池ユニット150に誘導できるように、前記流入口114に隣接した位置の前記本体110の内壁面に形成されたガイド部材221を具備する。
【0060】
前記ガイド部材221は多数が引入口の縁に沿って互いに離隔するように形成され、本体110の内壁面から前記海水電池ユニット150側に所定の長さ突出するように形成される。海流によって海水空間113に流入した海水はガイド部材221により海水電池ユニット150側に誘導されるので、海水電池ユニット150は新たに海水空間113に流入した海水と接触して電気発生率が向上する長所がある。
【0061】
一方、
図7には本発明のさらに他の実施例に係る海水電池が設けられた独立型ブイ230が図示されている。
【0062】
図面を参照すると、前記海水電池が設けられた独立型ブイ230は球状に形成され、海水に浮遊時、前記流入口114が海水面の下側に位置し得るように、前記流入口114に隣接した位置の前記本体110の内壁面に設置され、所定の重量を有する重量体231をさらに具備する。
【0063】
重量体231は所定の重量を有する金属性素材で形成され、海水空間113の底面に設置されることが好ましい。海流や潮流によって本体110が傾いても重量体231の重量によって流入口114が海水面の下に位置するので、より安定して海水空間113に海水が流入し得るという長所がある。
【0064】
提示された実施例についての説明は、任意の本発明の技術分野で通常の知識を有する者が本発明を利用したりまたは実施できるように提供される。このような実施例についての多様な変形は本発明の技術分野で通常の知識を有する者に自明なものであり、ここに定義された一般的な原理は本発明の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用され得る。そして、本発明はここに提示された実施例に限定されず、ここに提示された原理および新規の特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0065】
100:海水電池が設けられた独立型ブイ
110:本体
111:隔壁
112:浮遊空間
113:海水空間
114:流入口
120:位置知らせ部
121:ケース
122:LED
130:GPSモジュール
140:環境情報収集部
141:温度センサ
142:カメラ
150:海水電池ユニット
160:太陽光発電部
【外国語明細書】