【実施例】
【0305】
別段指定しない限り、出発材料は、一般に、Aldrich Chemicals Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Lancaster Synthesis,Inc.(ニューハンプシャー州ウィンダム)、Acros Organics(ニュージャージー州フェアローン)、Maybridge Chemical Company,Ltd.(英国コーンウォール)、Tyger Scientific(ニュージャージー州プリンストン)などの市販品供給元から入手可能である。一定の共通の略語および頭字語を用いており、以下のものが含まれる場合がある。AcOH(酢酸)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、CDI(1,1’−カルボニルジイミダゾール)、DCM(ジクロロメタン)、DEA(ジエチルアミン)、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DMF(N,N’−ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EDCI(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド)、Et
2O(ジエチルエーテル)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、Gまたはg(グラム)、HATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム)、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、Hまたはh(時間)、IPA(イソプロピルアルコール)、KHMDS(カリウムヘキサメチルジシラザン)、MeOH(メタノール)、Lまたはl(リットル)、mL(ミリリットル) MTBE(tert−ブチルメチルエーテル)、mg(ミリグラム)、NaBH(OAc)
3(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、NaHMDS(ナトリウムヘキサメチルジシラザン)、NMP(N−メチルピロリドン)、RH(相対湿度)、RTまたはrt(室温、周囲温度と同じである(約20〜25℃))、SEM([2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、およびT
3P(プロパンホスホン酸無水物)。
【0306】
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提案する構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)を、重水素化溶媒中の残留プロトンシグナル(7.27ppmのCHCl
3、3.31ppmのCD
2HOD)を基準とした百万分率(ppm)で示し、主要なピークを示すための従来の略語、たとえば、s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、br:ブロードを使用して報告する。
【0307】
ssNMRは、固体NMRを意味する。
PXRDは、粉末X線回折を意味する。
用語「実質的に同じ」は、X線粉末回折パターンについて述べるのに使用するとき、ピークが+/−0.2°2θの標準偏差内にあるパターンを包含するものとする。
【0308】
本明細書で使用するとき、特定の結晶質形態に関しての「実質的に純粋」という用語は、結晶質形態が、同じ化合物の他のいずれかの物理的形態を10重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは3重量%未満、好ましくは1重量%未満しか含まないことを意味する。
【0309】
反応は、空気中で、または、酸素もしくは水分に敏感な試薬もしくは中間体を用いたときは不活性雰囲気(窒素もしくはアルゴン)中で実施した。適切な場合、ヒートガンを使用する動的真空下で反応装置を乾燥させ、無水溶媒(Aldrich Chemical Company(ウィスコンシン州ミルウォーキー)のSure−Seal(商標)製品、またはEMD Chemicals(ニュージャージー州ギブズタウン)のDriSolv(商標)製品)を用いた。市販の溶媒および試薬は、それ以上精製せずに使用した。指摘があるとき、反応液は、Biotage InitiatorまたはPersonal Chemistry Emrys Optimizerマイクロ波装置を使用するマイクロ波照射によって加熱した。反応の進捗は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、および/またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)分析を使用してモニターした。TLCは、蛍光指示薬(励起波長254nm)を含有するプレコーティッドシリカゲルプレートにおいて行い、UV光下で、かつ/またはI
2、KMnO
4、CoCl
2、リンモリブデン酸、および/もしくはモリブデン酸アンモニウムセリウム染色を用いて可視化した。LCMSデータは、Leap Technologiesオートサンプラー、Gemini C18カラム、MeCN/水勾配、およびTFA、ギ酸、または水酸化アンモニウムのいずれかの変性剤を用い、Agilent1100シリーズ計器において取得した。カラム溶離液は、陽イオンおよび陰イオンの両モードで100〜1200Daを走査するWatersZQ質量分析計を使用して分析した。他の同様の計器も使用した。HPLCデータは、GeminiまたはXBridge C18カラム、MeCN/水勾配、およびTFAまたは水酸化アンモニウムのいずれかの変性剤を使用して、Agilent1100シリーズ計器において取得した。GCMSデータは、HP6890インジェクター、HP−1カラム(12m×0.2mm×0.33μm)、およびヘリウムキャリヤーガスを用い、Hewlett Packard6890オーブンを使用して取得した。サンプルは、電子イオン化を使用して50〜550Daを走査するHP5973質量選択的検出器において分析した。精製は、Isco CombiFlash(登録商標) Companion、AnaLogix IntelliFlash280、BiotageSP1、またはBiotage Isolera One計器、および充填済みのIsco RediSepまたはBiotage Snapシリカカートリッジを使用する中速液体クロマトグラフィー(MPLC)によって行った。キラル精製は、BergerまたはThar計器、ChiralPAK−AD、−AS、−IC、Chiralcel−OD、または−OJカラム、および単独またはTFAもしくはiPrNH
2を使用して変性させたMeOH、EtOH、iPrOH、またはMeCNとのCO
2混合物を使用する、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって行った。UV検出を使用して画分収集を作動させた。
【0310】
質量分析データは、LCMS分析から報告する。質量分析(MS)は、大気圧化学イオン化(APCI)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、電子衝撃イオン化(EI)、または電子散乱(ES)イオン化源によって行った。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)計測のいずれかから報告する。記号◆は、質量スペクトルに塩素同位体パターンが認められたことを示す。プロトン核磁気分光法(
1H NMR)化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場への百万分率で示され、300、400、500、または600MHz Varian分光計において記録した。化学シフトは、重水素化溶媒残留ピークを基準とした百万分率(ppm、δ)で表示する。ピーク形状は、次のとおりに記載する。s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、quin:五重線、m:多重線、br s:ブロード一重線、app:明瞭。分析SFCデータは、上述のとおり、Berger分析機器において取得した。旋光データは、PerkinElmerモデル343旋光計において、1dmのセルを使用して取得した。シリカゲルクロマトグラフィーは、主として、BiotageおよびISCOを始めとする種々の市販品供給業者によって予め充填されたカラムを使用する中圧のBiotageまたはISCOシステムを使用して行った。微量分析は、Quantitative Technologies Inc.が実施し、計算値の0.4%以内であった。
【0311】
別段指摘しない限り、化学反応は、室温/周囲温度(摂氏約23度)で実施した。
以下に記載する化合物および中間体は、一般に、ChemBioDraw Ultra、Version 12.0(CambridgeSoft Corp.、マサチューセッツ州ケンブリッジ)が備える命名規則を使用して命名した。ChemBioDraw Ultra、Version 12.0が備える命名規則は、当業者によく知られており、ChemBioDraw Ultra、Version 12.0が備える命名規則は、有機化学命名法に関するIUPAC(国際純正・応用化学連合)勧告およびCAS Index規定に概ね適合すると考えられる。別段指摘しない限り、反応物はすべて、さらなる精製なしで、市販品として入手し、または文献において知られている方法を使用して調製した。
【0312】
本発明の化合物を調製する際、一部の中間体の鏡像異性体またはジアステエレオマーを分離するのに、キラル分離を使用した。キラル分離を行ったとき、分離された鏡像異性体を、その溶離の順序に従って、ENT−1またはENT−2(またはDIAST−1もしくはDIAST−2)と称した。一部の態様では、ENT−1またはENT−2と称された鏡像異性体を出発材料として使用して、他の鏡像異性体またはジアステエレオマーが調製される場合がある。そのような状況では、結果として得られる調製された鏡像異性体は、その出発材料に従って、それぞれ、ENT−X1およびENT−X2と称され、同様に、調製されたジアステエレオマーは、その出発材料に従って、それぞれ、DIAST−X1およびDIAST−X2と称される。複数の中間体を用いる合成では、DIAST−YおよびDIAST−Z命名法が同様に使用される。
【0313】
2つのキラル中心を有する化合物については、各立体中心における立体異性体を異なる時点で分離した。中間体または実施例のENT−1またはENT−2(またはDIAST−1もしくはDIAST−2)の呼称は、そのステップにおいて行われた分離についての溶離の順序を指す。2つ以上の中心を有する化合物においてキラル中心における立体異性体が分離されるとき、分離された鏡像異性体は、互いのジアステエレオマーであると認識される。限定でなく例として、実施例15および16は、2つのキラル中心を有する。シクロプロピル部分のキラル中心は、中間体C36が、中間体P17を示すENT−1と、中間体P18を示すENT−2とに分離されたときに分離された。次いで、P18をC70の調製において使用したが、これは、シクロプロピルキラル炭素において富化された一方の立体異性体と、ジオキソラン炭素における立体異性体の混合物とを含んでいた。次いで、C70を、中間体C71を示す、ジオキソラン炭素におけるDIAST−Y1と、中間体C72を示す、ジオキソラン炭素におけるDIAST−Y2とに分離したが、これらの中間体は、単一の立体異性体が富化されている。次いで、C71を使用して、2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X1,トリフルオロ酢酸塩という名称で特定される、実施例15を調製した[P18からC71経由]。こうした調製において、混合物を分離手順にかけた後、キラル中心は、その中心の近くの「abs」によって特定され、分離された鏡像異性体が鏡像異性体に関して純粋でないことがあると理解される。通常、各キラル中心における富化された鏡像異性体は、単離された材料の90%を超える。各中心における富化された鏡像異性体は、混合物の98%を超えることが好ましい。
【0314】
一部の例では、鏡像異性体の旋光を、旋光計を使用して測定した。その実測回転データ(またはその比旋光度データ)に従って、時計回りの回転を有する鏡像異性体を(+)−鏡像異性体と称し、反時計回りの回転を有する鏡像異性体を(−)−鏡像異性体と称した。ラセミ化合物は、表示または記載された立体化学がないこと、または構造に近接した(+/−)が存在することのいずれかによって示され、後者の場合では、示された立体化学は、化合物の置換基の(絶対ではなく)相対立体配置を表す。
【0315】
一般に、検出可能な中間体を介して進行する反応の後は、LCMSを行い、後続の試薬を加える前に完全な変換に進展することを可能にした。他の実施例または方法における手順を参考とする合成について、反応条件(反応時間および温度)は、様々となりうる。一般に、反応の後に薄層クロマトグラフィーまたは質量分析を行い、適宜、後処理にかけた。精製は、実験によって様々となる場合があり、一般に、溶離液/勾配に使用する溶媒および溶媒比は、適切なR
fまたは滞留時間が得られるように選択した。こうした調製例および実施例におけるすべての出発材料は、市販品として入手可能であるか、または当業界で知られている方法によって、もしくは本明細書に記載するとおりに調製することができる。
【0316】
用語「濃縮」、「蒸発」、および「真空濃縮」とは、浴温度を60℃未満としたロータリーエバポレーターにおいて減圧下で溶媒を除去することを指す。略語「min」および「h」は、それぞれ、「分」および「時間」を表す。用語「TLC」とは、薄層クロマトグラフィーを指し、「室温または周囲温度」とは、18℃〜25℃の間の温度を意味し、「GCMS」とは、ガスクロマトグラフィー−質量分析を指し、「LCMS」とは、液体クロマトグラフィー−質量分析を指し、「UPLC」とは、ウルトラパフォーマンス液体クロマトグラフィーを指し、「HPLC」とは、高圧液体クロマトグラフィーを指し、「SFC」とは、超臨界流体クロマトグラフィーを指す。
【0317】
水素化は、Parr Shakerにおいて加圧水素ガス中で、またはThales−nanoH−Cubeフロー式水素化装置においてフル容量の水素および1mL/分〜2mL/分の間の流量で所定の温度で実施される場合がある。
【0318】
HPLC、UPLC、LCMS、GCMS、およびSFC滞留時間は、手順の中で言及する方法を使用して測定した。
中間体および実施例の調製
調製例P1
tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P1)
【0319】
【化3】
【0320】
ステップ1.2−ブロモ−6−[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]フェノール(C1)の合成
本実験は、同じ規模の2つの回分において実施した。−70℃の1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロベンゼン(17.2g、82.1mmol)のジエチルエーテル(100mL)溶液に、n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、32.8mL、82.0mmol)をゆっくりと加え、その間、反応混合物の温度は−60℃未満に保った。反応混合物を−70℃で20分間撹拌した後、3−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.5g、27mmol)のジエチルエーテル(100mL)溶液をゆっくりと加え、その間、反応温度は−60℃未満に保った。−70℃でさらに1時間撹拌した後、−70℃で塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加えて反応を失活させ、得られる混合物を水(100mL)で希釈した。この時点で2つの回分を合わせ、酢酸エチル(400mL)で抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜7%の酢酸エチル)にかけると、C1が白色の固体として得られた。合計収量:15.7g、47.4mmol、88%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.44 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 8.1, 8.1 Hz, 1H), 7.15 (br dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1H), 7.12 - 7.05 (m, 2H), 6.80 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.31 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 4.9 Hz, 1H).
ステップ2.4−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール(C2)の合成
C1(15.7g、47.4mmol)のメタノール(450mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(25.4g、119mmol)の水(105mL)溶液を加え、反応混合物を30℃で16時間撹拌し、その後、これを真空濃縮した。残渣をジクロロメタン(500mL)で希釈した後、これを水(500mL)で洗浄した。次いで、ジクロロメタン溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)によって精製すると、C2が白色の固体として得られた。収量:10.0g、30.3mmol、64%。以下の
1H NMRデータは、同じ方法ではあるがより小規模で実施した実験から取得した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.67 - 7.61 (m, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.43 (br dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 8.3, 1.1 Hz, 1H), 7.01 (dd, J = 7.9, 1.1 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 8.1, 8.1 Hz, 1H).
ステップ3.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C3)の合成
C2(8.00g、24.3mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(9.01g、29.1mmol)、炭酸ナトリウム(5.15g、48.6mmol)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)[Pd(dppf)Cl
2、888mg、1.21mmol]を1,4−ジオキサン(80mL)および水(32mL)に懸濁させた懸濁液を含有する反応フラスコを排気し、窒素を装入した。この排気サイクルを2回繰り返し、次いで、反応混合物を90℃で16時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した後、残渣を酢酸エチル(200mL)と水(200mL)とに分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜4.3%の酢酸エチル)にかけると生成物が得られ、これを、C2(2.00g、6.07mmol)を使用して実施した同様の反応からの材料と合わせて、C3を淡黄色のゴム質として得た。合計収量:10.3g、23.8mmol、78%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.53 (dd, J = 8.3, 7.8 Hz, 1H), 7.23 - 7.16 (m, 3H), 6.88 - 6.83 (m, 2H), 6.81 - 6.76 (m, 1H), 6.34 - 6.28 (br m, 1H), 4.10 - 4.05 (m, 2H), 3.61 (br dd, J = 6, 5 Hz, 2H), 2.59 - 2.50 (br m, 2H), 1.48 (s, 9H).
ステップ4.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P1)の合成
C3(10.3g、23.8mmol)およびトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)塩化物(ウィルキンソン触媒、1.54g、1.66mmol)のメタノール(100mL)溶液を、水素中(45psi)にて50℃で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を珪藻土パッドで濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜9%の酢酸エチル)にかけた。得られる材料を、C3(1.67g、3.87mmol)を使用して実施した同様の反応からの材料と合わせて、P1を無色のゴム質として得た。合計収量:10.3g、23.7mmol、86%。LCMSm/z 456.1◆[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (dd, J = 8.5, 7.6 Hz, 1H), 7.23 - 7.17 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 6.83 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.78 - 6.69 (m, 2H), 4.35 - 4.10 (br m, 2H), 2.89 - 2.71 (m, 3H), 1.89 - 1.77 (m, 2H), 1.77 - 1.63 (m, 2H), 1.47 (s, 9H).
調製例P2
tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P2)
【0321】
【化4】
【0322】
ステップ1.4−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール(C4)の合成
3−ブロモベンゼン−1,2−ジオール(330g、1.75mol)のトルエン(1.5L)溶液に、1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)エタノン(316g、1.83mol)およびp−トルエンスルホン酸(6.02g、35.0mmol)を加えた。反応装置にDean−Starkトラップを取り付け、反応混合物を140℃で60時間加熱し、その後、溶液を真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)を使用して精製し、C4を、黄色の油状物と固体の混合物として得た。収量:158g、460mmol、26%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d): δ 7.54 (dd, J = 8.4, 8.4 Hz, 1H), 7.17 - 7.10 (m, 2H), 6.95 (dd, J = 7.9, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.70 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.9 Hz, 1H), 2.11 (d, J = 1.1 Hz, 3H).
ステップ2.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C5)の合成
C4(58.0g、169mmol)の1,4−ジオキサン(600mL)溶液に、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(62g、200mmol)および炭酸ナトリウム(100g、940mmol)を加えた。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)(6.0g、8.2mmol)を加えた後、反応混合物を90℃に加熱し、16時間撹拌した。次いで、水(500mL)を加え、得られる混合物を酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜9%の酢酸エチル)にかけると、C5が黄色の油状物として得られた。収量:56.0g、126mmol、75%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.50 (dd, J = 8.2, 8.2 Hz, 1H), 7.17 - 7.09 (m, 2H), 6.83 - 6.77 (m, 2H), 6.74 (dd, ABXパターンの成分, J = 5.4, 3.6 Hz, 1H), 6.39 - 6.33 (br m, 1H), 4.14 - 4.08 (m, 2H), 3.70 - 3.56 (m, 2H), 2.66 - 2.45 (m, 2H), 2.07 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.50 (s, 9H).
ステップ3.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P2)の合成
C5(56.0g、126mmol)のメタノール(200mL)溶液に、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)塩化物(ウィルキンソン触媒、8.10g、8.75mmol)を加え、反応混合物を水素中(45psi)で18時間50℃に加熱した。次いで、これを25℃に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(第1のカラム−勾配:石油エーテル中0%〜9%の酢酸エチル、第2のカラム−勾配:石油エーテル中0%〜2%の酢酸エチル)を使用して2回精製し、P2を黄色の固体として得た。収量:37.0g、82.6mmol、66%。LCMSm/z 392.1◆[(M−2−メチルプロパ−1−エン)+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.51 (dd, J = 8.3, 8.0 Hz, 1H), 7.17 - 7.09 (m, 2H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.70 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.7, 1.3 Hz, 1H), 6.66 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 4.37 - 4.13 (br m, 2H), 2.92 - 2.73 (m, 3H), 2.05 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.90 - 1.63 (m, 4H), 1.49 (s, 9H).
調製例P3
4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,p−トルエンスルホン酸塩(P3)
【0323】
【化5】
【0324】
ステップ1.tert−ブチル4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C6)およびtert−ブチル4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C7)の単離
P2(75.2g、168mmol)のこれを構成する鏡像異性体への分離は、SFC(超臨界流体クロマトグラフィー)[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、5μm;移動相:4:1の二酸化炭素/(0.2%の1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール)]によって行った。第1の溶出化合物をC6、第2の溶出鏡像異性体をC7と指定した。表示の絶対立体配置は、C6から得られたC8に対して実施した単結晶X線構造決定に基づいて割り当てた(以下を参照されたい)。
【0325】
C6−収量:38.0g、84.8mmol、50%。滞留時間3.64分[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.2%の1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール;勾配:5%のBを1.00分間、次いで、8.00分かけて5%〜60%のB;流量:3.0mL/分;逆圧:120バール]。
【0326】
C7−収量:36.8g、82.2mmol、49%。滞留時間4.19分(C6について使用したものと同一の分析SFC条件)。
ステップ2.4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,p−トルエンスルホン酸塩(P3)の合成
C7(1.62g、3.62mmol)の酢酸エチル(36mL)溶液をp−トルエンスルホン酸一水和物(791mg、4.16mmol)で処理し、45℃で加熱した。23時間後、反応混合物を室温に冷まし、濾過によって固体を集めた。これを酢酸エチルとヘプタンの混合物(1:1、2×15mL)ですすいで、P3を白色の固体として得た。収量:1.37g、2.63mmol、73%。LCMS m/z 348.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.53 (v br s, 1H), 8.29 (v br s, 1H), 7.65 - 7.55 (m, 2H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.35 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.88 - 6.81 (m, 2H), 6.75 - 6.68 (m, 1H), 3.42 - 3.33 (m, 2H), 3.11 - 2.93 (m, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.98 - 1.82 (m, 4H).
絶対立体化学を決定するための、C6の4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,メタンスルホン酸塩(C8)への変換
【0327】
【化6】
【0328】
C6(490mg、1.09mmol)の酢酸エチル(5.5mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸(377mg、2.19mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。追加の酢酸エチルで希釈した後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。収量:375mg、1.08mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.59 (dd, J = 8.3. 8.3 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (br dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.81 - 6.75 (m, 1H), 6.74 - 6.67 (m, 2H), 3.18 - 3.09 (m, 2H), 2.88 - 2.77 (m, 1H), 2.77 - 2.67 (m, 2H), 2.02 (d, J = 0.7 Hz, 3H), 1.85 - 1.73 (m, 4H).
この遊離塩基(4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン)の0.1Mの酢酸エチル溶液を調製し、塩スクリーニングにかけた。ここにはメタンスルホン酸塩生成についてだけ記載する。メタンスルホン酸(25μL、39μmol)と基体(substrate)の溶液(0.1M、0.25mL、25μmol)の混合物を終夜撹拌した。次いで、十分なメタノールを加えて、存在する固体を溶解させ、酢酸エチル(3mL)を加えた。得られる溶液を撹拌せずにゆっくりと蒸発させて、C8の結晶を得、これらの1つを、以下に記載する単結晶X線構造決定に使用した。
C8の単結晶X線構造決定
単結晶X線分析
データ収集は、BrukerD8 Quest回折計において室温で行った。データ収集は、オメガおよびファイ走査からなるものとした。
【0329】
構造は、斜方晶クラス空間群P2
12
12
1においてSHELXソフトウェアスイートを使用する固有位相決定法によって解明した。引き続いて、完全行列最小二乗法によって構造を精密化した。異方性変位パラメーターを使用して、すべての非水素原子を見出し、精密化した。
【0330】
メタンスルホン酸塩の生成が、N1_H1X_O4プロトン移動によって確認された。
差フーリエマップから窒素および酸素上に位置する水素原子を見出し、距離に制約をかけた状態で精密化した。残りの水素原子を計算された位置に置き、その担体原子上に乗るようにした。最終精密化には、すべての水素原子についての等方性変位パラメーターを含めた。
【0331】
尤度法(Hooft 2008)を使用する絶対構造の分析を、PLATON(Spek)を使用して行った。結果から、絶対構造が正確に割り当てられていたことが示され、本方法によって、構造が正確である確率が100%であることが算定される。Hooftパラメーターは、esd値0.0012で0.02であることを報告し、Parsonのパラメーターは、esd値0.009で0.07であることを報告する。C7における絶対立体配置は、(R)であると確認された。
【0332】
非対称単位は、C8のプロトン化遊離塩基1分子と、脱プロトン化メタンスルホン酸1分子とからなる。最終R指数は、4.6%であった。最終差フーリエによって、欠落している、または場所が正しくない電子密度は存在しないことが明らかになった。
【0333】
該当する結晶、データ収集、および精密化情報を、表Aに要約する。原子座標、結合距離、結合角、および変位パラメーターを、表B〜Dに示す。
ソフトウェアおよび参考文献
SHELXTL, Version 5.1, Bruker AXS, 1997.
PLATON, A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2003, 36, 7-13.
MERCURY, C. F. Macrae, P. R. Edington, P. McCabe, E. Pidcock, G. P. Shields, R. Taylor, M. Towler, and J. van de Streek, J. Appl. Cryst. 2006, 39, 453-457.
OLEX2, O. V. Dolomanov, L. J. Bourhis, R. J. Gildea, J. A. K. Howard, and H. Puschmann, J. Appl. Cryst. 2009, 42, 339-341.
R. W. W. Hooft, L. H. Straver, and A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2008, 41, 96-103.
H. D. Flack, Acta Cryst. 1983, A39, 867-881.
【0334】
【表1】
【0335】
【表2】
【0336】
【表3-1】
【0337】
【表3-2】
【0338】
【表3-3】
【0339】
【表4】
【0340】
P3,ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩の調製
4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(P3,ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩)
【0341】
【化7】
【0342】
C13,遊離塩基(519mg、1.49mmol)およびジ−p−トルオイル−L−酒石酸(278mg、0.719mmol)のアセトニトリル(7.5mL)溶液を、50℃で1.5時間撹拌した。混合物を0.2℃/分で室温に冷ました。室温で15時間経過後、混合物を65℃に加熱し、アセトニトリル(15mL)を装入した。混合物を0.2℃/分で室温に冷ました。室温で15時間経過後、混合物を54℃に加熱した。3時間後、濾過によって固体を収集し、真空オーブンにおいて窒素中にて35℃で乾燥させ、P3,ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩を白色の固体として得た(217mg、0.296mmol、20%、82%ee)。
【0343】
P3,ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(217mg、0.296mmol、82%ee)の50℃のアセトニトリル(8.0mL)溶液を、0.2℃/分で室温に冷ました。15時間後、濾過によって固体を収集し、真空オーブンにおいて窒素中にて35℃で乾燥させ、P3,ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩を白色の固体として得た(190mg、0.259mmol、88%、88%ee)。LCMS m/z 348.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.9 - 8.5 (br s, 2H), 7.79 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 7.64 - 7.54 (m, 2H), 7.34 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.87 - 6.78 (m, 2H), 6.69 (dd, J = 6.7, 2.5 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 3.37 - 3.28 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.05 - 2.89 (m, 3H), 2.33 (s, 6H), 2.02 (s, 3H), 1.92 - 1.80 (m, 4H).
滞留時間:ピーク1(4.97分、副)およびピーク2(5.31分、主){カラム:Chiralpak IC−U3.0×50mm、1.6μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:メタノール中0.1%のイソプロピルアミン;勾配:10%のBを5.00分間、次いで45%のBを0.6分間;流量:1.7mL/分;逆圧:130バール}
調製例P4
tert−ブチル4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P4)
【0344】
【化8】
【0345】
P2(2.00g、4.46mmol)、シアン化亜鉛(734mg、6.25mol)、亜鉛(70.1mg、1.07mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf;198mg、0.357mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(164mg、0.179mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(20mL)懸濁液を、120℃で16時間撹拌し、その後、これを濾過した。濾液を水(50mL)と混合し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を、次いで、水(30mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%の酢酸エチル)にかけると固体が得られ、これをアセトニトリル(15mL)および水(15mL)で処理し、凍結乾燥にかけた。これにより、P4が淡黄色の固体として得られた。収量:1.17g、2.67mmol、60%。LCMS m/z 461.3[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) 7.71 (dd, J = 7.7, 7.6 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 10.0, 1.5 Hz, 1H), 6.79 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.7, 7.6 Hz, 1H), 6.72 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 6.68 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 4.37 - 4.14 (br m, 2H), 2.91 - 2.73 (m, 3H), 2.07 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.89 - 1.62 (m, 4H), 1.49 (s, 9H).
調製例P5およびP6
4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール,ENT−1(P5)および4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール,ENT−2(P6)
【0346】
【化9】
【0347】
ステップ1.2−ブロモ−6−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]フェノール(C9)の合成
−70℃の3−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、49.7mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液に、フェニルリチウム(1.9Mの1−ブトキシブタン溶液、78.5mL、149mmol)を、反応温度が−60℃未満に保たれる速度でゆっくりと加えた。得られる懸濁液を−70℃で1時間撹拌し、次いで、一晩かけて室温に温め、その後、これを0℃の塩化アンモニウム水溶液(30mL)中に注いだ。この混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%の酢酸エチル)にかけると、C9が黄色の固体として得られた。収量:6.11g、21.9mmol、44%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.45 - 7.28 (m, 6H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 7.06 (br d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 7.9, 7.8 Hz, 1H), 6.06 (br s, 1H), 2.89 (br s, 1H).
ステップ2.4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール(C10)の合成
C9(6.11g、21.9mmol)のメタノール(370mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(11.7g、54.7mmol)の水(175mL)溶液を加えた。反応混合物を30℃で40時間撹拌し、その後、真空濃縮によってメタノールの大部分を除去した。得られる混合物をジクロロメタン(5×100mL)で抽出し、合わせた有機層を亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)にかけると、C10が無色の油状物として得られた。収量:4.50g、16.2mmol、74%。LCMS m/z 278.5(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.62 - 7.57 (m, 2H), 7.49 - 7.43 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.79 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.8 Hz, 1H).
ステップ3.4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール,ENT−1(P5)および4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール,ENT−2(P6)の単離
C10を含む鏡像異性体(5.00g、18.0mmol)を、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、10μm;移動相:3:1の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]を使用して分離した。第1の溶出鏡像異性体をENT−1(P5)、第2の溶出鏡像異性体をENT−2(P6)と指定し、両方とも黄色の油状物として得られた。
【0348】
P5収量:2.20g、7.94mmol、44%。LCMS m/z 277.0(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 - 7.55 (m, 2H), 7.51 - 7.42 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 6.80 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.8 Hz, 1H).滞留時間3.28分(カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD−H、4.6×150mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有するメタノール;勾配:5.5分かけて5%〜40%のB;流量:2.5mL/分)。
【0349】
P6収量:2.00g、7.22mmol、40%。LCMS m/z 276.9(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 - 7.55 (m, 2H), 7.50 - 7.42 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.80 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.9 Hz, 1H).滞留時間3.73分(P5について使用したものと同一の分析条件)。
調製例P7
tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P7)
【0350】
【化10】
【0351】
ステップ1.2−(4−ブロモ−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)−5−クロロピリジン(C11)の合成
5−クロロ−2−エチニルピリジン(1.80g、13.1mmol)、3−ブロモベンゼン−1,2−ジオール(2.47g、13.1mmol)、およびドデカカルボニル三ルテニウム(167mg、0.261mmol)のトルエン(25mL)中の混合物を、1分間脱気し、次いで、100℃で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、珪藻土パッドで濾過し、濾液を真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜1%の酢酸エチル)を使用して精製して、C11を黄色の油状物として得た。収量:1.73g、5.30mmol、40%。LCMS m/z 325.6(臭素−塩素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.63 (dd, J = 2.4, 0.7 Hz, 1H), 7.71 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.60 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 0.7 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.76 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.72 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.0, 7.8 Hz, 1H), 2.10 (s, 3H).
ステップ2.tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C12)の合成
C11(1.73g、5.30mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(1.64g、5.30mmol)、および炭酸セシウム(5.18g、15.9mmol)を1,4−ジオキサン(35mL)および水(6mL)に懸濁させた懸濁液に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(388mg、0.530mmol)を加えた。反応混合物を90℃で4時間撹拌し、その後、これを酢酸エチル(30mL)および水(5mL)で希釈した。有機層を真空濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%の酢酸エチル)にかけ、C12を黄色のゴム質として得た。収量:1.85g、4.31mmol、81%。LCMS m/z 451.0◆[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.62 (dd, J = 2.5, 0.8 Hz, 1H), 7.69 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.57 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 6.84 - 6.79 (m, 2H), 6.78 - 6.73 (m, 1H), 6.39 - 6.33 (br m, 1H), 4.13 - 4.07 (m, 2H), 3.68 - 3.58 (m, 2H), 2.60 - 2.51 (br m, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.49 (s, 9H).
ステップ3.tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P7)の合成
C12(2.61g、6.08mmol)およびトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)塩化物(ウィルキンソン触媒、563mg、0.608mmol)のメタノール(100mL)溶液を、真空中で脱気し、次いで水素でパージし、この排気−パージサイクルを合計3回実施した。次いで、反応混合物を水素中(50psi)にて60℃で16時間撹拌し、その後、これを濾過した。濾液を真空濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜10%の酢酸エチル)を使用して精製し、得られる材料を、C12(110mg、0.256mmol)に対して実施した同様の水素化からの材料と合わせて、P7を淡黄色のゴム質として得た。合計収量:2.05g、4.76mmol、75%。LCMS m/z 431.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.62 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.69 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.57 (d, AB四重線の半分, J = 8.4 Hz, 1H), 6.79 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.7 Hz, 1H), 6.72 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 6.68 (br d, ABCパターンの成分, J = 7.9 Hz, 1H), 4.32 - 4.12 (br m, 2H), 2.91 - 2.73 (m, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.90 - 1.62 (m, 4H), 1.48 (s, 9H).
調製例P8およびP9
tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート,ENT−1(P8)およびtert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート,ENT−2(P9)
【0352】
【化11】
【0353】
P7(500mg、1.16mmol)のこれを構成する鏡像異性体への分離を、SFC{カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、5μm;移動相:9:1の二酸化炭素/[0.2%の(メタノール中7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール]}を使用して行った。第1の溶出鏡像異性体をENT−1(P8)、第2の溶出鏡像異性体をENT−2(P9)と指定した。
【0354】
P8−収量:228mg、0.529mmol、46%。滞留時間4.00分{カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%の(メタノール中7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール];勾配:5%のBを1.00分間、次いで、8.00分かけて5%〜60%のB;流量:3.0mL/分;逆圧:120バール}。
【0355】
P9収量:229mg、0.531mmol、46%。滞留時間4.50分(P8について使用したものと同一の分析条件)。
調製例P10
{4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}酢酸(P10)
【0356】
【化12】
【0357】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,p−トルエンスルホン酸塩(C13)の合成
P2(5.0g、11mmol)およびp−トルエンスルホン酸(4.81g、27.9mmol)の酢酸エチル(100mL)溶液を、60℃で2時間撹拌し、その後、これを真空濃縮して、C13を黄色のゴム質として得た。この材料をそのまま次のステップに送った。LCMS m/z 347.9◆[M+H]
+。
ステップ2.エチル{4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセテート(C14)の合成
C13(前のステップから、11mmol以下)のアセトニトリル(150mL)溶液に、炭酸カリウム(7.71g、55.8mmol)およびエチルブロモアセテート(1.86g、11.2mmol)を加え、反応混合物を55℃で16時間撹拌した。次いで、これを濾過し、濾液を真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%の酢酸エチル)を使用して精製して、C14を黄色のゴム質として得た。
1H NMR分析によると、この材料は、完全には純粋でなかった。収量:3.57g、8.23mmol、2ステップで75%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C14ピークのみ: δ7.52 (dd, J = 8.4, 8.0 Hz, 1H), 7.17 - 7.07 (m, 2H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.72 - 6.67 (m, 2H), 4.21 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.27 (s, 2H), 3.07 (m, 2H), 2.70 (tt, J = 12.1, 3.8 Hz, 1H), 2.35 (ddd, J = 11.5, 11.5, 2.7 Hz, 2H), 2.04 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 2.02 - 1.76 (m, 4H), 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ3.{4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}酢酸(P10)の合成
C14(3.57g、8.23mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(3M、13.7mL、41.1mmol)をメタノール(80mL)とテトラヒドロフラン(40mL)の混合物に溶かした溶液を、25℃で16時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した後、1M塩酸を加えることにより水性残渣をpH7に酸性化し、次いで、ジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、P10を黄色の固体として得た。収量:2.95g、7.27mmol、88%。LCMS m/z 406.2◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.61 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.22 (ddd, J = 8.4, 2.0, 0.8 Hz, 1H), 6.82 (dd, ABCパターンの成分, J = 8.3, 7.1 Hz, 1H), 6.78 - 6.72 (m, 2H), 3.65 - 3.54 (br m, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.04 - 2.88 (m, 3H), 2.23 - 2.07 (m, 2H), 2.07 - 1.93 (m, 2H), 2.04 (d, J = 1.1 Hz, 3H).
調製例P11
メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P11)
【0358】
【化13】
【0359】
ステップ1.メチル3−[(2−メトキシエチル)アミノ]−4−ニトロベンゾエート(C15)の合成
無色のメチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(50g、250mmol)のテトラヒドロフラン(400mL)溶液に、トリエチルアミン(40.7g、402mmol、55.8mL)を加えた後、室温で、テトラヒドロフラン(100mL)中の2−メトキシエタンアミン(30.2g、402mmol)を滴下して加えた。得られた黄色の溶液を55℃で18時間撹拌した。溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮して、テトラヒドロフランを除去した。得られた黄色の固体を酢酸エチル(800mL)に溶解させ、飽和塩化アンモニウム水溶液(250mL)で洗浄した。水相を分離し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(3×250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、C15(60.2g、94%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.23 (d, 1H), 8.17 (br s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.25 (dd, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.69-3.73 (m, 2H), 3.56 (m, 2H), 3.45 (s, 3H);LCMS m/z 255.4[M+H]
+。
ステップ2.メチル4−アミノ−3−[(2−メトキシエチル)アミノ]ベンゾエート(C16)の合成
C15(30g、118mmol)のメタノール(500mL)溶液に、Pd/C(10g、94mmol)を加えた。この反応液を、15psiの水素中にて室温で18時間撹拌した。黒色の懸濁液を珪藻土で濾過し、濾過ケークをメタノール(500mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空濃縮して、C16(26.5g、定量的)を褐色の油状物として得たが、静置すると凝固した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.48 (dd, 1H), 7.36 (d, 1H), 6.69 (d, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.77 (br s, 2H), 3.68 (t, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.32 (t, 2H);LCMS m/z 224.7[M+H]
+。
ステップ3.メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P11)の合成
C16(5.00g、22.3mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、2−クロロ−1,1,1−トリメトキシエタン(3.31mL、24.6mmol)を加えた後、p−トルエンスルホン酸一水和物(84.8mg、0.446mmol)を加えた。反応混合物を45℃で5時間加熱し、その後、これを真空濃縮し、残った油状物を酢酸エチル(10mL)に溶解させ、溶液が生じるまで加熱した。これを、終夜温度に冷却しながらゆっくりと撹拌した。沈殿を濾過によって収集し、ヘプタンで洗浄して、P11を灰色の固体として得た。収量:5.73g、20.3mmol、91%。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.12 (br s, 1H), 8.01 (br d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.52 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.74 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.28 (s, 3H).
ステップ4.メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート塩酸塩(P11,HCl塩)の合成
C16(5.0g、24mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)溶液を100℃に加熱し、クロロ酢酸無水物(4.1g、24.5mmol)の1,4−ジオキサン(60mL)溶液を付加漏斗から10時間かけて加え、反応混合物を100℃でもう12時間撹拌した。翌日、反応液を室温に冷却し、減圧下で1,4−ジオキサンを除去した。粗反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。酢酸エチル層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。酢酸エチル溶液に、絶えず撹拌しながら、4Mの塩化水素1,4−ジオキサン溶液(1.1当量)を加えた。P11の塩酸塩が淡黄色の固体として沈殿した。懸濁液を1時間撹拌し、次いで、P11の塩酸塩を濾過によって収集して、黄色の固体(6.1g、86%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD) δ 8.64 (s, 1H), 8.30 (d, 1H), 7.92 (d, 1H), 5.32 (s, 2H), 4.84 (m, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.83 (t, 2H), 3.31 (s, 3H).LCMS m/z 283.2[M+H]
+。
調製例P12
メチル1−(2−メトキシエチル)−2−(ピペラジン−1−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P12)
【0360】
【化14】
【0361】
ステップ1.メチル2−{[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C17)の合成
tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.00g、5.37mmol)と炭酸カリウム(2.97g、21.5mmol)のアセトニトリル(15mL)中の15℃の混合物に、化合物P11(1.59g、5.62mmol)を加え、反応混合物を55℃で12時間撹拌した。次いで、これを、P11およびtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、1.07mmol)を使用して実施した同様の反応と合わせ、混合物を濾過した。濾液を真空濃縮した後、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%の酢酸エチル)によって精製して、C17を淡黄色の固体として得た。合計収量:2.30g、5.32mmol、83%。LCMS m/z 433.0[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.12 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.58 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.89 (s, 2H), 3.73 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.46 - 3.37 (br m, 4H), 3.28 (s, 3H), 2.54 - 2.44 (br m, 4H), 1.45 (s, 9H).
ステップ2.メチル1−(2−メトキシエチル)−2−(ピペラジン−1−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P12)の合成
C17(2.30g、5.32mmol)のジクロロメタン(80mL)溶液に、塩化水素の酢酸エチル溶液(20mL)を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌し、その後、これを真空濃縮した。残渣を水(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH9〜10に調整し、酢酸エチルとメタノールの混合物(10:1、15×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、P12を淡黄色の固体として得た。収量:1.68g、5.05mmol、95%。LCMS m/z 332.8[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.13 (br s, 1H), 7.96 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.59 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.86 (s, 2H), 3.75 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.87 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 2.50 (br m, 4H).
調製例P13
6−ブロモ−2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P13)
【0362】
【化15】
【0363】
ステップ1.5−ブロモ−N−(2−メトキシエチル)−2−ニトロピリジン−3−アミン(C18)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロピリジン(400mg、1.81mmol)および2−メトキシエタンアミン(408mg、5.43mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を、25℃で2時間撹拌し、その後、これを酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、C18を黄色の固体として得た。収量:430mg、1.56mmol、86%。
ステップ2.5−ブロモ−N
3−(2−メトキシエチル)ピリジン−2,3−ジアミン(C19)の合成
C18(430mg、1.56mmol)、塩化アンモニウム(833mg、15.6mmol)、および鉄粉(870mg、15.6mmol)のメタノール(10mL)と水(2mL)の混合物中の溶液を、80℃で30分間撹拌した。得られる懸濁液を水(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、C19を褐色の固体として得た。収量:350mg、1.42mmol、91%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.33 - 4.19 (br s, 2H), 3.65 (dd, J = 5.6, 4.6 Hz, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.22 (br t, J = 5 Hz, 2H).
ステップ3.6−ブロモ−2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P13)の合成
C19(400mg、1.63mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)溶液を塩化クロロアセチル(0.284mL、3.57mmol)で処理し、LCMS分析によってC19の中間体アミドへの完全な変換が示されるまで、室温で撹拌した。真空中で1,4−ジオキサンを除去した後、残渣をトリフルオロ酢酸(8mL)に溶解させ、80℃で18時間加熱し、その後、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られる油状物を酢酸エチル(50mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した。水層を酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜80%の酢酸エチル)にかけると、P13が固体として得られた。収量:176mg、0.578mmol、35%。LCMS m/z 306.1(臭素−塩素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.58 (br s, 1H), 7.89 (br s, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.44 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.71 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.28 (s, 3H).
調製例P14
メチル2−{[4−(2,3−ジヒドロキシフェニル)ピペリジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P14)
【0364】
【化16】
【0365】
ステップ1.[(3−ブロモベンゼン−1,2−ジイル)ビス(オキシメタンジイルオキシエタン−2,1−ジイル)]ビス(トリメチルシラン)(C20)の合成
この反応は、同一規模の2つの回分において実施した。3−ブロモベンゼン−1,2−ジオール(10.0g、52.9mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(37.8mL、217mmol)を滴下して加えた。混合物を20℃で10分間撹拌した後、[2−(クロロメトキシ)エチル](トリメチル)シラン(19.2mL、108mmol)を5分かけて滴下して加え、室温(18℃)で16時間撹拌を継続した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(27.6mL、158mmol)を再び加えた後、室温(18℃)で[2−(クロロメトキシ)エチル](トリメチル)シラン(14.0mL、79.1mmol)を滴下して加えた。室温でもう2.5時間経過後、反応混合物を濾過し、濾液を真空濃縮した。この時点で、2つの回分からの粗生成物を合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜7%の酢酸エチル)を使用して精製して、C20を無色の油状物として得た。
1H NMR分析によると、この材料は、完全には純粋でなかった。合計収量:22.9 g、50.9mmol、48%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C20ピークのみ: δ7.19 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H), 6.90 (dd, J = 8.2. 8.2 Hz, 1H), 5.26 - 5.19 (m, 4H), 4.00 - 3.92 (m, 2H), 3.80 - 3.73 (m, 2H), 1.00 - 0.91 (m, 4H), 0.03 (s, 9H), 0.00 (s, 9H).
ステップ2.tert−ブチル4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C21)の合成
C20(6.11g、13.6mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(5.04g、16.3mmol)、炭酸ナトリウム水溶液(1M、40.8mL、40.8mmol)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(497mg、0.679mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)懸濁液を含有する反応容器を排気し、窒素を装入した。この排気サイクルを2回繰り返し、次いで、反応混合物を85℃で16時間撹拌し、その後、反応混合物を水(40mL)で希釈し、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜8%のメタノール)によって精製すると、C21が黄色の油状物として得られた。収量:5.47g、9.91mmol、73%。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 7.10 (br d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 7.9, 7.9 Hz, 1H), 6.81 (br d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.79 (br s, 1H), 5.23 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.03 (br s, 2H), 3.83 - 3.74 (m, 4H), 3.59 (br s, 2H), 2.52 (br s, 2H), 1.49 (s, 9H), 1.01 - 0.89 (m, 4H), 0.01 (s, 9H), 0.01 (s, 9H).
ステップ3.tert−ブチル4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(C22)の合成
C21(12.5g、22.6mmol)のメタノール(300mL)溶液を10%パラジウム炭素(2.94g、2.76mmol)で処理し、25℃で16時間40psiで水素化した。この時点でのLCMS分析によって、生成物への変換が示された。LCMS m/z 576.0[M+Na
+]。反応混合物を濾過し、濾過ケークをメタノール(2×100mL)で洗浄した後、合わせた濾液を真空濃縮して、C22を無色の油状物として得た。収量:11.2g、20.1mmol、89%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.05 - 6.97 (m, 2H), 6.83 (dd, J = 6.9, 2.5 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.38 - 4.10 (br m, 2H), 3.90 - 3.82 (m, 2H), 3.81 - 3.73 (m, 2H), 3.22 (tt, J = 12.2, 3.5 Hz, 1H), 2.79 (br dd, J = 12.8, 12.8 Hz, 2H), 1.78 (br d, J = 13 Hz, 2H), 1.65 - 1.52 (m, 2H), 1.48 (s, 9H), 1.04 - 0.91 (m, 4H), 0.03 (s, 9H), 0.00 (s, 9H).
ステップ4.4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)ピペリジン(C23)の合成
室温(15℃)のC22(7.23g、13.0mmol)のジクロロメタン(90mL)溶液に、2,6−ジメチルピリジン(2.39g、22.3mmol)を加えた後、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(3.80g、17.1mmol)を滴下して加えた。反応混合物を15℃で16時間撹拌し、その後、追加の2,6−ジメチルピリジン(909mg、8.48mmol)およびトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.45g、6.52mmol)を加えた。室温(15℃)でもう5時間撹拌した後、反応混合物のLCMS分析によって、生成物の存在が示された。LCMS m/z 454.1[M+H]
+。反応混合物を真空濃縮し、残渣を塩化アンモニウム水溶液(3×100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、C23を褐色の油状物(6.6g)として得た。この材料をそのまま次のステップに送った。
ステップ5.メチル2−{[4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)ピペリジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C24)の合成
C23(前のステップから、6.6g、13mmol以下)のアセトニトリル(150mL)溶液に、P11(3.08g、10.9mmol)を加えた後、炭酸カリウム(10.1g、73.1mmol)を加え、反応混合物を室温(15℃)で16時間撹拌した。この時点でのLCMS分析によって、生成物の存在が示された。LCMS m/z 700.2[M+H]
+。反応混合物を濾過し、濾液を真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中34%〜56%の酢酸エチル)によって精製すると、C24が黄色の油状物として得られた。収量:5.4g、7.7mmol、2ステップで59%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.16 - 8.12 (m, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.04 - 6.96 (m, 2H), 6.86 (dd, J = 6.7, 2.6 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 5.12 (s, 2H), 4.63 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.93 - 3.83 (m, 4H), 3.80 - 3.72 (m, 4H), 3.31 (s, 3H), 3.17 - 3.06 (m, 1H), 2.99 (br d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.35 - 2.22 (m, 2H), 1.81 (br d, AB四重線の半分, J = 12.6 Hz, 2H), 1.75 - 1.61 (m, 2H), 1.04 - 0.91 (m, 4H), 0.05 (s, 9H), -0.01 (s, 9H).
ステップ6.メチル2−{[4−(2,3−ジヒドロキシフェニル)ピペリジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P14)の合成
室温(18℃)のC24(6.40g、9.14mmol)の1,4−ジオキサン(120mL)溶液に、塩化水素の1,4−ジオキサン溶液(4M、96mL、384mmol)を加えた。加え終えた後、反応混合物を室温(18℃)で16時間撹拌し、C24(1.00g、1.43mmol)を使用して実施した同様の反応と合わせ、真空濃縮した。残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(20:1、150mL)で処理し、室温(18℃)で1時間撹拌し、その後、濾過によって固体(4.85g)を収集した。この材料を水(100mL)で処理し、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えることにより混合物をpH7〜8に調整し、室温(18℃)で30分間撹拌し、濾過した。濾過ケークを水(2×20mL)で洗浄し、メタノール(100mL)と混合し、真空濃縮した。得られる材料を石油エーテル(100mL)で処理し、室温(18℃)で30分間撹拌した。濾過した後、濾過ケークをトルエン(30mL)と混合し、真空濃縮して、P14を灰色の固体として得た。合計収量:2.92g、6.64mmol、63%。LCMS m/z 440.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.64 - 6.51 (m, 3H), 4.63 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.84 (s, 2H), 3.75 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 3.22 (s, 3H), 2.97 - 2.78 (m, 3H), 2.18 (br dd, J = 11, 11 Hz, 2H), 1.75 - 1.64 (m, 2H), 1.64 - 1.49 (m, 2H).
調製例P15
メチル2−(クロロメチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P15)
【0366】
【化17】
【0367】
この全順序を大規模で実施した。一般に、反応前、ならびに試薬を加えた後に、反応器を排気して−0.08〜−0.05MPaとし、窒素充填して常圧とした。この過程を、一般に3回繰り返し、次いで、酸素含有量を評価して、確実に1.0%以下になるようにした。有機層の抽出および洗浄の過程については、混合物を、一般に15〜60分間撹拌し、次いで、15〜60分間沈降させた後、層を分離した。
ステップ1.(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキセタン(C25)の合成
この反応は、概ね同じ規模の3つの回分において実施した。内側がガラスで覆われた2000Lの反応器に、2−メチルプロパン−2−オール(774.7kg)を装入した。カリウムtert−ブトキシド(157.3kg、1402mol)を固体付加漏斗から加え、混合物を30分間撹拌した。次いで、トリメチルスルホキソニウムヨージド(308.2kg、1400mol)を同じ要領で加え、反応混合物を55℃〜65℃で2〜3時間加熱し、その後、(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラン(92.1kg、561mol)を5〜20kg/時の速度で加えた。反応混合物を25時間55℃〜65℃に保った後、25℃〜35℃に冷却し、珪藻土(18.4kg)で濾過した。濾過ケークをtert−ブチルメチルエーテル(3×340kg)ですすぎ、合わせた濾液を5000Lの反応器に移し、精製水(921kg)で処理し、15℃〜30℃で15〜30分間撹拌した。次いで、有機層を、塩化ナトリウム(230.4kg)の精製水(920.5kg)溶液を使用して2回洗浄し、減圧下(−0.08MPa以下)、45℃以下で濃縮した。n−ヘプタン(187kg)を加え、得られる混合物を減圧下(−0.08MPa以下)、45℃以下で濃縮し、有機相を、カラムの上部を塩化ナトリウム(18.5kg)としたシリカゲルクロマトグラフィー(280kg)を使用して精製した。粗材料を、n−ヘプタン(513kg)を使用してカラムにかけ、n−ヘプタン(688.7kg)と酢酸エチル(64.4kg)の混合物で溶離させた。3つの回分を合わせ、C25を純度85%の淡黄色の油状物として得た(189.7kg、906mmol、54%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C25ピークのみ: δ7.40 - 7.32 (m, 4H), 7.32 - 7.27 (m, 1H), 4.98 (dddd, J = 8.1, 6.7, 4.9, 3.7 Hz, 1H), 4.72 - 4.55 (m, 4H), 3.67 (dd, ABXパターンの成分, J = 11.0, 4.9 Hz, 1H), 3.62 (dd, ABXパターンの成分, J = 11.0, 3.7 Hz, 1H), 2.72 - 2.53 (m, 2H).
ステップ2.(2S)−オキセタン−2−イルメタノール(C26)の合成
3000Lのステンレス鋼オートクレーブ反応器において、純度85%のC25(前のステップから、185.3kg、884.8mol)の10℃〜30℃のテトラヒドロフラン(1270kg)溶液に、付加漏斗から10%パラジウム炭素(30.7kg)を加えた。付加漏斗を精製水およびテトラヒドロフラン(143kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。圧力を0.3〜0.5MPaに増大させ、次いでガス抜きして0.05MPaとしながら、反応器の中身を窒素でパージした後、水素で同様にパージした。この水素パージを5回繰り返し、その後、水素圧力を0.3〜0.4MPaに増大させた。次いで、反応混合物を35℃〜45℃に加熱した。水素圧力を0.3〜0.5MPaに保ちながら13時間経過後、混合物をガス抜きして0.05MPaとし、圧力を0.15〜0.2MPaに増大させ、次いでガス抜きして0.05MPaにすることにより窒素で5回パージした。混合物を10℃〜25℃に冷却した後、濾過し、反応器をテトラヒドロフラン(2×321kg)ですすいだ。濾過ケークをこのすすぎ液に2回浸漬し、次いで濾過し、減圧下(−0.06MPa以下)での濃縮を40℃以下で行い、テトラヒドロフラン(251kg)中のC26(62.2kg、706mol、80%)を得た。
ステップ3.(2S)−オキセタン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート(C27)の合成
テトラヒドロフラン(251kg)中のC26(前のステップから、62.2kg、706mol)およびトリエチルアミン(92.7kg、916mol)の10℃〜25℃のジクロロメタン(1240kg)溶液に、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(17.5kg、143mol)を加えた。30分後、塩化p−トルエンスルホニル(174.8kg、916.9mol)を、20〜40分の間隔をおいて少量ずつ加え、反応混合物を15℃〜25℃で16時間〜20分間撹拌した。精製水(190kg)を加え、撹拌した後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(53.8kgの炭酸水素ナトリウムおよび622kgの精製水を使用して調製した)で洗浄し、次いで、塩化アンモニウム水溶液(230kgの塩化アンモニウムおよび624kgの精製水を使用して調製した)で洗浄した。最後に精製水(311kg)で洗浄した後、有機層を、シリカゲル(60.2kg)を予め装入しておいたステンレス鋼ヌッチェフィルターで濾過した。濾過ケークをジクロロメタン(311kg)に20分間浸漬し、次いで濾過し、合わせた濾液を、330〜400Lが残るまで、減圧下(−0.05MPa以下)、40℃以下で濃縮した。次いで、15℃〜30℃でテトラヒドロフラン(311kg)を加え、混合物を同じ要領で濃縮して、最終体積を330〜400Lとした。テトラヒドロフランの付加および濃縮を繰り返し、再び体積を330〜400Lとし、淡黄色のC27(167.6kg、692mmol、98%)のテトラヒドロフラン(251.8kg)溶液を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C27ピークのみ: δ7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 4.91 (ddt, J = 8.0, 6.7, 3.9 Hz, 1H), 4.62 - 4.55 (m, 1H), 4.53 - 4.45 (m, 1H), 4.14 (d, J = 3.9 Hz, 2H), 2.75 - 2.63 (m, 1H), 2.60 - 2.49 (m, 1H), 2.44 (s, 3H).
ステップ4.(2S)−2−(アジドメチル)オキセタン(C28)の合成
内側がガラスで覆われた3000Lの反応器において、10℃〜25℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(473kg)、アジ化ナトリウム(34.7kg、534mol)、およびヨウ化カリウム(5.2kg、31mol)を合わせた。テトラヒドロフラン(125.4kg)中のC27(83.5kg、344.6mol)を加えた後、反応混合物を17時間と40分間55℃〜65℃に加熱し、その後、これを25℃〜35℃に冷却し、下部弁から窒素を15分間バブルさせた。次いで、tert−ブチルメチルエーテル(623kg)および精製水(840kg)を加え、得られる水層をtert−ブチルメチルエーテル(312kgおよび294kg)で2回抽出した。合わせた有機層を、温度を10℃〜25℃に保ちながら精製水(2×419kg)で洗浄し、上記有機層(1236.8kg)の溶液中にC28(31.2kg、276mol、80%)を得た。
ステップ5.1−[(2S)−オキセタン−2−イル]メタンアミン(C29)の合成
3000Lのステンレス鋼オートクレーブ反応器において、C28[前のステップから、1264kg(31.1kgのC28、275mol)]の10℃〜30℃のテトラヒドロフラン(328kg)溶液に、付加漏斗から、10%パラジウム炭素(3.7kg)を加えた。付加漏斗をテトラヒドロフラン(32kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。圧力を0.05〜0.15MPaに増大させ、次いでガス抜きして0.03〜0.04MPaとしながら、反応器の中身を窒素でパージした後、水素で同様にパージした。この水素パージを5回繰り返し、その後、水素圧力を0.05〜0.07MPaに増大させた。反応温度を25℃〜33℃に上昇させ、水素を3〜5時間毎に交換しながら、水素圧力を22時間0.05〜0.15MPaに保った。次いで、圧力を0.15〜0.2MPaに増大させ、次いでガス抜きして0.05MPaにすることにより、混合物を窒素で5回パージした。濾過した後、テトラヒドロフラン(92kgおよび93kg)を使用して反応器を洗浄し、次いで、濾過ケークを浸漬した。合わせた濾液を減圧下(−0.07MPa以下)、45℃以下で濃縮し、テトラヒドロフラン(57.8kg)中のC29(18.0kg、207mol、75%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), C29ピークのみ: δ 4.62 (ddt, J = 7.6, 6.6, 5.1 Hz, 1H), 4.49 (ddd, J = 8.6, 7.3, 5.6 Hz, 1H), 4.37 (dt, J = 9.1, 5.9 Hz, 1H), 2.69 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 2.55 - 2.49 (m, 1H), 2.39 (m, 1H).
ステップ6.メチル4−ニトロ−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C30)の合成
内側がガラスで覆われた100Lの反応器において、メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(54.8kg、275mol)のテトラヒドロフラン(148kg)溶液に炭酸カリウム(58.1kg、420mol)を加え、混合物を10分間撹拌した。C29(29.3kg、336mol)のテトラヒドロフラン(212.9kg)溶液を加え、反応混合物を20℃〜30℃で12時間撹拌し、その後、酢酸エチル(151kg)を加え、混合物をシリカゲル(29kg)で濾過した。濾過ケークを酢酸エチル(150kgおよび151kg)ですすぎ、合わせた濾液を減圧下(−0.08MPa以下)、45℃以下で濃縮して、体積を222〜281Lとした。混合物を10℃〜30℃に冷却した後、n−ヘプタン(189kg)を加え、20分間撹拌を行い、混合物を減圧下(−0.08MPa以下)、45℃以下で濃縮して、体積を222Lとした。n−ヘプタン(181kg)を参考速度100〜300kg/時で再び混合物に加え、撹拌を20分間継続した。混合物を、残留テトラヒドロフランが5%以下になり、残留酢酸エチルが10%〜13%になるまでサンプリングした。混合物を40℃〜45℃に加熱し、1時間撹拌し、その後、これを毎時5℃〜10℃の速度で15℃〜25℃に冷却し、次いで、15℃〜25℃で1時間撹拌した。ステンレス鋼遠心機を使用しながら濾過すると、濾過ケークが得られ、これを酢酸エチル(5.0kg)とn−ヘプタン(34kg)の混合物ですすぎ、次いで、テトラヒドロフラン(724kg)と共に10℃〜30℃で15分間撹拌し、濾過すると、主としてC30で構成された黄色の固体が得られた(57.3kg、210mol、76%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) 8.34 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.9, 1.8 Hz, 1H), 4.99 (dddd, J = 7.7, 6.7, 5.3, 4.1 Hz, 1H), 4.55 (ddd, J = 8.6, 7.3, 5.8 Hz, 1H), 4.43 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.67 - 3.61 (m, 2H), 2.67 (dddd, J = 11.1, 8.6, 7.7, 6.2 Hz, 1H), 2.57 - 2.47 (m, 1H).
ステップ7.メチル2−(クロロメチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P15)の合成
3000Lのオートクレーブ反応器中のC30(前のステップから、51.8kg、190mol)のテトラヒドロフラン(678kg)溶液を、10℃〜30℃にて10%パラジウム炭素(5.2kg)で処理した。付加パイプをテトラヒドロフラン(46kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。圧力を0.1〜0.2MPaに増大させ、次いでガス抜きして0.02〜0.05MPaとしながら、反応器の中身を窒素でパージした後、水素で同様にパージした。この水素パージを5回繰り返し、その後、水素圧力を0.1〜0.25MPaに増大させた。反応混合物を20℃〜30℃で撹拌し、2〜3時間毎に、混合物を窒素で3回パージし、次いで、水素で5回パージし、各最終水素交換後、水素圧力を0.1〜0.25MPaに増大させた。11.25時間の合計反応時間経過後、反応混合物をガス抜きして常圧とし、圧力を0.15〜0.2MPaに増大させ、次いでガス抜きして0.05MPaにすることにより窒素で5回パージした。次いでこれを濾過し、濾過ケークをテトラヒドロフラン(64kgおよび63kg)で2回すすぎ、合わせたすすぎ液と濾液を減圧下(−0.08MPa以下)、40℃以下で濃縮して、体積を128〜160Lとした。テトラヒドロフラン(169kg)を加え、混合物を再び濃縮して体積を128〜160Lとし、この過程を合計4回繰り返し、中間体メチル4−アミノ−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエートの溶液を得た。
【0368】
この溶液にテトラヒドロフラン(150kg)を加えた後、2−クロロ−1,1,1−トリメトキシエタン(35.1kg、227mol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(1.8kg、9.5mol)を加えた。反応混合物を25分間撹拌した後、40℃〜45℃で5時間加熱し、その後、これを減圧下で濃縮して、体積を135〜181Lとした。2−プロパノール(142kg)を加え、混合物を再び濃縮して体積を135〜181Lとし、その後、2−プロパノール(36.5kg)および精製水(90kg)を加え、溶液が得られるまで撹拌を継続した。これをインラインの液体フィルターで濾過し、次いで、20℃〜40℃にて参考速度150〜400kg/時で精製水(447kg)で処理した。混合物を20℃〜30℃に冷却した後、これを2時間撹拌し、遠心機を用いて濾過することにより固体を収集した。濾過ケークを2−プロパノール(20.5kg)と精製水(154kg)からなる溶液ですすぎ、乾燥させた後、P15を白色の固体(32.1kg、109mol、57%)として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.14 - 8.11 (m, 1H), 8.01 (dd, J = 8.5, 1.1 Hz, 1H), 7.79 (br d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.26 - 5.18 (m, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.66 - 4.58 (m, 2H), 4.53 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.7, 2.7 Hz, 1H), 4.34 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.82 - 2.71 (m, 1H), 2.48 - 2.37 (m, 1H).
調製例P16
メチル2−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P16)
【0369】
【化18】
【0370】
メチル4−アミノ−3−(メチルアミノ)ベンゾエート(206mg、1.14mmol)を1,4−ジオキサン(11.5mL)に溶解させ、塩化クロロアセチル(109μL、1.37mmol)で処理した。混合物を100℃で3時間撹拌し、室温に冷却した。トリエチルアミン(0.8mL、7mmol)およびヘプタン(10mL)を加え、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗材料をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中40%の酢酸エチル)によって精製して、120mgのP16(44%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.14 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 4.87 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.94 (s, 3H);LCMS m/z 239.1[M+H]
+。
調製例P17およびP18
メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−1(P17)およびメチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−2(P18)
【0371】
【化19】
【0372】
ステップ1.tert−ブチル4−(2−エトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジン−1−カルボキシレート(C31)の合成
0℃のエチル(ジエトキシホスホリル)アセテート(132g、589mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(65.9g、587mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液を加え、得られる懸濁液を0℃で1時間撹拌し、その後、これを−50℃に冷却した。tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(90.0g、452mmol)のテトラヒドロフラン(1.5L)溶液を−50℃で滴下して加え、引き続いて、反応混合物をゆっくりと20℃に温め、次いで、20℃で16時間撹拌した。水(1L)を加えた後、混合物を真空濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(2×800mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られる材料を石油エーテル(200mL)で数回洗浄して、C31を白色の固体として得た。収量:95.0g、353mmol、78%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.71 (s, 1H), 4.16 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.55 - 3.43 (m, 4H), 2.94 (br t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.28 (br t, J = 5.5 Hz, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
ステップ2.6−tert−ブチル1−エチル6−アザスピロ[2.5]オクタン−1,6−ジカルボキシレート(C32)の合成
トリメチルスルホキソニウムヨージド(140g、636mmol)のジメチルスルホキシド(800mL)溶液に、20℃で、カリウムtert−ブトキシド(71.2g、634mmol)を1回で加えた。反応混合物を20℃で1.5時間撹拌した後、C31(95.0g、353mmol)のジメチルスルホキシド(800mL)溶液を滴下して加え、20℃で16時間撹拌を継続した。次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0L)を加え、得られる混合物を、塩化アンモニウムを加えることにより中和し、酢酸エチル(3.0L)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×1.0L)および飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0L)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、C32が黄色の油状物として得られた。
1H NMR分析によって、異質の脂肪族材料が存在したことが示された。収量:80g、280mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C32ピークのみ: δ4.19 - 4.09 (m, 2H), 3.55 - 3.39 (m, 3H), 3.27 (ddd, J = 13.0, 7.0, 4.5 Hz, 1H), 1.76 - 1.64 (m, 2H), 1.56 (dd, J = 8.0, 5.5 Hz, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.47 (s, 9H), 1.47 - 1.37 (m, 2H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.17 (dd, J = 5.0, 5.0 Hz, 1H), 0.93 (dd, J = 8.0, 4.5 Hz, 1H).
ステップ3.6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(C33)の合成
C32(80g、280mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)および水(500mL)中の混合物に、水酸化リチウム一水和物(37.4g、891mmol)を1回で加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、その後、これを水(600mL)で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で洗浄した。有機層を捨て、水層を、6M塩酸を加えることによりpH3〜4に酸性化した。得られる混合物を酢酸エチル(3×600mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を石油エーテル(300mL)で摩砕すると、C33が白色の固体として得られた。収量:42.0g、164mmol、59%。LCMS m/z 278.2[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.15 - 12.03 (br s, 1H), 3.43 - 3.25 (m, 3H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.23 - 3.12 (m, 1H), 1.64 - 1.50 (m, 2H), 1.52 (dd, J = 7.5, 5.5 Hz, 1H), 1.39 (s, 9H), 1.39 - 1.28 (m, 2H), 0.96 - 0.88 (m, 2H).
ステップ4.tert−ブチル1−({4−(メトキシカルボニル)−2−[(2−メトキシエチル)アミノ]フェニル}カルバモイル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(C34)の合成
C33(570mg、2.23mmol)、C16(500mg、2.23mmol)、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、1.27g、3.34mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を、30℃で30分間撹拌し、その後、トリエチルアミン(902mg、8.91mmol)を加え、30℃で16時間撹拌を継続した。次いで、反応混合物を水(60mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1:1の石油エーテル/酢酸エチル)にかけると、C34が褐色の油状物として得られ、これをそのまま次のステップに送った。
ステップ5.メチル2−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C35)の合成
C34(前のステップから、2.23mmol以下)の酢酸(15mL)溶液を50℃で16時間撹拌し、その後、これを真空濃縮して、C35を褐色の油状物として得た。この材料をそのまま次のステップで使用した。LCMS m/z 444.1[M+H]
+。
ステップ6.メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C36)の合成
C35(前のステップから、2.23mmol以下)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加え、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した後、飽和炭酸カリウム水溶液(40mL)を加えて残渣を塩基性化し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1:0.1のジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)にかけて、C36を黄色の固体として得た。収量:640mg、1.86mmol、3ステップで83%。LCMS m/z 344.1[M+H]
+。
ステップ7.メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−1(P17)およびメチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−2(P18)の単離
C36(630mg、1.83mmol)のこれを構成する鏡像異性体への分離は、SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:55:45の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して行った。第1の溶出ピークをENT−1(P17)、第2の溶出鏡像異性体をENT−2(P18)と指定し、両方とも淡黄色の固体として単離された。
【0373】
P17収量:300mg、0.874mmol、48%。LCMS m/z 344.1[M+H]
+。滞留時間:5.10分(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×150mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:5.5分かけて5%〜40%のB、次いで、40%のBで3.0分間保持;流量:2.5mL/分)。
【0374】
P18収量:240mg、0.699mmol、38%。LCMS m/z 344.1[M+H]
+。滞留時間:7.35分(P17について使用したものと同一の分析条件)。
調製例P19
メチル4−アミノ−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(P19)
【0375】
【化20】
【0376】
ステップ1.メチル3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(C37)の合成
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(1.00g、5.02mmol)および1−(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタンアミン二塩酸塩(1.00g、5.05mmol)をテトラヒドロフラン(12mL)とメタノール(8mL)の混合物に溶かした溶液に、トリエチルアミン(3.65mL、26.2mmol)を加えた。反応混合物を60℃で40時間撹拌し、その後、これを真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜2%のメタノール)を使用して精製して、C37を橙色の固体として得た。収量:1.27g、4.17mmol、83%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.24 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.98 - 7.91 (m, 1H), 7.68 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.57 (br s, 1H), 7.33 (dd, J = 8.8, 1.7 Hz, 1H), 7.11 (br s, 1H), 4.53 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 3.99 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 1.47 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(P19)の合成
湿ったパラジウム炭素(144mg)およびC37(412mg、1.35mmol)のメタノール(13mL)中の混合物を、水素バルーン下において25℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を珪藻土パッドで濾過し、濾液を真空濃縮して、P19を灰色の固体として得た。収量:340mg、1.24mmol、92%。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.66 (br s, 1H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 6.97 (br s, 1H), 6.67 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.35 (s, 2H), 4.11 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 1.44 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
調製例P20
メチル4−アミノ−3−(メチルアミノ)ベンゾエート(P20)
【0377】
【化21】
【0378】
ステップ1.メチル3−(メチルアミノ)−4−ニトロベンゾエート(D1)の合成
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(5.10g、25.6mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液に、メチルアミン(38.4mL、76.8mmol、2Mテトラヒドロフラン溶液)を10分かけて滴下して加えた。加えると直ちに、淡黄色の溶液が濃橙色に変わり、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、有機層を水(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5.26gのメチル3−(メチルアミノ)−4−ニトロベンゾエート(98%)を濃橙色の固体として得た。LCMS m/z 211.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.22 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.00 (br s, 1H), 7.56 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 8.9, 1.7 Hz, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 3.95 (s, 3H), 3.09 (d, J = 5.1 Hz, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−(メチルアミノ)ベンゾエート(P20)の合成
10%パラジウム炭素(水50%、1g)を予め装入した500mLのParr(登録商標)ボトルに、D1(5.26g、25.0mmol)のエタノール(150mL)溶液を加えた。混合物を50psiの水素雰囲気にて室温で1時間振盪し、その後、これを濾過し、濾過ケークをエタノール(100mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮して、4.38gのP20(97%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS m/z 181.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.46 (dd, J = 8.0, 1.9 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.72 (br s, 2H), 3.21 (br s, 1H), 2.91 (s, 3H).
調製例P21およびP22
5−ブロモ−N
3−メチルピリジン−2,3−ジアミン(P21)および5−ブロモ−N
3,6−ジメチルピリジン−2,3−ジアミン(P22)
【0379】
【化22】
【0380】
中間体P21は、文献手順(Choi,J.Y.ら、J.Med.Chem.2012、55、852〜870)に従って合成した。中間体P22も、同じ方法を使用して合成した。
調製例P23
メチル2−(クロロメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P23)
【0381】
【化23】
【0382】
ステップ1.メチル3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(D2)の合成
無色のメチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(1.0g、5.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、1−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタンアミン(670mg、6.0mmol)およびトリエチルアミン(762mg、7.53mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、その後、これを水(30mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン中20%のメタノール)によって精製した。得られた黄色の固体を30:1の石油エーテル/酢酸エチルで摩砕して、D2(1.2g、82%)を黄色の固体として得た。LCMS m/z 290.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.25 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.98 - 7.92 (m, 1H), 7.70 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.34 (dd, J = 8.9, 1.7 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.54 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.67 (s, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(D3)の合成
D2(5.46g、18.8mmol)のメタノール(160mL)懸濁液に、湿った10%パラジウム炭素(1g)を加えた。混合物を1気圧の水素中にて20℃で36時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケークをメタノール(200mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮して、D3(4.8g、98%)を褐色の固体として得た。LCMS m/z 260.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.56 (s, 1H), 7.18 (br d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.12 (br s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.55 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.50 (s, 2H), 4.84 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.63 (s, 3H).
ステップ3.メチル2−(ヒドロキシメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(D4)の合成
D3(780mg、3.00mmol)および2−ヒドロキシ酢酸(342mg、4.49mmol)の1,3,5−トリメチルベンゼン(8mL)中の混合物を、140℃で14時間、25℃で48時間撹拌した。透明な黄色の溶液をデカントして褐色の残渣を得、それをメタノール(50mL)に溶解させ、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン中20%のメタノール)によって精製して、D4(318mg、35%)を黄色の泡沫として得た。LCMS m/z 300.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.13 - 8.11 (m, 1H), 7.83 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 6.58 (s, 1H), 5.69 (s, 2H), 4.75 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.53 (s, 3H).
ステップ4.メチル2−(クロロメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P23)の合成
D4(500mg、1.66mmol)のジクロロメタン(10mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)懸濁液に、室温で塩化チオニル(990mg、0.60mL、8.32mmol)を滴下して加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。得られた褐色の残渣をジクロロメタン(10mL)で摩砕した。濾過によって固体を収集し、ジクロロメタン(5mL)ですすいで、P23(431mg、73%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS m/z 318.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.17 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.93 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 5.92 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.87 (s, 3H).
調製例P24
5−クロロ−2−(クロロメチル)−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P24)
【0383】
【化24】
【0384】
ステップ1.6−クロロ−N−メチル−3−ニトロピリジン−2−アミン(D5)の合成
2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(200g、1.04mol)およびNa
2CO
3(132g、1.24mol)のエタノール(1L)懸濁液に、0℃で、メチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(2.0M、622mL、1.24mol)をシリンジから滴下して加えた。加え終えた後、反応混合物を18℃で6時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%の酢酸エチル)によって精製して、D5(158g、収率81%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.72 (br s, 1H), 8.41 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.00 (d, J = 4.8 Hz, 3H).
ステップ2.6−クロロ−N
2−メチルピリジン−2,3−ジアミン(D6)の合成
D5(15.8g、84.2mmol)の酢酸(100mL)中の混合物に、鉄粉(15.4g、276mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間撹拌し、その後、これを室温に冷却し、濾過した。濾過ケークを酢酸エチル(2×100)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1:1の酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、D6(8.40g、収率63%)を褐色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.79 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 3.00 (s, 3H).
ステップ3.5−クロロ−2−(クロロメチル)−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P24)の合成
D6(50.0g、317mmol)の1,4−ジオキサン(1.2L)溶液に、塩化クロロアセチル(55.5mL、698mmol)を加え、反応混合物を15℃で50分間撹拌した。次いでこれを減圧下で濃縮して褐色の固体を得、それをトリフルオロ酢酸(1.2L)に溶かし、80℃で60時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して褐色の油状物を得、これを酢酸エチル(1L)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した。二酸化炭素発生が収まったとき、層を分離し、水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中10%〜25%の酢酸エチル)によって精製して、P24(61.0g、収率79%)を黄色の固体として得た。LCMS m/z 215.7(ジクロロ同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.13 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 3.84 (s, 3H).
実施例1および2
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,ENT−X1,リフルオロ酢酸塩(1)[C39から]および2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,ENT−X2,トリフルオロ酢酸塩(2)[C40から]
【0385】
【化25】
【0386】
ステップ1.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C38)の合成
この実験は、同一規模の2つの回分において実施した。C2(500mg、1.52mmol)、P12(530mg、1.59mmol)、[2’,6’−ビス(プロパン−2−イルオキシ)ビフェニル−2−イル](ジシクロヘキシル)ホスファン(Ruphos、142mg、0.304mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(139mg、0.152mmol)、および炭酸セシウム(1.48g、4.54mmol)のトルエン(15mL)中の混合物を含有する反応容器を排気し、窒素を装入した。この排気サイクルを2回繰り返し、その後、反応混合物を100℃で16時間撹拌し、2番目の回分と合わせ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%の酢酸エチル)に続いて分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:1:1の石油エーテル/酢酸エチル)にかけて、C38を淡黄色の固体として得た。合計収量:600mg、1.03mmol、34%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−1(C39)およびメチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−2(C40)の単離
C38(780mg、1.34mmol)のこれを構成する鏡像異性体への分離は、SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:3:2の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して行った。ENT−1(C39)と指定した第1の溶出鏡像異性体は、白色の固体として得られた。収量:282mg、0.485mmol、36%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。滞留時間:1.90分(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×50mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:5%のBを0.20分間、次いで、1.4分かけて5%〜40%のB、次いで、40%のBを1.05分間保持;流量:4.0mL/分)。
【0387】
ENT−2(C40)と指定した第2の溶出鏡像異性体は、SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:3:2の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用する2回目の精製にかけた。これにより、C40が淡褐色の固体として得られた。収量:280mg、0.482mmol、36%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。滞留時間2.18分(C39について使用したものと同一の分析条件)。
ステップ3.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,ENT−X1,トリフルオロ酢酸塩(1)[C39から]の合成
C39(70mg、0.12mmol)をメタノール(3mL)とテトラヒドロフラン(3mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M、0.30mL、0.60mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、水酸化リチウム水溶液(2M、0.30mL、0.60mmol)を再び加え、撹拌をさらに20時間継続した。次いで、1M塩酸を加えて反応混合物をpH7に調整し、引き続いて真空濃縮して、メタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。残渣を、トリフルオロ酢酸を加えることによりpH5〜6に調整し、次いで、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.1%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜60%のB)によって精製して、1を白色の固体として得た。収量:40.5mg、59.5μmol、50%。LCMS m/z 567.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.37 (br s, 1H), 8.07 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 7.30 (br dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.87 (dd, J = 8.1, 8.1 Hz, 1H), 6.63 (br d, J = 8 Hz, 1H), 6.60 (br d, J = 8 Hz, 1H), 4.70 (s, 2H), 4.65 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.75 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.59 - 3.42 (m, 8H), 3.29 (s, 3H).
ステップ4.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,ENT−X2,トリフルオロ酢酸塩(2)[C40から]の合成
C40(69mg、0.12mmol)をメタノール(3mL)とテトラヒドロフラン(3mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M、0.30mL、0.60mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、水酸化リチウム水溶液(2M、0.30mL、0.60mmol)を再び加え、撹拌をさらに20時間継続した。1M塩酸を加えて反応混合物をpH7に調整し、次いで真空濃縮して、メタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。残渣を、トリフルオロ酢酸を加えることによりpH5〜6に調整し、引き続いて、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.1%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜60%のB)によって精製して、2を白色の固体として得た。収量:22.9mg、33.6μmol、28%。LCMS m/z 567.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.40 - 8.35 (m, 1H), 8.07 (dd, J = 8.6, 1.5 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 7.31 (br dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.87 (dd, J = 8.3, 8.0 Hz, 1H), 6.63 (br d, J = 8 Hz, 1H), 6.60 (br d, J = 8 Hz, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.65 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.76 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.57 - 3.40 (m, 8H), 3.29 (s, 3H).
実施例3
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボン酸,トリフルオロ酢酸塩(3)
【0388】
【化26】
【0389】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン(C13,遊離塩基)の合成
P2(300mg、0.670mmol)の酢酸エチル(3.5mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(318mg、1.67mmol)を加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌し、その後、飽和炭酸カリウム水溶液(20mL)を加えることにより塩基性化し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、C13,遊離塩基を褐色の固体として得た。収量:230mg、0.661mmol、99%。
ステップ2.6−ブロモ−2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(C41)の合成
C13,遊離塩基(130mg、0.374mmol)、P13(130mg、0.427mmol)、および炭酸カリウム(172mg、1.24mmol)のアセトニトリル(2mL)懸濁液を、50℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を、分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)を使用して精製して、C41を褐色の油状物として得た。収量:114mg、0.185mmol、49%。LCMS m/z 617.1(臭素−塩素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
ステップ3.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(C42)の合成
C41(114mg、0.185mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(15.3mg、37.1μmol)、酢酸パラジウム(II)(8.3mg、37μmol)、およびトリエチルアミン(187mg、1.85mmol)をメタノール(5mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)の混合物に溶かした溶液を、一酸化炭素(50psi)中にて80℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した後、これを飽和塩化ナトリウム水溶液(2×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)を使用して精製すると、C42が無色の油状物として得られた。収量:60.0mg、0.101mmol、55%。LCMS m/z 617.2(塩素同位体パターンが観察された)[M+Na
+]。
ステップ4.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボン酸,トリフルオロ酢酸塩(3)の合成
C42(60.0mg、0.101mmol)のメタノール(2.0mL)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(3M、1.0mL、3.0mmol)を加え、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。次いで、1M塩酸を加えることによりこれをpH7に調整し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、逆相HPLC(カラム:Boston Green ODS、5μm;移動相A:水中0.1%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:10%〜95%のB)を使用して精製して、3を白色の固体として得た。収量:29.6mg、42.6μmol、42%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 9.13 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.74 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.24 (ddd, J = 8.4, 2.0, 0.7 Hz, 1H), 6.89 - 6.84 (m, 1H), 6.82 - 6.77 (m, 2H), 4.98 - 4.89 (m, 2H, 推定; 水ピークにより著しく不明確), 4.64 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.04 - 3.92 (br m, 2H), 3.75 (dd, J = 5.4, 4.2 Hz, 2H), 3.51 - 3.39 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.19 - 3.06 (m, 1H), 2.41 - 2.24 (m, 2H), 2.24 - 2.12 (m, 2H), 2.06 (d, J = 1.0 Hz, 3H).
実施例4および5
アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(4)およびアンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(5)
【0390】
【化27】
【0391】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,トリフルオロ酢酸塩(C43)の合成。
P1(300mg、0.691mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.3mL)を加えた。反応混合物を29℃で2時間撹拌し、その後、これを真空濃縮して、C43を褐色の油状物として得、これをそのまま次のステップで使用した。
ステップ2.メチル2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C44)およびメチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C45)の合成
C43(前のステップから、0.691mmol以下)のアセトニトリル(10mL)溶液に、P15(204mg、0.692mmol)を加えた後、炭酸カリウム(956mg、6.92mmol)を加えた。反応混合物を29℃で16時間撹拌し、その後、これを濾過し、濾液を真空濃縮して残渣を得、これを分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:2:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製して、ジアステエレオマー生成物の混合物を黄色のゴム質(178mg)として得た。2種の生成物への分離を、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:55:45の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]によって行った。黄色の油状物として得られた第1の溶出ジアステエレオマーをC44と指定した。収量:44.3mg、74.8μmol、2ステップで11%。LCMS m/z 592.1◆[M+H]
+。滞留時間:4.26分(カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD−3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有するメタノール;勾配:4.5分かけて5%〜40%のB、次いで、40%のBで2.5分間保持;流量:2.8mL/分)。
【0392】
第2の溶出ジアステエレオマーは、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:3:2の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]による2回目の精製にかけ、第2の溶出ジアステエレオマーを無色の油状物として得、これをC45と指定した。収量:38mg、64μmol、2ステップで9%。LCMS m/z 592.1◆[M+H]
+。滞留時間4.41分(C44について使用したものと同一の分析条件)。
【0393】
ジオキソランにおける表示された絶対立体化学は、5の、中間体C48から合成された5,遊離酸のサンプルとの効力の相互関係によって割当て、その中間体の絶対立体化学は、C48の半硫酸塩であるC49の単結晶X線構造決定(以下を参照されたい)によって決定した。
ステップ3.アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(4)の合成
C44(44.3mg、74.8μmol)をメタノール(1mL)とテトラヒドロフラン(1mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M、0.80mL、1.6mmol)を加え、反応混合物を26℃で3時間撹拌した。次いで、トリフルオロ酢酸を加えることによりこれをpH7に調整し、得られる混合物を真空濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%の水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜50%のB)を使用して精製して、4を白色の固体として得た。収量:26.6mg、44.7μmol、60%。LCMS m/z 578.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.31 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 10.1, 2.0 Hz, 1H), 7.29 (br dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.86 - 6.79 (m, 1H), 6.77 (br dd, ABCパターンの成分, J = 7.9, 1.3 Hz, 1H), 6.73 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H), 5.29 - 5.18 (m, 1H), 4.9 - 4.78 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.68 (dd, J = 15.3, 2.7 Hz, 1H), 4.54 (td, J = 8.0, 5.9 Hz, 1H), 4.44 (dt, J = 9.2, 5.9 Hz, 1H), 4.02 (AB四重線, J
AB = 13.9 Hz, Δν
AB = 49.0 Hz, 2H), 3.18 - 3.08 (m, 1H), 3.05 - 2.96 (m, 1H), 2.81 - 2.68 (m, 2H), 2.56 - 2.45 (m, 1H), 2.45 - 2.30 (m, 2H), 2.03 - 1.88 (m, 2H), 1.88 - 1.79 (m, 2H).
ステップ4.アンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(5)の合成
C45(38mg、64μmol)をメタノール(1mL)とテトラヒドロフラン(1mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M、0.80mL、1.6mmol)を加え、反応混合物を24℃で2.5時間撹拌した。次いで、1M塩酸を加えることによりこれをpH7に調整し、得られる混合物を真空濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%の水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:29%〜49%のB)を使用して精製し、5を白色の固体として得た。収量:27.9mg、46.9μmol、73%。LCMS m/z 577.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.32 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 7.29 (br dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.85 - 6.80 (m, 1H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 6.73 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H), 5.30 - 5.20 (m, 1H), 4.9 - 4.79 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.68 (dd, J = 15.4, 2.7 Hz, 1H), 4.62 - 4.54 (m, 1H), 4.44 (dt, J = 9.2, 5.9 Hz, 1H), 4.02 (AB四重線, J
AB = 13.9 Hz, Δν
AB = 44.6 Hz, 2H), 3.18 - 3.09 (m, 1H), 3.06 - 2.97 (m, 1H), 2.80 - 2.67 (m, 2H), 2.55 - 2.30 (m, 3H), 2.02 - 1.78 (m, 4H).
実施例5,遊離酸の代替合成
2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(5,遊離酸)
【0394】
【化28】
【0395】
ステップ1.tert−ブチル4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C46)およびtert−ブチル4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C47)の単離
P1(10g、23mmol)のこれを構成する鏡像異性体への分離を、逆相HPLC[カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、5μm;移動相:9:1の二酸化炭素/(0.2%の1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール)]を使用して行った。第1の溶出鏡像異性体をC46、第2の溶出鏡像異性体をC47と指定し、両方とも無色の油状物として得られた。C46およびC47について表示された絶対立体化学は、C47から合成されたC49に対して実施した単結晶X線構造決定に基づいて割り当てた(以下を参照されたい)。
【0396】
C46収量:4.47g、10.3mmol、45%。滞留時間:3.98分[カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.2%の1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール;勾配:5%のBを1.00分間、次いで、8.00分かけて5%〜60%のB;流量:3.0mL/分;逆圧:120バール]。
【0397】
C47収量:4.49g、10.3mmol、45%。滞留時間:4.32分(C46について使用したものと同一の分析SFC条件)。
ステップ2.4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン(C48)の合成
C47(1.12g、2.58mmol)の酢酸エチル(26mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(566mg、2.98mmol)を加えた。反応混合物を45℃で16時間加熱した後、真空濃縮し、酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、C48を泡沫状の白色固体(947mg)として得た。LCMS m/z 334.0◆[M+H]
+。依然として多少のp−トルエンスルホン酸を含有していたこの材料の一部分を、以下でC50の合成において使用した。
【0398】
泡沫状の白色固体(440mg)の2番目の部分を酢酸エチル(25mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×15mL)で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、C48(350mg)を無色の油状物として得たが、これは、もはやp−トルエンスルホン酸を含有していなかった。調整した収量:350mg、1.05mmol、88%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.53 (dd, J = 8.4, 7.8 Hz, 1H), 7.22 - 7.13 (m, 3H), 6.87 - 6.80 (m, 1H), 6.79 - 6.71 (m, 2H), 3.23 - 3.14 (m, 2H), 2.86 - 2.69 (m, 3H), 1.90 - 1.68 (m, 4H).
ステップ3.4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,半硫酸塩(C49)の合成
C48(上記の無色の油状物)の0.1M酢酸エチル溶液を調製し、塩スクリーニングにかけた。ここには硫酸塩生成についてだけ記載する。硫酸(25μmol)と基体の溶液(0.1M、250μL、25μmol)の混合物を1時間45℃に加熱し、室温に冷まし、15時間撹拌した。得られる懸濁液を、溶液になるまでメタノール(およそ150μL)で処理し、これを、およそ50μLの溶媒が残るまで一晩かけてゆっくりと蒸発させた。得られる結晶の1つを単結晶X線構造決定によって分析し、絶対立体化学が示したものであることを立証した。
C49の単結晶X線構造決定
単結晶X線分析
データ収集は、Bruker D8 Venture回折計において室温で行った。データ収集は、オメガおよびファイ走査からなるものとした。
【0399】
構造は、三斜晶クラス空間群P1においてSHELXソフトウェアスイートを使用する固有位相決定法によって解明した。引き続いて、完全行列最小二乗法によって構造を精密化した。異方性変位パラメーターを使用して、すべての非水素原子を見出し、精密化した。
【0400】
差フーリエマップから窒素上に位置する水素原子を見出し、距離に制約をかけた状態で精密化した。残りの水素原子を計算された位置に置き、その担体原子上に乗るようにした。最終精密化には、すべての水素原子についての等方性変位パラメーターを含めた。
【0401】
非対称単位は、2分子のプロトン化C48と、二重に脱プロトン化した1分子の硫酸と、占有率いっぱいの1分子の水とから構成される。すなわち、構造は、半硫酸塩であり、半水和物である。クロロフルオロフェニル環は、2箇所の位置がひっくり返った環を伴って無秩序であり、60/40の占有率でモデルが作られた。
【0402】
尤度法(Hooft 2008)を使用する絶対構造の分析を、PLATON(Spek)を使用して行った。結果から、絶対構造が正確に割り当てられたことが示され、本方法によって、構造が正確である確率が100.0であることが算定される。Hooftパラメーターは、esd値0.004で0.061であることを報告し、Parsonのパラメーターは、esd値0.005で0.063であることを報告する。
【0403】
最終R指数は、3.1%であった。最終差フーリエによって、欠落している、または場所が正しくない電子密度は存在しないことが明らかになった。
該当する結晶、データ収集、および精密化情報を、表Eに要約する。原子座標、結合距離、結合角、および変位パラメーターを、表F〜Hに示す。
ソフトウェアおよび参考文献
SHELXTL, Version 5.1, Bruker AXS, 1997.
PLATON, A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2003, 36, 7-13.
MERCURY, C. F. Macrae, P. R. Edington, P. McCabe, E. Pidcock, G. P. Shields, R. Taylor, M. Towler, and J. van de Streek, J. Appl. Cryst. 2006, 39, 453-457.
OLEX2, O. V. Dolomanov, L. J. Bourhis, R. J. Gildea, J. A. K. Howard, and H. Puschmann, J. Appl. Cryst. 2009, 42, 339-341.
R. W. W. Hooft, L. H. Straver, and A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2008, 41, 96-103.
H. D. Flack, Acta Cryst. 1983, A39, 867-881.
【0404】
【表5】
【0405】
【表6-1】
【0406】
【表6-2】
【0407】
【表7-1】
【0408】
【表7-2】
【0409】
【表7-3】
【0410】
【表7-4】
【0411】
【表7-5】
【0412】
【表7-6】
【0413】
【表7-7】
【0414】
【表7-8】
【0415】
【表7-9】
【0416】
【表7-10】
【0417】
【表8-1】
【0418】
【表8-2】
【0419】
【表8-3】
【0420】
ステップ4.メチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C50)の合成
C48(上記の泡沫状の白色固体500mg、p−トルエンスルホン酸について補正:1.25mmol)のアセトニトリル(6mL)溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.68mL、3.9mmol)で処理し、45℃で5分間撹拌した。P15(319mg、1.08mmol)を加えた後、45℃での撹拌を7.25時間継続し、その後、反応混合物を45℃の水(6mL)およびアセトニトリル(2mL)で希釈した。得られる不均一混合物を室温に冷まし、72時間撹拌した。さらなる水(5mL)を加え、さらに30分撹拌した後、濾過して固体を収集し、アセトニトリルと水の混合物(15:85、3×5mL)で洗浄して、C50を、かすかにピンク色がかった白色の固体として得た。収量:605mg、1.02mmol、82%。LCMS m/z 592.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.17 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.19 (br s, 1H), 7.18 - 7.14 (m, 2H), 6.85 - 6.79 (m, 1H), 6.76 - 6.71 (m, 2H), 5.26 - 5.18 (m, 1H), 4.73 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 5.9 Hz, 1H), 4.67 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 3.5 Hz, 1H), 4.63 - 4.55 (m, 1H), 4.38 (ddd, J = 9.1, 6.0, 5.9 Hz, 1H), 3.94 (s, 5H), 3.03 - 2.89 (m, 2H), 2.77 - 2.65 (m, 2H), 2.51 - 2.39 (m, 1H), 2.34 - 2.20 (m, 2H), 1.91 - 1.76 (m, 4H).
ステップ5.2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(5,遊離酸)の合成
C50(595mg、1.00mmol)のメタノール(10mL)懸濁液を45℃に加熱し、水酸化ナトリウム水溶液(1M、2.01mL、2.01mmol)で処理した。45℃で21時間経過後、反応混合物を室温に冷まし、次いで、クエン酸水溶液(1M、1mL)で処理し、これによりpHが5〜6になった。水(10mL)を加え、混合物を1時間撹拌し、その後、濾過によって固体を収集した。これをメタノールと水の混合物(1:10、3×5mL)で洗浄して、固体(433mg)を得た。この材料の一部分(300mg)を、ヘプタンと酢酸エチルの混合物(1:3、5mL)と共に40℃で1時間撹拌し、撹拌しながら室温に冷却した後、濾過して固体を収集し、ヘプタンと酢酸エチルの混合物(3:1、3×3mL)で洗浄して、5,遊離酸を白色の固体として得た。収量:260mg、0.450mmol、全反応の65%に相当。LCMS m/z 578.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.75 (v br s, 1H), 8.26 (br s, 1H), 7.79 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.66 - 7.56 (m, 3H), 7.40 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.87 - 6.75 (m, 3H), 5.13 - 5.03 (m, 1H), 4.76 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 7.2 Hz, 1H), 4.62 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.2, 2.8 Hz, 1H), 4.46 - 4.38 (m, 1H), 4.34 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.8 Hz, 1H), 3.84 (AB四重線, J
AB = 13.5 Hz, Δν
AB = 67.7 Hz, 2H), 3.00 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.84 br (d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.71 - 2.56 (m, 2H), 2.45 - 2.34 (m, 1H), 2.28 - 2.08 (m, 2H), 1.84 - 1.65 (m, 4H).
この材料は、その生物活性を上記実施例4および5の両方と比較することにより、5と同じ絶対立体配置のものであると判定された。すなわち、アッセイ2において、この5,遊離酸のサンプルは、25nMのEC
50を示した(3回の反復実験の幾何平均)。アッセイ2における実施例4および実施例5のアンモニウム塩についての活性は、それぞれ、20000nM超(2回の反復実験)および20nM(3回の反復実験の幾何平均)であった。
実施例5, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の合成
1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(5, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩)
【0421】
【化29】
【0422】
5,遊離酸(0.50g、0.86mmol)のテトラヒドロフラン(4mL)中の混合物を、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオールの水溶液(トリス、1.0M;0.5mL、1.0mmol)で処理した。20時間後、混合物をエタノール(2×6mL)と共に真空濃縮した。混合物をエタノール(4mL)で処理した。48時間撹拌した後、濾過して固体を収集し、エタノール(2×10mL)で洗浄し、真空乾燥して、5, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を白色の固体として得た。収量:410mg、0.586mmol、68%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ 8.19 (s, 1H), 7.78 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.62 - 7.58 (m, 2H), 7.55 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.85 - 6.80 (m, 2H), 6.79 (dd, J = 6.9, 2.4 Hz, 1H), 5.11 - 5.05 (m, 1H), 4.73 (dd, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 15.3, 2.9 Hz, 1H), 4.45 - 4.39 (m, 1H), 4.34 (ddd, J = 9.0, 6.0, 5.8 Hz, 1H), 3.91 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.74 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 2.99 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.85 (br d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.68 - 2.59 (m, 2H), 2.44 - 2.37 (m, 1H), 2.25 - 2.18 (m, 1H), 2.17 - 2.10 (m, 1H), 1.80 - 1.69 (m, 4H).融点=168℃〜178℃。
実施例6および7
アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(6)およびアンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(7)
【0423】
【化30】
【0424】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン,p−トルエンスルホン酸塩(C13)の合成
P2(150mg、0.335mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(159mg、0.836mmol)の酢酸エチル(2.0mL)溶液を、60℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して、C13を褐色の油状物として得、これをそのまま次のステップで使用した。LCMS m/z 348.1◆[M+H]
+。
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C51)の合成
C13(前のステップから、0.335mmol以下)および炭酸カリウム(232mg、1.68mmol)のアセトニトリル(5.0mL)懸濁液に、P15(99.1mg、0.336mmol)を加えた。反応混合物を60℃で10時間撹拌し、その後、これを濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣(390mg)を、C13(0.11mmol以下)を使用して実施した同様の反応からの材料と合わせた後、水(20mL)で希釈し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:1:1のジクロロメタン/メタノール)にかけ、ジアステエレオマーの混合物であるC51を無色の油状物として得た。合計収量:80.6mg、0.133mmol、2ステップで30%。LCMS m/z 606.2◆[M+H]
+。
ステップ3.メチル2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C52)およびメチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C53)の単離
C51(180mg、0.297mmol)のこれを構成するジアステエレオマーへの分離は、SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:65:35の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を繰り返すことにより行った。第1の溶出ジアステエレオマーをC52と指定した。収量:61.2mg、0.101mmol、34%。LCMS m/z 627.9◆[M+Na
+]。滞留時間:5.03分(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×150mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:5.5分かけて5%〜40%のB、次いで、40%のBで3.0分間保持;流量:2.5mL/分)。
【0425】
第2の溶出ジアステエレオマーをC53と指定した。分析すると、この材料には、対応するエチルエステルが混入していることが判明し、この材料を、この混入物として(7を生成するための)加水分解ステップに送った。収量:40.0mg、66.0μmol、22%。LCMS m/z 606.0◆[M+H]
+。滞留時間:5.19分(C52について使用したものと同一の分析条件)。
【0426】
ジオキソランにおける表示された絶対立体化学は、7の、中間体P3から合成された7,遊離酸(以下の、実施例7,遊離酸の代替合成を参照されたい)のサンプルとの効力の相互関係によって割当て、P3の絶対立体化学は、C8の単結晶X線構造決定(上記を参照されたい)によって定めた。
ステップ4.アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(6)の合成
C52(60mg、99μmol)をメタノール(1.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M、0.990mL、1.98mmol)を加え、反応混合物を20℃で16時間撹拌した。反応混合物のpHが7に達するまでトリフルオロ酢酸を加え、その後、これを真空濃縮し、残渣を、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%の水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:29%〜49%のB)を使用して精製し、6を白色の固体として得た。収量:14.4mg、23.6μmol、24%。LCMS m/z 592.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4), 特徴的ピーク: δ 8.35 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.97 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.21 (br dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.81 - 6.75 (m, 1H), 6.74 - 6.68 (m, 2H), 5.33 - 5.25 (m, 1H), 4.72 (dd, J = 15.4, 2.7 Hz, 1H), 4.49 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 4.03 (AB四重線, J
AB = 13.9 Hz, Δν
AB = 47.8 Hz, 2H), 3.14 (br d, J = 11 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.88 - 2.78 (m, 1H), 2.77 - 2.68 (m, 1H), 2.60 - 2.50 (m, 1H), 2.47 - 2.32 (m, 2H), 2.03 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 2.01 - 1.87 (m, 2H), 1.87 - 1.78 (br m, 2H).
ステップ5.アンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(7)の合成
C53(38.9mg、64.2μmol)をメタノール(1.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M、0.642mL、1.28mmol)を加えた。反応混合物を20℃で16時間撹拌した後、トリフルオロ酢酸を加えることによりpH7に調整し、真空濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%の水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:0%〜80%のB)を使用して精製し、7を白色の固体として得た。収量:25.1mg、41.2μmol、64%。LCMS m/z 591.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4), 特徴的ピーク: δ 8.34 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (br dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.81 - 6.74 (m, 1H), 6.74 - 6.67 (m, 2H), 5.33 - 5.23 (m, 1H), 4.73 (dd, J = 15.4, 2.7 Hz, 1H), 4.68 - 4.61 (m, 1H), 4.48 (dt, J = 9.1, 5.9 Hz, 1H), 4.05 (AB四重線, J
AB= 13.9 Hz, Δν
AB = 44.1 Hz, 2H), 3.15 (br d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.03 (br d, J = 11.6 Hz, 1H), 2.87 - 2.69 (m, 2H), 2.60 - 2.49 (m, 1H), 2.48 - 2.33 (m, 2H), 2.03 (br s, 3H), 2.01 - 1.77 (m, 4H).
実施例7,遊離酸の代替合成
2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(7,遊離酸)
【0427】
【化31】
【0428】
ステップ1.メチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C53)の合成
P3(8.22g、15.8mmol)のアセトニトリル(185mL)中の混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15.1mL、86.9mmol)を加え、5分間撹拌した後、P15(4.57g、15.5mmol)を加え、反応混合物を45℃で加熱した。4時間後、反応混合物を真空濃縮して、そのもとの体積の半分にし、得られる混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中50%〜100%の酢酸エチル)にかけると、C53が白色の固体として得られた。収量:8.4g、13.9mmol、88%。LCMS m/z 606.1◆[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.30 (s, 1H), 7.82 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.58 - 7.53 (m, 2H), 7.33 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.80 - 6.76 (m, 2H), 6.76 - 6.72 (m, 1H), 5.14 - 5.07 (m, 1H), 4.81 (dd, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.67 (dd, J = 15.3, 2.8 Hz, 1H), 4.51 - 4.44 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 8.9, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.78 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.74 - 2.60 (m, 2H), 2.48 - 2.41 (m, 1H), 2.29 - 2.22 (m, 1H), 2.21 - 2.14 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.83 - 1.73 (m, 2H), 1.73 - 1.64 (m, 2H).
ステップ2.2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(7,遊離酸)の合成
C53(8.40g、14.0mmol)のメタノール(135mL)中の混合物を45℃に加熱し、水酸化ナトリウム水溶液(1M、27.7mL、27.7mmol)で処理した。20時間後、反応混合物を真空濃縮して、そのもとの体積の半分にした。得られる混合物を水(100mL)で希釈し、クエン酸水溶液(1M、15mL)を使用してpHを5〜6に調整した。得られた固体を濾過し、水(2×15mL)で洗浄し、酢酸エチル(50mL)溶液として分液漏斗に移し、残留水をこのようにして除去した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、同様の手順から予め調製された4つの回分(これらの反応において使用したC53の量は、987mg、1.63mmol; 1.15g、1.90mmol;8.57g、14.1mmol;および12.6g、20.8mmolであった)と合わせ、真空濃縮した。得られる粘着性の固体を、ヘプタン中10%の酢酸エチル(500mL)で処理した。4時間後、濾過して固体を収集し、ヘプタン中10%の酢酸エチル(2×25mL)で洗浄して、7,遊離酸を白色の固体として得た。収量 29.4g、0.527mmol、合わせた反応について74%。LCMS 592.2◆[M+H]+.
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): δ 12.74 (br s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.80 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.52 (m, 2H), 7.33 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.81 - 6.76 (m, 2H), 6.76 - 6.72 (m, 1H), 5.14 - 5.07 (m, 1H), 4.79 (dd, J = 15.3, 7.3 Hz, 1H), 4.65 (dd, J = 15.2, 2.8 Hz, 1H), 4.51 - 4.45 (m, 1H), 4.38 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.96 (br d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.78 (br d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.74 - 2.60 (m, 2H), 2.48 - 2.41 (m, 1H), 2.29 - 2.21 (m, 1H), 2.21 - 2.14 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.83 - 1.74 (m, 2H), 1.74 - 1.64 (m, 2H).この材料は、その生物活性を上記実施例6および7の両方と比較することにより、7と同じ絶対立体配置のものであると判定された。すなわち、アッセイ2において、この7,遊離酸のサンプルは、4.3nMのEC
50を示した(3回の反復実験の幾何平均)。アッセイ2における実施例6および実施例7のアンモニウム塩についての活性は、それぞれ、2400nM(5回の反復実験の幾何平均)および2.9nM(8回の反復実験の幾何平均)であった。
実施例7, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の合成
1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(7, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩)
【0429】
【化32】
【0430】
7,遊離酸(2.00g、3.38mmol)のテトラヒドロフラン(16mL)中の混合物を、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオールの水溶液(トリス、1.0M、3.55mL、3.55mmol)で処理した。18時間後、反応混合物を真空濃縮し、エタノール(30mL)で処理した。この混合物を23時間撹拌した後、濾過して固体を収集し、酢酸エチル(2×10mL)で洗浄して、7, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を白色の固体として得た。収量:1.41g、1.98mmol、59%。LCMS m/z 592.3◆[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ 8.20 (s, 1H), 7.79 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.52 (m, 3H), 7.33 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.81 - 6.72 (m, 3H), 5.14 - 5.07 (m, 1H), 4.76 (dd, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.63 (br d, J = 15.4 Hz, 1H), 4.50 - 4.44 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 8.9, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.76 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.01 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.73 - 2.60 (m, 2H), 2.5 - 2.41 (m, 1H), 2.27 - 2.20 (m, 1H), 2.20 - 2.13 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.83 - 1.64 (m, 4H).融点=175℃〜180℃。
実施例7, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の形態Iについての粉末X線回折(PXRD)データの取得
実施例7のトリス塩の白色固体は、PXRD分析にかけられ、結晶質材料であることがわかった(これを、この無水結晶形態の形態Iと指定する)。粉末X線回折分析は、Cu放射線源を備えたBruker AXS D8 Endeavor回折計を使用して行った。発散スリットは、15mm連続照明に設定した。回折された放射線は、PSD−Lynx Eye検出器で検出し、検出器PSD開口は、2.99度に設定した。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。シータ−シータゴニオメーターにおいて、0.01度のステップサイズおよび1.0秒のステップ時間を使用して、2θ角3.0度から40.0度まで、Cu波長(CuK
α=1.5418λ)でデータを収集した。散乱防止スクリーンは、1.5mmの固定距離に設定した。サンプルは、データ収集の間回転させた。サンプルを低バックグラウンドケイ素サンプル保持器に入れて準備し、収集の間回転させた。Bruker DIFFRAC Plusソフトウェアを使用してデータを収集し、EVA diffract plusソフトウェアによって解析を行った。PXRDデータファイルは、ピーク検索より前には加工しなかった。EVAソフトウェアにおいてピーク検索アルゴリズムを使用し、閾値を1として選択されたピークを使用して、予備的なピーク割当てを行った。妥当性を確かなものにするために、調整は手作業で行っており、自動割当ての出力を目視によってチェックし、ピーク位置をピーク最大値に合わせた。一般に、相対強度が3%以上であるピークを選択した。通常、分解されなかった、またはノイズと一致したピークは選択しなかった。USPに記載のPXRDからのピーク位置と対応付けられる典型的な誤差は、+/−0.2°2θまでである(USP−941)。1つの回折パターンが一貫して観察されており、
図24に示す。相対強度が3.0%以上である、2θ度および相対強度に関して示された回折ピークの一覧を、以下で表X1に示す。
【0431】
【表9-1】
【0432】
【表9-2】
【0433】
一態様は、2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸の無水トリス塩結晶形態を提供する。一部のさらなる態様では、2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸の無水(無水物)トリス塩結晶形態が、たとえば、本明細書に記載する粉末X線回折(PXRD)に関して、(たとえば、実質的に
図24に示すとおりの)その独特な固体状態シグネチャーを特徴とする「形態I」と指定される。一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°、7.3±0.2°、8.5±0.2°、10.1±0.2°14.7±0.2°、および16.9±0.2°から選択される箇所に少なくとも2つの特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°、7.3±0.2°、8.5±0.2°、10.1±0.2°14.7±0.2°、および16.9±0.2°から選択される箇所に少なくとも3つの特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°、7.3±0.2°、8.5±0.2°、10.1±0.2°14.7±0.2°、および16.9±0.2°から選択される箇所に少なくとも4つの特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°、7.3±0.2°、8.5±0.2°、10.1±0.2°14.7±0.2°、および16.9±0.2°から選択される箇所に少なくとも5つの特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
【0434】
一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°および7.3±0.2°の箇所に特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°、7.3±0.2°、および14.7±0.2°の箇所にピークを含む粉末X線回折パターンを示す。一部のさらなる態様では、形態Iは、2θに関して、8.5±0.2°、10.1±0.2°、および16.9±0.2°から選択される箇所に少なくとも1つのピークをさらに含むX線粉末回折パターンを示す。
【0435】
一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°、7.3±0.2°、14.7±0.2°、および16.9±0.2°の箇所にピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
【0436】
一部の態様では、形態Iは、2θに関して、3.7±0.2°、7.3±0.2°、8.5±0.2°、10.1±0.2°、14.7±0.2°、および16.9±0.2°の箇所にピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
【0437】
一部の態様では、形態Iは、実質的に
図24に示すとおりの粉末X線回折パターンを示す。相対強度が3.0%以上である、2θ度および相対強度に関して示された回折ピークの一覧を、上で表X1に示している。
実施例8および9
2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X1(8)[C56から]、および2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2(9)[C57から]
【0438】
【化33】
【0439】
ステップ1.3−フルオロ−4−[2−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]ベンゾニトリル,p−トルエンスルホン酸塩(C54)の合成
P4(161mg、0.367mmol)の酢酸エチル(8mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸(158mg、0.919mmol)を加え、反応混合物を65℃で16時間撹拌した。真空下で溶媒を除去すると、C54が濃黄色のゴム質として得られ、この材料をそのまま次のステップに送った。
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C55)の合成
C54(前のステップから、0.367mmol以下)のアセトニトリル(3.7mL)溶液に、炭酸カリウム(219mg、1.58mmol)を加えた後、P15(115mg、0.390mmol)を加えた。反応混合物を50℃で20時間撹拌し、その後、これを酢酸エチル(10mL)で希釈し、濾過した。濾過ケークを酢酸エチル(3×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜100%の酢酸エチル)にかけると、C55が濃黄色の油状物として得られた。収量:191.0mg、0.320mmol、2ステップで87%。LCMS m/z 619.1[M+Na
+]。
ステップ3.メチル2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−1(C56)およびメチル2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−2(C57)の単離
C55(191mg、0.320mmol)の、これを構成する、ジオキソランにおける立体異性体への分離は、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:3:2の二酸化炭素/2−プロパノール]によって行った。白色のゴム質として得られた第1の溶出異性体をENT−1(C56)と指定した。収量:114mg。この材料は、残留エタノールを含有していた。LCMS m/z 597.1[M+H]
+。滞留時間:4.40分(カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD−3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有する2−プロパノール;勾配:4.5分かけて5%〜40%のB、次いで、40%のBで2.5分間保持;流量:2.8mL/分)。
【0440】
第2の溶出異性体は、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:55:45の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有する2−プロパノール)]を使用して再び精製して、無色のゴム質として得、これをENT−2(C57)と指定した。収量:50mg、83.8μmol、26%。LCMS m/z 597.1[M+H]
+。滞留時間4.74分(C56について使用したものと同一の分析条件)。
ステップ4.2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X1(8)[C56から]の合成
C56(114mg、0.191mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液を、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジンの水溶液(0.97M、394μL、0.382mmol)で処理し、反応混合物を室温で23時間撹拌した。1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジンの水溶液(0.97M、394μL、0.382mmol)をさらに加え、撹拌を6時間継続し、その後、1M塩酸を加えることによりpHを7〜8に慎重に調整した。真空下で揮発性物質を除去した後、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%の水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜50%のB)を使用して精製を行って、8を白色の固体として得た。収量:22.2mg、38.1μmol、20%。LCMSm/z 583.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 8.19 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 10.6, 1.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.81 - 6.75 (m, 1H), 6.75 - 6.68 (m, 2H), 5.34 - 5.25 (m, 1H), 4.73 (dd, J = 15.3, 3.0 Hz, 1H), 4.67 - 4.59 (m, 1H), 4.49 (dt, J = 9.2, 6.0 Hz, 1H), 3.96 (AB四重線, J
AB = 13.7 Hz, Δν
AB = 41.2 Hz, 2H), 3.06 (br d, J = 11 Hz, 1H), 2.95 (br d, J = 11 Hz, 1H), 2.87 - 2.76 (m, 1H), 2.71 (tt, J = 12.0, 3.9 Hz, 1H), 2.61 - 2.50 (m, 1H), 2.36 - 2.21 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.95 - 1.72 (m, 4H).
ステップ5.2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2(9)[C57から]の合成
C57(50mg、84μmol)のアセトニトリル(10mL)溶液を、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジンの水溶液(0.97M、173μL、0.168mmol)で処理した。反応液を室温(約25℃)で16時間撹拌し、その後、追加の量の1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジンの水溶液(0.97M、173μL、0.168mmol)を加え、25℃で29時間撹拌を継続した。次いで、反応混合物を、1M塩酸を加えることによりpH7〜8に慎重に調整し、得られる混合物を真空濃縮し、逆相HPLC(カラム:Xtimate(商標)C18、5μm;移動相A:水中0.05%の水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:27%〜67%のB)にかけ、9を白色の固体として得た。収量:18.0mg、30.9μmol、37%。LCMS m/z 583.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.36 - 8.33 (m, 1H), 7.97 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.78 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.70 - 7.63 (m, 2H), 7.57 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.83 - 6.76 (m, 1H), 6.76 - 6.71 (m, 2H), 5.34 - 5.25 (m, 1H), 4.95 - 4.85 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.73 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 2.7 Hz, 1H), 4.68 - 4.60 (m, 1H), 4.50 (dt, J = 9.2, 6.0 Hz, 1H), 4.02 (AB四重線, J
AB = 13.8 Hz, Δν
AB = 48.2 Hz, 2H), 3.13 (br d, J = 11 Hz, 1H), 3.01 (br d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.89 - 2.78 (m, 1H), 2.78 - 2.68 (m, 1H), 2.60 - 2.50 (m, 1H), 2.45 - 2.30 (m, 2H), 2.07 (br s, 3H), 2.00 - 1.86 (m, 2H), 1.83 (m, 2H).
実施例10
2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2(10)[P9から]
【0441】
【化34】
【0442】
ステップ1.5−クロロ−2−[2−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]ピリジン,ENT−X2,p−トルエンスルホン酸塩(C58)[P9から]の合成
P9(228mg、0.529mmol)の酢酸エチル(2.7mL)溶液をp−トルエンスルホン酸一水和物(116mg、0.610mmol)で処理し、反応混合物を50℃で16時間加熱した。次いでこれを室温で終夜撹拌し、その後、濾過して沈殿を収集し、酢酸エチルとヘプタンの混合物(1:1、2×20mL)ですすいで、C58を白色の固体として得た。収量:227mg、0.451mmol、85%。LCMS m/z 331.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.73 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.61 - 8.46 (br m, 1H), 8.35 - 8.18 (br m, 1H), 8.02 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.8, 2H), 7.11 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.89 - 6.81 (m, 2H), 6.72 (五重線, J = 4.0 Hz, 1H), 3.45 - 3.27 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.10 - 2.91 (m, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.97 - 1.80 (m, 4H).
ステップ2.メチル2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,DIAST−Y2(C59)[P9から]の合成
C58(225mg、0.447mmol)のアセトニトリル(2.2mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.234mL、1.34mmol)を加えた。この混合物を45℃で5分間撹拌した後、P15(120mg、0.407mmol)を加え、45℃で16時間撹拌を継続し、その後、P15(11mg、37μmol)を再び加えた。さらに3時間撹拌した後、反応混合物を水(2.5mL)で処理し、室温に冷ました。より多くの水(5mL)を加え、得られるスラリーを2時間撹拌し、その後、濾過して固体を収集し、アセトニトリルと水の混合物(15:85、3×5mL)で洗浄して、C59をオフホワイト色の固体(252mg)として得た。この材料は、
1H NMR分析によると多少のN,N−ジイソプロピルエチルアミン含有しており、そのまま次のステップに送った。LCMS m/z 589.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) 8.61 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.67 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.51 (m, 1H), 6.82 - 6.75 (m, 1H), 6.74 - 6.66 (m, 2H), 5.28 - 5.19 (m, 1H), 4.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 6.0 Hz, 1H), 4.68 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 3.4 Hz, 1H), 4.67 - 4.58 (m, 1H), 4.41 (ddd, J = 9.1, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.07 - 2.89 (m, 2H), 2.81 - 2.69 (m, 2H), 2.53 - 2.41 (m, 1H), 2.37 - 2.22 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.93 - 1.74 (m, 4H).
ステップ3.2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2(10)[P9から]の合成
C59(前のステップから、250mg、0.407mmol以下)のメタノール(2mL)懸濁液を40℃に加熱し、その後、水酸化ナトリウム水溶液(1M、0.81mL、0.81mmol)を加えた。17時間後、反応混合物を室温に冷まし、1Mクエン酸水溶液でpHを5〜6に調整した。得られる混合物を水(2mL)で希釈し、2時間撹拌し、酢酸エチル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、泡沫状の固体を得た。この材料を酢酸エチルとヘプタンの混合物(1:1、4mL)に溶かし、50℃に加熱し、次いで一晩、冷まし、撹拌した。濾過すると、10が白色の固体として得られた。収量:179mg、0.311mmol、2ステップで76%。LCMS m/z 575.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.73 (br s, 1H), 8.71 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.00 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.83 - 6.72 (m, 3H), 5.14 - 5.06 (m, 1H), 4.77 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.63 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.2, 2.8 Hz, 1H), 4.50 - 4.42 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.85 (AB四重線, J
AB = 13.6 Hz, Δν
AB = 71.5 Hz, 2H), 3.01 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.85 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.74 - 2.57 (m, 2H), 2.47 - 2.38 (m, 1H), 2.29 - 2.10 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.81 - 1.64 (m, 4H).
実施例10, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の合成
1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,DIAST−X2(10, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩)[P9から]の合成
【0443】
【化35】
【0444】
10(1.54g、2.68mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中の混合物を、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオールの水溶液(トリス、1.0M、2.81mL、2.81mmol)で処理した。24時間後、反応混合物をエタノール(2×50mL)と共に真空濃縮した。残渣をエタノール(15mL)で処理した。20時間撹拌した後、濾過して固体を収集し、冷エタノール(5mL)で洗浄して、10, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を白色の固体として得た。収量:1.41g、2.03mmol、76%。LCMS m/z 575.3◆[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.71 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.21 (br s, 1H), 8.00 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.79 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.82 - 6.73 (m, 3H), 5.13 - 5.07 (m, 1H), 4.74 (dd, J = 15.3, 7.2 Hz, 1H), 4.61 (dd, J = 15.3, 2.9 Hz, 1H), 4.49 - 4.43 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.75 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.01 (br d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.4 Hz, 1H), 2.73 - 2.59 (m, 2H), 2.48 - 2.37 (m, 1H), 2.27 - 2.20 (m, 1H), 2.19 - 2.12 (m, 1H), 2.01 (s, 3H), 1.82 - 1.66 (m, 4H).融点=184℃〜190℃。
実施例10, 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の形態A(実施例10化合物の無水トリス塩の形態Aとしても知られる)についての粉末X線回折(PXRD)データの取得
実施例10のトリス塩の白色固体は、PXRD分析にかけられ、結晶質材料であることがわかった(これを、形態Aと指定する)。粉末X線回折分析は、Cu放射線源を備えたBruker AXS D8 Endeavor回折計を使用して行った。発散スリットは、15mm連続照明に設定した。回折された放射線は、PSD−Lynx Eye検出器で検出し、検出器PSD開口は、2.99度に設定した。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。シータ−シータゴニオメーターにおいて、0.01度のステップサイズおよび1.0秒のステップ時間を使用して、2θ角3.0度〜40.0度まで、Cu波長(CuK
α=1.5418λ)でデータを収集した。散乱防止スクリーンは、1.5mmの固定距離に設定した。サンプルは、データ収集の間回転させた。サンプルを低バックグラウンドケイ素サンプル保持器に入れて準備し、収集の間回転させた。Bruker DIFFRAC Plusソフトウェアを使用してデータを収集し、EVA diffract plusソフトウェアによって解析を行った。PXRDデータファイルは、ピーク検索より前には加工しなかった。EVAソフトウェアにおいてピーク検索アルゴリズムを使用し、閾値を1として選択されたピークを使用して、予備的なピーク割当てを行った。妥当性を確かなものにするために、調整は手作業で行っており、自動割当ての出力を目視によってチェックし、ピーク位置をピーク最大値に合わせた。一般に、相対強度が3%以上であるピークを選択した。通常、分解されなかった、またはノイズと一致したピークは選択しなかった。USPに記載のPXRDからのピーク位置と対応付けられる典型的な誤差は、+/−0.2°2θまでである(USP−941)。1つの回折パターンが一貫して観察されており、
図25に示す。相対強度が3.0%以上である、2θ度および相対強度に関して示された回折ピークの一覧を、以下で表X2に示す。
【0445】
【表10-1】
【0446】
【表10-2】
【0447】
一態様は、2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2の無水トリス塩結晶形態を提供する。一部のさらなる態様では、2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2の無水(無水物)トリス塩結晶形態が、たとえば、本明細書に記載する粉末X線回折(PXRD)に関して、(たとえば、実質的に
図25に示すとおりの)その独特な固体状態シグネチャーを特徴とする「形態A」と指定される。一部の態様では、形態Aは、2θに関して、7.7±0.2°、15.2±0.2°、15.7±0.2°、および17.6±0.2°から選択される箇所に少なくとも2つの特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。一部の態様では、形態Aは、2θに関して、7.7±0.2°、15.2±0.2°、15.7±0.2°、および17.6±0.2°から選択される箇所に少なくとも3つの特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。一部の態様では、形態Aは、2θに関して、7.7±0.2°、15.2±0.2°、15.7±0.2°、および17.6±0.2°から選択される箇所に特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
【0448】
一部の態様では、形態Iは、2θに関して、7.7±0.2°および17.6±0.2°の箇所に特徴的なピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
一部の態様では、形態Aは、2θに関して、7.7±0.2°、15.2±0.2°、および17.6±0.2°の箇所にピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
【0449】
一部の態様では、形態Iは、2θに関して、7.7±0.2°、15.2±0.2°、および15.7±0.2°の箇所にピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
一部の態様では、形態Iは、2θに関して、7.7±0.2°、15.2±0.2°、15.7±0.2°、および17.6±0.2°の箇所にピークを含む粉末X線回折パターンを示す。
【0450】
一部の態様では、形態Aは、実質的に
図25に示すとおりの粉末X線回折パターンを示す。相対強度が3.0%以上である、2θ度および相対強度に関して示された回折ピークの一覧を、上で表X2に示している。
【0451】
粉末回折の分野でよく知られているように、ピーク(反射)の相対強度は、サンプル調製技術、サンプル固定手順、および用いる特定の計器に応じて変化しうる。さらに、計器較差および他の要素が、2シータ値に影響することもある。したがって、XRPDピーク割当ては、プラスマイナス約0.2°の逸脱があってよい。
実施例11
1−(2−メトキシエチル)−2−({4−[2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,ギ酸塩(11)
【0452】
【化36】
【0453】
この全合成順序をライブラリーフォーマットで実施した。
ステップ1.メチル1−(2−メトキシエチル)−2−({4−[2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C60)の合成
P14(44mg、100μmol)および3−エチニルピリジン(21mg、200μmol)のトルエン(800μL)中の混合物を、炭酸水素ナトリウム(100μmol)で処理した後、トリルテニウムドデカカルボニル(6mg、9μmol)で処理した。次いで、反応バイアルにキャップを嵌め、120℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して溶媒を除去すると、C60が得られ、これをそのまま次のステップに送った。
ステップ2.1−(2−メトキシエチル)−2−({4−[2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,ギ酸塩(11)の合成
C60(前のステップから、100μmol以下)をメタノール(400μL)とテトラヒドロフラン(400μL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化ナトリウムの水溶液(1.0M、200μL、200μmol)を加えた。反応バイアルにキャップを嵌め、80℃で16時間振盪し、その後、反応混合物を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して蒸発にかけ、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.225%のギ酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:12%〜52%のB)を使用して精製して、11を得た。収量:2.2mg、4.2μmol、2ステップで4%。LCMS m/z 529[M+H]
+。滞留時間:2.47分(カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%のトリフルオロ酢酸;勾配:0.6分かけて1%〜5%のB、3.4分かけて5%〜100%のB;流量:0.8mL/分)。
実施例12
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(12)
【0454】
【化37】
【0455】
この全合成順序をライブラリーフォーマットで実施した。
ステップ1.メチル3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(C61)の合成
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(0.2M N,N−ジメチルホルムアミド溶液、1mL、200μmol)を、N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(18mg、200μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(78mg、600μmol)で処理した。次いで、反応バイアルにキャップを嵌め、50℃で16時間振盪し、その後、反応混合物を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して蒸発にかけて、C61を得た。この材料をそのまま次のステップに送った。
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ベンゾエート(C62)の合成
希塩酸を使用して亜鉛末を活性化させた。C61(前のステップから、200μmol以下)にメタノール(2mL)を加えた後、塩化カルシウム水溶液(1.0M、200μL、200μmol)および活性亜鉛末(130mg、2.0mmol)を加えた。反応バイアルにキャップを嵌め、70℃で16時間振盪し、その後、反応混合物を濾過した。濾液を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して濃縮し、残渣を水(2mL)に溶かし、酢酸エチル(2×3mL)で抽出した。合わせた有機層を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して蒸発にかけて、C62(150μmolと推定された)を得、これをそのまま次のステップで使用した。
ステップ3.メチル4−[({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセチル)アミノ]−3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ベンゾエート(C63)の合成
C62(前のステップから、およそ150μmol)に化合物P10(41mg、100μmol)を加え、混合物を、2−ヒドロキシピリジン1−オキシドおよび1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(それぞれにおいて0.1M、1mL、それぞれ100μmol)で処理した。次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(39mg、300μmol)を加え、反応バイアルにキャップを嵌め、50℃で16時間振盪した。次いで、反応混合物を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して濃縮し、分取薄層クロマトグラフィーを使用して精製してC63を得、これをそのまま次のステップに進めた。
ステップ4.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C64)の合成
酢酸(500μL)とC63(前のステップから、100μmol以下)の混合物を、キャップを嵌めたバイアルにおいて150℃で2時間振盪し、その後、反応混合物を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して蒸発にかけた。得られるC64をそのまま次のステップに進めた。
ステップ5.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(12)の合成
C64(前のステップから、100μmol以下)のエタノール(500μL)溶液を、水酸化リチウムの水溶液(2.0M、500μL、1mmol)で処理し、反応混合物を、密閉したバイアルにおいて50℃で2時間振盪した。1.0M塩酸を加えて混合物のpHを7に調整した後、得られる混合物を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して濃縮し、次いで、逆相HPLC[カラム:Agela Durashell C18、5μm、移動相A:水中の水酸化アンモニウム(pH10);移動相B:アセトニトリル;勾配:25%〜65%のB]によって精製して、12を得た。収量:7.0mg、12μmol、3ステップで12%。LCMS m/z 593[M+H]
+。滞留時間:2.45分(カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%のトリフルオロ酢酸;勾配:4.0分かけて10%〜100%のB;流量:0.8mL/分)。
実施例13
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボン酸(13)
【0456】
【化38】
【0457】
ステップ1.メチル6−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)アミノ]−5−ニトロピリジン−2−カルボキシレート(C65)の合成
1−(1,3−オキサゾール−2−イル)メタンアミン塩酸塩(236mg、1.75mmol)およびメチル6−クロロ−5−ニトロピリジン−2−カルボキシレート(386mg、1.78mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)懸濁液に、トリエチルアミン(532mg、5.26mmol)を加えた。反応混合物を25℃で14時間撹拌した後、水(30mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜5%のメタノール)にかけると、C65が黄色の固体として得られた。収量:310mg、1.11mmol、63%。LCMS m/z 278.7[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.69 - 8.61 (br m, 1H), 8.58 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.07 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H).
この合成順序の残りの部分は、ライブラリーフォーマットで実施した。
ステップ2.メチル5−アミノ−6−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)アミノ]ピリジン−2−カルボキシレート(C66)の合成
C65(56mg、200μmol)のメタノール(2.0mL)溶液に、塩化アンモニウム水溶液(5.0M、400μL、2.0mmol)に続いて活性亜鉛(131mg、2.0mmol)を加えた。次いで、反応バイアルにキャップを嵌め、30℃で16時間振盪し、その後、反応混合物を濾過した。濾液を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して濃縮し、次いで水(1.0mL)と混合し、ジクロロメタン(3×1.0mL)で抽出し、合わせた有機層を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して蒸発にかけて、C66を得、これをそのまま次のステップに送った。
ステップ3.メチル5−[({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセチル)アミノ]−6−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)アミノ]ピリジン−2−カルボキシレート(C67)の合成
P10(81mg、200μmol)とC66(前のステップから、200μmol以下)の混合物を、N,N−ジメチルアセトアミドと混合し、次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(100μL、600μmol)で処理した。N,N−ジメチルアセトアミド中に1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.24M)および2−ヒドロキシピリジン1−オキシド(0.1M)を含有する溶液(1.0mL、240μmolの1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩および100μmolの2−ヒドロキシピリジン1−オキシドを含有)を加え、反応バイアルにキャップを嵌め、50℃で16時間振盪した。次いで、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して揮発性物質を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィーにかけて、C67を得、これをそのまま次のステップに進めた。
ステップ4.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボキシレート(C68)の合成
酢酸(1.0mL)とC67(前のステップから、200μmol以下)の混合物を150℃で2時間振盪し、その後、反応混合物を、Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して蒸発にかけた。得られるC68をそのまま次のステップで使用した。
ステップ5.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボン酸(13)の合成
C68(前のステップから、200μmol以下)のテトラヒドロフラン(1.0mL)中の混合物に、水酸化リチウム水溶液(2.0M、1.0mL、2.0mmol)を加えた。メタノール(500μL)を加えた後、反応バイアルにキャップを嵌め、50℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)濃縮器を使用して揮発性物質を除去した後、ジメチルスルホキシド(1.0mL)を加え、濃塩酸でpHを7〜8に調整した。得られる混合物を逆相HPLC[カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中の水酸化アンモニウム(pH10);移動相B:アセトニトリル;勾配:24%〜64%のB]を使用して精製して、13を得た。収量:3.9mg、6.5μmol、4ステップで3%。LCMS m/z 604[M+H]
+。滞留時間:3.14分(カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%のトリフルオロ酢酸;勾配:0.6分かけて1%〜5%のB、3.4分かけて5%〜100%のB;流量:0.8mL/分)。
実施例14
2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(14)
【0458】
【化39】
【0459】
ステップ1.メチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C69)の合成
P3(680mg、1.31mmol)のアセトニトリル(5.2mL)中の混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(683μL、3.92mmol)を加え、これを45℃で5分間撹拌し、その後、P16(319mg、1.34mmol)を加えた。45℃で2.75時間撹拌を継続し、次いで水(6mL)を加えた後、反応混合物を室温に冷まし、30分間撹拌した。濾過して固体を収集し、アセトニトリルと水の混合物(1:4、3×5mL)で洗浄して、C69を白色の固体として得た。収量:635mg、1.15mmol、88%。LCMS m/z 550.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.15 - 8.12 (m, 1H), 7.97 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 8.2, 8.2 Hz, 1H), 7.16 - 7.07 (m, 2H), 6.79 - 6.73 (m, 1H), 6.72 - 6.65 (m, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 3.88 (s, 2H), 3.04 - 2.93 (m, 2H), 2.76 - 2.66 (m, 1H), 2.37 - 2.25 (m, 2H), 2.04 (br s, 3H), 1.89 - 1.78 (m, 4H).
ステップ2.2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(14)の合成
C69(600mg、1.09mmol)のメタノール(11mL)中の混合物を45℃に加熱し、次いで、水酸化ナトリウム水溶液(1M、2.2mL、2.2mmol)で処理した。24時間後、反応混合物を、クエン酸水溶液(1M、1.1mL)を加えることによりpH5〜6に調整し、次いで、水(10mL)で希釈した。得られる混合物を室温に冷まし、1時間撹拌し、その後、沈殿した固体を濾過して収集し、メタノールと水の混合物(1:4、3×5mL)で洗浄した。これにより、14が白色の固体として得られた。収量:535mg、0.998mmol、92%。LCMS m/z 536.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.52 (m, 2H), 7.33 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 6.81 - 6.70 (m, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.84 (s, 2H), 3.01 - 2.91 (m, 2H), 2.70 - 2.59 (m, 1H), 2.28 - 2.16 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.73 (m, 4H).
実施例15および16
2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X1,トリフルオロ酢酸塩(15)[P18からC71経由、および2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2,トリフルオロ酢酸塩(16)[P18からC72経由]
【0460】
【化40】
【0461】
ステップ1.メチル2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C70)[P18から]の合成
P18(240mg、0.699mmol)、C4(275mg、0.800mmol)、炭酸セシウム(455mg、1.40mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(40.0mg、43.7μmol)、および1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(BINAP、52.2mg、83.8μmol)のトルエン(5mL)中の混合物を、窒素で5分間脱気し、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:1:1の石油エーテル/酢酸エチル)にかけると、ジアステエレオマーの混合物であるC70が、黄色の油状物として得られた。収量:165mg、0.272mmol、39%。LCMS m/z 628.1◆[M+Na
+]。
ステップ2.メチル2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,DIAST−Y1(C71)[P18から]、およびメチル2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,DIAST−Y2(C72)[P18から]の単離
C70(165mg、0.272mmol)における、ジオキソランにおける立体異性体の分離は、SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:65:35の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して行った。第1の溶出異性体をDIAST−Y1(C71)、第2の溶出異性体をDIAST−Y2(C72)と指定し、両方とも白色の固体として単離された。
【0462】
C71収量:55.0mg、90.7μmol、33%。LCMS m/z 605.9◆[M+H]
+。滞留時間:4.47分(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:4.5分かけて5%〜40%のB、次いで、40%のBで2.5分間保持;流量:2.8mL/分)。
【0463】
C72収量:58.0mg、95.7μmol、35%。LCMS m/z 628.0◆[M+Na
+]。滞留時間4.88分(C71について使用したものと同一の分析条件)。
ステップ3.2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X1,トリフルオロ酢酸塩(15)[P18からC71経由]の合成
C71(55.0mg、90.7μmol)をメタノール(2.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化ナトリウムの水溶液(3M、1.0mL、3.0mmol)を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌した後、1M塩酸を加えることによりpHを7に調整し、得られる混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。逆相HPLC(カラム:Boston Green ODS、5μm;移動相A:水中0.1%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:10%〜95%のB)にかけると、15が白色の固体として得られた。収量:35.8mg、50.7μmol、56%。LCMS m/z 592.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.46 (s, 1H), 8.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.16 - 7.08 (m, 2H), 6.76 (dd, J = 8.2, 8.1 Hz, 1H), 6.55 - 6.47 (m, 2H), 4.9 - 4.70 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.82 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.66 - 3.56 (m, 1H), 3.50 - 3.41 (m, 1H), 3.19 - 3.09 (m, 1H), 3.15 (s, 3H), 3.08 - 2.99 (m, 1H), 2.63 - 2.57 (m, 1H), 2.27 - 2.17 (m, 1H), 2.01 (s, 3H), 1.76 - 1.66 (m, 2H), 1.62 - 1.50 (m, 2H), 1.35 - 1.26 (m, 1H).
ステップ4.2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸,DIAST−X2,トリフルオロ酢酸塩(16)[P18からC72経由]の合成
C72(58.0mg、95.7μmol)をメタノール(2.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物に溶かした溶液に、水酸化ナトリウムの水溶液(3M、1.0mL、3.0mmol)を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌した後、1M塩酸を加えることによりpHを7に調整し、得られる混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。逆相HPLC(カラム:Boston Green ODS、5μm;移動相A:水中0.1%のトリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:35%〜95%のB)にかけると、16が白色の固体として得られた。収量:33.4mg、47.3μmol、49%。LCMS m/z 592.2◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.53 - 8.50 (m, 1H), 8.25 (dd, J = 8.6, 1.4 Hz, 1H), 7.80 (br d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.4, 8.2 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 10.8, 2.0 Hz, 1H), 7.19 (br dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 8.2, 8.1 Hz, 1H), 6.55 - 6.50 (m, 2H), 4.9 - 4.72 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.93 - 3.80 (m, 2H), 3.68 - 3.58 (m, 1H), 3.41 - 3.3 (m, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 3.25 (s, 3H), 3.22 - 3.12 (m, 1H), 3.07 - 2.97 (m, 1H), 2.67 (dd, J = 8.3, 5.8 Hz, 1H), 2.28 - 2.17 (m, 1H), 2.01 (d, J = 1.0 Hz, 3H), 1.86 - 1.71 (m, 2H), 1.69 - 1.56 (m, 2H), 1.36 - 1.26 (m, 1H).
実施例17および18
アンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−1(17)およびアンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−2(18)
【0464】
【化41】
【0465】
ステップ1.メチル4−[({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセチル)アミノ]−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(C73)の合成
P19(340mg、1.24mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の混合物に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(566mg、1.49mmol)を加え、混合物を25℃で10分間撹拌した。次いで、P10(503mg、1.24mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(615μL、3.53mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(7.7mL)溶液を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌し、その後、これを水(10mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、塩化アンモニウム水溶液(3×20mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(2×20mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中0%〜5%のメタノール)を使用して精製すると、C73が淡褐色のゴム質として得られた。収量:316mg、0.477mmol、38%。LCMS m/z 662.2◆[M+H]
+。
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C74)の合成
C73(316mg、0.477mmol)の酢酸(14mL)溶液を55℃で16時間撹拌した。高真空下で溶媒を除去し、残渣を、分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)を使用して精製して、C74を無色の油状物として得た。収量:200mg、0.310mmol、65%。LCMS m/z 644.3◆[M+H]
+。
ステップ3.アンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−1(17)およびアンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート,ENT−2(18)の合成
C74(150mg、0.233mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(2M、233μL、0.466mmol)をメタノール(3mL)とテトラヒドロフラン(3mL)の混合物に混ぜた混合物を、45℃で16時間撹拌した。反応混合物を、1M塩酸を加えることによりpH7に調整した後、真空濃縮して、17と18の混合物を得た。これらの鏡像異性体を、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、10μm;移動相:1:1の二酸化炭素/(0.1%の水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]によって分離した。第1の溶出鏡像異性体をENT−1(17)、第2の溶出鏡像異性体をENT−2(18)と指定し、両方とも白色の固体として単離された。
17収量:45.0mg、69.5μmol、30%。LCMSm/z 630.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.15 (br s, 1H), 8.00 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 8.0, 7.7 Hz, 1H), 6.69 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 6.67 - 6.60 (m, 2H), 5.82 (s, 2H), 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.89 (AB四重線, J
AB= 14.3 Hz, Δν
AB = 6.9 Hz, 2H), 3.00 - 2.90 (m, 2H), 2.74 - 2.64 (m, 1H), 2.32 - 2.21 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.82 - 1.61 (m, 4H), 1.29 (t, J = 7.3 Hz, 3H).滞留時間:5.66分(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×150mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%のジエチルアミンを含有するメタノール;勾配:5.5分かけて5%〜40%のB、次いで、40%のBで3.0分間保持;流量:2.5mL/分)。
18収量:32.8mg、50.7μmol、22%。LCMS m/z 630.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.15 (s, 1H), 8.00 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.69 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.9, 1.2 Hz, 1H), 6.67 - 6.60 (m, 2H), 5.82 (s, 2H), 4.12 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.89 (AB四重線, J
AB = 14.1 Hz, Δν
AB = 7.4 Hz, 2H), 3.01 - 2.90 (m, 2H), 2.74 - 2.63 (m, 1H), 2.31 - 2.21 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.82 - 1.60 (m, 4H), 1.29 (t, J = 7.3 Hz, 3H).滞留時間:5.34分(17について使用したものと同一の分析SFC条件)。
【0466】
表1に示す化合物は、表2において特定される適切な中間体を使用しながら、表2において特定される実施例と類似した手順を使用して調製した。化合物は、ここで論じる方法を使用して精製した。最終化合物は、中性化合物または酸もしくは塩基塩として単離されている場合がある。
【0467】
【表11-1】
【0468】
【表11-2】
【0469】
【表11-3】
【0470】
【表11-4】
【0471】
【表11-5】
【0472】
【表11-6】
【0473】
【表11-7】
【0474】
【表11-8】
【0475】
【表11-9】
【0476】
【表11-10】
【0477】
【表11-11】
【0478】
【表11-12】
【0479】
【表11-13】
【0480】
【表12-1】
【0481】
【表12-2】
【0482】
【表12-3】
【0483】
【表12-4】
【0484】
【表12-5】
【0485】
【表12-6】
【0486】
【表12-7】
【0487】
【表12-8】
【0488】
【表12-9】
【0489】
【表12-10】
【0490】
【表12-11】
【0491】
【表12-12】
【0492】
【表12-13】
【0493】
実施例103
2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸
【0494】
【化42】
【0495】
中間体103−0:3−フルオロ−4−(((6−(ピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル)オキシ)メチル)ベンゾニトリルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)
【0496】
【化43】
【0497】
ステップ1
−26℃のジイソプロピルアミン(92mL、656mmol)のTHF(350mL)溶液に、ヘプタン中のn−ブチルリチウム(2.6M、250mL、650mmol)を15分かけて加えた。混合物を−30℃に冷却し、1−(tert−ブチル)4−メチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(156g、641mmol)のTHF(150mL)溶液を25分かけて加えた。10分後、2,6−ジクロロピリジン(94g、635mmol)のTHF(150mL)溶液を2分かけて加えた。混合物を2.5時間25℃に加温し、次いで8℃に冷却し、6M HCl(125mL)で20分かけて処理して、混合物のpHを約7〜8とした。混合物を水(100mL)およびMTBE(150mL)で希釈し、層を分離した。水層をMTBE(150mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去して、粗1−(tert−ブチル)4−メチル4−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(241g)を黄色の油状物として得、これを精製せずに次のステップで使用した。精製した試料の
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 7.62 (t, 1H), 7.21 (d, 2H), 3.83 (br s, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.14 (br s, 2H), 2.41 (d, 2H), 2.08 (ddd, 2H), 1.45 (s, 9H).
ステップ2
粗1−(tert−ブチル)4−メチル4−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(241g、推定635mmol)を43℃でMeOH(400mL)に溶解させ、4M NaOH水溶液(300mL)で20分かけて処理した。混合物を50℃に加温し、35分間撹拌した。次いで、混合物を11℃に冷却し、5℃へと冷却し続けながら6M HCl(200mL)を25分かけて加えることで、pHを約2に調整し、その後、固体沈殿が生成した。スラリーを水(300mL)で希釈し、40分間撹拌し、その後、濾過によって固体を収集し、水で洗浄し、次いで50℃で真空乾燥して、白色の固体(224g)を得た。固体を45℃のヘプタン(750mL)中で45分間摩砕した。混合物を16℃に冷却し、濾過によって固体を収集し、ヘプタンで洗浄し、乾燥させて、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(187g、549mmol、2ステップで86%)を白色の固体として得た。
ステップ3
1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(187g、549mmol)のDCE(900mL)溶液を、82℃で終夜加熱し、次いで20℃に冷却した。混合物をMagnesol(登録商標)(30g)で40分間処理した。スラリーをMagnesol(登録商標)(30g)パッドで濾過し、固体を1:1のMTBE:ヘプタン(300mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、淡黄色の固体を得、これを50℃のヘプタン(250mL)で摩砕した。混合物を12℃に冷却し、濾過によって固体を収集し、ヘプタンで洗浄し、45℃で真空乾燥して、tert−ブチル4−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(143g、481mmol、88%)を固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ: 7.58 (t, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 4.25 (br s, 2H), 2.66-2.93 (m, 3H), 1.91 (d, 2H), 1.69 (qd, 2H), 1.47 (s, 9H).
ステップ4
tert−ブチル4−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(100g、337mmol)、3−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル(53.9g、357mmol)、およびCs
2CO
3(170g、522mmol)のジオキサン(900mL)中の混合物を、5回の真空/窒素補充サイクルによって脱酸素化した。JohnPhos([1,1’−ビフェニル]−2−イル−ジ−tert−ブチルホスフィン、2.02g、6.77mmol)およびPd
2(dba)
3(3.10g、3.39mmol)を加え、さらなる2回の真空/窒素補充サイクルを適用した。次いで、混合物を95℃で3時間加熱した。追加のJohnPhos(660mg、2.21mmol)およびPd
2(dba)
3(990mg、1.08mmol)を加え、加熱を終夜継続した。混合物を20℃に冷却し、MTBE(250mL)で洗浄しながらCelite(登録商標)パッドで濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、赤橙色の油状物(174g)を得た。この材料を30%のMTBE/ヘキサン(600mL)に溶解させ、Magnesol(登録商標)(20g)およびDarco(登録商標)G−60(10g)と共に70分間撹拌し、次いで、50%のMTBE/ヘキサン(600mL)で洗浄しながらシリカパッド(100g)で濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、EtOAc(100mL)と共沸させて、tert−ブチル4−(6−((4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを油状物(147g)として得、これをそれ以上精製せずに使用した。精製した試料の
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ: 7.62 (t, 1H), 7.53 (t, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.37 (d, 1H), 6.75 (d, 1H), 6.65 (d, 1H), 5.49 (s, 2H), 4.20 (br s, 2H), 2.81 (br s, 2H), 2.70 (tt, 1H), 1.82 (d, 2H), 1.67 (d, 2H), 1.49 (s, 9H).
ステップ5
撹拌した室温のtert−ブチル4−(6−((4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(147g、推定337mmol)のEtOAc(1.8L)溶液に、pTSA・H
2O(161g、846mmol)を加えた。混合物を60℃に加熱し、これによって、気体が発生し、固体が生成した。混合物を1.5時間撹拌し、その後、追加のpTSA・H
2O(12g、63mmol)を加え、撹拌を45分間継続した。スラリーを17℃に冷却し、濾過によって固体を収集し、EtOAc(200mL)で洗浄し、乾燥させて、205gの固体を得た。この材料を55℃でMeOH(500mL)に溶解させ、EtOAc(1L)で希釈した。得られるスラリーを20℃に冷却し、濾過によって固体を収集し、9:1のEtOAc:MeOH(100mL)およびEtOAc(250mL)で洗浄し、乾燥させて、中間体103−0(176.6g、269mmol、2ステップで80%)を白色の固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 8.53 (br s, 1H), 8.26 (br s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.67-7.78 (m, 3H), 7.48 (d, 4H), 7.11 (d, 4H), 6.90 (d, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.48 (s, 2H), 3.35 (d, 2H), 2.96-3.09 (m, 2H), 2.79-2.96 (m, 1H), 2.29 (s, 6H), 1.93-2.03 (m, 2H), 1.77-1.90 (m, 2H).
中間体103−1:(S)−オキセタン−2−イルメチルメタンスルホネート
【0498】
【化44】
【0499】
ステップ1
カリウムt−ブトキシド(670g、5.98mol)のt−BuOH(5L)溶液に、25℃でヨウ化トリメチルスルホキソニウム(1.32kg、5.98mol)を加えた。混合物を60℃に加熱し、30分間撹拌し、次いで、(S)−2−((ベンジルオキシ)メチル)オキシラン(500g、2.99mol)を加えた。混合物を2時間80℃に加熱した。混合物を25℃に冷却し、Celite(登録商標)で濾過した。固体をPE(3×2L)で洗浄した。濾液を水(10L)で処理し、PE(2×5L)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(15:1から10:1へのPE/EtOAc勾配)によって精製して、(S)−2−((ベンジルオキシ)メチル)オキセタン(280g、52.6%)を透明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.15-7.34 (m, 5H), 4.90 (tdd, 1H), 4.44-4.67 (m, 4H), 3.49-3.63 (m, 2H), 2.44-2.66 (m, 2H).
ステップ2
反応は、2つの並行した回分で実施しており、例となる回分は、次のとおりである。窒素ブランケット内で、(S)−2−((ベンジルオキシ)メチル)オキセタン(140g、780mmol)のTHF(1.4L)溶液に、Pd(OH)
2(14g)を加えた。混合物を45℃に加熱し、H
2(50psi)中で16時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、Celite(登録商標)で濾過して、所望の化合物である(S)−オキセタン−2−イルメタノールをTHF溶液として得た。少ない一定量を
1H NMRによって確認し、残りの溶液をそのまま次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.76-4.90 (m, 1H), 4.66 (tdd, 1H), 4.46 (ddd, 1H), 4.37 (td, 1H), 3.47 (dd, 2H), 2.32-2.58 (m, 2H).
ステップ3
反応は、2つの並行した回分で実施しており、例となる回分は、次のとおりである。(S)−オキセタン−2−イルメタノール(ステップ2より、推定69g、780mmol)のTHF(1.4L)溶液に、0℃でEt
3N(197g、1.95mol)を加えた。内部温度を10℃未満に保ちながら、メタンスルホン酸無水物(204g、1.17mol)を滴下によって加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。2つの回分を合わせ、混合物を水(1L)で処理し、層を分離した。水相をDCM(3×2L)で抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE 50〜100%の勾配)によって精製して、中間体20(250g、2ステップで96%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.98-5.09 (m, 1H), 4.69 (ddd, 1H), 4.59 (td, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.11 (s, 3H), 2.72-2.82 (m, 1H), 2.64 (tdd, 1H).
中間体103−2:メチル(S)−4−ニトロ−3−((オキセタン−2−イルメチル)アミノ)ベンゾエート
【0500】
【化45】
【0501】
ステップ1
(S)−オキセタン−2−イルメチルメタンスルホネート(180g、1.08mol)のDMF(1.2L)溶液に、アジ化ナトリウム(105g、1.62mol)を加えた。混合物を80℃に加熱し、16時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、ジエチルエーテル(1.5L)で処理し、得られた懸濁液を30分間撹拌した。濾過して固体を除去し、濾過ケークをジエチルエーテル(2×20mL)で洗浄した。真空下、25℃でジエチルエーテルを除去して、(S)−2−(アジドメチル)オキセタンのDMF溶液(約1.2L)を得、これをそのまま次のステップで使用した。
ステップ2
反応は、3つの並行した回分で実施しており、例となる回分は、次のとおりである。窒素ブランケット内で、(S)−2−(アジドメチル)オキセタン(推定41g、360mmol)のDMF(約400mL)およびTHF(1L)溶液に、10%Pd/C(50wt%湿潤、13g)を加えた。混合物をH
2(15psi)中にて25℃で16時間撹拌した。溶液をCelite(登録商標)で濾過し、10%Pd/C(乾燥、4.0g)を加え、混合物をH
2(50psi)中にて40℃で3時間撹拌し、その後、TLC分析によって、反応が完了したことが示された。混合物を0℃に冷却し、3つすべての回分を合わせた。混合物をCelite(登録商標)で濾過して、(S)−2−(アミノメチル)オキセタンのDMF(約1.4L)およびTHF(約2.6L)溶液を得、これをそのまま次のステップで使用した。
ステップ3
(S)−2−(アミノメチル)オキセタン(推定94g、1.08mol)のDMF(約1.4L)およびTHF(約2.6L)溶液に、25℃で、Et
3N(327g、3.24mol)およびメチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(200g、1.0mol)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮してTHFを除去し、残りの溶液を水(1L)で希釈した。混合物をEtOAc(2×1.5L)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(2×)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=10〜50%の勾配)によって精製して、中間体3−2(158g、55%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 8.38 (br s, 1H), 8.25 (d, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.27 (d, 1H), 5.13-5.20 (m, 1H), 4.70-4.82 (m, 1H), 4.64 (td, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.57-3.71 (m, 2H), 2.71-2.86 (m, 1H), 2.55-2.70 (m, 1H);MS(ES+)=266.7。
中間体103−3:メチル(S)−4−アミノ−3−((オキセタン−2−イルメチル)アミノ)ベンゾエート
【0502】
【化46】
【0503】
Parr(登録商標)反応器において、中間体103−2(15g、56mmol)をTHF(100mL)に溶解させた。反応器にPd/C(10%w/w、1.5g)を加え、混合物を、50psiのH
2中にて室温で4時間振盪した。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、中間体103−3(12.3g、92%)を黄褐色の固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.49 (dd, 1H), 7.39 (d, 1H), 6.70 (d, 1H), 5.05-5.18 (m, 1H), 4.76 (ddd, 1H), 4.62 (dt, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.42-3.50 (m, 1H), 3.34-3.40 (m, 1H), 2.71-2.82 (m, 1H), 2.60 (ddt, 1H).
2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(実施例103)の調製
ステップ1
撹拌した中間体103−3(33.6g、142mmol)のMeCN(285mL)溶液に、2−クロロ−1,1,1−トリメトキシエタン(20.1mL、149mmol)に続いてpTSA・H
2O(1.35g、7.1mmol)を加えた。50℃で2時間経過後、MeCN(280mL)、K
2CO
3(79g、570mmol)、および中間体103−0(93.2g、142mmol)を加えた。2時間後、溶液を水(800mL)で処理し、室温に冷まし、2時間撹拌した。得られる沈殿を濾過によって収集し、水中10%MeCN(150mL)、水(2×200mL)で洗浄し、次いで減圧下で乾燥させて、メチル(S)−2−((4−(6−((4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)メチル)−1−(オキセタン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートを無色の固体(77g、95%)として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.28 (s, 1H), 7.87 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.55-7.73 (m, 4H), 6.87 (d, 1H), 6.70 (d, 1H), 5.45 (s, 2H), 5.04-5.19 (m, 1H), 4.81 (dd, 1H), 4.66 (dd, 1H), 4.41-4.54 (m, 1H), 4.36 (dt, 1H), 3.94 (d, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.76 (d, 1H), 2.97 (d, 1H), 2.82 (d, 1H), 2.63-2.77 (m, 1H), 2.49-2.63 (m, 1H), 2.37-2.46 (m, 1H), 2.18-2.29 (m, 1H), 2.05-2.18 (m, 1H), 1.47-1.82 (m, 4H).
ステップ2
撹拌したメチル(S)−2−((4−(6−((4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)メチル)−1−(オキセタン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート(4g、7mmol)のMeCN(70mL)溶液に、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの水溶液(0.97M、14.7mL)を加えた。20時間後、溶液をクエン酸水溶液(2M、7mL)でpH約6に酸性化し、水(50mL)で希釈した。水相をEtOAc(2×75mL)で抽出し、合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去して、オフホワイト色の固体を得た。粗材料を、MeOH/DCM(0:100〜8:92)を溶離液とするカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、実施例103を固体(3.65g、90%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.75 (br s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.68-7.72 (m, 2H), 7.60-7.67 (m, 2H), 6.89 (d, 1H), 6.72 (d, 1H), 5.47 (s, 2H), 5.11 (d, 1H), 4.74-4.86 (m, 1H), 4.62-4.72 (m, 1H), 4.43-4.53 (m, 1H), 4.35-4.42 (m, 1H), 3.95 (d, 1H), 3.77 (d, 1H), 2.98 (d, 1H), 2.84 (d, 1H), 2.65-2.77 (m, 1H), 2.53-2.64 (m, 1H), 2.37-2.45 (m, 1H), 2.10-2.28 (m, 2H), 1.57-1.84 (m, 4H).LC−MS(ES+):556.6(M+H)。
実施例103のトリス塩
2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸トリス塩
70℃の撹拌した実施例103(6.5g、11.7mmol)の1−プロパノール(275mL)溶液に、トリスの水溶液(2.0M、6.1mL、12.2mmol)を滴下によって加え、その間、溶液は均質なままであった。5分間撹拌した後、種晶を加え、混合物を2時間かけて室温に冷ました。室温で終夜撹拌した後、固体が生成していた。固体を濾過によって収集し、1−プロパノール(2×30mL)で洗浄し、最初に窒素流中、次いで真空オーブン中にて45℃で15時間乾燥させて、実施例3のトリス塩(6.95g、88%)を結晶質の固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 8.20 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.70 (br s, 2H), 7.64 (t, 1H), 7.56 (d, 1H), 6.89 (d, 1H), 6.72 (d, 1H), 5.47 (s, 2H), 5.11 (qd, 1H), 4.77 (dd, 1H), 4.64 (dd, 1H), 4.44-4.53 (m, 1H), 4.38 (dt, 1H), 3.93 (d, 1H), 3.76 (d, 1H), 3.35 (br s, 9H), 2.98 (d, 1H), 2.85 (d, 1H), 2.64-2.75 (m, 1H), 2.54-2.64 (m, 1H), 2.40-2.49 (m, 1H), 2.08-2.26 (m, 2H), 1.56-1.83 (m, 4H).融点=194℃。
CHO GLP−1RクローンH6−アッセイ1
細胞中のcAMPレベルを測定するHTRF(均一時間分解蛍光)cAMP検出キット(cAMP HI Range Assay Kit、CisBioカタログ番号62AM6PEJ)を利用する、細胞ベースの機能アッセイによって、GLP−1Rを介した作動薬活性を明らかにした。この方法は、細胞が産生した天然cAMPと、色素d2で標識された外因性cAMP間の競合イムノアッセイである。トレーサー結合は、クリプテートで標識されたmAb抗cAMPによって可視化される。特異的シグナル(すなわち、エネルギー移動)は、基準または実験いずれかのサンプル中のcAMPの濃度に反比例する。
【0504】
ヒトGLP−1Rコード配列(天然に存在する変異体Gly168Serを含む、NCBI参考配列NP_002053.3)を、pcDNA3(Invitrogen)にサブクローニングし、受容体を安定して発現する細胞株を単離した(クローンH6と称した)。
125I−GLP−1
7−36(Perkin Elmer)を使用する飽和結合分析(濾過アッセイ手順)によって、この細胞株から得られた形質膜が高いGLP−1R密度(K
d:0.4nM、B
max:1900fmol/タンパク質mg)を示すことがわかった。
【0505】
細胞を凍結保存から解除し、40mLのダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS−Lonzaカタログ番号17−512Q)に再懸濁し、22℃で5分間800×gで遠心分離した。次いで、細胞ペレットを、10mLの増殖培地[HEPES、L−Glnが添加されたDMEM/F12 1:1混合物、500mL(DMEM/F12 Lonzaカタログ番号12−719F)、10%の熱不活化ウシ胎児血清(Gibcoカタログ番号16140−071)、5mLの100X Pen−Strep(Gibcoカタログ番号15140−122)、5mLの100X L−グルタミン(Gibcoカタログ番号25030−081)、および500μg/mLのGeneticin(G418)(Invitrogen #10131035)]に再懸濁した。細胞の増殖培地懸濁液の1mLサンプルをBecton Dickinson ViCellでカウントして、細胞生存度および1mLあたりの細胞カウントを求めた。次いで、残りの細胞懸濁液を、Matrix Combi Multidrop試薬計量分配装置を使用してウェルあたり2000個の生細胞が送達されるように増殖培地で調整し、細胞を、組織培養処理された384ウェル白色アッセイプレート(Corning 3570)に分注した。次いで、アッセイプレートを、5%二酸化炭素の加湿された環境において37℃で48時間インキュベートした。
【0506】
試験する(DMSO中の)種々の濃度の各化合物を、100μMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX、Sigmaカタログ番号I5879)を含有するアッセイ緩衝液(カルシウム/マグネシウムが添加されたHBSS(Lonza/BioWhittakerカタログ番号10−527F)/0.1%のBSA(Sigma Aldrichカタログ番号A7409−1L)/20mMのHEPES(Lonza/BioWhittakerカタログ番号17−737E))に希釈した。最終DMSO濃度は、1%とする。
【0507】
48時間後、アッセイプレートウェルから増殖培地を取り出し、細胞を、5%二酸化炭素の加湿された環境において、37℃で、アッセイ緩衝液中の連続希釈された化合物20μLによって30分間処理した。30分間インキュベートした後、10μLの標識されたd2 cAMPおよび10μLの抗cAMP抗体(製造者のアッセイプロトコールに記載されているとおりに、両方とも、細胞溶解緩衝液に1:20希釈した)をアッセイプレートの各ウェルに加えた。次いで、プレートを室温でインキュベートし、60分後、HTRFシグナルの変化を、330nmの励起ならびに615および665nmの発光を使用しながらEnvision 2104多標識プレートリーダーで読み取った。生データを、(製造者のアッセイプロトコールに記載されているとおり)cAMP検量線から内挿することでnM cAMPに変換し、各プレートにおいて、含まれる完全作動薬GLP−1
7−36の飽和濃度(1μM)に対するパーセント効果を求めた。曲線適合プログラムを用い、4パラメーターロジスティック用量反応式を使用して解析した作動薬用量反応曲線から、EC
50を求めた。
CHO GLP−1RクローンC6−アッセイ2
細胞中のcAMPレベルを測定するHTRF(均一時間分解蛍光)cAMP検出キット(cAMP HI Range Assay Kit、CisBioカタログ番号62AM6PEJ)を利用する、細胞ベースの機能アッセイによって、GLP−1Rを介した作動薬活性を明らかにした。この方法は、細胞が産生した天然cAMPと、色素d2で標識された外因性cAMP間の競合イムノアッセイである。トレーサー結合は、クリプテートで標識されたmAb抗cAMPによって可視化される。特異的シグナル(すなわち、エネルギー移動)は、基準または実験いずれかのサンプル中のcAMPの濃度に反比例する。
【0508】
Flp−In(商標)T−Rex(商標)システムを製造者(ThermoFisher)による記載どおりに使用して、ヒトGLP−1Rコード配列(天然に存在する変異体Leu260Pheを含むNCBI参考配列NP_002053.3)をpcDNA5−FRT−TOにサブクローニングし、低い受容体密度を安定して発現するクローンCHO細胞株を単離した。
125I−GLP−1(Perkin Elmer)を使用する飽和結合分析(濾過アッセイ手順)によって、この細胞株(クローンC6と呼ぶ)から得られた形質膜が、クローンH6細胞株に比べて低いGLP−1R密度(K
d:0.3nM、B
max:240fmol/タンパク質mg)を示すことがわかった。
【0509】
細胞を凍結保存から解除し、40mLのダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS−Lonzaカタログ番号17−512Q)に再懸濁し、22℃で5分間800×gで遠心分離した。DPBSを吸引し、細胞ペレットを、10mLの完全増殖培地(HEPES、L−Glnが添加されたDMEM:F12 1:1混合物、500mL(DMEM/F12 Lonzaカタログ番号12−719F)、10%の熱不活化ウシ胎児血清(Gibcoカタログ番号16140−071)、5mLの100X Pen−Strep(Gibcoカタログ番号15140−122)、5mLの100X L−グルタミン(Gibcoカタログ番号25030−081)、700μg/mLのハイグロマイシン(Invitrogenカタログ番号10687010)、および15μg/mLのブラスチシジン(Gibcoカタログ番号R21001))に再懸濁した。細胞の増殖培地懸濁液の1mLサンプルをBecton Dickinson ViCellでカウントして、細胞生存度および1mLあたりの細胞カウントを求めた。次いで、残りの細胞懸濁液を、Matrix Combi Multidrop試薬計量分配装置を使用してウェルあたり1600個の生細胞が送達されるように増殖培地で調整し、細胞を、組織培養処理された384ウェル白色アッセイプレート(Corning 3570)に分注した。次いで、アッセイプレートを、加湿された環境(95%O
2、5%CO
2)において37℃で48時間インキュベートした。
【0510】
試験する(DMSO中の)種々の濃度の各化合物を、100μMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX、Sigmaカタログ番号I5879)を含有するアッセイ緩衝液[カルシウム/マグネシウムが添加されたHBSS(Lonza/BioWhittakerカタログ番号10−527F)/0.1%のBSA(Sigma Aldrichカタログ番号A7409−1L)/20mMのHEPES(Lonza/BioWhittakerカタログ番号17−737E)]に希釈した。化合物/アッセイ緩衝液混合物中の最終DMSO濃度は、1%とする。
【0511】
48時間後、アッセイプレートウェルから増殖培地を取り出し、細胞を、加湿された環境(95%O
2、5%CO
2)において、37℃で、アッセイ緩衝液中の連続希釈された化合物20μLによって30分間処理した。30分間インキュベートした後、10μLの標識されたd2 cAMPおよび10μLの抗cAMP抗体(製造者のアッセイプロトコールに記載されているとおりに、両方とも、細胞溶解緩衝液に1:20希釈した)をアッセイプレートの各ウェルに加えた。次いで、プレートを室温でインキュベートし、60分後、HTRFシグナルの変化を、330nmの励起ならびに615および665nmの発光を使用しながらEnvision 2104多標識プレートリーダーで読み取った。生データを、(製造者のアッセイプロトコールに記載されているとおり)cAMP検量線から内挿することでnM cAMPに変換し、各プレートにおいて、含まれる完全作動薬GLP−1の飽和濃度(1μM)に対するパーセント効果を求めた。曲線適合プログラムを用い、4パラメーターロジスティック用量反応式を使用して解析した作動薬用量反応曲線から、EC
50を求めた。
【0512】
表3において、アッセイデータを、示した反復回数(回数)に基づく幾何平均(EC
50)および算術平均(Emax)としての2つの有効数字に示す。空のセルは、その実施例についてのデータが存在しなかった、またはEmaxが算出されなかったことを意味する。
【0513】
【表13-1】
【0514】
【表13-2】
【0515】
【表13-3】
【0516】
【表13-4】
【0517】
実施例ACCi
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(ACCi化合物)の調製:
実施例ACCiの化合物の調製において、本明細書に記載の調製方法のいくつかには、遠隔官能基(たとえば、式I前駆体における第一級アミン、第二級アミン、カルボキシル)の保護が必要となる場合もあることが指摘される。このような保護の必要は、遠隔官能基の性質および調製方法の条件に応じて異なる。そのような保護の必要は、当業者によって容易に判断される。そうした保護/脱保護方法の使用も、当分野の技量の範囲内である。保護基およびその使用の全般的な記述については、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、ニューヨーク、1991を参照されたい。さらに、本発明は、様々となりうる、本明細書で示す詳細な合成方法に限定されない。
中間体A1:1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩
【0518】
【化47】
【0519】
ステップ1.tert−ブチル9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート
【0520】
【化48】
【0521】
乾いた反応器に、25〜30℃で、tert−ブチル4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート(108Kg)、シクロヘキサン(1080L)、およびピロリジン(64.8Kg)を装入した。混合物を5〜10分撹拌し、次いで、Dean−Starkトラップを使用して水を収集しながら12〜16時間加熱還流した。次いで、反応混合物を50〜60℃に冷却し、この温度で真空を適用して、余分なピロリジンおよびシクロヘキサンを留去した。次いで、反応混合物を25〜30℃に冷却し、シクロヘキサン(648L)を装入した後、メチルビニルケトン(49.63Kg)を装入した。混合物を12〜16時間撹拌し、次いで濾過し、濾液を清浄で乾いた反応器に装入した。溶液を10〜15℃に冷却し、次いで、温度を15℃未満に保ちながら、酢酸(54.75Kg)の水(54L)溶液をゆっくりと加えた。加え終える時点で、混合物を25〜30℃に加温し、12〜16時間撹拌した。層を分離し、水層を酢酸エチル(324L)で抽出した。合わせた有機層を、炭酸水素ナトリウム(32.34Kg)の水(324L)溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。固体を酢酸エチル(54L)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下にて40℃未満で濃縮した。n−ヘプタン(216L)を反応器に装入し、減圧下、40℃未満で、乾燥するまで蒸留を行った。混合物を25〜30℃に冷却し、n−ヘプタン(216L)を反応器に装入した。固体が生成した後、混合物を1〜2時間撹拌した。次いで、固体を濾過し、n−ヘプタン(54L)で洗浄し、40〜50℃で10〜12時間乾燥させて、所望の材料(90.1Kg、収率67%)を得た。
ステップ2.(E)−tert−ブチル10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート
【0522】
【化49】
【0523】
清浄で乾いた反応器に、窒素雰囲気中にて、25〜30℃で、tert−ブチル9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート(50Kg)、N,N−ジメチルホルムアミド(500L)、およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(135Kg)を装入した。反応混合物を5〜10分撹拌し、次いで、20時間120〜130℃に加熱した。次いで、混合物を50〜60℃に冷却し、60℃未満の高真空下で溶媒を留去した。45℃未満で混合キシレン(200L)を装入し、60℃未満の高真空下で溶媒を留去した。この操作を、別のロットの混合キシレン(200L)を用いて繰り返した。次いで、トルエン(200L)を反応器に装入し、60℃未満の高真空下で溶媒を留去した。この操作を、2つ目のロットのトルエン(200L)を用いて繰り返した。次いで、30℃未満でメチルtert−ブチルエーテル(100L)を装入し、40℃未満の高真空下で溶媒を留去した。混合物を15〜20℃に冷却し、20℃未満でメチルtert−ブチルエーテル(100L)を装入した。混合物を20〜30分間撹拌し、固体を濾過し、メチルtert−ブチルエーテル(50L)で洗浄し、非真空下、50〜55℃で10時間乾燥させて、所望の化合物(52.1Kg、収率87%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.48 (s, 1H), 6.57 (d, J=9.97 Hz, 1H), 5.99 (d, J=10.16 Hz, 1H), 3.32-3.51 (m, 4H), 3.06 (s, 6H), 2.72 (s, 2H), 1.57-1.66 (m, 2H), 1.41-1.53 (m, 11H).
ステップ3.tert−ブチル1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
【0524】
【化50】
【0525】
清浄で乾いた反応器に、25〜30℃で、(E)−tert−ブチル10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート(80Kg)、トルエン(704L)、およびトリメチルアミン(16L)を装入した。反応混合物を70〜80℃に加温し、イソプロピルヒドラジン塩酸塩のメタノール溶液(1.25当量、合計141Kg)を4〜5時間かけて加えた。次いで、反応混合物を70〜80℃で8〜10時間撹拌した後、15〜25℃に冷却した。次いで、内部温度を25℃未満に保ちながら、クエン酸(48Kg)の水(480L)溶液をゆっくりと加えた。酢酸エチル(208L)を加え、混合物を10分間撹拌した。層を分離し、有機層を、クエン酸(48Kg)の水(480L)溶液、次いで水だけ(320L)で続けて洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(320L)で抽出した。合わせた有機層を、次いで、硫酸ナトリウム(8Kg)で乾燥させ、減圧下、40℃未満で溶媒を蒸発乾燥させた。ジクロロメタン(240L)を反応器に装入し、混合物を、透明になるまで25〜30℃で撹拌した。25〜30℃で、活性炭(1.84Kg)、ケイ酸マグネシウム(1.84Kg)、およびシリカゲル(32Kg、100〜200メッシュ)を続けて装入し、不均一混合物を1時間撹拌した。次いで、スラリーを、Hyflow supercell(8Kg)とジクロロメタン(40L)を混合することにより調製したHyflowベッドで濾過した。ケークをジクロロメタン(3回 120L)で洗浄した。合わせた濾液を反応器に装入し戻し、減圧下にて40℃未満で溶媒を蒸発させた。次いで、n−ヘプタン(160L)を装入し、減圧下にて40℃未満で蒸留した。n−ヘプタン(200L)を反応器に装入し、混合物を0〜5℃に冷却した。12〜15時間撹拌した後、0℃で固体を濾過し、冷えた(0〜5℃)n−ヘプタン(160L)で洗浄し、40〜50℃で真空乾燥して、表題化合物(82.4Kg、75%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.25 (s, 1H), 6.42 (dd, J=10.05, 0.49 Hz, 1H) 5.84 (d, J=9.95 Hz, 1H), 4.42-4.52 (m, 1H), 3.36-3.53 (m, 4H), 2.62 (s, 2H) 1.56-1.68 (m, 2H) 1.45-1.55 (m, 17H).
ステップ4.1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩
【0526】
【化51】
【0527】
清浄で乾いた反応器に、25〜30℃で、tert−ブチル1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(60Kg)およびメタノール(600L)を装入した。25〜30℃でN−ブロモスクシンイミド(32.4Kg)を5回に分けて30〜40分かけて加え、撹拌を30〜60分間継続した。内部温度を30℃未満に保ちながら、チオ硫酸ナトリウム五水和物(5.4Kg)の水(102L)溶液をゆっくりと加えた。混合物を20〜30分間撹拌し、次いで、減圧下にて45℃未満で溶媒を蒸発させた。残渣を25〜30℃に冷却し、2−メチルテトラヒドロフラン(420L)を水(90L)と共に反応器に装入した。混合物を15〜20分間撹拌し、次いで層を分離し、水層を2−メチルテトラヒドロフラン(120L)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を、25〜30℃にて水酸化ナトリウム(4.8Kg)の水(120L)溶液で15〜20分間処理した。層を分離し、有機層を水(120L)で洗浄した後、塩化ナトリウム(12Kg)の水(120L)溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム(6Kg)で乾燥させた。濾過後、ケークを2−メチルテトラヒドロフラン(30L)で洗浄し、合わせた濾液を反応器に装入し戻した。45℃未満、減圧下で溶媒を完全に留去し、残渣をテトラヒドロフラン(201L)に可溶性にした。別の清浄で乾いた反応器に、25〜30℃で、カリウムtert−ブトキシド(60.6Kg)およびテトラヒドロフラン(360L)を装入した。その混合物に、温度を30℃未満に保ちながら、残渣のテトラヒドロフラン溶液をゆっくりと加えた。次いで、反応混合物を60〜65℃に加温し、1〜2時間この温度に保った。完遂したら、混合物を0〜10℃に冷却し、内部温度を10℃未満に保ちながら、塩酸の溶液(1N、196L)でゆっくりと失活させた。反応混合物を25〜30℃に温め、酢酸エチル(798L)を装入した。15〜20分間撹拌した後、層を分離し、水層を酢酸エチル(160L)でさらに抽出した。合わせた有機層を水(160L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(8Kg)で乾燥させ、濾過し、ケークを酢酸エチル(300L)で洗浄した。減圧下にて45℃未満で溶媒を完全に留去し、25〜30℃で反応器に酢酸エチル(540L)を装入した後、メタノール(156L)を装入した。混合物を0〜5℃に冷却し、その時点で、温度を指定の範囲で維持しながら、塩化アセチル(79.8Kg)をゆっくりと加えた。次いで、混合物を20〜25℃に温め、撹拌しながら4〜5時間この温度に保った。得られるスラリーを濾過し、固体を酢酸エチル(120L)で洗浄し、次いで、40〜45℃で8〜10時間乾燥させて、所望の粗生成物(33.5Kg、65%)を得た。
【0528】
この粗固体(56.8Kg)を、清浄で乾いた反応器において、25〜30℃でメタノール(454.4L)に可溶性にすることにより、最終精製ステップを実施した。溶液を30〜45分間撹拌し、次いで、25〜30℃で、0.2ミクロンカートリッジフィルターを介して、清浄で乾いた反応器に送った。減圧下にて50℃未満で、約1体積の溶媒が残るまでメタノールを留去した。反応混合物を25〜30℃に冷却し、新鮮なアセトニトリル(113.6L)を、0.2ミクロンカートリッジフィルターを介して装入した。減圧下にて50℃未満で、約1体積の溶媒が残るまで溶媒を留去した。反応混合物を25〜30℃に冷却し、新鮮なアセトニトリル(190L)を、0.2ミクロンカートリッジフィルターを介して反応器に装入した。混合物を65〜70℃に加温し、45分間撹拌し、次いで25〜30℃に冷却し、1時間撹拌した。得られるスラリーを濾過し、ケークを冷えた(15℃)アセトニトリル(56.8L)で洗浄した。固体を減圧下、40〜50℃で8時間乾燥させて、中間体A1(36.4Kg、64%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 7.43 (s, 1H), 5.32-5.42 (m, 1H), 3.15-3.25 (m, 4H), 2.89 (s, 2H), 2.64 (s, 2H), 1.69-1.90 (m, 4H), 1.37-1.45 (m, 6H);ESI[M+H]
+=248。
中間体A2:2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸
【0529】
【化52】
【0530】
清浄で乾燥した反応器に、20〜25℃で、2,6−ジクロロイソニコチン酸(30Kg)およびメタノール(120L)を装入した。スラリーを5分間撹拌し、次いで65℃に加熱した(還流)。次いで、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(30%、87.2Kg)を、付加漏斗から少なくとも4時間かけてゆっくりと装入した。漏斗をメタノール(15L)ですすぎ、65℃で少なくとも15時間撹拌を行った。次いで、混合物を45℃に冷却し、減圧下で、残りの体積が約90Lになるまで蒸留した。次いで、40〜45℃で、炭酸水素カリウム(28.2Kg)および炭酸カリウム(21.6Kg)の水(180L)溶液を反応器に装入した。水溶液を含有する反応器を水(21L)ですすぎ、洗液を反応混合物に装入した。混合物を、減圧下にて80℃未満で、残りの体積が約240Lになるまで蒸留し、20〜25℃に冷却した。
【0531】
別の清浄で乾いた反応器に、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン−2−イル)ベンゾエート(52.3Kg)およびジオキサン(340Kg)を装入し、完全に溶解するまで2〜25℃で撹拌した。次いで、前者の反応器の中身を40℃で加熱して、完全に溶解性になったことを確実にし、この新たな反応器に移した。反応混合物を20〜25℃に冷却し、真空/窒素サイクルによって脱酸素化ステップを実施した。混合物を0〜10℃にさらに冷却し、窒素流下で反応器に酢酸パラジウム(0.65Kg)を装入した後、トリフェニルホスフィン(2.46Kg)を装入した。混合物を20〜25℃に加温し、真空/窒素サイクルによって、別の脱酸素化ステップを実施した。次いで、混合物を80℃に加熱し、少なくとも18時間この温度に保った。混合物を20〜25℃に冷却し、次いで、メチルtert−ブチルエーテル(133.2Kg)および水(30L)を反応器に続けて装入した。層を分離し、水相を水(110L)で希釈し、次いでメチルtert−ブチルエーテル(110L)で抽出した。合わせた有機抽出物をクエン酸(52Kg)の水(84L)溶液で洗浄し、層を分離した。水層をメチルtert−ブチルエーテル(88.8Kg)でさらに抽出し、有機層を合わせ、次いで、塩化ナトリウム(43Kg)の水(80L)溶液の3分の1で3回洗浄した。最後の層分離後、有機層を、木炭カートリッジを収容するpallフィルターで濾過し、ケークをメチルtert−ブチルエーテル(11.2Kg)で洗浄した。濾液を減圧下にて50℃未満で蒸留して約90Lに減らし、次いで、50℃未満で続けてヘプタン(120L)と共蒸留して約120Lに減らした。次いで、混合物を1時間かけて20〜25℃に冷却し、次いで、この温度でもう1時間撹拌した。スラリーを濾過し、ケークをヘプタン(3×18L)で3回、次いで、アセトニトリル(3×18L)で3回洗浄した。得られる湿った固体を真空および窒素流下にて45℃未満で少なくとも15時間乾燥させて、中間体A2(44.6Kg、収率87%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.13 (s, 2H), 8.09 (s, 2H), 7.97 (d, J=1.17 Hz, 1H), 7.34 (d, J=0.98 Hz, 1H), 4.08 (s, 3H), 1.61 (s, 9H);ESI[M+H]
+=330。
中間体A3:tert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート
【0532】
【化53】
【0533】
丸底フラスコに、2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸(中間体A2、15.2g、46.2mmol)および酢酸エチル(140mL)を装入した。1,1’−カルボニルジイミダゾール(8.98g、55.4mmol)を1回で加え、室温で1時間撹拌した。1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩(中間体A1、14.8g、52.2mmol)を加えた後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.1mL、52.2mL)を加え、反応液を室温で18時間撹拌した。2M HCl水溶液(40mL)を加えた後、1M 硫酸水素カリウム(40mL)および50mLのヘプタンを加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を分離漏斗に移した。有機相を分離し、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)、水(20mL)、ブライン(20mL)で続けて洗浄し、20gの硫酸マグネシウムおよび10gのシリカゲルで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。濃縮が終わる頃に固体が生成し始めた。残渣を40mLの酢酸エチル中にて80℃で撹拌し、ヘプタン(120mL)を滴下によってゆっくりと加えた。混合物を80℃で1時間撹拌し、次いで、撹拌しながら1時間かけてゆっくりと室温に冷却し、室温で18時間撹拌した。濾過して固体を収集し、水および酢酸エチル−ヘプタン(1:3)で洗浄し、50℃で18時間真空乾燥して、中間体A3(19.64g、収率76%)を得た。
中間体A3の代替調製例:
清浄で乾いた反応器に、20〜25℃で、アセトニトリル(219Kg)および2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸(中間体A2、34.8Kg)を装入した。混合物を5分間撹拌し、次いで、1,1−カルボジイミダゾール(18.9Kg)を3回に分けて続けて装入した。スラリーを20〜25℃で少なくとも1時間さらに撹拌し、次いで、反応器にポンプで1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩(中間体A1、33.0Kg)を装入した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(20.5Kg)を装入した。試薬ポンプならびに反応器の壁面をアセトニトリル(13.7Kg)で洗浄し、20〜25℃で少なくとも2時間撹拌を行った。完遂後、混合物に、tert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(中間体A3、209g)でシード添加し、少なくとも30分間撹拌した。晶出の開始を確認した後、クエン酸一水和物(58.5Kg)の水(257L)溶液を1時間かけて装入した。得られるスラリーを20〜25℃で少なくとも2時間さらに撹拌し、次いで濾過し、ケークをアセトニトリル(68.4Kg)と水(87L)の混合物で洗浄した。この洗液を使用して反応器もすすいだ。固体を減圧下にて55℃未満で乾燥させ、中間体A3(43.44Kg、収率73%)を得た。
(遊離酸としての)実施例ACCiの化合物:4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸
【0534】
【化54】
【0535】
丸底フラスコに、tert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(3.7g、6.6mmol)およびトルエン(25mL)を装入した。撹拌しながら85%リン酸を(3.0mL)滴下によって加え、反応液を4時間60℃に加熱した。無色の濃厚なゴム質が生成した。反応液を室温に冷却し、水を加えた。白色の固体が認められた。トルエン有機層を捨て、水層および固体を残しておいた。酢酸エチルを加え(60mL)、4N NaOH溶液を加えてpHを約7に調整した。層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して白色の固体を得た。これらを50℃で酢酸エチル(80mL)に溶解させ、ヘプタン(90mL)をゆっくりと加えた。熱源を外し、混合物を室温に冷却し、16時間撹拌した。得られた固体を濾過して収集し、母液ですすぎ、乾燥させて、表題化合物4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸遊離形態、2.15g、収率65%)を白色の固体として得た。
(遊離酸としての)実施例ACCiの化合物の代替調製例:
清浄で乾いた反応器に、20〜25℃で、アセトニトリル(130.4Kg)およびtert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(中間体A3、20.72Kg)を装入した。混合物を5分間撹拌し、次いで、窒素で穏やかに清掃しながら、p−トルエンスルホン酸(8.5Kg)を装入した。反応混合物を70℃に加温し、少なくとも6.5時間この温度に保った。完遂後、混合物を40℃に冷却し、実施例ACCiの化合物(104g)でシード添加し、水(83L)を少なくとも1時間かけてゆっくりと装入した。混合物を、40℃で最低4時間さらに撹拌し、次いで、2時間かけて20〜25℃に冷却した。少なくとも2時間さらに撹拌した後、濾過し、ケークをアセトニトリル(33Kg)および水(41L)からなる溶液ですすいだ。この洗液を使用して反応器もすすいだ。得られる固体を減圧下にて55℃未満で乾燥させて、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(16.5Kg、収率89%)を得た。
実施例ACCiの形態1の化合物−実施例ACCiの無水モノトリスの調製:
【0536】
【化55】
【0537】
バイアルに、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(151mg、0.300mmol)および3mLのエタノールを装入した。混合物を5分間80℃に加熱して固体を溶解させ、次いで室温に冷却した。トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(39mg、0.32mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。ヘプタン(2.25mL)を滴下によって加えてスラリーを生成し、これを50℃に加熱して透明な溶液を生成した。混合物を撹拌しながら終夜室温に冷却した。白色の固体が認められ、混合物をさらに3日間撹拌した。材料を濾過し、真空オーブンにおいて50℃で終夜乾燥させて、形態1(151mg、0.242mmol、収率81%)を生成した。
実施例ACCiの形態1の代替調製例:実施例ACCiの無水モノトリス:
清浄で乾いた反応器にエタノール(83L)を装入した後、実施例ACCi化合物(9.43Kg)およびトリス(2.55kg)を加え、その間、混合物を20〜25℃の温度に保った。タンク壁面をエタノール(2L)ですすぎ、得られる混合物を65〜70℃で加熱し、すべての固体が溶解するまで少なくとも30分間この温度に保ち、次いで45〜50℃に冷却した。インラインの10μmポリプロピレンフィルターで温式濾過を行い、反応器ならびにフィルターをエタノール(9L)で洗浄した。n−ヘプタン(24L)を同じインラインフィルターを介して温溶液に装入し、混合物に、45〜50℃にてエタノール(0.5L)中の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸無水トリス塩(100g)でシード添加した。少なくとも2時間温度維持した後、少なくとも2時間かけて20〜25℃に冷却した。撹拌を少なくとも5日間行った。次いで、スラリーを濾過し、ケークをエタノール(13L)とn−ヘプタン(6L)の混合物で洗浄した。固体を減圧下にて45℃未満で少なくとも12時間乾燥させ、実施例ACCi(11.7Kg、77%)を得た。
実施例ACCiの形態2−実施例ACCiのモノトリス塩の三水和物の調製:
【0538】
【化56】
【0539】
実施例ACCiの化合物の形態2を、実施例ACCiの形態1の化合物から変換して取得した。50mLのEasyMax反応器に、形態1(1.7214g、2.760mmol)、イソプロパノール(16.50mL、215.8mmol)、および水(688μL、38.190mmol)を加えた。反応器ジャケット温度を25℃として、混合物を約72時間撹拌した(300rpm)。次いで、反応混合物を15分かけて40℃に加温し、約24時間40℃を維持し、一度20℃に冷却して、テスト用にサンプルを取り出した。PXRDによって形態の混合物が観察され、したがって、追加の水(688μL、38.190mmol)を加えた。撹拌速度を400rpmに上げ、スラリーを6時間撹拌し、次いで15℃に冷却した。60mL/40Mフィルターにおいて固体を単離し、96/4のイソプロパノール/水で洗浄した。得られる材料は、PXRDによって、実施例ACCiの形態2の化合物と一致した。
【0540】
実施例ACCiの形態2の化合物−実施例ACCiのモノトリス塩の三水和物の代替調製例:
清浄で乾いた反応器にイソプロパノール(60.4Kg)を装入し、実施例ACCiの化合物(16.68Kg)およびトリス(4.42kg)を加え、その間、混合物を20〜25℃の温度に保った。混合物を5分間撹拌し、次いで水(6.7Kg)を装入し、スラリーを55℃に加温した。その時点で透明な溶液を、インラインの10μmポリプロピレンフィルターで、予め加温した清浄で乾いた反応器(50〜55℃)へと濾過した。次いで、溶液に、三水和物としての実施例ACCiの化合物のモノトリス塩(167g)でシード添加した。シードの残存を確認した後、混合物を少なくとも2時間かけて15℃に冷却し、次いで、最低16時間15℃に保った。スラリーを濾過し、ケークを冷えたイソプロパノール(13.1Kg)で洗浄した。次いで、固体を減圧下にて25℃未満で乾燥させて、形態2だけの実施例ACCi(22.1Kg、収率98%)を得た。
【0541】
形態1の実施例ACCiは、無水であり、周囲温度にて水分活性約0.2(20%RH)未満で熱力学的に安定している。形態1の実施例ACCiは、
図3に示す実施例ACCiのPXRDパターンと実質的に同じPXRDパターンを有する。2θ+0.2°2θとして示される、形態1の実施例ACCiの特徴的なPXRDピークは、9.6、10.7、および11.3にある。
図3におけるPXRDパターンについてのピーク位置および強度を、表1に示す。
【0542】
【表14】
【0543】
形態1の実施例ACCiは、
図4に示すものと実質的に同じラマンスペクトルを有する。形態1の実施例ACCiは、cm
−1として示される特徴的なラマンピークシフトを、568、698、989、1218、1511、1561、および1615+2cm
−1の箇所に有する。
図4における形態1の実施例ACCiのピーク位置(+2cm
−1)および標準化強度(W=弱、M=中、S=強)を、表2に示す。
【0544】
【表15】
【0545】
形態1の実施例ACCiは、
図5に示すものと実質的に同じ
13C ssNMRスペクトルを有する。形態1の実施例ACCiは、ppmとして示される特徴的な
13C ssNMR化学シフトを、22.9、146.2、157.9、161.9、および172.9+0.2ppmの箇所に有する。
図5に示すとおりの、形態1の実施例ACCiの
13C化学シフト(+0.2ppm)を、表3に示す。
【0546】
【表16】
【0547】
形態2の実施例ACCiは、三水和物であり、周囲温度および20%RHで水分活性約0.2を超えても熱力学的に安定している。形態2の実施例ACCiは、
図6に示すものと実質的に同じラPXRDパターンを有する。2θ+0.2°2θとして示される、形態2の実施例ACCiの特徴的なPXRDピークは、8.4、9.0、10.5、15.0、および24.7の箇所にある。
図6におけるPXRDパターンについてのピーク位置および強度を、表4に示す。
【0548】
【表17】
【0549】
形態2の実施例ACCiは、
図7に示すものと実質的に同じラマンスペクトルを有する。形態2の実施例ACCiは、cm
−1として示される特徴的なラマンピークシフトを、562、692、984、1225、1507、1557、および1610+2cm
−1の箇所に有する。
図7における形態2の実施例ACCi化合物のピーク位置(+2cm
−1)および標準化強度(W=弱、M=中、S=強)を、表5に示す。
【0550】
【表18】
【0551】
形態2の実施例ACCiは、
図8に示すものと実質的に同じ
13C ssNMRスペクトルを有する。形態2の実施例ACCiは、ppmとして示される特徴的な
13C ssNMR化学シフトを、19.2、149.5、155.6、163.8、および188.3+0.2ppmの箇所に有する。
図8に示すとおりの、形態2の実施例ACCiの
13C化学シフト(+0.2ppm)を、表6に示す。
【0552】
【表19】
【0553】
当業者には、本明細書で示す開示に基づき、様々に組み合わせたいくつかの異なるスペクトルピークまたはパターンによって、形態1および形態2それぞれの実施例ACCiを唯一のものとして特定できることが理解される。以下で、形態1および形態2の実施例ACCi化合物を別々に特定するのに使用することのできる、特徴的なピーク値の例示的な組合せについて述べるが、こうした例示的な組合せが、本明細書で開示する他のピーク値組合せを制限するという見方は決してすべきでない。
【0554】
形態2の実施例ACCiにおける3つの水分子の存在を確認するために、Bruker D8 Venture回折計を室温で使用してデータを収集した。
図9を参照されたい。構造は、単斜晶クラス空間群P2
1/cにおいてSHELXソフトウェアスイートを使用する固有位相決定法によって解明した(バージョン5.1、Bruker AXS、1997)。引き続いて、完全行列最小二乗法によって構造を精密化した。異方性変位パラメーターを使用して、すべての非水素原子を見出し、精密化した。
【0555】
差フーリエマップから窒素および酸素の上に位置する水素原子を見出し、距離に制約をかけた状態で精密化した。残りの水素原子を計算された位置に置き、その担体原子上に乗るようにした。
【0556】
最終R指数は、7.2%であった。最終差フーリエによって、欠落している、または場所が正しくない電子密度は存在しないことが明らかになった。
表7に、形態2の実施例ACCiに関して収集されたデータを示す。
【0557】
【表20】
【0558】
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の結晶質の2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール塩。この結晶質の塩は、一般にトリス塩と呼ばれる。
【0559】
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸と塩の比が1:1である、実施例ACCiの結晶質トリス塩。
【0560】
無水結晶質塩である、実施例ACCiの結晶質トリス塩。
9.6、10.7、および11.3 2θ+0.2°2θの回折角の箇所にピークを含むPXRDパターンを有する、実施例ACCiの無水結晶質トリス塩。
【0561】
1511、1561、および1615cm
−1、+2cm
−1の箇所にピークシフトを含むラマンスペクトルを有する、実施例ACCiの無水結晶質トリス塩。
22.9、146.2、および161.9ppm、+0.2ppmの箇所に化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルを有する、実施例ACCiの無水結晶質トリス塩。
【0562】
1511および1615cm
−1、+2cm
−1の箇所にピークシフトを含むラマンスペクトルと、22.9、146.2、または161.9ppm、+0.2ppmの箇所に少なくとも1つの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルとからなる群から選択される分析パラメーターを有する、実施例ACCiの無水結晶質トリス塩。
【0563】
実質的に純粋である、実施例ACCiの無水結晶質トリス塩。
三水和物結晶質塩である、実施例ACCiの結晶質トリス塩。
8.4、9.0、および10.5 2θ、+0.2°2θの回折角の箇所にピークを含むPXRDパターンを有する、実施例ACCiの三水和物結晶質トリス塩。
【0564】
1507、1557、および1610cm
−1、+2cm
−1の箇所にピークシフトを含むラマンスペクトルを有する、実施例ACCiの三水和物結晶質トリス塩。
19.2、149.5、および163.8ppm、+0.2ppmの箇所に化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルを有する、実施例ACCiの三水和物結晶質トリス塩。
【0565】
8.4および9.0 2θ、+0.2°2θの回折角の箇所にピークを含むPXRDパターンと、
1557および1610cm
−1、+2cm
−1の箇所にピークシフトを含むラマンスペクトルと、
19.2、149.5、または163.8ppm、+0.2ppmの箇所に少なくとも1つの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルと
からなる群から選択される分析パラメーターを有する、実施例ACCiの三水和物結晶質トリス塩。
【0566】
8.4および9.0 2θ、+0.2°2θの回折角の箇所にピークを含むPXRDパターンと、1507、1557、または1610cm
−1、+2cm
−1の箇所に少なくとも1つのピークシフトを含むラマンスペクトルとからなる群から選択される分析パラメーターを有する、実施例ACCiの三水和物結晶質トリス塩。
【0567】
8.4および9.0 2θ、+0.2°2θの回折角の箇所にピークを含むPXRDパターンと、19.2、149.5、または163.8ppm、+0.2ppmの箇所に少なくとも1つの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルとからなる群から選択される分析パラメーターを有する、実施例ACCiの三水和物結晶質トリス塩。
実施例DGAT2i
(DGAT2i化合物):(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド
【0568】
【化57】
【0569】
ステップ1:3−エトキシピリジン
3−ヒドロキシピリジン(8.10mol、1.0当量)のアセトン(12L)溶液に、15℃で、炭酸セシウム(12mol、1.5当量)およびヨウ化エチル(9.7mol、1.2当量)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、有機層を濃縮して、粗生成物を得た。酢酸エチル(20L)を加え、水(3×5L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、3−エトキシピリジン(620g、62%)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.44 (t, 3H), 4.07 (q, 2H), 7.15-7.23 (m, 2H), 8.20 (dd, 1H), 8.30 (d, 1H).
ステップ2:3−エトキシピリジン−1−オキシド
3−エトキシピリジン(5.0mol、1.0当量)のジクロロメタン(12L)溶液に、10℃でm−クロロペルオキシ安息香酸(6.5mol、1.3当量)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウム(4kg、水5L中)を加えた。反応混合物を15℃で2時間撹拌した。別の分のチオ硫酸ナトリウム(1.5kg、水5L中)を加えた。反応混合物を15℃で1時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(16×10L)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール、100:1〜10:1)によって精製して、表題化合物(680g、97%)を褐色の油状物として得た。これを、石油エーテル(4L)を用いた室温で24時間の摩砕によってさらに精製して、3−エトキシピリジン−1−オキシド(580g、83%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.41 (t, 3H), 4.02 (q, 2H), 6.84 (dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.91-7.95 (m, 1H).
ステップ3:2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン
この反応は、5つの並行した回分で実施した。
【0570】
撹拌した3−エトキシピリジン−1−オキシド(0.72mol、1.0当量)および3−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(0.72mol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(2500mL)溶液に、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(2.69mol、3.7当量)およびブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(0.93mol、1.3当量)を加えた。反応混合物を室温で2日間撹拌し、次いで、別個の回分を合わせて単一回分とした。得られる懸濁液を濃縮乾燥し、ジクロロメタン(25L)に溶解させた。有機層を、1N水酸化ナトリウム(15L)、水(3×20L)、およびブライン(20L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して油状物を得た。粗油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル、10:1〜1:1)によって精製して、粗生成物を褐色の固体として得た。この固体を、メチルtert−ブチルエーテル:石油エーテル(1:10、11L)を用いて摩砕して、2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン(730g、69%)をオフイエロー色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.49 (t, 3H), 4.16 (q, 2H), 7.04 (dd, 1H), 7.25 (dd, 1H), 7.68-7.73 (m, 2H), 8.44 (d, 1H), 8.49 (d, 1H).MS(ES+)297.1(M+H)。
ステップ4:エチル2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート
2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン(300mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(1.3L)溶液を、窒素で30分間脱気した。ターボグリニャール(390mmol、1.3当量、テトラヒドロフラン中1.3M)を、室温で、内部温度が30℃未満に保たれる速度で加えた。反応混合物を室温に冷まし、3時間撹拌した。反応液を10℃に冷却し、塩化亜鉛(390mmol、1.3当量、2−メチルテトラヒドロフラン中1.9M)を、温度が15℃未満に保たれる速度で加えた。得られる懸濁液を、沈殿がすべて溶解するまで室温に加温し、次いで、10℃に冷却し戻した。エチル2−クロロピリミジン−5−カルボキシレート(360mmol、1.2当量)およびジクロロ[ビス(2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル)エーテル]パラジウム(II)(6.00mmol、0.02当量)を固体として加えた。得られる懸濁液を窒素で30分間脱気し、次いで16時間50℃に加熱した。反応液を水性条件下で後処理し、次いで、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、チオシリカ、および木炭で順次処理して、金属不純物を除去した。粗化合物をメタノール(450mL)から再結晶させて、エチル2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート(77g、70%)を淡黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.44 (t, 3H), 1.50 (t, 3H), 4.19 (q, 2H), 4.46 (q, 2H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.71 (d, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.66 (d, 1H), 9.32 (s, 2H), 9.55 (s, 1H).
ステップ5:2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(中間体1)
2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート(205mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(300mL)懸濁液に、水酸化ナトリウム(307mmol、1.5当量、4M水溶液)およびメタノール(50mL)を加えた。得られる溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水(400mL)で希釈し、2:1のジエチルエーテル:ヘプタン(2×300mL)で抽出した。水層を4M塩酸で酸性化してpH4とした。得られる懸濁液を室温で1時間撹拌した。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(69g、100%)を淡黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ1.37 (t, 3H), 4.18 (q, 2H), 7.19 (dd, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.70 (dd, 1H), 8.35-8.40 (m, 1H), 8.66 (d, 1H), 9.33 (s, 2H), 9.41 (d, 1H), 13.9 (br. s, 1H).
ステップ6:(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド[実施例DGAT2i(DGAT2i化合物)]
2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(45.0g、133mmol、1.0当量)のジクロロメタン(500mL)懸濁液に、塩化オキサリル(13.8mL、160mmol、1.2当量)およびジメチルホルムアミド(0.510mL、6.65mmol、0.05当量)を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、この時点で、溶液が得られた。反応混合物を濃縮して、粗酸塩化物を赤色の固体として得た。粗酸塩化物のジクロロメタン(200mL)溶液に、0℃で、(S)−テトラヒドロフラン−3−アミン(12.2g、140mmol、1.05当量)およびジイソプロピルエチルアミン(51.0mL、293mmol、2.2当量)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液を滴下によって加えた。反応液を室温に温め、16時間撹拌した。水(1.0L)および酢酸エチル(600mL)を加え、有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。濾液を活性炭(20g)で処理し、65℃で20分間撹拌した。懸濁液を温式濾過し、濾液を濃縮して淡黄色の固体とし、これを、メタノール含有酢酸エチル(1:4、1L)から再結晶させて、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(43.5g、81%)を無色の固体として得た。表題化合物を、同じようにして調製した前の諸回分(108.7g、266.8mmol)と合わせ、酢酸エチル(1.0L)を用いて80℃で4時間スラリー化した。懸濁液を室温に冷まし、4日間撹拌した。固体を濾過し、酢酸エチル(3×200mL)で洗浄し、50℃で24時間高真空乾燥させて、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(100.5g、92%)を無色の固体として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 1.38 (t, 3H), 1.89-1.98 (m, 1H), 2.15-2.26 (m, 1H), 3.65 (dd, 1H), 3.70-3.78 (m, 1H), 3.85-3.92 (m, 2H), 4.18 (q, 2H), 4.46-4.55 (m, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.69 (dd, 1H), 8.37 (dd, 1H), 8.64 (d, 1H), 8.95 (d, 1H), 9.28 (s, 2H), 9.39 (d, 1H).MS(ES+)408.4(M+H)。融点177.5℃。C
21H
21N
5O
4についての元素分析:計算値C:61.91、H:5.20、N:17.19;実測値C:61.86、H:5.18、N:17.30。
【0571】
この手順からの固体形態を、粉末X線回折(PXRD)分析によって特徴付け、実施例DGAT2iの形態1と割り当てた。
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例DGAT2i)の調製のための代替ステップ6
100mLの反応器に、アセトニトリル(35mL)、2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(5.0g、15mmol)、および(S)−テトラヒドロフラン−3−アミン塩酸塩(2.2g、18mmol、1.2当量)を装入した。温度を20℃〜30℃に保ちながら、ジイソプロピルエチルアミン(18mL、103mmol、7.0当量)を装入した。プロパンホスホン酸無水物(T3P)のアセトニトリル溶液(21mL、30mmol、2.0当量)を、温度が45℃未満に保たれる速度で装入した。反応器を1時間40±5℃に加熱し、次いで、反応完遂についてサンプルを取った。反応液を20℃〜25℃に冷却し、テトラヒドロフラン(25mL)を加えた。炭酸水素ナトリウムの溶液(0.5M、40mL)を装入し、混合物を1時間撹拌した。pHをチェックし、8.5と測定された。酢酸エチル(40mL)を加え、混合物を15分間撹拌した。混合物を沈降させ、相を分けた。水層を分液漏斗に移し、酢酸エチル(100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、水(40mL)で洗浄した。有機層を少量ずつ100mLの反応器に移し、真空濃縮して体積を小さくした。メチルエチルケトン(100mL)を加え、混合物を濃縮して、最終体積をおよそ60mLとした。真空を解除し、スラリーを加熱還流し、反応器壁面から固体が洗い落ちるまで維持した。スラリーを2時間かけて15℃に冷却し、終夜粒状化した。濾過によって固体を単離し、反応器およびケークをメチルエチルケトン(各10mL)で2回洗浄した。固体を真空オーブンにおいて50℃で乾燥させて、4.86g(81%)の所望の生成物を得た。この手順からの固体形態を、PXRD分析によって特徴付け、実施例DGAT2iの形態2と割り当てた。
実施例DGAT2iの形態2の形態1への変換
100mLの反応器に、形態2の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例DGAT2i)(10.0g、24.6mmol、1.00当量)、メチルエチルケトン(8.8mL/g)、88.0mL)、および水(1.2mL/g、12.0mL)を装入した。反応器を30分かけて50℃に加熱した。およそ44℃で完全な溶液が出現した。反応器を30分かけて40℃に冷却し、次いで、シードである形態1の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例DGAT2i)(0.050g、0.123mmol、0.0050当量)を装入した。シード添加後、濁りのあるスラリーを1時間撹拌した後、2時間かけて5℃に冷却し、次いで、5℃で12時間撹拌した。工程内管理サンプルを取り出し、PXRD分析によって特徴付けて、固体が形態1であったことを確認した。スラリーを濾過し、反応器およびケークを0℃のメチルエチルケトン(2.5mL/g、25mL)で洗浄した。固体を真空オーブンにおいて50℃で乾燥させて、8.15g(81.5%)の所望の生成物を得た。所望の生成物のPXRDパターンは、形態1の実施例DGAT2iと一致した。
粉末X線回折:
粉末X線回折分析は、Cu放射線源(Kα−平均波長1.54056Å)を備えたBruker AXS D8 Advance回折計に、Gobel鏡を主に利用するツイン(twin primary utilizing a gobel mirror)を備え付けたものを使用して行った。回折された放射線は、PSD−Lynx Eye検出器で検出した。一次および二次両方が2.5ソーラースリットを備えた。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。データは、シータ−シータゴニオメーターにおいて、1ステップあたり6秒の走査スピードを使用する1000ステップでの3.0〜40.0度2シータのロックドカップル走査で収集した。サンプルを低バックグラウンドケイ素サンプル保持器(C79298A3244B261)に入れて準備した。Bruker DIFFRAC Plusソフトウェアを使用してデータを収集した。EVA diffract plusソフトウェアによって解析を行った。
【0572】
PXRDデータファイルは、ピーク検索より前には加工しなかった。EVAソフトウェアにおいてピーク検索アルゴリズムを使用して、閾値を5、幅の値を0.2としてピークを選抜した。自動化による割当ての出力を目視によって確認して有効性を確実にし、必要なら、調整を手作業で行った。一般に、相対強度が3%以上であるピークを選択した。分解されなかった、またはノイズと一致したピークも放棄した。USPに記載のPXRDからのピーク位置と対応付けられる典型的な誤差は、+/−0.2°内である(USP−941)。
【0573】
【表21】
【0574】
図1は、実施例DGAT2i化合物の結晶質形態1を示す特徴的なX線粉末回折パターンである(縦軸:強度(CPS)、横軸:2シータ(度))。
図2は、実施例DGAT2i化合物の結晶質形態2を示す特徴的なX線粉末回折パターンである(縦軸:強度(CPS)、横軸:2シータ(度))。
実施例FXRa(「トロピフェキソール」):
中間体
【0575】
【化58-1】
【0576】
【化58-2】
【0577】
2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドオキシム(I−1B)。水酸化ナトリウム(7g、175.00mmol、1.19当量)の水(120mL)溶液に、0℃で、撹拌したNH
2OH.HCl(11.8g、169.78mmol、1.15当量)の水(120mL)溶液を加えた。得られる溶液を0℃で10分間撹拌した。次いで、2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(28g、147.29mmol、1.00当量)のエタノール(120mL)溶液を加えた。得られる溶液を室温でさらに1時間撹拌した。得られる溶液を、500mlのH
2Oで希釈し、2×700mLの酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、2×300mLのブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮して、(E)−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドオキシムをオフホワイト色の結晶質固体として得た。
【0578】
N−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズイミドイルクロリド(I−1C)。撹拌した(E)−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドオキシム(30g、146.27mmol、1.00当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(300mL)溶液に、内部温度を25℃未満に保ちながら、NCS(22g、166.04mmol、1.12当量)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。得られる溶液を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(5×300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮して、(Z)−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリドオキシムを淡黄色の結晶質固体として得た。
【0579】
メチル5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−カルボキシレート(I−1D)。炭酸カリウム(11g、79.7mmol、1.09当量)をTHF(100mL)に懸濁させ、混合物を撹拌した。上記の撹拌した混合物に、メチル3−シクロプロピル−3−オキソプロパノエート(11g、77.5mmol、1.06当量)の50mlのTHF溶液を加え、−10℃で30分間撹拌した。この反応混合物に、−5℃で、(Z)−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリドオキシム(17.6g、73.3mmol、1.00当量)のTHF(50mL)溶液を加え、次いで、35℃で6時間撹拌した。反応混合物を200mLのH
2Oで希釈し、酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。有機層をブライン(2×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮し、次いで、酢酸エチル/石油エーテル(1:100〜1:20)溶離液を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−カルボキシレートを白色の固体として得た。
【0580】
(5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)−メタノール(I−1E)。250mLの丸底フラスコを、窒素でパージし、LiAlH
4(2.5g、65.8mmol、2.87当量)のテトラヒドロフラン(50mL)懸濁液を加えた。この後、−10℃で、メチル5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−カルボキシレート(7.5g、22.9mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を滴下によって加えた。得られる反応混合物を−10℃で30分間撹拌した。反応が完了したら、3mLの酢酸エチルに続いて3mLの水およびO
1mLの15%NaOH水溶液を、すべて激しい撹拌を維持しながら加えることにより、失活させた。得られる白色の沈殿をcelite(登録商標)で濾過し、濾過ケークを200mLの酢酸エチルで洗浄した。濾液をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。これにより、7gの(5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)メタノールが黄色の油状物として得られた。(
1H-NM(300 MHz, CDCl
3) δ7.56 (m, 2H), 7.41 (m, 2H), 4.50 (s, 2H), 2.20 (m, 1H), 1.72 (s, 1H, --OH) 1.11-1.28 (m, 4H).
4−(ブロモメチル)−5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イソオキサゾール(I−1F)。100mLの丸底フラスコに、(5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)−メタノール(4g、13.3mmol)、トリフェニルホスフィン(5.6g、20mmol、1.5当量)、およびジクロロメタン(40mL)を入れた。完全に溶解するまで混合物を撹拌し、次いで、撹拌状態の四臭化炭素(6.6g、20mmol、1.5当量)のジクロロメタン(20ml)溶液中にカニューレでゆっくりと滴下した。混合物を1時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を蒸発させた。粗残渣を、0〜50%の勾配の酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物が無色の油状物として得られた。MS m/z 361.9/363.9(M+1、Br
79/Br
81同位体パターン)。
【0581】
tert−ブチル3−((5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(I−1G)。250mLのフラスコを窒素でパージし、N−Boc−ノルトロピン(2.9g、12.8mmol)、18−クラウン−6(3.4g、12.8mmol)、および無水テトラヒドロフラン(80mL)を装入した。カリウムtert−ブトキシド(2.9g、25.6mmol)を少量ずつ加え、混合物を窒素中で1時間激しく撹拌した。4−(ブロモメチル)−5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イソオキサゾール(4.18g、11.6mmol)を無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、滴下によって加え、反応混合物を窒素陽圧下で終夜撹拌した。真空下で溶媒を除去し、混合物を水(100mL)および酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を分離し、無水MgSO
4で乾燥させ、真空下で蒸発にかけた。粗残渣を、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を黄色の油状物として得た。MS m/z 509.2(M+1)。
【0582】
4−((8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)メチル)−5−シクロプロプル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(I−1H)。tert−ブチル−3−((5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートを20%のトリフルオロ酢酸ジクロロメタン溶液30mLに溶解させた。溶液を室温で1時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残渣を酢酸エチル(125mL)に溶解させ、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(100mL)で洗浄し、有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、真空下で蒸発にかけた。粗残渣を、0〜20%のエタノール/ジクロロメタンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を無色の油状物として得た。MS m/z 409.2(M+1)。
1H NMR (DMSOd.sub.6, 400 MHz); δ8.51 (br s, 1H, NH), 7.72-7.68 (m, 1H), 7.64 (dd, J=7.6, 1.8 Hz, 1H), 7.58-7.52 (m, 2H), 4.33 (s, 2H), 3.81 (bs, 2H), 3.55 (t, J=4.5 Hz, 1H), 2.36-2.33 (m, 1H), 1.98 (見かけ上dt, J=14.8, 4.0 Hz, 2H), 1.91-1.76 (m, 6H), 1.14-1.07 (m, 4H).
4−((8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)メチル)−5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオルオメチル)フェニル)イソオキサゾール(I−1I)を、同じ手順に従って調製した。MS m/z 393.2(M+1)。
1H NMR (DMSOd
6, 400 MHz); δ8.51 (br s, 1H, NH), 7.92 (d, J=8.0, 1.8 Hz, 1H), 7.81 (見かけ上t, J=7.1 Hz, 1H), 7.78 (見かけ上t, J=7.1 Hz, 1H), 7.58 (d, J=7.3 Hz, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.81 (bs, 2H), 3.52 (t, J=3.7 Hz, 1H), 2.36-2.33 (m, 1H), 1.92 (見かけ上dt, J=14.8, 4.0 Hz, 2H), 1.81-1.69 (m, 6H), 1.14-1.09 (m, 4H).
4−((8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)メチル)−5−シクロプロピル−3−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(I−1J)を、同じ手順に従って調製した。MS m/z 391.3(M+1)。
1H NMR (CDCl.sub.3, 400 MHz); δ9.10 (br s, 1H, NH), 7.32 (見かけ上t, J=8.4 Hz, 2H), 7.26 (見かけ上d, J=8.4 Hz, 2H), 6.44 (t, J=74 Hz, 1H, CHF
2), 4.32 (s, 2H), 3.82 (bs, 2H), 3.56 (t, J=4.0 Hz, 1H), 2.32 (見かけ上dt, J=15.2, 4.6 Hz, 2H), 2.08-2.04 (m, 1H), 1.98-1.89 (m, 4H), 1.78 (見かけ上br d, J=15.9 Hz, 2H), 1.26-1.20 (m, 2H), 1.14-1.09 (m, 2H).
4−((8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)メチル)−5−シクロプロピル−3−(2,6−ジフルオロフェニル)イソオキサゾール(I−1K)を、同じ手順に従って調製した。MS m/z 361.2(M+1)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz); δ 9.18 (br s, 1H, NH), 7.48-7.40 (m, 1H), 7.06-6.99 (m, 2H), 4.31 (s, 2H), 3.82 (bs, 2H), 3.59 (t, J=4.7 Hz, 1H), 2.16 (見かけ上dt, J=15.9, 4.0 Hz, 2H), 2.09-2.02 (m, 1H), 1.98-1.92 (m, 4H), 1.76 (見かけ上br d, J=15.2 Hz, 2H), 1.26-1.19 (m, 2H), 1.15-1.09 (m, 2H).
実施例FXRa:トロピフェキソール
【0583】
【化59】
【0584】
メチル2−(3−((5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(I−1A)。撹拌子を備えた25mLの丸底フラスコに、4−((8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)メチル)−5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(I−1H)(0.525g、1.29mmol)、3.6mLのN,N−ジメチルアセトアミド、炭酸セシウム(1.08g、3.31mmol)、およびメチル2−ブロモ−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(1.12g、3.87mmoles)を順次加えた。得られるスラリーを室温で10分間撹拌した後、次いで、混合物を60℃に加温し、1時間撹拌した。反応スラリーを室温に冷まし、200mLの酢酸エチルで希釈し、水(3×30mL)で洗浄した。有機抽出物を真空濃縮し、順相シリカゲルクロマトグラフィー(40gシリカカラム)を、10%〜60%の酢酸エチル/ヘキサンの15分の勾配で使用して直接精製した。所望の画分を真空濃縮し、静置すると、得られた残渣が結晶して、所望の生成物が白色の結晶質固体として得られた。
【0585】
2−[3−({5−シクロプロピル]−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(I−1B)。撹拌子を備えた25mLの丸底フラスコに、メチル2−(3−((5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(0.55g、0.89mmol)、4.0mLのTHF、2.0mLのMeOH、および3N KOH水溶液(1mL、3mmol)を順次加えた。得られる均一な溶液を70℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、次いで、pH=6に達するまで(WhatmanクラスのpH試験紙)、AcOH(およそ0.2mLの氷酢酸、3mmoles)で失活させた。この時点で、反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(3×5mL)で洗浄した。酢酸エチル画分を真空濃縮して、油性残渣を得た。得られた油状物に、次いで6mLのMeOHを加えた。油状物は、速やかに溶解し、次いで、直ちに結晶し始めた。2.5時間静置したら、母液を抜き取り、結晶を洗浄した(3×2mLの氷冷MeOH)。結晶を真空乾燥し(45℃で10mmHgの圧力、終夜)、次いで、アセトニトリルから再結晶させ、濾過し、真空乾燥して、所望の生成物である2−(3−((5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸を得た。
【0586】
2−[3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(I−2B)。実施例1−2Aおよび対応する酸1−2Bは、中間体4−((8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)メチル)−5−シクロプロピル−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾールの反応から、同じ手順に従って調製することができる。
物理データ Ex MS(m/z)、
1H NMR
トロピフェキソール
【0587】
【化60】
【0588】
元素分析(C
30H
29F
4N
3O
6S):C 56.69、H 4.60、N 6.61;実測値:C 56.79、H 4.61、N 6.65。MS m/z 604.2(M+1)。
1H NMR (MeOD, 400 MHz) δ 8.03 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.57-7.53 (m, 2H), 7.49 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 2H), 7.41 (見かけ上t, J = 7.6, 1H), 4.31 (s, 2H), 4.22 (広幅なs, 2H), 3.50 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 2.22-2.15 (m, 1H), 2.00 (見かけ上dt, J = 14.8, 4.0 Hz, 2H), 1.91-1.81 (m, 4H), 1.75 (d, J = 14.4, 2H), 1.10-1.05 (m, 4H).
実施例KHKi(KHKi化合物):
[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸
【0589】
【化61】
【0590】
ステップ1:
メチル{(1R,5S,6s)−3−[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル}アセテート
メチル(1R,5S,6s)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルアセテート塩酸塩(120.2g、627.2mmol)のDCM(1250mL)溶液に、−72℃で、DCM(50ml)中の2,4−ジクロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン(145.7g、671.5mmol)を滴下し、付加漏斗をDCM(50ml)で洗浄し、洗液を反応フラスコに加えた。反応温度を−70℃〜−60℃の間に保ちながら、DIPEA(273mL、1570mmol)を10分かけて加えた。混合物を−65℃〜−63℃で1時間撹拌し、次いで、3時間かけて25℃に加温した。得られる透明な溶液を、当初の体積の約1/5に濃縮した。得られた重いスラリーに、MTBE(700mL)およびヘプタン(700mL)を加え、得られるスラリーを25℃で10分間撹拌し、次いで、固体を濾別し、MTBE−ヘプタン(4:1)で洗浄した。合わせた母液を真空濃縮して油状物とし、これをヘプタン(1200mL)と合わせた。得られた不均一混合物を25℃で2.5日間撹拌した。白色の固体が生成した。液体をデカントし、固体をヘプタン(200mL)で洗浄し、窒素流中で乾燥させた。得られた表題生成物を、さらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 6.47 (s, 1H), 4.07 (d, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.53-3.68 (m, 3H), 2.36-2.49 (m, 1H), 2.21-2.34 (m, 1H), 1.60-1.73 (m, 2H), 0.88-0.97 (m, 1H).
ステップ2
ステップ1からのメチル{(1R,5S,6s)−3−[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル}アセテートをアセトニトリル(1500mL)に溶解させ、(2S)−2−メチルアゼチジニウム[(1R,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル]メタンスルホネート(223.0g、735mmol)を加えた。混合物を60℃で撹拌し、DIPEA(77.0mL、442mmol)を3時間かけて加えた。混合物を3時間撹拌し、次いで、DIPEA(180mL、1.03mol)を3時間かけて加え、混合物を60℃で18時間撹拌した。追加の(2S)−2−メチルアゼチジニウム[(1R,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル]メタンスルホネート(18.0g、59mmol)を加え、混合物を60℃でもう18時間撹拌した。混合物を当初の体積の約1/4に濃縮し、得られた黄色の油状物を500mLの水と400mLのヘプタンと400mLのMTBEとに分配した。水相を分離し、MTBE−ヘプタン(1:1)混合物(2×150mL)で再び抽出した。合わせた有機抽出物を120mLの飽和NaHCO
3(120mL)で洗浄し、次いで、SiO
2(70g)および無水MgSO
4(70g)と共に撹拌した。固体を濾別し、透明な溶液を濃縮して、216.6gの実施例FXRaが無色の油状物として得られた。
MS(ES+):371.1(M+H)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 5.91 (s, 1H), 4.37-4.48 (m, 1H), 3.87-4.05 (m, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.50-3.64 (m, 1H),3.41-3.50 (m, 2H), 2.33-2.42 (m, 1H), 2.31 (d, 2H), 1.88-1.99 (m, 1H), 1.52-1.59 (m, 2H), 1.49 (d, 3H), 0.88-0.96 (m, 1H).
ステップ3
撹拌した未精製のメチル[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]アセテートのメタノール溶液(650mL)に、5℃〜15℃で攪拌しながら、水酸化ナトリウム(35.1g、877mmol)の水(70mL)溶液を少量ずつ加えた。混合物は、30分で透明になった。透明な溶液を室温で3時間撹拌し、次いで、当初の体積の約1/3に濃縮し、残渣を水(750mL)およびブライン(250mL)で希釈し、次いで、MTBE(260mL)とヘプタン(130mL)の混合物で洗浄した。有機洗液は捨てた。水相をMTBE−ヘプタン(2:1)混合物(2×300mL)で洗浄し、有機層を捨てた。次いで、水層をMTBE(250mL)およびヘプタン(250mL)と合わせ、0℃に冷却した。0℃〜4℃でゆっくりと撹拌しながら、6M HCl水溶液(130mL)を加えた後、1M KHSO
4水溶液(150mL)を加え、得られた混合物を15分間撹拌した。有機相を分離し、水相を、MTBE(170mL)とヘプタン(170mL)の混合物でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を水−ブライン(1:1)混合物(150mL)で洗浄し、無水MgSO
4(60g)およびSiO
2(60g)で乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色の油状物を得た。これを(濃縮されたMTBE溶液として)、同規模で同一条件を使用して調製した別の回分と合わせた。合わせたMTBE溶液を真空濃縮し、次いでヘプタン(2000mL)を加え、懸濁液を、真空度を徐々に上げながら再び濃縮して、所望の生成物(406.0g)を得た。この材料の一部(196g)を60℃〜63℃でMTBE(220mL)に溶解させ、ゆっくりと撹拌し、55℃〜60℃でヘプタン(1500mL)を加えた。混合物を、結晶質の表題化合物(50mg)でシード添加した。混合物を60℃で30分間撹拌し、次いで、追加のヘプタン(1700mL)を20分かけて加えた。不均一混合物を60℃で2時間撹拌し、次いで、ゆっくりと25℃に冷却し、20時間撹拌した。少量の固体がフラスコ壁面にこびりついたが、スパチュラを用いて容易に液相に移され、混合物を25℃で24時間さらに撹拌した。固体を濾別し、ヘプタン中5%のMTBEで洗浄し、50℃で48時間真空乾燥して、実施例KHKiを白色の結晶質固体(178.2g、3ステップで73%)として得た。実施例KHKiの結晶質固体は、シード添加なしでも、同様の精製条件を使用して取得された。
融点:122〜123℃、[α]
D+86.3°(CDCl
3、c=1.37)。MS(ES+):357.3(M+H)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 10.84 (br. s, 1H), 5.92 (s, 1H), 4.38-4.51 (m, 1H), 3.89-4.10 (m, 3H), 3.53-3.66 (m, 1H), 3.41-3.53 (m, 2H), 2.30-2.46 (m, 3H), 1.94 (ddt, 1H), 1.55-1.63 (m, 2H), 1.50 (d, 3H), 0.94 (m, 1H).
粉末X線回折分析は、Cu放射線源を備えたBruker AXS D4 Endeavor回折計を使用して行った。発散スリットは、0.6mmに設定し、二次的光学素子では、可変スリットを使用した。回折された放射線は、PSD−Lynx Eye検出器で検出した。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。シータ−2シータゴニオメーターにおいて、0.020度のステップサイズおよび0.3秒のステップ時間を使用して、2シータ角3.0度から40.0度まで、Cu波長Kα
1=1.54056Åでデータを収集した。サンプルを低バックグラウンドケイ素サンプル保持器に入れて準備し、収集の間回転させた。Bruker DIFFRAC Plusソフトウェアを使用してデータを収集し、EVA diffract plusソフトウェアによって解析を行った。
【0591】
ピーク検索より前にPXRDデータファイルは加工しなかった。EVAソフトウェアにおいてピーク検索アルゴリズムを使用して、閾値を1としてピークを選抜し、幅の値0.3を使用して、予備的なピーク割当てを行った。自動化による割当ての出力を目視によって確認して有効性を確実にし、必要なら、調整を手作業で行った。一般に、相対強度が3%以上であるピークを選択した。分解されなかった、またはノイズと一致したピークも放棄した。USPおよびJPに記載のPXRDからのピーク位置と対応付けられる典型的な誤差は、+/−0.2°までである。
【0592】
実施例KHKiの結晶質の遊離酸についての特徴的なピークは、約9.0、10.4、15.0、および21.4+/−0.2°の角2θ(°)値を含む。実施例KHKiの結晶質の遊離酸のさらに別の態様は、特徴的なピークが、約9.0、15.0 19.6、21.4、および26.5+/−0.2°の角2θ(°)値を含む場合である。実施例KHKiの結晶質の遊離酸のさらに別の態様は、特徴的なピークが、約9.0、10.4、11.5、15.0、16.5、19.6、21.4、および26.5+/−0.2°の角2θ(°)値を含む場合である。実施例KHKiの結晶質の遊離酸のさらに別の態様は、特徴的なピークが、約10.4、11.5、15.0、19.6、および26.5+/−0.2°の角2θ(°)値を含む場合である。表10に、実施例KHKiの結晶質の遊離酸についてのPXRDピーク一覧を示し、+/−0.2°が前記ピークに適用される。
図1は、実施例KHKiの結晶質の遊離酸のPXRDパターンを示す。
【0593】
【表22】
【0594】
付加的な薬理学および薬理学的データ
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(実施例ACCi)の薬理学
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸は、肝臓線維化を伴うNASHの治療用に現在開発中である、可逆的ACC1/2二重阻害薬である。本化合物は、肝臓に不均衡に分布するように設計されており、ラットおよびサルの両方において肝臓に100倍以上不均衡に分布し、そのため、肝臓において、末梢組織より高度に、脂質新生(DNL)を阻害し、脂肪酸酸化を刺激することが予想される。ヒトおよびラットACCアイソザイムの阻害についての用量反応実験を、非競合的阻害薬について阻害濃度(IC50)が酵素の平衡解離定数(Ki)に近付く、アデノシン三リン酸(ATP)の飽和濃度で行った。実施例ACCiの化合物は、[
14C]炭酸の[
14C]マロニルCoAへの取込みを濃度依存的に阻害した。ラットでは、ACC阻害薬によって、肝臓マロニルCoAの、用量および遊離血漿濃度依存的な減少が生じた。ヒトでは、健康な成人対象における第1相研究において、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の投与が、肝臓DNLを抑制することが示されており(Bergmanら、2017)、加えて、本薬物は、肝臓脂肪酸酸化を刺激し、したがって、肝臓における脂肪蓄積を減少させることが予想される。肝臓DNLのこの阻害は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)において認められる過剰なDNLの減少および正常化をもたらすと仮定される。加えて、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)における抗炎症効果の潜在的可能性も秘めている。
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例DGAT2i)の薬理学
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドは、NAFLDおよびNASHにおいて肝臓トリグリセリド(TG)合成および肝臓脂質負荷を低減することが仮定される、経口小分子DGAT2阻害薬である。in vitro生化学的評価によって、本化合物は、阻害した。(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの選択性は、組換え型ヒトDGAT1(hDGAT1)、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(MGAT2)、およびMGAT3を含む関係のあるアシルトランスフェラーゼ、ならびにマウスMGAT1に対して、2000倍より高い選択性を生化学的評価により証明するin vitro研究によって裏付けられた。(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドは、スクロース食を餌にしたラットにおいて、血漿トリアシルグリセロールの、堅調な用量依存的低下を示した。西洋食給餌ラットにおけるより長期の研究では、本化合物によって、血漿トリアシルグリセロールおよび肝臓脂質蓄積の両方が低減された。
トロピフェキソール(実施例FXRa)の薬理学
トロピフェキソールの薬理活性は、NASH治療のターゲットとして提案されている(Cariou、2008;Porezら、2012)。NASH治療のためのFXR作動薬の臨床的検証は、半合成胆汁酸であるオベチコール酸を用いて実証された(Neuschwander−Tetriら、2015)。胆汁酸受容体(BAR、NR1H4)としても知られる核内受容体FXRは、胆汁酸産生、抱合、および解毒の調節を担う。トロピフェキソールは、強力かつ選択的な非ステロイド性FXR作動薬である。単一用量および複数回用量の両方のトロピフェキソールによって、循環FGF19レベルの、堅調な用量依存的増大がもたらされた。
[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸(実施例KHKi)の薬理学
[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸は、ヒトKHK−Cの強力な可逆的阻害薬である。グルコースではなくフルクトースの方の、食事性糖質構成要素は、脂肪変性、インスリン抵抗性、および肥満を始めとするメタボリック症候群の特徴を促進する能力を有する点が独特である。Sprague Dawleyラットを用いた食事性フルクトース給餌モデルでは、本化合物によって、フルクトース誘発性脂肪変性の発生率が低減された。
【0595】
本出願全体において、種々の刊行物を参照文献として引用している。それら刊行物のその全体としての開示が、すべての意図で参照により本出願に組み込まれる。
当業者には、本発明の範囲および真意から逸脱することなく、本発明において種々の改良および変更がなされてよいことが理解されよう。本発明の他の態様は、本明細書を検討し、本明細書で開示する本発明を実施することで、当業者に明白となろう。本明細書および実施例は、例示的としかみなされず、本発明の正当な範囲および真意は、以下の特許請求の範囲によって示されるものとする。