特開2020-200467(P2020-200467A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020200467-光ファイバ被覆及び組成 図000077
  • 特開2020200467-光ファイバ被覆及び組成 図000078
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200467(P2020-200467A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】光ファイバ被覆及び組成
(51)【国際特許分類】
   C09D 4/02 20060101AFI20201120BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20201120BHJP
   C08F 20/26 20060101ALI20201120BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   C09D4/02
   C09D7/63
   C08F20/26
   G02B6/44 301A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2020-131647(P2020-131647)
(22)【出願日】2020年8月3日
(62)【分割の表示】特願2016-571046(P2016-571046)の分割
【原出願日】2015年6月4日
(31)【優先権主張番号】62/007,448
(32)【優先日】2014年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウィリアム ボテリョ
(72)【発明者】
【氏名】ルチ タンドン
【テーマコード(参考)】
2H250
4J038
4J100
【Fターム(参考)】
2H250BB07
2H250BB33
2H250BC02
2H250BD14
4J038FA072
4J038FA111
4J038FA282
4J038GA11
4J038KA03
4J038PA17
4J038PB08
4J038PB09
4J038PC03
4J038PC08
4J100AL08P
4J100BA08P
4J100BC43P
4J100CA01
4J100DA49
4J100DA51
4J100DA61
4J100JA01
4J100JA35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光ファイバ被覆からの環境に有害な成分(またはその前駆体)の放出を防止するかまたは最小限に抑えるための、被覆組成物、及び被覆組成物中のアルコキシ化アルキルアクリレートモノマー内の残留ポリオール成分を誘導体化する方法を提供する。
【解決手段】被覆組成は、特定の、処理されたアクリレートモノマー、及び、例えばイソシアネート基を有する誘導体化剤を含む。誘導体化方式は、残留ポリオールの末端ヒドロキシ基の、ウレタン結合を形成する、イソシアネート基との反応を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式:
【化1】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【化2】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含むことを特徴とする被覆組成物。
【請求項2】
がアルキル基であり、Rが直鎖状アルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載の被覆組成物。
【請求項3】
がHまたはメチル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆組成物。
【請求項4】
がCまたはさらに高級なアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆組成物。
【請求項5】
がメチレン、エチレンまたはプロピレンであり、RがHであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の被覆組成物。
【請求項6】
が芳香族基を含み、Rがメチレン、エチレンまたはプロピレンであり、RがHであることを特徴とする請求項1に記載の被覆組成物。
【請求項7】
がノニル置換フェニル基であり、Rがエチレンであり、RがHであることを特徴とする請求項1に記載の被覆組成物。
【請求項8】
前記誘導体化合物が:
【化3】
であり、Rがイソシアネート基を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載に被覆組成物。
【請求項9】
前記誘導体化合物が:
【化4】
であり、Rが:
【化5】
であることを特徴とする請求項8に記載の被覆組成物。
【請求項10】
光開始剤及びオリゴマーをさらに含み、前記オリゴマーが2つ以上のアクリレート基を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の被覆組成物。
【請求項11】
化学式:
【化6】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【化7】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含む被覆組成物の硬化生成物。
【請求項12】
前記硬化生成物が化学式:
【化8】
を有するポリオール化合物をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の硬化生成物。
【請求項13】
前記硬化生成物内の前記ポリオール化合物の濃度が0.10重量%より低いことを特徴とする請求項12に記載の硬化生成物。
【請求項14】
がノニル置換フェニル基であり、Rがエチレンであり、RがHであることを特徴とする請求項13に記載の硬化生成物。
【請求項15】
被覆組成物を形成するため、モノマー組成物をオリゴマーと混合する工程、前記モノマー組成物は、
化学式:
【化9】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【化10】
を有するポリオールを含む、
及び
前記被覆組成物を誘導体化剤で処理する工程、前記誘導体化剤は前記ポリオールを化学式:
【化11】
を有する誘導体化合物に変換する、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含むことを特徴とする被覆を形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は2014年6月4日に出願された米国仮特許出願第62/007448号の米国特許法第119条の下の優先権の恩典を主張する。本明細書は上記出願の明細書の内容に依拠し、上記出願の明細書の内容はその全体が本明細書に参照として含められる。
【技術分野】
【0002】
本開示は光ファイバのための被覆及び被覆組成に関する。さらに詳しくは、本開示は光ファイバのための被覆組成の成分としてのアルコキシ化アクリレートモノマーに関する。さらに詳しくは、本開示はポリオール出発材料で形成された、モノマー内の残留未反応ポリオール出発材料がヒドロキシ基またはアルコール基を誘導体化するために処理されている、アルコキシ化アクリレートモノマーに関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバの光伝送性能は製造中にファイバに施されるポリマー被覆の特性に強く依存する。一般に、軟質内層一次被覆がガラスファイバに接触していて、硬質の外層一次または外層二次被覆が内層一次被覆を囲んでいる、二層被覆系が用いられる。硬質被覆によりファイバのハンドリング及びさらなる処理が可能になり、一方、軟質被覆は、外力の散逸及び、マイクロベンド誘起光減衰を生じさせ得る、外力のファイバへの伝達の防止に重要な役割を果たす。
【0004】
内層一次被覆の機能要件はそのような被覆に用いられる材料に様々な要件を課す。内層一次被覆のヤング率は一般に1MPaより小さく、あるいは0.5MPaより小さい。内層一次被覆のガラス転移温度は、ファイバが低温にさらされたときに被覆が軟質のままであることを確実に保証するため、5℃より低く、理想的には約−20℃以下である。ファイバ上への一様被着を確実に保証するため、被覆は液状でファイバに塗布されて、外層一次被覆の塗布を支持するに十分な構造一体性を有する固体を迅速に形成しなければならない。また、一般に弾性率が低くなるにつれて低下する、被覆の引張り強度も、線引きプロセスまたはその後のケーブル化中の被覆ファイバの処理、等の間の、裂け欠陥を防止するに十分に高くなければならない。外層二次被覆に対する機能要件には、機械的強靱性を与える特性がある。外層二次被覆のヤング率は一般に1200MPaより大きく、あるいは1400MPaより大きい。外層二次被覆のガラス転移温度は、30℃より高いか、または40℃より高いか、または50℃より高いことが好ましい。
【0005】
これらの要件を満たすため、光ファイバ被覆は従来、放射線硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー及び放射線硬化性アクリレート官能性希釈モノマーの混合物として配合されている。光開始剤の存在の下で露光されると、アクリレート基は迅速に重合して、オリゴマー主鎖に沿うウレタン基の間の水素結合相互作用によってさらに強化される、架橋ポリマー網目構造を形成する。化学式、分子量及びアクリレートモノマーとウレタンアクリレートオリゴマーの相対比を変えることにより、非常に低い弾性率値及び低いガラス転移温度を有し、それでも、一次被覆として機能するに十分な引張り強度を有する被覆を、また二次被覆として機能するに十分に高い弾性率値及びガラス転移温度を有する被覆も、形成することが可能である。数多くの光ファイバ被覆配合が技術において開示されていて、それらの開示においては被覆配合の組成が広範な特性をカバーする硬化被覆における様々な目標を達成するために変えられている。
【0006】
希釈モノマーは一般に被覆組成のオリゴマー成分より低い分子量を有し、被覆組成の粘度を制御することで処理を容易にするためにある程度含められる。また希釈モノマーは一般に反応性であり、ファイバのための最終被覆を形成する硬化反応に参与する。希釈モノマーは単官能性アクリレートモノマーであることが多い。希釈モノマーの一般類は、ポリオールとアルキル置換メタクリル酸の反応により作製することができる、アルコキシ化アルキルアクリレートである。代表的な条件の下で、アルコキシ化アルキルアクリレートを形成するための反応は不完全であり、アルコキシ化アルキルアクリレート製品はある量の残留未反応出発材料を含んでいる。アルコキシ化アルキルアクリレート製品の精製は費用がかかるから、またアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを含有している組成の硬化によって形成される被覆内の残留未反応出発材料の存在は被覆の機械的特性及び引張り特性に有意な影響を与えないから、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは未精製形態で用いられることが多く、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーに基づく被覆組成は、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの合成に用いられた残留未反応出発材料を含有し得る。
【0007】
被覆組成内のアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの合成からの未反応出発材料の存在は硬化プロセスまたは被覆組成から硬化された被覆の特性に有意な影響を与えないが、未処理出発材料がファイバ被覆に取り込まれることになり得る。ファイバ被覆内に存在する不純物及び残留物質は、ファイバが年数を経るにつれて被覆から浸出し得ることが最近認識された。ファイバ被覆から浸出する成分が有毒であるかまたは環境に有害であるか否かに関心が高まっている。
【0008】
アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを含有する被覆において、最近の関心はファイバ被覆からの、エトキシ化ノニルフェノールのような、残留未反応ヒドロキシ化合物の浸出に集中している。エトキシ化ノニルフェノール及びその他のアルコキシ化アルコールは本明細書においてポリオールと称されることがある。例えば、欧州連合は最近エトキシ化ノニルフェノールを環境負荷物質と認定した。エトキシ化ノニルフェノールは、ファイバ被覆における希釈モノマーとして広く用いられている、エトキシ化ノニルフェノールアクリレートのための出発材料である。標準的な市販のエトキシ化ノニルフェノールアクリレートモノマーは一般に1重量%以上の未反応エトキシ化ノニルフェノールを含有する。エトキシ化ノニルフェノールアクリレートモノマーから形成されたファイバ被覆にはある量の残留未反応エトキシ化ノニルフェノールが存在し、残留未反応エトキシ化ノニルフェノールはファイバ被覆から浸出し易い。エトキシ化ノニルフェノールは、浸出すると、分解してノニルフェノールを形成することができる。環境的観点から、ノニルフェノールは、海洋生物に対して有害であることが知られているから、規制物質である。現行の欧州連合の規制はエトキシ化ノニルフェノールの最大レベルを0.1重量%と指定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを含有する組成から形成された被覆の有益な特性を考えれば、低減されたレベルの未反応エトキシ化ノニルフェノールを含有するアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーに基づく、被覆組成を開発することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は光ファイバのための被覆組成及び被覆に用いるための処理されたモノマーを提供する。被覆組成は、一次被覆、二次被覆、またはファイバリボンのための被覆を形成するために用いることができる。被覆組成は、1つ以上のモノマー、1つ以上のオリゴマー、硬化剤及び1つ以上の必要に応じる添加剤を含むことができる。
【0011】
本開示は、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーが通常、ポリオールのアクリレート化反応によって作製されること、及び従来のアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーソースはある量の残留ポリオール出発材料を含有することが多いということを認識する。硬化して被覆を形成するときに、残留ポリオールは、被覆に取り込まれることができ、後に被覆から放出される。放出されたポリオールは続いて分解して対応する非アルコキシ化アルコールになることができ、これは環境に対して脅威を与え得る。
【0012】
本開示の目的は、おこり得るファイバ被覆からの環境に有害な成分(またはその前駆体)の放出を防止するかまたは最小限に抑えることである。本明細書に開示される方策は、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー内の残留ポリオール成分を環境に優しい及び/またはファイバ被覆から放出され難い誘導体形態に変換する誘導体化方式を提供する。この誘導体化方式において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは末端アルコール基と反応して誘導体化合物を与える誘導体化剤で処理される。この誘導体化合物において、末端アルコール基は異なる官能基にされる。したがって、誘導体化合物は末端アルコール基を欠き、対応する非アルコキシ化アルコールまたはその他の低級アルコキシ化アルコールに分解するか、そうではなくとも元に戻る、可能性はほとんどない。
【0013】
一実施形態において、誘導体化剤はイソシアネート基を有し、誘導体化方式は残留ポリオールの末端ヒドロキシ基の、ウレタン結合を形成する、イソシアネート基との反応を含む。誘導体化剤は1つ以上のイソシアネート基を有することができる。一実施形態において、誘導体化剤はジイソシアネート化合物であり、ジイソシアネート化合物のそれぞれのイソシアネート基はポリオールの対応基と反応する。
【0014】
誘導体化反応は被覆配合プロセスの様々な段階で行われ得る。誘導体化剤による処理は被覆組成の硬化の前に行われることが好ましい。誘導体化剤によるアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの処理はアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーだけと、または被覆組成の1つ以上の他の成分との混合物において、行われ得る。一実施形態において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーが、被覆組成を形成するためにモノマーが他の成分と混合される前に、残留ポリオールを誘導体化するために誘導体化剤によって処理される。別の実施形態において、未処理アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーがオリゴマーと混合され、混合物が被覆組成の他の成分を添加する前に誘導体化剤によって処理される。また別の実施形態において、未処理アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーが被覆組成の他の全ての成分と混合され、続いて、被覆組成が誘導体化剤によって処理される。
【0015】
一実施形態において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーが、被覆組成に組み入れられる前に、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー内の残留ポリオールの濃度を1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満、まで低減するに十分な量の誘導体化剤によって処理される。処理されたアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは次いで被覆組成を形成するために他の成分と混合することができる。別の実施形態において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーが、被覆組成に組み入れられる前に、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの他の被覆成分との混合によって作製される、被覆組成内の残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満、まで低減するに十分な量の誘導体化剤によって処理される。
【0016】
別の実施形態において、未処理アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーが被覆組成の1つ以上の他の成分と混合され、混合物が混合物内の残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満、まで低減するに十分な量の誘導体化剤によって処理される。
【0017】
別の実施形態において、ポリオールブロックをもつオリゴマーが、被覆組成に組み入れられる前に、残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満、まで低減するに十分な量の誘導体化剤によって処理される。処理されたアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは次いで被覆組成を形成するために他の成分と混合することができる。
【0018】
(いつ誘導体化剤が加えられたかにかかわらず)処理されたアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを含有する被覆組成は硬化されて被覆またはその他の硬化生成物を形成する。得られる被覆または硬化生成物は、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満の残留ポリオール濃度を有することができる。
【0019】
被覆組成はポリオールブロックをもつオリゴマーを含有することができる。ポリオールブロックをもつオリゴマーはポリオールから作製することができ、ある量の残留未反応ポリオールを含み得る。未反応ポリオールは、ポリオールブロックをもつオリゴマーを含有する被覆組成を硬化させることで形成される被覆内に取り込まれ得る。残留ポリオールを含有しているオリゴマーは、末端ヒドロキシ基を欠いている誘導体形態に残留ポリオールを変換するため、誘導体化剤で処理することができる。ポリオールの誘導体形態は対応する非アルコキシ化アルコールまたはその他の低級アルコキシ化アルコールへの分解を受け難くなり得る。
【0020】
本開示は、
化学式:
【0021】
【化1】
【0022】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0023】
【化2】
【0024】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含有する被覆組成を包含する。
【0025】
本開示は、
化学式:
【0026】
【化3】
【0027】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0028】
【化4】
【0029】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含有する被覆組成の硬化生成物を包含する。
【0030】
本開示は、
ガラス及び被覆を有するファイバを包含し、被覆は、
化学式:
【0031】
【化5】
【0032】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0033】
【化6】
【0034】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含有する被覆組成の硬化生成物を含む。
【0035】
本開示は、被覆組成を形成するためにモノマー組成を誘導体化剤で処理する工程を含む、被覆を形成する方法を包含し、モノマー組成は、
化学式:
【0036】
【化7】
【0037】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0038】
【化8】
【0039】
を有するポリオール、
を含み、誘導体化剤はポリオールを、化学式:
【0040】
【化9】
【0041】
を有する誘導体化合物に変換する、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない。
【0042】
本開示は被覆を形成する方法を包含し、方法は、
被覆組成を形成するためにモノマー組成をオリゴマーと混合する工程、モノマー組成は、
化学式:
【0043】
【化10】
【0044】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0045】
【化11】
【0046】
を有するポリオール、
を含む、
及び
被覆組成を誘導体化剤で処理する工程、誘導体化剤はポリオールを、化学式:
【0047】
【化12】
【0048】
を有する誘導体化合物に変換する、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含む。
【0049】
さらなる特徴及び利点は以下の詳細な説明に述べられ、ある程度は、当業者にはその説明から容易に明らかであろうし、あるいは記述される説明及び添付される特許請求の範囲に、また添付図面にも、説明されるように実施形態を実践することによって認められるであろう。
【0050】
上記の全般的説明及び以下の詳細な説明がいずれも例示に過ぎず、特許請求の範囲の本質及び特質を理解するための概要または枠組みの提供が目的とされていることは当然である。
【0051】
添付図面はさらに深い理解を提供するために含められ、本明細書に組み入れられて本明細書の一部をなす。図面は本開示の選ばれた態様を図示し、本明細書とともに、本開示に包含される方法、生成物及び組成の原理及び動作の説明に役立つ。図面に示される特徴は本開示の選ばれた実施形態を説明し、必ずしも適切な比例尺で描かれてはいない。
【0052】
本明細書は本開示の主題を特に指し示し、明確に特許請求している特許請求の範囲で結ばれているが、本開示は添付図面とともに読まれたときに以下の詳細な説明から一層よく理解されるであろうと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1図1は、ジイソシアネート誘導体化剤による処理中の、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートモノマーに対するイソシアネート吸収帯の領域におけるFTIRスペクトルの時間発展を示す。
図2図2は、ジイソシアネート誘導体化剤による処理の前後の、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートのHPLC溶出ピークを示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本開示は光ファイバのための被覆組成及び被覆に用いるための処理されたモノマーを提供する。処理されたモノマーはアルコキシ化アルキルアクリレートモノマー及び、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーがそれから誘導され得る、対応するアルコキシ化アルキル出発材料の誘導体を含む。アルコキシ化アルキル出発材料はアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの、非アクリレート化ヒドロキシ基を含む、類似体である。アルコキシ化アルキル出発材料は本明細書においてポリオールまたは未反応ポリオール出発材料と称されることがある。ポリオールの誘導体はポリオールの末端アルコール基の反応によるポリオールの官能化によって形成される。未反応ポリオールの末端アルコール基の官能化により、ポリオールの非アルコキシ化アルキルアルコール類似体への分解を受けない(または受け難い)誘導体が得られる。処理されたモノマーは以降でさらに詳細に説明されるように、他のモノマー、オリゴマー及び添加剤を含むことができる、被覆組成の成分として含まれ得る。処理されたモノマーは被覆組成のオリゴマー成分の合成のための出発材料としても用いられ得る。
【0055】
アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーはファイバ用被覆及びその他の用途のための組成に用いられる希釈モノマーの一般類である。アルコキシ化アルキルアクリレートは一般式(I):
【0056】
【化13】
【0057】
を有する。ここで、Rはアルキレン基であり、Rは水素、アルキル基、芳香族基またはアルキル置換芳香族基であり、Rは水素またはアルキル基である。Rは、Cまたはさらに高級なアルキレン基、あるいはCまたはさらに高級なアルキレン基、あるいはCまたはさらに高級なアルキレン基、あるいはCまたはさらに高級なアルキレン基とすることができる。Rは直鎖状アルキレン基または分岐型アルキレン基であり得る。Rに対する実施形態には、メチレン(CH)、エチレン((CH))、n-プロピレン((CH))、またはさらに一般的に(CH)、ここでnは整数である、がある。Rに対する分岐型実施形態にはイソプロピレン及びイソブチレンがある。R及びRがアルキル基である場合、それぞれが直鎖状または分岐型であり得る。Rは、Cまたはさらに高級なアルキル基、あるいはCまたはさらに高級なアルキル基、あるいはCまたはさらに高級なアルキル基、あるいはCまたはさらに高級なアルキル基とすることができる。Rは、フェニル、フェニレン、またはアルキル置換フェニルのような、芳香族基を含むことができる。整数nは1〜12、または1〜10、または1〜8、または1〜6、または1〜4、または2〜9、または3〜8、または4〜16の範囲内にあり得る。整数nについて挙げられた範囲は端点を含む。
【0058】
アルコキシ化アルキルアクリレートは、一般式が(II)のポリオールと、(メタ)アクリル酸または一般式が(III)のアルキル置換(メタ)アクリル酸の反応:
【0059】
【化14】
【0060】
によって作製することができる。化学式(II)のポリオール及びメタクリル酸または化学式(III)のアルキル置換メタクリル酸は、本明細書において、化学式(I)のアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの作製のための出発材料と称されることがある。ポリオール(II)は、ポリオール、ヒドロキシ基含有化合物、ポリオール出発材料、アルコキシ化アルキルアクリレート(I)に対応するアルコキシ化アルキルまたはアルコキシアルキル出発材料、と称されることがある。
【0061】
上述したように、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー(I)を生成する反応は不完全であり、生成物はアルコキシ化アルキルアクリレートモノマー(I)に加えてポリオール(II)の未反応部分を含み得る。追加の手段がとられない限り、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー(I)が配合された被覆組成はいくらかの量のポリオール(II)を含むであろうし、被覆組成の硬化によって形成された被覆も残留レベルのポリオール(II)を含み得る。被覆内に存在すると、ポリオール(II)は被覆から浸出するか、そうではなくとも分離し易く、周囲環境に入ることができ、そこでポリオール(II)は分解して、化学式ROHを有する、対応する非アルコキシ化アルコールを形成することができる。
【0062】
化学式ROHを有する、対応する非アルコキシ化アルコールは残留量で、または未反応ポリオール(II)成分として、存在することもできる。ポリオール(II)の合成はアルコールROHのアルコキシ化反応をともなうことがあり、ここで、アルコキシ化反応が完了まで進むことができない場合に、また精製または別途の処理がなされない限り、ポリオール(II)はいくらかの量の未反応アルコールROHを含むことがあり得る。ポリオール(II)がアルコキシ化アルキルアクリレート(I)を形成するために用いられる場合、残留アルコールROHはアルコキシ化アルキルアクリレート(I)から形成される被覆組成及び被覆に取り込まれることになり得るし、環境に容易に放出され得る。
【0063】
ポリオール(II)に対応する非アルコキシ化アルコールROHが周囲環境に有害である場合、その形成を防止することが望ましい。望ましくないアルコールの形成を防止または阻止するための従来の方策には、(1)未反応のポリオール出発材料を除去するためのアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの精製、(2)容易に分解する、対応するポリオール出発材料を有するアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの回避、及び(3)アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの形成反応の完了への進行促進がある。しかしこれらの方策には限界がある。方策(1)及び(3)は被覆の作製コストを高め、また、おそらくは技術的に達成困難であり、方策(3)には、被覆配合に利用できるアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーの範囲を甚だしく制限することにより硬化被覆の特性を損なう危険がある。
【0064】
本開示は、被覆材料から浸出するか、そうではなくとも被覆材料によって放出される、成分からの望ましくない副生成物の形成を防止するための別の方策を提供する。この方策は、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー(III)内の少量の未反応ポリオール(II)及び/または対応する非アルコキシ化アルコールROHのおこり得る存在を認め、被覆組成の硬化の前に未反応ポリオール(II)及び未反応の対応する非アルコキシ化アルコールROHをより問題の少ない誘導体形態に変換することによってこれらが与え得る環境への強い影響を無効化しようと努める。一実施形態において、誘導体形態は、硬化後に被覆から放出されても、未反応ポリオール(II)より、環境への脅威の度合いが低く、及び/または有害な化合物への分解に対する抵抗力が強いから、問題になり難い。誘導体形態は、例えば、未反応ポリオール(II)に対応する非アルコキシ化アルコールROHへの分解がおこり難くなり得る。別の実施形態において、誘導体形態は、硬化被覆とより強く結合し、硬化後の被覆からの浸出またはそうではなくとも放出がおこり難いから、問題になり難い。
【0065】
処理は、化学式(IV):
【0066】
【化15】
【0067】
を有する誘導体化合物を形成するための、ポリオール(II)の末端アルコール基の誘導体化剤との反応を含むことができる。ここで、Rは誘導体化剤の残基である。誘導体化処理により、Rが水素とは異なるから、末端アルコール基が非アルコール基に変換される。対応するアルコールROHも同様の態様で処理され得る。一実施形態において、誘導体化剤は酸クロリドまたはカルボン酸であり、ポリオール(II)の末端アルコール基との誘導体化剤の反応はエステル結合をもつ誘導体化合物を形成する。別の実施形態において、誘導体化剤はイソシアネートまたはジイソシアネートであり、ポリオール(II)の末端アルコール基との誘導体化剤の反応はウレタン結合をもつ誘導体化合物を形成する。誘導体化反応は、複数の官能基(例えば、ジアシドクロリド、ジカルボン酸、ジイソシアネート、またはイソシアネート基及びカルボン酸基をもつ誘導体化剤のような混合官能基)をもつ誘導体化剤を含むことができる。誘導体化剤が多官能性である場合、ポリオール(II)の末端アルコール基は異なる末端(または内部)官能基を有する誘導体化合物に変換され得るし、さらに反応を受けることができる。
【0068】
例として、ポリオール(II)とのイソシアネートの反応は、以下の反応:
【0069】
【化16】
【0070】
にしたがってウレタン結合をもつ誘導体化合物を生成する。ここで、Rは必要に応じて1つ以上の別の官能基を含むことができる有機基である。
【0071】
ポリオール(II)とのジイソシアネートの反応は、以下の反応:
【0072】
【化17】
【0073】
にしたがってウレタン結合及びウレタン結合及び未反応イソシアネート基をもつ誘導体化合物を生成する。ここでRは有機基である。未反応イソシアネート基はさらに別のポリオール(II)等価物と反応して、2つのウレタン結合をもつ誘導体化合物:
【0074】
【化18】
【0075】
を生成する。ウレタン結合が1つの誘導体化合物と2つの誘導体化合物の相対量は、ポリオールに対するジイソシアネートの化学量論比によって調節することができる。
【0076】
誘導体化剤が1つ以上のイソシアネート基を有する化合物を含む場合、基本的に全てのイソシアネート基が反応してポリオール(II)を誘導体形態に変換し、モノマー組成またはモノマーが含まれる被覆組成内に未反応イソシアネート基が基本的に残らないように、誘導体化剤の量を調節することができる。
【0077】
一実施形態において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは、化学式:
【0078】
【化19】
【0079】
を有するエトキシ化ノニルフェノールアクリレートである。ここで、ノニル基(C19)は直鎖状または分岐型とすることができ、n≧1である。エトキシ化ノニルフェノールアクリレートは対応するポリオールエトキシ化ノニルフェノール:
【0080】
【化20】
【0081】
から作製することができ、エトキシ化ノニルフェノールアクリレートを含む硬化被覆組成に取り込まれて、硬化被覆組成から放出され得る、いくらかの量の未反応ポリオールエトキシ化ノニルフェノールを含有することができる。エトキシ化ノニルフェノールは分解して、ある程度はその内分泌撹乱特性により、欧州連合によって環境負荷物質と見なされている、対応する非エトキシ化アルコールノニルフェノール:
【0082】
【化21】
【0083】
になり得る。
【0084】
本開示の文脈において、エトキシ化ノニルフェノールのノニルフェノールへの分解は、ノニルフェノールに分解し難いかまたはある量の残留分が被覆に取り込まれている場合に被覆から環境に放出され難い、誘導体形態にエトキシ化ノニルフェノールを変換することで軽減され得る。一実施形態において、エトキシ化ノニルフェノールはイソシアネートまたはジイソシアネートとの反応によって誘導体形態に変換され得る。一実施形態において、誘導体化剤は化学式:
【0085】
【化22】
【0086】
を有するジイソシアネートH12MDI(4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))である。ここで、反応はウレタン結合及び未反応イソシアネート基を含む誘導体化合物:
【0087】
【化23】
【0088】
を生成する。未反応イソシアネート基はさらに別のエトキシ化ノニルフェノール等価物と反応して2つにウレタン結合をもつ誘導体化合物:
【0089】
【化24】
【0090】
を形成することができる。
【0091】
ポリオール(II)のウレタン結合を有する誘導体化合物への変換は、ウレタン結合が水素結合に参与し得る水素供与原子を含むため、有益である。硬化被覆材料に取り込まれるとウレタン基と被覆の他の成分内の水素受容基の間に水素結合が生じ得る。水素結合は誘導体化合物の硬化被覆との結合を強化し、誘導体化合物が被覆から浸出するか、そうではなくとも放出される、可能性を低める。
【0092】
ポリオール(II)から形成された誘導体化合物内のウレタン結合の包有も、これが安定な結合であり、反応または分解して環境に有害であり得る副生成物を生じることはありそうもないから、有益である。ウレタンモノマー及びウレタンオリゴマーは、ウレタン結合の安定性のため、ファイバ被覆に広く用いられている。したがって、イソシアネート化合物またはジイソシアネート化合物による残留ポリオール(II)の誘導体化は、安定であり、被覆組成内に存在する他の一般的な化合物との相性もよい、誘導体化合物を生成する。
【0093】
アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーだけでなく、ポリオール(II)も被覆組成のオリゴマー成分内に残留化合物として存在し得る。上述したように、また以下でさらに説明されるように、ウレタン結合をもつオリゴマーアクリレートは被覆組成に用いられることが多い。ウレタンオリゴマーは、被覆組成に架橋剤として含まれる、最も一般的な多官能性アクリレート(例えば、ウレタンジアクリレートまたはウレタントリアクリレート)である。ウレタンオリゴマーは一般にジオールとジイソシアネートの反応で作製される。ジオール反応体はポリオール(II)のジオール異体を含む。代表的なオリゴマー形成反応は:
【0094】
【化25】
【0095】
である。ここで、x及びyは整数であり、R及びRは有機基である。オリゴマーの分子量は一般に3000g/モル〜10000g/モルの範囲にある。オリゴマーは、1つ以上のポリオールブロック((R-O))及び1つ以上のイソシアネートブロック(C(O)NHRNHC(O))を含む。この反応のウレタンオリゴマー生成物は続いて、上述したように、ファイバ被覆組成内の成分として用いるためのウレタンアクリレートオリゴマーまたはウレタンジアクリレートオリゴマーを形成するため、メタクリル酸または置換メタクリル酸との反応によってアクリレート化(またはジアクリレート化)することができる。ウレタンジアクリレートオリゴマーは化学式:
【0096】
【化26】
【0097】
を有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、オリゴマー形成反応は完了まで進むことができず、作製されたままの(アクリレート化されているかまたはされていない)オリゴマーは、ポリオール(II)の、いくらかの量の未反応ジオール異体を含有し得る。そのような実施形態において、被覆組成のオリゴマー成分内に存在する未反応ジオールは、分解を受け難い、及び/またはジオールから誘導されたオリゴマーを含む組成で形成された被覆から放出され難い、誘導体化合物を得るため、上述したように処理することができる。
【0099】
誘導体化剤によるポリオール(II)の処理は、ファイバ被覆プロセスの1つ以上の時点において行うことができる。ファイバ被覆は被覆組成の硬化によって作製される。以下でさらに十分に説明されるように、被覆組成は一般に、1つ以上のモノマー、1つ以上のオリゴマー、1つ以上の光開始剤及び1つ以上の添加剤を含む。モノマー及びオリゴマーは一般に放射線硬化性官能基を有し、被覆は組成をファイバに塗布してUVランプで硬化させることで形成される。放射線硬化性官能基はアクリレート基であり得る。モノマーはポリオール(II)から形成されたアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを含み得る。
【0100】
未反応ポリオール(II)の誘導体化はアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを誘導体化剤で処理することによって達成され得る。一実施形態において、処理は、被覆組成を形成するためにアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを他の成分と混合する前に、行われる。別の実施形態において、処理は、被覆組成を形成するためにアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを他の成分と混合した後で、被覆組成の硬化の前に、行われる。
【0101】
未反応ポリオール(II)の誘導体化はオリゴマー及び、誘導体化剤によりポリオール(II)から誘導されたブロックを含む、被覆を処理することで達成され得る。一実施形態において、処理は被覆組成を形成するためにオリゴマーを他の成分と混合する前に行われる。別の実施形態において、処理は、被覆組成を形成するためにオリゴマーを他の成分と混合した後で、被覆組成の硬化の前に、行われる。
【0102】
一実施形態において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー及びオリゴマーは別個に誘導体化剤によって処理され、誘導体形態が被覆組成を形成するために混合される。別の実施形態において、被覆組成を形成するための混合の前に、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーが誘導体化剤によって処理され、オリゴマーは誘導体化剤による処理を受けない。被覆組成の形成後、硬化の前に、ポリオールを誘導体化するため、被覆組成が誘導体化剤によって処理される。また別の実施形態において、被覆組成の形成するための混合の前に、オリゴマーが誘導体化剤によって処理され、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは誘導体化剤による処理を受けない。被覆組成の形成後、硬化の前に、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーを誘導体化するため、被覆組成が誘導体化剤によって処理される。さらにまた別の実施形態において、被覆組成を形成するための混合前に、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーもオリゴマーも処理を受けず、被覆組成の形成後、被覆組成の硬化前に、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー及びオリゴマーのいずれもが誘導体化剤で処理される。
【0103】
アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーまたはポリオールブロックを有するオリゴマーに加えられる誘導体化剤の量は、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマー、ポリオールブロックをもつオリゴマーあるいはそのようなモノマーまたはオリゴマーを含む被覆組成内に存在し得る未反応残留ポリオール出発材料の存在を最小限に抑えるに十分であることが好ましい。一実施形態において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは、被覆組成に組み入れられる前に、残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満まで減じるに十分な量の誘導体化剤によって処理される。あるいは、誘導体化剤は、実質的に全ての残留ポリオールと反応する量で、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーに加えることができる。処理されたアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは、次いで、被覆組成を形成するために他の成分と混合することができる。
【0104】
別の実施形態において、ポリオールブロックをもつオリゴマーは、被覆組成に組み入れられる前に、残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満まで減じるに十分な量の誘導体化剤によって処理される。あるいは、誘導体化剤は、実質的に全ての残留ポリオールと反応する量で、オリゴマーに加えることができる。処理されたオリゴマーは、次いで、被覆組成を形成するために他の成分と混合することができる。
【0105】
また別の実施形態において、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは、被覆組成に組み入れられる前に、残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満まで減じるに十分な量の誘導体化剤によって処理される。あるいは、誘導体化剤は、実質的に全ての残留ポリオールと反応する量で、アルコキシ化アルキルアクリレートモノマーに加えることができる。処理されたアルコキシ化アルキルアクリレートモノマーは、次いで、被覆組成を形成するため、誘導体化剤による処理を受けていないオリゴマー及び他の成分と混合される。得られた被覆組成は、次いで、被覆組成内の残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満まで減じるに十分な量の誘導体化剤によって処理される。あるいは、誘導体化剤は、実質的に全ての残留ポリオールと反応する量で、得られた被覆組成に加えることができる。
【0106】
また別の実施形態において、ポリオールブロックをもつオリゴマーは、被覆組成に組み入れられる前に、残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満まで減じるに十分な量の誘導体化剤によって処理される。あるいは、誘導体化剤は、実質的に全ての残留ポリオールと反応する量で、オリゴマーに加えることができる。処理されたポリオールブロックをもつオリゴマーは、次いで、被覆組成を形成するため、誘導体化剤による処理を受けていないアルコキシ化アルキルアクリレートモノマー及び他の成分と混合される。得られた被覆組成は、次いで、被覆組成内の残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満まで減じるに十分な量の誘導体化剤によって処理される。あるいは、誘導体化剤は、実質的に全ての残留ポリオールと反応する量で、得られた被覆組成に加えることができる。
【0107】
さらにまた別の実施形態において、未処理のアルコキシ化アルキルアクリレートモノマー及び未処理のポリオールブロックをもつオリゴマーが被覆組成を形成するために他の成分と混合され、得られた被覆組成が、硬化の前に、被覆組成内の残留ポリオールの濃度を、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満まで減じるに十分な量の誘導体化剤によって処理される。あるいは、誘導体化剤は、実質的に全ての残留ポリオールと反応する量で、得られた被覆組成に加えることができる。
【0108】
上述した実施形態のいずれかにしたがって形成された被覆組成は、被覆またはその他の硬化生成物を形成するために硬化させることができる。得られた被覆または硬化生成物は、1.0重量%未満、または0.5重量%未満、または0.25重量%未満、または0.15重量%未満、または0.10重量%未満、または0.05重量%未満の残留ポリオール濃度を有する。得られた被覆または硬化生成物は基本的に無残留ポリオールであり得る。
【0109】
以下の説明においては、被覆組成の様々な成分が論じられ、被覆組成内の特定の成分の量が重量パーセント(重量%)または百分率(pph)を用いて指定されるであろう。被覆組成の成分は基本成分及び添加剤を含む。基本成分の濃度は重量%を用いて表され、添加剤の濃度はpphを用いて表されるであろう。
【0110】
本明細書に用いられるように、特定の基本成分の重量パーセントは、添加剤除外ベースでの、被覆組成内に存在する成分の量を指す。無添加剤被覆組成は基本成分だけを含み、本明細書において基本組成または基本被覆組成と称されることがある。基本組成は、モノマー、オリゴマー及び硬化剤を含む。モノマーの内の少なくとも1つまたはオリゴマーの内の少なくとも1つは硬化性である。基本組成は最小限、硬化性成分(少なくとも1つの硬化性のモノマーまたはオリゴマー)及び少なくとも1つの硬化剤を含む。硬化剤は硬化成分の硬化を促進する重合開始剤である。硬化機構は熱硬化または放射線硬化とすることができる。一実施形態において、硬化性成分は放射線硬化性官能基を含み、硬化機構は放射線硬化であり、硬化剤は光開始剤である。一実施形態において、放射線硬化はUV光によって達成することができる。基本組成は1つ以上の放射線硬化性架橋形成オリゴマー、1つ以上の放射線硬化性希釈モノマー、1つ以上の非放射線硬化性モノマーまたはオリゴマー及び1つ以上の硬化剤を含むことができる。被覆組成内の基本成分の総括量は本明細書において100重量%に等しいと見なされる。
【0111】
添加剤は必要に応じ、付着促進剤、抗酸化剤、触媒、キャリアまたは界面活性剤、粘着剤、安定剤及び蛍光増白剤の内の1つ以上を含むことができる。代表的な添加剤は以下でさらに詳細に説明される。被覆組成に組み入れられる添加剤の量は本明細書において基本組成に対する百分率(pph)で表される。例えば、1gの特定の添加剤が100gの基本組成に加えられると、添加剤の濃度は本明細書において1pphと表されるであろう。
【0112】
一実施形態において、被覆組成は放射線硬化性成分及び光開始剤を含む。放射線硬化性成分は1つ以上の放射線硬化性化合物を含むことができる。それぞれの放射線硬化性化合物は放射線硬化性官能基を有する。放射線硬化性官能基は、アクリレート基またはメタクリレート基のような、エチレン不飽和基とすることができる。放射線硬化性化合物には、1つ以上の放射線硬化性モノマー、1つ以上の放射線硬化性オリゴマーまたは1つ以上の放射線硬化性モノマーと1つ以上の放射線硬化性オリゴマーの混合物を含めることができる。1つ以上の放射線硬化性モノマーには、放射線硬化性官能基を組み込むことで改質されているポリオール(II)の構造を有する1つ以上のモノマーあるいは、放射線硬化性官能基を組み込むことで改質されているポリオール(II)の構造を有していない1つ以上のモノマーと組み合わせた、放射線硬化性官能基を組み込むことで改質されているポリオール(II)の構造を有する1つ以上の誘導モノマーを含めることができる。1つ以上の放射線硬化性オリゴマーには、1つ以上のポリオールブロックをもつ1つ以上のオリゴマーを含めることができる。1つ以上の放射線硬化性オリゴマーには、ポリオールブロックを欠いている1つ以上のオリゴマーと組み合わせた、1つ以上のポリオールブロックをもつ1つ以上のオリゴマーを含めることができる。
【0113】
放射線硬化性のモノマーまたはオリゴマーは単官能性または多官能性とすることができる。多官能性放射線硬化性化合物は2つ以上の放射線硬化性官能基を有し、架橋剤として機能することができる。多官能性放射線硬化性のモノマーまたはオリゴマーは本明細書において「架橋形成剤」と称されることがある。放射線硬化性モノマーは被覆組成において反応性希釈剤として作用することができ、処理を容易にするための被覆組成の粘度の制御を与えることができる。一実施形態において、放射線硬化性モノマーは120〜600g/モルの範囲にある分子量を有する。
【0114】
放射線硬化性成分には、放射線硬化性の単官能性モノマーまたは多官能性モノマーを含めることができる。モノマーには単官能性または多官能性の(メタ)アクリレートモノマーを含めることができる。本明細書に用いられるように、術語「(メタ)アクリレート」はアクリレートまたはメタクリレートを意味する。モノマーには、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートまたはポリオール(メタ)アクリレートを含めることができる。多官能性モノマーは、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートまたはさらに高次の(メタ)アクリレートとすることができる。単官能性または多官能性のポリオール(メタ)アクリレートには、単官能性または多官能性のポリアルコキシ(メタ)アクリレート(例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート)を含めることができる。単官能性または多官能性のモノマーは、ウレタン基、ユリア基、イソシアネート基及び水素供与基を欠くことができる。水素供与基がないことは、単官能性または多官能性のモノマーが水素結合相互作用において水素供与体として作用することを不可能にする。
【0115】
放射線硬化性モノマーには、エチレン不飽和化合物、エトキシ化(メタ)アクリレート、アルコキシ化(メタ)アクリレート、エトキシ化アルキルフェノールモノ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(メタ)アクリレート、n-プロピレンオキシド(メタ)アクリレート、イソプロピレンオキシド(メタ)アクリレート、単官能性(メタ)アクリレート、単官能性脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート、多官能性脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート及びこれらの組合せも含めることができる。放射線硬化性モノマーには、一般式:
R"-R'-O-(CHCH(CH)-O)-COCH=CH、ここで、R'及びR"は脂肪族、芳香族または両者の混合であり、nは1〜10の範囲(端点を含む)にある、
または
R'-O-(CHCH(CH)-O)-COCH=CH、ここで、R'は脂肪族または芳香族であって、nは1〜10の範囲(端点を含む)にある、
あるいは式:
R"-R'-O-(CHCH-O)-COCH=CH、ここで、R'及びR"は脂肪族、芳香族または両者の混合であり、nは1〜10の範囲(端点を含む)にある、
または
R'-O-(CHCH-O)-COCH=CH、ここで、R'は脂肪族または芳香族であり、nは1〜10の範囲(端点を含む)にある、
を有する化合物を含めることができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、放射線硬化性モノマーは、1つ以上のα,β-不飽和エステル基、アミド基、イミド基またはビニルエーテル基、あるいはこれらの組合せを含む、1つ以上のポリオールを含む。ポリオール類の例には、1つ以上のアクリレート基、メタクリレート基、マレエート基、フマレート基、アクリルアミド基、マレイミド基、またはビニルエーテル基を含む、ポリオールアクリレート、ポリオールメタクリレート、マレイン酸ポリオール、フマル酸ポリオール、ポリオールアクリルアミド、ポリオールマレイミド、またはビニルエーテルがあるが、これらには限定されない。放射線硬化性モノマーのポリオール部分は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、または炭化水素ポリオールであり得る。
【0117】
単官能性エチレン不飽和放射線硬化性モノマーの、限定ではない、例には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート(例えば、Sartomer Company, Inc.から入手できるSR440、及びCPS Chemical Co.から入手できるAgeflex FA8)、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR395、及びBASFから入手できるAgeflex FA10)、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR489)、ラウリルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR335、(米国ニュージャージー州オールドブリッジ(Old Bridge)の)CPS Chemical Co.から入手できるAgeflex FA12、及びIGM Resinsから入手できるPhotomer4812)、オクタデシルアクリレート、及びステアリルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR257)のような長鎖式及び短鎖式のアルキルアクリレート;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、及び7-アミノ-3,7-ジメチルオクチルアクリレートのようなアミノアルキルアクリレート;ブトキシエチルアクリレート、エトキシ化ラウリルアクリレート(例えば、(米国ペンシルバニア州エクストン(Exton)の)Sartomer USAのCD9075)、エポキシアクリレート(例えば、(米国ペンシルバニア州エクストンの)Sartomer USAのCN120、及び(米国ニュージャージー州ウッドランドパーク(Woodland Park)の)Cytec Industries Inc.のEBECRYL3201及び3604)、フェノキシエチルアクリレート(例えばSartomer Company Inc.から入手できるSR339、BASFから入手できるAgeflex PEA、及びIGM Resinsから入手できるPhotomer4035)、フェノキシグリシジルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるCN131)、ラウリルオキシグリシジルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるCN130)、及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR256)のようなアルコキシアルキルアクリレート;シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ボルニルアクリレート、イソボルニルアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR423及びSR506、及びCPS Chemical Co.から入手できるAgeflex IBOA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えばSartomer Company Inc.から入手できるSR285)、カプロラクトンアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR495、及び米国コネチカット州ダンベリー(Danbury)のUnion Carbide Companyから入手できるTone M100)、及びアクリロイルモルフォリンのような単環式及び多環式の芳香族または非芳香族アクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート及び、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート(例えば、IGM Resinsから入手できるPhotomer4003、及びSartomer Company Inc.から入手できるSR504)及びプロポキシ化ノニルフェノールアクリレート、(例えばIGM Resinsから入手できるPhotomer4960)のような様々なアルコキシ化アルキルフェノールアクリレートのようなアルコールベースアクリレート;ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N'-ジメチル-アミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、及びt-オクチルアクリルアミドのようなアクリルアミド;(いずれも米国ニュージャージー州ウエイン(Wayne)のInternational Specialty Productsから入手できる)N-ビニルピロリドン及びN-ビニルカプロラクタムのようなビニル化合物;並びにマレイン酸エステル及びフマル酸エステルのような酸エステルがある。
【0118】
被覆組成の放射線硬化性成分には多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含めることができる。多官能性(メタ)アクリレートは分子当たり2つ以上の硬化性(メタ)アクリレート部分を有する(メタ)アクリレートである。多官能性(メタ)アクリレートは分子当たり3つ以上の硬化性(メタ)アクリレート部分を有することができる。多官能性(メタ)アクリレートは分子当たり4つ以上の硬化性(メタ)アクリレート部分を有することができる。
【0119】
適する多官能性エチレン不飽和モノマーには、限定ではなく、エトキシ化度が3以上の、好ましくは3から約30の範囲にある、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、IGM Resinsから入手できるPhotomer4149並びにSartomer Company Inc.から入手できるSR351及びSR499)、トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート(例えば、(米国ペンシルバニア州エクストンの)Sartomer USAのSR306))のような、アルコキシ化されているかまたはされていない、メチロールプロパンポリアクリレート;ジプロピレングリコールジアクリレート(例えば、(米国ペンシルバニア州エクストンの)Sartomer USAのSR508);プロポキシ化度が3以上の、好ましくは3から約30の範囲にある、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、IGM Resinsから入手できるPhotomer4072並びにSartomer Company Inc.から入手できるSR492及びSR501)、及びジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(例えば、IGM Resinsから入手できるPhotomer4335);プロポキシ化度が3以上のプロポキシ化グリセリルトリアクリレート(例えば、IGM Resinsから入手できるPhotomer4096、及びSartomer Company Inc.から入手できるSR9020)のようなアルコキシ化グリセリルトリアクリレート;ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR295)、エトキシ化ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR494)、及びジペンタエリトリトールペンタアクリレート(例えば、IGM Resinsから入手できるPhotomer4399、及びSartomer Company Inc.から入手できるSR399)のような、アルコキシ化されているかまたはされていないエリトリトールポリアクリレート;トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR368)、及びトリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレートのような、適切な官能性イソシアヌレートのアクリル酸またはアクリロイルクロリドとの反応によって形成されるイソシアヌレートポリアクリレート;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるCD406)、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるCD564)、トリプロピレングリコールジアクリレート(例えば、Sartomer Company Inc.から入手できるSR306)及びエトキシ化度が2以上の、好ましくは約2〜30の範囲にある、エトキシ化ポリエチレングリコールジアクリレートのような、アルコキシ化されているかまたはされていない、アルコールポリアクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテル等にアクリレートを加えることによって形成されるエポキシアクリレート(例えば、IGM Resinsから入手できるPhotomer3016);及びジシクロペンタジエンジアクリレートのような単環式または多環式の芳香族または非芳香族ポリアクリレートがある。
【0120】
被覆組成の放射線硬化性成分には、N-ビニルラクタム、またはN-ビニルピロリジノン、またはN-ビニルカプロラクタムのような、N-ビニルアミドを含めることができる。
【0121】
放射線硬化性成分には放射線硬化性の単官能性または多官能性オリゴマーを含めることができる。オリゴマーは(メタ)アクリレート終端オリゴマーとすることができる。オリゴマーには、ポリエーテルアクリレート(例えば、(米国イリノイ州オーロラ(Aurora)の)Rahn USAから入手できるGENOMER3456)、ポリエステルアクリレート(例えば、(米国ニュージャージー州ウッドランドパークの)Cytec Industries Inc.のEBECRYL80、584及び657)、またはポリオールアクリレートを含めることができる。オリゴマーは、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートまたはさらに高次の(メタ)アクリレートとすることができる。ポリオール(メタ)アクリレートにはポリアルコキシ(メタ)アクリレートまたはポリオール(メタ)アクリレートを含めることができる。例にはポリエチレングリコールジアクリレート及びポリプロピレングリコールジアクリレートがある。単官能性また多単官能性のオリゴマーは、ウレタン基、ユリア基、イソシアネート基及び/または水素供与基を欠くことがある。
【0122】
いくつかの実施形態において、放射線硬化性オリゴマーには、2つ以上のα,β不飽和エステル基、アミド基、イミド基またはビニルエーテル基、あるいはこれらの組合せを含む1つ以上のポリオールを含めることができる。そのようなポリオール含有オリゴマー類の、限定ではない、例には、1つより多いアクリレート基、メタクリレート基、マレエート基、フマレート基、アクリルアミド基、マレイミド基またはビニルエーテル基を含む、ポリオールアクリレート、ポリオールメタクリレート、マレイン酸ポリオール、フマル酸ポリオール、ポリオールアクリルアミド、ポリオールマレイミドまたはポリオールビニルエーテルがある。ポリール部分は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたは炭化水素ポリオールであり得る。
【0123】
単官能性放射線硬化性モノマーは放射線硬化性被覆組成内に、10〜60重量%、または10〜30重量%、または30〜60重量%、または40〜80重量%、または60〜80重量%の濃度で存在することができる。放射線硬化性被覆組成は1つ以上の単官能性(メタ)アクリレートモノマーを、5〜95重量%、または0〜75重量%、または40〜65重量%の量で含むことができる。放射線硬化性被覆組成は1つ以上の単官能性脂肪族エポキシ(メタ)アクリレートモノマーを、5〜40重量%、または10〜30重量%の量で含むことができる。
【0124】
多官能性放射線硬化性モノマーは放射線硬化性被覆組成内に、0.05〜15重量%、または0.1〜10重量%、または0.5〜10重量%、または1〜5重量%、または1〜10重量%、または1〜20重量%、または1〜50重量%、または2〜8重量%、または5〜40重量%、または10〜30重量%、または20〜30重量%の濃度で存在し得る。
【0125】
放射線硬化性被覆組成の総モノマー含有量は、約5重量%と約95重量%の間、または約30重量%と約75重量%の間、または約40重量%と約65重量%の間とすることができる。
【0126】
放射線硬化性被覆組成の総オリゴマー含有量は、5重量%未満、または約5重量%と約95重量%の間、または約25重量%と約65重量%の間、または約35重量%と約55重量%の間とすることができる。二次被覆のオリゴマー含有量は一般に一次被覆のオリゴマー含有量より多い。
【0127】
基本被覆組成はさらに1つ以上の硬化剤を含む。硬化剤は被覆組成内の硬化性成分の硬化反応を開始させる重合開始剤である。重合開始剤はガラスファイバまたはその他の受け面への塗布後に組成の重合(すなわち、硬化)をおこさせるに適する反応剤である。被覆組成での使用に適する重合開始剤には、熱開始剤、化学的開始剤、電子ビーム開始剤及び光開始剤がある。光開始剤が好ましい重合開始剤である。ほとんどのアクリレートベース被覆配合に対し、既知のケトン系光開始剤及び/またはホスフィンオキシド系光開始剤のような、従来の光開始剤が好ましい。被覆組成に用いられる場合、光開始剤は被覆組成の硬化放射線への曝露時に迅速な硬化を提供するに十分な量で存在する。硬化放射線はUV光とすることができる。一般に、被覆組成内の1つ以上の光開始剤の量は、重量で約0.5〜約10.0%の間、さらに好ましくは重量で約1.5〜約7.5%の間、である。
【0128】
光開始剤は、少量ではあるが放射線硬化を促進するに有効な量で用いられる場合、被覆組成の早発ゲル化をおこさせずに、十分な硬化速度を提供すべきである。望ましい硬化速度は被覆材料の実質的硬化をおこさせるに十分ないずれかの速度である。線量対弾性率曲線で測定して、約25〜35μmの被覆厚に対する硬化速度は、例えば1.0J/cm未満、好ましくは0.5J/cm未満である。
【0129】
適する光開始剤には、限定ではなく、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、BASFから入手できるIrgacure184)、(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(例えば、BASFから入手できる市販ブレンドのIrgacure1800、1850及び1700)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(例えば、BASFから入手できるIrgacure651)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(例えば、BASFから入手できるIrgacure819)、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(例えば、独国ミュンヘン(Munich)のBASFから入手できるLucerin TPO)、エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(例えば、BASFから入手できるLucerin TPO-L)、及びこれらの組合せがある。
【0130】
モノマー、オリゴマー及び硬化剤のような基本成分に加えて、被覆組成は1つ以上の添加剤も含むことができる。代表的な添加剤には、付着促進剤、抗酸化剤、触媒、キャリアまたは界面活性剤、粘着剤、安定剤及び蛍光増白剤がある。いくつかの添加剤(例えば、触媒、反応性界面活性剤及び蛍光増白剤)は重合プロセスを制御するためにはたらくことができ、よって、被覆組成から形成された硬化生成物の物理特性(例えば、弾性率、ガラス転移温度)に影響を与えることができる。他の添加剤は、被覆組成の硬化生成物の保全性(例えば、解重合または酸化劣化に対する保護)に影響を与えることができる。
【0131】
技術上周知であるように、付着促進剤は一次被覆の下側のグラスファイバへの密着を強める。適するいずれの付着促進剤も用いることができる。適する付着促進剤の、限定ではない、例には、有機官能性シラン、チタン酸塩、ジルコン酸塩及びこれらの組合せがある。好ましい一類はポリ(アルコキシ)シランである。別の適する付着促進剤の、限定ではない、例には、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(米国ペンシルバニア州ブリストル(Bristol)のUnited Chemical Technologiesから入手でき、米国ペンシルバニア州モリスビル(MorrisvilleのGelestからも入手できる、3-MPTMS)、(Gelestから入手できる)3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び(Gelestから入手できる)3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び(Gelestから入手できる)ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼンがある。他の適する付着促進剤は、リー(Lee)等の米国特許第4921880号及び第5188864号の明細書に説明されている。これらの明細書のそれぞれは本明細書に参照として含められる。付着促進剤は、存在する場合、約0.1〜約10pphの間、さらに好ましくは約0.25〜約3pphの間の量で用いられる。
【0132】
適するいずれの抗酸化剤も用いることができる。好ましい抗酸化剤には、限定ではなく、ビスヒンダードフェノール硫化物またはチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロシンナマート(例えば、BASFから入手できるIrgmox1035)がある。抗酸化剤は、存在する場合、約0.1〜約3pphの間、さらに好ましくは約0.25〜約2pphの間の量で用いられる。
【0133】
触媒の一例は、いくつかの非放射線硬化性成分においてウレタン結合の形成を触媒するために用いられる、スズ触媒である。触媒が非放射線硬化性成分の添加剤として残っているかまたは添加量の触媒が組成に組み入れられるかにかかわらず、触媒の存在は組成内の非放射線硬化性成分を安定化するためにはたらくことができる。
【0134】
適するキャリア、さらに詳しくは反応性界面活性剤としてはたらくキャリアは、ポリアルコキシポリシロキサンを含む。好ましいキャリアの例は、(米国バージニア州ホープウエル(Hopewell)の)Goldschmidt Chemical Co.からTEGORAD2200及びTEGORAD2700(アクリレート化シロキサン)の商品名で入手できる。そのような反応性界面活性剤は、好ましくは約0.01〜約5pphの間、さらに好ましくは約0.25〜約3pphの間の量で存在し得る。他の適するキャリアの類には非反応性界面活性剤がある。適する非反応性界面活性剤の、限定ではない、例には、Goldschmidt Chemical Co.から入手できるTegoglide435(ポリアルコキシ-ポリシロキサン)がある。非反応性界面活性剤は、好ましくは約0.01pph〜約10pphの間、さらに好ましくは約0.05pph〜約5pphの間、最も好ましくは約0.1pph〜約2.5pphの間の量で存在し得る。
【0135】
適するキャリアは両親和性分子もでもあり得る。両親和性分子は親水性領域及び疎水性領域のいずれも有する分子である。あるいは、疎水性領域は親油性(油脂愛好)領域と称されることがある。粘着剤はそのような両親和性分子の一例である。粘着剤はポリマー製品の時間感応性レオロジー特性を改変することができる分子である。一般に、粘着添加剤はひずみ速度またはずり速度が高くなるほど高くなる剛性でポリマー製品を応答させ、低いひずみ速度またはずり速度ではポリマー製品を軟質にするであろう。粘着剤は接着剤工業において普通に用いられる添加剤であり、被覆がその上に施される物体との結合を形成することができる被覆の能力を高めることが知られている。好ましい粘着剤の1つは、米国ニューヨーク州パーチェイス(Purchase)のInternational Paper Co.から入手できるUni-tac(登録商標)R-40(以降R-40と称する)である。R-40はポリエーテル領域を含むトール油ロジンであり、化学的出自はアビエチン酸エステル族である。別の適する粘着剤はエクソン(Exxon)社から入手できるEscorez(登録商標)シリーズの炭水化物粘着剤である。粘着剤に関するさらなる情報については米国特許第5242963号明細書を参照されたい。上述したキャリアは組み合わせて用いることもできる。粘着剤は組成内に、好ましくは約0.01〜約10pphの間の量で、さらに好ましくは約0.05〜約5pphの間の量で存在する。
【0136】
適するいずれの安定剤も用いることができる。好ましい安定剤の1つは四官能性チール、例えば、(米国ミズーリ州セントルイス(St. Louis)の)Sigma-Aldrichからのペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)である。安定剤は、存在する場合、約0.01〜約10pphの間、さらに好ましくは約0.01〜約0.2pphの間の量で用いられる。
【0137】
適するいずれの蛍光増白材も用いることができる。蛍光増白剤の、限定ではない、例には、2,5-チオフェンジルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)である、Uvitex OB(BASF)、バイエル(Bayer)社から入手できるBlankophor KLA、ビスベンズオキサゾール化合物、フェニルクマリン化合物、及びビス(スチリル)ビフェニル化合物がある。蛍光増白剤は組成内に、約0.003〜約0.5pph、さらに好ましくは約0.005〜約0.3pphの濃度で存在することが望ましい。
【0138】
別の態様の実施形態例は、本明細書に説明されるように処理された1つ以上の成分を含む1つ以上の被覆組成で形成された1つ以上の被覆を有する被覆光ファイバの作製方法に関する。本方法は一般に、本開示にしたがう、処理された被覆組成または1つ以上の処理されたモノマー及び/またはオリゴマーを含む被覆組成を用いることにより、標準的な方法で実施することができる。一実施形態において、ファイバは一次被覆及び二次被覆を有し、一次被覆はガラス領域(コア+クラッド層)を囲み、二次被覆は一次被覆を囲む。一実施形態において、一次被覆は処理された被覆組成または1つ以上の処理されたモノマー及び/またはオリゴマーを含む被覆組成である。別の実施形態において、二次被覆は処理された被覆組成または1つ以上の処理されたモノマー及び/またはオリゴマーを含む被覆組成である。また別の実施形態において、一次被覆は処理された被覆組成または1つ以上の処理されたモノマー及び/またはオリゴマーを含む被覆組成であり、二次被覆は処理された被覆組成または1つ以上の処理されたモノマー及び/またはオリゴマーを含む被覆組成である。
【0139】
ファイバ被覆形成プロセスは、(当業者には周知の方法を用いて)ガラスファイバを作製する工程、硬化性一次被覆組成をガラスファイバに塗布する工程、一次被覆材料を形成するため、硬化性一次被覆組成を重合させる工程、硬化一次被覆に硬化性二次被覆組成を塗布する工程及び、二次被覆材料を形成するため、硬化性二次被覆組成を重合させる工程を含む。これは「ウエットオンドライ」プロセスとして知られている。必要に応じて、硬化性一次被覆組成の重合工程の前に、硬化性二次被覆組成を被覆ファイバに塗布することができ、この場合は両方の被覆組成を同時に硬化させることができる。これは「ウエットオンウエット」プロセスとして知られている。
【0140】
一次被覆組成及び二次被覆組成は従来のプロセスを用いて、例えば線引きタワーにおいて、ガラスファイバに被覆される。ガラスファイバが、局所的及び対称に、例えば約2000℃の温度に加熱された、特別に作製された円柱形シリカベースプリフォームから線引きされ得ることは周知である。プリフォームを炉に入れ、炉を通して送ることによるように、プリフォームが加熱されると、ガラスファイバが溶融材料から線引きされて冷却される。ガラスファイバがプリフォームから線引きされた後に、好ましくは冷却直後に、1つ以上の被覆組成がガラスファイバに塗布される。被覆組成は次いで硬化されて、被覆光ファイバが作製される。硬化方法は、被覆組成及び用いられている硬化剤の性質に依存して、熱誘起、化学誘起または、ガラスファイバ上の塗布された(未硬化の)被覆組成を紫外光、化学線、マイクロ波放射、または電子ビームにさらすことによるような、放射線誘起とすることができる。被覆組成の二重層を移動しているガラスファイバに塗布する一方法が、テイラー(Taylor)の米国特許第4474830号の明細書に開示されている。この明細書はその全体が本明細書に参照として含められる。ガラスファイバ上に被覆組成の二重層を塗布するための別の方法は、ラネル(Rannel)等の米国特許第4581165号の明細書に開示されている。この明細書はその全体が本明細書に参照として含められる。
【0141】
本被覆組成は硬化させて光ファイバリボンのための被覆を形成することもできる。光ファイバリボンは封入母材内に埋め込まれた複数本の光ファイバを有し、封入母材は硬化被覆組成とすることができる。光ファイバはリボンの形成において実質的に平面をなす関係で相互に実質的に揃えられる。光ファイバは個々のファイバの直径の約1/2より大きい距離まで共通平面から変位しないことが好ましい。「実質的に揃えられる」により、光ファイバリボンの長さに沿って光ファイバが他の光ファイバと概ね平行であることが意味される。光ファイバリボン内の光ファイバは光ファイバリボンの従来の作製方法により、既知のいずれかの構成(例えば、エッジ接合リボン、薄型封入リボン、厚型封入リボン、または多層リボン)で母材によって封入され得る。
【0142】
封入母材は本開示にしたがう被覆組成の硬化生成物とすることができる。封入母材は、十分な耐久性及び強度を確保するため、二次組成と合致する特性を有することが好ましい。当業者であれば、ファイバリボン内の光ファイバが二重層被覆系(例えば、上述した一被覆及び二次被覆)を有することができ、マーキングインクで着色され得ることを認めるであろう。ファイバリボンの封入母材は同時にファイバの二次被覆としてはたらくことができる。この実施形態においては、一次被覆を有する複数本の光ファイバが揃えられ、母材組成が塗布されて硬化される。
【実施例】
【0143】
以下の実施例は成分としてエトキシ化ノニルフェノールアクリレートを含む被覆組成を硬化させることで形成されるファイバ被覆を考察する。エトキシ化ノニルフェノールアクリレートは被覆組成に反応性希釈モノマーとして含められる。上述したように、原料エトキシ化ノニルフェノール内にはある量の残留エトキシ化ノニルフェノールが存在し、エトキシ化ノニルフェノールアクリレートを含む被覆組成の硬化によって形成される被覆内に取り込まれ得る。例として、いくつかの市販ファイバの被覆内のエトキシ化ノニルフェノールのレベルを表1に挙げてある。被覆は製造業者毎に独自であり、製造業者または供給業者の名を出さずに挙げられている。
【0144】
【表1】
【0145】
表内のデータは、いくつかの広く用いられているファイバ被覆内にエトキシ化ノニルフェノールがそれぞれの残留レベルで存在することを示す。挙げられた被覆のそれぞれにおいて、エトキシ化ノニルフェノールの濃度は、エトキシ化ノニルフェノールを高懸念物質(SVHC)と認定しているリーチ(REACH)レポートにおいて欧州連合により指定されている上限の0.1重量%をこえている。
【0146】
代表的な市販エトキシ化ノニルフェノールアクリレートのサンプルを入手して、残留エトキシ化ノニルフェノールレベルを決定するため、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)によって分析した。サンプルはエトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート(Sartomer Inc.のSR504)であり、化学式:
【0147】
【化27】
【0148】
を有していた。ここで、対応するポリオール(エトキシ化(4)ノニルフェノール)は化学式:
【0149】
【化28】
【0150】
を有する。
【0151】
HPLC測定は、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート、エトキシ化(4)ノニルフェノール及び、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートとエトキシ化(4)ノニルフェノールの、マイケル付加反応性生物の3つの成分のピークを示した。ピークを定量し、3つの成分のそれぞれの重量%を決定した。サンプルのHPLC分析結果を表2に示す。表の数値はサンプル内のそれぞれの成分の、重量%(重量パーセント)単位の、量に対応する。
【0152】
【表2】
【0153】
HPLC結果は市販のエトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート内のある量の残留エトキシ化(4)ノニルフェノールの存在を確証する。
【0154】
次の実験において、対照被覆組成及び試験被覆組成から形成されたフィルムの引張り特性を測定した。2つの被覆組成の作製に用いた成分及び量を表3に挙げてある。試験組成には75gの誘導体化剤H12MDI(4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))も含めた。対照組成には誘導体化剤を加えなかった。
【0155】
【表3】
【0156】
組成において、BR3741は化学式:
【0157】
【化29】
【0158】
を有するオリゴマーである。ここで、n〜70である。SR504は化学式:
【0159】
【化30】
【0160】
を有するモノマーである。カプロラクトンアクリレートは化学式:
【0161】
【化31】
【0162】
を有するモノマーである。Iragcure819はビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドであり、光開始剤である。ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)は安定剤であり、化学式:
【0163】
【化32】
【0164】
を有する。Iragnox1035はチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロシンナマートであり、抗酸化剤である。3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシランは付着促進剤である。
【0165】
対照組成を作製するため、表3に挙げられた配合の成分を組み合わせ、一様な組成を形成するために混合した。誘導体化剤H12MDIが含められる試験組成を初めにBR3741オリゴマー及びSR504モノマーを混合することで作製した。次いで75gのH12MDIを加え、混合物を、誘導体化反応の完了を保証するため、70℃で数時間撹拌した。誘導体化は、SR501モノマー内に存在する残留エトキシ化(4)ノニルフェノールの誘導体化を目的としていた。誘導体化は反応:
【0166】
【化33】
【0167】
にしたがって進んだ。ここで、生成物の未反応イソシアネート基はさらにエトキシ化(4)ノニルフェノールと反応して:
【0168】
【化34】
【0169】
を形成することができる。
【0170】
誘導体化反応が進むにつれて、H12MDI及びエトキシ化(4)ノニルフェノールの濃度は低下する。イソシアネート基の特性赤外吸収帯の強度を測定することで、反応過程中のH12MDI相対量を測定した。特性イソシアネート吸収帯は2270〜2240cm−1の間に生じ、反応中の異なる時点における吸収帯強度を図1に示す。吸収帯は反応開始時点において最高強度を有し、反応が進むにつれて漸減した。図2は、エトキシ化(4)ノニルフェノールにともなうピークの、誘導体化剤の投入前及び誘導化反応完了後のHPLC測定値を示す。HPLCピークは誘導体化反応前に高強度を示し、誘導体化反応の完了時に基本的に消滅した。図1及び2のデータは、誘導体化反応から期待されるように、H12MDIとエトキシ化(4)ノニルフェノールの同時減耗を示す。
【0171】
BR3741オリゴマーとSR504モノマーの誘導体化された混合物の、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート、エトキシ化(4)ノニルフェノール及び、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートとエトキシ化(4)ノニルフェノールの、マイケル付加反応性生物の(重量%での)相対濃度をHPLCデータから決定し、表4に報告してある。比較の目的のため、上で表2に報告した未処理(誘導体化されていない)SR504モノマーに対するデータを再掲してある。データは、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートのH12MDIによる誘導体化により残留エトキシ化(4)ノニルフェノールがHPLC測定の検出限界より下のレベルまで除去されたことを示す。
【0172】
【表4】
【0173】
試験被覆組成を形成するため、BR3741オリゴマーとSR504モノマーの誘導体化された混合物に、配合の残りの成分(カプロラクトンアクリレート、Iragcure819、ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、Irganox1035、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)を加えた。
【0174】
少量の試験被覆組成及び対象被覆組成を、引張り特性及びTの測定のためのフィルムを形成するため、硬化させた。5ミル(〜125μm)のドローダウンバーを用いて剥離紙上にいくらかの量の配合を延び広げることでフィルムを作製した。Fusion Dランプを用い、窒素パージしながら、フィルムを硬化させた。フィルムはほぼ1200mJ/cmの線量を受けた。全フィルムサンプルを、23℃及び相対湿度50%の制御された環境において一晩かけて状態を整えた。硬化フィルムの厚さは〜80μmであった。
【0175】
Sintec MTS引張試験機を用い、ASTM標準D882-97に述べられる手順にしたがって硬化フィルムの引張り特性を測定した。フィルムを指定された長さ及び幅(15cm×1.3cm)に切り取り、試験機にかけた。試験に用いたゲージ長は5.1cm、試験速度は2.5cm/分であった。ヤング率、引張強度及び%伸びを記録した。
【0176】
試験被覆組成及び対象被覆組成の硬化フィルムサンプルに関する引張り試験測定結果を表5に示してある。
【0177】
【表5】
【0178】
引張り特性結果は、(エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートモノマーを誘導体化するために作用した誘導体化剤を含む)試験組成を用いて形成した硬化フィルムの特性が(誘導体化されていないエトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートモノマーを含む)対照組成で形成した硬化フィルムの特性と同等であることを示した。誘導体化エトキシ化(4)ノニルフェノールの存在による硬化フィルムの特性への悪影響は見られなかった。結果はさらに、対照被覆組成に用いられた未処理エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートモノマー内の残留エトキシ化(4)ノニルフェノールの存在が対照組成で形成された硬化フィルムの特性の決定における制御要因ではないことを示した。環境の観点から、結果は誘導化剤によるエトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートモノマーの処理が被覆組成で形成された硬化生成物の性能を落とさずに被覆組成内に存在するエトキシ化(4)ノニルフェノールを低減することを示す。
【0179】
別途に明白に言明されない限り、本明細書に開示される範囲は端点を含む。例として、「nは1から10の範囲にある」、「nは1〜10の範囲にある」という言明、または同様の言明は、nが1、10、または1より大きく10より小さいいずれかの整数であり得ることを意味すると解されるべきである。同様に、被覆組成内に特定の成分が、「20〜30重量%の量で」、または「20〜30重量%の間の量で」、または「20と30重量%の間の量で」という言明、または同様の言明は、成分の重量%が20重量%、30重量%、または20重量%と30重量%の間のいずれかの重量%であり得ることを意味すると解されるべきである。
【0180】
別途に明白に言明されない限り、本明細書に述べられるいずれの方法も、その工程が特定の順序で実施される必要があると解されることは全く想定されていない。したがって、方法請求項が、その工程がしたがうべき順序を実際に挙げていないかまたは、そうではなくとも、工程が特定の順序に限定されるべきであることが請求項または説明において特に言明されていない場合、いかなる特定の順序も推定されることは全く想定されていない。
【0181】
説明される実施形態の精神または範囲を逸脱することなく、様々な改変及び変形がなされ得ることが当業者には明らかであろう。当業者には、説明される実施形態の精神及び本質を取り入れている、開示された実施形態の改変、組合せ、サブ組合せ及び変形が思い浮かび得るから、本開示は添付される請求項及びそれらの等価形態の範囲内に全てを含むと解されるべきである。
【0182】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0183】
実施形態1
被覆組成において、
化学式:
【0184】
【化35】
【0185】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0186】
【化36】
【0187】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含む、被覆組成。
【0188】
実施形態2
がアルキル基であり、Rが直鎖状アルキレン基である、実施形態1に記載の被覆組成。
【0189】
実施形態3
がHまたはメチル基である、実施形態1または2に記載の被覆組成。
【0190】
実施形態4
がCまたはさらに高級なアルキル基である、実施形態1または2に記載の被覆組成。
【0191】
実施形態5
がメチレン、エチレンまたはプロピレンであり、RがHである、実施形態1から4のいずれかに記載の被覆組成。
【0192】
実施形態6
が芳香族基を含む、実施形態5に記載の被覆組成。
【0193】
実施形態7
がノニル置換フェニル基であり、Rがエチレンであり、RがHである、実施形態1に記載の被覆組成。
【0194】
実施形態8
nが1から10の範囲にある、実施形態1から7のいずれかに記載の被覆組成。
【0195】
実施形態9
nが3から8の範囲にある、実施形態1から7のいずれかに記載の被覆組成。
【0196】
実施形態10
前記誘導体化合物が:
【0197】
【化37】
【0198】
であり、Rが有機基である、実施形態1から9のいずれかに記載の被覆組成。
【0199】
実施形態11
がイソシアネート基を含む、実施形態10に記載の被覆組成。
【0200】
実施形態12
前記誘導体化合物が:
【0201】
【化38】
【0202】
であり、Rが有機基である、実施形態10に記載の被覆組成。
【0203】
実施形態13
が:
【0204】
【化39】
【0205】
である、実施形態12に記載の被覆組成。
【0206】
実施形態14
前記被覆組成が基本的に未反応イソシアネート基を含んでいない、実施形態12または13に記載の被覆組成。
【0207】
実施形態15
硬化剤をさらに含む、実施形態1から14のいずれかに記載の被覆組成。
【0208】
実施形態16
光開始剤をさらに含む、実施形態1から15のいずれかに記載の被覆組成。
【0209】
実施形態17
オリゴマーをさらに含む、実施形態1から16のいずれかに記載の被覆組成。
【0210】
実施形態18
前記オリゴマーが2つ以上のアクリレート基を含む、実施形態17に記載の被覆組成。
【0211】
実施形態19
前記オリゴマーがポリオールブロックを含む、実施形態17または18に記載の被覆組成。
【0212】
実施形態20
前記オリゴマーが化学式:
【0213】
【化40】
【0214】
を有し、Rが有機基であり、Rが有機基であり、Rが水素またはアルキル基である、実施形態19に記載の被覆組成。
【0215】
実施形態21
化学式:
【0216】
【化41】
【0217】
を有する誘導体化合物、
ここで、R10はH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、R11はHではなく、R10、R及びR11の内の少なくとも1つはそれぞれR、R及びRと異なる、
をさらに含む、実施形態17から20のいずれかに記載の被覆組成。
【0218】
実施形態22
11が基:
【0219】
【化42】
【0220】
であり、R12が有機基である、実施形態21に記載の被覆組成。
【0221】
実施形態23
化学式:
【0222】
【化43】
【0223】
を有するポリオールをさらに含む、実施形態1から22のいずれかに記載の被覆組成。
【0224】
実施形態24
前記ポリオールが0.10重量%より低い濃度を有する、実施形態23に記載の被覆組成。
【0225】
実施形態25
オリゴマー及び光開始剤をさらに含む、実施形態24に記載の被覆組成。
【0226】
実施形態26
被覆組成の硬化生成物において、前記被覆組成が、
化学式:
【0227】
【化44】
【0228】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0229】
【化45】
【0230】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含む、硬化生成物。
【0231】
実施形態27
前記硬化生成物が、化学式:
【0232】
【化46】
【0233】
を有するポリオール化合物をさらに含む、実施形態26に記載の硬化生成物。
【0234】
実施形態28
前記硬化生成物内の前記ポリオール化合物の濃度が0.15重量%より低い、実施形態27に記載の硬化生成物。
【0235】
実施形態29
前記硬化生成物内の前記ポリオール化合物の濃度が0.10重量%より低い、実施形態27に記載の硬化生成物。
【0236】
実施形態30
前記硬化生成物内の前記ポリオール化合物の濃度が0.05重量%より低い、実施形態27に記載の硬化生成物。
【0237】
実施形態31
がノニル置換フェニル基であり、Rがエチレンであり、RがHである、実施形態27から30のいずれかに記載の硬化生成物。
【0238】
実施形態32
前記誘導体化合物がウレタン結合を有する、実施形態31に記載の硬化生成物。
【0239】
実施形態33
ガラス及び被覆を有するファイバにおいて、前記被覆が、
化学式:
【0240】
【化47】
【0241】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0242】
【化48】
【0243】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含む被覆組成の硬化生成物を含む、ファイバ。
【0244】
実施形態34
前記ファイバが化学式:
【0245】
【化49】
【0246】
を有するポリオール化合物をさらに含む、実施形態33に記載のファイバ。
【0247】
実施形態35
前記ファイバ内の前記ポリオール化合物の濃度が0.15重量%より低い、実施形態34に記載のファイバ。
【0248】
実施形態36
前記ファイバ内の前記ポリオール化合物の濃度が0.10重量%より低い、実施形態34に記載のファイバ。
【0249】
実施形態37
前記ファイバ内の前記ポリオール化合物の濃度が0.05重量%より低い、実施形態34に記載のファイバ。
【0250】
実施形態38
がノニル置換フェニル基であり、Rがエチレンであり、RがHである、実施形態34から37のいずれかに記載のファイバ。
【0251】
実施形態39
前記誘導体化合物がウレタン結合を有する、実施形態38に記載のファイバ。
【0252】
実施形態40
被覆を形成する方法において、被覆組成を形成するためにモノマー組成を誘導体化剤で処理する工程を含み、前記モノマー組成が、
化学式:
【0253】
【化50】
【0254】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0255】
【化51】
【0256】
を有するポリオールを含み、
前記誘導体化剤が前記ポリオールを化学式:
【0257】
【化52】
【0258】
を有する誘導体化合物に変換する、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
方法。
【0259】
実施形態41
がアルキル基であり、Rが直鎖状アルキレン基である、実施形態40に記載の方法。
【0260】
実施形態42
がHまたはメチル基である、実施形態40または41に記載の方法。
【0261】
実施形態43
がCまたはさらに高級なアルキル基である、実施形態40から42のいずれかに記載の方法。
【0262】
実施形態44
がメチレン、エチレンまたはプロピレンであり、RがHである、実施形態40から43のいずれかに記載の方法。
【0263】
実施形態45
が芳香族基を含む、実施形態44に記載の方法。
【0264】
実施形態46
がノニルフェニル基であり、Rがエチレンであり、RがHである、実施形態40に記載の方法。
【0265】
実施形態47
nが1から10の範囲にある、実施形態40から46のいずれかに記載の方法。
【0266】
実施形態48
nが3から8の範囲にある、実施形態40から47のいずれかに記載の方法。
【0267】
実施形態49
前記誘導体化剤がイソシアネート基を含む、実施形態40から48のいずれかに記載の方法。
【0268】
実施形態50
前記被覆組成がイソシアネート基を基本的に含んでいない、実施形態40から48に記載の方法。
【0269】
実施形態51
前記誘導体化剤が2つ以上のイソシアネート基を含む、実施形態40から49に記載の方法。
【0270】
実施形態52
前記誘導体化剤が化学式:
【0271】
【化53】
【0272】
を有する、実施形態51に記載の方法。
【0273】
実施形態53
前記処理が前記被覆組成内の前記ポリオールの濃度を0.15重量%より低くまで低減する、実施形態40から52のいずれかに記載の方法。
【0274】
実施形態54
前記処理が前記被覆組成内の前記ポリオールの濃度を0.10重量%より低くまで低減する、実施形態53に記載の方法。
【0275】
実施形態55
前記処理が前記被覆組成内の前記ポリオールの濃度を0.05重量%より低くまで低減する、実施形態54に記載の方法。
【0276】
実施形態56
前記被覆組成に硬化剤を加える工程をさらに含む、実施形態40から55のいずれかに記載の方法。
【0277】
実施形態57
前記硬化剤が光開始剤である、実施形態56に記載の方法。
【0278】
実施形態58
前記被覆組成を硬化させる工程をさらに含む、実施形態56または57に記載の方法。
【0279】
実施形態59
前記被覆組成にオリゴマーを加える工程をさらに含む、実施形態56から58のいずれかに記載の方法。
【0280】
実施形態60
前記オリゴマーが2つ以上のアクリレート基を含む、実施形態59に記載の方法。
【0281】
実施形態61
前記オリゴマーがポリオールブロックを含む、実施形態59または60に記載の方法。
【0282】
実施形態62
前記オリゴマーが化学式:
【0283】
【化54】
【0284】
を有する化合物を含む、
ここで、Rは有機基であり、Rは有機基であり、Rは水素またはアルキル基である、
実施形態61に記載の方法。
【0285】
実施形態63
前記オリゴマーが化学式:
【0286】
【化55】
【0287】
を有するジオール化合物をさらに含む、実施形態62に記載の方法。
【0288】
実施形態64
前記オリゴマーを前記誘導体化剤で処理する工程をさらに含み、前記誘導体化剤は前記ジオールを誘導体化合物に変換し、前記ジオール誘導体化合物は化学式:
【0289】
【化56】
【0290】
を有する化合物を含む、
ここで、R10は有機基である、
実施形態63に記載の方法。
【0291】
実施形態65
前記誘導体化剤がイソシアネート化合物またはジイソシアネート化合物を含む、実施形態64に記載の方法。
【0292】
実施形態66
前記モノマー組成を前記誘導体化剤で処理する前記工程が前記オリゴマーの前記添加後に行われる、実施形態59〜65のいずれかに記載の方法。
【0293】
実施形態67
被覆を形成する方法において、
被覆組成を形成するため、モノマー組成をオリゴマーと混合する工程、前記モノマー組成は、
化学式:
【0294】
【化57】
【0295】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【0296】
【化58】
【0297】
を有するポリオールを含む、
及び
前記被覆組成を誘導体化剤で処理する工程、前記誘導体化剤は前記ポリオールを化学式:
【0298】
【化59】
【0299】
を有する誘導体化合物に変換する、
を含む、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
方法。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2020年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式:
【化1】
を有するアクリレートモノマー、及び
化学式:
【化2】
を有する誘導体化合物、
ここで、nは整数であり、RはH、アルキル基、芳香族基、またはアルキル置換芳香族基であり、Rはアルキレン基であり、RはHまたはアルキル基であり、RはHではない、
を含むことを特徴とする被覆組成物。