【解決手段】排水ドレン1は、横向き排水路(軒樋)5の内部において排水口6の上に山形状に突出するように配される、外周にごみ除け部11を有した排水部10と、排水部10の内部より、排水部10の頂部10aを介して上方に突出するように配された予備排水部20とを備えた構成とされる。予備排水部20は、排水部10の上方に配された排水導入部21と、排水導入部21と排水部10の内部とを連通するように上下方向に延びた管状部27と、管状部27の内部に上下方向に延びる棒状体30とを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、排水部が排水口の径よりもやや大きな径の山形(略半球または円錐台)状となっているから、管状体として径の大きな(例えば排水口と同程度か、やや小さな)管を用いれば、排水部の排水窓が生かされなくなり、排水部自体の排水能力を落とすことになる。したがって、排水部の形状、寸法に合わせてやや小さな径の管状体を用いることが妥当とされるが、その場合には予備排水部が予備排水部として十分に機能しないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、予備排水部が予備排水部としての排水機能を果たすことができる排水ドレンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の排水ドレンは、横向き排水路の底部に開設した排水口に取り付けられ、下向き排水路と接続される排水ドレンであって、前記軒樋の内部において前記排水口の上に山形状に突出するように配される、ごみ除け部を有した排水部と、該排水部の内部より、該排水部の頂部を介して上方に突出するように配された予備排水部とを備えた構成とされ、前記予備排水部は、前記排水部の上方に配された排水導入部と、該排水導入部と前記排水部の内部とを連通するように上下方向に延びた管状部と、該管状部の内部に上下方向に延びる棒状体とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の排水ドレンは、前記管状部の内径が前記下向き排水路の内径より小とされることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の排水ドレンは、前記排水導入部は、すくなくとも側方に開口した排水導入口と、該排水導入口から前記管状部に通じる集水部と、該集水部の上方を覆う覆い部とを有しており、前記棒状体は、前記覆い部の裏面に固定されて下方に延びていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の排水ドレンは、前記集水部は、前記管状部の上端開口縁より周囲に延びてなる椀状体とされ、かつ前記管状部の上端開口の上方に棒保持部を備えており、前記覆い部は前記集水部と略同径の笠体で構成され、前記棒状体は、前記棒保持部で保持されることで、前記椀状体と前記笠体との間に略全周にわたり側方開口が形成され、該側方開口で前記排水導入口を構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の排水ドレンは、前記排水導入部は、前記集水部と前記覆い部とを一体とした直線状の横設配管とされ、該横設配管の端部開口により前記排水導入口を構成しており、前記横設配管の長手方向の中間部に、前記管状部の上端が接続されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の排水ドレンは、前記排水導入部は、前記集水部と前記覆い部とを一体とした平面視十字状の横設配管とされ、該横設配管の端部開口により前記排水導入口を構成しており、前記横設配管の十字交差部に、前記管状部の上端が接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の排水ドレンは上述した構成とされているため、予備排水部が予備排水部としての排水機能を果たすことができる。
【0013】
請求項2に記載の排水ドレンは上述した構成とされているため、予備排水部の排水能力を高めて下向き排水路の排水能力に近づけることができる。
【0014】
請求項3に記載の排水ドレンは上述した構成とされているため、覆い部で上方から落下してきたごみが予備排水部へ入り込むことを防止することができ、また覆い部を利用して棒状体を正しく配置することもできる。
【0015】
請求項4に記載の排水ドレンは上述した構成とされているため、軒樋内の多くの排水を排水部へと誘導することができ、また覆い部と棒保持部とで棒状体を正しく安定状態に配置することもできる。
【0016】
請求項5に記載の排水ドレンは上述した構成とされているため、予備排水部を簡単に形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態に係る排水ドレン1について、添付図面をもとに説明する。
まず、以下の種々の実施形態に係る排水ドレン1の共通の基本構成について記述する。
【0019】
これらの排水ドレン1はいずれも、横向き排水路5(例えば軒樋5)の底部5aに開設した排水口6に取り付けられ、下向き排水路7(例えば竪樋7)と接続される排水ドレン1である。
【0020】
排水ドレン1は、
図1〜
図5に示すように、軒樋5の内部において排水口6の上に山形状に突出するように配される、ごみ除け部11を有した排水部10と、排水部10の内部より、排水部10の頂部10aを介して上方に突出するように配された予備排水部20とを備えた構成とされる。
【0021】
予備排水部20は、
図1〜
図5に示すように、排水部10の上方に配された排水導入部21と、排水導入部21と排水部10の内部とを連通するように上下方向に延びた管状部27と、管状部27の内部に上下方向に延びる棒状体30とを備えている。
【0022】
これらの排水ドレン1および、排水ドレン1を排水口6に取り付けた排水構造について、さらに具体的に説明する。なお、以下に説明する実施形態では、横向き排水路5として軒樋5を例示、下向き排水路7として竪樋7を例示した。
【0023】
これらの排水ドレン1は、排水部10および排水部10と一体とされた筒部13を有した排水部材Aと、排水部10の上方に配する予備排水部20と、排水部材Aを竪樋7に連結するためのソケット15とを備えている。
【0024】
また、
図1〜
図5で例示した排水ドレン1の取付対象である軒樋5は、本例においては角樋とされる。もちろん丸樋であってもよい。軒樋5の底部5aに設けた排水口6は略円形の開口とされる。その排水口6には竪樋7が排水ドレン1を介して取り付けできるようになっている(
図1参照)。
【0025】
排水部材Aの排水部10は、外形を略半球形状とされ、その内部を空洞とされ、外周部には、排水部10の外郭を構成するごみ除け部11として、仕切枠11bで仕切られた複数の排水窓11aを備えている。この排水部10は、
図1に示すように、略半球の頂部10aを上側にして配される。
【0026】
また、排水部10の外周下端には全周にわたりフランジ部12が設けてあり、排水部10の下方には、外周面にネジ部13aを有した筒部13がフランジ部12と一体に形成されており、このフランジ付きの筒部13の上端にごみ除け部11が固着されて、これらにより排水部材Aを構成している。
【0027】
この排水部材Aは、フランジ部12が排水口6の周縁部6aの上面に当接した状態で、排水部10が軒樋5の底部5aの面より上方に山形状に突出し、かつ筒部13が排水口6に挿通されて排水口6よりも下方に突出するように、上方より装着されて使用される。
【0028】
ソケット15は、排水部材Aの筒部13に外嵌するように下方より取り付けられる。ソケット15の内周面の上部には、筒部13のネジ部13aを螺合するネジ溝15aが形成されている。ソケット15の外周部の上端部には全周にわたりフランジ部16が形成されている。また、ソケット15の下部15cの外径は上部15bの外径より小とされ、段差状となっている。
【0029】
ソケット15は、排水口6より下方に突出した排水部材Aの筒部13のネジ部13aに対しネジ溝15aの螺合により、排水部材Aに連結される。排水部材Aとソケット15は、ソケット15のフランジ部16と排水部材Aのフランジ部12とで排水口6の周縁部6aを挟み込むようにして、軒樋5に固定される。そして、さらにソケット15の下部15cに竪樋7を外嵌することで、軒樋5と竪樋7とは水の流通が可能なように、排水ドレン1を介して連結される。
【0030】
ついで、各実施形態について順次、図面を参照しながら詳述する。
図1および
図2は、第1実施形態に係る排水ドレン1、
図3は第2実施形態に係る排水ドレン1、
図4は第3実施形態に係る排水ドレン1、
図5は第4実施形態に係る排水ドレン1の各説明図である。
【0031】
なお、以下に説明する複数の実施形態において、排水部材A(排水部10および筒部13)、ソケット15およびそれらの取付構造は互いに同一とされるが、予備排水部20については形状等が相異なる。
【0032】
図1の排水ドレン1の予備排水部20は、上述したように、排水導入部21と、円筒状の管状部27と、管状部27内の中心軸に沿って上下方向に延びる円柱状の棒状体30とを備えている。
図1、
図2に示すように、予備排水部20は上部が広がったキノコ形状とされている。この予備排水部20は、排水部10の頂部10aに固定されればよい。
【0033】
例えば、予備排水部20は、管状部27を排水部10の頂部10aに設けた開口に挿通させて、後述する集水部23の拡径された下端を頂部10aの開口縁で支持、固定されるようにすればよい。なお、排水部10の内部においても、管状部27のぶれを防止する構成とすることが望ましい。
【0034】
排水導入部21は、側方に開口した排水導入口22と、排水導入口22から管状部27に通じる集水部23と、集水部23の上方を覆う覆い部25とを有している。
【0035】
排水導入口22は、排水部10の排水機能が低下したときのオーバーフロー水を導入するための予備用の排水開口である。集水部23は、排水導入口22から導入されたオーバーフロー水を管状部27に送るための流水路である。覆い部25は、集水部23に枯葉などのごみ9が入り込むことを防止するためのごみ除け用笠として作用する。
【0036】
図2に示すように、集水部23は、管状部27の上端開口27aの外周縁より周囲に広がるように延びてなる椀状体とされ、かつ管状部27の上端開口27aの上方に棒保持部24を備えている。
図2に示すように、集水部23と下方の管状部27とは、管状部27の上端開口27aを通じて連成され一体となっており、棒保持部24は集水部23の傾斜内面に設けた支持脚24bにより支持されて、管状部27の上端開口27aの略真上に、距離を隔てた状態に配されている。
【0037】
集水部23の周端縁より中央に向けて降下した傾斜内面は、管状部27の内面に段差なくつながっている。したがって、排水導入口22から入ってきた雨水は、傾斜内面から管状部27内へとスムーズに流れる。
【0038】
棒保持部24は、貫通孔の内部にネジ溝24aが形成されたナット状の筒体とされ、
図2(a)に示すように、2本の支持脚24bにより、集水部23の内面の略中央に、管状部27の上端開口27aから上方に離間した位置で支持、固定されている。棒保持部24の配設位置は、すくなくとも棒保持部24の下端と、管状部27の上端開口27aとの間に水が流れる空間が配されるような位置であればよい。
【0039】
また、覆い部25は集水部23と略同径の笠体で構成され、上面が凸湾曲した伏せ平鍋形状とされる。この覆い部25(笠体)は、集水部23(椀状体)との間に略全周にわたり側方開口よりなる排水導入口22が形成されるように、棒保持部24と棒状体30との協働によりで支持されている。
【0040】
覆い部25は、その裏面中央に棒状体30の上端部を嵌合する嵌合凹部25aを備えている。一方、棒状体30は、軸部31の一部にネジ部32が形成されており、そのネジ部32の上側に鍔状頭部33が設けてある。
【0041】
棒状体30は、その上端部が覆い部25の嵌合凹部25aに嵌合し、ネジ部32を棒保持部24のネジ溝24aに螺合することで、覆い部25は、集水部23との間に排水導入口22を開けた状態に、集水部23に一体化される。
【0042】
なお、鍔部33が棒保持部24の上端に当接することで、
図2(a)に示すような排水導入口22を形成すればよいが、棒状体30と棒保持部24とは螺合により連結する構成であるため、排水導入口22を大きくする場合には、螺合を調節して鍔部33と棒保持部24の上端とを離間させればよい。
【0043】
また、(棒状体30の)ネジ部32、(棒保持部24の)ネジ溝24aを設けずに、棒状体30を棒保持部24に挿入し、鍔部33と棒保持部24との当接のみで覆い部25を支持して、排水導入口22を形成するようにしてもよい。なお、別体とした鍔部33を、棒状体30の軸部31の上下方向の適所に取り付ける構成にして、排水導入口22の上下間寸法を変更できるようにしてもよい。
【0044】
このように構成された排水ドレン1は、
図2(a)(b)に示した使用態様にて使用される。
【0045】
ずなわち、
図2(a)に示すように、排水部10が正常に作用している場合、つまり排水窓11aから排水が排水部10の内部に流入可能な状態においては、雨水は排水窓11aを通って竪樋7へと流れる(
図2(a)の2点鎖線矢印参照)。
【0046】
また、排水部10が正常に作用していない場合、つまりごみ除け部11の作用によりごみ9が外周面に溜まり、そのごみ9が排水の邪魔になって排水部10の排水能力が減退してオーバーフロー状態となった場合には、
図2(b)のように、軒樋5内で水嵩が排水部10の高さよりも増える場合がある。
【0047】
このような場合でも、本排水ドレン1は予備排水部20を備えているため、オーバーフロー状態となった場合でも、水位が排水導入口22に到達すれば、雨水は排水導入口22に流れ込み、集水部23、管状部27を通って下方の竪樋7へと流れ込む(
図2(b)の2点鎖線矢印参照)。
【0048】
したがって、排水部10(排水窓11a)からの排水と、予備排水部20からの排水とで、軒樋5において想定していた排水能力を確保することができる。しかも、管状部27には、その軸方向に棒状体30が配されているため、この棒状体30が集水部23からの雨水の流れ込みにより生じる渦巻流の発生を抑制して、管状部27内では雨水はスムーズに流れ落ちる。つまり、この棒状体30の整流作用により、予備排水部20が予備排水部20としての排水機能を果たすことができる。
【0049】
このように、予備排水部20は、
図2(a)に示すように、管状部27の内径が竪樋7の内径より小さい場合でも、管状部27には棒状体30が内装されているため、管状部27内で発生する可能性のある渦巻流を緩和でき、十分な排水量を確保して、弱まった排水部10の排水能力を補完することができる。
【0050】
棒状体30としては、本例のような円柱状や、他の柱状のものが望ましく、また周面に凹凸のないものが望ましい。また、管状部27内の軸方向の中央空間が減少されるように、軸方向に沿って略中央に配されるものであればよい。したがって、周面には多少の凹凸や、らせん状の溝が形成されたものであってもよい。
【0051】
ついで、
図3、
図4に示した第2、第3実施形態に係る排水ドレン1について詳述する。これらについても
図1、
図2のものと同様、排水導入部21は、側方に開口した複数の排水導入口22と、排水導入口22から管状部27に通じる集水部23と、集水部23の上方を覆う覆い部25とを有している。なお、これらについては、排水部10の形状は円錐台形状とされている。また、これらの図では、ごみ除け部11のみを図示し、フランジ部12、筒部13等の図示は省略した。
【0052】
図3に示した排水ドレン1は、排水導入部21が集水部23と覆い部25とを一体とした直線状の横設配管Bとされ、横設配管Bの2つの端部開口により排水導入口22を構成したものである。つまり、予備排水部20の本体は、管状部27と、集水部23と、覆い部25とが一体となったT字管で構成されている。このT字管は、管状部27の高さ方向の適所に設けた鍔片部27cが頂部10aに当接するようにして支持されている。この鍔片部27cは、管状部27の本体とは別体として、軒樋5の深さなどにおうじて上下方向の適宜位置に固定できるようにすることが望ましい。
【0053】
一方、
図4のものは、排水導入部21が集水部23と覆い部25とを一体とした平面視十字状の横設配管Bとされ、横設配管Bの4つの端部開口(
図4には3つを図示)により排水導入口22を構成した排水ドレン1である。
【0054】
これらの排水ドレン1のいずれについても、
図1、
図2の例とおおむね同様とされ、管状部27の内部には、上下方向に延びる棒状体30が配されている。棒状体30は、
図3のものでは、横設配管Bの中間部(管状部27の上端開口27aの略真上位置)に固定され、
図4のものでは、横設配管Bの十字交差部(管状部27の上端開口27aの略真上位置)に固定されている。
【0055】
したがって、これらの排水ドレン1についても、予備排水部20は、棒状体30により管状部27内で発生する可能性のある渦巻流を緩和して、十分な排水量を確保して、排水部10の細った排水能力を補完することができる。
【0056】
また、棒状体30の配設保持手段としては、
図3の例のように、覆い部25の中央に孔を開け、その孔に鍔状頭部34付きの棒状体30を通して管状部27内に配してもよく、また
図4の例のように、覆い部25の内面中央より下方に延びる棒状体30を覆い部25に一体に設けてもよい。
【0057】
なお、これらのものでは、棒状体30は上部のみが固定されているため、下部のぐらつきを防止する構成とすることが望ましい。そのために、例えば
図3、
図4に示すように、管状部27の下端開口にネット28(網)などを配設することで棒通し孔を設け、棒状体30の下部をその棒通し孔に通して、棒状体30が管状部27内の軸からずれないようにすればよい。
【0058】
また、
図3、
図4のように、予備排水部20をT字管や十字管などの横設配管Bで構成すれば、簡易に予備排水部20付きの排水ドレン1を形成することができる。横設配管Bは後付けでもよい。
【0059】
また、
図5に示した第4実施形態の排水ドレン1のように、竪配管Cのみで予備排水部20を構成してもよい。この竪配管Cは、全体が管状部27とされるとともに、上部の2側方に開口した開口が排水導入口22(排水導入部21)を構成するものである。つまり、予備排水部20の本体は、管状部27と、排水導入口22を有した排水導入部21とを備えてなる。なお、排水部10の形状は円錐台形状とされている。また、
図5では、ごみ除け部11のみを図示し、フランジ部12、筒部13等の図示は省略した。この竪配管Cは、管状部27の高さ方向の適所に設けた鍔片部27cが頂部10aに当接するようにして支持されている。
【0060】
また、予備排水部20は、管状部27の上端開口27aを塞ぐ蓋体よりなる覆い部25を備えている。この覆い部25の中央には、バーリング加工により下方に突出する雌ネジ部25bが形成されている。その雌ネジ部25bに、ネジ部32を有した鍔状頭部34付きの棒状体30を挿入し、螺合することで、管状部27内に棒状体30を配するようにしている。
【0061】
この排水ドレン1についても
図1〜
図4のものと同様、棒状体30が作用することで、排水導入口22から流れ込むオーバーフロー水をスムーズに下方に流すことができる(
図5の2点鎖線矢印参照)。
【0062】
以上の種々の実施形態では、棒状体30の管状部27内での配設保持手段は相互に異なるものであるが、それぞれの排水ドレン1でどの配設保持手段を採用してもよい。また、以上に例示していない他の配設保持手段により棒状体30を保持するようにしてもよい。例えば、第2〜4実施形態ではいずれも、予備排水部20のごみ除け部を構成する覆い部25が棒状体30を保持する配設保持手段を担っているが、管状部27や排水部10で棒状体30を保持する構成にしてもよい。
【0063】
また、覆い部25はごみ除け部として作用するものの、覆い部25が上方の開口を塞いでいるため、雨水の導入量を少なくしている。よって、覆い部25を設けることなく、大きな排水導入口22を設けるようにしてもよい。特に、第1、第4実施形態のものは覆い部25が別体であるため、これを取り外し上方開口を含むように排水導入口22を大きくすればよい。その場合、棒状体30は他の配設保持手段で保持すればよい。
【0064】
また、予備排水部20は既存の排水部10(排水部材A)に対して後付けするものであってもよい。また、以上では、排水ドレン1の取付対象を軒樋5の底部に設けた排水口6としたものを例示したが、ベランダの横向き排水路の底部に形成した、竪樋7に通じる下引き用の下向き排水路を取付対象としてもよい。
【0065】
また、予備排水部20の形状や、排水部10との寸法関係については、実施形態に係る模式的な図面の例に限定されるものではない。特に、予備排水部20は、排水部10がほとんど機能しない場合でも排水できるようにする必要があるから、排水能力を上げるために、図例のものよりも大きな径の管状部27を採用してもよいことはいうまでもない。排水部10の全排水窓11aの大きさと、管状部27の径とのバランスを考慮して管状部27の径を決定すればよい。