【解決手段】本発明の装飾爪対応手袋は、手に装着可能であって、該手の肌の色と近似する色味を有する内側手袋と、前記手を基準として、前記内側手袋の外側に装着可能な外側手袋と、を備え、前記外側手袋はレース形状を有し、前記レース形状の網目から前記内側手袋を可視状態にでき、前記手において、前記内側手袋を先に装着し、次いで前記外側手袋を装着することで装着される
前記手に、前記内側手袋および前記外側手袋が装着される場合には、前記外側手袋から前記内側手袋が手のように視認されうる、請求項1から4のいずれか記載の装飾爪対応手袋。
前記内側手袋の生地の有する網目の開口部の大きさより、前記外側手袋の生地の有するレースの開口部の大きさが大きい、請求項1から9のいずれか記載の装飾爪対応手袋。
【背景技術】
【0002】
近年、女性を中心に、手の指の爪(以下、必要に応じて「爪」と略す)にネイルと呼ばれる装飾を施すことが流行している。これらの装飾は、ネイルサロンで施されたり、自身で施されたりすることがある。ネイルと呼ばれる装飾は、爪に色を塗布したり、様々なアクセサリーと取り付けたりすることで行われる。このため、従来のマニキュアなどと異なり、非常に華やかで人目を惹く装飾になっていることも多い。
【0003】
加えて、近年の美容意識の高まりに伴って、このような爪の装飾を施す年齢層も様々になってきている。若い女性はもちろんのこと、中高年や老齢の女性も、爪にネイル装飾を施すことが増えてきている。あるいは、男性であっても、爪に装飾を施すことも増えてきている。
【0004】
このように、近年では、老若男女を問わず、爪にネイル装飾を施す傾向が高まっている。装飾が施された爪は、華やかであったり美しかったりして、本人の意識の高まりはもちろん、周囲の人への楽しさを引き起こす。また、過去に比べて、仕事の場面などにおいても装飾の施された爪に対する批判的な風潮やアレルギーは減ってきている。このため、休日やプライベートの場面だけでなく、平日や日常においても爪に装飾をしたままの人も増えてきている。
【0005】
一方で、爪に装飾を施したままでは好ましくない場面も残っている。例えば、葬儀や通夜などの法要関係の場面である。予め日程が定まっている法事と異なり、葬儀や通夜などは突然に発生する。予定や日程が定まっているものではない。加えて、近年においても、葬儀や通夜の場面での参列者が、爪に装飾を施していることは好まれない傾向が高い。若い参列者であっても、爪に装飾を施していることは好まれない。
【0006】
冠婚葬祭などの行事において、葬儀以外は、日程予定があるので、参加者はそれに合わせて爪装飾を外しておくことができる(参加の際に、爪装飾がふさわしくないと判断する場合)。しかしながら葬儀関係は、日程が予定されておらず、予めの対応を行うことが難しい。また、ネイルなどの装飾は、自分で取り外すことが難しかったり、爪に悪影響を与えたりすることも多い。このため、専門店において装飾を取り外す必要があるが、突然の葬儀関係では、これも難しい。
【0007】
もちろん、葬儀関係でなくても、結婚式などのお祝いの場面でも、装飾爪を隠したいことがある。この場合でも、折角施した装飾を取り外すことは、うれしくないことも多い。もちろん、取り外すための作業やその後に装飾を付け直すことについての費用も問題となる。
【0008】
このような状況で、様々な手袋を用いることが提案されている(例えば特許文献1、2、3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、手の甲側を布にして日光をさえぎり、手の掌側を通風可能な状態にする事により、陽やけやシミから手肌を涼しく守る事が出来る。また、外出時やフォーマルな服装にもよく合うようにファッション的な配慮をしたものであり、また、日光の強弱はあるものの手の陽やけ、シミは年間を通しての問題でもあるので、おしゃれ用も兼ねていつでも使用できる通風手袋を開示する。
【0011】
特許文献1は、レース部分を設けて涼しさとおしゃれ感とを両立する手袋を開示している。
【0012】
しかしながら、特許文献1の手袋は、掌側が総レースになっている。このため、掌側は、外部から手が透けてみえる状態である。掌側が透ける場合でも、手袋の中での手の位置や、爪の伸び具合によっては、装飾した爪が透けて見えてしまう。特にネイルなどでアクセサリーなどを装飾に用いている場合には、爪の先端からも装飾が伸びていることがあり、掌側のレースの隙間から、この装飾が見えてしまうこともある。
【0013】
このように、特許文献1の手袋では、装飾爪を隠しつつ葬儀などに適切な対応をすることが困難である問題がある。もちろん、葬儀だけにとどまらず、装飾を外すことなく冠婚葬祭などの様々な場面において、装飾爪を隠しつつ対応することが困難である問題がある。
【0014】
特許文献2は、全体が伸縮性糸条によって編成された生地によって肌に密着するように形成された手袋を開示する。
【0015】
特許文献2のような伸縮性の高い密着型の手袋であれば、手と一緒に装飾爪を隠すことが可能である。
【0016】
しかしながら、特許文献2の手袋は、手を隠すことが可能である一方、手を美しく見せることができない。葬儀関係はもちろん、冠婚葬祭においては、手を美しく見せるために、レース態様の手袋をはめることが多くある。あるいは、女性にとっては、冠婚葬祭などの場面において手元を美しく見せるために、レース態様の手袋をはめることが求められることもある。これは、マナーの観点からでもあるし、ふさわしいおしゃれの観点からでもある。
【0017】
また、特許文献2の手袋は、伸縮性生地での手袋であるので、手に装着すると非常に伸長する。このため、生地の繊維の網目が広がって、濃色や派手な装飾爪が、透けて見えるようになってしまう問題がある。すなわち、装飾爪を隠すことも不十分である上に、場所に相応しい身だしなみも不十分となる問題がある。
【0018】
これらの観点から、特許文献2の手袋は問題を有している。
【0019】
特許文献3は、ナイロン製のストッキング生地から生成され、手の甲および掌を被覆するとともに、親指、人差し指、中指、薬指、小指をそれぞれ挿入する挿入口が設けられた手カバー部と、ナイロン製のストッキング生地から生成され、腕を覆う筒状の腕カバー部と、を有し、手カバー部と腕カバー部は、それぞれ分離して設けられ、該手カバー部の腕側端部を2重または3重の厚さにしている部位が該腕カバー部の手側端部を2 重または3重の厚さにしている部位を超えるようにして装着することにより、該手カバー部と腕カバー部との接合部が離れることなく、接合を維持できるようにしたことを特徴とする手腕分離型カバーを開示する。
【0020】
特許文献3も、装飾爪を隠すことができないあるいはおしゃれ感を演出できないか、いずれの問題を有している。
【0021】
このように、従来技術においては、装飾爪をしたままで、装飾爪を隠しつつもおしゃれ感やマナーに合わせた手袋を実現できない問題があった。この結果、装飾爪をしている人が、冠婚葬祭などの様々な場面に適した外観を作りにくい問題があった。
【0022】
本発明はこのような課題に鑑み、装飾爪を隠すことと場面やマナーに適したおしゃれ感を表現できることを両立できる装飾爪対応手袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の装飾爪対応手袋は、手に装着可能であって、該手の肌の色と近似する色味を有する内側手袋と、
手を基準として、内側手袋の外側に装着可能な外側手袋と、を備え、
外側手袋はレース形状を有し、レース形状の網目から内側手袋を可視状態にでき、
手において、内側手袋が先に装着され、次いで外側手袋が装着される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の装飾爪対応手袋は、ネイルなどの装飾を施された装飾爪を確実に隠しつつ、冠婚葬祭などの場面に対応するマナーやおしゃれ感を実現できる。これらにより、装飾を取り除くことなく、冠婚葬祭などへ出席できる。このため、費用や手間をかけて施した爪の装飾を取り除くことなく、冠婚葬祭などへの出席が可能となる。
【0025】
これらの結果、出席者も主催者も装飾爪における懸念を感じることなく、冠婚葬祭などを開催あるいは参加しやすくなる。これらの結果、当事者もその他の参加者も不快を感じることなく、出席することができる。
【0026】
特に、内側手袋と外側手袋のそれぞれの機能の組み合わせによって、装飾爪を確実に隠すことと、場面やマナーに相応しい身だしなみを両立できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の第1の発明に係る装飾爪対応手袋は、手に装着可能であって、該手の肌の色と近似する色味を有する内側手袋と、
手を基準として、内側手袋の外側に装着可能な外側手袋と、を備え、
外側手袋はレース形状を有し、レース形状の網目から内側手袋を可視状態にでき、
手において、内側手袋が先に装着され、次いで外側手袋が装着される。
【0029】
この構成により、装飾爪を隠すことと冠婚葬祭などの場面に相応しい身だしなみを両立させることができる。
【0030】
本発明の第2の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1の発明に加えて、内側手袋は、爪部を隠す。
【0031】
この構成により、内側手袋を装着する時点で、装飾爪を隠すことができる。
【0032】
本発明の第3の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1または第2の発明に加えて、外側手袋の袖部の長さは、内側手袋の袖部の長さよりも長い。
【0033】
この構成により、外側手袋は、内側手袋の存在を認識させないようにできる。
【0034】
本発明の第4の発明に係る装飾爪対応手袋では、第3の発明に加えて、手に内側手袋および外側手袋が装着される場合には、外側手袋は、内側手袋全体を覆う。
【0035】
この構成により、外側手袋から透けて見える内側手袋は、生身の手であるとの錯覚を生じさせることができる。
【0036】
本発明の第5の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、手に、内側手袋および外側手袋が装着される場合には、外側手袋から内側手袋が手のように視認されうる。
【0037】
この構成により、周囲の人間は、手にレース手袋をはめているだけのように認識する。結果として、おしゃれ感や身だしなみを十分に伝えることができる。
【0038】
本発明の第6の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、外側手袋は、装飾部分を有する。
【0039】
この構成により、様々なおしゃれを演出することができる。
【0040】
本発明の第7の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、内側手袋の指先の厚みは、他の部分の厚みよりも大きい。
【0041】
この構成により、装飾爪の装飾が大きい場合でも、内側手袋は隠すことができる。
【0042】
本発明の第8の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、外側手袋の色味は、内側手袋の色味よりも濃色である。
【0043】
この構成により、外側手袋は、内側手袋を透けさせる場合でも、生身の手のように意識させることができる。
【0044】
本発明の第9の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、内側手袋および外側手袋のそれぞれは、単独で使用可能である。
【0045】
この構成により、バリエーション豊かな使用ができる。
【0046】
本発明の第10の発明に係る装飾爪対応手袋では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、内側手袋の生地の有する網目の開口部の大きさより、外側手袋の生地の有するレースの開口部の大きさが大きい。
【0047】
この構成により、外側手袋から透けて見える内側手袋をより生身の手に見せることができる。
【0048】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0050】
(装飾爪)
図1は、本発明の実施の形態1における爪に装飾を施した手の写真である。手1の爪は、いわゆるネイルなどと呼ばれる装飾を施した装飾爪2を有している。
図1の写真においては、あるデザインや形態での装飾爪2があらわされているが、この写真に限られず、様々なデザインや形態の装飾爪2が有り得る。また、色味も様々であり、淡色、濃色、グラデーション、原色などあり得る。
【0051】
また、
図1のように、爪によってデザイン、色味、形態が異なることもあり得るし、爪の全てが同じデザインで装飾されていることもありえる。また、爪に直接的に塗装やアクセサリーを接着する形態もあり、付爪を取り付けてから、塗装やアクセサリーを接着する形態もある。
【0052】
このように、女性を中心とした装飾爪は、デザイン、色味、形態、形状などが非常にバラエティーに富んでおり、爪ごとにもことなるなどの状況がある。このようなおしゃれを楽しむことが増えている状況にある。このため、冠婚葬祭などのあるシーンや短い時間の場面でのみ、これを隠す必要に迫られることがある。しかし、この場合でも、場面に相応しい身だしなみやおしゃれを、手において演出することも同時に求められている。
【0053】
(全体概要)
図2は、本発明の実施の形態1における装飾爪対応手袋の正面図である。見易さのために、内側手袋20と外側手袋30を並べた状態で示している。装飾爪対応手袋10は、この内側手袋20と外側手袋30とを備える。これらの組み合わせが使用される。
【0054】
内側手袋20は、手に装着可能であり、手の肌の色と近似する色味を有する。内側手袋20を、手にまず装着する。すなわち、装飾爪対応手袋10において、装着時に内側に位置する。もちろん、内側手袋20の更に内側(手に接する内側)に、他の手袋を装着することを除外するものではない。
【0055】
内側手袋20は、手の肌の色と近似する色味を有する。例えば、一般的な肌色であったり、肌色を基準としてより淡色あるいはより濃色である色であったりする。これらの色味を有することで、手に装着した際に、手の色味との違いが少なく、目立たなくて済む。加えて、後述するように、外側手袋30を、内側手袋20の外側に装着すると、外側手袋30のレース形状の網目から見える形態において、内側手袋20が装着されていないように見える。すなわち、外側手袋30を通してみると、内側手袋20が無く、そのまま手が見えているような見え方を生じさせる。
【0056】
このように、内側手袋20が、肌の色と近似する色味を有することで、装飾爪対応手袋10を装着した手は、いわゆる冠婚葬祭などに適したレース形状の手袋のみを嵌めているように見える。
【0057】
また、内側手袋20は、いわゆる網目を基礎とした生地ではなく、目の詰まった生地で構成される。これに加えて、色味が肌色に近似することで、内側手袋20を装着すると、装飾爪2を隠すことができる。また、肌色に近似する色味であるので、装飾爪2を隠すことができつつも、装着した状態を目立たないようにすることができる。
【0058】
外側手袋30は、手を基準とすると、内側手袋20の外側に装着可能である。すなわち、使用者は、まず内側手袋20を手に装着し、次いでその外側に外側手袋30を装着する。2つの種類の手袋が装着されることで、1つのセットとしての装着がなされる。
【0059】
ここで、外側手袋30は、レース形状を有する。
図2では、外側手袋30は、レース形状に水玉模様が施されている形態が示されている。レース形状であるので、レース形状の網目から内部に装着される内側手袋20を可視状態にできる。言い換えれば網目を通して透けて見えるようにできる。このとき、内側手袋20は、肌の色味に近いので、レース形状の網目から透けて見えるのは、あたかも手そのものであるかのように見える。
【0060】
加えて、内側手袋20が、装飾爪2を隠している。このとき、内側手袋20そのものが装飾爪2を隠すことに加えて、上からレース形状の外側手袋30が装着されている。レース形状の外側手袋30が表に見えると共に肌の色が透けて見えるように錯覚することで、周囲の人間は爪が装飾爪2であるとは思うことがない。この錯覚による思い込みのことからも、装飾爪2を見えなくする効果がある。
【0061】
このような1つのセットである内側手袋20を先に手に装着し、次いで、外側手袋30を装着することで、手の装飾爪2を隠しつつ、冠婚葬祭に相応しいレース形状の外側手袋30での身だしなみを実現できる。
【0062】
(装着状態)
図3は、本発明の実施の形態1における内側手袋を装着した手の正面図である。
図3では、手1に内側手袋20が装着されている。内側手袋20は、上述したように、手の肌の色に近い色味を有している。加えて、透けにくい目詰まりの生地が用いられている。このため、
図3のように、内側手袋20が装着されるだけで、
図1の写真に示される装飾爪2が隠される。
【0063】
使用者は、
図3のように、まず内側手袋20を装着する。
【0064】
このように内側手袋20を装着することで、ネイルやその他の装飾が施された装飾爪2を隠すことができる。装飾爪2の装飾が派手であったり、爪によってデザインや色味が異なる場合でも、すっぽりと隠すことができる。
【0065】
図4は、本発明の実施の形態1にける外側手袋を装着した手の正面図である。外側手袋30は、内側手袋20の外側に装着される。外側手袋30は、上述したようにレース形状を有する。レース形状であるので、可視とできる網目を有している。この網目から、内側手袋20が見える(透けて見えるような感じで見える)。
【0066】
網目を通して肌の色に近似する色味を持つ内側手袋20が見えることで、あたかも手そのものが透けているかのように見える。周囲の人は、内側手袋20が装着されているのではなく、手が見えていると思ってしまう。すなわち、手の上に、直接的に、レース形状の手袋が装着されているものと思ってしまう。
【0067】
冠婚葬祭などにおいては、レース形状の手袋をはめることは、場に相応しい身だしなみやおしゃれとしてみなされている。
図4の状態は、このふさわしい身だしなみやおしゃれの状態として、周囲に見せることができる。当然ながら、装飾爪2をしている様子は見えず、場にそぐわない印象を与えてしまうことも防止できる。
【0068】
ここで、
図4に示されるように、外側手袋30の袖部の長さは、内側手袋20の袖部の長さよりも長い。
図4の端部32は、外側手袋30の袖部が内側手袋20の袖部よりも下側に来ており、長いことが分かる。
【0069】
これらの結果、内側手袋20の外側に外側手袋30を装着した際に、袖部において内側手袋がはみ出すことが無い。はみ出すことが無いことで、内側手袋20が装着されていることが、周囲から更に分かりにくい。また、袖部の長さの違いによって、外側手袋30は、手に装着されると、内側手袋20全体を覆う。
図4は、この状態を示している。
【0070】
外側手袋30が内側手袋20全体を覆うことで、手に直接的にレース形状の外側手袋30のみが嵌められているように、周囲には見える。内側手袋20の袖部が、外側手袋30からはみ出ないことも相まって、外側手袋30を装着した後では、内側手袋20を嵌めていることに周囲は気づきにくい。
【0071】
このような内側手袋20および外側手袋30が装着される場合には、外側手袋30から内側手袋20が、あたかも本当の手のように視認されうる。内側手袋20は、上述したように装飾爪2を隠しているので、全体として、装飾爪2を隠しつつも更にそれを感じさせることを防止できる。これに加えて、外側手袋30のレース形状が身だしなみを生じさせる。
【0072】
以上のように、実施の形態1における装飾爪対応手袋10は、装飾爪2である場合に、これを除去することなく、冠婚葬祭などの場面に相応しい身だしなみやおしゃれを実現させることができる。
【0074】
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、種々のバリエーションや追加的な工夫について説明する。
【0075】
(外側手袋の装飾)
図5は、本発明の実施の形態2における外側手袋の装着をした手の写真である。
図5の写真は、外側手袋30の実際に作成した一例を示している。
図5の写真にあるように、外側手袋30は、装飾部分34を備えることも好適である。レース形状を基本態様としつつ、外側手袋30は、装飾部分34を備えている。
図5では、水玉模様の装飾部分34を備えている。
【0076】
外側手袋30が、レース形状に加えて、このような装飾部分34を備えることで、最終的に外部から見える手の様子が美しくなる。また、様々な場面に応じた身だしなみやおしゃれをレベルアップすることもできる。加えて、装飾部分34が備わることで、周囲の視線がそこに集まりやすくなり、内側手袋20やそこに隠れている装飾爪2へ意識が生じにくくなる。この点で、内側手袋20によって装飾爪2を隠すことを、より確実にできる。
【0077】
図5では、一例として水玉模様の装飾部分34を示したが、他のデザインや色味であってもよい。
【0078】
(色味)
図6は、本発明の実施の形態2における装着中の内側手袋と外側手袋を示す写真である。
図6の写真に示されるように、外側手袋30の色味は、内側手袋20の色味よりも濃色である。
図6の写真では、内側手袋20の色味は肌色である。外側手袋30の色味は、黒色である。このように、外側手袋30の色味が、内側手袋20の色味よりも濃色である。
【0079】
このような色味の関係性があることで、外側手袋30を装着後でも、網目を通して見える内側手袋20が、本来の手として見えることを高めることができる。結果として、外側手袋30のみが嵌められているように見える。
【0080】
(生地の網目)
外側手袋30は、
図5、
図6などに示される通り、レース形状を有している。このため、目視ではっきりとわかる網目を有している。この網目の開口部を通じて、外側手袋30の内側にある内側手袋20の表面が見える。網目の開口部を通じて見えるので、部分的に見えることで、内側手袋20が手袋としてではなく、あたかも本当の手のように見える。
【0081】
また、内側手袋20は、いわゆるレースなどではない目の詰まった生地で構成される。手にフィットして装着できるように、伸縮性を有した生地である。目の詰まった生地であっても、微細な網目は存在する。また、伸縮性によって伸長すると微細な網目は物理的に広がることもある。
【0082】
このような状況において、外側手袋30の生地の網目の開口部の大きさは、内側手袋20の生地の開口部の大きさよりも大きい関係がある。この関係によって、外側手袋30の網目に周囲の人の目が意識され、内側手袋20の網目に意識がされない。むしろ、内側手袋20の存在が意識されない。
【0083】
このように、生地の網目の大きさの関係が所定の関係であることで、装飾爪2を隠しつつも、場面に相応しい身だしなみやおしゃれを実現できる。
【0084】
(内側手袋の特徴)
内側手袋20は、装飾爪2を隠すことを目的とする。装飾爪2は当然に指先の爪部分にある。このため、内側手袋20の指先の厚みは、他の部分の厚みよりも厚いことも好適である。指先の厚みが相対的に大きいことで、装飾爪2の装飾が大きい場合でも、確実に隠すことができる。なお、袖の端部や複数のパーツを合わせるなどにより生じる縫製部や合わせ目などが、製造上厚くなることがある。このような製造の都合での厚みよりも厚いことまでも厳密に含む意図ではなく、内側手袋20が手を覆う機能を果たしている部分での厚みの相違を意味する意図である。
【0085】
特に、ネイルなどの装飾が派手である場合でも、内側手袋20は、確実に隠すことができるので、装飾爪対応手袋10の効果が高まる。
【0086】
(独立使用)
内側手袋20と外側手袋30とは、それぞれ独立して使用が可能である。内側手袋20のみを手に装着する手袋として使用してもよいし、外側手袋30を、レース手袋として使用してもよい。オプション的に、このような使用が可能であることで、装飾爪対応手袋1の使用勝手が高まる。もちろん、既述したように、装飾爪対応手袋10は、内側手袋20と外側手袋30との組み合わせで使用されるので、この単体での独立使用は、オプション的な使用である。また、必要に応じて、外側手袋30の外に、更なる装飾を取り付けたり、手袋を装着したりすることを除外するものではない。
【0087】
(装着の説明)
次に、写真を用いながら、装飾爪対応手袋10の装着の流れについて説明する。
【0088】
図7は、本発明の装飾爪対応手袋を装着する前の手の写真である。
図7の写真では、手の爪に装飾が施されて装飾爪2がある状態が示されている。使用者は、このような装飾爪2をもっている状態であり、予定内にあるいは予定外に冠婚葬祭などの用事が生じることがある。
【0089】
このような場合に、装飾爪2の装飾を外すことは手間や費用がかかり、使用者にとっては好ましくない。そこで、使用者は、本発明の装飾爪対応手袋10を使用する。
【0090】
図8は、本発明の内側手袋を装着した手の写真である。
図7の状態に続いて、使用者が、手に内側手袋20を装着した状態を示している。内側手袋20は、上述したように、肌の色に近似する色味を有している。加えて、目の詰まった生地であって伸縮性のある生地で作られている。
【0091】
内側手袋20が装着されることで、
図8の写真に示されるように、装飾爪2が隠される。これにより、装飾爪2が表面に露出していない状態となっている。
【0092】
この段階では、内側手袋20の袖部の端部があるので、色味が肌の色に近似していても、内側手袋20が装着されていることが、外部から視認可能である。このため、この状態であれば、冠婚葬祭などでの場面に相応しいとは言い難い。
【0093】
図9は、本発明の内側手袋の外側に外側手袋を装着している途中の写真である。
図8の状態に続いて、使用者は、外側手袋30を装着する。装着途中であると、次第に内側手袋20の外側が、外側手袋30で覆われていく状態が認識できる。
【0094】
外側手袋30が内側手袋20の外側を覆い始めていくことで、覆われている部分については、内側手袋20を隠すようになっている。このとき、肌の色に近似する色味を持つ内側手袋20の上に、網目を有して濃色のレース形状の外側手袋30が覆っているので、内側手袋20を視認することがなくなるように見えている。すなわち、外側手袋30の内側は、手そのものであるかのように視認されるようになってくる。
【0095】
図10は、本発明の外側手袋の装着が終わった後の写真である。
図9で示した装着が進むと、外側手袋30の装着が完全に終わると、
図10の状態となる。
図10の状態となることで、外側手袋30が内側手袋20を完全に覆う。これらの結果、内側手袋20によって、装飾爪2は隠されている。このとき、外側手袋30も相まって、装飾爪2が隠されるレベルが上がり、周囲に意識させないこともレベルが上がる。
【0096】
また、
図10の通り、内側手袋20を意識せず、レース形状によって手の上に直接に外側手袋30が嵌められているように見える。
図10の写真では、レース形状の外側手袋30が、手の上に嵌められているようであり、冠婚葬祭などの場面でもふさわしい身だしなみとなっている。また、レース形状、装飾部分、色味、デザインなどを変えることで、自身の好みに合うおしゃれを楽しむこともできる。
【0097】
図11は、
図10などとの比較を示す外側手袋だけを装着した手の写真である。
【0098】
内側手袋20を装着せずに、外側手袋30のみを装着すると、
図11の写真のように、装飾爪2がそのまま透けて見える。これは、外側手袋30に限らず、冠婚葬祭などで必要となるレース形状の手袋をはめた場合でも同じである。すなわち、従来技術あるいは一般に知られるレース形状の手袋のみでは、装飾爪2を隠すことができず、場に相応しくなくなってしまう。これに対して、本発明の装飾爪対応手袋10であれば、この問題を解消できる。
図10の通りである。
【0099】
以上のように、実施の形態2の装飾爪対応手袋10は、種々の工夫によって、その目的達成レベルを上げることができる。
【0100】
以上、実施の形態1〜2で説明された装飾爪対応手袋は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。