(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200822(P2020-200822A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】回転機械及び回転機械の冷却方法
(51)【国際特許分類】
F04D 29/58 20060101AFI20201120BHJP
F04D 29/62 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
F04D29/58 E
F04D29/58 F
F04D29/62 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-110436(P2019-110436)
(22)【出願日】2019年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100116920
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 光
(72)【発明者】
【氏名】小田 兼太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤咲 克弥
(72)【発明者】
【氏名】吉永 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 紘樹
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA06
3H130AA23
3H130AB22
3H130AB42
3H130AC01
3H130BA33A
3H130BA33D
3H130BA33J
3H130BA33Z
3H130BA34A
3H130BA34D
3H130BA34G
3H130BA34J
3H130BA34Z
3H130BA71A
3H130BA71D
3H130BA71J
3H130BA71Z
3H130BA97A
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3H130BA97J
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3H130DG03Z
3H130DJ01Z
3H130EA07A
3H130EA07D
3H130EA07J
3H130EA07Z
3H130ED00A
3H130ED00D
3H130ED00J
3H130ED00Z
(57)【要約】
【課題】シンプルな構成で移送する液体の温度上昇を抑制できる回転機械を提供すること。
【解決手段】容器2の外部に設けられ回転駆動する駆動部3と、容器2の外部と内部を連通するように設けられ駆動部3の回転駆動により回転する回転軸4と、容器2の内部に設けられ回転軸4と共に回転するインペラ51を有しインペラ51の回転によって液体Lを移送する移送部5と、容器2の内部に設けられ回転軸4の外周を覆うように設けられる中間伝熱部54と、移送部5を覆うように設けられ容器2からの移送部5への熱輻射を抑制するサーマルシールド55と、液体L1を流通させて冷却を行う管体61を有し管体61が中間伝熱部54及びサーマルシールド55に隣接して設けられ中間伝熱部54及びサーマルシールド55から管体61への熱伝導により中間伝熱部54及びサーマルシールド55の温度を調整する温度調整部6とを備えて構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱容器の内部で液体を移送する回転機械において、
回転軸と、
前記液体を移送する移送部と、
前記断熱容器の内部に設けられ前記回転軸の外周を覆うように設けられる中間伝熱部と、
前記移送部を覆うように設けられるシールド部と、
冷媒を流通させて冷却を行う冷却体を有し、前記冷却体が前記中間伝熱部及び前記シールド部に隣接して設けられている温度調整部と、
を備える回転機械。
【請求項2】
前記断熱容器の外部に設けられ回転駆動する駆動部を更に備え、
前記回転軸は、前記断熱容器の外部と内部を連通するように設けられ前記駆動部の回転駆動により回転し、
前記移送部は、前記断熱容器の内部に設けられ前記回転軸と共に回転するインペラを有し前記インペラの回転によって前記液体を移送し、
前記シールド部は、前記移送部を覆うように設けられ前記断熱容器からの前記移送部への熱輻射を抑制し、
前記温度調整部は、前記中間伝熱部及び前記シールド部から前記冷却体への熱伝導により前記中間伝熱部及び前記シールド部を冷却する、
請求項1に記載の回転機械。
【請求項3】
前記シールド部は、前記移送部に取り付けられて支持され、前記断熱容器の壁部に接触していない、
請求項1又は2に記載の回転機械。
【請求項4】
前記断熱容器は、内部を真空とした真空容器である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転機械。
【請求項5】
断熱容器の内部で液体を移送する回転機械の冷却方法において、
前記回転機械は、
前記断熱容器の外部に設けられ回転駆動する駆動部と、
前記断熱容器の外部と内部を連通するように設けられ前記駆動部の回転駆動により回転する回転軸と、
前記断熱容器の内部に設けられ前記回転軸と共に回転するインペラを有し前記インペラの回転によって前記液体を移送する移送部と、
前記断熱容器の内部に設けられ前記回転軸の外周を覆うように設けられる中間伝熱部と、
前記移送部の周囲を覆うように設けられ前記断熱容器からの前記移送部への熱輻射を抑制するシールド部と、
冷媒を流通させて冷却を行う冷却体と、を備え、
前記回転機械の冷却方法は、
前記冷却体が前記中間伝熱部及び前記シールド部に隣接して設けられた状態で前記冷却体に前記冷媒を流通させ、前記中間伝熱部及び前記シールド部から前記冷却体への熱伝導により前記中間伝熱部及び前記シールド部を冷却する、
回転機械の冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の移送などに用いられる回転機械及び回転機械の冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転機械として、例えば、特開2017−25810号公報に記載されるように、容器内に収容される低温の液体を移送する回転機械が知られている。この回転機械は、駆動モータを容器の外側に配置し、駆動モータにより駆動される回転軸が容器内へ挿通されている。そして、容器内で回転軸に取り付けられるインペラを回転させて流体を移送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−25810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような回転機械にあっては、移送する液体が温度上昇しないように断熱手段を設ける必要がある。例えば、上述した回転機械では、容器外部と繋がるケーシングを介して熱が入り込まないようにするため、駆動モータとインペラの間のケーシングに中間伝熱部を形成している。すなわち、配管に冷媒を循環させて中間伝熱部を冷却し低温状態とすることにより、容器外部の駆動モータ側から容器内部のインペラ側へ熱が伝導することを抑制している。
【0005】
このような回転機械において、より断熱効果を得るためにインペラの周囲をシールドで覆い、このシールドによって容器からの輻射を抑制することが考えられる。しかしながら、複数の配管が必要となり、配管構成が複雑となる。すなわち、シールドを冷却して低温状態とするためには、シールドを冷却するための新たな配管が必要となる。この場合、移送する液体の温度上昇が効果的に抑制されるが、冷媒を循環させる配管が複数必要となり、配管構造が複雑化する。
【0006】
そこで、移送する液体の温度上昇を抑制しつつ、冷媒を循環させる配管をシンプルな構成とすることができる回転機械及び回転機械の冷却方法の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る回転機械は、断熱容器の内部で液体を移送する回転機械において、回転軸と、液体を移送する移送部と、断熱容器の内部に設けられ回転軸の外周を覆うように設けられる中間伝熱部と、移送部を覆うように設けられるシールド部と、冷媒を流通させて冷却を行う冷却体を有し、冷却体が中間伝熱部及びシールド部に隣接して設けられている温度調整部とを備えて構成されている。この回転機械によれば、中間伝熱部及びシールド部から冷却体への熱伝導により中間伝熱部及びシールド部の温度を調整する温度調整部を備えている。これにより、中間伝熱部及びシールド部の複数の部材において一つの冷却体への熱伝導により温度調整を行うことができる。このため、中間伝熱部及びシールド部に対しそれぞれ温度調整のための冷却体を設ける必要がない。従って、シンプルな配管で中間伝熱部及びシールド部の温度調整を行うことができる。
【0008】
また、本開示の一態様に係る回転機械において、断熱容器の外部に設けられ回転駆動する駆動部を更に備え、回転軸は、断熱容器の外部と内部を連通するように設けられ駆動部の回転駆動により回転し、移送部は、断熱容器の内部に設けられ回転軸と共に回転するインペラを有しインペラの回転によって液体を移送し、シールド部は、移送部を覆うように設けられ断熱容器からの移送部への熱輻射を抑制し、温度調整部は、中間伝熱部及びシールド部から冷却体への熱伝導により中間伝熱部及びシールド部を冷却するように構成されていてもよい。この場合であっても、中間伝熱部及びシールド部に対しそれぞれ温度調整のための冷却体を設ける必要がない。従って、シンプルな配管で中間伝熱部及びシールド部の温度調整を行うことができる。
【0009】
また、本開示の一態様に係る回転機械において、シールド部は、移送部に取り付けられて支持され、断熱容器の壁部に接触していないように構成されていてもよい。この場合、断熱容器からシールド部へ熱伝導により熱が入り込むことが抑制される。このため、シールド部を効率良く冷却することができる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る回転機械において、断熱容器は、内部を真空とした真空容器であってもよい。この場合、断熱容器を真空容器とすることにより、断熱容器の断熱性を高めることができる。
【0011】
本開示の一態様に係る回転機械の冷却方法は、断熱容器の内部で液体を移送する回転機械の冷却方法において、回転機械は、断熱容器の外部に設けられ回転駆動する駆動部と、断熱容器の外部と内部を連通するように設けられ駆動部の回転駆動により回転する回転軸と、断熱容器の内部に設けられ回転軸と共に回転するインペラを有しインペラの回転によって液体を移送する移送部と、断熱容器の内部に設けられ回転軸の外周を覆うように設けられる中間伝熱部と、移送部の周囲を覆うように設けられ断熱容器からの移送部への熱輻射を抑制するシールド部と、冷媒を流通させて冷却を行う冷却体とを備え、回転機械の冷却方法は、冷却体が中間伝熱部及びシールド部に隣接して設けられた状態で冷却体に冷媒を流通させ、中間伝熱部及びシールド部から冷却体への熱伝導により中間伝熱部及びシールド部を冷却する。この回転機械の冷却方法によれば、冷却体が中間伝熱部及びシールド部に隣接して設けられた状態で冷却体に冷媒を流通させ、中間伝熱部及びシールド部から冷却体への熱伝導により中間伝熱部及びシールド部を予め設定された温度に冷却する。このため、一つの冷却体により中間伝熱部及びシールド部の複数の部材の温度調整を行うことができる。このため、中間伝熱部及びシールド部に対しそれぞれ温度調整のための冷却体を設ける必要がない。従って、シンプルな配管で中間伝熱部及びシールド部の温度調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る発明によれば、シンプルな構成で移送する液体の温度上昇を抑制できる回転機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の実施形態に係る回転機械の概要を示す断面図である。
【
図2】
図1の回転機械におけるII-IIの水平断面図である。
【
図3】
図1の回転機械における温度調整部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、本開示の実施形態に係る回転機械の構成概要図である。
図2は、
図1のII-IIにおける回転機械の水平断面図である。
【0016】
図1に示すように、回転機械1は、容器2内で低温の液体Lを移送する機器であり、容器2に設置されている。
図1では、回転機械1として、極低温で液化したヘリウム、窒素、水素などの液体を移送するポンプに適用した場合を示している。
【0017】
回転機械1は、駆動部3、回転軸4及び移送部5を備えている。駆動部3は、回転軸4を回転駆動させる部位である。例えば、駆動部3としては、電力供給により回転駆動する電動機が用いられる。具体的には、駆動部3は、ロータ31及びステータ32を備えている。ロータ31は、回転軸4に取り付けられ、回転軸4と共に回転する。ステータ32は、ロータ31の周囲に配置され、駆動部3のケーシング33に対し移動しないように取り付けられている。駆動部3は、電力供給によりロータ31及び回転軸4を回転させる。駆動部3への電力供給は、図示しない配線により行われる。
【0018】
駆動部3は容器2の外部に設けられている。すなわち、駆動部3は、容器2の天井部21の外面に固定されている。容器2は、断熱容器であり、例えば内部を真空状態とすることができる真空容器である。容器2は、内部で移送される液体Lを低温に保つための断熱容器として機能する。回転軸4は、例えば鉛直方向に向けて配置され、回転可能に支持されている。例えば、回転軸4は、ケーシング33内で軸受けされ、回転可能に取り付けられている。回転軸4は、容器2の外部と内部を連通するように設けられ、駆動部3の回転動力を移送部5へ伝達している。
【0019】
移送部5は、容器2の内部に設けられている。すなわち、移送部5は、容器2の天井部21の内側に取り付けられ、駆動部3から延びる回転軸4を挿通するように設けられている。移送部5は、回転軸4と共に回転するインペラ51を有している。移送部5は、インペラ51の回転によって液体Lを移送する。つまり、移送部5は、インペラ51の回転によって液体Lを下方から吸引し側方に向けて排出する。インペラ51は、例えば回転軸4の下端に取り付けられ、回転軸4と一体となって回転する。インペラ51は、複数の羽根を有する羽根車を備えており、公知の構造のものを用いることができる。このインペラ51は、回転する羽根の遠心力により液体Lを下方から吸引し側方へ向けて排出する。
【0020】
移送部5のケーシング53には、中間伝熱部54が設けられている。中間伝熱部54は、駆動部3側からの熱の伝導を抑制するための部材である。中間伝熱部54は、回転軸4の外周を覆うように設けられている。つまり、中間伝熱部54は、回転軸4の外周に対応する部位と、回転軸4の外周に対向する部位から外周側に延びる部位と備える。例えば、外周側に延びる部位は、後述する温度調整部6に当接している。中間伝熱部54は、回転軸4と同等以上の熱伝導性を有する部材により構成され、例えば銅板によって構成される。中間伝熱部54を低温に保つことにより、駆動部3側からの熱の進入を抑制することができる。
【0021】
移送部5のケーシング53には、サーマルシールド55が取り付けられている。サーマルシールド55は、移送部5を覆うように設けられ、容器2の壁部(天井部21を含む)からの熱輻射を抑制するシールド部として機能する。例えば、サーマルシールド55は、底面のない箱型に形成される。サーマルシールド55は、容器2の壁部と移送部5の間に設けられていれば、箱型以外の形状とする場合もある。サーマルシールド55は、天井面に移送部5を貫通させて、移送部5のケーシング53に取り付けられている。サーマルシールド55は、移送部5を覆っている。これにより、サーマルシールド55は、容器2の天井部21から発せられる輻射熱Hが移送部5に直接当たることを防止している。また、サーマルシールド55は、移送部5に取り付けられ、下方から支持する部材を備えていない。すなわち、サーマルシールド55は、移送部5に取り付けられ、容器2の壁部(例えば底部)に接触していない。このため、容器2からサーマルシールド55へ熱伝導により熱が入り込むことが抑制される。従って、サーマルシールド55を効率良く冷却することができる。なお、シールド部としては、サーマルシールド55と別に移送部5から延びる配管を覆うシールド部材を備えていてもよい。例えば、移送部5から延びる配管と容器2の底部との間にシールド部材を設けてもよい。これにより、容器2の底部からの熱輻射を抑制することができる。
【0022】
移送部5のケーシング53には、温度調整部6が設けられている。温度調整部6は、中間伝熱部54及びサーマルシールド55の温度調整を行う。すなわち、温度調整部6は、中間伝熱部54及びサーマルシールド55の温度が上昇しないように冷却を行う。例えば、温度調整部6は、冷媒を流通させることにより、中間伝熱部54及びサーマルシールド55の冷却を行う。なお、温度調整部6は、中間伝熱部54及びサーマルシールド55を予め設定された温度に調整するものであってもよい。予め設定された温度は、温度制御により設定された温度でもよいし、設計温度であってもよい。設定温度は、大気の気温より低く、移送すべき液体Lの温度以上の温度とされる。例えば、設定温度は、摂氏−200度とされる。
【0023】
図2に示すように、温度調整部6は、冷媒となる液体L1を流通させる管体61を有している。管体61は、中間伝熱部54及びサーマルシールド55を冷却するための冷却体として機能する。管体61は、回転軸4を取り囲む流路を形成している。管体61は、中間伝熱部54と当接し又は近接して設けられている。例えば、管体61は、中間伝熱部54に直接接触して設けられていてもよいし、直接接触していなくても銅などの伝熱性の高い部材を介して熱伝導可能に設けられていてもよい。例えば、中間伝熱部54が円板状に形成される場合、管体61は、中間伝熱部54の外縁又は外周に沿って環状に形成される。この場合、中間伝熱部54は、管体61の上面から側面にわたり接触する環状の接触面を備える。管体61の内部は、液体L1の流路となる。管体61には、液体L1を循環させるための二つの配管62が接続されている。一方の配管62は、液体L1を管体61に注入する。他方の配管62は、管体61を循環した液体L1を排出する。配管62は、ポンプ及び冷却器に接続されており、所定温度の液体L1を流通させる。
【0024】
図3は、温度調整部6の拡大断面図である。
図3に示すように、管体61は、中間伝熱部54及びサーマルシールド55に隣接して設けられている。例えば、中間伝熱部54の外周位置に管体61が設けられている。また、管体61の外周位置にサーマルシールド55が取り付けられている。管体61は、中間伝熱部54及びサーマルシールド55に直接接触させて設けてもよいし、ケーシング53などの部材を介して中間伝熱部54及びサーマルシールド55に隣接して設けられていてもよい。つまり、中間伝熱部54及びサーマルシールド55の熱を管体61へ伝導できるように、管体61が設けられていればよい。
【0025】
サーマルシールド55には、取付部55aが形成されている。取付部55aは、サーマルシールド55を移送部5に取り付けるための部位である。取付部55aは、移送部5を挿通するための開口の縁を軸方向へ屈曲して形成されている。つまり、取付部55aは、サーマルシールド55に形成される開口の内縁を回転軸の軸方向に折り曲げて筒状に形成されている。この取付部55aを形成することにより、ボルトなどの締結具により取付部55aを移送部5に共締めして、サーマルシールド55を移送部5に対し容易に取り付けることができる。
【0026】
また、サーマルシールド55の取付構造は、取付部55aにおける取付のほか、サーマルシールド55を天井部21から吊下げて支持する支持部材を用いてもよい。例えば、天井部21の下面に支持部材の上端を取り付け、支持部材の下端にサーマルシールド55を取り付けてもよい。支持部材は、棒体により構成され、例えば複数設けられる。これにより、サーマルシールド55の取付構造が強固なものとなり、破損しにくくなる。
【0027】
図1及び
図3では、中間伝熱部54、管体61及びサーマルシールド55は、回転軸4の軸方向において同一位置に設けられ、回転軸4の径方向に沿って並べて設けられている。このため、管体61により中間伝熱部54及びサーマルシールド55の熱を吸収し、中間伝熱部54及びサーマルシールド55を効率良く冷却することができる。
【0028】
また、管体61が中間伝熱部54及びサーマルシールド55に隣接して設けられることにより、一つの管体61により中間伝熱部54及びサーマルシールド55を冷却することができる。このため、中間伝熱部54とサーマルシールド55に対し、それぞれ冷却体を設置する必要がない。従って、冷却体に冷媒を流通させるための配管がシンプルなものとなる。また、回転機械1をコンパクトに構成することができる。
【0029】
次に、本実施形態に係る回転機械1の動作及び回転機械1の冷却方法について説明する。
【0030】
図1において、駆動部3に電力が供給されることにより、ロータ31及び回転軸4が回転する。駆動部3への電力供給は、図示しない配線などを通じて行われる。回転軸4が回転すると、移送部5のインペラ51も回転する。インペラ51の回転により、液体Lに移送力が与えられる。すなわち、移送部5において液体Lが下方から吸引され、液体Lが側方へ排出される。
【0031】
このとき、液体Lとして低温の液体を移送するため、回転機械1の移送部5は、断熱容器である容器2内に配置されている。液体Lは容器2の外部の大気と比べて低い温度であるため、液体Lの移送によって液体Lの温度ができるだけ上昇しないようにすることが求められる。
【0032】
回転機械1には、移送部5において、インペラ51の駆動部3側に中間伝熱部54が形成されている。この中間伝熱部54は、管体61により冷却されている。このため、駆動部3から発せられる熱は、中間伝熱部54に吸収され、インペラ51側へ熱伝導することが抑制される。
【0033】
また、回転機械1には、移送部5を覆うサーマルシールド55が設けられている。このサーマルシールド55は、管体61により冷却されている。このため、容器2の天井部21から発せられる輻射熱Hは、サーマルシールド55に吸収される。従って、移送部5の温度が輻射熱Hにより上昇することを抑制することができる。
【0034】
ここで、中間伝熱部54及びサーマルシールド55は、管体61により冷却されている。管体61には、配管62を通じて冷媒が注入されている。冷媒は、管体61を循環して配管62により管体61から排出される。これにより、管体61が低温状態となり、中間伝熱部54及びサーマルシールド55が管体61により冷却される。
【0035】
このとき、
図3に示すように、中間伝熱部54及びサーマルシールド55に対し管体61が隣接して設けられることにより、一つの管体61により中間伝熱部54及びサーマルシールド55を冷却することができる。
【0036】
これに対し、中間伝熱部54とサーマルシールド55に対しそれぞれ冷却体を設けることも考えられる。この場合、二つの冷却体が必要となり、それぞれに対し冷媒を流通させるための配管を設置する必要がある。このため、配管構造が複雑となってしまう。そこで、本実施形態に係る回転機械1では、中間伝熱部54及びサーマルシールド55に対し管体61を隣接して設けることにより、一つの管体61により中間伝熱部54及びサーマルシールド55を同時に冷却している。このため、冷媒を流通させるための配管をシンプルに構成することができる。また、配管数を低減できるため、回転機械1の小型化を図ることができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る回転機械1によれば、中間伝熱部54及びサーマルシールド55から管体61への熱伝導により中間伝熱部54及びサーマルシールド55の温度調整を行う温度調整部6を備えている。これにより、中間伝熱部54及びサーマルシールド55の複数の部材において一つの管体61への熱伝導により温度調整を行うことができる。このため、中間伝熱部54及びサーマルシールド55に対しそれぞれ温度調整のための管体61を設ける必要がない。従って、シンプルな配管で中間伝熱部54及びサーマルシールド55の温度調整を行うことができる。
【0038】
また、本実施形態に係る回転機械1は、サーマルシールド55が移送部5に取り付けられて支持され、容器2の壁部に接触していないように構成されている。このため、容器2からサーマルシールド55へ熱伝導により熱が入り込むことが抑制される。従って、サーマルシールド55を効率良く冷却することができる。
【0039】
また、本実施形態に係る回転機械1において、容器2は、内部を真空とした真空容器とされる。これにより、容器2により断熱効果を高める。
【0040】
本実施形態に係る回転機械1の冷却方法によれば、管体61が中間伝熱部54及びサーマルシールド55に隣接して設けられた状態で管体61に液体L1を流通させ、中間伝熱部54及びサーマルシールド55から管体61への熱伝導により中間伝熱部54及びサーマルシールド55を冷却することができる。すなわち、一つの管体61により中間伝熱部54及びサーマルシールド55の複数の部材の温度調整が可能となる。このため、中間伝熱部54及びサーマルシールド55に対しそれぞれ温度調整のための冷却体を設ける必要がない。従って、シンプルな配管で中間伝熱部54及びサーマルシールド55の温度調整を行うことができる。
【0041】
以上のように、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲の記載の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形態様で実施することができる。
【0042】
例えば、上述した実施形態においては、回転機械1の容器2が真空断熱を行うものであったが、他の手法により断熱を行うものであってもよい。
【0043】
また、上述した実施形態においては、回転機械1を低温の液体Lを移送するポンプに適用した場合について説明したが、回転機械1を他の機器などに適用してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 回転機械
2 容器(断熱容器)
3 駆動部
4 回転軸
5 移送部
6 温度調整部
21 天井部
31 ロータ
32 ステータ
51 インペラ
53 ケーシング
54 中間伝熱部
55 サーマルシールド(シールド部)
61 管体(冷却体)
62 配管
L 液体
L1 液体(冷媒)
H 輻射熱