特開2020-200962(P2020-200962A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-200962トイレシステム、トイレ装置、サーバ、及び空気調和機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200962(P2020-200962A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】トイレシステム、トイレ装置、サーバ、及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/63 20180101AFI20201120BHJP
   A01K 23/00 20060101ALI20201120BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20201120BHJP
   F24F 11/72 20180101ALI20201120BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20201120BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20201120BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20201120BHJP
   F24F 120/10 20180101ALN20201120BHJP
【FI】
   F24F11/63
   A01K23/00 C
   F24F11/58
   F24F11/72
   F24F11/89
   F24F11/65
   F24F11/61
   F24F120:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-106052(P2019-106052)
(22)【出願日】2019年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】豊島 健太
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA09
3L260BA41
3L260CA50
3L260CB65
3L260EA13
3L260FA07
3L260FA13
3L260FB12
3L260GA15
3L260HA01
3L260JA12
3L260JA19
3L260JA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】動物用トイレに排泄された動物の排泄物の臭いを軽減できるトイレシステム、トイレ装置、サーバ、及び空気調和機を提供する。
【解決手段】トイレシステム100は、動物用トイレ11と、サーバ20と、空気調和機30と、検知部と、通信部とを備える。空気調和機30は、サーバ20と通信する。検知部は、動物用トイレ11に動物が進入したことを検知する。通信部は、検知部の検知結果を示す情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、検知部の検知結果に基づいて空気調和機30を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物用トイレと、
サーバと、
前記サーバと通信する空気調和機と、
前記動物用トイレに動物が進入したことを検知する検知部と、
前記検知部の検知結果を示す情報を前記サーバに送信する通信部と
を備え、
前記サーバは、前記検知部の検知結果に基づいて前記空気調和機を制御する、トイレシステム。
【請求項2】
前記動物用トイレに動物が進入したことを前記検知部が検知すると、前記空気調和機が起動し、又は、前記空気調和機の運転出力が第1運転出力から前記第1運転出力よりも高い第2運転出力に切り替わるように、前記サーバが前記空気調和機を制御する、請求項1に記載のトイレシステム。
【請求項3】
前記検知部は、前記動物用トイレから動物が退出したことをさらに検知し、
前記検知部により前記動物用トイレに動物が進入したことが検知された時点から、前記検知部により前記動物用トイレから動物が退出したことが検知された後、所定期間が経過するまでの間は、前記空気調和機が稼働し続け、又は、前記空気調和機が前記第2運転出力で稼働し続けるように、前記サーバが前記空気調和機を制御する、請求項2に記載のトイレシステム。
【請求項4】
前記所定期間中に前記検知部により前記動物用トイレに動物が進入したことが検知されること無く、前記所定期間が経過すると、前記空気調和機が停止し、又は、前記空気調和機の運転出力が前記第2運転出力から前記第1運転出力に切り替わるように、前記サーバが前記空気調和機を制御する、請求項3に記載のトイレシステム。
【請求項5】
動物用トイレと、
前記動物用トイレに動物が進入したことを検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて空気調和機を制御するサーバに対し、前記検知部の検知結果を示す情報を送信する通信部と
を備える、トイレ装置。
【請求項6】
空気調和機と通信するサーバであって、
動物用トイレに動物が進入したことを検知する検知部の検知結果を示す情報を受信する受信部と、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記空気調和機を制御する制御コマンドを生成する制御部と、
前記空気調和機に対して前記制御コマンドを送信する送信部と
を備える、サーバ。
【請求項7】
空気を調和する空調部と、
外部の空気を前記空調部に送る送風部と、
動物用トイレに動物が進入したことを検知する検知部の検知結果を示す情報を受信する受信部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記送風部を制御する制御部と
を備える、空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレシステム、トイレ装置、サーバ、及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の空気調和機は、室内熱交換器と、空気調和機と、検出部と、制御部とを備える。室内熱交換器は、室内の空気に対して熱交換を行なう。空気調和機は、空気清浄能力を切換可能である。検出部は、室内に居る人及びペットを検出する。制御部は、検出部が室内にペットのみが居ることを検出した場合には、検出部が室内に人が居ることを検出した場合よりも、空気調和機の空気清浄能力をアップさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−145006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、室内に動物用トイレが配置されている場合、動物用トイレで動物が排泄をすると、排泄物の臭いが室内に拡がる。
【0005】
本発明は、動物用トイレに排泄された動物の排泄物の臭いを軽減できるトイレシステム、トイレ装置、サーバ、及び空気調和機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面によれば、トイレシステムは、動物用トイレと、サーバと、空気調和機と、検知部と、通信部とを備える。空気調和機は、前記サーバと通信する。検知部は、前記動物用トイレに動物が進入したことを検知する。通信部は、前記検知部の検知結果を示す情報を前記サーバに送信する。前記サーバは、前記検知部の検知結果に基づいて前記空気調和機を制御する。
【0007】
本発明の第2の局面によれば、トイレ装置は、動物用トイレと、検知部と、通信部とを備える。検知部は、前記動物用トイレに動物が進入したことを検知する。通信部は、前記検知部の検知結果に基づいて空気調和機を制御するサーバに対し、前記検知部の検知結果を示す情報を送信する。
【0008】
本発明の第3の局面によれば、サーバは、空気調和機と通信する。サーバは、受信部と、制御部と、送信部とを備える。受信部は、動物用トイレに動物が進入したことを検知する検知部の検知結果を示す情報を受信する。制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記空気調和機を制御する制御コマンドを生成する。送信部は、前記空気調和機に対して前記制御コマンドを送信する。
【0009】
本発明の第4の局面によれば、空気調和機は、空調部と、送風部と、受信部と、制御部とを備える。空調部は、空気を調和する。送風部は、外部の空気を前記空調部に送る。受信部は、動物用トイレに動物が進入したことを検知する検知部の検知結果を示す情報を受信する。制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて前記送風部を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、動物用トイレに排泄された動物の排泄物の臭いを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係るトイレシステムを示す模式図である。
図2】トイレ装置の構成を示すブロック図である。
図3】サーバの構成を示すブロック図である。
図4】空気調和機の構成を示すブロック図である。
図5】トイレシステムの第1の動作を示す第1フロー図である。
図6】トイレシステムの第1の動作を示す第2フロー図である。
図7】空気調和機の動作のタイムチャートである。
図8】トイレシステムの第2の動作を示す第1フロー図である。
図9】トイレシステムの第2の動作を示す第2フロー図である。
図10】トイレシステムの第3の動作を示す第1フロー図である。
図11】トイレシステムの第3の動作を示す第2フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るトイレシステム100について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るトイレシステム100を示す模式図である。
【0014】
図1に示すように、トイレシステム100は、トイレ装置10と、サーバ20と、空気調和機30と、ネットワーク接続装置40とを備える。トイレ装置10と空気調和機30とは、室内Rに配置される。
【0015】
トイレ装置10は、動物用トイレ11を備える。動物用トイレ11は、例えば、猫用のトイレである。なお、動物用トイレ11を使用する動物の種類は、特に限定されない。
【0016】
動物用トイレ11は、底部11aと、天井部11bと、開口部11cとを含む。
【0017】
底部11aには、天井部11bが取り付けられる。底部11a上には、動物が排泄をする空間Xが形成される。空間Xは、底部11aと天井部11bとにより覆われる。底部11aは、空間Xの下方側を覆う。天井部11bは、空間Xの上方側を覆う。底部11aには、例えば、猫砂が配置される。猫砂は、動物の排泄物の周りに付着する。猫砂は、撥水性を有する。猫砂は、砂、ガラスビーズ、及び撥水性のある木材であり得る。
【0018】
開口部11cは、動物用トイレ11の内部空間である空間Xと、動物用トイレ11の外部とを連通する。動物は、開口部11cを通じて動物用トイレ11に進入し、空間X内で排泄をした後、開口部11cを通じて動物用トイレ11から退出する。
【0019】
なお、動物用トイレ11は、天井部11bを含んでいない形状のものでもよい。
【0020】
ネットワーク接続装置40は、例えば、無線LAN及びモデムとして機能する。ネットワーク接続装置40は、ネットワーク網Nを介してサーバ20と接続される。
【0021】
トイレ装置10と空気調和機30とは、例えば、ワイヤレスLAN、又はBluetooth(登録商標)により、ネットワーク接続装置40と無線接続される。なお、トイレ装置10と空気調和機30とは、ネットワーク接続装置40と有線接続されてもよい。
【0022】
次に、図1及び図2を参照して、トイレ装置10についてさらに説明する。図2は、トイレ装置10の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1及び図2に示すように、トイレ装置10は、検知部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とをさらに備える。
【0024】
検知部12は、動物用トイレ11に動物が進入したことと、動物用トイレ11から動物が退出したこととを検知する。検知部12は、動物用トイレ11に設置される。検知部12は、空間X内の動物を検知する。
【0025】
第1実施形態では、検知部12は、赤外線センサである。赤外線センサは、発光部と受光部とを有する。赤外線センサである検知部12は、例えば、透過検知方式により空間X内の動物を検知する。この場合、空間X内に動物が存在しないと、動物により発光部からの光が遮られないので、発光部から発せられる光を受光部が受光する。従って、受光部が受光する光の強度が所定値よりも大きくなる。これに対し、空間X内に動物が存在すると、動物により光が遮られるので、発光部から発せられる光を受光部が受光しない。従って、受光部が受光する光の強度が所定値以下になる。
【0026】
第1実施形態では、検知部12は、受光部の受光する光の強度が所定値よりも大きい状態から所定値以下に減少したことを検知することによって、動物用トイレ11に動物が進入したことを検知する。また、検知部12は、受光部の受光する光の強度が所定値以下の状態から所定値よりも大きくなることを検知することによって、動物用トイレ11から動物が退出したことを検知する。
【0027】
なお、検知部12は、反射検知方式により空間X内の動物を検知してもよい。この場合、空間X内に動物が存在すると、受光部が反射光を受光することで、受光部の受光する光の強度が所定値よりも大きくなる。反射光は、発光部から出射された後、動物により反射された光である。これに対し、空間X内に動物が存在しないと、受光部が反射光を受光しないことで、受光部の受光する光の強度が所定値以下になる。その結果、検知部12は、受光部の受光する光の強度が所定値以下の状態から所定値よりも大きくなることを検知することによって、動物用トイレ11に動物が進入したことを検知する。また、検知部12は、受光部の受光する光の強度が所定値よりも大きい状態から所定値以下に減少したことを検知することによって、動物用トイレ11から動物が退出したことを検知する。
【0028】
なお、検知部12として、赤外線センサに代えて超音波センサが用いられてもよい。
【0029】
通信部13は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信機が搭載された電子機器との間で通信が可能である。第1実施形態において、通信部13は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク網Nを介してサーバ20と通信する。通信部13は、例えば、LANボードのような通信モジュール(通信機器)である。
【0030】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部14は、制御部15によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0031】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部15は、記憶部14に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、トイレ装置10の各要素を制御する。
【0032】
次に、図1及び図3を参照して、サーバ20について説明する。図3は、サーバ20の構成を示すブロック図である。
【0033】
図1及び図3に示すように、サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。
【0034】
通信部21は、同じ通信方式を利用する通信機が搭載された電子機器との間で通信が可能である。第1実施形態において、通信部21は、ネットワーク網Nを介してトイレ装置10及び空気調和機30と通信する。通信部21は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0035】
記憶部22は、ROM、及びRAMのような主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部22は、制御部23によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0036】
制御部23は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部23は、記憶部22に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、サーバ20の各要素を制御する。
【0037】
次に、図1及び図4を参照して、空気調和機30について説明する。図4は、空気調和機30の構成を示すブロック図である。
【0038】
図1及び図4に示すように、空気調和機30は、空調部31と、送風部32と、操作部33と、表示部34と、通信部35と、記憶部36と、制御部37とを備える。
【0039】
空調部31は、空気を調和する。第1実施形態では、空気を調和することは、空気中の臭い成分を低減させることを示す。臭い成分は、例えば、アンモニアのような動物の排泄物に起因して発生する物質を含む。
【0040】
空調部31は、例えば、光触媒フィルタ、化学吸着型フィルタ、物理吸着型フィルタ、及び/又は、イオン発生機を含む。光触媒フィルタは、例えば、二酸化チタンのような光触媒を含む。光触媒フィルタは、光触媒の触媒作用により空気中の臭い成分を低減させる。化学吸着型フィルタは、例えば、酸化亜鉛、タンニン酸、植物抽出成分、及び、白金ナノ粒子のような化学吸着剤を含む。化学吸着型フィルタは、化学吸着剤により臭い成分を吸着することで、空気中の臭い成分を低減させる。物理吸着型フィルタは、例えば、シリカゲル、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト、多孔質シリカ、及び、金属錯体多孔体のような物理吸着剤を含む。物理吸着型フィルタは、物理吸着剤により臭い成分を吸着することで、空気中の臭い成分を低減させる。イオン発生機は、例えば、電極を含み、電極から放電することで、空気中にイオンを放出する。イオン発生機は、イオンにより空気中の臭い成分を低減させる。
【0041】
送風部32は、空気調和機30の外部の空気を空調部31に送る。送風部32は、例えば、ファンである。ファンである送風部32が回転することで、空気調和機30の外部の空気が空気調和機30の内部に吸引される。空気調和機30の内部に吸引された空気は、空調部31に供給され、空調部31により臭い成分を低減された後、空気調和機30の外部に排出される。その結果、室内Rにおいて、動物の排泄物の臭いが低減される。
【0042】
操作部33は、外部からの空気調和機30に対する指示を受け付ける。操作部33は、例えば、操作キーを含む。
【0043】
表示部34は、空気調和機30に関する情報を表示する。表示部34は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を含む。
【0044】
通信部35は、同じ通信方式を利用する通信機が搭載された電子機器との間で通信が可能である。第1実施形態において、通信部35は、ネットワーク網Nを介してサーバ20と通信する。通信部21は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0045】
通信部35は、本発明の送信部及び受信部の一例である。
【0046】
記憶部36は、ROM、及びRAMのような主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部36は、制御部37によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0047】
制御部37は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部37は、記憶部36に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、空気調和機30の各要素を制御する。
【0048】
次に、図1図7を参照して、トイレシステム100の第1の動作について説明する。図5は、トイレシステム100の第1の動作を示す第1フロー図である。図6は、トイレシステム100の第1の動作を示す第2フロー図である。図7は、空気調和機30の動作のタイムチャートである。
【0049】
図1図5、及び図7に示すように、ステップS1において、空気調和機30は、停止している。第1実施形態では、空気調和機30が停止していることは、ファンである送風部32の回転が停止していることを示す。
【0050】
ステップS2において、トイレ装置10の制御部15は、動物用トイレ11に動物が進入したことが検知部12により検知されたか否かを判定する。
【0051】
動物用トイレ11に動物が進入したことが検知部12により検知されたと、制御部15が判定すると(ステップS2で、Yes)、処理がステップS3に移行する。動物用トイレ11に動物が進入したことが検知部12により検知されていないと、制御部15が判定すると(ステップS2で、No)、ステップS2に示す処理が繰り返される。
【0052】
ステップS3において、通信部13がサーバ20に進入信号を送信するように、制御部15が通信部13を制御する。進入信号は、動物用トイレ11に動物が進入したことを通知するための信号である。
【0053】
ステップS4において、サーバ20の通信部21が進入信号を受信する。その結果、サーバ20の制御部23は、動物用トイレ11に動物が進入したことを認識する。
【0054】
ステップS5において、通信部21が空気調和機30に対し第1制御コマンドを送信するように、制御部23が通信部21を制御する。第1制御コマンドは、空気調和機30に対して、起動するように指示する制御コマンドである。
【0055】
ステップS6において、空気調和機30の通信部35が、第1制御コマンドを受信する。
【0056】
ステップS7において、空気調和機30が、第1制御コマンドに従って動作する。具体的には、制御部37が空気調和機30を起動させる。
【0057】
第1実施形態では、空気調和機30が起動することは、送風部32が回転を開始することを示す。空気調和機30が起動することで、空気調和機30による空気を調和する処理(空気中の臭い成分を低減させる処理)が開始される。
【0058】
図1図4図6、及び図7に示すように、ステップS8において、トイレ装置10の制御部15は、動物用トイレ11から動物が退出したことが検知部12により検知されたか否かを判定する。
【0059】
動物用トイレ11から動物が退出したことが検知部12により検知されたと、制御部15が判定すると(ステップS8で、Yes)、処理がステップS9に移行する。動物用トイレ11から動物が退出したことが検知部12により検知されていないと、制御部15が判定すると(ステップS8で、No)、ステップS8に示す処理が繰り返される。
【0060】
ステップS9において、通信部13がサーバ20に退出信号を送信するように、制御部15が通信部13を制御する。退出信号は、動物用トイレ11から動物が退出したことを通知するための信号である。
【0061】
ステップS9に示す処理が終了すると、トイレ装置10の処理が終了する。
【0062】
ステップS10において、サーバ20の通信部21が退出信号を受信する。その結果、サーバ20の制御部23は、動物用トイレ11から動物が退出したことを認識する。
【0063】
ステップS11において、通信部21が退出信号を受信後、所定期間が経過したか否かを、制御部23が判定する。所定期間が経過したと制御部23が判定すると(ステップS11で、Yes)、処理がステップS12に移行する。所定期間が経過していないと制御部23が判定すると(ステップS11で、No)、ステップS11に示す処理が繰り返される。
【0064】
ステップS12において、通信部21が所定期間内に進入信号を受信したか否かを、制御部23が判定する。言い換えれば、ステップS10に示す処理の終了後、所定期間内に、動物用トイレ11に動物が新たに進入したか否かを、制御部23が判定する。
【0065】
通信部21が所定期間内に進入信号を受信していないと制御部23が判定すると(ステップS12で、No)、処理がステップS13に移行する。
【0066】
通信部21が所定期間内に進入信号を受信したと制御部23が判定すると(ステップS12で、Yes)、処理がステップS8に移行する。
【0067】
ステップS13において、通信部21が空気調和機30に対し第2制御コマンドを送信するように、制御部23が通信部21を制御する。第2制御コマンドは、空気調和機30に対して、稼働を停止するように指示する制御コマンドである。
【0068】
ステップS13に示す処理が終了すると、サーバ20の処理が終了する。
【0069】
ステップS14において、空気調和機30の通信部35が、第2制御コマンドを受信する。
【0070】
ステップS15において、制御部37が空気調和機30の稼働を停止させる。
【0071】
ステップS15に示す処理が終了すると、トイレシステム100の第1の動作が終了する。
【0072】
以上、図1図7を参照して説明したように、サーバ20は、検知部12の検知結果に基づいて空気調和機30を制御する。従って、動物用トイレ11に動物が進入したことが検知部12により検知された場合、サーバ20は空気調和機30に第1制御コマンドを送信することで、空気調和機30を起動させることができる。その結果、動物用トイレ11に排泄された動物の排泄物の臭いを軽減できる。
【0073】
また、動物用トイレ11に動物が進入したことを検知部12が検知すると、空気調和機30が起動するので、動物用トイレ11で動物が排泄をする直前に、空気調和機30を起動させることができる。従って、動物用トイレ11で動物が排泄をした時点では、空気調和機30が既に稼働しているので、動物の排泄により生成された臭い成分を、空気調和機30により迅速に処理することができる。その結果、排泄物の臭いを効果的に低減できる。また、動物用トイレ11で動物が排泄をする直前に空気調和機30を稼働させることで、空気調和機30を常時稼働させる場合に比べて空気調和機30を効率的に稼働させることができ、空気調和機30のランニングコストを低減できる。
【0074】
また、図7に示すように、検知部12により動物用トイレ11に動物が進入したことが検知された時点から、検知部12により動物用トイレ11から動物が退出したことが検知された後、所定期間が経過するまでの間は、空気調和機30が稼働し続ける。従って、動物用トイレ11から動物が退出しても、所定期間の間は、空気調和機30が稼働し続ける。その結果、ユーザーは、空気調和機30が稼働している状態(空気調和機30により臭い成分の増加が抑制されている状態)で、動物用トイレ11内の動物の排泄物を処理できる。
【0075】
[第2実施形態]
図1図4図8、及び図9を参照して、本発明の第2実施形態に係るトイレシステム100について説明する。
【0076】
第2実施形態は、検知部12の検知結果に基づいて動作する空気調和機30の動作内容が、第1実施形態と異なる。以下では、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
【0077】
図1図4図8、及び図9を参照して、トイレシステム100の第2の動作について説明する。図8は、トイレシステム100の第2の動作を示す第1フロー図である。図9は、トイレシステム100の第2の動作を示す第2フロー図である。
【0078】
図1図4、及び図8に示すように、ステップS1aにおいて、空気調和機30は、第1運転出力で稼働している。
【0079】
第2実施形態では、空気調和機30が第1運転出力で稼働していることは、送風部32が比較的遅い速度で回転することで、空気調和機30が弱運転をしていることを示す。
【0080】
ステップS2において、動物用トイレ11に動物が進入したことを検知部12が検知すると、ステップS3及びステップS4において、トイレ装置10からサーバ20に進入信号が送信される。
【0081】
ステップS5aにおいて、通信部21が空気調和機30に対して第3制御コマンドを送信するように、制御部23が通信部21を制御する。第3制御コマンドは、空気調和機30に対して、第2運転出力で動作するように指示する制御コマンドである。第2運転出力は、第1運転出力よりも運転出力が高い。第2実施形態では、運転出力が高いことは、ファンである送風部32の回転速度が速いことを示す。
【0082】
ステップS6aにおいて、空気調和機30の通信部35が、第3制御コマンドを受信する。
【0083】
ステップS7aにおいて、空気調和機30が、第3制御コマンドに従って動作する。
【0084】
具体的には、空気調和機30の運転出力を第1運転出力から第2運転出力に切り換えるように、制御部37が送風部32を制御する。その結果、空気調和機30が第2運転出力で稼働することで、空気調和機30の運転出力が第1運転出力のときよりも高くなる。
【0085】
第2実施形態では、空気調和機30が第2運転出力で稼働していることは、送風部32が比較的速い速度で回転することで、空気調和機30が強運転をしていることを示す。
【0086】
空気調和機30の運転出力が高まることで、空気調和機30に吸引される単位時間当たりの空気量が増加するので、空気調和機30により空気中の臭い成分を効果的に低減させることができる。
【0087】
図1図4図8、及び図9に示すように、ステップS8〜ステップS12に示す処理が行われ、ステップS12で、Noの場合、処理がステップS13aに移行する。
【0088】
ステップS13aにおいて、通信部21が空気調和機30に対し第4制御コマンドを送信するように、制御部23が通信部21を制御する。第4制御コマンドは、空気調和機30に対して、第1運転出力で運転するように指示する制御コマンドである。
【0089】
ステップS14aにおいて、空気調和機30の通信部35が、第4制御コマンドを受信する。
【0090】
ステップS15aにおいて、空気調和機30が、第4制御コマンドに従って動作する。具体的には、空気調和機30の運転出力を第2運転出力から第1運転出力に切り換えるように、制御部37が送風部32を制御する。その結果、空気調和機30が第1運転出力で稼働することで、空気調和機30の運転出力が低くなる。
【0091】
ステップS15aに示す処理が終了すると、トイレシステム100の第2の動作が終了する。
【0092】
以上、図1図4図8、及び図9を参照して説明したように、動物用トイレ11に動物が進入したことを検知部12が検知すると、空気調和機30の運転出力が第1運転出力から第1運転出力よりも高い第2運転出力に切り替わる。従って、動物用トイレ11で動物が排泄をする直前に、空気調和機30を強運転で稼働させることができる。その結果、動物用トイレ11で動物が排泄をした時点では、空気調和機30が既に第2運転出力(強運転)で稼働しているので、動物の排泄に起因した臭い成分を空気調和機30により迅速かつ効果的に処理することができる。
【0093】
なお、第2実施形態では、検知部12により動物用トイレ11に動物が進入したことが検知された時点から、検知部12により動物用トイレ11から動物が退出したことが検知された後、所定期間が経過するまでの間は、空気調和機30が第2運転出力で稼働し続ける。すなわち、第2実施形態では、空気調和機30は、図7に示すタイムチャートにおいて、「停止」を「第1運転出力」に読み替え、「稼働」を「第2運転出力」に読み替えた内容の動作を行う。従って、動物用トイレ11から動物が退出しても、所定期間の間は、空気調和機30が第2運転出力で稼働し続ける。その結果、ユーザーは、空気調和機30が第2運転出力で稼働することで排泄物の臭い成分を効果的に抑制している状態で、動物用トイレ11内の動物の排泄物を処理できる。
【0094】
[第3実施形態]
図1図4図10、及び図11を参照して、本発明の第3実施形態に係るトイレシステム100について説明する。
【0095】
第3実施形態は、サーバ20が用いられない点が、第1実施形態と異なる。第3実施形態では、空気調和機30が、例えば、ワイヤレスLAN、又はBluetooth(登録商標)によりトイレ装置10と通信し、検知部12の検知結果に基づいて自身の動作を制御する。以下では、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
【0096】
図1図4図10、及び図11を参照して、トイレシステム100の第2の動作について説明する。図10は、トイレシステム100の第3の動作を示す第1フロー図である。図11は、トイレシステム100の第3の動作を示す第2フロー図である。
【0097】
図1図4、及び図10に示すように、ステップS1が終了すると、処理がステップS2に移行する。そして、ステップS2で、Noの場合、処理がステップS3aに移行する。
【0098】
ステップS3aにおいて、通信部13が空気調和機30に進入信号を送信するように、制御部15が通信部13を制御する。
【0099】
ステップS4aにおいて、空気調和機30の通信部35が進入信号を受信する。
【0100】
ステップS7において、通信部35が進入信号を受信すると、制御部37が空気調和機30を起動させる。そして、処理がステップS8に移行する。
【0101】
図1図4、及び図11に示すように、ステップS8で、Yesの場合、処理がステップS9aに移行する。
【0102】
ステップS9aにおいて、通信部13が空気調和機30に退出信号を送信するように、制御部15が通信部13を制御する。
【0103】
ステップS10aにおいて、空気調和機30の通信部35が退出信号を受信する。
【0104】
ステップS11aにおいて、通信部35が退出信号を受信後、所定期間が経過したか否かを、空気調和機30の制御部37が判定する。所定期間が経過したと制御部37が判定すると(ステップS11a、Yes)、処理がステップS12a移行する。所定期間が経過していないと制御部23が判定すると(ステップS11a、No)、ステップS11a示す処理が繰り返される。
【0105】
ステップS12aおいて、通信部35が所定期間内に進入信号を受信したか否かを、制御部37が判定する。
【0106】
通信部35が所定期間内に進入信号を受信していないと制御部37が判定すると(ステップS12a、No)、処理がステップS15に移行する。
【0107】
通信部35が所定期間内に進入信号を受信したと制御部37が判定すると(ステップS12a、Yes)、処理がステップS8に移行する。
【0108】
ステップS15において、制御部37が空気調和機30の稼働を停止させる。その結果、トイレシステム100の第3の動作が終了する。
【0109】
以上、図1図4図10、及び図11を参照して説明したように、空気調和機30の通信部35が検知部12の検知結果を示す情報を受信し、空気調和機30の制御部37が検知部12の検知結果に基づいて送風部32を制御する。従って、動物用トイレ11に動物が進入したことが検知部12により検知された場合、制御部37は、ファンである送風部32を回転させることで、空気調和機30を起動させることができる。その結果、動物用トイレ11に排泄された動物の排泄物の臭いを軽減できる。
【0110】
以上、図面(図1図11)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)〜(4))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0111】
(1)図10及び図11に示す第3実施形態において、ステップS1に示す処理に代えてステップS1aに示す処理(図8参照)が行われ、ステップS7に示す処理に代えてステップS7aに示す処理が行われ、かつ、ステップS15に示す処理に代えてステップS15aに示す処理が行われてもよい。すなわち、第3実施形態において、空気調和機30の運転出力が、第2実施形態のように、検知部12の検知結果に応じて、第1運転出力と第2運転出力との間で切り替えられるように構成してもよい。
【0112】
(2)第1実施形態〜第3実施形態において、空気調和機30の表示部34に、消臭処理情報が表示されてもよい。消臭処理情報は、空気調和機30が動物の排泄物の消臭処理を行っていることを示す情報である。消臭処理情報は、ステップS7〜ステップS14において、空気調和機30が稼働している場合(図5図6図10及び図11参照)、及び、ステップS7a〜ステップS14aにおいて、空気調和機30が強運転を行っている場合に(図8及び図9参照)、空気調和機30の表示部34に表示される。その結果、ユーザーは、空気調和機30の表示部34から消臭処理情報を確認することで、動物用トイレ11で動物の排泄が行われたことを認識できる。
【0113】
(3)第1実施形態〜第3実施形態において、検知部12として、重量センサが用いられてもよい。重量センサは、動物用トイレ11(図1参照)に設置され、空間X内に位置する動物の重量を検知する。この場合、重量センサにより検知される重量が所定重量以下の状態から所定重量よりも大きくなることで、動物用トイレ11に動物が進入したことが検知される。また、重量センサにより検知される重量が所定重量よりも大きい状態から所定重量以下になることで、動物用トイレ11から動物が退出したことが検知される。
【0114】
(4)第1実施形態〜第3実施形態では、空気調和機30は、動物用トイレ11と同じ部屋に配置される。しかし、本発明はこれに限定されない。空気調和機30は、動物用トイレ11が配置された空間と連通した空間内に配置されていればよい。例えば、空気調和機30が第1の部屋に配置され、動物用トイレ11が第1の部屋とは異なる第2の部屋に配置され、第1の部屋が第2の部屋と連通していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、トイレシステム、トイレ装置、サーバ、及び空気調和機の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0116】
11 動物用トイレ
12 検知部
13 通信部
20 サーバ
30 空気調和機
100 トイレシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11