【解決手段】加熱装置と、加熱装置との間に無線接続を確立可能な携帯端末と、を備える加熱システムにおいて、携帯端末は、無線接続が確立された後に、無線接続の電波強度を利用して、加熱装置と携帯端末との間の装置間距離を推定し、装置間距離が所定距離以上である場合に、無線接続を利用して、加熱装置の加熱量を低減するための低減指示を加熱装置に送信する。加熱装置は、携帯端末から低減指示が受信される場合に、低減指示に従って加熱量を低減し、無線接続が確立された後に無線接続が消失する場合において、当該消失から所定の第1時間が経過するときに、携帯端末から低減指示を受信しなくても、加熱量を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば加熱調理器において煮込み調理を行う場合のように、加熱装置が加熱を行っている間に、人が加熱装置から離れる場合がある。上記の技術では、人が加熱装置から少しでも離れると、人感センサから感知信号を受けないことに応じて、加熱装置が自動消火する。即ち、煮込み調理を行っているにも関わらず(即ちユーザの意図に関わらず)、消火する場合がある。
【0005】
本明細書は、ユーザの意図に関わらず加熱装置の加熱量を低減することを抑制するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する加熱システムは、前記加熱装置との間に無線接続を確立可能な携帯端末と、を備える。前記携帯端末は、前記無線接続が確立された後に、前記無線接続の電波強度を利用して、前記加熱装置と前記携帯端末との間の装置間距離を推定し、前記装置間距離が所定距離以上である場合に、前記無線接続を利用して、前記加熱装置の加熱量を低減するための低減指示を前記加熱装置に送信する、ように構成されている。前記加熱装置は、前記携帯端末から前記低減指示が受信される場合に、前記低減指示に従って前記加熱量を低減し、前記無線接続が確立された後に前記無線接続が消失する場合において、当該消失から所定の第1時間が経過するときに、前記携帯端末から前記低減指示を受信しなくても、前記加熱量を低減するように構成されている。
【0007】
上記の構成によれば、加熱装置と携帯端末との間に無線接続が確立される。携帯端末は、無線接続の電波強度を利用して推定された装置間距離が所定距離以上である場合に、無線接続を利用して低減指示を加熱装置に送信する。例えば加熱調理器において煮込み調理を行っている状況において、装置間距離が所定距離未満である場合には、携帯端末を携帯するユーザが加熱装置から一時的に離れている可能性がある。この場合には、加熱量が低減されず、ユーザの意図に関わらず加熱量を低減することを抑制することができる。一方、装置間距離が所定距離以上である場合には、ユーザは、加熱装置を使用していることを忘れている可能性がある。この場合には、加熱量を低減して、安全を図ることができる。また、加熱装置は、無線接続が消失する場合において消失から第1時間が経過するときに、携帯端末から低減指示を受信しなくても、加熱量を低減する。無線接続が消失することは、例えば、携帯端末を携帯するユーザが加熱装置から無線接続を維持することが不可能な距離まで離れたことを意味する。例えば加熱装置を使用している状況において、客人対応のためにユーザが加熱装置から離れて無線接続が消失する場合がある。この場合には、ユーザは第1時間の経過前に加熱装置の元に戻るので、加熱量が低減されず、ユーザの意図に関わらず加熱量を低減することを抑制することができる。一方、消失から第1時間が経過する場合には、ユーザは、加熱装置を使用していることを忘れている可能性がある。この場合には、加熱量を低減して、安全を図ることができる。ここで、上記の「低減指示」は、加熱量を弱めるための指示でもよいし、加熱量を弱めた後に加熱を停止するための指示でもよいし、加熱を停止するための指示でもよい。
【0008】
また、携帯端末は、装置間距離が所定距離以上であり、かつ、前記装置間距離の時系列データが、前記携帯端末が前記加熱装置から離れることを示し、かつ、装置間距離の時系列データから算出される携帯端末の移動速度が第1閾値未満である場合(第1の場合)に、低減指示を第1タイミングで加熱装置に送信し、装置間距離が所定距離以上であり、かつ、装置間距離の時系列データが、携帯端末が加熱装置から離れることを示し、かつ、移動速度が第1閾値以上である場合(第2の場合)に、低減指示を第1タイミングより早い第2タイミングで加熱装置に送信してもよい。上記の第2の場合は、携帯端末を携帯するユーザが加熱装置から素早く離れていることを意味する。このような場合には、ユーザが加熱装置を使用していることを忘れて加熱装置から離れて外出する可能性が高い。上記の構成によれば、第2の場合に、低減指示を他の第1の場合における第1のタイミングより早い第2のタイミングで加熱装置に送信することによって、より安全を図ることができる。
【0009】
また、携帯端末は、装置間距離が所定距離未満であり、かつ、前記装置間距離の時系列データが、前記携帯端末が前記加熱装置から離れることを示し、かつ、装置間距離の時系列データから算出される携帯端末の移動速度が第2閾値未満である場合に、低減指示を加熱装置に送信せず、装置間距離が所定距離未満であり、かつ、装置間距離の時系列データが、携帯端末が加熱装置から離れることを示し、かつ、移動速度が第2閾値以上である場合(第3の場合)に、低減指示を加熱装置に送信してもよい。上記の第3の場合は、携帯端末を携帯するユーザが加熱装置から所定距離内に居るものの、ユーザが加熱装置から素早く離れていることを意味する。このような場合には、ユーザが加熱装置を使用していることを忘れて加熱装置から離れて外出する可能性が高い。このような場合に、装置間距離が所定距離未満であるにも関わらず低下指示を加熱装置に送信することによって、加熱量を低減して、より安全を図ることができる。
【0010】
また、加熱装置は、調理対象を加熱する加熱調理器であり、低減指示は、調理対象を加熱する加熱量を弱める指示と、加熱量を弱めてから所定の第2時間が経過した後に、調理対象の加熱を停止する指示と、を含んでもよい。例えば、低減指示が加熱を停止する指示だけで構成される比較例が想定される。この比較例では、携帯端末を携帯するユーザが加熱装置から所定距離以上に離れる場合に、加熱装置は低減指示に従って加熱をすぐに停止する。例えば、煮込み調理の場合には、ユーザが加熱装置から所定距離以上に離れる場合がある。この場合に、加熱をすぐに停止すると、煮込み調理がユーザの意図に関わらず終了することがある。上記の構成によれば、加熱を停止する前に加熱量を弱めるので、安全を図るとともに実行中の調理がユーザの意図に関わらず終了することを抑制することができる。
【0011】
また、上記の加熱システムに限らず、上記の加熱システムにおいて携帯端末と通信可能な加熱装置そのものも新規で有用である。
【0012】
また、本明細書は、さらに、加熱装置との間に無線接続を確立可能な携帯端末のためのコンピュータプログラムを開示する。前記コンピュータプログラムは、前記無線接続が確立された後に、前記無線接続の電波強度を利用して、前記加熱装置と前記携帯端末との間の装置間距離を推定し、前記装置間距離の時系列データが、前記携帯端末が前記加熱装置から離れることを示している場合に、前記装置間距離の時系列データから算出される前記携帯端末の移動速度に応じて、前記加熱装置の加熱量を低減するための低減指示を前記加熱装置に送信するタイミングを異ならせるように構成されている。
【0013】
携帯端末の移動速度が遅いことは、携帯端末を携帯するユーザが加熱装置からゆっくりと離れていることを意味する。この場合には、ユーザが加熱装置の設置されている部屋から他の部屋に移動している可能性が高いものの、ユーザが加熱装置の設置されている部屋に短時間で戻ってくる可能性がある。一方、携帯端末の移動速度が速いことは、携帯端末を携帯するユーザが加熱装置から素早く離れていることを意味する。この場合には、ユーザが加熱装置を使用していることを忘れて加熱装置から離れて外出する可能性が高い。即ち、ユーザが加熱装置の設置されている部屋に戻ってこない可能性が高い。上記の構成によれば、携帯端末は、携帯端末の移動速度に応じて低減指示を加熱装置に送信するタイミングを異ならせる。例えば、移動速度が遅い場合に低減指示を加熱装置に送信するタイミングを遅らせれば、ユーザが当該タイミングの前に加熱装置の設置されている部屋に戻った場合に加熱量がユーザの意図に関わらず低減されていることを抑制することができる。また、移動速度が速い場合に低減指示を加熱装置に送信するタイミングを早くすれば、加熱装置の加熱量を素早く低減して、安全を図ることができる。この場合には、ユーザは外出している可能性が高いのでユーザの意図(即ち加熱量を低減してもよいという意図)に適合し得る。さらに、低減指示を加熱装置に送信するタイミングを早くすることで、携帯端末と加熱装置との間の無線接続が消失する前に低減指示を加熱装置に送信することができ、より安全を図ることができる。以上より、ユーザの意図に関わらず加熱装置の加熱量を低減することを抑制することができる。
【0014】
また、本明細書は、さらに、調理対象を加熱する加熱調理器との間に無線接続を確立可能な携帯端末のためのコンピュータプログラムを開示する。前記コンピュータプログラムは、前記無線接続が確立された後に、前記無線接続の電波強度を利用して、前記加熱調理器と前記携帯端末との間の装置間距離を推定し、前記装置間距離が所定距離以上である場合に、前記無線接続を利用して、前記加熱調理器の加熱量を低減するための低減指示を前記加熱調理器に送信するように構成されており、前記低減指示は、前記調理対象を加熱する前記加熱量を弱める指示と、前記加熱量を弱めてから所定の第2時間が経過した後に、前記調理対象の加熱を停止する指示と、を含む。
【0015】
上記の構成によれば、加熱を停止する前に加熱量を弱めるので、安全を図るとともに実行中の調理がユーザの意図に関わらず終了することを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(加熱システム2;
図1)
図面を参照して、実施例の加熱システム2について説明する。加熱システム2は、加熱調理器10と携帯端末100を備える。携帯端末100は、Bluetooth(登録商標)方式に従った無線通信(以下、「BT通信」と記載)を利用して、加熱調理器10と通信可能である。
【0018】
(加熱調理器10の構成)
加熱調理器10は、ガス燃焼式のコンロである。加熱調理器10は、コンロバーナ12と、操作部14と、表示部16と、BTインターフェース20と、制御部30と、を備える。なお、以下では、インターフェースのことを「I/F」とも記載する。
【0019】
コンロバーナ12は、調理対象(例えば、調理容器)を加熱するためのバーナである。コンロバーナ12には、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ12へのガスの供給量を調整するためのコンロ調整弁(図示省略)が設けられている。コンロバーナ12は、コンロバーナ12にガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで、点火する。例えば、加熱調理器10は3個のコンロバーナ12を有する。
【0020】
操作部14は、コンロバーナ12の点火、消火及び加熱量の調整を行うための操作部である。表示部16は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部16は、いわゆるタッチパネル(即ち操作部14)として機能してもよい。BTI/F20は、外部装置(例えば、携帯端末100)とのBT通信を実行するための通信インターフェースである。
【0021】
制御部30は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成されるメモリ32を備える。制御部30は、メモリ32に記憶されているプログラム34に従って、加熱調理器10の各部(例えば12〜20)の動作を制御する。
【0022】
(携帯端末100の構成)
携帯端末100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC等の可搬型の端末である。携帯端末100は、表示部116と、BTI/F120と、制御部130と、を備える。表示部116は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部116は、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)として機能してもよい。BTI/F120は、加熱調理器10とのBT通信を実行するための通信インターフェースである。
【0023】
制御部130は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成されるメモリ132を備える。制御部130は、メモリ132に記憶されているプログラム134に従って、携帯端末100の各部116、120の動作を制御する。プログラム134は、加熱調理器10のベンダによって提供されるアプリケーションプログラムである。携帯端末100は、プログラム134に従って、加熱調理器10とBT通信を実行するための無線接続を確立する。携帯端末100は、BT通信を利用して、加熱調理器10から加熱調理器10に関する情報(例えば、火力、調理時間)を受信して表示部116に表示する。また、携帯端末100は、BT通信を利用して、自動調理のための情報(例えば、火力、調理時間)を加熱調理器10に送信する。また、携帯端末100は、プログラム134に従って、後述する
図2の処理を実行する。
【0024】
(携帯端末100の処理;
図2)
図2を参照して、携帯端末100の制御部130がプログラム134に従って実行する処理について説明する。当該処理は、携帯端末100と加熱調理器10との間の距離を監視して、当該距離に応じた制御を実行するための処理である。当該処理は、加熱調理器10との間に無線接続が確立された後に加熱調理器10からコンロバーナ12が点火されたことを示す点火情報を受信することをトリガとして開始される。
【0025】
S10では、制御部130は、所定時間(例えば3分)のタイマをセットする。即ち、制御部130は、所定時間のカウントダウンを開始する。
【0026】
S12では、制御部130は、確立済みの無線接続の電波強度を利用して、加熱調理器10と携帯端末100との間の装置間距離を推定する。一般に、電波強度は、装置間距離が短いほど強く、装置間距離が長いほど弱くなる。制御部130は、電波強度と装置間距離との相関関係を利用して、装置間距離を推定する。ここで、電波強度は、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicatorの略)を利用して計測される。なお、後述するように、装置間距離は繰り返し推定される。制御部130は、装置間距離の時系列データをメモリ132に記憶する。
【0027】
S20では、制御部130は、S12で推定された装置間距離が15m以上であるのか否かを判断する。制御部130は、装置間距離が15m以上であると判断する場合(S20でYES)に、S22に進む。
【0028】
S22では、制御部130は、装置間距離の時系列データを利用して、携帯端末100が加熱調理器10から離れる移動速度が第1閾値以上であるのか否かを判断する。具体的には、制御部130は、装置間距離の時系列データから携帯端末100の移動速度の絶対値を算出する。さらに、制御部130は、装置間距離の時系列データが、携帯端末100が加熱調理器10から離れていることを示すのか否かを判断する。そして、制御部130は、移動速度が第1閾値以上であり、かつ、装置間距離の時系列データが、携帯端末100が加熱調理器10から離れていることを示すと判断する場合に、携帯端末100が加熱調理器10から離れる移動速度が第1閾値以上であると判断し(S22でYES)、S26に進む。
【0029】
S26では、制御部130は、警告画面を表示部116に表示する。警告画面は、携帯端末100を携帯するユーザに対して、点火中であるにも関わらず加熱調理器10から離れているため消火することを警告するための画面である。さらに、制御部130は、無線接続を利用して、BTI/F120を介して、コンロバーナ12を消火する消火指示を加熱調理器10に送信する。これにより、加熱調理器10は、消火指示に従って、コンロバーナ12を消火する。S26が終了すると、
図2の処理が終了する。
【0030】
また、制御部130は、移動速度が第1閾値未満である条件と、装置間距離の時系列データが、携帯端末100が加熱調理器10に近づいていることを示す条件と、のうちの少なくとも一方の条件が満たされる場合に、携帯端末100が加熱調理器10から離れる移動速度が第1閾値未満であると判断する(S22でNO)。この場合、制御部130は、S24に進む。
【0031】
S24では、制御部130は、S10でセットしたタイマがタイムアップしている(即ちS10の開始から所定時間が経過している)のか否かを判断する。制御部130は、タイムアップしている場合(S24でYES)に、S26に進み、タイムアップしていない場合(S24でNO)に、S12に戻り、再び装置間距離を推定する。
【0032】
また、制御部130は、装置間距離が15m未満であると判断する場合(S20でNO)に、S30に進む。S30では、制御部130は、装置間距離が10m以上15m未満であるのか否かを判断する。制御部130は、装置間距離が10m以上15m未満であると判断する場合(S30でYES)に、S32に進む。
【0033】
S32では、制御部130は、装置間距離の時系列データを利用して、携帯端末100が加熱調理器10から離れる移動速度が第2閾値以上であるのか否かを判断する。S32の処理の具体的な内容は、S22と同様である。ここで、第2閾値は、S22の第1閾値より大きい値である。なお、変形例では、第2閾値は、S22の第1閾値と同じでもよい。制御部130は、携帯端末100が加熱調理器10から離れる移動速度が第2閾値以上であると判断する場合(S32でYES)に、S26に進む。一方、制御部130は、携帯端末100が加熱調理器10から離れる移動速度が第2閾値未満であると判断する場合(S32でNO)に、S34に進む。
【0034】
S34は、S24と同様である。制御部130は、タイムアップしている場合(S34でYES)に、S36に進み、タイムアップしていない場合(S34でNO)に、S12に戻り、再び装置間距離を推定する。
【0035】
S36では、制御部130は、報知画面を表示部116に表示する。報知画面は、携帯端末100を携帯するユーザに対して、点火中であるにも関わらず加熱調理器10から離れていることを報知するための画面である。S36が終了すると、
図2の処理が終了する。
【0036】
また、制御部130は、装置間距離が10m未満であると判断する場合(S30でNO)に、S40に進む。S40では、制御部130は、装置間距離が5m以上10m未満であるのか否かを判断する。制御部130は、装置間距離が5m以上10m未満であると判断する場合(S40でYES)に、S50に進む。
【0037】
S50は、S24と同様である。制御部130は、タイムアップしている場合(S50でYES)に、S52に進み、タイムアップしていない場合(S50でNO)に、S12に戻り、再び装置間距離を推定する。
【0038】
S52は、S36と同様である。S52が終了すると、
図2の処理が終了する。
【0039】
また、制御部130は、装置間距離が5m未満であると判断する場合(S40でNO)に、S10に戻る。即ち、制御部130は、先にセットしたタイマを解除し、再び所定時間のタイマをセットする。
【0040】
(加熱調理器10の処理;
図3)
図3を参照して、加熱調理器10の制御部30がプログラム34に従って実行する処理について説明する。当該処理は、携帯端末100との間に無線接続が確立された後に、操作部14の操作に応じてコンロバーナ12が点火することをトリガとして開始される。
【0041】
S60では、制御部30は、無線接続を利用して、BTI/F20を介して、携帯端末100から消火指示(
図2のS26参照)を受信することを監視する。制御部30は、携帯端末100から消火指示を受信する場合(S60でYES)に、S64に進む。
【0042】
S64では、制御部30は、受信済みの消火指示に従って、コンロバーナ12を消火する。具体的には、制御部30は、コンロ調整弁を閉じて、コンロバーナ12へのガスの供給を停止する。S64が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0043】
また、S70では、制御部30は、無線接続が消失することを監視する。ここで、「無線接続が消失する」とは、携帯端末100が加熱調理器10から無線接続を維持することが不可能な距離(例えば、30m)まで離れることによって、無線接続が切断されることを意味する。無線接続は、例えば、携帯端末において加熱調理器10との無線接続を切断する操作がユーザによって行われることによっても切断される。この場合、無線接続は、無線接続の電波強度が所定の強度よりも強いにも関わらず、切断される。一方、無線接続が消失する場合には、無線接続の電波強度が所定の強度よりも弱くなった後に、無線接続が切断される。制御部30は、無線接続の電波強度が所定の強度よりも弱くなった後に、無線接続が切断される場合に、無線接続が消失したと判断して(S70でYES)、S72に進む。
【0044】
S72では、制御部30は、無線接続が消失してから所定の待機時間(例えば5分)が経過することを監視する。制御部30は、無線接続が消失してから所定の待機時間が経過する場合(S72でYES)に、S74に進む。
【0045】
S74では、制御部30は、消火指示を受信することなく及び操作部14が操作されることなく、コンロバーナ12を自動的に消火する。S74が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0046】
また、制御部30は、無線接続が消失してから所定の待機時間が経過していない場合(S72でNO)に、S76に進む。S76では、制御部30は、携帯端末100との間に無線接続が再び確立されることを監視する。制御部30は、携帯端末100を携帯するユーザが加熱調理器10に近づくことによって、携帯端末100との間に無線接続が再び確立される場合(S76でYES)に、S60に戻り、消火指示の受信を再び監視する。また、制御部30は、携帯端末100との間に無線接続が確立されない場合(S76でNO)に、S72に戻る。
【0047】
(装置間距離が15m以上である場合における具体的なケース;
図4)
図4は、携帯端末100を携帯するユーザが台所から離れた部屋に移動することよって、加熱調理器10と携帯端末100との間の装置間距離が15m以上となるケースを示す。例えば、ユーザが台所から離れた部屋に長時間居るケースA1を想定する。このケースA1では、装置間距離が15m以上であると判断され(
図2のS20でYES)、かつ、離れる移動速度が第1閾値未満であると判断される(S22でNO)。このため、携帯端末100は、タイムアップ後(S24でYES)に、警告画面を表示するとともに、消火指示を加熱調理器10に送信する(S26)。
【0048】
ケースA1によれば、携帯端末100を携帯するユーザが加熱調理器10から15m以上に離れる場合に、コンロバーナ12を消火する。例えば、ユーザが加熱調理器10から15m以上離れる場合には、ユーザが台所から遠い部屋に移動しているので、消火して、安全を図ることができる。一方、ユーザが加熱調理器10から15m未満の所に居る場合には、例えば、煮込み調理の間にユーザが台所から一時的に離れている可能性がある。この場合には、消火されないので、ユーザの意図(例えば煮込み調理を行っている意図)に関わらず消火することを抑制することができる。
【0049】
また、例えば、ユーザが台所から離れた部屋からさらに遠のくケースA2を想定する。このケースA2は、例えば、ユーザが加熱調理器10を使用していることを忘れて、屋外へ向かっている状況を示す。このケースA2では、装置間距離が15m以上であると判断され(
図2のS20でYES)、かつ、離れる移動速度が第1閾値以上であると判断される(S22でYES)。このため、携帯端末100は、タイムアップ前でも、警告画面を表示するとともに、消火指示を加熱調理器10に送信する(S26)。
【0050】
ケースA2によれば、消火指示をケースA1におけるタイムアップ後のタイミングよりも早いタイミング(即ちタイムアップ前のタイミング)で加熱調理器10に送信する。これにより、ユーザが加熱調理器10を使用していることを忘れて、屋外に向かう場合であっても、素早くコンロバーナ12を消火して、安全を図ることができる。
【0051】
ここで、ケースA1では、ユーザは台所から遠い部屋に移動しているものの台所に短時間で戻ってくる可能性がある。一方、ケースA2では、ユーザは外出し台所に戻ってこない可能性が高い。ケースA1では、ユーザがタイムアップ前に台所に戻った場合に消火指示が加熱調理器10に送信されないので、ユーザの意図に関わらず消火されることを抑制することができる。また、ケースA2では、携帯端末100は、タイムアップ前のタイミングで低減指示を加熱調理器10に送信するので、素早くコンロバーナ12を消火して安全を図ることができる。この場合には、ユーザは外出している可能性が高いのでユーザの意図(即ち消火してもよいという意図)に適合し得る。さらに、消火指示を加熱調理器10に送信するタイミングを早くすることで、携帯端末100と加熱調理器10との間の無線接続が消失する前に消火指示を加熱調理器10に送信することができ、より安全を図ることができる。
【0052】
また、例えば、ユーザが台所からゆっくりと離れて屋外へと移動する状況も想定される。この状況では、携帯端末100が加熱調理器10から無線接続を維持することが不可能な距離まで離れることによって、無線接続が消失する。加熱調理器10は、無線接続が消失し(
図3のS70でYES)、所定の待機時間が経過する場合(S72でYES)に、コンロバーナ12を自動的に消火する(S74)。消失から待機時間が経過する場合には、ユーザは加熱調理器10を使用していることを忘れて外出してしまっている可能性がある。この場合には、消火して、安全を図ることができる。一方、例えば、客人対応のためにユーザが外出し、無線接続が消失する場合がある。この場合には、ユーザは待機時間の経過前に加熱調理器10の元に戻るので、無線接続が再び確立され消火されない。このため、ユーザの意図(例えば客人対応の意図)に関わらず消火することを抑制することができる。
【0053】
(装置間距離が10m以上15m未満である場合における具体的なケース;
図5)
図5は、携帯端末100を携帯するユーザが台所から離れた部屋に移動することよって、加熱調理器10と携帯端末100との間の装置間距離が10m以上15m未満となるケースを示す。例えば、ユーザが台所から離れた部屋に長時間居るケースB1を想定する。このケースB1では、装置間距離が10m以上15m未満であると判断され(
図2のS30でYES)、かつ、離れる移動速度が第2閾値未満であると判断される(S32でNO)。このため、携帯端末100は、タイムアップ後(S34でYES)に、報知画面を表示する。これにより、ユーザは、点火中にも関わらず加熱調理器10から離れていることを知ることができる。
【0054】
また、例えば、ユーザが台所から離れた部屋からさらに遠のくケースB2を想定する。このケースB2は、例えば、ユーザが加熱調理器10を使用していることを忘れて、屋外へ向かっている状況を示す。このケースB2では、装置間距離が10m以上15m未満であると判断され(
図2のS30でYES)、かつ、離れる移動速度が第2閾値以上であると判断される(S32でYES)。このため、携帯端末100は、警告画面を表示するとともに、消火指示を加熱調理器10に送信する(S26)。
【0055】
ケースB2によれば、装置間距離が15m未満であっても、消火指示を加熱調理器10に送信する。これにより、ユーザが加熱調理器10を使用していることを忘れて、屋外に向かう場合であっても、装置間距離が15m未満であるにも関わらずコンロバーナ12を消火して、安全を図ることができる。
【0056】
(対応関係)
加熱調理器10、携帯端末100が、それぞれ、「加熱装置」、「携帯端末」の一例である。
図2のS20の15m、S22の第1閾値、S32の第2閾値が、それぞれ、「所定距離」、「第1閾値」、「第2閾値」の一例である。S26の消火指示が、「低減指示」の一例である。
図3のS72の待機時間が、「第1時間」の一例である。
図4のケースA1のタイムアップ後のタイミングが、「第1タイミング」の一例である。
図4のケースA2のタイムアップ前のタイミングが、「第2タイミング」の一例である。
【0057】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
【0058】
(変形例1)上記の実施例では、携帯端末100は、消火指示を加熱調理器10に送信する(
図2のS26)。これに代えて、携帯端末100は、コンロバーナ12の火力を弱める指示と、火力を弱めてから所定時間(例えば1分)が経過した後に、コンロバーナ12を消火する指示と、を含む低減指示を加熱調理器10に送信してもよい。この変形例によれば、消火前に火力を弱めるので、安全を図るとともに実行中の調理がユーザの意図に関わらず終了することを抑制することができる。上記の火力を弱める指示と、上記の消火する指示と、上記の所定時間が、「加熱量を弱める指示」、「加熱を停止する指示」、「第2時間」の一例である。
【0059】
(変形例2)「加熱装置」は、ガス燃焼式のコンロに限らず、例えば、IH調理器、電気オーブン、ガスファンヒータでもよい。例えば、「加熱装置」がIH調理器である場合、IH調理器の加熱コイルを流れる電流が、「加熱量」の一例である。
【0060】
(変形例3)上記の実施例では、携帯端末100は、
図2のS20において、装置間距離が15m以上であるのか否かを判断する。これに代えて、携帯端末100は、15mより短い距離(例えば10m)又は15mより長い距離(例えば20m)を基準に判断してもよい。これに伴い、S30及びS40の判断の基準も実施例の基準と異なっていてもよい。本変形例では、10m又は20mが「所定距離」の一例である。また、「所定距離」は、ユーザが携帯端末のアプリケーションプログラム(例えばプログラム134)を操作することによって入力される値であってもよい。
【0061】
(変形例4)
図2のS22の判断は実行されなくてもよい。本変形例では、「第2のタイミング」を省略可能である。
【0062】
(変形例5)
図2のS32の判断は実行されなくてもよい。本変形例では、「第2閾値」を省略可能である。
【0063】
(変形例6)
図3のS70〜S76の処理は実行されなくてもよい。
【0064】
(変形例7)「無線接続」は、BT通信を実行するための無線接続に限らず、例えば、Wi−Fi方式に従った無線通信を実行するための無線接続、Zigbee(登録商標)方式に従った無線通信を実行するための無線接続でもよい。