【解決手段】情報処理装置(サーバ1)は、第1の装置が計測した第1のセンサ情報を取得する第1取得部131と、第1の装置と通信可能に接続された第2の装置が計測した第2のセンサ情報を、第1の装置を介して取得する第2取得部132と、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との差異を検出する検出部133と、検出された差異に応じて、第2の装置に異常が生じたか否かを判定する判定部134とを備える。
前記第2取得部は、前記異常が生じたと判定された場合、前記第2の装置が撮影した画像を前記第1の装置を介して取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
図1〜
図4に基づいて、第1の実施形態を説明する。なお、図面については、同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
(サーバ1の概要)
図1は、情報処理システム10と、異常検知システム40とを模式的に示す概念図である。
図1に例示されるように、情報処理システム10は、サーバ1、GPSトラッカー2、およびドライブレコーダー3を含む。
【0011】
GPSトラッカー2とドライブレコーダー3とは、例えば、同じ車両(例えば、乗用車、バス、トラック、バイクなど)に搭載されている。また、GPSトラッカー2とドライブレコーダー3とは、例えば、近距離通信を可能とする通信(例えば、BlueTooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)など)によって接続されている。一方、
図1に例示されるように、異常検知システム40は、サーバ1およびユーザ端末4を含む。
【0012】
一例として、ドライブレコーダー3が上記車両に搭載されており、当該ドライブレコーダー3がサーバ1との長距離通信を可能とする構成を備えない状況を想定する。当該状況において、例えば、ドライブレコーダー3に被害(例えば、盗難に遭うなど)が生じた場合、ドライブレコーダー3は自身で当該被害を検知し、ユーザに知らせることができない。
【0013】
そこで、ユーザは、GPSトラッカー2を上記車両に搭載する。このとき、サーバ1は、GPSトラッカー2が計測したセンサ情報(例えば、振動、移動方向、加速度など)を、上記ネットワークを介して取得する。次に、サーバ1は、ドライブレコーダー3が計測したセンサ情報を、GPSトラッカー2を介して取得する。そして、サーバ1は、2つのセンサ情報の差異を検出し、当該差異に応じてドライブレコーダー3に異常が生じたか否かを判定する。なお、以下の説明では、GPSトラッカー2が計測したセンサ情報を、「第1のセンサ情報」と称する。また、以下の説明では、ドライブレコーダー3が計測したセンサ情報を、「第2のセンサ情報」と称する。また、以下の説明では、第1のセンサ情報、及び第2のセンサ情報の少なくともいずれかが計測されたタイミング(時点)を、「計測タイミング」と称する。また、以下の説明では、説明の便宜上、同一の計測タイミング、または、所定の範囲内(例えば、0.01秒以下)の差異である計測タイミングを、「互いに対応する計測タイミング」と称する。
【0014】
すなわち、通常であれば走行中の上記2つのセンサ情報は、差異がほとんど生じないはずである。逆に、当該差異が生じたとすれば、異常が生じていると推測できる。ここで、サーバ1が検知する「異常」とは、例えば、ドライブレコーダー3に何らかの被害が生じたことであってよい。
【0015】
もし、「異常」が生じたと判定された場合、サーバ1は、ネットワーク5を介してユーザ端末4に当該異常を報知してよい。これにより、サーバ1は、ドライブレコーダー3に生じた異常を検知することができ、さらに、当該異常をユーザに気づかせることができる。
【0016】
(情報処理システム10の全体構成)
情報処理システム10は、例えば、サーバ(情報処理装置)1と、GPSトラッカー(第1の装置)2と、ドライブレコーダー(第2の装置)3とを含んで構成される。なお、
図1は、情報処理システム10の構成の一例を示し、情報処理システム10の構成を、
図1に例示する構成に限定しない。また、以下の説明では、一装置(第2の装置)、および一装置と連携する装置(第1の装置)として、GPSトラッカー2、ドライブレコーダー3をそれぞれ例示して説明する。しかし、これは、上記一装置、および上記一装置と連携する装置を、ドライブレコーダー3、およびGPSトラッカー2に限定しない。
【0017】
例えば、GPSトラッカー2とドライブレコーダー3とは、移動体(車両など)内に設置されていてよい。GPSトラッカー2はテレマティクスであってよい。
【0018】
サーバ1は、例えば、ドライブレコーダー3に異常が発生したか否かを判定する情報処理装置(コンピュータ)である。サーバ1は、ネットワーク5を介して、GPSトラッカー2と通信する。
【0019】
ネットワーク5は、例えば、LTE(Long Term Evolution)などであってもよい。
【0020】
ドライブレコーダー3は、GPSトラッカー2と通信可能に接続する。ドライブレコーダー3は、GPSトラッカー2と有線または無線により接続する。ドライブレコーダー3は、無線の場合は、Wi−FiやBlueToothを介して、GPSトラッカー2と接続してよい。
【0021】
また、GPSトラッカー2とドライブレコーダー3とは、同一種別のセンサ情報を計測可能なセンサを備える。例えば、GPSトラッカー2が、自装置の速度を測定する速度センサを備える場合、ドライブレコーダー3も、同様に、自装置の速度を測定する速度センサを備える。
【0022】
(異常検知システム40の全体構成)
異常検知システム40は、例えば、サーバ1と、ユーザ端末4とを含んで構成される。なお、
図1は、異常検知システム40の構成の一例を示し、異常検知システム40の構成を、
図1に例示する構成に限定しない。
【0023】
ユーザ端末4は、ユーザが使用するコンピュータである。ユーザ端末4は、ネットワーク5を介して、サーバ1と接続し、サーバ1からドライブレコーダー3に関する異常の有無を受信する。ユーザ端末4は、PC(Personal Computer)、スマートフォンなどであってよく、その種類は問わない。なお、ユーザとは、例えば、車両の所有者であってもよいし、当該車両に関する損害保険を提供する、保険会社の担当者であってもよい。
【0024】
(サーバ1の機能構成)
図2は、サーバ1の機能構成の一例を示すブロック図である。サーバ1は、例えば、記憶部11、通信部12、制御部13などを含むことができる。
【0025】
制御部13は、サーバ1の全体を制御する。制御部13は、例えば、第1取得部131、第2取得部132、検出部133、判定部134、報知部135などを含むことができる。制御部13は、CPUなどのプロセッサにより実現される。例えば、プロセッサは、記憶部11に格納されたプログラムを読み出し、実行することで、制御部13に含まれる各部を機能させる。
【0026】
第1取得部131は、GPSトラッカー2が計測した第1のセンサ情報を取得する。第1取得部131は、例えば、第1のセンサ情報と、当該第1のセンサ情報が計測された計測タイミングとを対応付けた情報を取得してよい。そして、第1取得部131は、例えば、第1のセンサ情報を時系列で複数取得してよい。なお、以下の説明では、説明の便宜上、第1のセンサ情報を示す時系列の信号を、「第1の信号」と称する。
【0027】
第2取得部132は、第2のセンサ情報を、GPSトラッカー2を介して取得する。第2取得部132は、例えば、第2のセンサ情報と、当該第2のセンサ情報が計測された計測タイミングとを対応付けた情報を取得してよい。そして、第2取得部132は、例えば、第2のセンサ情報を時系列で複数取得してよい。なお、以下の説明では、説明の便宜上、第2のセンサ情報を示す時系列の信号を、「第2の信号」と称する。
【0028】
また、第2取得部132は、例えば、ドライブレコーダー3に異常が生じたと判定された場合、ドライブレコーダー3が撮影した画像(以下、「撮影画像情報」と称する)を、GPSトラッカー2を介して取得する。なお、撮影画像情報は、音声信号を含んで構成されてもよい。
【0029】
検出部133は、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との差異を検出する。具体的には、検出部133は、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報とを時系列で比較することにより、上記差異を検出する。
【0030】
判定部134は、検出された差異に応じて、ドライブレコーダー3に異常が生じたか否かを判定する。
【0031】
例えば、第1の信号との第2の信号との差異が所定の条件を満たさない場合(例えば、第1の信号と第2の信号との差異が所定の閾値を超える場合)には、ドライブレコーダー3に異常が生じた、と判定部134は判定する。一方、例えば、第1の信号と第2の信号との差異が所定の条件を満たす場合(例えば、第1の信号と第2の信号との差異が所定の閾値以下である場合)には、ドライブレコーダー3に異常が生じていない、と判定部134は判定する。
【0032】
例えば、GPSトラッカー2とドライブレコーダー3とが同一の車両に設置されている場合に、車両が動くと、第1のセンサ情報はGPSトラッカー2における振動を示すとともに、第2のセンサ情報はドライブレコーダー3における同様の振動を示す。その場合、ドライブレコーダー3に異常が生じていない、と判定部134は判定する。
【0033】
一方、例えば、車両が停車している際に、車両からドライブレコーダー3を取り外す作業が行われると、第1のセンサ情報はGPSトラッカー2における振動を示さないが、第2のセンサ情報はドライブレコーダー3における振動を示す。その場合、ドライブレコーダー3に異常が生じている、と判定部134は判定する。
【0034】
報知部135は、異常が生じたと判定された場合、ユーザ端末4に当該異常を報知する。
【0035】
記憶部11は、サーバ1の全体を制御するために必要な情報を記憶する。記憶部11は、ROM、RAMなどにより実現され、その詳細は問わない。
【0036】
通信部12は、上記所定の通信方式にしたがう通信網を介して外部と通信する。通信部12は、受信部12aと、送信部12bとを含む。
【0037】
受信部12aは、上記所定の通信方式にしたがう通信網を介して外部と通信することによって、第1のセンサ情報、および第2のセンサ情報を、GPSトラッカー2から受信する。また、受信部12aは、撮影画像情報を、GPSトラッカー2から受信してよい。受信部12aは、受信した第1のセンサ情報、第2のセンサ情報、および上記撮影画像情報を、制御部13に出力する。
【0038】
送信部12bは、上記所定の通信方式にしたがう通信網を介して外部と通信することによって、ドライブレコーダー3に異常が生じたとの通知を、ユーザ端末4に送信する。また、送信部12bは、上記異常が発生したタイミング(または、当該タイミングから所定の時間以内の時点)に撮影された撮影画像情報を、ユーザ端末4に送信する。また、送信部12bは、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との送信の要求を、GPSトラッカー2に送信する。さらに、送信部12bは、撮影画像情報の送信の要求を、GPSトラッカー2に送信する。
【0039】
(GPSトラッカー2の機能構成)
GPSトラッカー2は、センサを備え、サーバ1及びドライブレコーダー3と通信可能に接続する。
【0040】
GPSトラッカー2は、第1のセンサ情報を取得する。GPSトラッカー2は、例えば、GPS、速度センサ、加速度センサ、角速度センサなどを含む。第1のセンサ情報は、例えば、GPSトラッカー2の位置、振動、および加速度の少なくとも1つの情報に基づくセンサ情報である。
【0041】
GPSトラッカー2は、例えば、近距離通信を可能とする通信を介して、ドライレコーダ−3と通信する。さらに、GPSトラッカー2は、例えば、長距離通信を可能とする通信を介して、サーバ1と通信する。
【0042】
(ドライブレコーダー3の機能構成)
ドライブレコーダー3は、センサとカメラとを備え、ドライブレコーダー3と通信可能に接続する。
【0043】
ドライブレコーダー3は、第2のセンサ情報を取得する。ドライブレコーダー3は、例えば、GPS、速度センサ、加速度センサ、角速度センサなどを含む。第2のセンサ情報は、例えば、ドライブレコーダー3の位置、振動、および加速度の少なくとも1つの情報に基づくセンサ情報である。
【0044】
また、ドライブレコーダー3は、ドライブレコーダー3が設置された移動体(車両など)の周辺の環境、および当該移動体の内部空間などを撮影する。
【0045】
(第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との照合)
検出部133は、例えば、第1の信号と第2の信号とをパターンマッチングなどにより比較し、第1の信号と第2の信号との差異を検出する。または、検出部133は、それぞれの計測タイミングに対応付けられた、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報とをそれぞれ比較することで、上記差異を検出してもよい。
【0046】
また、検出部133は、例えば、カルマンフィルタなどを用いて、第1の信号に基づいてGPSトラッカー2の状態(速度、加速度、角速度、移動方向など)を推定してもよい。同様に、検出部133は、例えば、カルマンフィルタなどを用いて、第2の信号に基づいてドライブレコーダー3の状態を推定してもよい。そして、検出部133は、推定されたGPSトラッカー2の状態と、推定されたドライブレコーダー3の状態とを比較し、上記差異を検出してもよい。
【0047】
また、検出部133は、例えば、第1の信号に所定のフィルタ(ウェーブレットフィルタなど)をかけて、第1の信号から所定の特徴量を抽出してよい。同様に、検出部133は、第2の信号から当該所定の特徴を抽出してよい。そして、検出部133は、第1の信号から抽出された特徴量と、第2の信号から抽出された特徴量とを比較し、上記差異として検出してよい。
【0048】
検出部133は、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)などを用いて、第1の信号を周波数空間に変換し、所定の周波数に対応する情報を、第1の信号から除去してよい。同様に、検出部133は、例えば、所定の周波数に対応する情報を、第2の信号から除去してよい。つまり、検出部133は、第1の信号と第2の信号とに対してノイズを除去する処理を実行してよい。その後、検出部133は、第1の信号と第2の信号とを比較し、上記差異を検出してよい。
【0049】
また、検出部133は、例えば、第1の信号に含まれる第1のセンサ情報の移動平均を算出し、第1の信号を平滑化してもよい。同様に、検出部133は、例えば、第1の信号に含まれる第1のセンサ情報の移動平均を算出し、第2の信号を平滑化してよい。その後、検出部133は、第1の信号と第2の信号とを比較し、上記差異を検出してよい。
【0050】
(情報処理システム10の動作)
図3は、情報処理システム10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS1において、GPSトラッカー2は、GPSトラッカーが備えるセンサの出力値を、第1のセンサ情報として取得する。さらに、GPSトラッカー2は、GPSトラッカー2の位置情報を取得してもよい。
【0052】
ステップS2において、ドライブレコーダー3は、GPSトラッカーが備えるセンサの出力値を、第2のセンサ情報として取得する。ここで、第1のセンサ情報が計測されるタイミングと、第2のセンサ情報が計測されるタイミングとは、同一タイミング、又は所定時間内の差異のタイミングであってよい。
【0053】
ステップS3において、第1取得部131は、第1のセンサ情報を、GPSトラッカー2から時系列で複数取得する。具体的には、第1取得部131は、第1のセンサ情報と、当該第1のセンサ情報が計測された計測タイミングとを対応付けて、GPSトラッカー2から時系列で複数取得する。
【0054】
なお、GPSトラッカー2は、例えば、サーバ1から第1のセンサ情報の送信の要求を受け付けると、第1のセンサ情報と、当該第2のセンサ情報が計測された計測タイミングとを対応付けて、サーバ1に送信してよい。
【0055】
ステップS4において、GPSトラッカー2は、第2のセンサ情報を、ドライブレコーダー3から取得する。GPSトラッカー2は、例えば、第2のセンサ情報と、当該第2のセンサ情報に対応する計測タイミングとを対応付けて、ドライブレコーダー3から取得してよい。
【0056】
ステップS5において、第2取得部132は、第2のセンサ情報を、GPSトラッカー2から時系列で複数取得する。具体的には、第2取得部132は、ドライブレコーダー3が計測した第2のセンサ情報と、当該第2のセンサ情報が計測された計測タイミングとを対応付けて、GPSトラッカー2から時系列で複数取得する。
【0057】
なお、GPSトラッカー2は、例えば、サーバ1から第2のセンサ情報の送信の要求を受け付けると、第2のセンサ情報をドライブレコーダー3に要求してよい。そして、GPSトラッカー2は、第2のセンサ情報をドライブレコーダー3から受信すると、当該第2のセンサ情報と、当該第2のセンサ情報に対応する計測タイミングとを対応付けて、サーバ1に送信する。
【0058】
ステップS6において、検出部133は、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報とを時系列で比較することにより、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との差異を検出する。具体的には、検出部133は、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報とを時系列で比較することにより、上記差異を検出する。つまり、検出部133は、計測されたセンサ情報(第1のセンサ情報および第2のセンサ情報)の時系列変化を照合する。それにより、検出部133は、ドライブレコーダー3に生じた異常を、正確に検知できる。
【0059】
ステップS7において、検出された差異に応じて、ドライブレコーダー3に異常が生じたか否かを、判定部134は判定する。
【0060】
なお、第1のセンサ情報および第2のセンサ情報には、ノイズが含まれるおそれがある。そのため、一のタイミング(対応するタイミング)に計測された情報(第1のセンサ情報および第2のセンサ情報)には、ノイズが含まれるおそれがある。第1のタイミング、および第2のタイミングの少なくともいずれかがノイズを含む場合に、検出部133が、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報とを比較すると、判定部134は誤判定する。しかし、検出部133は、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報とを時系列で比較することにより、上記ノイズの影響を軽減できる。その結果、サーバ1は、誤判定を防止できる。
【0061】
ドライブレコーダー3に異常が生じた、と判定部134が判定した場合(ステップS7:異常発生)には、第2取得部132は、撮影画像情報を、GPSトラッカー2を介して取得する(ステップS8)。具体的には、第2取得部132は、少なくとも一の計測タイミングに対応付けられた撮影画像情報を、GPSトラッカー2を介して取得する。ただし、これは、第2取得部132が、上記撮影画像情報を取得するタイミングを限定しない。例えば、第2取得部132は、所定の時間毎に、GPSトラッカー2を介して、ドライブレコーダー3から上記撮影画像情報を取得してもよい。
【0062】
サーバ1は、ドライブレコーダー3に異常が生じた場合に、上記異常に関連するタイミングで撮影された画像(撮影画像情報)を取得することで、サーバ1とGPSトラッカー2との間において、サーバ1とGPSトラッカー2間の通信量を抑制できる。また、サーバ1は、上記異常に関連する撮影画像情報を取得し、取得された撮影画像情報を記憶部11に格納することで、記憶部11に格納されるデータ量を抑制できる。
【0063】
ドライブレコーダー3の記憶部(例えば、メモリカードなど)に上記撮影画像情報が格納すると、上記撮影画像情報の編集が容易になるおそれがある。しかし、サーバ1は、記憶部11に撮影画像情報を格納することで、当該撮影画像情報を、より安全に保護(例えば、アクセス制限、編集制限など)できる。
【0064】
また、ドライブレコーダー3の記憶部に上記撮影画像情報が格納されると、ドライブレコーダー3の盗難が発生した場合に、ユーザ(車両の所有者など)は上記撮影画像情報を取得できない。しかし、記憶部11に上記撮影画像情報が格納されることにより、ドライブレコーダー3の盗難が発生した場合であっても、サーバ1は、ユーザに上記撮影画像情報を提供できる。
【0065】
ステップS9において、報知部135は、ドライブレコーダー3に異常が生じたことを、ユーザ端末4に報知する。報知部135は、例えば、ドライブレコーダー3に異常が生じたとの通知と、撮影画像情報を対応付けて、ユーザ端末4に送信してよい。そして、ユーザ端末4は、例えば、ドライブレコーダー3に異常が生じたとの通知などを、サーバ1から受信すると、ドライブレコーダー3に異常が生じたことを、文字、画像、光、音などを用いてユーザに報知してよい。それにより、ユーザ端末4は、当該通知を受信したことを、ユーザに早急に認識させることができる。そして、制御は、ステップS1に戻り、処理を継続する。
【0066】
一方、ドライブレコーダー3に異常が生じていない、と判定部134が判定した場合(ステップS7:異常なし)には、制御は、ステップS1に戻り、処理を継続する。なお、上記の説明は、情報処理システム10の動作の一例であり、処理の順序などを限定しない。情報処理システム10において、処理の順序は適宜変更されてよい。
【0067】
また、上記の説明では、検出部133が第1の信号と第2の信号とを比較することで、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との差異を検出する処理を例示した。しかし、これは、上記差異を検出する方法を限定しない。例えば、検出部133は、第1の信号と第2の信号とに対応する、それぞれの計測タイミングに対応付けられた、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報とをそれぞれ比較することで、上記差異を検出してもよい。
【0068】
(異常検知システム40の動作)
図4は、異常検知システム40の動作の一例の一例を示すタイムラインである。
【0069】
時点T1において、GPSトラッカー2は、センサの出力値を、第1のセンサ情報として取得する。更に、時点T1において、GPSトラッカー2は、位置情報を取得する。また、時点T1(または、時点T1との差異が所定の時間以内の時点)において、ドライブレコーダー3は、センサの出力値を、第2のセンサ情報として取得する。
【0070】
時点T1を含む時間T2において、第1取得部131は、GPSトラッカー2から第1のセンサ情報を時系列で複数取得する。具体的には、GPSトラッカー2は、第1のセンサ情報の送信の要求を受信すると、取得された第1のセンサ情報を、サーバ1に送信する。
【0071】
さらに、上記時間T2において、第2取得部132は、GPSトラッカー2を介して、ドライブレコーダー3から、第2のセンサ情報を時系列で複数取得する。
【0072】
具体的には、第2取得部132は、通信部12を介して、GPSトラッカー2に、第2のセンサ情報を要求する。GPSトラッカー2は、第2のセンサ情報の送信の要求を受信すると、第2のセンサ情報の送信を要求する。ドライブレコーダー3は、第2のセンサ情報の送信の要求を受信すると、GPSトラッカー2に、第2のセンサ情報を送信する。GPSトラッカー2は、受信した第2のセンサ情報を、サーバ1に送信する。
【0073】
第1取得部131は、時間T2に対応する第1のセンサ情報を、時系列で複数取得する。そして、第1取得部131は、取得された時系列の第1のセンサ情報を、第1の信号として決定する。
【0074】
同様に、第2取得部132は、時間T2に対応する第2のセンサ情報を、時系列で複数取得する。そして、第2取得部132は、取得された時系列の第2のセンサ情報を、第2の信号として決定する。
【0075】
時点T3において、検出部133は、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との差異を検出する。なお、検出部133は、第1の信号と第2の信号との差異を検出してよい。または、検出部133は、例えば、互いに対応する計測タイミングに対応付けられた、第1のセンサ情報と第2のセンサ情報との差異を検出してよい。
【0076】
時点T4において、判定部134は、検出された差異に応じて、ドライブレコーダー3に異常が生じたか否かを判定する。
【0077】
時点T5において、上記異常が生じた、と判定部134が判定した場合、第2取得部132は、GPSトラッカー2を介して、ドライブレコーダー3に、上記差異に対応する計測タイミングに対応付けられた撮影画像情報を要求する。
【0078】
具体的には、第2取得部132は、通信部12を介して、GPSトラッカー2に、上記撮影画像情報を要求する。GPSトラッカー2は、上記撮影画像情報の送信の要求を受信すると、ドライブレコーダー3に上記撮影画像情報の送信を要求する。ドライブレコーダー3は、上記撮影画像情報の送信の要求を受信すると、GPSトラッカー2に、要求された撮影画像情報を送信する。GPSトラッカー2は、受信した撮影画像情報を、サーバ1に送信する。それにより、サーバ1は、ドライブレコーダー3に異常が発生した際の車両の周辺の環境、および当該車両の内部空間の状況を、撮影画像情報として取得できる。
【0079】
さらに、サーバ1は、上記異常に対応する計測タイミングに測定された位置情報を、ユーザ端末4に通知してもよい。それにより、サーバ1は、ドライブレコーダー3に異常が発生した位置を、ユーザに知らせることができる。
【0080】
時点T6において、報知部135は、ドライブレコーダー3に異常が生じたとの通知と、撮影画像情報とを対応付けて、ユーザ端末4に送信する。それにより、本実施形態に係る異常検知システム40は、ドライブレコーダー3に生じた異常をユーザに気づかせることができる。
【0081】
(付記事項)
上述の実施形態は、以下の形態のように記載してもよいが、以下に限定されない。
【0082】
(形態1)第1の装置が計測した第1のセンサ情報を取得する第1取得部と、前記第1の装置と通信可能に接続された第2の装置が計測した第2のセンサ情報を、当該第1の装置を介して取得する第2取得部と、前記第1のセンサ情報と前記第2のセンサ情報との差異を検出する検出部と、前記検出された差異に応じて、前記第2の装置に異常が生じたか否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【0083】
(形態2)前記第2取得部は、前記異常が生じたと判定された場合、前記第2の装置が撮影した画像を前記第1の装置を介して取得することを特徴とする形態1に記載の情報処理装置。
【0084】
(形態3)前記異常が生じたと判定された場合、ユーザが使用する端末に当該異常を報知する報知部をさらに備えたことを特徴とする形態1または2に記載の情報処理装置。
【0085】
(形態4)前記第1取得部は、前記第1のセンサ情報を時系列で複数取得し、前記第2取得部は、前記第2のセンサ情報を時系列で複数取得し、前記検出部は、前記第1のセンサ情報と前記第2のセンサ情報とを時系列で比較することにより、前記差異を検出することを特徴とする形態1から3のいずれか一態様に記載の情報処理装置。
【0086】
(形態5)前記第1のセンサ情報は、前記第1の装置の位置、振動、加速度の少なくとも1つの情報に基づくセンサ情報であり、前記第2のセンサ情報は、前記第2の装置の位置、振動、加速度の少なくとも1つの情報に基づくセンサ情報であることを特徴とする形態1から4のいずれか一態様に記載の情報処理装置。
【0087】
(形態6)前記第1の装置は、GPSトラッカーであり、前記第2の装置は、ドライブレコーダーであることを特徴とする形態1から5のいずれか一態様に記載の情報処理装置。
【0088】
(形態7)形態1から6のいずれか一態様に記載の情報処理装置と、前記第1の装置と、前記第2の装置とを含む情報処理システム。
【0089】
(形態8)形態1から6のいずれか一態様に記載の情報処理装置と、前記情報処理装置から前記第2の装置に関する異常の有無を受信するユーザ端末とを含む異常検知システム。
【0090】
(形態9)第1の装置が計測した第1のセンサ情報を取得する第1取得ステップと、前記第1の装置と通信可能に接続された第2の装置が計測した第2のセンサ情報を、当該第1の装置を介して取得する第2取得ステップと、前記第1のセンサ情報と前記第2のセンサ情報との差異を検出する検出ステップと、前記検出された差異に応じて、前記第2の装置に異常が生じたか否かを判定する判定ステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【0091】
(形態10)情報処理装置に、第1の装置が計測した第1のセンサ情報を取得する第1取得機能と、前記第1の装置と通信可能に接続された第2の装置が計測した第2のセンサ情報を、当該第1の装置を介して取得する第2取得機能と、前記第1のセンサ情報と前記第2のセンサ情報との差異を検出する検出機能と、前記検出された差異に応じて、前記第2の装置に異常が生じたか否かを判定する判定機能とを実現させることを特徴とする制御プログラム。
【0092】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【0093】
〔ソフトウェアによる実現例〕
サーバ1の制御ブロック(特に、制御部13)は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ)などに形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してよい。後者の場合、情報処理装置100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波など)を介して上記コンピュータに供給されてよい。具体的には、本発明の実施の形態に係るプログラムは、サーバ1に搭載されたコンピュータに、第1取得部131、第2取得部132、検出部133、判定部134、報知部135それぞれ実現させる。なお、GPSトラッカー2の制御ブロック、およびドライブレコーダー3の制御ブロックも同様であり、詳細な説明は省略する。