【解決手段】入力装置10は、ベースプレート30と、ベースプレート30の上面30a側で回動可能に設けられた押しボタン25と、を備える。ベースプレート30は、上面30aから突出した軸受部40を有する。押しボタン25は、押下操作を受け付ける操作面部36と、軸受部40に回転可能に支持される位置決め部38と、を有する。位置決め部38は、軸受部40の第1面に当接する当接部44と、軸受部40の第2面に向かって弾性付勢され、第2面を押圧する押圧部48と、で軸受部40の板厚方向に対して押しボタン25を位置決めする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の入力装置は、キーボード装置の支持板となるベースプレートの上に積層されたハウジングプレートに孔部を形成している。そして、この入力装置は、ハウジングプレートに形成した孔部に押しボタンのヒンジを挿入することで、押しボタンの左右方向の配置を位置決めしている。従って、この構成では、押しボタンの左右方向を精度よく位置決めするためには、ヒンジと孔部の内壁面との間の隙間を可能な限り小さくする必要がある。このため、この構成では、押しボタンやベースプレート等の製造公差や組付交差により、ヒンジが孔部の内壁面に干渉し、押しボタンの円滑な動作ができなくなる懸念がある。そこで、この干渉を確実に回避するためには、ヒンジと孔部との間の隙間を広くする必要がある。ところが、この場合は、押しボタンががたつきを生じたり、押しボタンが周囲のフレームに干渉したりする懸念がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、押しボタンの位置決め精度と円滑な動作とを両立することができる入力装置及び該入力装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る入力装置は、入力装置であって、ベースプレートと、前記ベースプレートの上面側で回動可能に設けられた押しボタンと、を備え、前記ベースプレートは、上面から突出した軸受部を有し、前記押しボタンは、押下操作を受け付ける操作面部と、前記軸受部に回転可能に支持される位置決め部と、を有し、前記位置決め部は、前記軸受部の第1面に当接する当接部と、前記軸受部の、前記第1面とは反対の第2面に向かって弾性付勢され、前記第2面を押圧する押圧部と、で前記軸受部の板厚方向に対して前記押しボタンを位置決めする。
【0007】
前記位置決め部は、前記当接部が前記第1面に当接する位置と、前記押圧部が前記第2面を押圧する位置とが、前記軸受部の前記第1面に沿う方向に対して互いに位置ずれした構成としてもよい。
【0008】
前記当接部及び前記押圧部は、平面視で前記操作面部から外れた位置に設けられ、前記位置決め部と前記軸受部との間の回動軸は、平面視で前記操作面部の外側に配置された構成としてもよい。
【0009】
前記位置決め部は、さらに、前記操作面部の一縁部から突出し、先端側に前記当接部が設けられた第1アームと、前記第1アームと並んで前記操作面部の一縁部から突出し、先端側に前記押圧部が設けられた第2アームと、を有する構成としてもよい。
【0010】
前記軸受部は、前記ベースプレートの上面から起立して屈曲したフック形状を有し、前記位置決め部は、さらに、前記軸受部の下端面が前記板厚方向に沿って相対移動可能な状態で当接する支持部を有する構成としてもよい。
【0011】
前記ベースプレートは、さらに、前記上面から突出し、前記軸受部と平行するように設けられた第2の軸受部を有し、前記押しボタンは、さらに、前記操作面部の幅方向で前記位置決め部と並ぶように設けられ、前記第2の軸受部に回転可能に支持される回転支持部を有し、前記回転支持部は、前記第2の軸受部に対して該第2の軸受部の板厚方向に沿って移動が許容された状態で支持された構成としてもよい。
【0012】
前記ベースプレートは、さらに、前記上面から突出した突出片を有し、前記押しボタンは、さらに、その下面に形成され、前記突出片が摺動可能に挿入される位置決め穴を有し、前記突出片は、前記位置決め穴に対して、少なくとも前記板厚方向と直交する方向であって、且つ前記上面に平行する方向には、相対移動不能な状態で挿入された構成としてもよい。
【0013】
本発明の第2態様に係る電子機器は、上記構成の入力装置と、前記ベースプレートの上面側で上下動可能に支持された複数のキートップと、を有するキーボード装置と、前記キーボード装置が設けられた本体筐体と、前記本体筐体に対して回動可能に連結され、ディスプレイを有するディスプレイ筐体と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、押しボタンの位置決め精度と円滑な動作とを両立することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る入力装置及び電子機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、一実施形態に係る入力装置10を備えた電子機器12の斜視図である。
図1に示すように、電子機器12は、ディスプレイ筐体14を本体筐体16に対して回動可能に連結したノート型PCである。本実施形態の入力装置10は、電子機器12のキーボード装置18と一体に構成されたものである。入力装置10は、キーボード装置13と別体に構成されたものでもよい。入力装置10は、ノート型PC以外の電子機器に搭載されてもよい。入力装置10は、デスクトップ型PC等に接続される外付け型のキーボード装置等に搭載されてもよい。
【0018】
以下、入力装置10について、
図1に示すように電子機器12を使用する使用者から見た方向を基準とし、手前側を前、奥側を後、本体筐体16の厚み方向を上下、幅方向を左右と呼んで説明する。
【0019】
ディスプレイ筐体14は、薄い箱状の筐体である。ディスプレイ筐体14は、ディスプレイ19を備える。ディスプレイ19は、例えば液晶ディスプレイである。ディスプレイ筐体14は、筐体ヒンジ20を介して本体筐体16と回動可能に連結されている。
【0020】
本体筐体16は、薄い箱状の筐体である。本体筐体16の内部には、電子回路基板、電子回路基板に実装された演算処理装置やメモリ、バッテリ装置等の各種電子部品が収納されている。
【0021】
キーボード装置18は、本体筐体16の上面に設けられている。キーボード装置18は、前後方向及び左右方向に並ぶように配列された複数のキートップ22を備える。隣接するキートップ22,22間は、フレーム23によって仕切られている。キーボード装置18の略中央には、ポインティングスティック24が設けられている。ポインティングスティック24は、ディスプレイ19に表示されるカーソル(マウスポインタ)を操作するための入力装置であり、マウスの代わりとして操作できる。
【0022】
入力装置10は、キーボード装置18の前縁部の略中央に設けられている。本実施形態の入力装置10は、3個の押しボタン25,26,27で構成されている。押しボタン25〜27は、ポインティングスティック24やタッチパッド28によるカーソル操作と連結して機能する。タッチパッド28は、押しボタン25〜27の前側に設けられ、ポインティングスティック24と同様、マウスの代わりとして操作可能である。
【0023】
図2は、
図1に示す入力装置10及びその周辺部を拡大し、フレーム23を省略した斜視図である。
図2では、中央の押しボタン26の図示を省略している。
【0024】
図2に示すように、キーボード装置18は、各キートップ22及び入力装置10の取付板となるベースプレート30を備える。ベースプレート30は、アルミニウムやステンレス等で形成された薄い金属プレートの各所に切り起こし成形や打ち抜き成形を施したものである。ベースプレート30は、第1プレート部31aと、第2プレート部31bとで構成されている。第1プレート部31aは、全てのキートップ22をまとめて支持する略長方形の大型プレートである。第2プレート部31bは、押しボタン25〜27を支持する略長方形の小型プレートである。第2プレート部31bは、第1プレート部31aの前縁部の略中央から前方に張り出すように設けられている。
【0025】
ベースプレート30は、上面30aにメンブレンシート32が積層され、下面30bにライトガイドプレート34が積層されている(
図8も参照)。メンブレンシート32は、例えば固定接点及び可動接点が重なる位置が押圧された場合に固定接点と可動接点とが密着し、これにより接点を閉じる三層構造のスイッチシートである。メンブレンシート32は、3層構造以外、例えばゴム製の導電部が回路を短絡させる接触スイッチを用いた構造等でもよい。メンブレンシート32は各所に貫通孔を有し、この貫通孔の一部を通してキートップ22の昇降ガイドがベースプレート30の上面30aに取り付けられている。キートップ22は、この昇降ガイドによるガイド作用下に上下動し、下降した場合に図示しないラバードームを介してメンブレンシート32のスイッチをオンする。メンブレンシート32は、ベースプレート30の下面30b側に積層されてもよい。ライトガイドプレート34は、LED素子等の光源から発せられた光を導光して反射することにより、各キートップ22を下面側から照射する。ライトガイドプレート34は省略してもよく、代わりに防水シートを設けてもよい。
【0026】
図3は、
図2に示す押しボタン25及びその周辺部を拡大した平面図である。
図4は、
図2中の丸印IVで囲んだ部分を拡大した斜視図である。
図5は、
図2中の丸印Vで囲んだ部分を拡大した斜視図である。
図6は、ベースプレート30の押しボタン25を支持する部分及びその周辺部を拡大した斜視図である。
図7は、
図6に示すベースプレート30の一部を拡大した斜視図である。
【0027】
図1〜
図3に示すように、入力装置10は、押しボタン25,26,27を左から右に向かって順に並べた構造である。押しボタン25〜27は、フレーム23に形成された横長の開口部23aにまとめて収容されている(
図1及び
図3参照)。本実施形態の場合、開口部23aの前側の内壁面は、タッチパッド28の端面で構成されている。入力装置10は、1個若しくは2個の押しボタン、又は、4個以上の押しボタンで構成されてもよい。
【0028】
以下では、左側の押しボタン25を代表的に説明する。右側の押しボタン27は、左側の押しボタン25と比べて形状及び取付構造がそれぞれ左右対称である以外は略同一の構成である。そこで、押しボタン27の各要素については、対応する押しボタン25の各要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。なお、中央の押しボタン26は、左右の押しボタン25,27とはその形状や取付構造が異なるものであり、本実施形態では詳細な説明を省略する。
【0029】
図2及び
図3に示すように、押しボタン25は、操作面部36と、左右に並んだ位置決め部38及び回転支持部39とを備える。押しボタン25は、例えば樹脂材料で形成されている。
【0030】
操作面部36は、使用者による押下操作を受け付けるプレートである。操作面部36は、平面視で略長方形状であり、前後方向よりも左右方向の幅寸法が長い。操作面部36は、左側面36aが開口部23aの左側の内壁面23bと対向している。操作面部36は、右側面36bが隣接する押しボタン26の側面と対向している。なお、右側の押しボタン27は、その操作面部36の左側面36aが隣接する押しボタン26の側面と対向し、右側面36bが開口部23aの右側の内壁面23cと対向している(
図1及び
図2参照)。
【0031】
図3及び
図4に示すように、位置決め部38は、操作面部36の後縁部左端から後方に張り出すように設けられている。位置決め部38は、ベースプレート30の上面30aから突出した軸受部40に回転可能に支持されている。
【0032】
図6及び
図7に示すように、軸受部40は、上面30aから起立して前方へと屈曲した板片であり、側面視略L字のフック形状を有する。軸受部40は、ベースプレート30を切り起こして形成されている。軸受部40の板厚は、ベースプレート30の板厚と同一であり、例えば0.3mm程度である。
【0033】
図3及び
図4に示すように、位置決め部38は、第1アーム42と、当接部44と、第2アーム46と、押圧部48と、支持部50とを有する。位置決め部38は、押しボタン25をベースプレート30に対して左右方向に位置決めする。位置決め部38は、軸受部40に支持されることで押しボタン25を回動させるヒンジとしても機能する。
【0034】
第1アーム42は、操作面部36の後縁部から後方に突出している。第1アーム42は、後方に向かって次第に幅狭となる略三角形状の板片である。第1アーム42は、十分な強度を持った剛体である。第1アーム42の先端には、幅狭の突出片42aが設けられている。
【0035】
当接部44は、突出片42aの左側面に形成されている。当接部44は、軸受部40の右側面40aに当接する。当接部44は、押しボタン25をベースプレート30に対して左右方向に位置決めするストッパである。当接部44は、軸受部40の右側面40aに向かって次第に幅狭となる突起形状を有し、その先端に形成された平面部分で右側面40aに当接する。
【0036】
第2アーム46は、操作面部36の後縁部から後方に突出している。第2アーム46は、第1アーム42よりも外側(左側)に配置され、第1アーム42との間に隙間Cを介して並んでいる。第2アーム46は、第1アーム42よりも相当に幅狭な棒状部材である。このため、第2アーム46は、少なくとも左右方向に弾性変形可能な板ばねとして機能する。
【0037】
押圧部48は、第2アーム46の先端から右側に突出した突部である。つまり第2アーム46及び押圧部48を合わせた部分は、平面視で略ハンマー形状となっている。押圧部48は、軸受部40の左側面40bに当接する。押圧部48は、第2アーム46により、軸受部40の左側面40bに向かって弾性付勢されている。位置決め部38は、押圧部48が外力を受けていない状態では、押圧部48と当接部44との間の左右方向での間隔が、軸受部40の板厚よりも小さい寸法に設定されている。これにより、位置決め部38は、押圧部48と当接部44との間で軸受部40を挟持することができる。つまり押圧部48が軸受部40を押圧した状態で、第2アーム46はその反力で弾性変形している。本実施形態の場合、当接部44が軸受部40に当接する位置と、押圧部48が軸受部40を押圧する位置とは、前後方向に対して互いに位置ずれしている。
【0038】
支持部50は、第1アーム42の先端側で突出片42aの基端部左側に形成されている。支持部50は、第1アーム42の上面を突出片42aよりも一段低い位置にある。支持部50は、その左縁部及び後縁部が隙間Cに臨んでいる。支持部50は、その上面に軸受部40の下端面40cが係止される。これにより支持部50は、軸受部40に対して左右方向に相対移動可能な状態で当接する。支持部50は、省略されてもよい。
【0039】
図3及び
図5に示すように、回転支持部39は、操作面部36の後縁部右端部から後方に突出した位置に設けられている。回転支持部39は、操作面部36の幅方向(左右方向)に対して位置決め部38と並んでいる。回転支持部39は、ベースプレート30の上面30aから突出した軸受部52に回転可能に支持されている。軸受部52は、上記した軸受部40と同一構造である。軸受部52は、軸受部40と平行している(
図6参照)。
【0040】
回転支持部39は、アーム54と、左右一対の支持壁部56,57と、支持部58とを有する。回転支持部39は、軸受部52に支持されることで押しボタン25を回動させるヒンジとして機能する。
【0041】
アーム54は、操作面部36の後縁部から後方に突出している。アーム54は、後方に向かって次第に幅狭となる略三角形状の板片である。アーム54は、位置決め部38の第1アーム42及び第2アーム46を合わせたものと左右対称である以外は略同一の外形となっている。
【0042】
支持壁部56,57は、アーム54の先端に設けられ、左右に並んでいる。支持壁部56,57の間には、軸受部52の板厚よりも大きな隙間が設けられ、この隙間に支持部58が配置されている。支持壁部56,57の間には、後方から軸受部52が挿入される。右側の支持壁部57は、軸受部52の右側面52aと対向し、左側の支持壁部56は、軸受部52の右側面52bと対向する。従って、軸受部52は、支持壁部56,57間で左右方向に相対移動可能である。
【0043】
支持部58は、支持壁部56,57間の前部に形成されている。支持部58は、その上面にフック形状を有する軸受部52の下端面52c(
図6参照)が係止される。これにより支持部58は、軸受部52に対して左右方向に相対移動可能な状態で当接する。
【0044】
図8は、押しボタン25及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
図8に示すように、押しボタン25は、第1アーム42及びアーム54の下面に開口した位置決め穴60を有する。位置決め穴60には、ベースプレート30の上面30aから起立した突出片62が挿入される。
【0045】
図6及び
図7に示すように、突出片62は、左右の軸受部40,52の前方にそれぞれ設けられている。つまり押しボタン25の位置決め穴60についても、左右の突出片62に対応するように一対設けられている。突出片62は、ベースプレート30を上方に切り起こし、先端を右側又は左側に屈曲させた板片であり、正面視略Z字形である。突出片62は、位置決め穴60に対して上下方向に摺動可能に挿入される。突出片62は、位置決め穴60に挿入された状態で、前後方向には相対移動不能な係合状態となる。つまり突出片62は、位置決め穴60に対して、少なくとも軸受部40,52の板厚方向と直交する方向であって、且つ上面30aに平行する方向には、相対移動不能な状態で挿入されている。これにより押しボタン25は、位置決め穴60と突出片62との係合作用により、ベースプレート30に対して前後方向に位置決めされる。
【0046】
図8に示すように、操作面部36は、その下面の前端よりも多少後側に係止片64を有する。係止片64は、操作面部36の下面から下方に突出し、先端が前側に屈曲している。係止片64は、操作面部36の下面に左右一対設けられている。
図6に示すように、ベースプレート30の上面30aには、左右の係止片64に対応する位置にそれぞれ起立板66が設けられている。起立板66は、左右方向に幅広な門形状の板片であり、内側に矩形の係止穴66aが形成されている。係止穴66aには、係止片64が上下動可能に挿入される。係止片64は、係止穴66aの天面でその上昇方向位置が規制され、押しボタン25がベースプレート30から抜け止めされている。
図8中の参照符号68は、操作面部36が押下操作されて押しボタン25が回動した際、その下面でオンされるスイッチである。
【0047】
なお、
図2中の参照符号70,71,72は、ベースプレート30を下面30b側から上面30aへと膨らませた凸部であり、上面30aから上方に突出している。凸部70〜72は、押しボタン25〜27と干渉しない高さ寸法で押しボタン25〜27の下方に配置されている。凸部70〜72は、その裏側にベースプレート30の下面30b側に配置される図示しないロジック基板の収納凹部を形成する。ロジック基板は、ポインティングスティック24に接続され、ポインティングスティック24が操作された際にセンサ基板から出力されるアナログ信号をデジタルの電気信号に変換するものである。
【0048】
以上のように、本実施形態の入力装置10の位置決め部38は、軸受部40の右側面40aに当接する当接部44と、軸受部40の左側面40bに向かって弾性付勢され、この左側面40bを押圧する押圧部48とを有する。そして、位置決め部38は、軸受部40の板厚方向に対して押しボタン25を位置決めしている。
【0049】
このように、位置決め部38は、弾性付勢された押圧部48と当接部44とで軸受部40を挟持している。このため、位置決め部38は、当接部44を基準として軸受部40(ベースプレート30)に対して左右方向で位置決めされる。従って、押しボタン25(27)は、高い位置決め精度でベースプレート30に支持される。また、押圧部48は、軸受部40に対して弾性付勢されており、位置決め部38と軸受部40との間の隙間をゼロにできる。このため、位置決め部38が軸受部40に対してがたつきを生じることを抑制できる。しかも、位置決め部38は、軸受部40に対する回転動作が硬くなり過ぎることもないため、その円滑な動作も確保される。
【0050】
この際、回転支持部39は、軸受部52に対して左右方向に移動が許容された状態で回転可能に支持されている。これにより回転支持部39は、位置決め部38での左右方向の位置決めを阻害することなく、押しボタン25の回動動作をより安定化させる。
【0051】
本実施形態の位置決め部38は、当接部44及び押圧部48の軸受部40に対する当接位置が第2アーム46の突出方向、つまり軸受部40の側面40a,40bに沿って位置ずれしている。このため、位置決め部38は、金型での成形時に円滑に型抜きすることができる。さらに、位置決め部38は、当接部44と押圧部48とが軸受部40の裏表で重ならない位置に当接することで、当接部44を左右方向の基準位置に固定した状態で、押圧部48が軸受部40をより確実に押圧する。その結果、位置決め部38は、左右方向での位置決め精度が一層向上する。
【0052】
押しボタン25(27)は、位置決め部38及び回転支持部39が操作面部36の後縁部から後方に突出した構造となっている。このため、押しボタン25(27)は、位置決め部38及び回転支持部39と、軸受部40,52とで形成される回動軸が、操作面部36の外側に配置されている。これにより押しボタン25(27)は、
図8から明らかな通り、操作面部36の上面の全面を押下操作することができ、高い操作性が得られる。つまり、仮に位置決め部38及び回転支持部39の回動軸が操作面部36の直下にある場合には、操作面部36は少なくとも回動軸の直上に位置した部分を押下操作することができないためである。但し、当該入力装置10は、位置決め部38等の回動軸を操作面部36の直下に形成してもよい。この構成であっても、上記した位置決め部38による位置決め効果は十分に得られるからである。
【0053】
ところで、例えば
図3に示す押しボタン25において、位置決め部38及び回転支持部39を左右逆に配置してもよい。但し、この構成では、右側の位置決め部38が左右方向の位置決めを担うため、操作面部36の左側の側面36aは、操作面部36の左右方向の幅寸法分の公差が積算された位置に配置される。その結果、操作面部36の左側にあるフレーム23の内壁面23bに側面36aが干渉する懸念がある。この点、上記構成では、左右方向の位置決めを担う位置決め部38が、フレーム23の内壁面23bと対向する側面36a側に配置されている。このため、側面36aと内壁面23bとの干渉を回避しつつ、その間の隙間を最小化して、外観品質を向上させることも可能となる。なお、右側の押しボタン27は、右側の押しボタン25と左右対称構造である。このため、この押しボタン27では、フレーム23の右側の内壁面23cと対向する操作面部36の側面36b側に位置決め部38を配置している。
【0054】
なお、本発明は、上記した開示内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0055】
上記では、操作面部36の左右にそれぞれ位置決め部38及び回転支持部39を設けた構成を例示した。しかしながら、左右方向の位置決めに関与しない回転支持部39は、省略してもよい。
【0056】
上記では、軸受部40,52は、ベースプレート30に直接形成されたものを例示した。しかしながら、ベースプレート30の上面30aに樹脂製のプレート等を積層した構成としてもよい。この場合は、ベースプレート30と樹脂製のプレートを含めた全体をベースプレートとして考え、ベースプレート30又は樹脂製のプレートのいずれかに軸受部40,52を形成するとよい。
【0057】
上記では、中央の押しボタン26は、左右の押しボタン25,27と異なる構成であるとした。しかしながら、中央の押しボタン26は、左右の押しボタン25,27と同一又は同様な形状や取付構造であってもよい。