【解決手段】照明光を発する照明ユニットと、映像を投射する映像投射光を発する投射型映像表示ユニットと、操作検出に用いる操作検出用発光を行い、前記投射型映像表示ユニットの映像投射領域を含む範囲について操作オブジェクトによる操作を検出可能なセンサーと、を備え、前記照明光、前記映像投射光、および前記操作検出用発光はそれぞれ異なる波長分布特性を有しており、前記センサーが操作検出で用いる光の波長域における光量は、前記照明光、前記映像投射光、および前記操作検出用発光のうち前記操作検出用発光の光量が最も大きくなるように構成する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら、詳細に説明する。各図において共通の符号が付されており、特に説明のない構成は、他の図面の説明において既に説明した構成と同じものを意味しており、その説明を省略したものである。
【0012】
<ペンダント型およびシーリング型の映像投射機能付き照明装置>
まず、添付の
図1および
図2は、本発明の一実施の形態である映像投射機能付き照明装置の外観構成を示している。
図1は、天井面から吊るすような形態で取り付けられる、いわゆる、ペンダント型と呼ばれる照明装置に映像投射機能を搭載した映像投射機能付き照明装置を示している。
図2は、天井面に取り付けられる、いわゆる、シーリング型と呼ばれる照明装置に映像投射機能を搭載した映像投射機能付き照明装置を示している。
【0013】
これらの図からも明らかなように、これらの映像投射機能付き照明装置10は、例えば、キッチン、ダイニングルーム、または、居間、オフィス等の空間を構成する壁面、または天井面50などに取り付けて使用される。より具体的には、図にも示すように、室内に設置されたテーブルや机60の上方において、所定の高さ、または、天井面に一体に設置される。これら映像投射機能付き照明装置10は、テーブルや机60の上面または壁面などに照明光2または照明光3を照射する照明機能と、当該テーブルまたは机60の上面(表示面または投射面)61に様々な映像1を投射して表示する映像投射機能と両方有する照明装置である。なお、
図1における符号40は、特に、ペンダント型の照明装置10を天井面から所望の位置に吊り下げた状態で保持するための保持具を示している。開口部または透過窓14については後述する。
【0014】
映像投射機能で映像を投射したい水平面テーブルまたは机などは、映像投射機能を用いない状態で使用する際などに照明機能で照明する対象になる可能性が高い。よって、前記映像投射機能で映像1を投射する領域と前記照明機能の照明光2の照明範囲は少なくとも一部が重畳することが望ましい。
【0015】
また、映像投射機能付き照明装置は、後述する各種制御部を搭載することにより、照明機能の照明光と映像投射機能で投射する映像とはそれぞれON/OFFできるように構成するのが望ましい。
【0016】
また、壁などに取り付けた操作パネル70(壁面操作入力部)から操作信号を有線または無線で映像投射機能付き照明装置の各種制御部に送信して、照明機能の照明光と映像投射機能で投射する映像のON/OFFを制御してもよい。
【0017】
図3は、映像投射機能付き照明装置300(
図1および2の映像投射機能付き照明装置10に対応する)の内部構成の一例を示すブロック図である。映像投射機能付き照明装置300には、映像投射機能を有する投射型映像表示ユニット100と照明光照射機能を有する照明ユニット200が含まれている。
【0018】
操作信号入力部301は、操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。人感センサー302は、赤外線、超音波、可視光などを用いて、映像投射機能付き照明装置300周辺または映像投射機能付き照明装置300が設置された室内における人間の有無を判別するセンサーである。人感センサー302自体は、以下の説明で特に断りがない限りは、既存の技術の人感センサーを用いればよい。音声操作入力部303は、映像投射機能付き照明装置300の周囲の音声を集音して音声認識処理を行い、音声認識処理の結果を操作信号に変換する。音声操作入力部303で生成した操作信号は、映像投射機能付き照明装置300の各部の操作に用いられる。
【0019】
操作検出センサー350は、表示面61上の映像投射領域を含む範囲を撮影するカメラで、赤外光成分などの非可視光を検出することで、操作物による反射光を検知することができる。なお、操作検出センサー350の光学フィルタのカット波長を可視光波長域に設定する(例えば、赤色可視光領域の途中に設定する)ことで、赤外光以外の一部の可視光成分(すなわち表示画面の投射映像)を赤外光成分とともに撮影することも可能である。操作検出センサー350からの入力は、映像投射領域付近でのユーザの手や被検出光を発光する発光ペンなどの操作オブジェクトによるジェスチャ操作の判別処理などに用いられる。
【0020】
状態出力部304は、(1)照明ユニット200の照明光のON/OFFなどの点灯状態、(2)照明ユニット200の照明光は点灯していないが照明ユニット200自体は動作しているスタンバイ状態、(3)照明ユニット200のエラー状態、(4)投射型映像表示ユニット100の光源のON/OFFなどの点灯状態、(5)投射型映像表示ユニット100の光源は点灯していないが投射型映像表示ユニット100自体は動作しているスタンバイ状態、(6)投射型映像表示ユニット100のエラー状態、(7)人感センサー302の動作状態(動作中か否か)、(8)音声操作入力部303の動作状態(動作中か否か)、(9)操作検出センサー350の動作状態(動作中か否か)などを出力または表示するものである。
【0021】
状態出力部304はこれらの複数種類の状態を、複数個のLEDインジケータの色や発光周期等を変えることによって示すように構成してもよい。また、状態出力部304はこれらの複数種類の状態を液晶モニタ、有機ELモニタ、その他の方式のモニタなどで文字やマーク等を表示する構成にしてもよい。
【0022】
以上説明した、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350、状態出力部304などは、それぞれ、投射型映像表示ユニット100の制御部と照明ユニット200の制御部と情報を送受信できるように構成してもよい。これにより、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350などの入力は、投射型映像表示ユニット100および照明ユニット200の両者でそれぞれ処理に用いることができる。また、状態出力部304は、投射型映像表示ユニット100および照明ユニット200の両者の状態を同じLEDインジケータやモニタで纏めて示すことが可能となる。
【0023】
次に、投射型映像表示ユニット100の構成を説明する。投射光学系101は、映像を表示面61へ投射する光学系で、レンズおよび/またはミラーを含む。表示素子102は、透過する光または反射する光を変調して映像を生成する素子で、例えば、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル、DMD(Digital Micromirror Device:登録商標)パネル等を用いる。表示素子駆動部103は、表示素子102に対して映像信号に応じた駆動信号を送る。
【0024】
光源105は映像投射用の光を発生するもので、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、LED光源、レーザー光源等を用いる。電源106は、外部から入力されるAC電流をDC電流に変換して、光源105に電力を供給する。さらに電源106は、その他各部にそれぞれ必要なDC電流を供給する。
【0025】
照明光学系104は、光源105で発生した光を集光し、より均一化して表示素子102に照射する。冷却部115は、光源105、電源106または表示素子102など、高温状態になる各部位を空冷方式や液冷方式で必要に応じて冷却する。操作信号入力部107は、操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。操作信号入力部107は、
図1の操作パネル70からの赤外線信号や無線信号を受信してもよい。照明装置300の操作信号入力部301からの信号が投射型映像表示ユニット100に入力される場合には、操作信号入力部107がない構造にしてもよい。
【0026】
映像信号入力部131は、外部の映像出力装置を接続して映像データを入力する。音声信号入力部133は、外部の音声出力装置を接続して音声データを入力する。音声出力部140は、音声信号入力部133に入力された音声データに基づいた音声出力を行うことが可能である。また、音声出力部140は内蔵の操作音やエラー警告音を出力してもよい。通信部132は、例えば、外部の情報処理装置と接続し、各種の制御信号を入出力する。通信部132は、
図1の操作パネル70と有線通信または無線通信をしてもよい。
【0027】
不揮発性メモリ108は、プロジェクタ機能で用いる各種データを格納する。不揮発性メモリ108に格納されるデータには、後述するインタラクティブ機能における各種操作用のデータ、表示アイコン、後述するキャリブレーション用のデータなども含まれる。メモリ109は、投射する映像データや装置の制御用データを記憶する。制御部110は、接続される各部の動作を制御する。また、制御部110は、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350などと情報を入出力し、これらを制御してもよい。
【0028】
インタラクティブ機能部120は、ユーザが発光ペンや指を操作することで、映像領域へ文字や図形を書き込むなどのインタラクティブ動作を行う部分である。そのために、操作検出センサー350から取得した赤外線画像を解析して発光ペンや指の位置(ユーザが操作した位置)を算出する機能や、投射映像中に操作アイコンを合成したり、ユーザの操作に基づいて描画処理等を行うアプリケーションや、外部の映像出力装置から入力される映像等の操作を行うアプリケーションなど、発光ペンや指により操作可能なアプリケーションを実行する機能などを有する。
【0029】
ここで、操作検出センサー350の撮影範囲と、表示面61に投射された映像 (表示素子102の映像領域の表示面61上での光学像)の範囲とが、一致することはまずない。よって、ユーザが操作(描画)した位置を算出する際に、操作検出センサー350の撮影範囲での座標と、表示面61に投射された映像中の座標位置を変換する必要がある。よって、インタラクティブ機能部120は、当該変換の処理および当該変換処理のための変換テーブルデータ(キャリブレーションデータ)を作成するための処理を行う機能などを有する。
【0030】
画像調整部160は、映像信号入力部131で入力した映像データに対して画像処理を行うものである。当該画像処理としては、例えば、画像の拡大、縮小、変形等を行うスケーリング処理、輝度を変更するブライト調整処理、画像のコントラストカーブを変更するコントラスト調整処理、画像を光の成分に分解して成分ごとの重み付けを変更するレティネックス処理等がある。
【0031】
ストレージ部170は、映像、画像、音声、各種データなどを記録するものである。例えば、製品出荷時に予め映像、画像、音声、各種データなどを記録しておいてもよく、通信部132を介して外部機器や外部のサーバ等から取得した映像、画像、音声、各種データなどを記録してもよい。ストレージ部170に記録された映像、画像、各種データなどは、表示素子102と投射光学系101を介して投射映像として出力すればよい。ストレージ部170に記録された音声は音声出力部140から音声として出力すればよい。
【0032】
以上説明したように、投射型映像表示ユニット100には様々な機能を載せることが可能である。しかしながら、投射型映像表示ユニット100は必ずしも上述した構成の全てを有する必要はない。映像を投射する機能があればどのような構成でもよい。
【0033】
次に、照明ユニット200の構成について説明する。
【0034】
制御部201は、接続される各部を制御する。また、制御部201は、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350などと情報を入出力し、これらを制御してもよい。操作信号入力部203は、操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。操作信号入力部203は、
図1の操作パネル70からの赤外線信号や無線信号を受信してもよい。照明装置300の操作信号入力部301からの信号が照明ユニット200に入力される場合には、操作信号入力部203がない構造にしてもよい。不揮発性メモリ204は、照明ユニット200で用いる各種データを格納する。
【0035】
電源202は、外部から入力されるAC電流をDC電流に変換して、発光素子ドライバ(210、220など)に電力を供給する。さらに電源202は、その他各部にそれぞれ必要なDC電流を供給する。発光素子ドライバ(210、220など)は、電源202から供給される電力を用い、制御部201の制御に基づいて発光素子(211、212、213、221、222、223など)を発光する。当該発光素子が、照明ユニット200の発する照明光の光源となる。
【0036】
例えば、
図3の例では、発光素子ドライバA210は、直列で接続したn個の発光素子A1、A2、・・・An(211、212、213など)を纏めて駆動する。発光素子ドライバA210は、制御部201の制御に基づいて、これらの発光素子の輝度や色などを変更する。同様に、発光素子ドライバB220は、直列で接続したm個の発光素子B1、B2、・・・Bm(221、222、223など)を纏めて駆動する。発光素子ドライバB220は、制御部201の制御に基づいて、これらの発光素子の輝度や色などを変更する。このように構成することにより、発光素子ドライバごとに複数の発光素子の輝度や色を変える制御が可能となる。
図3の例では、発光素子ドライバと複数の発光素子のセットを2つの例を示したが、1つでも3つ以上でも構わない。必要に応じて増減すればよい。
【0037】
以上説明した構成により、照明ユニット200は、輝度および/または色が可変の照明光を発することができる。
【0038】
次に、
図3の投射型映像表示ユニット100の投射光学系101、表示素子102、照明光学系104、光源105等が含まれる光学ユニットと、照明ユニット200の光源である発光素子(211、221等)のレイアウトについて説明する。
【0039】
<プロジェクタ光学ユニットの配置の定義>
ここで、本明細書では、プロジェクタを構成する光学ユニット(30)の配置を、以下のように定義する。
【0040】
<光学ユニットの縦置き>
光学ユニットの縦置きとは、
図4および
図5にも示すように、プロジェクタを構成する表示素子32(
図3の符号102に対応する)からの光束が、例えば、レンズ等の各種光学素子を含む、いわゆる、投射光学系34(
図3の符号101に対応する)へ入射する際において、当該光束の入射方向、または、当該光束が入射する投射光学系34の光軸が、水平面(図の面に垂直な面)に対して略垂直方向に配置される状態または水平面に平行な方向よりも鉛直方向により近い方向に配置される状態をいう。なお、
図4、
図5において、z方向が鉛直方向すなわち水平面に垂直な方向である。
【0041】
このようなレイアウトによれば、投射光学系34から射出した光により、水平面上に、表示素子32の光学像を結像することができる。ここでは図示しないが、光源(
図3の符号105に対応する)から表示素子32までの光学系には様々なレイアウトがあり、その一例として、例えば、当該表示素子32としては、透過型や反射型等のものがある。また、表示素子32が1枚のレイアウトのものや、表示素子が複数枚のレイアウトのもの等、様々な光学系のものが知られている。しかしながら、
図4、
図5に示す縦置きレイアウトで光学ユニットケースの小型化を図る場合、これら表示素子32と投射光学系(34)のレイアウトを考慮すると、図のz方向への光学ユニットの薄型化は容易ではない。
【0042】
また、光学ユニット30の縦置きレイアウトでは、他の方向に比べて、光学ユニットのy方向への薄型化は容易である。よって、縦置きレイアウトで光学ユニットケースの小型化を図る場合、
図5の斜視図に示すように、z方向よりもy方向に薄い光学ユニットが形成される。
【0043】
なお、
図4、
図5に破線で示すように、表示素子32の中心位置と投射光学系34の光軸のxy平面での相対位置設定を変更すれば、水平面上の表示素子の光学像の位置を変更することが可能となる。これにより、水平面上の投射映像の位置を設計上の必要に応じて自在に設定することが可能となる。
【0044】
<光学ユニットの横置き>
光学ユニットの横置きとは、
図6および
図7にも示すように、プロジェクタを構成する表示素子32(
図3の符号102に対応する)からの光束が、例えば、レンズ等の各種光学素子を含む、いわゆる、投射光学系34(
図3の符号101に対応する)へ入射する際において、当該光束の入射方向、または、当該光束が入射する投射光学系34の光軸が、水平面に対して略平行な方向に配置される状態または鉛直方向よりも水平面に平行な方向により近い方向となるように配置される状態をいう。なお、
図6、
図7において、z方向が鉛直方向すなわち水平面に垂直な方向である。
【0045】
このようなレイアウトによれば、反射ミラー35等により投射光学系34の光束を反射し、水平面へ表示素子32の光学像を結像することができる。ここでは図示しないが、光源(
図3の符号105に対応する)から表示素子32までの光学系には様々なレイアウトがあり、その一例として、例えば、当該表示素子32としては、透過型や反射型等のものがある。また、表示素子32が1枚のレイアウトのものや、表示素子が複数枚のレイアウトのもの等、様々な光学系のものが知られている。しかしながら、
図6、
図7に示す横置きレイアウトで光学ユニットケースの小型化を図る場合、これら表示素子32と投射光学系34のレイアウトを考慮すると、図のy方向への光学ユニットの薄型化は容易ではない。
【0046】
しかしながら、この光学ユニット30の横置レイアウトは、他の方向に比べ、光学ユニットのz方向への薄型化が容易である。よって、横置きレイアウト光学ユニットケースの小型化を図る場合、
図7の斜視図に示すように、y方向よりもz方向に薄い光学ユニットが形成される。
【0047】
なお、
図6、
図7に破線で示すように、表示素子32の中心位置と投射光学系34の光軸のxz平面での相対位置設定を変更すれば、水平面上の表示素子の光学像の位置を変更することが可能となる。これにより、反射ミラー35で反射された後の水平面上の投射映像の位置を設計上の必要に応じて自在に設定することが可能となる。
【0048】
なお、
図6および
図7の例では、反射ミラー35等の反射光学素子を投射光学系の後に配置したが、投射光学系が有する複数のレンズ等の光学素子の間に配置してもよい。
【0049】
なお、
図6および
図7の例において、反射ミラー35は光学ユニットと別体と考えてもよく、光学ユニットの一部に含まれると考えてもよい。
【0050】
以下には、映像投射機能付き照明装置の光学ユニット30と照明光源の具体的なレイアウト(配列)について、
図8〜
図13を参照しながら説明する。なお、
図8〜
図13において、複数の半導体発光素子(LED)22が、
図3の発光素子(211、212、213、221、222、223など)に対応する。また、複数の半導体発光素子(LED)22の集合体を含む照明用光源全体を照明用光源20として説明している。
【0051】
なお、
図8〜
図13において、側面図における点線は、照明ユニット200の照明光の拡散範囲を示しており、光学ユニット30から広がる三角形は、投射型映像表示ユニット100の光学ユニット30からの投射映像の照射領域を側面から見たものである。
【0052】
なお、
図8〜
図13には、
図14で後述する紐引き型トグルスイッチを取り付ける場合の例を合わせて示している。各図には、紐引き型トグルスイッチの紐部分90(繊維または金属チェーンなどで構成すればよい。)と、先端部分91が示されている。紐引き型トグルスイッチを取り付ける場合は、各図に示すように、先端部分91が照明ユニット200の照明光の拡散範囲内であって、投射型映像表示ユニット100の光学ユニット30からの投射映像の照射領域外になる様にレイアウトすることが望ましい。紐引き型トグルスイッチを筺体(シェード)11の下方向に取り付けることにより映像投射機能付き照明装置の小型化が図れるため、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91は照明ユニット200の照明光の拡散範囲内に配置する。
【0053】
このとき、
図8〜
図13に示すように、照明ユニット200の照明光の光源として複数の半導体発光素子用いる場合、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91は複数の方向から光を照射されるため、照明ユニット200の照明光の光源に対して紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91が生じさせる影は複数の異なる照射角度の光線により薄まって目立たなくなるため、品位上問題は生じにくい。これに対し、光学ユニット30からの投射映像の光は、いずれも光学ユニット30の出射口から出射されるものである。よって、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91が光学ユニット30からの投射映像の照射領域にあると、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91が該投射映像に対して生じる影の部分は映像が欠落することになり、品位が非常に悪くなる。
【0054】
したがって、映像投射機能付き照明装置に紐引き型トグルスイッチを取り付ける場合は、各図に示すように、先端部分91が照明ユニット200の照明光の拡散範囲内であって、投射型映像表示ユニット100の光学ユニット30からの投射映像の照射領域外になる様にレイアウトすることが望ましい。
【0055】
<ペンダント型の映像投射機能付き照明装置>
まず、
図8(A)および(B)は、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の側面断面と下面図である。この例では、光学ユニット30が縦置きレイアウトで配置されている。また、本体である筺体(シェード)11の内側の底面には、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20の基板21が取り付けられている。さらに、図の下側の開口面にはこれを覆うように、拡散板12が取り付けられている。
【0056】
また、筺体(シェード)11と拡散板12で形成される空間には、光学ユニット30が、照明光束の略中央部に位置するように配置されている。
図8の例では、拡散板12において、光学ユニット30から下向きに投射光が出射される位置には、開口部または透過窓14が設けられる。開口部または透過窓を設けず拡散板12の全面に拡散効果があると光学ユニット30から出射される投射映像まで拡散してしまい、テーブルや机などの映像投射対象面上で映像が結像できなくなってしまうからである。
【0057】
開口部または透過窓14の部分は、拡散板12を切り欠いた開口でもよく、拡散効果のないガラスなどの透過性物質でもよい。透過性物質などで形成する透過窓の場合は、拡散板12内に埃などが入りにくい構成にすることができるが、光学ユニット30から出射される投射映像に極力影響を与えないように、光学ユニット30から出射される投射光が有する波長域において極力分光特性が平たんな特性のコーティングを施すべきである。
【0058】
なお、開口部または透過窓14の周囲は直接拡散板12とつながっている必要はなく、拡散板12上の光学ユニット30の影を見えにくくするために、開口部または透過窓14と拡散板12の間に化粧板などの領域を設けてもよい。すなわち、開口部または透過窓14とは、筺体(シェード)11と拡散板12で形成される空間に配置される光学ユニット30から投射される映像投射光が出射するために必要な通過口または透過口であり、その位置は、拡散板12であってもその他の構造物の一部であってもよい。
【0059】
このようなレイアウト(配列)によれば、光学ユニット30を水平面に平行な方向に薄型化できるので、照明用光源20から拡散板12への照明面積に対し、光学ユニット30により形成される影の割合を小さくすることが可能となる。このことにより、拡散板12上に形成される光学ユニット30の影の影響で照明装置としての見た目の品位が低下(すなわち、拡散板12上の影による照明装置として違和感)してしまうことを抑制することが可能となる。また、上記の筺体(シェード)11を拡散板で形成した場合にも、光学ユニット30の影が目立たず、照明装置としての見た目の品位の低下を抑制することが可能となる。
【0060】
図9(A)および(B)の例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、光学ユニット30を、照明用光源20用の基板21より上側に配置したものであり、例えば、基板21の上側の面に取り付けてもよく、筺体(シェード)11に取り付けてもよい。映像投射機能付き照明装置全体をさらに上下方向に薄くして、より薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。なお、当該変形例の場合、照明用光源20の下方の開口を覆うように取り付けられる拡散板12には、光学ユニット30からの映像光を透過するための開口部または透明な窓部が、上記のそれに比較して、より大きな寸法で形成されることとなる。また、拡散板12の一部、すなわち、光学ユニット30が配置される位置には、当該光学ユニット30からの投射光を透過するための開口部(または透過窓)26が形成される。
【0061】
かかる構成によれば、より薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となると共に、光学ユニット30は基板21の裏側に配置されていることから、照明用光源20からの照明光を遮蔽して影を形成することがない。これにより、照明装置としての見た目の品位の低下(すなわち、拡散板12上の影による照明装置として違和感)を防止することが可能となる。
【0062】
このとき、光学ユニット30の下面を基板21の上面と略一致させることにより、基板21の開口部(または透過窓)26の大きさを極力小さくすることができる。これにより、基板21上により効率的に複数の半導体発光素子(LED)22を配置することが可能となる。
【0063】
図10(A)および(B)は、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の側面断面と下面図であり、この例では、光学ユニット30が縦置きレイアウトで配置されている。また、筺体(シェード)11の内部に取り付けた光学ユニット30が、照明光束の端部に位置するように配置されている。
【0064】
このレイアウト(配列)によれば、光学ユニット30が、照明光束の端部に位置するように配置したうえで、光学ユニット30内で投射光学系の光軸と表示素子中心の位置を水平方向に相対的にずらすことにより、プロジェクタの投射光学系の出口に対して投射映像の中心をより照明用光源20の照明光束の中心に近付くように投射する。
【0065】
さらに、
図10の配列によれば、通常、机上に配置して使用される、いわゆる、据置き型のプロジェクタをそのまま流用することも可能である。据置き型のプロジェクタは投射光学系の光軸と表示素子中心の位置を既にずらして設定されたものが多いからである。よって、
図10の映像投射機能付き照明装置は低コスト化に適した構造を有するものである。当該効果は、光学ユニット30が下向きの照明光束の端部に位置する他の構成例においても同様に生じる効果である。
【0066】
さらに、
図10(A)および(B)のレイアウトでは、照明用光源20用の基板21の両面に複数の半導体発光素子(LED)22を備えるように配置している。これにより、照明光を下方に加えて上方にも照射することが可能となっている。かかる構成によれば、映像投射機能付き照明装置10の上方にも照明光を照射することが可能となり、上側照射では天井などを照射可能なので間接照明としても機能する(天井側間接照明機能)。なお、この例では、筺体(シェード)11の下面の開口面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体(シェード)11の上面の開口面を覆うように拡散板12(上部拡散板)が取り付けられている。
【0067】
また、このような方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能と、映像投射機能とを有する構成にすることにより、複数の照射光と投射映像との照射組み合わせモードの切り替えを実現することもできる。例えば、投射映像のみを下方向に照射するモード、下方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、上方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、上方へ照射光を照射するとともに下方向へ投射映像を投射するモード等を切り替える制御を行ってもよい。
【0068】
なお、
図10では、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の端部となっているが、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の中央部等に配置してもよい。
【0069】
図11(A)および(B)の例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、照明用光源20用の基板21の端部を垂直方向に延長して円筒状に形成すると共に、さらに、水平方向にも延長して鍔部を形成している。また、複数の半導体発光素子(LED)22を、上記基板21の上下の両面、円筒状部の外周面、そして、鍔部の下面に取り付けた構成としている。この例でも、光学ユニット30は、下方への照明光束の略中央部に位置するように配置されている。なお、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の略中央部でなくともよい。下方への照明光の照明光束の端側すなわち円筒の側面近くに配置してもよい。
【0070】
また、筺体(シェード)11の下面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体(シェード)11上面および外周の一部(上部)を覆うように拡散板12(上部周囲方向拡散板)が取り付けられている。かかる構成によれば、上述した効果に加えて、映像投射機能付き照明装置10の上面や側方をも含めて、偏りなく、照明光を周囲に照射することが可能となり、また上側照射では天井などを照射可能なので間接照明としても機能する(天井側間接照明機能+広い範囲の照明機能)。
【0071】
また、このような方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能と、映像投射機能とを有する構成にすることにより、複数の照射光と投射映像との照射組み合わせモードの切り替えを実現することもできる。例えば、投射映像のみを下方向に照射するモード、下方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、側方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、下方と側方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、側方へ照射光を照射するとともに下方向へ投射映像を投射するモード等を切り替える制御を行ってもよい。
【0072】
<シーリング型の映像投射機能付き照明装置>
まず、
図12(A)および(B)は、シーリング型の映像投射機能付き照明装置10の側面断面と下面図である。この例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、本体である筺体11の内側の底面には、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20の基板21を取り付けると共に、図の下側の開口面側にはこれを覆うように、拡散板12が取り付けられ、その内部には、光学ユニット30が、照明光束の略中央部に位置するように配置されている。
【0073】
このようなレイアウト(配列)によれば、映像投射機能付き照明装置として、その全体を上下方向に薄く構成して、すなわち、薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。
【0074】
映像投射機能のない一般的なシーリング型照明装置は天井面に薄く広く構成することが多い。よって、映像投射機能付き照明装置であっても、
図12(A)および(B)のように薄い構造を実現することにより、従来の一般的なシーリング型照明装置との置き換えが容易になり商品価値を高めることができる。
【0075】
さらに、
図13(A)および(B)に示すシーリング型の映像投射機能付き照明装置10の例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、照明用光源20用の基板21の端部を垂直方向に延長して円筒状に形成し、その底面に複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けると共に、当該円筒状の基板21の外周表面にも複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けるように構成した例である。これにより、照明光を下方に加えて側方にも照射することを可能としたものである。
【0076】
なお、この例では、光学ユニット30は、下方への照明光束の略中央部に位置するように配置されている。なお、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の略中央部でなくともよい。下方への照明光の照明光束の端側すなわち円筒の側面近くに配置してもよい。また、筺体11の下面の開口面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体11の外周にも拡散板12(側方拡散板)が取り付けられている。かかる構成によれば、上述した光学ユニット横置きの効果に加えて、映像投射機能付き照明装置10の側方にも照明光を照射することができる(広い範囲の照明機能)。
【0077】
かかるレイアウト(配列)によれば、映像投射機能付き照明装置として、上下方向に薄くした薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となると共に、照明装置10の側方にも照明光を照射することができる(広い範囲の照明機能)。
【0078】
図13の例では、
図10または
図11と同様、方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能を有するので、
図10または
図11で説明したように照明機能の複数の照射方向の照射光と映像投射機能の投射映像について複数のモードの切り替え制御を行ってもよい。
【0079】
次に、以上説明した構成を有する映像投射機能付き照明装置(
図3の符号300)における照明ユニット(
図3の符号200)の照明光源と投射型映像表示ユニット(
図3の符号100)の投射映像光源の点灯制御例について
図14を用いて説明する。なお、以下の説明および図面で「PJユニット」と表記するものはプロジェクタユニットすなわち投射型映像表示ユニットの略称である。
【0080】
図14には、本発明の一実施例の映像投射機能付き照明装置における、点灯制御例を列挙したものである。
図14中の表のうち「操作ハード」とはユーザが操作を行う構成を示している。「構成および制御」はそれぞれの「操作ハード」の構成とその制御例を示している。本発明の一実施例の映像投射機能付き照明装置は、
図14に示す複数の点灯制御例の機能のいずれか1つを搭載してもよい。または表中の点灯制御例のうち複数の点灯制御例の機能を搭載してもよい。
【0081】
点灯制御例1は、操作入力部301、壁面操作入力部、リモートコントローラのいずれかまたはそれぞれに照明ユニットON/OFF操作ボタンおよびPJユニットON/OFF操作ボタンを備えることにより、ユーザが照明ユニットとPJユニットのそれぞれの点灯のON/OFFを任意に切り替えることをできるようにした例である。
【0082】
点灯制御例2は、操作入力部301または壁面操作入力部をタッチセンサーで構成し、照明ユニットとPJユニットのタッチセンシング領域をそれぞれ設けて、タッチの領域に応じてユーザが照明ユニットとPJユニットのそれぞれの点灯のON/OFFできるように構成した例である。
【0083】
点灯制御例3は、操作入力部301または壁面操作入力部をタッチセンサーで構成し、照明ユニット点灯に関するタッチセンシング領域とPJユニットに関するタッチセンシング領域を共用し、当該領域のタッチ検出回数に応じて、照明ユニットの点灯ON/OFFとPJユニットの点灯ON/OFFを含む複数の点灯状態をトグル操作で切り替えることができるように構成した例である。
【0084】
点灯制御例4は、操作入力部301または壁面操作入力部に回転スイッチを備え、回転スイッチの回転角度または位置に応じて、照明ユニットの点灯ON/OFFとPJユニットの点灯ON/OFFを含む複数の点灯状態を切り替えることができるように構成した例である。
【0085】
点灯制御例5は、操作入力部301を紐引き型トグルスイッチで構成し、紐引き型トグルスイッチの紐引き回数に応じて、照明ユニットの点灯ON/OFFとPJユニットの点灯ON/OFFを含む複数の点灯状態をトグル操作で切り替えることができるように構成した例である。
【0086】
点灯制御例2、点灯制御例3、点灯制御例4、点灯制御例5の構成では、タッチセンサーや紐引き型トグルスイッチや回転スイッチなど映像投射機能のない従来の照明器具に近い操作手段の構成を用いて、PJユニットの点灯ON/OFFまでも切り替えが可能となる。よって、ユーザが新たに特別な操作を学習する必要がなく、初めて使用する場合でも直感的に操作を理解することができるという効果がある。
【0087】
点灯制御例6は、壁面操作入力部にはON/OFFスイッチが1つあり、リモートコントローラに照明ユニットの点灯ON/OFFとPJユニットの点灯ON/OFFの両者のボタンを設けた例である。この場合、壁面操作入力部からのON操作で照明ユニットのみONし、壁面操作入力部がONの間、リモートコントローラからのPJユニットの点灯ON/OFF操作や照明ユニットの点灯ON/OFF操作が可能となり、その後壁面操作入力部からのOFF操作で照明ユニットとPJユニットがともにOFF(消灯)するといった制御が可能となる。この場合、壁面操作入力部の構成をシンプル化し、壁面操作入力部だけを用いる場合は、映像投射機能のない従来の照明器具と同等に扱うことが可能となり、従来機器との操作互換性が高くユーザにとって扱いやすい。
【0088】
本発明の一実施例の映像投射機能付き照明装置は、
図14で説明した点灯制御により、照明ユニットの点灯ON/OFFとPJユニットの点灯ON/OFFを含む複数の点灯状態を切り替え可能である。次に、当該複数の点灯状態の具体例を
図15を用いて説明する。
図15の表中、「照明ユニット」のON/OFFとは照明ユニットの照明光源が点灯/消灯している状態、「PJユニット」がON/OFFとは投射型映像表示ユニットの映像投射用光源が点灯/消灯している状態を示す。「変形例等」の欄には、「ON」または「OFF」状態において複数の種類がある場合の説明がなされている。
【0089】
本発明の一実施例の映像投射機能付き照明装置が切り替える点灯状態には、例えば、
図15の表の点灯状態1、2、3、4等が含まれる。ここで、点灯状態1は照明ユニットの照明光源と投射型映像表示ユニットの映像投射用光源がともにOFFの状態である。点灯状態2は照明ユニットの照明光源がONで投射型映像表示ユニットの映像投射用光源がOFFの状態である。点灯状態4は照明ユニットの照明光源がOFFで投射型映像表示ユニットの映像投射用光源がONの状態である。映像投射機能付き照明装置は、以上の点灯状態1、2、4を切り替え可能とすることが望ましい。さらに、映像投射機能付き照明装置は、照明ユニットの照明光源と投射型映像表示ユニットの映像投射用光源がともにONの状態である点灯状態3を備えてもよい(備えなくともよい)。
【0090】
点灯状態3には様々な態様がある。例えば、(1)点灯状態3において、照明ユニットの照明光源を点灯状態2の点灯状態とし、投射型映像表示ユニットの映像投射用光源を点灯状態4の点灯状態として、そのまま両者を点灯してもよい。
【0091】
また、(2)点灯状態3における照明ユニットの照明光源の点灯は点灯状態2における照明ユニットの照明光源の点灯よりも光量を下げてもよい(輝度を低下する)。投射型映像表示ユニットの投射映像を見やすくするためである。当該光量変更処理は、
図3の照明ユニット200の制御部201が発光素子ドライバを制御することにより可能である。
【0092】
また、(3) 点灯状態3における照明ユニットの照明光源の点灯は、点灯状態2における照明ユニットの照明光源の点灯よりも、点灯する発光素子の数を変更してもよい(点灯発光素子数の減少)。これも、投射型映像表示ユニットの投射映像を見やすくするためである。当該点灯発光素子数の変更処理は、
図3の照明ユニット200の制御部201が発光素子ドライバを制御し、駆動する発光素子ドライバの数を変更することなどで可能である。例えば、複数の発光素子ドライバのうち一部の発光素子ドライバを駆動し、一部の発光素子ドライバを駆動しないなどすればよい。
【0093】
また、(4)点灯状態3における照明ユニットの照明光源の点灯は、点灯状態2における照明ユニットの照明光源の点灯における配光特性と異なる配光特性に切り替えてもよい。ここで、配光特性の切り替えとは、
図10、11、13等に示したレイアウトの映像投射機能付き照明装置において、照明光を複数の方向に照射可能な場合、複数の照明方向の照射光のそれぞれの光量を変更することである。例えば、点灯状態2では、下方向の照射光に加えて、周囲方向や天井方向の照明光を同時に発しており、点灯状態3では、周囲方向や天井方向の照明光をそのまままたは光量を低減し、下方向の照射光のみOFFしてもよい。
【0094】
または、点灯状態2では、下方向の照射光に加えて、周囲方向や天井方向の照明光を同時に発しており、点灯状態3では、周囲方向や天井方向の照明光も光量を低減するが、下方向の照射光を周囲方向や天井方向の照明光よりもさらに多くの割合で光量を低減してもよい。または、点灯状態2では、下方向の照射光が照射されており、点灯状態3では、下方向の照射光をOFFし、周囲方向や天井方向の照明光をONしてもよい。いずれの場合も、周囲方向や天井方向の照明光と下方向の照射光の全照射光の光量に占める下方向の照射光の割合を、点灯状態2よりも点灯状態3で下げることにより、投射型映像表示ユニットの投射映像を見やすくすることが可能である。
【0095】
当該点灯発光素子数の変更処理は、
図3の照明ユニット200において、複数の発光素子ドライバが制御する発光素子セットの配光方向を異ならせておき、制御部201が、点灯状態2と点灯状態3で、それぞれの発光素子ドライバの輝度や発光素子数を可変する制御を行うことなどで可能である。
【0096】
なお、点灯状態2から点灯状態3に切り替える際に、光量または配光特性を変える場合は、瞬間的に切り替えてもよいが、徐々に切り替えるようにしてもよい。徐々に切り替える場合の方が商品としての動作品位が高いとユーザに認識される可能性がある。
【0097】
次に、
図14の映像投射機能付き照明装置における、点灯制御例においてトグル操作により複数の点灯状態を切り替える場合の具体例を説明する。
【0098】
図16の(A)は、第1のトグル操作例である。
図15で説明した各点灯状態について、点灯状態1→点灯状態2→点灯状態4→点灯状態1に戻って繰り返し、というように構成してもよい。
【0099】
図16の(B)は、第2のトグル操作例である。
図15で説明した各点灯状態について、点灯状態1→点灯状態2→点灯状態3→点灯状態4→点灯状態1に戻って繰り返し、というように構成してもよい。
【0100】
図16の(C)は、第3のトグル操作例である。第2のトグル操作例の点灯状態3を光量、点灯発光素子数、配光特性が異なる複数の点灯状態(パターン1、パターン2)に分け、それぞれの切り替えを行ってもよい。第3のトグル操作例において、点灯状態3を光量、点灯発光素子数、配光特性が異なる複数の点灯状態に分ける場合には、スイッチを切り替えるたびに、PJ光に重畳される照明光が直前の状態以下になるようにすると、照明光の光量の変化が、照明光がOFFになる点灯状態4への自然とつながるためユーザに違和感が少ない。
【0101】
以上、
図14から
図16を用いて説明した本発明の一実施例の映像投射機能付き照明装置の構成および制御によれば、照明ユニットの照明光源と投射型映像表示ユニットの映像投射用光源の点灯/消灯を好適に切り替え可能となり、ユーザにとって使い勝手がよい。
【0102】
次に、
図17を用いて、本発明の一実施例に係る映像投射機能付き照明装置(以下、説明簡略化のため、単に照明装置と表記する場合もある)のインタラクティブ機能について説明する。以下の説明において、インタラクティブ機能部120はインタラクティブ機能を制御する制御部と称することもできる。
【0103】
映像投射機能付き照明装置10(300)のインタラクティブ機能部120で用いる操作検出センサー350がユーザの操作を検出するためにセンシング用の発光(操作検出用発光)を行うタイプの場合、照明装置300は、投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701、照明ユニット200の照明光1702、操作検出センサー用のセンシング用発光1703の三種類の光が、映像投射面61上に照射されることとなる。ここで、投射型映像表示ユニット100による映像投射機能、照明ユニット200による照明機能、インタラクティブ機能部120によるインタラクティブ機能の三者を両立するためには、上記の三種類の光の波長を以下のように工夫することが必要である。
【0104】
例えば、投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701は可視光が含まれていなければ、人間が映像を視覚できない。また、照明ユニット200の照明光も可視光が含まれていなければ、人間が明るさを認識できない。これに対し、操作検出センサー350用のセンシング用発光1703に可視光が含まれている場合、投射型映像表示ユニット100の投射映像を鑑賞する際に妨げになってしまう。したがって、操作検出センサー350用のセンシング用発光1703は、可視光域の波長をカットする光学フィルタを通過した光を用いるか、非可視光域の波長を局所的に発光する光源(LEDやレーザーなど波長域に偏りのある光源)を用いることにより、可視光波長域への影響が小さい、赤外線などの非可視光波長域を主とした光を用いるべきである。
【0105】
次に、操作検出機能を考慮すると、操作検出センサー350は、可視光の影響を受けにくい、非可視光波長域を主としたセンシング光を対象としたセンサーを備える必要がある。例えば、操作検出センサー350内に可視光も撮像可能な波長域の広い撮像素子を用いる場合には、撮像素子が受光する受光経路上に可視光域の波長をカットする光学フィルタを備えるように構成すればよい。操作検出センサー350を、非可視光波長域を主としたセンシング光を対象としたセンサーとして構成した場合でも、当該波長域における投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701および照明ユニット200の照明光1702の影響が大きい場合、誤検出が増加するなど操作検出機能が低下する恐れがある。
【0106】
そこで、投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701および照明ユニット200の照明光1702については、当該非可視光波長域における光量を低減させる必要がある。そこで、投射型映像表示ユニット100はその光学系の光路のいずれかの位置に非可視光域の波長をカットまたは低減する光学フィルタを備えるか、投射型映像表示ユニット100の光源105としてLEDやレーザーなど波長域に偏りのある光源を用いて非可視光波長域の光量が非常に小さい投射光1701を実現すればよい。
【0107】
また、照明ユニット200の照明光1702についても、当該非可視光波長域における光量を低減させる必要がある。そこで、拡散板12に非可視光域の波長をカットする反射膜コーティングを施すなど、照明用光源が発する光が照明光1702となる前のいずれかの位置で非可視光域の波長をカットまたは低減する光学フィルタ機能を備えるように構成してもよい。または、照明ユニット200の発光素子にLEDやレーザーなど波長域に偏りのある光源を用いて非可視光波長域の光量が非常に小さい照明光1702を実現してもよい。
【0108】
以上説明した構成とすることにより、操作検出センサー350用のセンシング用発光1703と、投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701と、照明ユニット200の照明光1702との三者の光を最大出力した場合の前記三者の関係について、操作検出センサー350のセンシング対象の波長域(例えば、操作検出センサー350のセンシング対象の波長域を操作検出センサー350が有する光学フィルタ透過率50%カット波長で定義できる)において前記三者のうち操作検出センサー350用のセンシング用発光1703の光量が最も大きくなるようにすればよい。このように、操作検出センサー350用のセンシング用発光1703と、投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701と、照明ユニット200の照明光1702とは、それぞれの用途の相違により、異なる波長分布特性を有することが好適である。
【0109】
よって、操作検出センサー350のセンシング対象の波長域と、操作検出センサー350用のセンシング用発光1703と、投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701と、照明ユニット200の照明光1702の波長特性を以上説明したように設定する。これにより、投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701の視認性が高く、かつ照明ユニット200の照明機能が好適に機能し、操作検出センサー350の操作検出機能が好適に機能する照明装置300を提供することができる。
【0110】
次に、前記三者の光の照射範囲(照射角度)の関係について、よりユーザにとって好適な例について説明する。投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701の照射範囲を基準にすると、操作検出センサー350用のセンシング用発光1703は投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701の照射範囲よりも広い範囲に設定すべきである。インタラクティブ機能のための操作検出範囲は、投射型映像表示ユニット100からの投射映像範囲全体をカバーすることが好適であり、また投射映像の外の範囲のユーザユーザ操作が検出できればさらにユーザ操作の自由度が増すためである。
【0111】
これに対し、照明ユニット200の照明機能は部屋を明るくする照明としての機能を実現するために、操作検出センサー350用のセンシング用発光1703の照射範囲や投射型映像表示ユニット100からの投射映像光1701の照射範囲よりも広い範囲に設定することが望ましい。ただし、照明ユニット200の照明機能がいわゆるスポットライト機能限定の場合はこの限りではない。
【0112】
次に、インタラクティブ機能の動作状態/非動作状態を切り替えるON/OFF制御について説明する。
図14、15、16を用いて、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯ON/OFF制御および照明ユニット200の点灯ON/OFF制御について説明した。これに対し、照明装置300が、操作検出センサー350を用いるインタラクティブ機能120を備える場合は、当該操作検出センサー350を用いるインタラクティブ機能120の動作のON/OFFについて、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯ON/OFF操作、および照明ユニット200の点灯ON/OFF操作とは独立してユーザが操作できるインタフェースをシステムのどこかに設けることが望ましい。
【0113】
図18Aを用いて、その一例を示す。例えば、照明装置300の操作信号入力部301に操作信号を伝送可能なリモートコントローラ1801に、照明ユニット200の点灯ON/OFF操作用ボタンと投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯ON/OFF操作ボタンとを設け、さらにこれらとは別に操作検出センサー350を用いるインタラクティブ機能120の動作ON/OFF操作用ボタンを設ければよい。リモートコントローラ1801上でのこれらのボタンの配置例として、配置例1802および配置例1803を示す。配置例1802はそれぞれのON/OFF機能ボタンがトグルスイッチとして機能する例である。
【0114】
配置例1803は、それぞれのON/OFF機能において、ONボタンとOFFボタンを独立に用意した例である。なお、これらのボタンは、リモートコントローラ1801上の物理的なボタンとして構成してもよいが、リモートコントローラ1801上のタッチパネル機能付き表示画面に表示するソフトウェアボタンとして構成してもよい。なお、これら3つのON/OFF機能に対応するキー、ボタン、またはタッチ検出エリア1804を本体側に設けてもよい。
【0115】
また、照明ユニット200の照明光1702および投射型映像表示ユニット100の投射映像光1701はともに可視光が中心であるのに対し、インタラクティブ機能120が用いる操作検出センサー350のセンシング用発光1703は赤外線などの非可視光となるため、インタラクティブ機能120がON状態なのか、OFF状態なのかを、センシング用発光に基づいてユーザが判断するのは困難である。よって、インタラクティブ機能120の動作がON状態なのか、OFF状態なのかを区別するインジケータ1805を照明装置300の本体側に設置することが望ましい。
【0116】
図18Bを用いて、本実施例に係るシステムにおける
図18Aに示した各ボタンの操作と、インタラクティブ機能120のための操作検出センサー350のセンシング用発光と操作検出の開始、終了動作、照明ユニット200の点灯動作、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯動作の関係について説明する。図中、最左列が各ボタンの操作に基づく操作処理を示している。その他の各列の枠内には、各操作処理に対応する各機能の動作が示されている。ここで「状態継続」とは、各機能の動作が該当操作処理により特に変わらないことを示している。
【0117】
まず、例えば、インタラクティブ機能用操作用ボタンAにより「ON」処理がなされた場合は、操作検出センサー350のセンシング用発光がONとなり、操作検出センサー350による操作検出が開始されるが、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態と照明ユニット200の点灯状態はそのときの状態を継続する。また、例えば、インタラクティブ機能用操作用ボタンAにより「OFF」処理がなされた場合は、操作検出センサー350のセンシング用発光がOFFとなり、操作検出センサー350による操作検出は終了するが、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態と照明ユニット200の点灯状態はそのときの状態を継続する。
【0118】
このように構成すれば、ユーザは、ボタンAの操作により、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態と照明ユニット200の点灯状態はその状態のままで、インタラクティブ機能のみON/OFFを切り替えることができる。すると、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態がOFF、照明ユニット200の点灯状態がOFFのまま、インタラクティブ機能のみONにすることも可能となり、その後ユーザが操作検出センサー350用のジェスチャ操作や操作面への接触(タッチ)操作で、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態や照明ユニット200の点灯状態をONにすることができ、ユーザにとって使い勝手がよい。
【0119】
次に、例えば、照明ユニット用操作用ボタンBにより「ON」処理がなされた場合は、照明ユニット200の点灯状態がONになる。このとき、操作検出センサー350のセンシング用発光状態と操作検出センサー350による操作検出状態はそのときの状態を継続すればよい。投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態についてはそのときの状態を継続するように構成してもよいが、変形例として、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態をOFFにするように構成してもよい。当該構成は、ユーザが照明ユニット200の点灯状態をONにするときに、投射型映像表示ユニット100の投射映像の鑑賞を終了して部屋を明るくするという動作を前提とした構成である。
【0120】
また、例えば、照明ユニット用操作用ボタンBにより「OFF」処理がなされた場合は、照明ユニット200の点灯状態がOFFになるが、操作検出センサー350のセンシング用発光状態と操作検出センサー350による操作検出状態、および投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態はそのときの状態を継続する。照明機能は、ユーザが部屋や机などの照明対象を明るくしたいか否かの要求を反映できれば十分であるので、照明ユニット用操作用ボタンBは、照明機能を操作できれば十分であり、操作検出センサー350や投射型映像表示ユニット100を操作できなくとも問題ない。
【0121】
ただし、照明ユニット用操作用ボタンBの押し下げ回数に応じて複数のON状態を切り替えられるように構成してもよい。すなわち、照明ユニット用操作用ボタンBの押し下げ回数に応じて、ON状態を
図15の点灯状態3の変形例で説明したように光量、点灯発光素子数、配光特性を切り替え可能に構成してもよい。
【0122】
次に、例えば、投射型映像表示ユニット用操作用ボタンCにより「ON」処理がなされた場合は、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態がONになる。このとき、照明ユニット200の点灯状態はそのときの状態を継続すればよい。操作検出センサー350のセンシング用発光状態と操作検出センサー350による操作検出状態については、そのときの状態を継続するように構成してもよいが、変形例として、操作検出センサー350のセンシング用発光をONとし、操作検出センサー350による操作検出を開始するように構成してもよい。
【0123】
投射型映像表示ユニット100の映像が投射されている場合は、操作検出センサー350による操作検出に基づくインタラクティブ機能120を介した操作の方がユーザにとっては操作が容易となるため、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態をONとするのに合わせて、操作検出センサー350による操作検出を開始した方がユーザにとって使い勝手が良いためである。
【0124】
また、例えば、投射型映像表示ユニット用操作用ボタンCにより「OFF」処理がなされた場合は、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態がOFFになる。このとき、照明ユニット200の点灯状態はそのときの状態を継続すればよい。操作検出センサー350のセンシング用発光状態と操作検出センサー350による操作検出状態については、そのときの状態を継続するように構成してもよい。この場合、操作検出センサー350による操作検出状態がONであれば、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態がOFFになった後も、操作検出が継続するので、操作検出センサー350による操作検出により再び投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態をONに復帰するなどの処理も可能となる。
【0125】
また、変形例として、投射型映像表示ユニット用操作用ボタンCにより「OFF」処理がなされた場合、合わせて操作検出センサー350のセンシング用発光をOFFとし、操作検出センサー350による操作検出を終了するように構成してもよい。当該構成は、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態がONのときのみ、操作検出センサー350による操作検出を行う前提の構成となる。
【0126】
以上説明したように、投射型映像表示ユニット用操作用ボタンCの操作については、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態を、照明ユニット200の点灯状態、操作検出センサー350のセンシング用発光状態や操作検出センサー350による操作検出状態と独立して操作可能に構成してもよいが、変形例として、投射型映像表示ユニット100の投射映像の点灯状態との切り替えを、操作検出センサー350のセンシング用発光状態や操作検出センサー350による操作検出状態の切り替え処理と連動させて動作させる構成にしてもよい。
【0127】
次に、
図19を用いて、操作検出センサー350の構成例について説明する。
【0128】
図19Aでは、操作検出センサー350がTOF(time of flight)方式の距離センサーと撮像センサーとの組み合わせで構成される構成例を説明する。TOF(time of flight)方式は、光線を走査し、反射光の戻り時間の相違に基づいて距離を測定する方式である。
図19Aの例では、図を見やすくするために、投射光学系101の開口が照明装置10に向かって右側下部に配置され、操作検出センサー350の開口が照明装置10の下部の中央付近に配置される例を説明する。操作検出センサー350は、その開口から非可視光光線の走査を行い、操作検出センサー350の開口から映像投射面である机表面61、ユーザの指1901または1902、机の上に置いてある物体1903等までの距離を計測する。非可視光光線の走査範囲がセンシング用発光1951の範囲として図に示されている。
【0129】
図中のセンシング用発光1951内の矢印が、走査中の非可視光光線が発光して反射する経路の例を示している。また、非可視撮像センサーにより非可視光撮像画像を取得し、パターンマッチング等の処理により指形状を認識し、指などの操作オブジェクト1901または1902の先端の水平方向の位置を特定する。指などの操作オブジェクト1901または1902の先端の鉛直方向の位置(高さ)は、距離センサーの情報に基づいて算出可能であるので、ユーザの指1902が映像投射面61に接触(タッチ)したことおよびその位置を特定することができる。
【0130】
また、距離センサーの情報に基づいて指1901または1902の先端の鉛直方向の位置(高さ)が算出可能なので、机上面61から20cmプラスマイナス5cmの範囲での空中ジェスチャなどの認識も可能となる。
【0131】
図19Bでは、操作検出センサー350が複数センシング光源と撮像センサーとの組み合わせで構成される構成例を説明する。本図の構成では、図を見やすくするために、投射光学系101の開口が照明装置10に向かって下部の中央付近に配置されている例を説明する。
【0132】
例えば、さらに、複数センシング光源の例として2つの非可視光光源350−1および350−2を備えている。これらは、異なる角度から当該非可視光照射光1952および1953を操作対象面61に照射する。このように異なる角度から複数の光を照射することにより、
図19Cに示すように、操作オブジェクトであるユーザの1本の指についての複数の影を操作面に生じさせる。このように複数の影を生じさせた操作対象面61を非可視光撮像センサーで撮像する。
【0133】
図19Cでは、操作オブジェクトであるユーザの指と操作面(表示面61)の距離と、前記複数の影の状態について説明する。例えば、操作検出センサー350を非可視光撮像センサーで構成して撮像すればよい。
図19C(A)は、ユーザの指1901が操作面61付近にあるが、接触していない状態である。ユーザの指1901の先端に対して、2つの影1911および1912は分離している。これに対し、
図19C(B)は、ユーザの指1902が操作面61に接触している状態である。ユーザの指1902の先端に対して、2つの影1913および1914は重なっている。映像分析処理により、ユーザの指の先端と2つの影の接触状態を判別し、ユーザの指の操作面61への接触の有無および接触の位置を検出することができる。また、ユーザの指が操作面61に接触しておらず空中にある場合でも、映像分析処理により得られる前記2つの影の先端の距離に基づいて、ユーザの指と操作面61の距離を算出することも可能である。
【0134】
図19Dは、机60などの上面61での、投射型映像表示ユニット100の投射映像光1701の範囲1、照明ユニット200の照明光1702の照射範囲2、操作検出センサー350の操作検出範囲1950(センシング光1703の照射範囲、または当該照射範囲と操作検出センサー350が有する撮像センサーの撮像範囲が重なる範囲)の一例である。
【0135】
操作検出センサー350の操作検出範囲1950を投射型映像表示ユニット100の投射映像光1701の範囲1を含むより広い範囲に設定することにより、投射型映像表示ユニット100の投射映像の全範囲をユーザ操作1921の検出範囲とできるうえ、さらに投射型映像表示ユニット100の投射映像の外側のユーザ操作1922も検出することができる。 なお、照明ユニット200の照明光1702の照射範囲2の範囲は本図の例に限られず、どのように設定してもよい。本図では、照射範囲が狭い、いわゆるスポットライト照明の例を示している。より広角に照射範囲を設定し、部屋全体を照明範囲として設定しても構わない。
【0136】
次に、
図20を用いて、投射型映像表示ユニット100のインタラクティブ機能が、操作検出センサー350の操作検出機能を用いて、投射映像内に表示した操作メニューに対する操作面上での操作オブジェクト(例えば、ユーザの指)による操作を検出する処理について説明する。
【0137】
図20Aは、投射映像内に操作メニュー2000を表示し、その操作メニュー2000には、照明ユニット200の照明光を点灯する操作のための「Light ON」アイコン2001と、照明ユニット200の照明光を消灯する操作のための「Light OFF」アイコン2002が表示されている例である。投射型映像表示ユニット100のインタラクティブ機能部120が操作検出センサー350の操作検出機能を用いて、これらのアイコン上へのユーザの指2011または2012の接近または接触(タッチ)を検出することにより、それぞれの操作を実現することができる。
【0138】
より詳細に説明を加えると以下のようになる。すなわち、これらのインタラクティブ操作用のメニュー2000やアイコン2001および2002は、投射型映像表示ユニット100のインタラクティブ機能部120が生成して、表示素子102に表示するための映像に重畳すればよい。インタラクティブ機能部120は、映像中の操作アイコン2001および2002の範囲も把握しているので、操作検出センサー350が検出した、操作面61上へのユーザの指2011または2012の接近または接触(タッチ)が、当該操作アイコン2001または2002の操作対象範囲か否かを判定することができる。このような一連の処理で、操作アイコン2001または2002の選択処理が実現される。
【0139】
ここで、
図20Bのように机上面61にオブジェクト2003が載せられたとする。
図20Bでは、オブジェクト2003は、ティーカップである例を示している。
図20Bのように、オブジェクト2003が、操作メニュー2000の「Light ON」アイコン2001や「Light OFF」アイコン2002と重ならない位置であれば、操作検出センサー350の操作検出機能を用いた、指タッチ操作または指近接操作2011、2012などのユーザ操作の検出処理に影響はない。
【0140】
図20Cに示すように、例えば、ティーカップであるオブジェクト2003は、机上面61上からある程度の厚みHobjを有するものとし、ティーカップ2003には紅茶等の液体が入っている。映像投射機能付き照明装置10(300)の使用用途として机上面61への映像投射の用途は頻度が高いものと予想される。そのため、このような状況は起こりうると予想される。
【0141】
このとき、
図20Dに示すように、誰かが、ティーカップであるオブジェクト2003を矢印2071のように、操作メニュー2000の「Light OFF」アイコン2002に重なる位置に動かしてしまったとする。この場合、操作メニュー2000の「Light ON」アイコン2001は指タッチ操作または指近接操作2011により操作可能である。しかし、オブジェクト2003が重なってしまった「Light OFF」アイコン2002には、紅茶等の液体が存在するので、ユーザはアイコンへの指タッチ操作や指近接操作を行うことができなくなってしまう。
【0142】
そこで、本実施例に係る映像投射機能付き照明装置は、
図20Dに示すように、表示面61上の操作アイコン2002にオブジェクトが重なり操作が困難であることを検出した場合に、
図20Eの矢印2072に示すように、所定の方向に操作アイコンを含むメニュー全体をユーザの操作がなくとも自動的に移動する機能を有するように構成してもよい。このようにすれば、
図20Dのメニュー位置では操作困難であった「Light OFF」アイコン2002も、指タッチ操作または指近接操作2021により操作が可能になる。なお、
図20Eの例では操作メニュー全体の位置を移動したが、アイコンごとに位置を移動してもよい。
【0143】
上述のメニューまたはアイコンの移動処理は以下のように実現することができる。
【0144】
まず、
図19で説明したように、操作検出センサー350では、表示面61に対する指1901、指1902または物体1903などのオブジェクトの相対的な高さ情報を得ることができる。同様に
図20Cのように、操作オブジェクトではないオブジェクト2003の高さ情報を得ることもできる。ここで、投射型映像表示ユニット100のインタラクティブ機能部120は、操作検出センサー350が取得する高さ情報に基づいて、所定時間以上(例えば30秒以上)、所定値以上(例えば2cm以上)の高さを有する部分を、操作オブジェクトとは異なり操作を妨げる操作障害オブジェクト(operation blocking object)の領域であると判定する。例えば、
図20Dの例でティーカップ2003が所定時間以上(例えば30秒以上)同じ位置に置かれていれば、ティーカップ2003の範囲が操作障害オブジェクトの範囲と判定される。
【0145】
ここで、さらにインタラクティブ機能部120は、操作アイコン2001または2002領域に占める当該操作障害オブジェクト範囲の重畳部分が占める比率を算出し、当該比率が所定値以上(例えば70%以上)を超えた場合に、該当する操作アイコン2001または2002または当該操作アイコンを含むメニュー2000全体の移動処理を開始するように構成してもよい。
【0146】
移動の方向は
図20Eの例では矢印2072の方向のように表示画面を向かって上方向へ移動したが、
図20Fに示す矢印2073の方向のように表示画面を向かって左方向へ移動するなどしてもよい。この場合、指タッチ操作または指近接操作2022により「Light OFF」アイコン2002の操作が可能になる。当該移動方向は、予め定めた方向としてもよいし、操作検出センサー350が机上面61上の高さマップを作成し更新を続けておけば、移動開始時に、操作障害オブジェクト2003範囲の少ない方向が判別可能となるので、当該判別結果に基づいて操作障害オブジェクト2003範囲の少ない方向に決定してもよい。
【0147】
移動処理自体は、インタラクティブ機能部120が、表示素子102に表示するための映像に重畳する操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000の画像の位置を連続的に変更する処理と、当該処理と合わせて当該操作アイコン2001、2002の操作対象範囲を連続的に変更すればよい。
【0148】
当該操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000の移動の終了処理については、操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000と操作障害オブジェクト2003範囲の重畳が十分に解消された状態で終了することが望ましい。当該移動後のユーザによる操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000の操作において、前述の操作障害オブジェクト2003の影響をできるだけ残したくないからである。
【0149】
これを実現するために、当該操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000の移動の終了処理については、いくつかの処理例が考えられる。
【0150】
第1の処理例は、上記の移動方向の投射映像の領域端まで、当該操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000を移動する処理である。当該処理によれば、移動開始のきっかけになった操作障害オブジェクト2003から最も離れた位置に当該操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000を移動して処理が終了する。当該処理は、最も簡便な処理で比較的操作障害オブジェクトの回避効果が高い結果となる。
【0151】
第2の処理例は、インタラクティブ機能部120が、上記移動処理中に、操作アイコン2001おまたは2002領域に占める当該操作障害オブジェクト2003範囲の重畳部分が占める比率を繰り返し算出し、当該重畳部分比率が閾値以下(例えば10%以下)になった場合、移動を終了する例である。この場合、重畳部分比率の閾値を0%より大きく設定すると操作アイコン2001、2002またはメニュー2000と操作障害オブジェクト2003範囲の重畳部分は一部残ったままとなるが、操作が可能な範囲が一部回復するため、操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000の移動量を小さくしながら、ユーザ操作機能の回復を実現できる。重畳部分比率の閾値を0%とした場合、操作アイコンまたはメニューが、前記障害オブジェクト範囲に隣接した状態で前記移動処理が終了することとなる。
【0152】
第3の処理例は、前記第2の処理例において、重畳部分比率の閾値を0%とした場合をさらに改善する処理例である。すなわち、操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000が、前記操作障害オブジェクト2003範囲に隣接した状態で前記移動処理が終了した場合、上述の操作障害オブジェクト2003が操作アイコン2001、2002またはメニュー2000に近いのでユーザの操作の邪魔となる可能性が残る。よって、第3の処理例では、操作アイコン2001、2002および/またはメニュー2000が所定の方向に移動している移動処理中に前記操作アイコン2001および2002領域に占める当該操作障害オブジェクト2003範囲の重畳部分が占める比率を繰り返し算出し、当該重畳部分比率が0%以下になった後も、追加の移動距離を設定し、その追加移動距離の分だけ同じ方向に移動処理を継続した後に当該移動処理を終了する。
【0153】
当該追加移動距離の算出例としては、映像全体についての上記移動方向の長さに所定率(例えば5%)を乗じたものでもよく、所定の画素数(例えば150画素分)でもよく、移動対象操作アイコン2001または2002(またはメニュー2000)の大きさに所定率(例えば50%)を乗じたものでもよい。結果的に第3の処理では、操作アイコン2001、2002またはメニュー2000が、前記操作障害オブジェクト2003範囲に隣接した状態からさらに上述の移動方向に移動が継続し、操作アイコン2001、2002またはメニュー2000が、前記操作障害オブジェクト2003範囲から離れた状態であって、上記移動方向の投射映像の領域端との間で終了することとなる(上記移動方向の投射映像の領域端が近い場合、上記移動方向の投射映像の領域端の位置まで移動して終了する)。
【0154】
このように、第3の処理では、上記追加移動距離の分だけ操作障害オブジェクト2003と操作アイコン2001、2002またはメニュー2000との間に隙間が設けられ、操作障害オブジェクト2003がユーザ操作の邪魔になる確率が下がる。また、第1の処理例ほど極端に操作アイコン2001、2002またはメニュー2000の位置を変更する必要がなく、ユーザの違和感も低減できる。
【0155】
以上、
図20を用いて、投射型映像表示ユニット100のインタラクティブ機能が、操作検出センサー350の操作検出機能を用いて、投射映像内に表示した操作アイコンやメニューに対する操作面上でのユーザの指などの操作オブジェクトによる操作を検出する処理を説明した。また、操作障害オブジェクトが、投射映像中の操作アイコンメニューに重なってしまう場合の、操作アイコンやメニューの自動移動処理について説明した。以上説明した処理例により、操作面上に操作障害オブジェクトが置かれた場合でも、ユーザがより好適にインタラクティブ機能の操作を継続できる状況を提供することが可能となる。
【0156】
なお、上述の例において、操作アイコンやメニューの移動処理を、リモコンや操作信号入力部301などを介してユーザが手動で行う機能を別途有していても構わない。操作障害オブジェクトがない場合に、ユーザがさらに好みの位置に操作アイコンやメニューを変更してもよいし、操作障害オブジェクトがある場合に、上述の自動移動処理後にユーザがさらに好みの位置に操作アイコンやメニューを変更してもよいからである。
【0157】
次に、
図21を用いて、インタラクティブ機能に関する上述の「操作障害オブジェクト」に対する別の対処例を説明する。
【0158】
図21Aは、操作検出センサー350を用いてインタラクティブ機能部120が、ユーザの指などの操作オブジェクトの映像投射面61への接触操作2111と、映像投射面からの所定の高さの範囲における空中操作2112を切り分けて認識する例を説明している。
【0159】
操作オブジェクトの映像投射面への接触操作検出の詳細については、
図19で既に説明したとおりである。よってここでは、映像投射面からの所定の高さの範囲における空中操作の処理について説明する。
図19で説明したとおり、本実施例の操作検出センサー350では、指などの操作オブジェクトについての映像投射面61からの高さを検出可能に構成してもよい。ここで、
図21Aの例では、操作オブジェクトの高さHfが所定の高さH1(例えば10cm)と所定の高さH2(例えば20cm)の間の高さ範囲に含まれる場合、当該操作オブジェクトによる操作2112を「空中操作」と判別し、操作オブジェクトによる映像投射面への接触操作2111とは別の操作として認識するように構成する。
【0160】
図21Bを用いて、当該空中操作によるメニュー画面や操作アイコンの移動方法について説明する。
図21Bには、投射映像1の中に
図20と同様のメニュー2000、操作アイコン2001、操作アイコン2002が表示されている。これらの機能は
図20と同様であるため、説明を省略する。
図21Bでは、
図21Aで説明した所定の高さ範囲での操作オブジェクトによる空中操作を用いて、例えば矢印2171、2172、2173、2174などの方向へのメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動を実現する。当該メニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動の開始を空中操作で認識する方法はいくつか考えられる。以下にこれを説明する。
【0161】
第1の方法として、空中操作2112または2131に示すように、空中操作の所定の高さ幅で、操作オブジェクトがメニューや操作アイコンに接触した瞬間からこれらの移動を開始する、とインタラクティブ機能部120が判断する方法である。当該方法は迅速にメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動処理が開始できる。
【0162】
しかしながら、ユーザが意図せず偶然に手や指などの操作オブジェクトを該当空間に入れてしまった場合など、ユーザの意図に反してメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動処理を開始してしまう恐れがある。
【0163】
よって、第2の方法では、ユーザが指などの操作オブジェクトを所定の高さ範囲かつ空中操作2112または2131に示すようにメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002に重なる状態のまま所定時間(例えば2、3秒程度)が経過した場合に、上記移動処理を開始する、とインタラクティブ機能部120が判断する方法である。このようにすれば、ユーザが意図せず偶然に手や指などの操作オブジェクトを該当空間に入れてしまった場合でも移動処理が開始される可能性が低くなる。
【0164】
第3の方法では、ユーザが指などの操作オブジェクトが所定の高さ範囲かつメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002に重なる状態で、所定のジェスチャをした場合に、上記移動処理を開始する、とインタラクティブ機能部120が判断する方法である。所定のジェスチャの例としては、例えば、2本の指を突き出してV字型を形成するジェスチャや親指と人差し指で輪を作るジェスチャなどを採用してもよい。第3の方法でも、ユーザが意図せず偶然に手や指などの操作オブジェクトを該当空間に入れてしまった場合でも移動処理が開始される可能性が低くなる。
【0165】
次に、
図21Bの当該移動処理の移動開始後から移動終了までは、インタラクティブ機能部120は、操作オブジェクトの空中操作状態での移動に追従するようにメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の表示を移動させればよい。
【0166】
ここで、
図21Bの当該移動処理の移動終了方法もいくつか考えられる。以下にこれを説明する。
【0167】
第1の方法は、操作オブジェクトが空中操作の所定の高さ範囲から外れた場合、インタラクティブ機能部120は、移動処理の終了と判断する方法である。当該第1の方法を採用する場合、ユーザは、指などの操作オブジェクトを空中操作状態で水平方向に移動にしてメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002を所望の位置までに移動させた後、操作オブジェクトを上方または下方に移動して上記所定の高さ範囲から外れる高さにすることにより、メニュー2000、操作アイコン2001または/および2002の移動を所望の位置で終了させることができる。
【0168】
第2の方法は、上記移動処理中にユーザが指などの操作オブジェクトにより、所定のジェスチャをした場合に、インタラクティブ機能部120は、移動処理の終了と判断する方法である。ジェスチャの種類は、上述の移動開始方法の第3の方法の例と同じジェスチャでもよく、異なるジェスチャでも構わない。これにより、ユーザは、メニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動を所望の位置で終了させることができる。
【0169】
上述の一連の「空中操作」によるメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動処理において、ユーザの判断をより容易にするために、ユーザの指などの操作オブジェクトが所定の高さ範囲に入っていてインタラクティブ機能部120により「空中操作」状態と認識された場合に、投射画面中に
図21Bのマーク2151などのように、「空中操作中」であることを示す表示を行ってもよい。
【0170】
また、上述の一連の「空中操作」によるメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動処理において、移動開始時から移動終了時までは、上述のメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の色を通常時と異なる色や輝度に変更する、またはこれらの内部や近接周辺領域にマークを表示するなどを行って、「空中操作」による移動の対象を、ユーザがより明確に認識しやすくすることが望ましい。
【0171】
以上
図21Aおよび
図21Bで説明した一連の「空中操作」処理により、ユーザは、投射映像に表示されたメニュー、または操作アイコンを所望の位置に変更することができる。
【0172】
なお、
図21Bの「空中操作」によるメニュー2000、操作アイコン2001および/または2002の移動処理後の操作について
図21Cを用いて説明する。
図21Cに示すように、
図19で説明した接触検出処理により、ユーザの指などの操作オブジェクトによる映像投射面61上の操作アイコン2001および/または2002への接触操作(例えば、接触操作2132または2133など)を検出することにより、インタラクティブ機能部120は、当該操作アイコンを選択する操作が行われたと判断すればよい。
【0173】
このように、投射映像内に表示されたメニューまたは操作アイコンに対する操作を「空中操作」と「接触操作」の2種類で切り分けることについてのメリットを
図21D、
図21E、および
図21Fを用いて説明する。
【0174】
図21Dは、
図20Dと同様に、操作障害オブジェクト2003であるティーカップが、メニュー2000上の「Light OFF」アイコン2002に重なる位置に置かれてしまった場合を示している。
図20Dと同様に、「Light ON」アイコン2001は操作オブジェクトの接触操作2134により操作可能であるが、「Light OFF」アイコン2002は操作オブジェクトの接触操作による操作が困難である。
【0175】
そこで、
図21Eに示すように、
図21Aおよび
図21Bで説明したように、操作オブジェクトによる「空中操作」2135によりメニュー2000全体を、ユーザが所望の方向、例えば矢印2175の方向へ移動することにより、操作障害オブジェクト2003とメニュー2000の重畳を解消することが可能となる。
【0176】
図21Eでは、「空中操作」2135の際、操作オブジェクトである指がメニュー2000の部分に重なっている。しかし、
図21Fに示す「空中操作」2136のように、操作オブジェクトである指が「Light OFF」アイコン2002の部分と重なって移動することも可能である。
図21Dの状態では、「Light OFF」アイコン2002は、映像投射面61付近では操作障害オブジェクト2003と重なってしまい、操作が困難である。しかし、「空中操作」では、映像投射面から10cm〜20cmなど、映像投射面61から離れた位置で操作が可能である。よって、「空中操作」を用いれば、例え映像投射面61付近で操作アイコン2001および/または2002と操作障害オブジェクト2003が重なってしまっていても、当該操作アイコン2001および/または2002の移動処理を、リモコン操作等を介さないインタラクティブ機能で実現することができる。
【0177】
以上、
図21を用いて、投射型映像表示ユニット100のインタラクティブ機能が、操作障害オブジェクトが投射映像中の操作アイコンおよび/またはメニューに重なってしまう場合でも、リモコン操作等を介さないインタラクティブ機能によりメニューおよび/または操作アイコンの表示位置を変更できる移動操作について説明した。以上説明した処理例により、操作面上に操作障害オブジェクトが置かれた場合でも、ユーザがより好適にインタラクティブ機能の操作を継続できる状況を提供することが可能となる。
【0178】
次に、
図22を用いて、本発明の一実施例に係る映像投射機能付き照明装置300のインタラクティブ機能における、投射型映像表示ユニット100の映像投射ON/OFF制御の一例を説明する。
【0179】
例えば、
図22Aに示すように、投射型映像表示ユニット100が投射映像1を投射面61に投射している場合、投射映像中に、投射型映像表示ユニット100の映像投射を終了するための操作アイコンである「PJ OFF」アイコン2201を表示しておけばよい。操作検出センサー350を用いてインタラクティブ機能部120が、指などの操作オブジェクトによる「PJ OFF」アイコン2201への接触操作2211を検出した場合、投射型映像表示ユニット100の投射映像1の投射を一部を除いて終了する。
【0180】
ここで、投射型映像表示ユニット100は、
図22Bに示すように、投射映像1の大部分の映像投射は終了する(映像非表示範囲を点線で示す)が、投射型映像表示ユニット100の映像投射を開始するための操作アイコンである「PJ ON」アイコン2202の部分は映像投射を継続する。これにより、ユーザは、指などの操作オブジェクトで当該「PJ ON」アイコン2202に接触操作2212を行うことにより、投射型映像表示ユニット100の映像投射を再開することができる。再開した場合は、再び
図22Aの表示レイアウトに戻ってよい。
【0181】
図22Bの例では、わかりやすくするために、「PJ ON」アイコン2202を大きめに示したが、ユーザが識別可能な範囲で小さく表示することにより、映像投射を再開する機能を有しながら、投射面である机上61でのユーザによる他の作業などの邪魔にならないようにすることが可能である。
【0182】
図22Aの状態の「PJ OFF」アイコン2201の位置と大きさと
図22Bの状態の「PJ ON」アイコン2202を同じとしてもよい。この場合、アイコン2201および2202は指などの操作オブジェクトによる接触操作検出ごとに置き換わるように表示が切り替わり、ユーザは同じボタンを繰り返し押すトグル操作のような操作感を得ることができる。これにより、ユーザにとって直感的にわかりやすい操作を提供できる。
【0183】
以上説明した
図22A、
図22Bの投射型映像表示ユニット100の映像投射ON/OFF制御の例によれば、ユーザにとって直感的にわかりやすい操作感を提供できる。
【0184】
次に、
図23A、
図23Bを用いて、投射型映像表示ユニット100の映像投射ON/OFF制御の別の例を説明する。
【0185】
図23Aおよび
図23Bの例では、投射型映像表示ユニット100の映像投射ON/OFF制御の操作検出を行う領域2301を、投射映像1の外部であって、操作検出センサー350の操作検出範囲1950内の一部に設定する。これにより、投射映像1内に
図22Aの「PJ OFF」アイコン2201や
図22Bの「PJ ON」アイコン2202などに相当するアイコンを表示しなくてもインタラクティブ機能を用いた投射型映像表示ユニット100の映像投射ON/OFF制御を実現することができる。
【0186】
具体的には、
図23Aの例では、投射映像1の映像投射中に投射型映像表示ユニット100の映像投射を終了するための操作検出範囲である「PJ OFF」操作検出範囲2301を投射映像1の外部に設定する。操作検出センサー350を用いてインタラクティブ機能部120が、指などの操作オブジェクトによる「PJ OFF」操作検出範囲2301への接触操作2311を検出した場合、投射型映像表示ユニット100の投射映像1の投射を終了すればよい。
【0187】
図23Bの例では、投射映像1を投射していないときに投射型映像表示ユニット100の映像投射を開始または再開するための操作検出範囲である「PJ ON」操作検出範囲2302を投射映像1の外部に設定する。操作検出センサー350を用いてインタラクティブ機能部120が、指などの操作オブジェクトによる「PJ ON」操作検出範囲2302への接触操作2312を検出した場合、投射型映像表示ユニット100の投射映像1の投射を開始または再開すればよい。
【0188】
図23Aの状態の「PJ OFF」操作検出範囲2301の位置と大きさと
図23Bの状態の「PJ ON」操作検出範囲2302を同じとしてもよい。この場合、操作検出範囲の機能が指などの操作オブジェクトによる接触操作検出ごとに切り替わるので、ユーザは同じボタンを繰り返し押すトグル操作のような操作感を得ることができる。これにより、ユーザにとって直感的にわかりやすい操作を提供できる。
【0189】
以上説明した
図23A、
図23Bの投射型映像表示ユニット100の映像投射ON/OFF制御の例によれば、ユーザにとって直感的にわかりやすい操作感を提供できる。また、当該映像投射ON/OFF制御は、
図22A、
図22Bの例に比べて投射映像の鑑賞の妨げになりにくい。また、
図23Bの例では、
図22Bの例と異なり、投射映像1内にON/OFF制御用のアイコンを表示する必要がない。よって、投射型映像表示ユニット100の光源105をOFFにすることができ、操作待機時のエネルギー消費量をより低減することができる。
【0190】
次に、
図23Cを用いて、
図23Aの「PJ OFF」操作検出範囲2301の機能と
図23Bの状態の「PJ ON」操作検出範囲2302の機能を有する「仮想スイッチ」の設定の例について説明する。
図23Aおよび
図23Bの例の説明において、
図23Aの状態の「PJ OFF」操作検出範囲2301と
図23Bの状態の「PJ ON」操作検出範囲2302の位置と大きさを同じとすることで、ユーザは同じボタンを繰り返し押すトグル操作のような操作感を得ることができることを説明した。
【0191】
当該操作検出範囲を以下「仮想スイッチ」と称する。投射映像1の範囲外であっても、操作検出センサー350の操作検出範囲1950(センシング光1703の照射範囲、または当該照射範囲とまたは操作検出センサー350が有する撮像センサーの撮像範囲が重なる領域)の範囲内であれば、仮想スイッチの範囲として用いることができるはずである。しかしながら、家庭の机上61に映像を投射する用途で映像投射機能付き照明装置300を用いる場合、ユーザや家庭の個別の事情により、「仮想スイッチ」の設定位置として適切な位置が異なってくるのが自然である。
【0192】
よって、
図23Cのように、「仮想スイッチ」の位置をユーザが選択するための設定メニューを投射映像1に表示してもよい。本図では、投射映像1の内側の周辺の部分に、複数の外側向きの矢印型アイコンが表示されており、操作検出センサー350を用いてインタラクティブ機能部120が、いずれかの矢印型アイコン(本図の例では矢印型アイコン2331)への指などの操作オブジェクトによる接触操作2321を検出した場合、当該矢印型アイコンが指す投射映像1の外側周辺の部分に「仮想スイッチ」2303の位置が設定されるように構成すればよい。
【0193】
なお、
図23では、「仮想スイッチ」2301〜2303の機能の例として、投射型映像表示ユニット100の映像投射をON/OFFする機能についてのスイッチの例を説明した。しかし、「仮想スイッチ」2301〜2303の機能の例はこれに限られず、照明ユニット200の照明光1702を点灯する操作のための「Light ON」機能と、照明ユニット200の照明光1702を消灯する操作のための「Light OFF」機能を操作オブジェクトの検出範囲への接触ごとに切り替える「仮想スイッチ」を設定してもよい。
【0194】
以上説明した
図23Cの投射型映像表示ユニット100の設定例によれば、ユーザにとって直感的にわかりやすい操作感を提供できる「仮想スイッチ」をユーザの好みの場所に設定でき、ユーザにとっての使い勝手をより良くすることができる。
【0195】
次に、
図24Aおよび
図24Bを用いて、機能の異なる複数の「仮想スイッチ」をそれぞれ別の位置に設定する設定メニュー画面を投射映像1に表示する例を説明する。
図23で説明したとおり、「仮想スイッチ」の位置には映像が投射されていない。よって、異なる機能の「仮想スイッチ」が近くに配置されているとユーザにとってあまり使い勝手が良くないこともありうる。また、映像が投射されていない「仮想スイッチ」を複数種類設定するに当たり、ユーザや家庭の個別の事情により、「仮想スイッチ」の設定位置として適切な位置が異なってくるのが自然である。
【0196】
そこで、まず、
図24Aに示すように、投射型映像表示ユニット100の映像投射をON/OFFする機能についてのスイッチである「仮想スイッチ1」の位置の設定メニューを投射映像1に表示し、該設定メニューを介してユーザが「仮想スイッチ1」の位置の設定を行えるようにする。
図24Aの例では、例えば、複数の外側向きの矢印型アイコンを表示し、操作検出センサー350を用いてインタラクティブ機能部120が、矢印型アイコン2421への指などの操作オブジェクトによる接触操作2411を検出し、「仮想スイッチ1」が位置2401に設定されている。
【0197】
次に、
図24Bに示すように、照明ユニット200の照明光1702をON/OFFする機能についてのスイッチである「仮想スイッチ2」の位置の設定メニューを投射映像1に表示し、該設定メニューを介してユーザが「仮想スイッチ2」の位置の設定を行えるようにする。
【0198】
図24Bの例では、例えば、複数の外側向きの矢印型アイコンを表示し、操作検出センサー350を用いてインタラクティブ機能部120が、矢印型アイコン2422への指などの操作オブジェクトによる接触操作2412を検出し、「仮想スイッチ1」が位置2402に設定されている。例えば
図24Aおよび
図24Bの設定の結果、
図24Cに示すように、ユーザは位置2401に設定された「仮想スイッチ1」を指などの操作オブジェクトによる接触操作2421により操作可能であり、位置2402に設定された「仮想スイッチ2」を指などの操作オブジェクトによる接触操作2422により操作可能となる。
【0199】
以上説明した
図24A、
図24B、
図24Cの投射型映像表示ユニット100の設定例によれば、機能の異なる複数の「仮想スイッチ」の位置をそれぞれユーザの好みに応じて設定することにより、ユーザにとっての使い勝手をより良くすることができる。
【0200】
<各種変形例>
以上、本発明の種々の実施例になる映像投射機能付き照明装置について述べた。しかしながら、本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明をわかりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。