【解決手段】ウエハ搬送装置10は、ウエハを搬送するロボット(搬送機構部)20と、天井部31、天井部31と対向する底部32、および天井部31と底部32との間に位置し、ロボット20の周囲を囲む側壁部33、を備えるクリーン室30と、クリーン室30の天井部31側から底部32側に向かう気流を形成するファン40と、を有する。クリーン室30の底部には、ファン40を介してクリーン室30の内部の気体を外部に排出する開口部32Hが設けられる。クリーン室30の天井部31には、開口部31Hが設けられ、かつ、ファン40は設けられない。開口部31Hには、フィルタ50が取り付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施の形態を説明するための各図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0013】
<ウエハ搬送装置の概要>
図1は、本実施の形態のウエハ搬送装置の構成例を示す透視平面図である。
図2は、
図1のA−A線に沿った断面図である。
図3は
図1のB−B線に沿った拡大断面図である。
図4は、
図1に示すロボットの拡大平面図である。
図1では、
図2および
図3に示すフィルタ50を取り除いた状態で、クリーン室30の内部構造を示している。また、
図1では、見易さのため、
図2および
図3に示すファン40の図示を省略しているが、複数の開口部32Hのそれぞれの内側に、
図2および
図3に示すファン40が配置されている。
図1では、ロボット20の移動方向、および回転動作の方向を太い矢印を用いて模式的に示している。
図2および
図3では、クリーン室30内における気流の向きを、二点鎖線の矢印を用いて模式的に示している。
図4では、ロボット20が備えるハンド部22の動作を矢印および二点鎖線を用いて示している。
【0014】
図1に示す本実施の形態のウエハ搬送装置10は、ウエハ1を搬送する搬送機構部としてのロボット(搬送機構部)20と、ロボット20が収容されるクリーン室30と、を有する。
図2に示すように、クリーン室30は、天井部31、天井部31と対向する底部32、および天井部31と底部32との間に位置し、ロボット20の周囲を囲む側壁部33を備える。また、ウエハ搬送装置10は、クリーン室30の天井部31側から底部32側に向かう気流を形成するファン40と、クリーン室30に外部から流入する気体に含まれる塵などの粒子をフィルタリングする機能を備えるフィルタ50と、を有する。
【0015】
半導体装置の製造工程には、半導体基板としてのウエハ1上に、半導体素子を含む集積回路を形成する工程や、形成された集積回路の検査、あるいは半導体基板としてのウエハ1自身の検査など、種々の工程が含まれる。また、集積回路は、例えばフォトリソグラフィ技術を利用して微細な回路パターンとして形成されるので、集積回路を形成する工程には多数の工程が含まれる。また、ウエハ1に異物が付着すると、その大きさが微細な塵などの粒子であっても、回路パターンの欠陥の原因となる場合がある。回路パターンの欠陥が検査で発見された場合、当該箇所を製品としないことで、欠陥品の流通を防止できるが、一つのウエハ1から取得できる半導体装置の数が減少する。この結果、半導体装置の製造効率が低下する原因になる。なお、以下の説明において、ウエハ1に異物が付着することを「汚染」と記載する場合がある。
【0016】
そこで、ウエハ1に異物が付着することを防止するため、ウエハ1をハンドリングする場所には、雰囲気中に含まれる粒子(パーティクル)の数が少なくなるように制御された、クリーンな環境が要求される。ただし、半導体装置の製造工程には、種々の製造装置が用いられるので、多数の製造装置を含む製造ライン全体の雰囲気を高レベルのクリーン環境にすることは難しい。そこで、本実施の形態のウエハ搬送装置10のように、局所的にクリーン化されたクリーン室30を設け、このクリーン室30内においてウエハ1のハンドリングを行う方法が有効である。このように、ウエハ1が搬送機構部としてのロボット20により搬送される空間を局所的にクリーン化する装のことを、ミニエンバイロンメント装置と呼ぶ。
【0017】
ミニエンバイロンメント装置を用いた半導体装置の製造方法では、ウエハ1は、FOUP(Front Opening Unified Pod)と呼ばれる格納容器2に収容された状態で、製造装置間を搬送される。格納容器2は、複数枚のウエハ1を収容可能な容器である。ウエハ搬送装置10が備えるロボット20は、格納容器2からウエハ1を1枚ずつ取出し、取り出したウエハ1を処理室3に搬送する。処理室3は、ウエハ搬送装置10とは別に、クリーン化された空間であって、内部に例えば検査装置などの処理装置4が配置されている。
【0018】
また、
図1に示す例では、ウエハ1は格納容器2から取り出された後、かつ、処理室3に搬送される前に、クリーン室30内に配置されるアライメントユニット(位置合わせ機構部)60において、アライメント工程に供される。アライメント工程は、ウエハ1の位置合わせを行う工程であって、例えばウエハ1が備えるオリエンタルフラットやノッチなどの図示しないマークに基づいてウエハ1の向きを調整する。アライメント工程を行うことにより、処理室3でウエハ1に対して加工や検査などの処理を行う際に、ウエハ1の所定の位置に処理を施すことができる。
【0019】
本実施の形態では、ウエハ搬送装置10には、格納容器2および処理室3は含まれない。クリーン室30の側壁部33には、格納容器2とロボット20との間、あるいは処理室3とロボット20との間でウエハ1の受け渡しを行う、開口部34および35(
図3参照)が形成されている。図示は省略するが、開口部34には、開閉可能なシャッターなどの扉が設けられている。
【0020】
図1に示す互いに直交するX−Y平面において、ロボット20は、X方向に延びる走行軸21に沿って移動可能である。
図1では、ロボット20の移動可能な方向を方向20D1として太い矢印で示している。また、
図1において、回転方向20D2として示すように、ロボット20は、走行軸21上において、X−Y平面に沿って回転可能である。
【0021】
また、
図4に示すように、ロボット20は、ウエハ1(
図1参照)を保持するハンド部22と、ハンド部22に連結され、ハンド部22を伸縮動作させるアーム部23と、を備える。アーム部23およびハンド部22は、回転方向20D2(
図1参照)に回転自在に構成されるステージ24上に取り付けられる。アーム部23は、複数の部材23mと、複数の部材23mを回転自在に連結する複数の関節部23jと、を備える。アーム部23は、関節部23jを回転軸として複数の部材23mの角度を変化させることにより、アーム部23に連結されるハンド部22を方向22D1に沿って伸縮動作させることができる。
図4に示す例では、方向22D1は、Y方向と一致する。ただし、ステージ24が回転すれば、方向22D1がX−Y平面において、Y方向と交差する任意の方向と一致する場合がある。また、アーム部23およびハンド部22は、X−Y平面に対して直交する方向(
図2および
図3に示すZ方向)に沿って昇降動作させることが可能である。
【0022】
図1〜3に示す本実施の形態のウエハ搬送装置10は、ロボット20を介して以下のようにウエハ1を搬送する。まず、ウエハ搬送装置10に格納用に2が接続される。
図1ではウエハ搬送装置10に3個の格納容器2が接続された状態を示しているが、格納容器2の接続数は3個には限定されず、種々の変形例がある。格納容器2のそれぞれには複数のウエハ1が収容されている。格納容器2のそれぞれの内部は、清浄な状態に維持され、格納容器2の内部でウエハ1が汚染されることを防止できる。格納容器2は、必要に応じて開閉動作をさせることができる扉を備える。
図3に示すように、格納容器2は、側壁部33に設けられた開口部34を介してクリーン室30の内部に連通する位置に接続される。
【0023】
格納容器2からは、ウエハ1が1枚ずつ順に取り出される。ロボット20は、ハンド部22(
図4参照)の先端が、格納容器2と対向する位置に移動した後、ハンド部22を伸縮動作させる。ハンド部22が方向22D1(
図4参照)に沿って伸びると、ハンド部22の先端は、格納容器2内まで伸び、1枚のウエハ1を吸着保持する。ハンド部22は、ウエハ1を吸着した後、ウエハ1を保持したままステージ24(
図4参照)に向かって縮むように動作する。その後、ロボット20は、ウエハ1を保持した状態で、アライメントユニット60に向かって移動する。
【0024】
ロボット20は、アライメントユニット60の前で
図1に示す回転方向20D2に沿って回転動作し、ハンド部22(
図4参照)の先端が、アライメントユニット60と対向する向きまで回転した後、回転動作を停止する。その後、ロボット20は、ハンド部22を伸縮動作させる。この時、ハンド部22の伸縮方向である方向22D1(
図4参照)は、
図1に示すX方向に沿っている。このため、ハンド部22の先端は、ウエハ1を保持した状態で、アライメントユニット60の上方に向かって延びる。アライメントユニット60上においてハンド部22によるウエハ1の保持は解除され、ウエハ1はアライメントユニット60上に配置される。アライメントユニット60上では、上記したように、ウエハ1が備えるオリエンタルフラットやノッチなどの図示しないマークに基づいてウエハ1の向きが調整される。向きが調整されたウエハ1は、再びロボット20のハンド部22によって保持される。アライメント工程が終わると、ロボット20はハンド部22を介してアライメント工程後のウエハ1を再び保持する。
【0025】
次に、ロボット20は、アライメントユニット60の前で
図1に示す回転方向20D2に沿って回転動作し、ハンド部22(
図4参照)の先端が、処理室3と対向する向きまで回転した後、回転動作を停止する。その後、ロボット20は、開口部35(
図3参照)とハンド部22の先端とが対向する位置まで方向20D1に沿って移動する。開口部35は、処理室3にウエハ1を受け渡す連通路である。開口部35とハンド部22の先端とが対向する位置において、ロボット20は、ハンド部22を伸縮動作させる。この時、ハンド部22の伸縮方向である方向22D1(
図4参照)は、
図1に示すY方向に沿っている。このため、ハンド部22の先端は、ウエハ1を保持した状態で、開口部35に向かって延びる。処理室3内に配置された処理装置4上において、ハンド部22によるウエハ1の保持は解除され、ウエハ1は処理装置4上に配置される。処理装置4では例えば検査工程などの処理工程が実施される。処理装置4による処理が終わると、ロボット20は、ハンド部22を介して処理工程後のウエハ1を再び保持する。
【0026】
次に、ロボット20は、開口部35の前で
図1に示す回転方向20D2に沿って回転動作し、ハンド部22(
図4参照)の先端が、格納容器2が接続された側壁部33と対向する向きまで回転した後、回転動作を停止する。その後、ロボット20は、開口部34(
図3参照)とハンド部22の先端とが対向する位置まで方向20D1に沿って移動する。開口部34とハンド部22の先端とが対向する位置において、ロボット20は、ハンド部22を伸縮動作させる。この時、ハンド部22の伸縮方向である方向22D1(
図4参照)は、
図1に示すY方向に沿っている。このため、ハンド部22の先端は、ウエハ1を保持した状態で、開口部34を経由して格納容器2に向かって延びる。格納容器2内において、ハンド部22によるウエハ1の保持は解除され、ウエハ1は格納容器2内に配置される。
【0027】
以上の動作を繰り返し、格納容器2内に収容された複数枚のウエハ1のそれぞれに対して検査などの処理を施した後、格納容器2の扉は閉鎖される。また、開口部34(
図3参照)は図示しないシャッターなどにより閉鎖される。その後、格納容器2は、次の処理工程に搬送される。一方、ウエハ搬送装置10は、別の格納容器2に収容された複数枚のウエハ1に対して、上記と同様の動作を行う。
【0028】
上記した本実施の形態のウエハ搬送装置10は、クリーン室30内の環境を高度なクリーン環境に保つことで、ウエハ1が格納容器2から取り出され、処理室3に受け渡されるまでの期間(第1ウエハ搬送期間)、および処理室から取り出され、格納容器2に受け渡されるまでの期間(第2ウエハ搬送期間)に、ウエハ1に異物が付着することを抑制できる。また、第1および第2ウエハ搬送期間中に実施する作業を少なくすることにより、高度なクリーン環境が要求される空間の体積を小さくすることができる。クリーン環境が必要な空間の体積を低減すれば、クリーン化に必要な設備(ファンやフィルタ)を簡易化することができる。
【0029】
クリーン室30内の環境を高度なクリーン環境に保つ方法として、クリーン室30の天井部31から底部32に向かってクリーンな気体を流す気流(ダウンフローと呼ぶ)を形成する方法がある。
図2および
図3において、二点鎖線の矢印を用いて模式的に示すように、本実施の形態のウエハ搬送装置10も、天井部31から底部32に向かうダウンフローを形成している。詳しくは、クリーン室30の底部32には、ファン40を介してクリーン室30の内部の気体を外部に排出する開口部32Hが設けられる。クリーン室30の天井部31には、開口部31Hが設けられ、開口部31Hは、フィルタ50に覆われている。この場合、クリーン室30の外側の気体(例えば空気)は、フィルタ50を介してクリーン室30内に吸気され、ダウンフローとして底部32に向かい、底部32に設けられた開口部32Hを介して外部に排出される。
【0030】
上記方法によれば、ウエハ1が露出するクリーン室30において、ウエハ1に向かう気流は、常にフィルタ50を介してフィルタリングされるので、クリーンな気体である。また、仮にクリーン室30内で、例えばロボット20の動作に起因して塵などの粒子が発生した場合には、粒子はダウンフローに搬送され、開口部32Hから外部に排出される。したがって、クリーン室30の内部で発生した粒子が巻き上がってウエハ1に付着することを防止できる。
【0031】
ところで、
図2に示す方法の場合、底部32に設けられた複数のファン40の排気力により、ダウンフローが形成される。この場合、クリーン室30は、クリーン室30の周囲の環境に対して陰圧(圧力が低い状態、負圧と呼ぶ場合もある)になる。したがってウエハ搬送装置10のクリーン室30には、高い気密性が要求される。クリーン室30の気密性が低い場合、開口部31H以外の隙間からフィルタ50を介さずに吸気されることが懸念される。この場合、クリーン室30内に予期しない異物が侵入する原因になる。ただし、開口部31H以外の隙間からの気体の侵入を防止する程度の気密性を維持することは可能である。
【0032】
また、本実施の形態のウエハ搬送装置10は、クリーン室30内が陰圧にはなるが、以下の点で優れた特性を有する。
図5は、
図2に示すウエハ搬送装置に対する検討例であるウエハ搬送装置を示す断面図である。
図5に示すウエハ搬送装置11は、天井部31に複数のファン41が配置されている点、および底部32に、
図2に示す複数のファン40が配置されていない点で、
図2に示すウエハ搬送装置10と相違する。
【0033】
図2に示すクリーン室30内を陽圧にしようとする場合、
図5に示すウエハ搬送装置11のように、天井部31に1個または複数個のファン41を設け、ファン41およびフィルタ50を介して開口部31H側からクリーンな気体を送り込む方法が考えられる。この場合、複数のファン41により供給される気体の流量を調整することにより、クリーン室30の内部を陽圧にすることができる。
【0034】
ところが、ウエハ搬送装置11の場合、以下の課題がある。すなわち、フィルタ50を介してクリーン室30に気体を供給する場合、フィルタ50を定期的に交換する必要がある。ところが、クリーン室30の天井部31にファン41が配置される場合、フィルタ50に加え、ファン41を取り外す必要がある。天井部31にファン41を設ける場合、ファン41とフィルタ50とが一体化されたファンフィルタユニットが配置され、このファンフィルタユニットは、重量が重く、かつ体積が大きい。
図5に対する変形例として、ファン41を複数台にせず、1台にする場合も考えられるが、この場合、1台のファン41が大型化するため、結果的にファンフィルタユニットの重量が重くなる。このように大型のファンフィルタユニットを交換するためには、大掛かりな作業が必要になる。つまり、ウエハ搬送装置11の場合、メンテナンス性が低いという課題がある。
【0035】
一方、
図2に示すウエハ搬送装置10の場合、底部32に設けられたファン40により排気することでダウンフローを形成する構造なので、天井部31には、ファン41(
図5参照)が設けられていない。言い換えれば、ウエハ搬送装置10の場合、ファン41などの強制送風機構を介さずに、開口部31Hから気体が供給される。さらに言い換えれば、開口部31Hからは、フィルタ50を介して自然吸気で気体が供給される。このため、フィルタ50を交換する場合、フィルタ50のみを交換すればファン40は交換する必要がないので、メンテナンス作業が容易である。また、ファン40の交換が必要な場合もあるが、ファン40の場合、底部32に配置されている。底部32に取り付けられた部材の交換作業は、天井部31に取り付けられた部材の交換作業と比較して容易である。したがって、ファン40を交換する場合でも、
図5に示す複数のファン41およびフィルタ50を一括して交換する場合と比較すれば、作業は容易である。
【0036】
また、ウエハ搬送装置10は、天井部31と対向する位置に配置される複数のファン40を有する。天井部31と対向する位置に複数のファン40を設けることで、ダウンフローの流れを制御し易い。また、ダウンフローの総流量は、複数のファン40によって排気される気体の流量の合計値として規定される。したがって、1台のファン40で、クリーン室30内全体の排気を行う場合と比較して複数のファン40のそれぞれを小型化できる。この結果、ファン40の重量を低減できる。また、底部32にファン40を設ける構造は、ファン40の排気側における静圧を低減することが好ましい。本実施の形態では、
図2に示すように、ウエハ搬送装置10は、グレーチング(メッシュ形状)の床面FLの上に配置されている。
図2に示すように、ウエハ搬送装置10が配置される床面FLに気体を排出する複数の開口部が設けられている場合、ファン40の排気側における静圧を低減することができるので、底部32に取り付けられた複数のファン40の送風特性の低下を抑制できる。
【0037】
ファン40が収容される開口部32Hのそれぞれは、
図1に示すように、底部32(
図2参照)において、行列状に配置される。
図1に示す例では、X方向に沿って4列の開口部32Hが配列され、Y方向に沿って2行の開口部32Hが配列される。ロボット20の走行軸21は、Y方向において、互いに隣り合う開口部32Hの間の領域上に配置される。また、走行軸21は、Y方向において、互いに隣り合う開口部32Hのそれぞれの一部分に重なっている。この場合、ロボット20と格納容器2との間、あるいはロボット20と処理室3との間において、ウエハ1の受け渡しを行う際に、ウエハ1の直下の領域にファン40が配置される。また、複数の開口部32Hのうちの一部は、アライメントユニット60の一部と重なっている。この場合、ロボット20とアライメントユニット60との間において、ウエハ1の受け渡しを行う際に、ウエハ1の直下の領域にファン40が配置される。このように、ロボット20が他の装置との間でウエハ1の受け渡しを行う際に、ウエハ1の直下にファン40が配置される場合、ウエハ1の直下にダウンフローが形成されるので、ウエハ1の裏面側への異物の付着を防止し易い。
【0038】
なお、ウエハ搬送装置10の場合、8個の開口部32Hを備え、その8個の開口部32Hのそれぞれにファン40が取り付けられている。ただし、開口部32Hの数および開口面積は、
図1〜
図3の例には限定されない。開口部32Hの開口面積が大きい場合、大型のファン40を取り付けることができる。この場合、開口部32Hの数は、8個より少なくできる。また例えば、開口部32Hの開口面積を
図1に示す例よりもさらに小さくした場合、開口部32Hの数が8個より多い場合がある。ウエハ搬送装置10の変形例には、開口部32Hおよびファン40の数が1個の装置も含まれる。ただし、クリーン室30内の気流をバランスよく制御する観点からは、開口部32Hおよびファン40が複数個配置されることが好ましい。
【0039】
<変形例1>
以下、
図1〜
図4を用いて説明したウエハ搬送装置10の複数種類の変形例について説明する。
図6は、
図2に示すウエハ搬送装置の変形例を示す断面図である。
図6に示すウエハ搬送装置10Aは、クリーン室30の天井部31側から底部32側に向かう気流を形成するファン40の取り付け位置が、
図2に示すウエハ搬送装置10と相違する。
【0040】
詳しくは、ウエハ搬送装置10Aの場合、底部32に設けられた開口部32Hには、複数の排気経路42が接続される。複数の排気経路42のそれぞれには、ファン40が接続される。複数のファン40のそれぞれは、クリーン室30(詳しくは、クリーン室30の側壁部33)から離れた位置に配置される。
【0041】
本変形例の場合、ファン40はクリーン室30から離れた位置に配置され、クリーン室30には、ファン40は取り付けられていない。このため、ファン40の回転動作に伴う振動が、クリーン室30に伝達され難いので、クリーン室30内での塵など粒子の発生を抑制できる。また、クリーン室30の外部にファン40が設けられている場合、ファン40の交換作業を容易に行うことができる。
【0042】
また、本変形例の場合、床面FLとクリーン室30の底部32との間の空間が排気経路42に接続される。このため、
図2を用いて説明した例のように、床面FLがグレーチングになっているよりも、
図6に示す床面FLのように、一様な平面になっていることが好ましい。
【0043】
ウエハ搬送装置10Aの場合、クリーン室30の外部に配置されたファン40の排気力を利用してダウンフローを形成する。この場合、排気経路42に近い位置に配置される開口部32Hでは、排気経路42から遠い位置に配置される開口部32Hと比較して流量が多く成り易い。したがって、各開口部32Hの流量のバラつきを抑制する観点からは、排気経路42の数が多い方が良い。なお、各開口部32Hの流量のバラつきを抑制する観点からは、
図2に示すウエハ搬送装置10のように、天井部31と対向する位置に複数のファン40が配置されていることが特に好ましい。
図6に示すウエハ搬送装置10Aは、上記した相違点を除き、
図2に示すウエハ搬送装置10と同様である。したがって、重複する説明は省略する。
【0044】
<変形例2>
図7は、
図6に示すウエハ搬送装置の変形例を示す断面図である。
図7に示すウエハ搬送装置10Bは、クリーン室30の天井部31側から底部32側に向かう気流を形成するファン40の取り付け位置が、
図2に示すウエハ搬送装置10および
図6に示すウエハ搬送装置10Aを組み合わせた構造になっている。
【0045】
詳しくは、ウエハ搬送装置10Bの場合、ウエハ搬送装置10Bは、クリーン室30の底部32において、天井部31と対向する位置に配置される複数のファン40Aと、複数の排気経路42のそれぞれに接続され、クリーン室30から離れた位置に配置される複数のファン40Bと、を有する。ファン40Aの回転速度は、ファン40Bの回転速度より遅い。
【0046】
ウエハ搬送装置10Bの場合、主に、クリーン室30の外部に配置されたファン40Bの排気力を利用してダウンフローを形成する。また、天井部31と対向する開口部32H内に取り付けられた複数のファン40Aのそれぞれは、クリーン室30内の気流のバランスを調整する補助的なファンとして動作する。
【0047】
上記したように、
図6に示すウエハ搬送装置10Aの場合、排気経路42に近い位置に配置される開口部32Hでは、排気経路42から遠い位置に配置される開口部32Hと比較して流量が多く成り易い。
図7に示すウエハ搬送装置10Bは、複数の開口部32Hのそれぞれに補助的に動作するファン40Aを取り付けることにより、各開口部32Hの流量のバラつきを抑制することができる。
【0048】
また、複数のファン40Aのそれぞれは、回転数を低く設定することができるので、ファン40Aが回転することにより生じる振動の影響を低減できる。したがって、ウエハ搬送装置10Bは、
図2に示すウエハ搬送装置10と比較して、ファン40Aの回転に伴う振動の影響を低減できる。
図7に示すウエハ搬送装置10Bは、上記した相違点を除き、
図6に示すウエハ搬送装置10Aと同様である。したがって、重複する説明は省略する。
【0049】
<変形例3>
図8は、
図2に示すウエハ搬送装置の他の変形例を示す断面図である。
図8に示すウエハ搬送装置10Cは、クリーン室30の天井部31側から底部32側に向かう気流を形成するファン40に加え、クリーン室30の側壁部33に取り付けられた側壁ファン43を備えている点で、
図2に示すウエハ搬送装置10と相違する。
【0050】
詳しくは、ウエハ搬送装置10Cは、クリーン室30の側壁部33に設けられた開口部33Hに取り付けられた側壁ファン43および側壁フィルタ51を有する。クリーン室30内には、側壁ファン43および側壁フィルタ51を介して外部から気体が供給される。
図8に示す例では、側壁フィルタ51は、開口部33Hを覆うように取り付けられる。ただし、開口部33Hから流入する気体を側壁フィルタ51によりフィルタリングすることができれば、側壁ファン43および側壁フィルタ51を取り付ける方法は、
図8に示す例の他種々の変形例が適用可能である。例えば、開口部33H内に側壁フィルタ51および側壁ファン43のうち、いずれか一方、あるいは両方が埋め込まれていてもよい。
【0051】
図8に示す複数のファン40は、クリーン室30内の気体を外部に排出する、所謂排気ファンである。一方、側壁部33に取り付けられた側壁ファン43は、外部からクリーン室30内に向かって気体を供給する吸気ファンである。
図2に示すウエハ搬送装置10のように、排気ファンのみを備えるウエハ搬送装置10の場合、クリーン室30内への吸気経路が自然吸気となるので、予期しない位置からフィルタ50を介さずに気体が侵入することを防止するため、クリーン室30には高い気密性が要求される。
【0052】
一方、
図8に示すウエハ搬送装置10Cの場合、吸気ファンである側壁ファン43を介してクリーン室30内に気体が供給されるので、クリーン室30の内部と外部の気圧差を小さくすることができる。クリーン室30の内部と外部の気圧差が小さくなれば、クリーン室30に要求される気密性能の下限値を引き下げることができる。
【0053】
また、ウエハ搬送装置10Cが備える側壁ファン43および側壁フィルタ51は、クリーン室30の側壁部33に取り付けられる。このため、側壁フィルタ51を定期的に交換する場合、側壁ファン43および側壁フィルタ51を一括して交換する必要がある。しかし、側壁部33に取り付けられた側壁ファン43および側壁フィルタ51を交換する作業は、
図5に検討例として示したウエハ搬送装置11のファン41およびフィルタ50を一括して交換する作業と比較して、簡単に行うことができる。
【0054】
ところで、クリーン室30の内部と外部の気圧差を小さくすることに着目した場合、側壁ファン43および側壁フィルタ51は、側壁部33の任意の位置に取り付けることができる。ただし、
図8に示すウエハ搬送装置10Cの場合、以下の位置に側壁ファン43および側壁フィルタ51が取り付けられる。すなわち、ウエハ搬送装置10Cは、クリーン室30内に配置され、ウエハ1(
図1参照)の位置合わせを行う位置合わせ機構部であるアライメントユニット60を有する。開口部33Hは、側壁部33のうちアライメントユニット60に最も近接する部分の上方に設けられる。
【0055】
クリーン室30の底部32の面積を小さくして、クリーン室30の体積を低減させる観点からは、アライメントユニット60は側壁部33の近くに配置することが好ましい。アライメントユニット60はその側面が側壁部33と対向するように配置される。アライメントユニット60の側面は、側壁部33と接していることが好ましく、接していない場合でも、実質的に接しているのと同様に見做せる程度に近接していることが好ましい。
【0056】
この時、アライメントユニット60の直下には、開口部32Hが配置されない領域が存在する。このため、アライメントユニット60の上方に、ダウンフローが形成され難い場合がある。
図8に示すように、開口部33Hは、側壁部33のうちアライメントユニット60に最も近接する部分の上方に設けられる。この場合、アライメントユニット60の上方の空間において、ダウンフローを形成することができる。この結果、アライメントユニット60上に粒子が堆積することを防止できる。
【0057】
なお、
図8では、側壁ファン43および側壁フィルタ51が、底部32と平行な水平方向を向くように配置された例を示している。図示は省略するが、変形例として、ダウンフローを形成し易いように側壁ファン43および側壁フィルタ51を取り付ける場合もある。例えば、側壁ファン43および側壁フィルタ51が底部32の方向を向くように側壁部33に対して傾斜して取り付ける方法がある。また例えば、側壁フィルタ51の内側に整流板を設け、気体を整流板に向かって送ることで、ダウンフローを形成する方法がある。
【0058】
<変形例4>
図9は、
図8に示すウエハ搬送装置の変形例を示す断面図である。
図9に示すウエハ搬送装置10Dは、クリーン室30の側壁部33に、複数の側壁ファン43を備えている点で、
図8に示すウエハ搬送装置10Cと相違する。
【0059】
ウエハ搬送装置10Dは、クリーン室30の側壁部33に設けられた複数の開口部33Hに取り付けられた複数の側壁ファン43および複数の側壁フィルタ51を有する。クリーン室30内には、複数の側壁ファン43および複数の側壁フィルタ51を介して外部から気体が供給される。
図9に示す例では、側壁フィルタ51は、開口部33Hを覆うように取り付けられる。ただし、開口部33Hから流入する気体を側壁フィルタ51によりフィルタリングすることができれば、側壁ファン43および側壁フィルタ51を取り付ける方法は、
図9に示す例の他種々の変形例が適用可能である。例えば、開口部33H内に側壁フィルタ51および側壁ファン43のうち、いずれか一方、あるいは両方が埋め込まれていてもよい。
【0060】
ウエハ搬送装置10Dのように、複数の側壁ファン43を取り付けることにより、クリーン室30に気体を供給する経路を分散させることができるので、クリーン室30には、バランスよく気体が供給される。また、複数の吸気ファンを用いて気体を供給する場合、複数の吸気ファンのそれぞれは小さいサイズのものを用いることができる。このため、ウエハ搬送装置10Dの場合、
図8に示すウエハ搬送装置10Cと比較して、側壁ファン43のサイズが小さい。この場合、複数の側壁ファン43および側壁フィルタ51のそれぞれを交換する際の作業は、簡単になる。ただし、
図8に示すウエハ搬送装置10Cと比較して、側壁フィルタ51の交換箇所は増加するので、作業時間自体は長くなる場合もある。
【0061】
また、ウエハ搬送装置10Dは、
図8を用いて説明したウエハ搬送装置10Cと同様に、クリーン室30内に配置され、ウエハ1(
図1参照)の位置合わせを行うアライメントユニット60を有する。複数の開口部33Hのうちの一つは、側壁部33のうちアライメントユニット60に最も近接する部分の上方に設けられる。これにより、上記したように、アライメントユニット60の上方の空間において、ダウンフローを形成することができる。なお、
図9に示す例の変形例として、
図8を用いて説明したように、ダウンフローを形成し易いように側壁ファン43および側壁フィルタ51を取り付ける構造を適用することもできる。
【0062】
また、上記では、種々の変形例を説明したが、各変形例を適宜組み合わせて適用することができる。例えば、
図10に示すウエハ搬送装置10Eは、
図6を用いて説明したウエハ搬送装置10Aの排気構造と、
図9を用いて説明したウエハ搬送装置10Dの吸気構造とを組み合わせた実施態様である。ウエハ搬送装置10Eの場合、開口部32H内にファン40(
図7参照)が配置されないが、複数の側壁ファン43を側壁部33に取り付けることで、各開口部32Hから排気される気体の流量のバランスをある程度制御することができる。
【0063】
以上、本実施の形態の代表的な変形例について説明したが、本発明は、上記した実施例や代表的な変形例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形例が適用できる。