【解決手段】固体撮像素子は、フォトダイオードと、フォトダイオードに発生した信号電荷を増幅するアンプトランジスタ(TR1)を含む複数の薄膜トランジスタを有し、行列状に配列された複数のピクセル(P)と、一群の前記ピクセルに共通して設けられ、かつ前記薄膜トランジスタの電極に接続される複数の信号線とを備える。少なくともアンプトランジスタ(TR1)の電極に接続される信号線のうちのアンプ電源電圧信号線(APL)は、アンプトランジスタ(TR1)の電極が形成される配線層より上層の配線層で形成され、アンプトランジスタ(TR1)の少なくとも1つの電極の上方に配置されている。
前記アンプトランジスタの前記電極に接続される前記信号線は、前記アンプトランジスタに電源電圧を印加する電源電圧信号線であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
前記アンプトランジスタを除く前記薄膜トランジスタの前記電極に接続される前記信号線のうちの一部の前記信号線は、当該薄膜トランジスタの前記電極を形成する配線層より上層の配線層で形成され、当該薄膜トランジスタの少なくとも1つの前記電極の上方に配置され、かつ当該電極と接続されており、前記ピクセルの出力信号線であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
前記アンプトランジスタを除く複数の薄膜トランジスタに接続される前記信号線のうちの一部の前記信号線は、当該薄膜トランジスタの前記電極を形成する配線層より上層の配線層で形成され、当該薄膜トランジスタの少なくとも1つの前記電極の上方に配置され、かつ当該電極と接続されており、前記光電変換素子の状態をリセットするための基準電圧を印加するリセット電圧信号線であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
前記薄膜トランジスタのドレイン電極およびソース電極と、前記ドレイン電極および前記ソース電極よりも上層に形成された前記信号線との間に設けられた層間絶縁膜の単位面積当たりの容量は、前記薄膜トランジスタのゲート電極と当該ゲート電極の上方に形成される半導体層との間に設けられたゲート酸化膜の単位面積当たりの容量よりも小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
前記アンプトランジスタの上方に配置される前記信号線は、前記アンプトランジスタの半導体層に形成されるチャネル領域に重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
【背景技術】
【0002】
入射した放射線、例えばX線の線量に応じた電気信号を出力するセンサ素子としては、X線を電気信号に直接変換する直接変換型のセンサ素子が知られている。また、センサ素子としては、X線をシンチレータにより光に変換してからフォトダイオード等の光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型のセンサ素子も知られている。
【0003】
X線画像撮像用のパネルは、上記センサ素子がピクセル毎に設けられ、当該ピクセルが基板上に2次元マトリクス状に配置されることにより構成されている。このようなパネルでは、各ピクセルの制御に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)素子が使われている。そして、直接変換型および間接変換型のセンサ素子の何れにおいても、X線の線量に応じて発生した電気信号(電荷)が各ピクセル内の容量に蓄積されるようになっている。
【0004】
この蓄積された電荷を、TFT素子を介して、パネルの外部にある増幅器に転送するセンサ素子は、パッシブピクセル型センサと呼ばれている。また、蓄積された電荷を、TFT素子を増幅素子として使うことにより増幅して外部の回路に伝えるセンサ素子は、アクティブピクセル型センサ(APS:Active Pixel Sensor)と呼ばれている。アクティブピクセル型センサは、蓄積された電荷をピクセル内で増幅できるため、パッシブピクセル型センサと比較して、同一の線量に対して増幅された出力を得ることができる。このため、アクティブピクセル型センサには、低照射量であっても、適切な信号が得られるという利点がある。
【0005】
アクティブピクセル型センサは、単一のトランジスタでも構成可能なパッシブピクセル型センサとは異なり、複数のトランジスタで構成される必要がある。
図6は、従来の固体撮像素子のピクセルの構成を示す平面図である。
図7は、
図6のY−Y線での構造を示す断面図である。
【0006】
図6に示すように、ピクセル内にアンプトランジスタTR101、リセットトランジスタTR102、およびリードトランジスタTR103の各TFTが配置されている。
【0007】
アンプトランジスタTR101のドレイン電極D101には、アンプ電源電圧信号線APLを介してアンプ電源電圧VAが印加される。リセットトランジスタTR102のゲート電極G102には、行毎にリセット制御信号Resetが入力され、リセットトランジスタTR102のドレイン電極D102には、列毎にリセット電圧信号線RVLを介してリセット電圧VRが入力される。リードトランジスタTR103のゲート電極G103には、行毎にリード制御信号Readが入力される。また、リードトランジスタTR103のソース電極S103からは、出力信号線OLを介して列毎に信号出力OUTが出力される。
【0008】
図7に示すように、シリコン基板101上には、アンプトランジスタTR101のゲート電極G101と、リードトランジスタTR103のゲート電極G103とが形成されている。また、シリコン基板101上には、
図6に示すリセットトランジスタTR102のゲート電極G102も形成されている。
【0009】
シリコン基板101上には、ゲート電極G101〜G103を覆うようにゲート酸化膜102が形成されている。ゲート電極G101,G103のそれぞれの上には、ゲート酸化膜102を介して、アンプトランジスタTR101の半導体層CH101(酸化物半導体層)と、リードトランジスタTR103の半導体層CH103(酸化物半導体層)が形成されている。また、ゲート電極G102の上には、ゲート電極G102を介して、リセットトランジスタTR102の半導体層CH102(酸化物半導体層)が形成されている(
図6参照)。
【0010】
ゲート酸化膜102および半導体層CH101の上には、アンプトランジスタTR101のドレイン電極D101が形成されている。ゲート酸化膜102および半導体層CH103の上には、リードトランジスタTR103のソース電極S103が形成されている。ゲート酸化膜102および半導体層CH101,CH103の上には、アンプトランジスタTR101のソース電極とリードトランジスタTR103のドレイン電極とが一体的に形成された電極部103が形成されている。
【0011】
また、ゲート酸化膜102およびリセットトランジスタTR102のチャネルの上には、
図6に示すように、リセットトランジスタTR102のドレイン電極D102およびソース電極S102が形成されている。
【0012】
ゲート酸化膜102上には、半導体層CH101,CH103と、リセットトランジスタTR102のチャネルと、ドレイン電極D101,D102と、ソース電極S102,S103と、電極部103とを覆うように、層間絶縁膜104が形成されている。層間絶縁膜104上には、間隔をおいて、リセット電圧信号線RVL、出力信号線OLおよびアンプ電源電圧信号線APLが形成されている。層間絶縁膜104上には、リセット電圧信号線RVL、出力信号線OLおよびアンプ電源電圧信号線APLを覆うように、層間絶縁膜105が形成されている。
【0013】
また、層間絶縁膜104には、層間絶縁膜104内を貫くように、層間ビアホール106〜110が形成されている。層間ビアホール106は、ドレイン電極D101とアンプ電源電圧信号線APLとを接続する。層間ビアホール107は、ソース電極S103と出力信号線OLとを接続する。層間ビアホール108は、ドレイン電極D102とリセット電圧信号線RVLとを接続する。
【0014】
図6に示すように、層間ビアホール109は、接続部111と、ソース電極S102とを接続する。層間ビアホール110は、接続部112,113を接続する。接続部111,112は、リセット電圧信号線RVL、出力信号線OLおよびアンプ電源電圧信号線APLと同じく、層間絶縁膜104上に形成されている。接続部113は、ドレイン電極D101などと同じく、ゲート酸化膜102上に形成されている。
【0015】
ここで、
図6および
図7においては、各ピクセルに設けられるフォトダイオードの下部電極より上層の構造を省略している。層間絶縁膜105には、層間絶縁膜105を貫通するように層間ビアホール114,115が形成されている。接続部111は、層間ビアホール114を介して図示しないフォトダイオードの下部電極(カソード)と接続されている。一方、接続部112は、層間ビアホール115を介して上記下部電極と接続されている。
【0016】
また、ゲート酸化膜102には、ゲート酸化膜102を貫通するように、層間ビアホール116が形成されている。層間ビアホール116は、接続部113と、ゲート電極G101から伸びる配線部117とを接続する。
【0017】
ゲート電極G101〜G103は、シリコン基板101上の第1配線層に設けられている。ソース電極S102,S103、ドレイン電極D101,D102および電極部103は、ゲート酸化膜102上の第2配線層に設けられている。リセット電圧信号線RVL、出力信号線OLおよびアンプ電源電圧信号線APLは、層間絶縁膜104上の第3配線層に設けられている。
【0018】
リセット電圧信号線RVLおよびアンプ電源電圧信号線APLは、全てのピクセルで共通に設けられている。アンプ電源電圧信号線APLは、マトリックス内では列毎に、第2配線層と第3配線層との間を貫通する層間ビアホール106を介して、ドレイン電極D101と接続されている。
図6に示すように、リセット電圧信号線RVLは、マトリックス内では列毎に、第2配線層と第3配線層との間を貫通する層間ビアホール108を介して、第2配線層に形成されたドレイン電極D102と接続されている。ドレイン電極D102は、第2配線層に形成された、リセットトランジスタTR102の半導体層CH102に接続されている。
【0019】
また、リセット電圧信号線RVLおよびアンプ電源電圧信号線APLは、図示はしないが、マトリックス外で接続されている。
【0020】
全てのピクセルに共通する信号であるフォトダイオード(図示せず)に印加するバイアス電圧の配線は、図示していないフォトダイオードより上層で接続されている。アンプトランジスタTR101、リセットトランジスタTR102およびリードトランジスタTR103は、第1配線層にゲート電極G101〜G103が形成され、第2配線層にソース電極およびドレイン電極が形成されるバックチャネルエッチ型のTFTである。
【0021】
リセット信号Resetを供給するリセット信号線RTLおよびリード信号Readを供給するリード信号線RDLは、ゲート電極G101〜G103が形成される第1配線層に、水平方向にピクセルを貫くように形成されている。リセット信号線RTLは、リセットトランジスタTR102のゲート電極G102に接続されている。リード信号線RDLは、リードトランジスタTR103のゲート電極G103に接続される。
【0022】
一方、出力信号線OLおよびアンプ電源電圧信号線APLは、リセット信号線RTLおよびリード信号線RDLと垂直な方向にピクセルを各列に共通に貫くように配置される。出力信号線OLは、リードトランジスタTR103のソース電極S103に接続されている。アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR101のドレインD電極101に接続されている。
【0023】
各列に共通するリセット電圧信号線RVL、アンプ電源電圧信号線APLおよび出力信号線OLは、上述のように、上記のバックチャネルエッチ型のTFTを構成する第1配線層および第2配線層との間に層間絶縁層104を挟んだ第3配線層に形成されている。層間絶縁膜104は、ゲート酸化膜102よりも単位面積当たりの容量が小さい。このような構造は、特許文献1に開示されている。このような構造によれば、寄生容量が小さくなるので、寄生抵抗および寄生容量に起因して発生する熱雑音を小さく抑えることができる。その結果として、良好なS/Nを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、
図1〜
図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0033】
(固体撮像素子の概略構成)
本実施形態に係る固体撮像素子1の構成について、
図1に基づいて説明する。
図1は、固体撮像素子1の構成を示すブロック図である。固体撮像素子1は、アクティブピクセル型の固体撮像素子であり、蓄積された容量をピクセル内で増幅できるように構成されている。
【0034】
図1に示すように、固体撮像素子1は、撮像センサ2と、制御装置7(制御部)とを備えている。撮像センサ2は、撮像センサ本体3と、電圧生成部4と、行選択部5と、読出部6とを含んでいる。また、固体撮像素子1に表示装置8を接続することにより、固体撮像素子1が出力する画像を表示装置8に表示させることが可能な撮像システムを構築することができる。
【0035】
撮像センサ本体3は、2次元マトリクス状に配置された複数のピクセルPからなるピクセルアレイAと、アレイ前面を覆う図示しないシンチレータとで構成されている。本実施の形態では、ピクセルアレイAは、例えば、列方向に512個配置され、かつ行方向に512個配置されたピクセルPで構成されている。ただし、ピクセルアレイAにおける列方向および行方向のピクセルPの個数はこの例に限られない。シンチレータは、X線を受光し、受光したX線を光に変換するX線光変換機能を有する。
【0036】
ピクセルアレイAにおいて、同一列に並ぶピクセルPは一群を成しており、共通の信号線に接続されるとともに、同一行に並ぶピクセルPは一群を成しており、共通の信号線に接続される。これらの信号線については、後に詳しく説明する。
【0037】
電圧生成部4は、ピクセルPに印加する電圧を生成し、生成した電圧を列毎に印加する。また、行選択部5は、電圧生成部4が生成した電圧を印加する行を選択する。電圧生成部4が列毎に電圧を印加し、行選択部5が電圧を印加する行を選択することにより、ピクセルP単位での電圧印加が可能となっている。
【0038】
読出部6は、ピクセルPからの出力を読み出し、制御装置7に送信する。制御装置7は、電圧生成部4および行選択部5の動作タイミングを制御する。そして、制御装置7は、読出部6が読み出したピクセルPの情報を表示装置8に出力する。制御装置7は、例えば回路で構成することができる。
【0039】
(ピクセルの構成)
まず、ピクセルPの回路構成について、
図2に基づいて説明する。
図2は、ピクセルPの構成を示す回路図である。
【0040】
図2に示すように、ピクセルPは、フォトダイオードPD(光電変換素子)と、アンプトランジスタTR1と、リセットトランジスタTR2と、リードトランジスタTR3とを含んでいる。アンプトランジスタTR1と、リセットトランジスタTR2と、リードトランジスタTR3は、薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。
【0041】
リセットトランジスタTR2は、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1にリセット電圧VRを印加するためのトランジスタである。リセット電圧VRは、フォトダイオードPDの状態(フォトダイオードPDが発生させた電荷)をリセットするための基準電圧である。リセットトランジスタTR2のゲート電極G2には、リセット信号Resetが入力される。
【0042】
フォトダイオードPDのアノードには、バイアス電圧VBが印加される。フォトダイオードPDのカソードは、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1に接続されている。このため、フォトダイオードPDが放射線を受けて電荷(信号電荷)を発生すると、フォトダイオードPDに接続されたアンプトランジスタTR1のゲート電極G1の電圧がフォトダイオードPDのアノードの容量に応じて変化する。
【0043】
アンプトランジスタTR1は、フォトダイオードPDに発生した信号電荷(電気信号)を増幅するトランジスタである。具体的には、アンプトランジスタTR1は、ゲート電極G1の電圧変化を、ドレイン電極D1とソース電極S1との間の電流変化として出力する。ドレイン電極D1には、アンプ電源電圧VAが印加されているため、アンプトランジスタTR1により上記電気信号が増幅される。アンプトランジスタTR1は、例えば電界効果トランジスタ(FET:Field effect transistor)であってもよい。
【0044】
リードトランジスタTR3は、アンプトランジスタTR1のソース電極S1とドレイン電極D1との間の電流をピクセルPの外部に出力するためのトランジスタであり、上述した制御装置7を介して読出部6により制御される。
【0045】
また、ピクセルPから出力された電流は、読出部6に出力され、読出部6の図示しないAFE(Analog Front End)により増幅され、さらに、A/D変換されて制御装置7に出力される。
【0046】
なお、リードトランジスタTR3とアンプトランジスタTR1との接続関係は逆であってもよい。すなわち、アンプ電源電圧VAが印加される信号線とアンプトランジスタTR1との間にリードトランジスタTR3を配置する構成と、出力信号OUTが出力される信号線とアンプトランジスタTR1との間にリードトランジスタTR3を配置する構成とは、同様に動作する。また、電荷を増幅する構成であれば、ここに示さない他の構成であっても勿論よい。
【0047】
次に、ピクセルPの構造を説明する。
図3は、ピクセルPの構成を示す平面図である。
図4は、
図3のX−X線における矢視断面図である。
【0048】
図3に示すように、ピクセルPは、
図6および
図7に示す従来の固体撮像素子におけるピクセルと比べて、アンプ電源電圧信号線APL、リセット電圧信号線RVLおよび出力信号線OLの配置関係は同じである。また、アンプトランジスタTR1,TR101と、リードトランジスタTR3,TR103とのそれぞれのドレイン電極とソース電極との関係も同じである。
【0049】
図4に示すように、シリコン基板11上には、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1が形成されるとともに、リードトランジスタTR3のゲート電極G3が形成されている。
図3に示すリセットトランジスタTR2のゲート電極G2も、シリコン基板11上に形成されている。
【0050】
また、シリコン基板11上には、ゲート電極G1〜G3を覆うようにゲート酸化膜12が形成されている。ゲート酸化膜12上には、ゲート電極G1〜G3のそれぞれの上方に、アンプトランジスタTR1の半導体層CH1と、リセットトランジスタTR2の半導体層CH2(
図3に示す)と、リードトランジスタTR3の半導体層CH3とが形成されている。
【0051】
半導体層CH1上およびゲート酸化膜12上には、アンプトランジスタTR1のソース電極S1が形成されている。また、半導体層CH1上には、アンプトランジスタTR1のドレイン電極D1が形成されている。
【0052】
ソース電極S1は、間隔をおいて列方向に伸びる3つの櫛歯部を有する櫛形に形成されている。ソース電極S1の中央の櫛歯部は半導体層CH1の中央部上に配置され、ソース電極S1の両端の櫛歯部は半導体層CH1の両端部に一部が接続されるように配置される。ドレイン電極D1は、列方向に伸びる細長い形状を成しており、半導体層CH1上における、ソース電極S1の中央の櫛歯部と両側の櫛歯部との間にそれぞれ1つずつ配置されている。アンプトランジスタTR1は、上記のように構成されるソース電極S1を有することにより、マルチフィンガー構造のトランジスタとして構成されている。
【0053】
半導体層CH3上およびゲート酸化膜12上には、リードトランジスタTR3のソース電極S3およびドレイン電極D3が形成されている。また、
図3に示すように、リセットトランジスタTR2の半導体層CH2上およびゲート酸化膜12上には、リセットトランジスタTR2のソース電極S2およびドレイン電極D2が形成されている。
【0054】
ゲート酸化膜12上には、半導体層CH1〜CH3と、ソース電極S1〜S3と、ドレイン電極D1〜D3とを覆うように、層間絶縁膜13が形成されている。層間絶縁膜13の単位面積当たりの容量は、ゲート酸化膜12の単位面積当たりの容量より小さい。
【0055】
層間絶縁膜13上には、間隔をおいて、リセット電圧信号線RVL(信号線)、出力信号線OL(信号線)およびアンプ電源電圧信号線APL(信号線,電源電圧信号線)が形成されている。層間絶縁膜13上には、リセット電圧信号線RVL、出力信号線OLおよびアンプ電源電圧信号線APLを覆うように、層間絶縁膜14が形成されている。層間絶縁膜14には、図示はしないがフォトダイオードPDの下部電極が形成されている。
【0056】
リセット電圧信号線RVLは、フォトダイオードPDの状態をリセットするための基準電圧(上述したリセット電圧VR)をリセットトランジスタTR2のドレイン電極D2に印加するために設けられている。出力信号線OLは、リードトランジスタTR3によって読み出された信号を出力するために設けられている。アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1にアンプ電源電圧AVを印加するために設けられている。
【0057】
また、層間絶縁膜13には、層間絶縁膜13を貫通するように、層間ビアホール15〜20が形成されている。層間ビアホール15は、一方のドレイン電極D1と、アンプ電源電圧信号線APLの本体とを接続する。層間ビアホール16は、他方のドレイン電極D1と、アンプ電源電圧信号線APLの本体より分岐した分岐部とを接続する。層間ビアホール17は、ソース電極S3と出力信号線OLとを接続する。層間ビアホール18は、ドレイン電極D2とリセット電圧信号線RVLとを接続する。
【0058】
半導体層CH1におけるドレイン電極D1とソース電極S1との間には、チャネル領域が形成されている。当該チャネル領域上には、アンプ電源電圧信号線APL、リセット電圧信号線RVLおよびリセット電圧信号線RVLを含むいずれの信号線も配置されていない。
【0059】
層間ビアホール19は、ソース電極S2と、第3配線層に形成された接続部21の一端側とを接続する。層間ビアホール20は、接続部21の他端側と第2配線層に形成された接続部22の一端側とを接続する。
【0060】
また、ゲート酸化膜12には、ゲート酸化膜12を貫通するように、層間ビアホール23が形成されている。層間ビアホール23は、接続部22の他端側と、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1から伸びる配線部24とを接続する。
【0061】
ここで、
図3および
図4においては、フォトダイオードPDの下部電極より上層の構造を省略している。層間絶縁膜14には、層間絶縁膜14を貫通するように、層間ビアホール25が形成されている。層間ビアホール25は、上記の接続部21と、層間絶縁膜14より上層の第4配線層(図示せず)に形成されたフォトダイオードPDの下部電極(カソード)とを接続する。
【0062】
ゲート電極G1〜G3、リセット信号線RTLおよびリード信号線RDLは、シリコン基板11上の第1配線層に形成されている。ドレイン電極D1〜D3およびソース電極S1〜S3は、ゲート酸化膜12上の第2配線層に形成されている。リセット電圧信号線RVL、出力信号線OLおよびアンプ電源電圧信号線APLは、層間絶縁膜13上の第3配線層に形成されている。
【0063】
アンプトランジスタTR1、リセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3は、バックチャネルエッチのボトムゲート型TFTで構成されている。それぞれのゲート電極G1〜G3は第1配線層に形成され、それぞれのドレイン電極D1〜D3およびソース電極S1〜S3は第2配線層に形成されている。
【0064】
アンプトランジスタTR1、リセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3のそれぞれの半導体層CH1〜CH3は、例えばIn(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)により構成される酸化物半導体から成る。このような酸化物半導体は、移動度が大きく、増幅率を大きく設定できるため、APSに好適である。
【0065】
リード信号Readを供給するリード信号線RDL(信号線)、およびリセット信号Resetを供給するリセット信号線RTL(信号線)は、各行のピクセルPを貫くように行方向に配置されており、第1配線層に形成されている。また、
図3に示すように、リード信号線RDLは、リードトランジスタTR3のゲート電極G3に接続され、リセット信号線RTLは、リセットトランジスタTR2のゲート電極G2に接続されている。
【0066】
リセット電圧信号線RVLおよびアンプ電源電圧信号線APLは、全てのピクセルPで共通に設けられている。また、リセット電圧信号線RVL、アンプ電源電圧信号線APLおよび出力信号線OLは、各列のピクセルPを貫くように配置されており、第3配線層に形成されている。
【0067】
アンプ電源電圧信号線APLは、第2配線層に形成されたアンプトランジスタTR1のドレイン電極D1の上方に配置されている。出力信号線OLは、第2配線層に形成されたリセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3のそれぞれのソース電極S2,S3の上方に配置されている。リセット電圧信号線RVLは、第2配線層に形成されたリセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3のそれぞれのドレイン電極D2,D3との上方に配置されている。
【0068】
また、リセット電圧信号線RVLおよびアンプ電源電圧信号線APLは、図示はしないが、マトリックス外で接続されている。
【0069】
(固体撮像素子による効果)
上記のように構成される固体撮像素子1は、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDに発生した信号電荷を増幅するアンプトランジスタTR1を含む複数のTFTを有し、行列状に配列された複数のピクセルPとを備えている。また、固体撮像素子1は、TFTに接続され、列に共通する複数の信号線として、アンプ電源電圧信号線APL、リセット電圧信号線RVLおよび出力信号線OLを備えている。
【0070】
固体撮像素子1において、少なくともアンプトランジスタTR1に接続されるアンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1を形成する第1配線層およびアンプトランジスタTR1のソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する第2配線層より上層の第3配線層で形成されている。また、アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1のドレイン電極D1の上方に配置され、かつ層間ビアホール15,16を介してドレイン電極D1と接続されている。
【0071】
上記の構成において、アンプトランジスタTR1は、ピクセルPのそれぞれに割り当てられた面積から、概ね、必要最低限度の面積を除いた領域にアンプトランジスタTR1を配置することができる。必要最低限度の面積を占める要素としては、リセットトランジスタTR2と、リードトランジスタTR3と、行毎に共通して第1配線層に形成されるリセット信号線RTL線およびリード信号線RDLとが挙げられる。
【0072】
また、アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1のドレイン電極D1の上方に配置されるものの、ドレイン電極D1と接続されているので、ドレイン電極D1の上方に配置された部位で発生する寄生容量の影響を無視することができる。これにより、ピクセルPのサイズに対して、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1のサイズ(ゲート長×ゲート幅)を大きくすることができる。したがって、アンプトランジスタTR1で発生する1/fノイズが小さくなり、固体撮像素子のS/Nを高くすることができる。また、アンプトランジスタTR1を構成するTFTとして化合物半導体を用いた場合でも、ノイズ低減効果を向上させることができる。
【0073】
また、固体撮像素子1において、リセット電圧信号線RVLおよび出力信号線OLは、それぞれ同電位となる第2配線層で形成されたTFTの電極(ソース電極またはドレイン電極)の上方に配置され、層間ビアホール15〜18を介して当該電極に接続されている。
【0074】
この構成により、アンプ電源電圧信号線APLと同様、リセット電圧信号線RVLおよび出力信号線OLは、TFTの上方に配置されるものの、同電位の電極の上方に配置された場所においては、その箇所で発生する寄生容量の影響を無視することができる。これにより、寄生容量に起因するノイズを小さくすることができ、固体撮像素子1のS/Nを高くすることができる。
【0075】
また、出力信号線OLと、その下に配置されたTFTやその周辺に設けられた配線との間に寄生容量が発生する。寄生容量に起因するノイズが発生するが、出力信号OUTは、アンプトランジスタTR1によって増幅された信号であるので、当該ノイズによる固体撮像素子のS/Nへの影響は1/利得と小さい。それゆえ、上記の寄生容量に起因するノイズを小さくすることができ、固体撮像素子1のS/Nを高くすることができる。
【0076】
また、アンプトランジスタTR1は、櫛形に分岐して形成されるソース電極S1を有することにより、マルチフィンガー構造に構成されている。
【0077】
これにより、アンプトランジスタTR1を形成するために許容された面積においてL×W(Lはチャネル長,Wはチャネル幅)を効率的に大きくすることができるので、好適である。また、
図4に示すように、櫛形のソース電極S1の中央部分の両側に配置されたドレイン電極D1は、半導体層CH1と第1配線層と第2配線層とが平坦に形成された領域上に配置されることになる。それゆえ、その上方に配置された配線に接続する層間ビアホール15,16を安定して形成することができる。したがって、製造歩留りが向上するので、信頼性が高い。
【0078】
なお、リセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3も、アンプトランジスタTR1のようなマルチフィンガー構造で構成されていてもよい。これにより、リセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3についても、上記と同様な効果を得ることができる。
【0079】
また、第2配線層と第3配線層との間の層間絶縁膜13の単位面積当たりの容量は、ゲート酸化膜12の単位面積当たりの容量より小さい。これは、層間絶縁膜13をゲート酸化膜12より十分に大きくすることで容易に実現される。
【0080】
この構成により、アンプ電源電圧信号線APL、リセット電圧信号線RVLおよび出力信号線OLと、それぞれの下方に配置されたTFTの自身とは異なる電位を持つ信号線との間に生じる寄生容量に起因する熱雑音を小さくすることができる。それゆえ、固体撮像素子1のS/Nを高くすることができる。さらに、フォトダイオードPDの図示しない下部電極などの、半導体層CH1より上層に配置されている配線が、その半導体層CH1に対して本来のボトム側のゲート電極G1とは別に第2のゲート電極として機能することによる意図しない信号変化を小さくすることができる。
【0081】
また、アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1のドレイン電極D1の上方に配置されるが、半導体層CH1に形成されるチャネル領域に重ならないように当該チャネル領域の上方には配置されていない。
【0082】
この構成により、アンプトランジスタTR1の配置面積を限定することなくアンプトランジスタTR1の1/fノイズを低減することができる。それに加えて、アンプ電源電圧信号線APLが、アンプトランジスタTR1のチャネル領域に対して本来のボトム側のゲート電極G1とは別に第2のゲート電極として機能することによる意図しない信号変化を防ぐことができる。
【0083】
なお、本実施形態では、アンプトランジスタTR1、リセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3を構成するTFTとして、バックチャネルエッチ型TFTを例示したが、この例に限定されない。上記TFTは、エッチストッパ型や、トップゲート型TFTなどの、他の構成であってもよいのは勿論である。
【0084】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、
図1、
図2、
図4および
図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態において実施形態1における構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。本実施形態では、実施形態1と異なる構成について主に説明する。
【0085】
(固体撮像素子の概略構成)
図1に示すように、本実施形態に係る固体撮像素子1も、実施形態1に係る固体撮像素子1と同じく、撮像センサ2と、制御装置7とを備えている。また、
図2に示すように、固体撮像素子1におけるピクセルPも、実施形態1におけるピクセルPと同じく、フォトダイオードPDと、アンプトランジスタTR1と、リセットトランジスタTR2と、リードトランジスタTR3とを含んでいる。
【0086】
(ピクセルの構成)
図5は、本実施形態に係る固体撮像素子1におけるピクセルPの構成を示す平面である。
【0087】
図5に示すように、本実施形態に係るピクセルPは、実施形態1の固体撮像素子1におけるピクセルPと比べて、リセット信号線RTLとリード信号線RDLとの間隔が狭まっており、アンプ電源電圧信号線APLと出力信号線OLとの配置が入れ替わっている。
【0088】
アンプ電源電圧信号線APLは、ピクセルPのほぼ中央に配置されている。また、アンプ電源電圧信号線APLは、2つの分岐部APL1と、2つの接続部APL2とを有している。分岐部APL1は、分岐部APL1の両側端から、リード信号線RDLを間においてリセット信号線RTLと平行に伸びるように形成されている。接続部APL2は、分岐部APL1の端部から列方向の両側に伸びるように短く形成されている。
【0089】
出力信号線OLは、分岐部OL1と、接続部OL2とを有している。分岐部OL1は、分岐部OL1の内側の側端から、リセット信号線RTLとリード信号線RDLとの間で行方向に伸びるように形成されている。接続部OL2は、分岐部OL1の端部から列方向の両側に伸びるように短く形成されている。
【0090】
また、
図4に示すように、ピクセルPは、シリコン基板11上に積層された、ゲート酸化膜12および層間絶縁膜13,14を有している。なお、
図4については、ゲート酸化膜12および層間絶縁膜13,14の積層構造に言及するために参照するのみであって、本実施形態におけるアンプトランジスタTR1およびリードトランジスタTR3の構造は、
図4に示す構造と異なる。
【0091】
層間絶縁膜13には、層間絶縁膜13を貫通するように、層間ビアホール30〜34が形成されている。また、ゲート酸化膜12には、ゲート酸化膜12を貫通するように、層間ビアホール35が形成されている。また、層間絶縁膜14には、層間絶縁膜14を貫通するように、層間ビアホール36が形成されている。
【0092】
リードトランジスタTR3は、アンプ電源電圧信号線APLを間において、リセットトランジスタTR2と行方向(一方向)に並ぶように、リセット信号線RTLとリード信号線RDLとの間に配置されている。アンプトランジスタTR1は、リード信号線RDLを間において、リセットトランジスタTR2およびリードトランジスタTR3と平行に並ぶように配置されている。
【0093】
アンプトランジスタTR1は、ほぼリセット信号線RTLとリード信号線RDLとの間隔の幅を有するゲート電極G1および半導体層CH1を含んでいる。また、アンプトランジスタTR1は、3つのドレイン電極D1を有している。ドレイン電極D1は、細長く形成されており、半導体層CH1の上に間隔をおいて行方向に向くように配置されている。また、アンプトランジスタTR1のソース電極S1は、半導体層CH1の上に間隔をおいて列方向に伸びる4つの櫛歯部を有する櫛形に形成されている。
【0094】
1つのドレイン電極D1は、アンプ電源電圧信号線APLの本体の下方における半導体層CH1のほぼ中央の位置に配置されている。他の1つのドレイン電極D1は、アンプ電源電圧信号線APLの出力信号線OL側に設けられた接続部APL2の下方に配置されている。さらに他の1つのドレイン電極D1は、アンプ電源電圧信号線APLのリセット電圧信号線RVL側に設けられた接続部APL2の下方に配置されている。
【0095】
ソース電極S1の1つの櫛歯部は、中央のドレイン電極D1と出力信号線OL側のドレイン電極D1との間に配置され、他の1つの櫛歯部は、中央のドレイン電極D1とリセット電圧信号線RVL側のドレイン電極D1との間に配置されている。ソース電極S1のさらに他の2つの櫛歯部のうち一方は、出力信号線OLの下方に配置され、他方は、リセット電圧信号線RVLの下方に配置されている。
【0096】
中央のドレイン電極D1とアンプ電源電圧信号線APLの本体とは、層間ビアホール30を介して接続されている。両側の2つのドレイン電極D1と2つの接続部APL2とは、それぞれ2つの層間ビアホール31を介して接続されている。
【0097】
アンプトランジスタTR1は、上記のように、櫛形に分岐して形成されるソース電極S1を有することにより、マルチフィンガー構造に構成されている。また、アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1のドレイン電極D1の上方に配置されるが、半導体層CH1に形成されるチャネル領域に重ならないように当該チャネル領域の上方には配置されていない。同様に、リセット電圧信号線RVLおよび出力信号線OLも当該チャネル領域の上方に配置されていない。
【0098】
リセットトランジスタTR2のソース電極S2は、アンプトランジスタTR1側に伸びる配線部を兼ねるように大きく形成されている。ソース電極S2のアンプトランジスタTR1側の端部は、アンプトランジスタTR1のゲート電極Gから伸びる配線部と層間ビアホール32を介して接続されている。
【0099】
また、ソース電極S2は、第3配線層に形成された接続部37の一端側と層間ビアホール32を介して接続されている。接続部37の他端側は、上述した第4配線層に形成されたフォトダイオードPDの下部電極と層間ビアホール36を介して接続されている。
【0100】
リードトランジスタTR3のソース電極S3は、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1から伸びるように形成された配線部38と接続されている。また、リードトランジスタTR3は、2つのドレイン電極D3を有している。一方のドレイン電極D3は、半導体層CH3のアンプ電源電圧信号線APL側の端部に配置されており、出力信号線OLの接続部OL2と層間ビアホール33を介して接続されている。また、他方のドレイン電極D3は、半導体層CH3の出力信号線OL側の端部に配置されており、出力信号線OLの本体において分岐部OL1が分岐する位置の付近と層間ビアホール34を介して接続されている。
【0101】
(固体撮像素子による効果)
上記のように構成される固体撮像素子1においても、実施形態1に係る固体撮像素子1と同じく、少なくともアンプトランジスタTR1に接続されるアンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1を形成する第1配線層およびアンプトランジスタTR1のソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する第2配線層より上層の第3配線層で形成されている。また、アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1の3つのドレイン電極D1の上方に配置され、かつ層間ビアホール30,31を介してドレイン電極D1と接続されている。
【0102】
上記の構成において、アンプトランジスタTR1は、ピクセルPのそれぞれに割り当てられた面積から、概ね、上述した必要最低限度の面積を除いた領域にアンプトランジスタTR1を配置することができる。
【0103】
また、アンプ電源電圧信号線APLは、アンプトランジスタTR1のドレイン電極D1と接続されているので、ドレイン電極D1の上方に配置された部位で発生する寄生容量の影響を無視することができる。しかも、アンプトランジスタTR1は、ほぼリセット電圧信号線RVLと出力信号線OLとの間隔の幅を有している。これにより、ピクセルPのサイズに対して、アンプトランジスタTR1のゲート電極G1のサイズをより大きくすることができる。したがって、アンプトランジスタTR1で発生する1/fノイズが小さくなり、固体撮像素子のS/Nを高くすることができる。
【0104】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る固体撮像素子は、光電変換素子(フォトダイオードPD)と、前記光電変換素子に発生した信号電荷を増幅するアンプトランジスタTR1を含む複数の薄膜トランジスタを有し、行列状に配列された複数のピクセルPと、一群の前記ピクセルPに共通して設けられ、かつ前記薄膜トランジスタの電極に接続される複数の信号線(アンプ電源電圧信号線APL,リセット電圧信号線RVL,出力信号線OL,リセット信号線RTL,リード信号線RDL)と、を備え、少なくとも前記アンプトランジスタTR1の前記電極に接続される前記信号線のうちの一部の信号線(アンプ電源電圧信号線APL)が、前記アンプトランジスタTR1の前記電極が形成される配線層より上層の配線層で形成され、前記アンプトランジスタTR1の少なくとも1つの前記電極の上方に配置されている。
【0105】
上記の構成によれば、アンプトランジスタに接続される信号線のうちの一部の信号線が、アンプトランジスタの電極(例えばドレイン電極)の上方に配置されるものの、当該電極の上方に配置された部位においては、その部位で発生する寄生容量の影響を無視することができる。
【0106】
これにより、ピクセルのサイズに対して、アンプトランジスタのゲート電極のサイズを大きくすることができる。したがって、アンプトランジスタで発生する1/fノイズが小さくなるので、固体撮像素子のS/Nを高くすることができる。
【0107】
本発明の態様2に係る固体撮像素子は、上記態様1において、前記アンプトランジスタTR1の前記電極に接続される前記信号線が、前記アンプトランジスタTR1に電源電圧を印加する電源電圧信号線であってもよい。
【0108】
本発明の態様3に係る固体撮像素子は、上記態様1において、前記アンプトランジスタTR1を除く前記薄膜トランジスタの前記電極に接続される前記信号線のうちの一部の前記信号線が、当該薄膜トランジスタの前記電極を形成する配線層より上層の配線層で形成され、当該薄膜トランジスタの少なくとも1つの前記電極の上方に配置され、かつ当該電極と接続されており、前記ピクセルPの出力信号線OLであってもよい。
【0109】
上記の構成によれば、出力信号線が、当該出力信号線に接続される薄膜トランジスタの電極の上方に配置されるものの、当該電極の上方に配置された部位においては、その部位で発生する寄生容量の影響を無視することができる。これにより、上記の薄膜トランジスタで発生する1/fノイズが小さくなるので、固体撮像素子のS/Nを高くすることができる。
【0110】
本発明の態様4に係る固体撮像素子は、上記態様1において、前記アンプトランジスタTR1を除く複数の薄膜トランジスタに接続される前記信号線のうちの一部の前記信号線が、当該薄膜トランジスタの前記電極を形成する配線層より上層の配線層で形成され、当該薄膜トランジスタの少なくとも1つの前記電極の上方に配置され、かつ当該電極と接続されており、前記光電変換素子の状態をリセットするための基準電圧を印加するリセット電圧信号線RVLであってもよい。
【0111】
上記の構成によれば、リセット電圧信号線が、当該リセット電圧信号線に接続される薄膜トランジスタの電極の上方に配置されるものの、当該電極の上方に配置された部位においては、その部位で発生する寄生容量の影響を無視することができる。これにより、上記の薄膜トランジスタで発生する1/fノイズが小さくなるので、固体撮像素子のS/Nを高くすることができる。
【0112】
本発明の態様5に係る固体撮像素子は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記薄膜トランジスタがマルチフィンガー構造であってもよい。
【0113】
上記の構成によれば、薄膜トランジスタを形成するために許容された面積においてL×Wを効率的に大きくすることができる。
【0114】
本発明の態様6に係る固体撮像素子は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記薄膜トランジスタのドレイン電極D1〜D3およびソース電極S1〜S3と、前記ドレイン電極D1〜D3および前記ソース電極S1〜S3よりも上層に形成された前記信号線との間に設けられた層間絶縁膜13の単位面積当たりの容量が、前記薄膜トランジスタのゲート電極G1〜G3と当該ゲート電極G1〜G3の上方に形成される半導体層CH1〜CH3との間に設けられたゲート酸化膜12の単位面積当たりの容量よりも小さくてもよい。
【0115】
上記の構成によれば、信号線と、信号線の下方に配置された薄膜トランジスタの自身とは異なる電位を持つ信号線との間に生じる寄生容量に起因する熱雑音を小さくすることができる。それゆえ、固体撮像素子のS/Nを高くすることができる。
【0116】
本発明の態様7に係る固体撮像素子は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記アンプトランジスタTR1の上方に配置される前記信号線が、前記アンプトランジスタTR1の半導体層CH1に形成されるチャネル領域に重ならないように配置されていてもよい。
【0117】
上記の構成によれば、アンプトランジスタの配置面積を限定することなくアンプトランジスタの1/fノイズを低減することができる。しかも、アンプ電源電圧信号線がアンプトランジスタのチャネル領域に対して本来のボトム側のゲート電極とは別に第2のゲート電極として機能することによる意図しない信号変化を防ぐことができる。
【0118】
本発明の態様8に係る固体撮像素子は、上記態様1から7のいずれかにおいて、前記アンプトランジスタTR1を除く前記薄膜トランジスタは、一方向に並ぶように配置され、前記アンプトランジスタTR1が、前記薄膜トランジスタと平行に並ぶように配置されていてもよい。
【0119】
上記の構成によれば、アンプトランジスタをほぼアンプトランジスタを除く薄膜トランジスタが並ぶ方向(例えば行方向)の幅に近い幅を有するように形成することができる。これにより、ピクセルのサイズに対して、アンプトランジスタのゲート電極のサイズをより一層大きくすることができる。したがって、アンプトランジスタで発生する1/fノイズがより小さくなるので、固体撮像素子のS/Nをより高くすることができる。
【0120】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。