【解決手段】第1主面3および粗面化された第2主面4を有する半導体層2と、第1主面3の上に形成されたゲート端子電極12およびソース端子電極14と、第1主面3の上においてゲート端子電極12およびソース端子電極14を部分的に被覆する有機絶縁層18と、シリサイド層を介することなく第2主面4に直接接続されたドレイン端子電極22と、を含む半導体装置1を提供する。
前記第2端子電極は、前記第2主面に直接接続されたTi層、前記Ti層の上に形成されたNi層、前記Ni層の上に形成されたAu層、および、前記Au層の上に形成されたAg層を含む積層構造を有している、請求項1または2に記載の半導体装置。
前記第2端子電極は、前記第2主面に直接接続されたAu層、および、前記Au層の上に形成されたAg層を含む積層構造を有している、請求項1または2に記載の半導体装置。
前記第2端子電極は、前記第2主面との間に共晶層および改質層を形成することなく、前記第2主面に直接接続されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記第2端子電極の形成工程は、スパッタ法または蒸着法によって、前記第2主面に直接接続されるように前記第2主面の上にTi層またはAu層を形成する工程を含む、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態(以下、単に「この形態(this embodiment)」という。)に係る半導体装置1を示す斜視図であって、第1形態例に係るドレイン端子電極22が組み込まれた形態を示している。
図2は、
図1の半導体装置1の平面図である。
図3は、
図2からゲート端子電極12およびソース端子電極13の上の構造を取り除いた平面図である。
【0011】
図4は、
図3に示す領域IVの拡大図であって、半導体層2の第1主面3の構造を説明するための図である。
図5は、
図4に示すV−V線に沿う断面図である。
図6Aは、
図5に示す領域VIの拡大図である。
半導体装置1は、機能デバイスの一例としての縦型のMISFET(Metal Insulator Field Effect Transistor)を含むスイッチングデバイスである。
図1〜
図3を参照して、半導体装置1は、Si(シリコン)単結晶からなる半導体層2を含む。半導体層2は、直方体形状のチップ状に形成されている。
【0012】
半導体層2は、一方側の第1主面3、他方側の第2主面4、ならびに、第1主面3および第2主面4を接続する側面5A,5B,5C,5Dを有している。第1主面3および第2主面4は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。
第1主面3は、デバイス形成面である。第1主面3は、非実装面である。第2主面4は、実装面である。半導体装置1が接続対象物に実装される場合、半導体層2は、第2主面4を対向させた姿勢で接続対象物に実装される。接続対象物としては、電子部品、リードフレーム、回路基板等が例示される。
【0013】
第2主面4は、粗面化された粗面化面からなる。第2主面4は、不規則に形成された凹凸(Unevenness)によって粗面化されている。第2主面4の全域が粗面化されていることが好ましい。第2主面4は、研削痕(より具体的にはライン状に延びる研削痕)を有さない粗面化面からなることが特に好ましい。第2主面4は、より具体的には、Si単結晶からなる結晶面である。したがって、第2主面4は、Si単結晶が粗面化された結晶粗面化面からなる。
【0014】
第2主面4の算術平均粗さRaは、0nmを超えて1000nm以下であってもよい。算術平均粗さRaは、0nmを超えて50nm以下、50nm以上100nm以下、100nm以上200nm以下、200nm以上400nm以下、400nm以上600nm以下、600nm以上800nm以下、800nm以上1000nm以下であってもよい。算術平均粗さRaは0nmを超えて400nm以下であることが好ましい。
【0015】
側面5Aおよび側面5Cは、第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差する第2方向Yに互いに対向している。第2方向Yは、より具体的には第1方向Xに直交する方向である。側面5Aおよび側面5Cは、平面視において半導体層2の短辺を形成している。
側面5Bおよび側面5Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに互いに対向している。側面5Bおよび側面5Dは、平面視において半導体層2の長辺を形成している。側面5A〜5Dは、それぞれ第1主面3および第2主面4の法線方向に沿って平面的に延びている。
【0016】
半導体層2は、この形態では、n
+型の半導体基板6およびn型のエピタキシャル層7を含む積層構造を有している。半導体基板6によって第2主面4が形成されている。エピタキシャル層7によって第1主面3が形成されている。半導体基板6およびエピタキシャル層7によって側面5A〜5Dが形成されている。
エピタキシャル層7のn型不純物濃度は、半導体基板6のn型不純物濃度未満である。半導体基板6のn型不純物濃度は、1.0×10
18cm
−3以上1.0×10
21cm
−3以下であってもよい。エピタキシャル層7のn型不純物濃度は、1.0×10
15cm
−3以上1.0×10
18cm
−3以下であってもよい。
【0017】
半導体基板6は、MISFETのドレイン領域28として形成されている。エピタキシャル層7は、MISFETのドリフト領域29として形成されている。
半導体層2は、アクティブ領域8および外側領域9を含む。アクティブ領域8は、MISFETの主要部が形成された領域である。
アクティブ領域8は、平面視において、側面5A〜5Dから内方に間隔を空けて半導体層2の中央部に形成されている。アクティブ領域8は、平面視において側面5A〜5Dに平行な4辺を有する四角形状に形成されていてもよい。アクティブ領域8は、この形態では、平面視において長方形状に形成されている。
【0018】
外側領域9は、アクティブ領域8の外側の領域である。外側領域9は、側面5A〜5Dおよびアクティブ領域8の周縁の間の領域に形成されている。外側領域9は、平面視においてアクティブ領域8を取り囲む環状(この形態では無端状)に形成されている。
第1主面3の上には、主面絶縁層10が形成されている。主面絶縁層10は、層間絶縁層とも称される。主面絶縁層10は、アクティブ領域8および外側領域9を被覆している。主面絶縁層10は、酸化シリコンおよび窒化シリコンのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。主面絶縁層10は、この形態では、酸化シリコンを含む。
【0019】
主面絶縁層10は、絶縁側面11A,11B,11C,11Dを有している。絶縁側面11A〜11Dは、側面5A〜5Dに連なっている。絶縁側面11A〜11Dは、側面5A〜5Dに対して面一にそれぞれ形成されている。
第1主面3の上には、第1端子電極としてのゲート端子電極12およびソース端子電極13が形成されている。ゲート端子電極12およびソース端子電極13は、より具体的には、主面絶縁層10の上に形成されている。
【0020】
ゲート端子電極12には、ゲート電圧が印加される。ゲート電圧は、0.5V以上50V以下(好ましくは10V以下)であってもよい。ゲート端子電極12は、ゲートパッド12Aおよびゲートフィンガー12B、12Cを含む。
ゲートパッド12Aは、平面視において側面5Aに沿う領域に形成されている。ゲートパッド12Aは、より具体的には、平面視において側面5Aの中央部に沿う領域に形成されている。ゲートパッド12Aは、平面視において側面5A〜5Dの内の任意の2つを接続する角部に沿う領域に形成されていてもよい。
【0021】
ゲートパッド12Aは、平面視において四角形状に形成されていてもよい。ゲートパッド12Aは、平面視において外側領域9およびアクティブ領域8の境界を横切るように、外側領域9からアクティブ領域8内に引き出されている。
ゲートフィンガー12B,12Cは、外側ゲートフィンガー12Bおよび内側ゲートフィンガー12Cを含む。外側ゲートフィンガー12Bは、ゲートパッド12Aから外側領域9に引き出されている。外側ゲートフィンガー12Bは、外側領域9を帯状に延びている。外側ゲートフィンガー12Bは、この形態では、アクティブ領域8を3方向から区画するように、3つの側面5A,5B,5Dに沿って形成されている。
【0022】
内側ゲートフィンガー12Cは、ゲートパッド12Aからアクティブ領域8に引き出されている。内側ゲートフィンガー12Cは、アクティブ領域8を帯状に延びている。内側ゲートフィンガー12Cは、側面5A側から側面5C側に向けて延びている。
ソース端子電極13には、ソース電圧が印加される。ソース電圧は、基準電圧(たとえばGND電圧)であってもよい。ソース端子電極13は、ゲート端子電極12から間隔を空けてアクティブ領域8に形成されている。ソース端子電極13は、平面視においてC字形状に形成され、ゲート端子電極12によって区画された領域を被覆している。
【0023】
ゲート端子電極12は、純Al層(純度が99%以蔵のAlからなるAl層)、AlSi合金層、AlCu合金層およびAlSiCu合金層のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。ソース端子電極13は、純Al層、AlSi合金層、AlCu合金層およびAlSiCu合金層のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
第1主面3の上には、無機絶縁層14が形成されている。無機絶縁層14は、パッシベーション層とも称される。無機絶縁層14は、より具体的には、主面絶縁層10の上に形成されている。無機絶縁層14は、酸化シリコン層および窒化シリコン層のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
無機絶縁層14は、酸化シリコン層および窒化シリコン層を任意の順で積層させた積層構造を有していてもよい。無機絶縁層14は、主面絶縁層10とは異なる絶縁材料を含むことが好ましい。無機絶縁層14は、この形態では、窒化シリコン層からなる単層構造を有している。
無機絶縁層14は、側面15A,15B,15C,15Dを含む。無機絶縁層14の側面15A〜15Dは、平面視において半導体層2の側面5A〜5Dから内方に間隔を空けて形成されている。無機絶縁層14の側面15A〜15Dは、半導体層2の周縁部を露出させている。無機絶縁層14の側面15A〜15Dは、主面絶縁層10を露出させている。
【0025】
無機絶縁層14は、ゲート端子電極12およびソース端子電極13を選択的に被覆している。無機絶縁層14は、ゲートサブパッド開口16およびソースサブパッド開口17を含む。ゲートサブパッド開口16は、ゲートパッド12Aの一部を露出させている。ソースサブパッド開口17は、ソース端子電極13の一部をパッド領域として露出させている。
【0026】
無機絶縁層14の上には、有機絶縁層18が形成されている。無機絶縁層14および有機絶縁層18は、1つの絶縁積層構造(絶縁層)を形成している。
図2では、有機絶縁層18がハッチングによって示されている。有機絶縁層18は、ゲート端子電極12およびソース端子電極13を選択的に被覆している。
有機絶縁層18は、感光性樹脂を含んでいてもよい。感光性樹脂は、ネガティブタイプまたはポジティブタイプであってもよい。有機絶縁層18は、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミドおよびポリアミドのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。有機絶縁層18は、この形態では、ポジティブタイプの感光性樹脂の一例としてのポリベンゾオキサゾールを含む。
【0027】
有機絶縁層18は、焦げのない外面を有している。有機絶縁層18は、炭化物を含まない外面を有している。有機絶縁層18は、より具体的には、炭化物を含まない。有機絶縁層18は、側面19A,19B,19C,19Dを含む。有機絶縁層18の側面19A〜19Dは、平面視において、半導体層2の側面5A〜5Dから内方に間隔を空けて形成されている。
【0028】
有機絶縁層18の側面19A〜19Dは、平面視において、半導体層2の周縁部を露出させている。有機絶縁層18の側面19A〜19Dは、より具体的には、無機絶縁層14と共に主面絶縁層10を露出させている。有機絶縁層18の側面19A〜19Dは、この形態では、無機絶縁層14の側面15A〜15Dに面一に形成されている。
有機絶縁層18は、ゲートパッド開口20およびソースパッド開口21を含む。ゲートパッド開口20は、ゲートパッド12Aの一部を露出させている。ソースパッド開口21は、ソース端子電極13の一部をパッド領域として露出させている。
【0029】
有機絶縁層18のゲートパッド開口20は、無機絶縁層14のゲートサブパッド開口16に連通している。ゲートパッド開口20の内壁は、ゲートサブパッド開口16の内壁の外側に位置していてもよい。ゲートパッド開口20の内壁は、ゲートサブパッド開口16の内壁の内側に位置していてもよい。有機絶縁層18は、ゲートサブパッド開口16の内壁を被覆していてもよい。
【0030】
有機絶縁層18のソースパッド開口21は、無機絶縁層14のソースサブパッド開口17に連通している。ソースパッド開口21の内壁は、ソースサブパッド開口17の内壁の外側に位置していてもよい。ソースパッド開口21の内壁は、ソースサブパッド開口17の内壁の内側に位置していてもよい。有機絶縁層18は、ソースサブパッド開口17の内壁を被覆していてもよい。
【0031】
有機絶縁層18の側面19A〜19Dは、半導体層2の側面5A〜5Dとの間でダイシングストリート53を区画している。この形態では、無機絶縁層14の側面15A〜15Dも、半導体層2の側面5A〜5Dとの間でダイシングストリート53を区画している。
ダイシングストリート53によれば、有機絶縁層18および無機絶縁層14を物理的に切断する必要がなくなる。これにより、ウエハから半導体装置1を円滑に切り出すことができると同時に、有機絶縁層18および無機絶縁層14の剥離や劣化を抑制できる。その結果、有機絶縁層18および無機絶縁層14によって、半導体層2、ゲート端子電極12、ソース端子電極13等を適切に保護することができる。
【0032】
ダイシングストリート53の幅は、10μm以上150μm以下であってもよい。ダイシングストリート53の幅は、ダイシングストリート53が延びる方向に直交する方向の幅である。
無機絶縁層14の側面15A〜15Dは、必ずしもダイシングストリート53を区画している必要はない。無機絶縁層14の側面15A〜15Dは、半導体層2の側面5A〜5Dに対して面一に形成されていてもよい。
【0033】
有機絶縁層18の厚さは、1μm以上20μm以下であってもよい。
半導体層2の第2主面4の上には、第2端子電極としてのドレイン端子電極22が形成されている。オフ時において、ソース端子電極13およびドレイン端子電極22の間に印加可能な最大電圧は、20V以上10000V以下であってもよい。
ドレイン端子電極22は、第2主面4との間でオーミック接触を形成している。ドレイン端子電極22は、粗面化された第2主面4に対して直接接続されている。ドレイン端子電極22は、より具体的には、第2主面4の結晶粗面化面に対して直接接続されている。
【0034】
ドレイン端子電極22は、さらに具体的には、シリサイドを主たる構成に含むシリサイド層を形成することなく、第2主面4に直接接続されている。ドレイン端子電極22は、シリサイドを主たる構成に含む材料が層状に形成された領域を含まない。
また、ドレイン端子電極22は、第2主面4との間に第2主面4の結晶状態が他の性質に改質された改質層を形成することなく、第2主面4に直接接続されている。改質層としては、Si溶融再硬化層、Si多結晶層、Siアモルファス層等が例示される。
【0035】
また、ドレイン端子電極22は、共晶物を主たる構成に含む共晶層を形成することなく、第2主面4に直接接続されている。ドレイン端子電極22は、共晶物を主たる構成に含む材料が層状に形成された領域を含まない。
つまり、ドレイン端子電極22は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく粗面化された第2主面4に対して直接接続されている。
【0036】
図6Aを参照して、ドレイン端子電極22は、第2主面4の上に積層された複数の電極層を含む積層構造を有している。ドレイン端子電極22は、この形態では、第2主面4側からこの順に積層されたTi層23、Ni層24、Au層25およびAg層26を含む積層構造を有している。
Ti層23は、粗面化された第2主面4に直接接続されている。Ti層23は、第2主面4の全域を被覆していることが好ましい。Ti層23は、第2主面4との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層23は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面4に直接接続されている。
【0037】
Ni層24は、Ti層23を被覆している。Ni層24は、Ti層23の全域を被覆していることが好ましい。Au層25は、Ni層24を被覆している。Au層25は、Ni層24の全域を被覆していることが好ましい。Ag層26は、Au層25を被覆している。Ag層26は、Au層25の全域を被覆していることが好ましい。
ドレイン端子電極22は、Ti層23、Ni層24、Au層25およびAg層26のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。以下、ドレイン端子電極22の他の形態例を示す。
【0038】
図6Bは、
図6Aに対応する断面図であって、第2形態例に係るドレイン端子電極22を示す図である。
図6Bを参照して、ドレイン端子電極22は、この形態では、第2主面4の上に形成されたTi層23からなる単層構造を有している。Ti層23は、第2主面4との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層23は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面4に直接接続されている。
【0039】
図6Cは、
図6Aに対応する断面図であって、第3形態例に係るドレイン端子電極22を示す図である。
図6Cを参照して、ドレイン端子電極22は、この形態では、第2主面4の上に形成されたAu層25からなる単層構造を有している。Au層25は、第2主面4との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Au層25は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面4に直接接続されている。
【0040】
図6Dは、
図6Aに対応する断面図であって、第4形態例に係るドレイン端子電極22を示す図である。
図6Dを参照して、ドレイン端子電極22は、この形態では、第2主面4側からこの順に積層されたAu層25およびAg層26を含む積層構造を有している。Au層25は、第2主面4との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。
【0041】
Au層25は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面4に直接接続されている。Ag層26は、Au層25を被覆している。Ag層26は、Au層25の全域を被覆していることが好ましい。
図6Eは、
図6Aに対応する断面図であって、第5形態例に係るドレイン端子電極22を示す図である。
【0042】
図6Eを参照して、ドレイン端子電極22は、この形態では、第2主面4側からこの順に積層されたTi層23、Ni層24およびAu層25を含む積層構造を有している。Ti層23は、第2主面4との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層23は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面4に直接接続されている。
【0043】
Ni層24は、Ti層23を被覆している。Ni層24は、Ti層23の全域を被覆していることが好ましい。Au層25は、Ni層24を被覆している。Au層25は、Ni層24の全域を被覆していることが好ましい。
図6Fは、
図6Aに対応する断面図であって、第6形態例に係るドレイン端子電極22を示す図である。
【0044】
図6Fを参照して、ドレイン端子電極22は、この形態では、第2主面4側からこの順に積層されたTi層23、Ni層24、Pd層27、Au層25およびAg層26を含む積層構造を有している。Ti層23は、第2主面4との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層23は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面4に直接接続されている。
【0045】
Ni層24は、Ti層23を被覆している。Ni層24は、Ti層23の全域を被覆していることが好ましい。Pd層27は、Ni層24を被覆している。Pd層27は、Ni層24の全域を被覆していることが好ましい。Au層25は、Pd層27を被覆している。Au層25は、Pd層27の全域を被覆していることが好ましい。Ag層26は、Au層25を被覆している。Ag層26は、Au層25の全域を被覆していることが好ましい。
【0046】
図6Gは、
図6Aに対応する断面図であって、第7形態例に係るドレイン端子電極22を示す図である。
図6Gを参照して、ドレイン端子電極22は、この形態では、第2主面4側からこの順に積層されたTi層23、Ni層24、Pd層27およびAu層25を含む積層構造を有している。Ti層23は、第2主面4との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層23は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面4に直接接続されている。
【0047】
Ni層24は、Ti層23を被覆している。Ni層24は、Ti層23の全域を被覆していることが好ましい。Pd層27は、Ni層24を被覆している。Pd層27は、Ni層24の全域を被覆していることが好ましい。Au層25は、Pd層27を被覆している。Au層25は、Pd層27の全域を被覆していることが好ましい。
図4および
図5を参照して、アクティブ領域8において第1主面3の表層部には、p型のボディ領域30が形成されている。ボディ領域30のp型不純物濃度は、1×10
17cm
−3以上1×10
20cm
−3以下であってもよい。ボディ領域30は、アクティブ領域8を画定している。
【0048】
アクティブ領域8において第1主面3には、複数のゲートトレンチ31が形成されている。複数のゲートトレンチ31は、第1方向Xに沿って延びる帯状にそれぞれ形成され、第2方向Yに沿って間隔を空けて形成されている。複数のゲートトレンチ31は、平面視において全体として第1方向Xに沿って延びるストライプ状に形成されている。
各ゲートトレンチ31は、ボディ領域30を貫通するようにエピタキシャル層7に形成されている。各ゲートトレンチ31は、側壁および底壁を含む。各ゲートトレンチ31の側壁および底壁は、エピタキシャル層7内に位置している。各ゲートトレンチ31の開口エッジ部は、ゲートトレンチ31の内方に向かう湾曲状に形成されていることが好ましい。これにより、ゲートトレンチ31の開口エッジ部32に対する電界集中を緩和できる。
【0049】
各ゲートトレンチ31内には、ゲート絶縁層35およびゲート電極36が形成されている。
図4において、ゲート絶縁層35およびゲート電極36は、ハッチングによって示されている。
ゲート絶縁層35は、酸化シリコンおよび窒化シリコンのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。ゲート絶縁層35は、この形態では、酸化シリコンを含む。ゲート絶縁層35は、ゲートトレンチ31の内壁に沿って膜状に形成され、ゲートトレンチ31内においてリセス空間を区画している。
【0050】
ゲート絶縁層35は、第1領域35a、第2領域35bおよび第3領域35cを含む。第1領域35aは、ゲートトレンチ31の側壁に沿って形成されている。第2領域35bは、ゲートトレンチ31の底壁に沿って形成されている。第3領域35cは、半導体層2の第1主面3に沿って形成されている。第1領域35aの厚さT1は、第2領域35bの厚さT2および第3領域35cの厚さT3未満であることが好ましい。
【0051】
ゲート電極36は、ゲート絶縁層35を挟んでゲートトレンチ31に埋め込まれている。ゲート電極36は、より具体的には、ゲート絶縁層35によって区画されたリセス空間に埋め込まれている。
ゲート電極36は、導電性ポリシリコン、タングステン、アルミニウム、銅、アルミニウム合金および銅合金のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。ゲート電極36は、この形態では、導電性ポリシリコンからなる。
【0052】
ボディ領域30の表層部において、ゲートトレンチ31の側壁に沿う領域には、n
+型のソース領域34が形成されている。ソース領域34のn型不純物濃度は、1.0×10
18cm
−3以上1.0×10
21cm
−3以下であってもよい。
ソース領域34は、第2方向Yに関して、ゲートトレンチ31の一方側の側壁および他方側の側壁に沿って複数形成されている。複数のソース領域34は、第1方向Xに沿って延びる帯状にそれぞれ形成されている。各ソース領域34においてゲートトレンチ31の側壁に沿う部分は、ボディ領域30内においてドリフト領域29との間でMISFETのチャネルを画定している。
【0053】
ボディ領域30の表層部には、複数のp
+型のコンタクト領域37が形成されている。複数のp
+型のコンタクト領域37は、互いに隣り合う2つのソース領域34の間の領域にそれぞれ形成されている。各コンタクト領域37のp型不純物濃度は、1.0×10
18cm
−3以上1.0×10
21cm
−3以下であってもよい。
複数のコンタクト領域37は、第1方向Xに沿って延びる帯状にそれぞれ形成されている。複数のコンタクト領域37は、平面視において全体としてストライプ状に形成されていてもよい。
【0054】
第1主面3の上には、前述の主面絶縁層10が形成されている。主面絶縁層10は、ソースコンタクト孔40を含む。ソースコンタクト孔40は、アクティブ領域8において、ソース領域34およびコンタクト領域37を露出させている。主面絶縁層10は、図示しない領域においてゲートコンタクト孔を含む。ゲートコンタクト孔は、図示しない領域においてゲート電極36を露出させている。
【0055】
主面絶縁層10の上には、前述のゲート端子電極12およびソース端子電極13が形成されている。ゲート端子電極12のゲートフィンガー12B,12Cは、ゲートコンタクト孔を介してゲート電極36に電気的に接続されている。ソース端子電極13は、ソースコンタクト孔40を介してソース領域34およびコンタクト領域37に電気的に接続されている。
【0056】
以上、半導体装置1によれば、第2主面4が粗面化されているので、第2主面4に対するドレイン端子電極22の密着力を高めることができる。これにより、第2主面4からのドレイン端子電極22の剥離を抑制できるから、シリサイド層を介することなくドレイン端子電極22を第2主面4に直接接続させることができる。また、共晶層および改質層を介することなくドレイン端子電極22を第2主面4に直接接続させることができる。
【0057】
その結果、ドレイン端子電極22の形成時において半導体層2を加熱せずに済むから、半導体層2の第1主面3側の構造を適切に形成できる。一例として、ドレイン端子電極22の形成工程に起因する有機絶縁層18の炭化を防止できる。よって、ドレイン端子電極22に起因する信頼性の低下を抑制できる半導体装置1を提供できる。
また、半導体装置1によれば、有機絶縁層18を形成した後にドレイン端子電極22を形成できる構造を有している。ドレイン端子電極22を形成した後に有機絶縁層18を形成することも考えられる。
【0058】
しかし、この場合には、ドレイン端子電極22の導電材料が第1主面3側の構造に付着するリスクが高まるから好ましいとは言えない。また、第1主面3側の構造を作り込んだ後に第2主面4側の構造を形成し、その後、第1主面3側の構造を再度形成しなければならないため、製造工程が煩雑化する。
これに対して、半導体装置1によれば、有機絶縁層18の炭化を防止できるから、有機絶縁層18を形成した後にドレイン端子電極22を形成できる。また、ドレイン端子電極22の形成工程時において、有機絶縁層18によって第1主面3側の構造を保護できるから、ドレイン端子電極22の導電材料が第1主面3側の構造に付着するリスクを低減できる。また、第1主面3側の構造の全てを作り込んだ後に第2主面4側の構造を形成できる。よって、半導体装置1の信頼性を高めることができると同時に、製造工程の煩雑化を抑制できる。
【0059】
図7は、
図1に示す半導体装置の製造に使用されるウエハ41を示す平面図である。
図7を参照して、ウエハ41は、円盤状に形成された板状のn
+型のSi単結晶からなる。ウエハ41は、一方側の第1ウエハ主面42、他方側の第2ウエハ主面43、ならびに、第1ウエハ主面42および第2ウエハ主面43を接続するウエハ側面44を有している。
【0060】
ウエハ側面44には、結晶方位を示す目印の一例としての1つまたは複数(この形態では1つ)のオリエンテーションフラット45が形成されている。オリエンテーションフラット45は、ウエハ41の周縁に形成された切欠部である。
第1ウエハ主面42には、半導体装置1にそれぞれ対応した複数の装置形成領域46が設定されている。複数の装置形成領域46は、この形態では、第1方向Xおよび第2方向Yに沿う行列状に配列されている。複数の装置形成領域46は、ダイシングライン47によって区画されている。半導体装置1は、複数の装置形成領域46の周縁(ダイシングライン47)に沿ってウエハ41を切断することによって切り出される。
【0061】
図8A〜
図8Jは、
図1に示す半導体装置1の製造方法の一例を示す断面図である。
図8A〜
図8Jでは、説明の便宜上、3つの装置形成領域46を示し、他の装置形成領域46についての図示を省略している。
図8Aを参照して、ウエハ41が用意される。次に、エピタキシャル成長法によって、第1ウエハ主面42にn型のエピタキシャル層7が形成される。これにより、ウエハ41およびエピタキシャル層7を含むウエハ層48が形成される。ウエハ層48は、第1主面49および第2主面50を含む。ウエハ層48の第1主面49および第2主面50は、半導体層2の第1主面3および第2主面4にそれぞれ対応している。
【0062】
次に、
図8Bを参照して、エピタキシャル層7の表層部にMISFETの主要部51が形成される。MISFETの主要部51は、各装置形成領域46のアクティブ領域8に形成される。
次に、主面絶縁層10が、第1主面49の上に形成される。主面絶縁層10は、この形態では、酸化シリコンを含む。主面絶縁層10は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成されてもよい。
【0063】
次に、
図8Cを参照して、ゲート端子電極12およびソース端子電極13が、主面絶縁層10の上に形成される。ここでは、ソース端子電極13を簡略化して示している。ゲート端子電極12およびソース端子電極13は、スパッタ法による成膜工程およびエッチング法によるパターニング工程を経て形成される。
次に、
図8Dを参照して、無機絶縁層14が、主面絶縁層10の上に形成される。無機絶縁層14は、この形態では、窒化シリコンを含む。無機絶縁層14は、CVD法によって形成されてもよい。
【0064】
次に、
図8Eを参照して、無機絶縁層14の上に有機絶縁層18が形成される。有機絶縁層18は、アクティブ領域8および外側領域9を一括して被覆する。有機絶縁層18は、ポジティブタイプの感光性樹脂の一例としてのポリベンゾオキサゾールを含んでいてもよい。
次に、
図8Fを参照して、有機絶縁層18が選択的に露光された後、現像される。これにより、パッド開口52およびダイシングストリート53が有機絶縁層18に形成される。パッド開口52は、ゲートパッド開口20およびソースパッド開口21を含む。ダイシングストリート53は、ダイシングライン47に沿って形成される。
【0065】
次に、無機絶縁層14の不要な部分が除去される。無機絶縁層14の不要な部分は、有機絶縁層18を介するエッチング法によって除去されてもよい。これにより、サブパッド開口54が無機絶縁層14に形成される。サブパッド開口54は、ゲートサブパッド開口16およびソースサブパッド開口17を含む。また、ダイシングストリート53の一部を区画する無機絶縁層14が形成される。
【0066】
次に、
図8Gを参照して、ウエハ層48の第2主面50(ウエハ41の第2ウエハ主面43)が研削される。ウエハ層48の第2主面50は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法によって研削されてもよい。これにより、ウエハ層48が所望の厚さまで薄化される。また、ウエハ層48の第2主面50に、ライン状に延びる複数の研削痕が形成される。複数の研削痕は、ウエハ層48の中心から周縁に向けて円弧状に延びるライン状にそれぞれ形成されてもよい。
【0067】
次に、
図8Hを参照して、ウエハ層48の第2主面50が粗面化される。第2主面50は、エッチング法によって粗面化されることが好ましい。第2主面50は、0nmを超えて1000nm以下の算術平均粗さRaになるまで粗面化されてもよい。第2主面50は、算術平均粗さRaが、0nmを超えて400nm以下になるまで粗面化されることが好ましい。
【0068】
第2主面50の粗面化工程に先立って、第2主面50から研削痕が取り除かれてもよい。研削痕の除去工程は、第2主面50を鏡面化する工程であってもよい。この工程によれば、第2主面50の粗面化工程において、研削痕を起点とする第2主面50の不所望なエッチング(たとえば研削痕の拡張)を抑制できるから、第2主面50を適切に粗面化できる。
【0069】
また、次のドレイン端子電極22の形成工程において、ドレイン端子電極22が研削痕内に入り込むことを抑制できる。これにより、研削痕を起点とする第2主面50のクラックを抑制できるから、ドレイン端子電極22を第2主面50に適切に接続させることができる。
次に、
図8Iを参照して、ドレイン端子電極22が、粗面化された第2主面50の上に形成される。この工程は、第2主面50側からTi層23、Ni層24、Au層25およびAg層26をこの順に形成する工程を含む。Ti層23、Ni層24、Au層25およびAg層26は、蒸着法および/またはスパッタ法によって形成されることが好ましい。
【0070】
Ti層23は、粗面化された第2主面50に対して直接接続される。Ni層24は、Ti層23に対して直接接続される。Au層25は、Ni層24に対して直接接続される。Ag層26は、Au層25に対して直接接続される。
ドレイン端子電極22の形成工程では、シリサイド層、改質層および共晶層は形成されない。したがって、ウエハ層48の第1主面49側の構造を加熱せずに済む。これにより、ドレイン端子電極22の形成工程に起因する有機絶縁層18の炭化を防止できる。
【0071】
次に、
図8Jを参照して、ウエハ層48がダイシングライン47に沿って切断される。これにより、ウエハ層48から複数の半導体装置1が切り出される。以上を含む工程を経て、半導体装置1が製造される。
図9A〜
図9Iは、MISFETの主要部51の製造工程の一例を示す断面図である。
図9A〜
図9Iは、
図5に対応する部分の断面図である。
【0072】
図9Aを参照して、ウエハ41およびエピタキシャル層7を含むウエハ層48が用意される。次に、第1主面49の表層部にp型のボディ領域30が形成される。ボディ領域30は、第1主面49に対するp型不純物の導入によって形成される。ボディ領域30のp型不純物は、イオン注入マスク(図示せず)を介するイオン注入法によって第1主面49の表層部に導入されてもよい。
【0073】
次に、
図9Bを参照して、ボディ領域30の表層部にn
+型のソース領域34が形成される。ソース領域34は、ボディ領域30の表層部に対するn型不純物の導入によって形成される。ソース領域34のn型不純物は、イオン注入マスク56を介するイオン注入法によってボディ領域30の表層部に導入されてもよい。
次に、
図9Cを参照して、ボディ領域30の表層部にp
+型のコンタクト領域37が形成される。コンタクト領域37は、ボディ領域30の表層部に対するp型不純物の導入によって形成される。コンタクト領域37のp型不純物は、イオン注入マスク57を介するイオン注入法によってボディ領域30の表層部に導入されてもよい。
【0074】
次に、
図9Dを参照して、所定パターンを有するマスク58が、第1主面49に形成される。マスク58は、ゲートトレンチ31を形成すべき領域を露出させる複数の開口59を有している。
次に、ウエハ層48の不要な部分が除去される。ウエハ層48の不要な部分は、マスク58を介するエッチング法によって除去されてもよい。エッチング法は、ウエットエッチング法および/またはドライエッチング法であってもよい。これにより、ゲートトレンチ31が形成される。その後、マスク58は除去される。
【0075】
次に、
図9Eを参照して、ゲート絶縁層35のベースとなるベース絶縁層60が第1主面49の上に形成される。ベース絶縁層60は、酸化シリコンを含んでいてもよい。ベース絶縁層60は、熱酸化処理法および/またはCVD法によって形成されてもよい。
次に、
図9Fを参照して、ゲート電極36のベースとなるベース導電体層61が、ウエハ層48の第1主面49の上に形成される。ベース導電体層61は、導電性ポリシリコンを含む。ベース導電体層61は、CVD法によって形成されてもよい。
【0076】
次に、
図9Gを参照して、ベース導電体層61の不要な部分が除去される。ベース導電体層61の不要な部分は、ベース絶縁層60が露出するまで除去される。ベース導電体層61の不要な部分は、所定パターンを有するマスク(図示せず)を介するエッチング法によって除去される。エッチング法は、ウエットエッチング法および/またはドライエッチング法であってもよい。これにより、ゲート電極36が形成される。
【0077】
次に、
図9Hを参照して、ゲート電極36を被覆する主面絶縁層10が、第1主面49の上に形成される。主面絶縁層10は、酸化シリコンを含む。主面絶縁層10は、CVD法によって形成されてもよい。
次に、所定パターンを有するマスク62が、主面絶縁層10の上に形成される。マスク62は、複数のソースコンタクト孔40を形成すべき領域を露出させる複数の開口63を有している。
【0078】
次に、マスク62を介するエッチング法によって、主面絶縁層10の不要な部分およびベース絶縁層60の不要な部分が除去される。主面絶縁層10の不要な部分およびベース絶縁層60の不要な部分は、第1主面49が露出するまで除去される。エッチング法は、ウエットエッチング法および/またはドライエッチング法であってもよい。これにより、ゲート絶縁層35が形成される。また、ソースコンタクト孔40が形成される。
【0079】
次に、
図9Iを参照して、ゲート端子電極12およびソース端子電極13が主面絶縁層10の上に形成される。ゲート端子電極12およびソース端子電極13は、スパッタ法によって形成されてもよい。以上を含む工程を経て、MISFETの主要部51が形成される。
図10は、半導体装置1が組み込まれた半導体パッケージ64を、パッケージ本体65を透過して示す斜視図である。
【0080】
図10を参照して、半導体パッケージ64は、この形態では、3端子型のTO−220からなる。半導体パッケージ64は、半導体装置1、パッド部66、ヒートシンク部67、複数(この形態では3本)のリード端子68、複数(この形態では3本)の導線69およびパッケージ本体65を含む。
パッド部66は、金属板を含む。パッド部66は、鉄、金、銀、銅、アルミニウム等を含んでいてもよい。パッド部66は、平面視において四角形状に形成されている。パッド部66は、半導体装置1の平面面積以上の平面面積を有している。
【0081】
半導体装置1は、ドレイン端子電極22をパッド部66に対向させた姿勢で、パッド部66の上に配置されている。導電接合材70は、ドレイン端子電極22およびパッド部66の間の領域に介在されている。これにより、半導体装置1のドレイン端子電極22は、導電接合材70を介してパッド部66に電気的に接続されている。
導電接合材70は、金属製ペーストまたは半田であってもよい。金属製ペーストは、Au(金)、Ag(銀)またはCu(銅)を含む導電性ペーストであってもよい。導電接合材70は、半田からなることが好ましい。半田は、鉛フリー型の半田であってもよい。半田は、SnAgCu、SnZnBi、SnCu、SnCuNiまたはSnSbNiのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0082】
ヒートシンク部67は、パッド部66の一辺に接続されている。この形態では、パッド部66およびヒートシンク部67が、一枚の金属板によって形成されている。ヒートシンク部67には、貫通孔67aが形成されている。貫通孔67aは、円形状に形成されている。
複数のリード端子68は、パッド部66に対してヒートシンク部67とは反対側の辺に沿って配列されている。複数のリード端子68は、それぞれ金属板を含む。リード端子68は、鉄、金、銀、銅、アルミニウム等を含んでいてもよい。
【0083】
複数のリード端子68は、第1リード端子68A、第2リード端子68Bおよび第3リード端子68Cを含む。第1リード端子68A、第2リード端子68Bおよび第3リード端子68Cは、パッド部66においてヒートシンク部67とは反対側の辺に沿って間隔を空けて配列されている。
第1リード端子68A、第2リード端子68Bおよび第3リード端子68Cは、それらの配列方向に直交する方向に沿って帯状に延びている。第2リード端子68Bおよび第3リード端子68Cは、第1リード端子68Aを両側から挟み込んでいる。
【0084】
複数の導線69は、ボンディングワイヤ等であってもよい。複数の導線69は、導線69A、導線69Bおよび導線69Cを含む。導線69Aは、第1リード端子68Aおよび半導体装置1のゲートパッド12Aに電気的に接続されている。これにより、第1リード端子68Aは、導線69Aを介して半導体装置1のゲート端子電極12に電気的に接続されている。
【0085】
導線69Bは、第2リード端子68Bおよびソース端子電極13に電気的に接続されている。これにより、第2リード端子68Bは、導線69Bを介して半導体装置1のソース端子電極13に電気的に接続されている。
導線69Cは、第3リード端子68Cおよびパッド部66に電気的に接続されている。これにより、第3リード端子68Cは、導線69Cを介して半導体装置1のドレイン端子電極22に電気的に接続されている。第3リード端子68Cは、パッド部66と一体的に形成されていてもよい。
【0086】
パッケージ本体65は、フィラーを有するモールド樹脂(封止樹脂)を含む。パッケージ本体65は、モールド樹脂の一例としてフィラーを有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。パッケージ本体65は、ヒートシンク部67および複数のリード端子68の一部を露出させるように、半導体装置1、パッド部66および複数の導線69を封止している。パッケージ本体65は、直方体形状に形成されている。
【0087】
半導体パッケージ64は、TO−220に制限されない。半導体パッケージ64としては、SOP(Small Outline Package)、QFN(Quad For Non Lead Package)、DFP(Dual Flat Package)、DIP(Dual Inline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SIP(Single Inline Package)またはSOJ(Small Outline J-leaded Package)、または、これらに類する種々の形態が適用されてもよい。
【0088】
パッケージ本体65によって半導体装置1を封止する場合、フィラーによって半導体装置1がダメージを受ける問題がある。この問題は、フィラーアタックと称される。そこで、半導体装置1では、半導体層2の第1主面3の上に有機絶縁層18を形成している。
これにより、有機絶縁層18のクッション性を利用して、フィラーに起因する衝撃を緩和できる。その結果、フィラーから半導体層2、ゲート端子電極12、ソース端子電極13等を保護できる。
【0089】
さらに、半導体装置1によれば、有機絶縁層18の炭化(劣化)が抑制されている。これにより、フィラーから半導体層2、ゲート端子電極12、ソース端子電極13等を適切に保護できる。
図11は、本発明の第2実施形態(以下、単に「この形態(this embodiment)」という。)に係る半導体装置101を示す斜視図であって、第1形態例に係るカソード端子電極119が組み込まれた形態を示している。
図12は、
図11の半導体装置101の平面図である。
図13は、
図12に示すXIII−XIII線に沿う断面図である。
図14Aは、
図13に示す領域XIVの拡大図である。
【0090】
半導体装置101は、機能デバイスの一例としてのSBD(Schottky Barrier Diode)を含む整流デバイスである。
図11〜
図13を参照して、半導体装置101は、Si単結晶からなる半導体層102を含む。半導体層102は、直方体形状のチップ状に形成されている。
半導体層102は、一方側の第1主面103、他方側の第2主面104、ならびに、第1主面103および第2主面104を接続する側面105A,105B,105C,105Dを有している。第1主面103および第2主面104は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(この形態では正方形状)に形成されている。
【0091】
第1主面103は、デバイス形成面である。第1主面103は、非実装面である。第2主面104は、実装面である。半導体装置101が接続対象物に実装される場合、半導体層102は、第2主面104を対向させた姿勢で接続対象物に実装される。接続対象物としては、電子部品、リードフレーム、回路基板等が例示される。
第2主面104は、粗面化された粗面化面からなる。第2主面104は、不規則に形成された凹凸(Unevenness)によって粗面化されている。第2主面104の全域が粗面化されていることが好ましい。第2主面104は、研削痕(より具体的にはライン状に延びる研削痕)を有さない粗面化面からなることが特に好ましい。第2主面104は、より具体的には、Si単結晶からなる結晶面である。したがって、第2主面104は、Si単結晶が粗面化された結晶粗面化面からなる。
【0092】
第2主面104の算術平均粗さRaは、0nmを超えて1000nm以下であってもよい。算術平均粗さRaは、0nmを超えて50nm以下、50nm以上100nm以下、100nm以上200nm以下、200nm以上400nm以下、400nm以上600nm以下、600nm以上800nm以下、800nm以上1000nm以下であってもよい。算術平均粗さRaは0nmを超えて400nm以下であることが好ましい。
【0093】
側面105Aおよび側面105Cは、第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差する第2方向Yに互いに対向している。側面105Bおよび側面105Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに互いに対向している。第2方向Yは、より具体的には第1方向Xに直交する方向である。側面105A〜105Dは、それぞれ第1主面103および第2主面104の法線方向に沿って平面的に延びている。
【0094】
半導体層102は、この形態では、n
+型の半導体基板106およびn型のエピタキシャル層107を含む積層構造を有している。半導体基板106によって、第2主面104が形成されている。エピタキシャル層107によって、第1主面103が形成されている。半導体基板106およびエピタキシャル層107によって、側面105A〜105Dが形成されている。
【0095】
エピタキシャル層107のn型不純物濃度は、半導体基板106のn型不純物濃度未満である。半導体基板106のn型不純物濃度は、1.0×10
18cm
−3以上1.0×10
21cm
−3以下であってもよい。エピタキシャル層107のn型不純物濃度は、1.0×10
15cm
−3以上1.0×10
18cm
−3以下であってもよい。
半導体層102は、アクティブ領域108および外側領域109を含む。アクティブ領域108は、SBDの主要部が形成された領域である。アクティブ領域108は、平面視において側面105A〜105Dから内方に間隔を空けて半導体層102の中央部に形成されている。アクティブ領域108は、平面視において側面105A〜105Dに平行な4辺を有する四角形状に形成されていてもよい。
【0096】
外側領域109は、アクティブ領域108の外側の領域である。外側領域109は、側面105A〜105Dおよびアクティブ領域108の周縁の間の領域に形成されている。外側領域109は、平面視においてアクティブ領域108を取り囲む環状(この形態では無端状)に形成されている。
第1主面103の上には、主面絶縁層110が形成されている。主面絶縁層110は、アクティブ領域108および外側領域109を被覆している。主面絶縁層110は、酸化シリコン層および窒化シリコン層のうちの少なくとも一つを含む。
【0097】
主面絶縁層110は、酸化シリコン層および窒化シリコン層を任意の順で含む積層構造を有していてもよい。主面絶縁層110は、この形態では、酸化シリコン層からなる単層構造を有している。
主面絶縁層110は、絶縁側面111A,111B,111C,111Dを有している。絶縁側面111A〜111Dは、半導体層102の側面105A〜105Dに連なっている。絶縁側面111A〜111Dは、側面105A〜105Dに対して面一に形成されている。
【0098】
主面絶縁層110の上には、第1端子電極としてのアノード端子電極112が形成されている。アノード端子電極112は、平面視において側面105A〜105Dから内方に間隔を空けて半導体層102の中央部に形成されている。アノード端子電極112は、平面視において半導体層102の側面105A〜105Dに平行な4辺を有する四角形状に形成されていてもよい。
【0099】
主面絶縁層110の上には、無機絶縁層113が形成されている。無機絶縁層113は、パッシベーション層とも称される。無機絶縁層113は、酸化シリコン層および窒化シリコン層のうちの少なくとも1つを含む。
無機絶縁層113は、酸化シリコン層および窒化シリコン層を任意の順で含む積層構造を有していてもよい。無機絶縁層113は、主面絶縁層110とは異なる絶縁材料を含むことが好ましい。この形態では、無機絶縁層113は、窒化シリコン層からなる単層構造を有している。
【0100】
無機絶縁層113は、側面114A,114B,114C,114Dを含む。無機絶縁層113の側面114A〜114Dは、平面視において半導体層102の側面105A〜105Dから内方に間隔を空けて形成されている。無機絶縁層113の側面114A〜114Dは、平面視において第1主面103の周縁部を露出させている。無機絶縁層113の側面114A〜114Dは、より具体的には、主面絶縁層110を露出させている。
【0101】
無機絶縁層113は、アノード端子電極112の一部を露出させるサブパッド開口115を含む。サブパッド開口115は、平面視において側面105A〜105Dに平行な4辺を有する四角形状に形成されている。
無機絶縁層113の上には、有機絶縁層116が形成されている。無機絶縁層113および有機絶縁層116は、1つの絶縁積層構造(絶縁層)を形成している。
図12では、有機絶縁層116がハッチングによって示されている。
【0102】
有機絶縁層116は、感光性樹脂を含んでいてもよい。感光性樹脂は、ネガティブタイプまたはポジティブタイプであってもよい。有機絶縁層116は、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミドおよびポリアミドのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。有機絶縁層116は、この形態では、ポジティブタイプの感光性樹脂の一例としてのポリベンゾオキサゾールを含む。
【0103】
有機絶縁層116は、焦げのない外面を有している。有機絶縁層116は、炭化物を含まない外面を有している。有機絶縁層116は、炭化物を含まない。有機絶縁層116は、側面117A,117B,117C,117Dを含む。有機絶縁層116の側面117A〜117Dは、平面視において側面105A〜105Dから内方に間隔を空けて形成されている。
【0104】
有機絶縁層116の側面117A〜117Dは、平面視において半導体層102の周縁部を露出させている。有機絶縁層116の側面117A〜117Dは、無機絶縁層113の側面114A〜114Dと共に主面絶縁層110を露出させている。有機絶縁層116の側面117A〜117Dは、この形態では、無機絶縁層113の側面114A〜114Dに面一に形成されている。
【0105】
有機絶縁層116は、アノード端子電極112の一部を露出させるパッド開口118を含む。パッド開口118は、平面視において側面105A〜105Dに平行な4辺を有する四角形状に形成されていてもよい。
パッド開口118は、サブパッド開口115に連通している。パッド開口118の内壁は、サブパッド開口115の内壁に面一に形成されている。パッド開口118の内壁は、サブパッド開口115の内壁に対して側面105A〜105D側に位置していてもよい。パッド開口118の内壁は、サブパッド開口115の内壁に対して内方に位置していてもよい。有機絶縁層116は、サブパッド開口115の内壁を被覆していてもよい。
【0106】
有機絶縁層116の側面117A〜117Dは、半導体層102の側面105A〜105Dとの間でダイシングストリート143を区画している。この形態では、無機絶縁層113の側面114A〜114Dも、半導体層102の側面105A〜105Dとの間でダイシングストリート143を区画している。
ダイシングストリート143によれば、有機絶縁層116および無機絶縁層113を物理的に切断する必要がなくなる。これにより、ウエハから半導体装置101を円滑に切り出すことができると同時に、有機絶縁層116および無機絶縁層113の剥離や劣化を抑制できる。その結果、有機絶縁層116および無機絶縁層113によって、半導体層102、アノード端子電極112等を適切に保護することができる。
【0107】
ダイシングストリート143の幅は、1μm以上25μm以下であってもよい。ダイシングストリート143の幅は、ダイシングストリート143が延びる方向に直交する方向の幅である。ダイシングストリート143の幅は、1μm以上5μm以下、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下または20μm以上25μm以下であってもよい。
【0108】
無機絶縁層113の側面114A〜114Dは、必ずしもダイシングストリート143を区画している必要はない。無機絶縁層113の側面114A〜114Dは、半導体層102の側面105A〜105Dに対して面一に形成されていてもよい。
有機絶縁層116の厚さは、1μm以上20μm以下であってもよい。
半導体層102の第2主面104の上には、第2端子電極としてのカソード端子電極119が形成されている。カソード端子電極119は、第2主面104との間でオーミック接触を形成している。
【0109】
カソード端子電極119は、粗面化された第2主面104に対して直接接続されている。カソード端子電極119は、より具体的には、第2主面104の結晶粗面化面に対して直接接続されている。
カソード端子電極119は、さらに具体的には、シリサイドを主たる構成に含むシリサイド層を形成することなく、第2主面104に直接接続されている。カソード端子電極119は、シリサイドを主たる構成に含む材料が層状に形成された領域を含まない。
【0110】
また、カソード端子電極119は、第2主面104との間に第2主面104の結晶状態が他の性質に改質された改質層を形成することなく、第2主面104に直接接続されている。改質層としては、Si溶融再硬化層、Si多結晶層、Siアモルファス層等が例示される。
また、カソード端子電極119は、共晶物を主たる構成に含む共晶層を形成することなく、第2主面104に直接接続されている。カソード端子電極119は、共晶物を主たる構成に含む材料が層状に形成された領域を含まない。
【0111】
つまり、カソード端子電極119は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく粗面化された第2主面104に対して直接接続されている。
図14Aを参照して、カソード端子電極119は、第2主面104の上に積層された複数の電極層を含む積層構造を有している。カソード端子電極119は、この形態では、第2主面104側からこの順に積層されたTi層120、Ni層121、Au層122およびAg層123を含む積層構造を有している。
【0112】
Ti層120は、粗面化された第2主面104に対して直接接続されている。Ti層120は、第2主面104の全域を被覆していることが好ましい。Ti層120は、第2主面104との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層120は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面104に直接接続されている。
【0113】
Ni層121は、Ti層120を被覆している。Ni層121は、Ti層120の全域を被覆していることが好ましい。Au層122は、Ni層121を被覆している。Au層122は、Ni層121の全域を被覆していることが好ましい。Ag層123は、Au層122を被覆している。Ag層123は、Au層122の全域を被覆していることが好ましい。
【0114】
カソード端子電極119は、Ti層120、Ni層121、Au層122およびAg層123のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。以下、カソード端子電極119の他の形態例を示す。
図14Bは、
図14Aに対応する断面図であって、第2形態例に係るカソード端子電極119を示す図である。
【0115】
図14Bを参照して、カソード端子電極119は、この形態では、第2主面104の上に形成されたTi層120からなる単層構造を有している。Ti層120は、第2主面104との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層120は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面104に直接接続されている。
【0116】
図14Cは、
図14Aに対応する断面図であって、第3形態例に係るカソード端子電極119を示す図である。
図14Cを参照して、カソード端子電極119は、この形態では、第2主面104の上に形成されたAu層122からなる単層構造を有している。Au層122は、第2主面104との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Au層122は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面104に直接接続されている。
【0117】
図14Dは、
図14Aに対応する断面図であって、第4形態例に係るカソード端子電極119を示す図である。
図14Dを参照して、カソード端子電極119は、この形態では、第2主面104側からこの順に積層されたAu層122およびAg層123を含む積層構造を有している。Au層122は、第2主面104との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。
【0118】
Au層122は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面104に直接接続されている。Ag層123は、Au層122を被覆している。Ag層123は、Au層122の全域を被覆していることが好ましい。
図14Eは、
図14Aに対応する断面図であって、第5形態例に係るカソード端子電極119を示す図である。
【0119】
図14Eを参照して、カソード端子電極119は、この形態では、第2主面104側からこの順に積層されたTi層120、Ni層121およびAu層122を含む積層構造を有している。Ti層120は、第2主面104との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層120は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面104に直接接続されている。
【0120】
Ni層121は、Ti層120を被覆している。Ni層121は、Ti層120の全域を被覆していることが好ましい。Au層122は、Ni層121を被覆している。Au層122は、Ni層121の全域を被覆していることが好ましい。
図14Fは、
図14Aに対応する断面図であって、第6形態例に係るカソード端子電極119を示す図である。
【0121】
図14Fを参照して、カソード端子電極119は、この形態では、第2主面104側からこの順に積層されたTi層120、Ni層121、Pd層124、Au層122およびAg層123を含む積層構造を有している。Ti層120は、第2主面104との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層120は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面104に直接接続されている。
【0122】
Ni層121は、Ti層120を被覆している。Ni層121は、Ti層120の全域を被覆していることが好ましい。Pd層124は、Ni層121を被覆している。Pd層124は、Ni層121の全域を被覆していることが好ましい。Au層122は、Pd層124を被覆している。Au層122は、Pd層124の全域を被覆していることが好ましい。Ag層123は、Au層122を被覆している。Ag層123は、Au層122の全域を被覆していることが好ましい。
【0123】
図14Gは、
図14Aに対応する断面図であって、第7形態例に係るカソード端子電極119を示す図である。
図14Gを参照して、カソード端子電極119は、この形態では、第2主面104側からこの順に積層されたTi層120、Ni層121、Pd層124およびAu層122を含む積層構造を有している。Ti層120は、第2主面104との間でオーミック接触を形成するオーミック電極として形成されている。Ti層120は、シリサイド層、改質層および共晶層を介することなく第2主面104に直接接続されている。
【0124】
Ni層121は、Ti層120を被覆している。Ni層121は、Ti層120の全域を被覆していることが好ましい。Pd層124は、Ni層121を被覆している。Pd層124は、Ni層121の全域を被覆していることが好ましい。Au層122は、Pd層124を被覆している。Au層122は、Pd層124の全域を被覆していることが好ましい。
【0125】
図13を参照して、アクティブ領域108において第1主面103の表層部には、n型のダイオード領域125が形成されている。ダイオード領域125は、この形態では、第1主面103の中央部に形成されている。ダイオード領域125は、平面視において側面105A〜105Dに平行な4辺を有する四角形状に形成されていてもよい。
ダイオード領域125は、この形態では、エピタキシャル層107の一部を利用して形成されている。ダイオード領域125は、エピタキシャル層107の表層部に対するn型不純物の導入によって形成されていてもよい。
【0126】
外側領域109において第1主面103の表層部には、p
+型のガード領域126が形成されている。ガード領域126のp型不純物は、活性化されていてもよいし、活性化されていなくてもよい。ガード領域126は、平面視においてダイオード領域125に沿って延びる帯状に形成されている。
ガード領域126は、より具体的には、平面視においてダイオード領域125を取り囲む環状(より具体的には無端状)に形成されている。これにより、ガード領域126は、ガードリング領域として形成されている。アクティブ領域108およびダイオード領域125は、ガード領域126によって画定されている。
【0127】
第1主面103の上には、前述の主面絶縁層110が形成されている。主面絶縁層110は、ダイオード領域125を露出させるダイオード開口127を含む。ダイオード開口127は、ガード領域126の内周縁も露出させている。ダイオード開口127は、平面視において側面105A〜105Dに平行な4辺を有する四角形状に形成されていてもよい。
【0128】
主面絶縁層110の上には、前述のアノード端子電極112が形成されている。アノード端子電極112は、主面絶縁層110の上からダイオード開口127に入り込んでいる。アノード端子電極112は、ダイオード開口127内においてダイオード領域125およびガード領域126に電気的に接続されている。
アノード端子電極112は、より具体的には、ダイオード領域125との間でショットキー接合を形成している。これにより、アノード端子電極112をアノードとし、ダイオード領域125をカソードとするSBDが形成されている。
【0129】
以上、半導体装置101によれば、第2主面104が粗面化されているので、第2主面104に対するカソード端子電極119の密着力を高めることができる。これにより、第2主面104からのカソード端子電極119の剥離を抑制できるから、シリサイド層を介することなくカソード端子電極119を第2主面104に直接接続させることができる。また、共晶層および改質層を介することなくカソード端子電極119を第2主面104に直接接続させることができる。
【0130】
その結果、カソード端子電極119の形成時において半導体層102を加熱せずに済むから、半導体層102の第1主面103側の構造を適切に形成できる。一例として、カソード端子電極119の形成工程に起因する有機絶縁層116の炭化を防止できる。よって、カソード端子電極119に起因する信頼性の低下を抑制できる半導体装置101を提供できる。
【0131】
また、半導体装置101によれば、有機絶縁層116を形成した後にカソード端子電極119を形成できる構造を有している。カソード端子電極119を形成した後に有機絶縁層116を形成することも考えられる。
しかし、この場合には、カソード端子電極119の導電材料が第1主面103側の構造に付着するリスクが高まるから好ましいとは言えない。また、第1主面103側の構造を作り込んだ後に第2主面104側の構造を形成し、その後、第1主面103側の構造を再度形成しなければならないため、製造工程が煩雑化する。
【0132】
これに対して、半導体装置101によれば、有機絶縁層116の炭化を防止できるから
、有機絶縁層116を形成した後にカソード端子電極119を形成できる。また、カソード端子電極119の形成工程時において、有機絶縁層116によって第1主面103側の構造を保護できるから、カソード端子電極119の導電材料が第1主面103側の構造に付着するリスクを低減できる。また、第1主面103側の構造の全てを作り込んだ後に第2主面104側の構造を形成できる。よって、半導体装置101の信頼性を高めることができると同時に、製造工程の煩雑化を抑制できる。
【0133】
図15は、
図11に示す半導体装置の製造に使用されるウエハ128を示す平面図である。
図15を参照して、ウエハ128は、円盤状に形成された板状のn
+型のSi単結晶からなる。ウエハ128は、一方側の第1ウエハ主面129、他方側の第2ウエハ主面130、ならびに、第1ウエハ主面129および第2ウエハ主面130を接続するウエハ側面131を有している。
【0134】
ウエハ128のウエハ側面131には、結晶方位を示す目印の一例としての1つまたは複数(この形態では1つ)のオリエンテーションフラット132が形成されている。オリエンテーションフラット132は、ウエハ128の周縁に形成された切欠部である。
第1ウエハ主面129には、半導体装置101にそれぞれ対応した複数の装置形成領域133が設定されている。複数の装置形成領域133は、この形態では、第1方向Xおよび第2方向Yに沿う行列状に配列されている。複数の装置形成領域133は、ダイシングライン134によって区画されている。半導体装置101は、複数の装置形成領域133の周縁(ダイシングライン134)に沿ってウエハ128を切断することによって切り出される。
【0135】
図16A〜
図16Mは、
図11に示す半導体装置101の製造方法の一例を示す断面図である。
図16A〜
図16Mでは、説明の便宜上、3つの装置形成領域133だけを示し、他の装置形成領域133についての図示を省略している。
図16Aを参照して、ウエハ128が用意される。次に、エピタキシャル成長法によって、第1ウエハ主面129の上にn型のエピタキシャル層107が形成される。これにより、ウエハ128およびエピタキシャル層107を含むウエハ層135が形成される。ウエハ層135は、第1主面136および第2主面137を含む。ウエハ層135の第1主面136および第2主面137は、半導体層102の第1主面103および第2主面104にそれぞれ対応している。
【0136】
次に、
図16Bを参照して、第1主面136にダイオード領域125が設定され、ダイオード領域125の周囲に沿うp
+型のガード領域126が形成される。
ガード領域126は、より具体的には、エピタキシャル層107の表層部に形成される。ガード領域126は、第1主面136に対するp型不純物の導入によって形成される。ガード領域126のp型不純物は、イオン注入マスク(図示せず)を介するイオン注入法によって第1主面136の表層部に導入されてもよい。
【0137】
ダイオード領域125は、イオン注入マスク(図示せず)を介して第1主面136の表層部にn型不純物を選択的に導入することによって形成されてもよい。
次に、
図16Cを参照して、第1主面136の上に主面絶縁層110が形成される。主面絶縁層110は、酸化シリコンを含む。主面絶縁層110は、熱酸化処理法および/またはCVD法によって形成されてもよい。
【0138】
次に、
図16Dを参照して、所定パターンを有するマスク138が、主面絶縁層110の上に形成される。マスク138は、複数の開口139を有している。複数の開口139は、主面絶縁層110においてダイオード開口127を形成すべき領域をそれぞれ露出させている。
次に、マスク138を介するエッチング法によって、主面絶縁層110の不要な部分が除去される。エッチング法は、ウエットエッチング法および/またはドライエッチング法であってもよい。これにより、主面絶縁層110にダイオード開口127が形成される。ダイオード開口127の形成後、マスク138は除去される。
【0139】
次に、
図16Eを参照して、アノード端子電極112のベースとなるベース電極層140が、第1主面136の上に形成される。ベース電極層140は、第1主面136の全域に形成され、主面絶縁層110を被覆する。ベース電極層140は、蒸着法および/またはスパッタ法によって形成されてもよい。
次に、
図16Fを参照して、所定パターンを有するマスク141が、ベース電極層140の上に形成される。マスク141は、ベース電極層140においてアノード端子電極112を形成すべき領域以外の領域を露出させる開口142を有している。
【0140】
次に、マスク141を介するエッチング法によって、ベース電極層140の不要な部分が除去される。エッチング法は、ウエットエッチング法および/またはドライエッチング法であってもよい。これにより、ベース電極層140が複数のアノード端子電極112に分割される。アノード端子電極112の形成後、マスク141は除去される。
次に、
図16Gを参照して、第1主面136の上に無機絶縁層113が形成される。無機絶縁層113は、窒化シリコンを含む。無機絶縁層113は、CVD法によって形成されてもよい。
【0141】
次に、
図16Hを参照して、無機絶縁層113の上に、有機絶縁層116が塗布される。有機絶縁層116は、アクティブ領域108および外側領域109を一括して被覆する。有機絶縁層116は、ポジティブタイプの感光性樹脂の一例としてのポリベンゾオキサゾールを含んでいてもよい。
次に、
図16Iを参照して、有機絶縁層116が選択的に露光された後、現像される。これにより、パッド開口118およびダイシングストリート143が有機絶縁層116に形成される。ダイシングストリート143は、ダイシングライン134に沿って形成される。
【0142】
次に、無機絶縁層113の不要な部分が除去される。無機絶縁層113の不要な部分は、有機絶縁層116を介するエッチング法によって除去されてもよい。エッチング法は、ウエットエッチング法および/またはドライエッチング法であってもよい。これにより、サブパッド開口115が無機絶縁層113に形成される。また、ダイシングストリート143の一部を区画する無機絶縁層113が形成される。
【0143】
次に、
図16Jを参照して、ウエハ層135の第2主面137(ウエハ128の第2ウエハ主面130)が研削される。ウエハ層135の第2主面137は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法によって研削されてもよい。これにより、ウエハ層135が所望の厚さまで薄化される。また、ウエハ層135の第2主面137に、ライン状に延びる複数の研削痕が形成される。複数の研削痕は、ウエハ層135の中心から周縁に向けて円弧状に延びるライン状にそれぞれ形成されてもよい。
【0144】
次に、
図16Kを参照して、第2主面137が粗面化される。第2主面137は、エッチング法によって粗面化される。第2主面137は、0nmを超えて1000nm以下の算術平均粗さRaになるまで粗面化されてもよい。第2主面137は、算術平均粗さRaが、0nmを超えて400nm以下になるまで粗面化されることが好ましい。
第2主面137の粗面化工程に先立って、第2主面137から研削痕が取り除かれてもよい。研削痕の除去工程は、第2主面137を鏡面化する工程であってもよい。この工程によれば、第2主面137の粗面化工程において、研削痕を起点とする第2主面137の不所望なエッチング(たとえば研削痕の拡張)を抑制できるから、第2主面137を適切に粗面化できる。
【0145】
また、次のカソード端子電極119の形成工程において、カソード端子電極119が研削痕内に入り込むことを抑制できる。これにより、研削痕を起点とする第2主面137のクラックを抑制できるから、カソード端子電極119を第2主面137に適切に接続させることができる。
次に、
図16Lを参照して、カソード端子電極119が、粗面化された第2主面137の上に形成される。この工程は、第2主面137側からTi層120、Ni層121、Au層122およびAg層123をこの順に形成する工程を含む。Ti層120、Ni層121、Au層122およびAg層123は、蒸着法および/またはスパッタ法によって形成されることが好ましい。
【0146】
Ti層120は、粗面化されたウエハ層135の第2主面137に対して直接接続される。Ni層121は、Ti層120に対して直接接続される。Au層122は、Ni層121に対して直接接続される。Ag層123は、Au層122に対して直接接続される。
カソード端子電極119の形成工程では、シリサイド層、改質層および共晶層は形成されない。したがって、ウエハ層135の第1主面136側の構造を加熱せずに済む。これにより、カソード端子電極119の形成工程に起因する有機絶縁層116の炭化を防止できる。
【0147】
次に、
図16Mを参照して、ウエハ層135が複数の装置形成領域133の周縁(ダイシングライン134)に沿って切断され、ウエハ層135から複数の半導体装置101が切り出される。以上を含む工程を経て、半導体装置101が製造される。
図17は、半導体装置101が組み込まれる半導体パッケージ144を、パッケージ本体145を透過して示す斜視図である。
【0148】
図17を参照して、半導体パッケージ144は、この形態では、2端子型のTO−220からなる。半導体パッケージ144は、半導体装置101、パッド部146、ヒートシンク部147、複数(この形態では2本)のリード端子148、複数(この形態では2本)の導線149およびパッケージ本体145を含む。
パッド部146は、金属板を含む。パッド部146は、鉄、金、銀、銅、アルミニウム等を含んでいてもよい。パッド部146は、平面視において四角形状に形成されている。パッド部146は、半導体装置101の平面面積以上の平面面積を有している。
【0149】
半導体装置101は、カソード端子電極119をパッド部146に対向させた姿勢で、パッド部146の上に配置されている。導電接合材150は、カソード端子電極119およびパッド部146の間に介在されている。これにより、半導体装置101のカソード端子電極119は、導電接合材150を介してパッド部146に電気的に接続されている。
導電接合材150は、金属製ペーストまたは半田であってもよい。金属製ペーストは、Au(金)、Ag(銀)またはCu(銅)を含む導電性ペーストであってもよい。導電接合材150は、半田からなることが好ましい。半田は、鉛フリー型の半田であってもよい。半田は、SnAgCu、SnZnBi、SnCu、SnCuNiまたはSnSbNiのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0150】
ヒートシンク部147は、パッド部146の一辺に接続されている。この形態では、パッド部146およびヒートシンク部147が、一枚の金属板によって形成されている。ヒートシンク部147には、貫通孔147aが形成されている。貫通孔147aは、円形状に形成されている。
複数のリード端子148は、パッド部146に対してヒートシンク部147とは反対側の辺に沿って配列されている。複数のリード端子148は、それぞれ金属板を含む。リード端子148は、鉄、金、銀、銅、アルミニウム等を含んでいてもよい。
【0151】
複数のリード端子148は、第1リード端子148Aおよび第2リード端子148Bを含む。第1リード端子148Aおよび第2リード端子148Bは、パッド部146においてヒートシンク部147とは反対側の辺に沿って間隔を空けて配列されている。
第1リード端子148Aおよび第2リード端子148Bは、それらの配列方向に直交する方向に沿って帯状に延びている。
【0152】
複数の導線149は、ボンディングワイヤ等であってもよい。複数の導線149は、導線149Aおよび導線149Bを含む。導線149Aは、第1リード端子148Aおよび半導体装置101のアノード端子電極112に電気的に接続されている。これにより、第1リード端子148Aは、導線149Aを介して半導体装置101のアノード端子電極112に電気的に接続されている。
【0153】
導線149Bは、第2リード端子148Bおよびパッド部146に電気的に接続されている。これにより、第2リード端子148Bは、導線149Bを介して半導体装置101のカソード端子電極119に電気的に接続されている。第2リード端子148Bは、パッド部146と一体的に形成されていてもよい。
パッケージ本体145は、フィラーを有するモールド樹脂(封止樹脂)を含む。パッケージ本体145は、モールド樹脂の一例としてフィラーを有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。パッケージ本体145は、ヒートシンク部147および複数のリード端子148の一部を露出させるように、半導体装置101、パッド部146および複数の導線149を封止している。パッケージ本体145は、直方体形状に形成されている。
【0154】
半導体パッケージ144は、TO−220に制限されない。半導体パッケージ144としては、SOP(Small Outline Package)、QFN(Quad For Non Lead Package)、DFP(Dual Flat Package)、DIP(Dual Inline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SIP(Single Inline Package)もしくはSOJ(Small Outline J-leaded Package)、または、これらに類する種々の形態が適用されてもよい。
【0155】
パッケージ本体145によって半導体装置101を封止する場合、フィラーによって半導体装置101がダメージを受ける問題がある。この問題は、フィラーアタックと称される。そこで、半導体装置101では、半導体層102の第1主面103の上に有機絶縁層116を形成している。
これにより、有機絶縁層116のクッション性を利用して、フィラーに起因する衝撃を緩和できる。その結果、フィラーから半導体層102、アノード端子電極112等を保護できる。
【0156】
さらに、半導体装置101によれば、カソード端子電極119の形成に起因する有機絶縁層116の炭化(劣化)が防止されている。これにより、フィラーから半導体層102、アノード端子電極112等を適切に保護できる。
本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
前述の各実施形態では、半導体層2,102が、半導体基板6,106およびエピタキシャル層7,107を含む積層構造を有している例について説明した。しかし、半導体層2,102は、半導体基板6,106からなる単層構造を有していてもよい。
【0157】
前述の各実施形態では、Si単結晶からなる半導体層2,102が採用された例について説明した。しかし、Si単結晶に代えてSiC単結晶からなる半導体層2,102が採用されてもよい。また、Si単結晶に代えて化合物半導体の単結晶からなる半導体層2,102が採用されてもよい。化合物半導体の単結晶は、窒化物半導体の単結晶(たとえばGaN単結晶)であってもよい。
【0158】
前述の第1実施形態において、n
+型の半導体基板6に代えてp
+型の半導体基板6が採用されてもよい。この構造によれば、MISFETに代えて、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を提供できる。この場合、前述の各実施形態において、MISFETの「ソース」がIGBTの「エミッタ」に読み替えられ、MISFETの「ドレイン」がIGBTの「コレクタ」に読み替えられる。
【0159】
前述の第2実施形態では、ダイオードの一例としてのSBDが形成された例について説明した。しかし、n型のダイオード領域125に代えてp型のダイオード領域125が形成されてもよい。この場合、SBDに代えてpn接合ダイオードを提供できる。
前述の各実施形態において、各半導体部分の導電型が反転された構造が採用されてもよい。つまりp型の部分がn型とされ、n型の部分がp型とされてもよい。
【0160】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。