(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202372(P2020-202372A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置用セラミック構造体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20201120BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20201120BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-97794(P2020-97794)
(22)【出願日】2020年6月4日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0066926
(32)【優先日】2019年6月5日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520006654
【氏名又は名称】ケーエスエム・コンポーネント・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】金 周煥
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BB15
5F004BB26
5F004BB28
5F004CA04
5F045AA08
5F045BB08
5F045DP03
5F045EH13
5F045EK09
5F045EM09
5F131AA02
5F131CA17
5F131CA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
(57)【要約】
【課題】セラミック構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、内部に埋設された第1伝導性構造物、及び前記第1伝導性構造物と異なる深さで埋設された第2伝導性構造物を含むセラミック構造体であって、前記第1伝導性構造物と第2伝導性構造物がセラミック構造体の焼結時、内部に埋設されたままセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材によって電気的に連結されたセラミック構造体及びその製造方法を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1層のセラミックシートを形成する段階、
(b)前記第1層のセラミックシートの上に第1伝導性構造物を形成する段階、
(c)前記第1伝導性構造物の上に第2層のセラミックシートを形成する段階、
(d)前記第2層のセラミックシートにセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材を埋設する段階、
(e)前記第2層のセラミックシートの上に第2伝導性構造物を形成する段階、
(f)前記第2伝導性構造物の上に第3層のセラミックシートを形成する段階、及び
(g)前記(f)段階で製造されたセラミックシートの積層体を焼結する段階、を含むセラミック構造体の製造方法であって、
前記セラミック構造体は、セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材によって第1伝導性構造物及び第2伝導性構造物が電気的に連結された構造を含むことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
【請求項2】
前記第1伝導性構造物及び前記第2伝導性構造物は、RF電極またはヒーター電極であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項3】
前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材は、垂直方向の弾性を有する連結部材であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項4】
前記垂直方向の弾性を有する連結部材は、弾性ワイヤ及びスプリングからなる群から選択される1つ以上を含むことを特徴とする請求項3に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項5】
前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材は、キャップと、前記キャップと嵌め合う挿入部材を含む連結部材であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項6】
前記キャップは、セラミックシートが垂直方向に収縮する長さよりも深い挿入部材の挿入溝を有することを特徴とする請求項5に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項7】
前記第1層ないし第3層のセラミックシートを構成するセラミック素材は、窒化アルミニウム、SiC、SiN、Al2O3、及びAlONからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項8】
前記第1層ないし第3層のセラミックシートの形成は、セラミック粉末での形成、セラミック粉末スラリーでの形成、または予めシート形状で製造されたシートでの形成であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項9】
前記第1伝導性構造物及び前記第2伝導性構造物の形成は、一定した形態を有する構造物を使っての形成、またはセラミックシートの上に伝導性構造物を印刷する形成であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項10】
前記(c)段階でセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材は、第2層セラミックシートの上に埋める方法によって設置されることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項11】
前記(a)ないし(f)段階でのセラミックシートの積層はモールド内で行われ、前記(f)段階での焼結は垂直方向に圧力を加える方法で行われることを特徴とする請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
【請求項12】
セラミック構造体であって、
前記セラミック構造体の内部に埋設された第1伝導性構造物、及び
前記第1伝導性構造物と異なる深さで埋設された第2伝導性構造物を含み、
前記第1伝導性構造物と前記第2伝導性構造物が、セラミック構造体の焼結時に内部に埋設されたままセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材によって電気的に連結されたセラミック構造体。
【請求項13】
前記第1伝導性構造物及び第2伝導性構造物は、RF電極またはヒーター電極であることを特徴とする請求項12に記載のセラミック構造体。
【請求項14】
前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材が垂直方向の弾性を有する連結部材であることを特徴とする請求項12に記載のセラミック構造体。
【請求項15】
前記垂直方向の弾性を有する連結部材は、弾性ワイヤ及びスプリングからなる群から選択される1つ以上を含むことを特徴とする請求項14に記載のセラミック構造体。
【請求項16】
前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材が、キャップと前記キャップと嵌め合う挿入部材を含む連結部材であることを特徴とする請求項12に記載のセラミック構造体。
【請求項17】
前記キャップは、焼結時にセラミックシートが垂直方向に収縮する長さよりも深い挿入部材の挿入溝を有することを特徴とする請求項16に記載のセラミック構造体。
【請求項18】
前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材は、末端に伝導性構造物との接触面積の拡大及び安定的な接触のために連結端子をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のセラミック構造体。
【請求項19】
前記セラミック構造体は、継ぎ目がないモノリシック(monolithic)セラミック構造体であることを特徴とする請求項12に記載のセラミック構造体。
【請求項20】
処理基板の支持台として請求項12に記載のセラミック構造体を含むプラズマ処理処置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置用セラミック構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内部にRF(radio frequency,無線周波数)電極及び/またはヒーター電極など伝導性構造物が埋設されたセラミック構造体は、半導体製造工程の中でウェハー(wafer)などのプラズマ処理のための支持台などで使われる。
【0003】
前記セラミック構造体でRF電極及び/またはヒーター電極などの伝導性構造物は、構造物の間を電気的に連結するために横方向の連結と軸方向の連結が要求される。前記横方向の連結の場合、連結部材を使用して通常の方法で伝導性構造物の間を電気的に連結することができる。しかし、軸方向(垂直方向)連結の場合、セラミック構造体が焼結時に軸方向に大きく収縮するので、セラミック構造体内で直接連結することは難しい。
【0004】
前記のような理由を具体的に説明すれば、次のとおりである。
【0005】
伝導性構造物を含むセラミック構造体を製造するためには、セラミック粉末状態で伝導性構造物を挿入し、高温及び高圧で焼結する過程が必須である。前記焼結過程で高圧が軸方向に印加されるのでセラミック粉末の横方向への収縮は大きくないが、大きい圧力を受ける軸方向の収縮は大きく発生する。一方、前記焼結過程で軸方向に連結するための垂直方向伝導性連結部材(例:金属部材など)は、通常セラミック粉末と同等の収縮が発生しない。したがって、このような収縮率の差によって、セラミック構造体を焼結する場合、垂直方向伝導性連結部材によってRF電極及び/またはヒーター電極などの伝導性構造物が損傷したり、電気的連結が切れたりする問題が発生する。
【0006】
そのため、このような問題を解消するためには、セラミック粉末と垂直方向伝導性連結部材の収縮量を予想して伝導性構造物間の垂直方向の連結を試みなければならない。しかし、セラミック粉末と垂直方向伝導性連結部材(例:金属部材など)の収縮量を正確に予測することが難しいため、このような方法で軸方向の連結を試みる場合、伝導性構造物と垂直方向伝導性連結部材との間の接触が行われなかったり、セラミック粉末の軸方向への過度な収縮によって垂直方向伝導性連結部材によって伝導性構造物が損傷されたり変形される問題が必然的に発生する。
【0007】
そのため、従来のRF電極及び/またはヒーター電極などの伝導性構造物を含むセラミック構造体は、伝導性構造物間の横方向の連結構造を活用しているが、軸方向の連結構造は活用できていない実情である。
【0008】
例えば、特許文献1は、
図1に図示されたように、第1RF電極1、第2RF電極2、及びヒーター電極3が埋設されたセラミック気体6及びこれを含むサセプタを開示している。前記第1RF電極1及び第2RF電極2は、形態及びサイズを異にすること(請求項1項参照)を特徴とするので、このRF電極に対してセラミック気体6の内部で電気的連結を形成することは、セラミック気体6の製造工程の単純化、RF電極の汚染防止、及び腐食防止などによるRF電極の耐久性向上の面で好ましい。しかし、前記先行技術は、前述した軸方向の電気的連結の難しさのため、前記第1RF電極1及び第2RF電極2にそれぞれ別途のリード線4、5を連結し、これらのリード線をRF電源に連結している。
【0009】
前記のように別途のリード線4、5を使用する場合、それぞれのRF電極からリード線まで横方向の連結ラインを形成し、各々のリード線と半田付けなどを通じて連結を形成しなければならないし、作業において空間的制約が存在するので製造工程を増加させ、各々のリード線が必要なので原価面でも好ましくない。また、前記セラミック構造体は半導体工程など耐食性が必要な環境で使われるので、前記先行技術のように、電気的連結部材がセラミック部材の外部に露出される場合、早い腐食、パーティクルによる汚染などによって寿命が縮まる短所をもたらす。また、接合構造による電気的なノイズを発生させる短所を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第10‐2014‐0065016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、前記のような従来技術の問題を解決するために鋭意研究したところ、RF電極及び/またはヒーター電極など伝導性構造物が埋設されたセラミック構造体内で前記伝導性構造物間の軸方向の連結構造を副作用なしに形成することができる方法を見つけ出して本発明を完成した。
【0012】
よって、本発明は、RF電極及び/またはヒーター電極など伝導性構造物及び前記伝導性構造物の間を副作用なしに軸方向に連結させることができる電気的連結構造物が埋設されたセラミック構造体を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、前記セラミック構造体を効率的に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するために、本発明は、
(a)第1層のセラミックシートを形成する段階;
(b)前記第1層のセラミックシートの上に第1伝導性構造物を形成する段階;
(c)前記第1伝導性構造物の上に第2層のセラミックシートを形成する段階;
(d)前記第2層のセラミックシートにセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材を埋設する段階;
(e)前記第2層のセラミックシートの上に第2伝導性構造物を形成する段階;
(f)前記第2伝導性構造物の上に第3層のセラミックシートを形成する段階;及び
(g)前記(f)段階で製造されたセラミックシートの積層体を焼結する段階;を含むセラミック構造体の製造方法であって、
前記セラミック構造体は、セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材によって第1伝導性構造物及び第2伝導性構造物が電気的に連結された構造を含むことを特徴とするセラミック構造体の製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、
内部に埋設された第1伝導性構造物、及び
前記第1伝導性構造物と異なる深さで埋設された第2伝導性構造物を含むセラミック構造体であって、
前記第1伝導性構造物と第2伝導性構造物がセラミック構造体の焼結時に内部に埋設されたままセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材によって電気的に連結されたセラミック構造体を提供する。
【0016】
また、本発明は、
処理基板の支持台として前記本発明のセラミック構造体を含むプラズマ処理処置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のセラミック構造体は、セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材を使用することによって、セラミック構造体内でRF電極及び/またはヒーター電極など伝導性構造物の間を副作用なしに軸方向に連結させることを可能とし、それによって寿命向上及び原価節減の効果を提供する。
【0018】
また、本発明のセラミック構造体は、セラミック構造体内で形成された伝導性構造物と電源供給部の連結工程を単純化させ、前記伝導性構造物の間に堅固な連結ができるようにし、伝導性構造物間の連結によるノイズを最小化する効果を提供する。
【0019】
また、本発明のセラミック構造体の製造方法は、前記のようなセラミック構造体をとても効率的に製造することができる方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来技術のセラミック構造体の一例を模式的に図示した図面である。
【
図2】本発明によるセラミック構造体の製造方法の一実施形態を模式的に図示した図面である。
【
図3】本発明によるセラミック構造体を含むプラズマ処理装置の一実施形態を模式的に図示した図面である。
【
図4】本発明によるセラミック構造体の一実施形態を模式的に図示した図面である。
【
図5】本発明によるセラミック構造体に含まれるセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材の一実施形態を模式的に図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態に対して添付の図面を参照して詳しく説明する。しかし、本発明は幾つか異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。明細書全体にわたって類似な部分に対しては、同一な図面符号を付けた。
【0022】
本発明は、セラミック構造体の製造方法に関する。
【0023】
前記製造方法は、
図2に例示されたように、
(a)第1層のセラミックシートを形成する段階(
図2、(a));
(b)前記第1層のセラミックシートの上に第1伝導性構造物11を形成する段階(
図2、(b));
(c)前記第1伝導性構造物の上に第2層のセラミックシートを形成する段階(
図2、(c));
(d)前記第2層のセラミックシートにセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材13を埋設する段階(
図2、(d));
(e)前記第2層のセラミックシートの上に第2伝導性構造物12を形成する段階(
図2、(e));
(f)前記第2伝導性構造物の上に第3層のセラミックシートを形成する段階(
図2、(f)); 及び
(g)前記(f)段階で製造されたセラミックシートの積層体を焼結する段階(
図2、(g));を含むセラミック構造体の製造方法であって、
前記セラミック構造体は、セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材によって第1伝導性構造物及び第2伝導性構造物が電気的に連結された構造を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明で前記セラミックシートの形成は、セラミック粉末で形成したり、セラミック粉末スラリーで形成したり、予めシート形状で製造されたシートで形成することができるが、これに限定されることではなく、この分野に公知された方法によって形成されることができる。
【0025】
例えば、セラミック粉末を混合及び乾燥して形成してもよく、セラミック粉末をモールドに挿入した後、一定の形態で成形してもよい。
【0026】
本発明の一実施形態において、前記第1伝導性構造物及び第2伝導性構造物は、RF電極やヒーター電極であってもよいが、これらに限定されることではない。前記ヒーター電極としては、ヒーター熱線などを挙げることができる。
【0027】
本発明の一実施形態において、前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材13は、
図5の(a)ないし(c)に図示されたように、垂直方向の弾性を有する連結部材であってもよく、前記垂直方向の弾性を有する連結部材は、弾性ワイヤ及びスプリングなどから選択される1種以上であってもよい。前記弾性ワイヤでは、直線型弾性ワイヤ、イナズマ型弾性ワイヤなどを挙げることができる。前記スプリングでは、この分野に公知されたスプリングがいずれも使われることができ、例えば、円筒状スプリングなどが使われることができる。
【0028】
また、
図5の(d)に図示されたように、キャップ19aと、前記キャップと嵌め合う挿入部材19bを含む連結部材であってもよい。前記キャップは、セラミックシートが垂直方向に収縮する長さよりもっと深い挿入部材の挿入溝を有することができる。
【0029】
一実施形態として、前記キャップと、前記キャップと嵌め合う挿入部材を含む連結部材は、セラミックシートの垂直方向の収縮率を考慮してキャップと挿入部材を一部締結した形態で埋設されたり、または焼結時にセラミックシートの収縮によって締結されるように間隙を形成した形態で埋設されたりすることができる。
【0030】
また、
図5に例示されたように、前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材13は、末端に伝導性構造物との接触面積の拡大及び安定的な接触を形成するために連結端子18をさらに含むことができる。前記連結端子18としては、この分野に公知された様々な種類のものが使われることができる。
【0031】
前記連結端子18は、伝導性構造物との接触面積の拡大、安定的な接触などの側面でセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材13と伝導性構造物11、12の電気的連結をさらに容易にして、接触をもっと確実に形成させる。
【0032】
前記連結端子18としては、伝導性連結部材が固定される部分の反対側の先端面が伝導性連結部材の末端と比べて2〜100倍の断面積を有することが好ましく使われることができる。前記伝導性連結部材は、前記連結端子に溶接によって固定されることができる。
【0033】
本発明の一実施形態において、前記第1層ないし第3層のセラミックシートを構成するセラミック素材は、窒化アルミニウム、SiC、SiN、Al
2O
3、AlONなどからなる群から選択される1種以上を含むことができる。これらの中でも窒化アルミニウムなどが好ましく使われることができる。
【0034】
本発明の一実施形態において、前記第1伝導性構造物及び第2伝導性構造物の形成は、一定した形態を有する構造物を使って形成されたり、セラミックシートの上に伝導性構造物を印刷して形成されたりすることもできるが、これに限定されず、この分野に公知された方法が制限されずに適用されることができる。
【0035】
本発明の一実施形態において、前記(c)段階でセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材は、第2層セラミックシートの上に埋める方法によって取り付けることができる。しかし、これに限定されず、第2層セラミックシート上に孔を形成し、その孔の中にセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材を入れる方式で取り付けられることもできる。
【0036】
本発明の一実施形態において、(a)ないし(f)段階でセラミックシートの積層は側壁が形成されたモールド内で行われ、前記(g)段階で焼結は垂直方向に圧力を加える方法で行われることができる。前記垂直方向の圧力は、例えば、ホットプレス(Hot Press)によって加えられることができる。
【0037】
前記垂直方向の圧力は、50barないし250barで加えられ、焼結は1,500ないし1,900℃の温度で行われることができるが、この分野に公知された方法によって行われることもできる。
【0038】
本発明の一実施形態において、前記セラミック構造体は、継ぎ目がないモノリシック(monolithic)セラミック構造体であってもよい。
【0039】
本発明のセラミック構造体の製造方法において、前記で限定された技術的特徴を除いた他の構成に対しては、この分野に公知された方法で制限されずに適用されることができる。例えば、連結ライン15などは、この分野の公知の方法によって形成されることができる。
【0040】
また、本発明は、
図3ないし
図4に例示されたように、
内部に埋設された第1伝導性構造物11、及び
前記第1伝導性構造物11と異なる深さで埋設された第2伝導性構造物12を含むセラミック構造体であって、
前記第1伝導性構造物11と第2伝導性構造物12がセラミック構造体の焼結時に内部に埋設されたままセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材13によって電気的に連結されたセラミック構造体に関する。
【0041】
前記セラミック構造体の製造方法で記述された全ての内容は、本発明のセラミック構造体にそのまま適用されることができる。そのため、以下で不要に重なる内容を省略する。
【0042】
本発明の一実施形態において、前記第1伝導性構造物11及び第2伝導性構造物12は、RF電極やヒーター電極であってもよいが、これらに限定されることではない。
【0043】
本発明の一実施形態において、前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償した電気伝導性連結部材13は、
図5の(a)ないし(c)に図示されたように、垂直方向の弾性を有する連結部材であってもよく、前記垂直方向の弾性を有する連結部材は、弾性ワイヤ及びスプリングなどから選択される1種以上であってもよい。前記弾性ワイヤでは、直線型弾性ワイヤ、イナズマ型弾性ワイヤなどを挙げることができる。前記スプリングでは、この分野に公知されたスプリングがいずれも使われることができ、例えば、円筒状スプリングなどが使われることができる。
【0044】
また、
図5の(d)に図示されたように、キャップ19aと、前記キャップと嵌め合う挿入部材19bを含む連結部材であってもよい。前記キャップは、セラミックシートが垂直方向に収縮する長さよりもっと深い挿入部材の挿入溝を有することができる。
【0045】
一実施形態として、前記キャップと、前記キャップと嵌め合う挿入部材を含む連結部材は、セラミックシートの垂直方向の収縮率を考慮してキャップと挿入部材を一部締結した形態で埋設されたり、または焼結時に、セラミックシートの収縮によって締結されるように間隙を形成した形態で埋設されたりすることができる。
【0046】
また、
図5に例示されたように、前記セラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材13は、末端に伝導性構造物との接触面積の拡大及び安定的な接触を形成するために連結端子18をさらに含むことができる。前記連結端子18では、この分野に公知された様々な種類のものが使われることができる。
【0047】
前記連結端子18は、伝導性構造物との接触面積の拡大、安定的な接触などの側面でセラミックシートの垂直方向の収縮率を補償することができる電気伝導性連結部材13と伝導性構造物11、12の電気的連結をさらに容易にして、接触をもっと確実に形成させる。
【0048】
前記連結端子18では、伝導性連結部材が固定される部分の反対側の先端面が伝導性連結部材の末端と比べて2〜100倍の断面積を有することが好ましく使われることができる。前記伝導性連結部材は、前記連結端子に溶接によって固定されることができる。
【0049】
本発明の一実施形態において、前記セラミック構造体を構成するセラミック素材は、窒化アルミニウム、SiC、SiN、Al
2O
3、AlONなどからなる群から選択される1種以上を含むことができる。これらの中でも窒化アルミニウムなどが好ましく使われることができる。
【0050】
本発明の一実施形態において、前記セラミック構造体は、継ぎ目がないモノリシック(monolithic)セラミック構造体であってもよい。
【0051】
本発明の一実施形態において、前記セラミック構造体は、
図3に例示されたように、プラズマ処理処置に処理基板の支持台として使われるものであってもよいが、これに限定されることではない。
【0052】
また、本発明は、
処理基板の支持台として前記本発明のセラミック構造体を含むプラズマ処理処置に関する。
【0053】
前記プラズマ処理処置において、本発明のセラミック構造体を除いた他の構成は、この分野に公知された構成が制限されずに採用されることができる。よって、他の構成に対する説明は省略する。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されることではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多くの変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0055】
10:セラミック構造体
11:第1伝導性構造物
12:第2伝導性構造物
13:電気伝導性連結部材
14:ヒーター電極
15:横方向の連結ライン
16:RF電極リード線
17:ヒーター電極リード線
18:連結端子
19a:キャップ
19b:挿入部材
20:シャワーヘッド
30:プラズマ処理装置チャンバー
40:ウェハー