(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202378(P2020-202378A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】パッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカを組み合わせた評価によるコンポーネントキャリア構造の位置調整
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20201120BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20201120BHJP
H05K 3/46 20060101ALN20201120BHJP
【FI】
H05K3/00 P
H05K1/02 R
H05K3/46 Z
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2020-102660(P2020-102660)
(22)【出願日】2020年6月12日
(31)【優先権主張番号】201910505873.0
(32)【優先日】2019年6月12日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520212406
【氏名又は名称】エーティーアンドエス (チョンチン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユ−フイ ウ
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316CC01
5E316EE17
5E338DD11
5E338DD32
5E338EE31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い空間的位置精度を有するコンポーネントキャリア構造を可能にする装置、コンピュータ可読媒体、プログラム要素およびコンポーネントキャリアから成るロットを提供する。
【解決手段】コンポーネントキャリア構造を位置調整する方法であって、コンポーネントキャリア構造100の上および/または内部に1または複数のパッド型アラインメントマーカ102を形成する段階と、コンポーネントキャリア構造100の上および/または内部に1または複数のホール型アラインメントマーカ104を形成する段階と、1または複数のパッド型アラインメントマーカ102および1または複数のホール型アラインメントマーカ104に基づいて導出されるアラインメント情報を組み合わせることにより、コンポーネントキャリア構造100を位置調整するアラインメント情報を決定する段階と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネントキャリア構造を位置調整する方法であって、前記方法は、
前記コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に1または複数のパッド型アラインメントマーカを形成する段階と、
前記コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に1または複数のホール型アラインメントマーカを形成する段階と、
前記1または複数のパッド型アラインメントマーカおよび前記1または複数のホール型アラインメントマーカに基づいて導出されるアラインメント情報を組み合わせることにより、前記コンポーネントキャリア構造を位置調整するアラインメント情報を決定する段階と
を備える、方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記1または複数のパッド型アラインメントマーカのみに基づいて、または前記1または複数のホール型アラインメントマーカのみに基づいて、予備アラインメント情報を導出する段階と、
続いて、前記1または複数のホール型アラインメントマーカおよび前記1または複数のパッド型アラインメントマーカのうちの他方に基づいて、前記予備アラインメント情報の精度を改善する段階と
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記1または複数のパッド型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報と、前記1または複数のホール型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報とを平均化することにより、アラインメント情報を導出する段階を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記1または複数のパッド型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報と、前記1または複数のホール型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報との重み付け合成としてアラインメント情報を導出する段階を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記1または複数のパッド型アラインメントマーカおよび/または前記1または複数のホール型アラインメントマーカを、前記コンポーネントキャリア構造のスタックの複数の層構造、特に前記コンポーネントキャリア構造の積層された層構造の各々に形成する段階を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記1または複数のパッド型アラインメントマーカの少なくとも一部および/または前記1または複数のホール型アラインメントマーカの少なくとも一部は、前記コンポーネントキャリア構造全体に関するアラインメント情報を決定するために前記コンポーネントキャリア構造のコーナーに形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1または複数のパッド型アラインメントマーカの少なくとも一部および/または前記1または複数のホール型アラインメントマーカの少なくとも一部は、前記コンポーネントキャリア構造のパーティションのみに関するアラインメント情報を決定するために、前記コンポーネントキャリア構造の前記パーティション、特に前記コンポーネントキャリア構造の4分の1の複数のコーナーに形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記1または複数のパッド型アラインメントマーカおよび前記1または複数のホール型アラインメントマーカは、前記コンポーネントキャリア構造のアクティブ領域の外側に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、決定された前記アラインメント情報に基づいて前記コンポーネントキャリア構造を位置調整しかつ処理する段階を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記処理は、イメージング(特に、フォトイメージング)、ソルダマスク処理、スクリーン印刷、および前記コンポーネントキャリア構造の機械的な処理(特に、組立プロセス)から成る群の中の少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記処理は、
決定された前記アラインメント情報に基づいて形成される前記コンポーネントキャリア構造のフィーチャ(特に、パッドの直径、および/または、前記コンポーネントキャリア構造のエッジとパッドの中心との間のエッジパッド間の距離)に関するデータを、検出および/または格納する段階と、
形成された前記フィーチャが、少なくとも1つの予め定められた幾何学的基準を満たすか否かを決定する段階と、
決定する前記段階の結果に応じて適切な処置を取る段階と
を備える、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
適切な処置を取ることは、前記フィーチャを形成する今後の手順において、前記少なくとも1つの予め定められた幾何学的基準が満される確率を増加させるために自己学習アルゴリズムを実行すること、製造手順を停止すること、警告を出力すること、前記フィーチャを形成する今後の手順において、前記少なくとも1つの予め定められた幾何学的基準が満される確率を増加させる提案を提供することから成る群の中の少なくとも1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コンポーネントキャリア構造は、コンポーネントキャリアの製造のためのパネル、複数のコンポーネントキャリアのアレイまたはそれのプリフォーム、および少なくとも1つのコンポーネントを保持するコンポーネントキャリアから成る群から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、レーザダイレクトイメージング(LDI)デバイスを使用して実行される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記コンポーネントキャリア構造の複数の層構造の各々にそれぞれのコード構造を形成する段階であって、前記コード構造の各々は、それぞれ割り当てられた層構造の製造特性を示す情報を含む、形成する段階と、
前記複数の層構造のうちの個々の層構造を処理する前に、少なくとも1つの先に処理された層構造の前記コード構造のうち少なくとも1つを読み取る段階と、
少なくとも1つの先に処理された層構造の製造特性を示す読み取り情報を考慮して、前記複数の層構造のうちの前記個々の層構造を処理する段階と
を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記アラインメント情報を使用して前記複数の層構造のうちの前記個々の層構造を処理する段階を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
コンポーネントキャリア構造であって、前記コンポーネントキャリア構造は、
少なくとも1つの導電層構造および少なくとも1つの絶縁層構造を有するスタックと、
前記スタックの上および/または内部にある1または複数のパッド型アラインメントマーカと、
前記スタックの上および/または内部にある1または複数のホール型アラインメントマーカと
を備える、コンポーネントキャリア構造。
【請求項18】
前記コンポーネントキャリア構造に表面実装されるおよび/または組み込まれる少なくとも1つのコンポーネントを備え、前記少なくとも1つのコンポーネントは特に、
電子部品、非導電性および/または導電性インレイ、伝熱ユニット、導光素子、エネルギー取得ユニット、能動電子部品、受動電子部品、電子チップ、記憶デバイス、フィルタ、集積回路、信号処理コンポーネント、電力管理コンポーネント、光電子インターフェース素子、電圧変換器、暗号コンポーネント、送信器および/または受信器、電気機械式トランスデューサ、アクチュエータ、微小電気機械システム、マイクロプロセッサ、キャパシタ、抵抗器、インダクタンス、アキュムレータ、スイッチ、カメラ、アンテナ、磁性素子、さらなるコンポーネントキャリア、および論理チップから成る群から選択され、
前記少なくとも1つの導電層構造のうち少なくとも1つは、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、パラジウム、およびタングステンから成る群の中の少なくとも1つを有し、前述した材料のいずれかは、グラフェンなどの超導電性材料で任意選択的にコーティングされ、
前記少なくとも1つの絶縁層構造のうち少なくとも1つは、樹脂、特に強化樹脂または非強化樹脂、例えばエポキシ樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂、FR−4、FR−5、シアン酸エステル、ポリフェニレン誘導体、ガラス、プリプレグ材料、ポリイミド、ポリアミド、液晶性ポリマー、エポキシ系ビルドアップ材料、ポリテトラフルオロエチレン、セラミック、および金属酸化物から成る群の中の少なくとも1つを有し、
前記コンポーネントキャリア構造は、プレートとして形成され、
前記コンポーネントキャリア構造は、プリント回路基板、基板、またはそれのプリフォームから成る群の中の1つとして構成され、
前記コンポーネントキャリア構造は、積層型コンポーネントキャリア構造として構成される
といった特徴のうち少なくとも1つを備える、請求項17に記載のコンポーネントキャリア構造。
【請求項19】
コンポーネントキャリア構造を位置調整する装置であって、前記装置は、
前記コンポーネントキャリア構造の上および/または内部にある1または複数のパッド型アラインメントマーカを検出することと、前記コンポーネントキャリア構造の上および/または内部にある1または複数のホール型アラインメントマーカを検出することとを行うように構成される検出ユニットと、
検出された前記1または複数のパッド型アラインメントマーカおよび検出された前記1または複数のホール型アラインメントマーカに基づいて、アラインメント情報を決定する決定ユニットとを備える、装置。
【請求項20】
前記コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に前記1または複数のパッド型アラインメントマーカを形成することと、前記コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に前記1または複数のホール型アラインメントマーカを形成することとを行うように構成されるアラインメントマーカ形成ユニットを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
決定された前記アラインメント情報に基づいて前記コンポーネントキャリア構造を処理するように構成される処理ユニットを備える、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
コンポーネントキャリア構造を位置調整するためのコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムは、1または複数のプロセッサにより実行される場合、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法を前記1または複数のプロセッサに実行または制御させるように適合される、コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
コンポーネントキャリア構造を位置調整するためのプログラムであって、前記プログラムは、1または複数のプロセッサにより実行される場合、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法を前記1または複数のプロセッサに実行または制御させるように適合される、プログラム。
【請求項24】
複数のコンポーネントキャリアから成る、特に請求項1から16のいずれか一項に記載の方法により位置調整されるコンポーネントキャリア構造に基づいて製造される、ロットであって、前記ロットの前記複数のコンポーネントキャリアの少なくとも90%は、エッジパッド間の距離に関して75μm未満、特に50μm未満の差異がある、ロット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポーネントキャリア構造を位置調整する方法、コンポーネントキャリア構造、コンポーネントキャリア構造を位置調整する装置、コンピュータ可読媒体、プログラム要素、およびコンポーネントキャリアから成るロットに関する。
【背景技術】
【0002】
1または複数の電子部品を備えるコンポーネントキャリアの製品機能の向上、そのような電子コンポーネントの小型化の進行、および、プリント回路基板などのコンポーネントキャリアに実装される電子部品の数の増加という文脈において、いくつかの電子部品を有する、次第に強力になりつつあるアレイのようなコンポーネントまたはパッケージが利用されている。それらは複数の接点または接続を有し、これらの接点間の間隔はさらに小さくなっている。そのような電子コンポーネントおよびコンポーネントキャリア自体により生成される熱を操作中に除去することが、ますます大きな課題になっている。同時に、コンポーネントキャリアは、厳しい条件下でも操作可能であるように、機械的に堅牢で、電気的に信頼できるものとすべきである。
【0003】
さらに、コンポーネントキャリアの構成要素の適切なアラインメントが製造中の課題である。例えば、製造中のコンポーネントキャリアの層構造のパターニングに関するドライフィルムを露光する場合、適切なアラインメント精度が重要である。
【0004】
本発明の目的は、高い空間的精度を有するコンポーネントキャリア構造の処理を可能にすることである。
【0005】
上記で定義された目的を達成すべく、独立請求項に従って、コンポーネントキャリア構造を位置調整する方法、コンポーネントキャリア構造、コンポーネントキャリア構造を位置調整する装置、コンピュータ可読媒体、プログラム要素、およびコンポーネントキャリアから成るロットが提供される。
【0006】
本発明の例示的な実施形態によると、コンポーネントキャリア構造を位置調整する方法が提供され、当該方法は、コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に1または複数のパッド型アラインメントマーカを形成する段階と、コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に1または複数のホール型アラインメントマーカを形成する段階と、1または複数のパッド型アラインメントマーカおよび1または複数のホール型アラインメントマーカに基づいて導出されるアラインメント情報を組み合わせることにより、コンポーネントキャリア構造を位置調整するアラインメント情報を決定する段階とを備える。
【0007】
本発明の別の例示的な実施形態によると、コンポーネントキャリア構造が提供され、当該コンポーネントキャリア構造は、少なくとも1つの導電層構造および少なくとも1つの絶縁層構造を備えるスタック(特に積層層)、スタックの上および/または内部にある1または複数のパッド型アラインメントマーカ、およびスタックの上および/または内部にある1または複数のホール型アラインメントマーカを備える。
【0008】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によると、コンポーネントキャリア構造を位置調整する装置が提供され、当該装置は、コンポーネントキャリア構造の上および/または内部にある1または複数のパッド型アラインメントマーカを検出することと、コンポーネントキャリア構造の上および/または内部にある1または複数のホール型アラインメントマーカを検出することとを行うように構成される検出ユニットと、検出された1または複数のパッド型アラインメントマーカおよび検出された1または複数のホール型アラインメントマーカに基づいて、アラインメント情報を決定する決定ユニットとを備える。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によると、プログラム要素(例えば、ソースコードまたは実行可能なコードのソフトウェアルーティン)が提供され、これは、プロセッサ(マイクロプロセッサまたはCPUなど)により実行される場合、上記のフィーチャを有する方法を制御または実行するように適合される。
【0010】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によると、コンピュータ可読媒体(例えば、CD、DVD、USBスティック、フロッピディスクまたはハードディスク)が提供され、ここには、プロセッサ(マイクロプロセッサまたはCPUなど)により実行される場合、上記のフィーチャを有する方法を制御または実行するように適合されるコンピュータプログラムが格納される。
【0011】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によると、複数のコンポーネントキャリアから成る、特に上記のフィーチャを有する方法により位置調整されるコンポーネントキャリア構造に基づいて製造される、ロットが提供され、ここで、ロットのコンポーネントキャリアの少なくとも90%は、エッジパッド間の距離に関して75μm未満、特に50μm未満の差異がある。
【0012】
本発明の実施形態に従って実行され得るデータ処理は、コンピュータプログラム、すなわちソフトウェアによって、または1または複数の特別な電子最適化回路、すなわちハードウェアを使用して、またはハイブリッド形成、すなわちソフトウェアコンポーネントおよびハードウェアコンポーネントによって、実現され得る。
【0013】
本願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア」は、機械的な支持および/または電気的連結性を提供するために、上におよび/または内部に1または複数のコンポーネントを収容可能な任意の支持構造を特に示し得る。換言すれば、コンポーネントキャリアは、コンポーネントの機械的なおよび/または電子的なキャリアとして構成され得る。特に、コンポーネントキャリアは、プリント回路基板、有機インターポーザー、およびIC(集積回路)基板のうち1つであり得る。コンポーネントキャリアは、上記の種類のコンポーネントキャリアのうち異なるものを組み合わせたハイブリッドボードでもあり得る。
【0014】
本願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア構造」は、コンポーネントキャリア(プリント回路基板またはIC基板など)自体、または複数のコンポーネントキャリアの大きな本体(パネルまたはアレイなど)またはそれのプリフォーム(例えば、コンポーネントキャリアの製造中に個々に得られるか、またはバッチ処理中に得られる半製品)のいずれかを特に示し得る。
【0015】
本願の文脈において、用語「層構造」は、連続層、パターニング層、または共通の平面内の複数の非連続的な島を特に示し得る。層構造は、絶縁性および/または導電性であり得る。
【0016】
本願の文脈において、用語「アラインメントマーカ」は、コンポーネントキャリア構造の構造的または物理的フィーチャを特に示し得て、これは、コンポーネントキャリア構造(特に、プリント回路基板などのコンポーネントキャリアのプリフォーム)の表面領域または内部において、検出され、光学的に点検され、または表面において目視され得る。アラインメントマーカは、コンポーネントキャリア構造の処理に関して、特に空間的向きでアラインメントマーカを使用し得る機械を処理することにより、実行されるアラインメントの基礎として使用され得る。例えば、そのようなアラインメントマーカは、コンポーネントキャリア(例えば、パネル)のプリフォームなどのコンポーネントキャリア構造の位置および/または向きを決定するように、コンポーネントキャリア構造の上および/または内部の光学的に点検され得るスルーホールまたはブラインドホールまたはパッドであり得る。例えば、そのようなホールおよびパッドの数は、パネルなどの長方形のコンポーネントキャリア構造のエッジ領域に、アラインメントマーカとして提供され得る。コンポーネントキャリア構造の1つまたは両方の対向する主面および/または内部に、アラインメントマーカが提供され得る。
【0017】
本願の文脈において、用語「パッド型アラインメントマーカ」は、コンポーネントキャリア構造の外部から検出可能であり、特に光学特性に関して囲辺のコンポーネントキャリア構造材料と異なるパターニング層素子として形成される、コンポーネントキャリア構造上の物理的構造を特に示し得る。パッド型アラインメントマーカは、例えば絶縁層構造上に形成され得、例えば金属箔およびメッキ金属層のパターニングに基づいて形成され得る、分離された連続平面材料片であり得る。特に、パッド型アラインメントマーカは、プリプレグ層などの絶縁層構造上のパターニング銅フィルムなどの、パターニング銅層の一部であり得る(特に樹脂を備え、より具体的には、任意選択的に強化粒子を有するエポキシ樹脂を含み、より具体的にはガラスファイバまたはガラス球体を備える)。コンポーネントキャリアにおいて鉛直方向の導電性経路として使用される鉛直貫通接続部とは対照的に、パッド型アラインメントマーカは、電気的に未接続であり得、すなわち、銅で充填されたレーザビアなどの鉛直方向に拡張する導電性素子に接続することなく形成され得る。例えば、パッド型アラインメントマーカは、基準パターンとして形成され得、より具体的には、レーザダイレクトイメージング(LDI)により生成され得る。
【0018】
本願の文脈において、用語「ホール型アラインメントマーカ」は、1または複数の層に形成される、または、コンポーネントキャリア構造の全体を通しても形成される、ブラインドホールまたはスルーホールを備えるアラインメント構造を特に示し得る。当該ホールは、コンポーネントキャリア構造材料に囲まれ得、後者はホールの周りにリングまたは環を形成し得る。そのような1または複数のホール型アラインメントマーカは、完全に空であり円周層を有する内面に覆われてもよく、または別の材料で完全に充填されてもよい。例えば、ホール型アラインメントマーカは、環状構造などに囲まれる基準ホールとして形成され得、より具体的には、レーザダイレクトイメージング(LDI)により少なくとも部分的に形成され得る。
【0019】
本願の文脈において、用語「ロット」は、全てがコンポーネントキャリアのバッチの一部として製造されるコンポーネントキャリアのセット、いくつかのコンポーネントキャリア、または複数のコンポーネントキャリアを特に示し得る。そのようなロットは、全てがコンポーネントキャリアのロットの製造中に共通パネルにおいて一体的に接続されるコンポーネントキャリア(プリント回路基板など)から成り得る。別の実施形態において、ロットのコンポーネントキャリアは、異なるパネルに基づいて形成されてもよく、または異なる製造バッチの一部として形成されてもよいが、パッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカの両方を使用するロットのコンポーネントキャリアの製造中に実行されるアラインメント処理を考慮すると、非常に小さいエッジパッド間の中心許容範囲を有し得る。
【0020】
本発明の例示的な実施形態によると、非常に高い精度は、1つの種類のアラインメントマーカに基づいて製造プロセス中にコンポーネントキャリアのプリフォームとしてのコンポーネントキャリア構造のアラインメントを実行することのみならず、これと対照的に、パッド型アラインメントマーカの概念とホール型アラインメントマーカの概念とを具体的に組み合わせることにより、コンポーネントキャリアの製造中に達成され得る。パッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカの形成および検出の固有の特性により、パッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカのうち個別のものから導出されるアラインメント情報の組み合わせは、相乗的に組み合わされ、全体的なアラインメント精度を驚くほど増加させ得る。
【0021】
パッドおよびホールから導出される相補的アラインメント情報を使用するそのようなアラインメントアーキテクチャの結果として、例えば、エッジパッド間の中心距離に係る、非常に小さな許容範囲を有するコンポーネントキャリアの製造が可能であり得る。エッジパッド間の中心距離は、それぞれのコンポーネントキャリアのエッジと、そのようなコンポーネントキャリアの上および/または内部に形成されたパッドの中心との間の空間的距離として示され得る。本発明の例示的な実施形態に係るパッドアラインメントとホールアラインメントとを組み合わせる場合、ロットの全てまたは少なくとも大多数のコンポーネントキャリアが、コンポーネントキャリアの精度およびエッジパッド間の距離の許容範囲に関する非常に厳しい要求でも満たすことが保証され得る。
【0022】
説明されたアラインメントアーキテクチャは、著しい利点を有する。特に、コンポーネントキャリア構造がコンポーネントキャリアの製造のためのパネルである(そのようなパネルは、一般的に18×24平方インチの寸法を有し得る)場合、そのようなコンポーネントキャリア構造の操作または処理は、顕著な反りおよび他のボードの変形(例えば、約100μm以上の大きさ)を示し得るが、それにもかかわらず、アラインメント目的のパッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカの組み合わされた使用で、高精度を有することが可能であり得る。さらに、説明された位置調整アーキテクチャで、適切なパネルの利用が可能になり得る。また、X線処理、レーザ処理、およびフォト処理などの処理の場合、高いキャパシティが得られ得る。特に、高精度は、高いコンポーネントキャリア構造(特に、パネル)の利用と組み合わされ得る。
【0023】
以下に、方法、コンポーネントキャリア、装置、コンピュータ可読媒体、およびプログラム要素のさらなる例示的な実施形態が説明される。
【0024】
好ましい実施形態において、方法は、1または複数のパッド型アラインメントマーカのみに基づいて、または1または複数のホール型アラインメントマーカのみに基づいて、予備アラインメント情報を導出する段階を備える。続いて、予備アラインメント情報は、1または複数のホール型アラインメントマーカおよび1または複数のパッド型アラインメントマーカのうち他方に基づいて有利に改善され得る。
【0025】
前述の実施形態の1つの代替形態において、方法は、1または複数のパッド型アラインメントマーカに基づいてのみ予備アラインメント情報を導出する段階と、続いて、1または複数のホール型アラインメントマーカに基づいて予備アラインメント情報の精度を改善する段階とを備える。非常に有利なことに、アラインメントは、主に1または複数のパッド型アラインメントマーカに基づいて実行され得、単独で使用する場合、1または複数のホール型アラインメントマーカより高い精度を提供し得る。パッド型アラインメントマーカのみに基づいてアラインメント情報のこの決定を完了した後、アラインメント精度は、1または複数のホール型アラインメントマーカから導出される相補的アラインメント情報も追加的に考慮することにより、著しく改善され得る。したがって、パッド型アラインメントマーカを単独で使用する場合、比較的に大まかなアラインメントが可能になり得、続いて、この精度は、1または複数のホール型アラインメントマーカも考慮することにより、著しく減少され得る。
【0026】
前述の実施形態の別の代替形態において、方法は、1または複数のホール型アラインメントマーカに基づいてのみ予備アラインメント情報を導出する段階と、続いて、1または複数のパッド型アラインメントマーカに基づいて予備アラインメント情報の精度を改善する段階とを備える。そのような実施形態において、まず、1または複数のホール型アラインメントマーカに基づいて位置調整することにより、アラインメントに関するガイドラインを得ることが可能であり得る。精度を改善するために、この第1段階アラインメントの結果は次に、1または複数のパッド型アラインメントマーカから導出される相補的アラインメント情報も考慮することにより、改善され得る。
【0027】
一実施形態において、方法は、1または複数のパッド型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報(例えば、アラインメント座標)と、1または複数のホール型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報(例えば、アラインメント座標)とを平均化することによりアラインメント情報を導出する段階を備える。パッド型アラインメントのみから導出され、ホール型アラインメントのみから導出されるアラインメント情報、特にアラインメント位置の平均を算出することによっても、アラインメント精度が改善され得ることが判明した。
【0028】
一実施形態において、方法は、1または複数のパッド型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報と、1または複数のホール型アラインメントマーカから導出されるアラインメント情報との重み付け合成としてアラインメント情報を導出する段階を備える。パッド型アラインメントおよびホール型アラインメントから個別のアラインメント結果(例えば、アラインメント座標)を重み付けることは、精度をさらに改善させ得る。特に、単独で使用する場合、パッド型アラインメントは、単独で使用される場合のホール型アラインメントより高いアラインメント精度を有し得ることが判明した。この事実は、パッドアラインメントおよびホールアラインメントから導出されるアラインメント情報の重み付け合成、例えば、ホール型アラインメントより強いパッド型アラインメント情報を重み付けることにより反映され得る。例えば、パッド型アラインメント情報の重み付け係数は、60%から80%の範囲内にあり得、ホール型アラインメントの重み付け係数は、20%から40%の範囲内にあり得る(ここで、重み付け係数の合計は1である)。
【0029】
一実施形態において、方法は、パッド型アラインメントマーカおよび/またはホール型アラインメントマーカを、コンポーネントキャリア構造のスタックの複数の層構造、特にコンポーネントキャリア構造の積層された層構造の各々に形成する段階を備える。特に、パッド型アラインメントマーカとして使用されるパッドは、各層または少なくとも複数の異なる層において個々に形成され得る。したがって、スタックにさらなる層構造を積層した後、パッド型アラインメントマーカの形成が続き得る。ホール型アラインメントマーカも各層に個々に形成され得る一方、複数の層を貫通して延伸する1つのホール型アラインメントマーカを形成すること、または処理されるコンポーネントキャリア構造の全体層のスタックを形成することがさらに可能であり、さらに一層効率的であり得るそのようなホール形成は、機械的な穿孔、レーザ穿孔などにより実行され得るこれと対照的に、パッド形成は、1または複数のパッド型アラインメントマーカを維持するように、導電層を絶縁層構造に取り付けることと、導電層をパターニングしてそれの材料を除去することとにより実行され得る。
【0030】
一実施形態において、パッド型アラインメントマーカの少なくとも一部および/またはホール型アラインメントマーカの少なくとも一部は、コンポーネントキャリア構造全体に関するアラインメント情報を決定するためにコンポーネントキャリア構造のコーナーに形成される。位置調整に使用されるパッドおよび/またはホールがコンポーネントキャリア構造のコーナーに形成される場合、それらの相互距離は大きく、導出可能なアラインメント情報は正確であり得る。さらに、コンポーネントキャリア構造の複数のコーナーは、多くの場合、アクティブ領域(すなわち、製造手順の完了時に、実際に製造されたコンポーネントキャリアに対応するコンポーネントキャリア構造の領域)から十分に離れ得、その結果、高い収率が高精度と組み合わされ得る。全体的なコンポーネントキャリア構造(例えば、パネルなどの長方形のコンポーネントキャリア構造)の複数のコーナーにおけるアラインメントマーカを考慮すると、グローバルアラインメントは、説明されたパッド型アラインメントおよびホール型アラインメントの組み合わせにより実行され得る。
【0031】
一実施形態において、パッド型アラインメントマーカの少なくとも一部および/またはホール型アラインメントマーカの少なくとも一部は、コンポーネントキャリア構造のパーティションのみに関するアラインメント情報を決定するために、コンポーネントキャリア構造のパーティション、特にコンポーネントキャリア構造の4分の1の複数のコーナーに形成される。故に、説明されたパッドアラインメントとホールアラインメントとの組み合わせの概念は、パーティションアラインメントの概念に有利に適用され得る。そのような概念において、コンポーネントキャリア構造は事実上、パネル型コンポーネントキャリア構造の4分の4などの複数の空間的部分に分類され得る。パッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカは、それぞれのパーティションのコーナー領域、すなわち、全体のコンポーネントキャリア構造の内部にも形成され得る。したがって、アラインメントは、現在処理されているコンポーネントキャリア構造の特定の領域に対して、またはコンポーネントキャリア構造の特に臨界領域に対して具体的に実行されることも可能であり得る。
【0032】
一実施形態において、アラインメントマーカは、コンポーネントキャリア構造のアクティブ領域の外側に配置される。本願の文脈において、コンポーネントキャリア構造の「アクティブ領域」という用語は、容易に製造されたコンポーネントキャリアに対応するコンポーネントキャリア構造の領域を示し得る。例えば、PCBタイプのコンポーネントキャリアを製造する場合、パネルは複数のアレイに分類され得、各アレイは複数のプリント回路基板に分類され得る。最終的に得られたPCBタイプコンポーネントキャリアに対応する領域の外側に、パッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカが形成される場合、これと対照的に、例えば、パネルのフレーム構造などにおいて、コンポーネントキャリアの製造の収率はアラインメント概念により減少せず、その結果、高精度と高スループットとが組み合わされ得る。
【0033】
一実施形態において、方法は、決定されたアラインメント情報に基づいてコンポーネントキャリア構造を位置調整および処理する段階を備える。それに応じて、装置は、決定されたアラインメント情報に基づいてコンポーネントキャリア構造を処理するように構成される処理ユニットを備え得る。換言すれば、アラインメントマーカを検出することは、コンポーネントキャリア構造に関する位置情報を決定することを可能にし得る。アラインメント情報として示され得るこの情報は次に、例えば、コンポーネントキャリア構造の水平面内の導電性トラックの形成、および/または、(例えば、銅箔積層、銅箔パターニング、ビア形成、および、例えばメッキなどの導電性材料によるビアの充填の組み合わせによる形成される)鉛直方向の導電性貫通接続部の形成などの、コンポーネントキャリア構造の後続の処理を対応して調節するのに使用され得る。
【0034】
一実施形態において、コンポーネントキャリア構造の処理は、イメージング(特に、フォトイメージング)、ソルダマスク処理、スクリーン印刷、およびコンポーネントキャリア構造の機械的な処理(特に、組立プロセス)から成る群の中の少なくとも1つを備える。これらの手順および他の手順は、処理されるコンポーネントキャリア構造の厳密なアラインメントを必要とする。
【0035】
一実施形態において、処理は、決定されたアラインメント情報に基づいて形成されるコンポーネントキャリア構造のフィーチャ(特に、パッドの直径、および/または、コンポーネントキャリア構造のエッジとパッドの中心との間のエッジパッド間の距離)に関するデータを、検出(例えば、光学的に)および/または格納(例えば、データベースに)する段階と、形成されたフィーチャが、少なくとも1つの予め定められた幾何学的基準(例えば、容認可能な寸法の予め定められた目標範囲内の寸法を有する)を満たすか否かを決定(例えば、人工知能の素子を実装し得るアルゴリズムに基づいて)する段階と、決定する段階の結果に応じて適切な処置を取る段階とを備える。例えば、適切な処置を取ることは、フィーチャを形成する今後の手順において、少なくとも1つの予め定められた幾何学的基準が満されるかまたは順守される確率を増加させるために自己学習アルゴリズムを実行すること、製造手順を停止すること、警告を出力すること、フィーチャを形成する今後の手順において、および、少なくとも1つの予め定められた幾何学的基準が満されるかまたは順守される確率を増加させる提案を提供することから成る群の中の少なくとも1つを備え得る。そのようなアーキテクチャにより、適切なアラインメントは、製造されたコンポーネントキャリアの精度または信頼性の増加と組み合わされ得る。
【0036】
一実施形態において、コンポーネントキャリア構造は、コンポーネントキャリアの製造のためのパネル、複数のコンポーネントキャリアのアレイまたはそれのプリフォーム、および少なくとも1つのコンポーネントを保持するコンポーネントキャリアから成る群から選択される。好ましい実施形態において、PCBパネルは、説明されたアラインメント概念で処理され得る。パネルの反りおよび変形の傾向が頻繁に高い場合、パッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカの適切な組み合わせによりそれに対処し得る。
【0037】
一実施形態において、装置は、コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に1または複数のパッド型アラインメントマーカを形成することと、コンポーネントキャリア構造の上および/または内部に1または複数のホール型アラインメントマーカを形成することとを行うように構成されるアラインメントマーカ形成ユニットを備える。そのような実施形態に従って、パッド型アラインメントマーカの形成は、コンポーネントキャリア構造材料、特にプリプレグ層などの絶縁層構造のスタックに導電層(例えば、銅箔の積層または銅層のメッキ)を接続することにより実行され得る。その後、導電層はパターニングされ、それにより1または複数のパッド型アラインメントマーカを形成し得る。ホール型アラインメントマーカを形成するために、鉛直方向のブラインドホールまたはスルーホールは、機械的に切断されてもよく、レーザ切断されてもよく、またはコンポーネントキャリア構造層構造のスタックにエッチングされてもよい。
【0038】
一実施形態において、方法は、コンポーネントキャリア構造の複数の層構造の各々にそれぞれのコード構造を形成する段階であって、コード構造の各々は、それぞれ割り当てられた層構造の製造特性を示す情報を備える、形成する段階と、複数の層構造のうちの個々の層構造を処理する前に、少なくとも1つの先に処理された層構造のコード構造のうち少なくとも1つを読み取る段階と、少なくとも1つの先に処理された層構造の製造特性を示す読み取り情報を考慮して、複数の層構造のうちの個々の層構造を処理する段階とを備える。例えば、各コード構造は、上記の導電層構造のうち1つを構成する銅層をパターニングすることにより形成されるQRコード(登録商標)であり得る。例えば、同じ導電層は、コード構造、アラインメントマーカ、および製造されるコンポーネントキャリアの機能構造を形成するのに使用され得る。それぞれのコード構造が属するコンポーネントキャリア構造の層構造の製造プロセスについての情報は、コード構造に直接符号化されてもよく、および/または、コード構造に基づいてデータベースから取得され得るデータセットが格納されたデータベースに格納されてもよい。したがって、それぞれの層構造のコード構造を読み取ることにより、この層構造の製造プロセスについての情報を得ることが可能になる。続いて別の層構造を処理する場合、先に製造された層構造の前の製造プロセスについての情報は、より高い精度を有する別の層構造を処理するのに使用され得る。したがって、容易に処理されたコンポーネントキャリア構造を分離することにより得られるコンポーネントキャリア(例えば、プリント回路基板)を製造することは、トレーサビリティシステムを使用して改善され得る。そのようなトレーサビリティシステムに関して、前もって処理された層構造についての格納された情報は、それぞれの層構造に割り当てられたコード構造に符号化され得る。例えば、ソフトウェアベースの方式において、前もって製造された層構造についての格納された情報は、現在の処理された層構造が前の層構造を考慮して製造され得るような方法で処理されてよい。したがって、全体のシステムは、より厳密に位置調整および製造され得る。
【0039】
一実施形態において、方法は、アラインメント情報を使用して複数の層構造のうちの個々の層構造を処理する段階を備える。換言すれば、後で処理された層構造を処理する段階は、1または複数の先に処理された層構造、並びに、ホール型アラインメントとパッド型アラインメントとの組み合わせから導出される上記のアラインメント構造からの製造プロセス情報を考慮して、実行され得る。これにより、容易に製造されたコンポーネントキャリアの導電性構造および/または絶縁性構造の優れた精度を得ることが可能になり得る。
【0040】
一実施形態において、方法は、レーザダイレクトイメージング(LDI)デバイスを使用して実行される。例えば、LDIデバイスは、アラインメントマーカ形成ユニットを形成してもよく、その一部を形成してもよい。アラインメントマーカのうち少なくとも1つは、導電層構造をパターニングすることを含むように形成され得る。例えば、これは、好ましくはレーザダイレクトイメージング(LDI)により、または代替的にフォトイメージングにより実現されてよい。LDIは、制御可能なレーザの下に配置される、感光性表面を有するコンポーネントキャリア構造を使用し得る。制御ユニットは、コンポーネントキャリア構造をラスタ画像にスキャンする。ラスタ画像をコンポーネントキャリア構造のそれぞれのアラインメントマーカに対応する予め定められた金属パターンと一致させることは、レーザを操作してコンポーネントキャリア構造上に画像を直接生成することを可能にする。有利なことに、非常に正確なアラインメントマーカは、厳しい条件の環境においても、LDIにより形成され得る。
【0041】
一実施形態において、スカイビングマーク、(例えば、矩形電気デバイスの)コーナー、およびレーザターゲットなどの、1または複数のさらなる種類のアラインメントマーカが追加され得る。これはさらに、アラインメント精度を改善させ得る。一般的にアラインメントマーカは、基準点または測定点として使用される任意の基準、すなわち、生成された画像に見られるイメージングシステムの視野に配置される任意のオブジェクトであり得る。それは、イメージング対象の中または上に配置されるものであり得る。そのようなアラインメントマーカは、処理されるコンポーネントキャリア構造に対して処理デバイスを調節することにも同様に使用され得る。
【0042】
一実施形態において、コンポーネントキャリア構造は、少なくとも1つの絶縁層構造および少なくとも1つの導電層構造のスタックを備える。例えば、コンポーネントキャリア構造は、特に機械的な圧力および/または熱エネルギーを適用することにより形成される、言及された絶縁層構造および導電層構造の積層体であり得る。言及されたスタックは、さらなるコンポーネントに大きい実装表面を提供することが可能であるが、それにもかかわらず非常に薄くコンパクトであることが可能な、プレート形状のコンポーネントキャリア構造を提供し得る。
【0043】
一実施形態において、コンポーネントキャリア構造は、プレートとして形成される。これはコンパクトな設計に寄与するが、それにもかかわらず、コンポーネントキャリア構造は、その上にコンポーネントを実装するための大きな基礎を提供する。さらに、特に組み込まれた電子部品の例として、裸のダイは、その小さな厚さのおかげで、プリント回路基板などの薄いプレートに容易に組み込まれ得る。また、プレート形状のコンポーネントキャリア構造は、短い電気接続経路を保証し、したがって搬送中の信号の歪みを抑制する。
【0044】
一実施形態において、コンポーネントキャリア構造に基づいて生成されるコンポーネントキャリアは、プリント回路基板、基板(特に、IC基板)、およびインターポーザーから成る群のうち1つとして構成される。
【0045】
本願の文脈において、用語「プリント回路基板」(PCB)は、いくつかの絶縁層構造を有するいくつかの導電層構造を、例えば圧力の適用および/または熱エネルギーの供給により、積層することにより形成されるプレート形状のコンポーネントキャリアを特に示し得る。PCB技術の好ましい材料として、導電層構造は銅からなり、一方、絶縁層構造は、樹脂および/またはガラスファイバ、いわゆるプリプレグまたはFR4材料を備え得る。さまざまな導電層構造は、例えばレーザ穿孔または機械穿孔によって、積層体を通るスルーホールの形成によって、および、これらを導電性材料(特に、銅)で充填し、それによりスルーホール接続としてビアを形成することによって、所望の方法で互いに接続され得る。プリント回路基板に組み込まれ得る1または複数のコンポーネントは別として、プリント回路基板は通常、プレート形状のプリント回路基板の対向する表面の一方または両方にある、1または複数のコンポーネントを収容するように構成される。これらは、半田付けによりそれぞれの主面に接続され得る。PCBの誘電体部分は、強化用ファイバ(ガラスファイバなど)を含む樹脂から成り得る。
【0046】
本願の文脈において、用語「基板」は、その上に実装されるコンポーネント(特に、電子部品)と実質的に同じサイズを有する小さなコンポーネントキャリアを特に示し得る。より具体的には、基板は、電気接続または電気ネットワークのキャリア、およびプリント回路基板(PCB)と同等なコンポーネントキャリアであるが、しかしながら、横方向におよび/または鉛直方向に配置される接続部の密度が著しく高いものとして理解され得る。横方向接続部は、例えば導性電経路であり、一方、鉛直方向接続部は、例えば穿孔ホールであり得る。これらの横方向および/または鉛直方向接続部は、基板内に配置され、特に、プリント回路基板または中間プリント回路基板を有するICチップの、収容されたコンポーネントまたは収納されないコンポーネント(露出ダイなど)の電気的な接続および/または機械的な接続を提供するのに使用され得る。したがって、用語「基板」は、「IC基板」も含む。基板の誘電体部分は、強化用粒子含む樹脂(強化用球体、特に、ガラス球体など)から成り得る。
【0047】
基板またはインターポーザーは、少なくともガラス層、シリコン(Si)層、または、エポキシ系ビルドアップ材料(エポキシ系ビルドアップフィルムなど)のような、フォトイメージング可能であるもしくはドライエッチング可能な有機材料層、または、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールもしくはベンゾシクロブテンのようなポリマー化合物の層を備えてもよく、それらから成ってもよい。
【0048】
一実施形態において、上記の1または複数の絶縁層構造の各々は、樹脂(強化樹脂または非強化樹脂など、例えば、エポキシ樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂)、シアン酸エステル、ポリフェニレン誘導体、ガラス(特に、ガラスファイバ、マルチ層ガラス、ガラスのような材料)、プリプレグ材料(FR−4またはFR−5など)、ポリイミド、ポリアミド、液晶性ポリマー(LCP)、エポキシ系ビルドアップフィルム、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、セラミック、および金属酸化物から成る群の中の少なくとも1つを備える。例えば、ガラス(多層ガラス)からなる、ウェブ、ファイバまたは球体などの強化用材料が、同様に使用され得る。プリプレグ、特にFR4は通常、リジッドPCBに好ましいが、他の材料、特に基板のエポキシ系ビルドアップフィルムも同様に使用され得る。高周波の適用の場合、ポリテトラフルオロエチレン、液晶性ポリマーおよび/またはシアン酸エステル樹脂、低温コファイアードセラミック(LTCC)または他の低DK材料、極低DK材料、または超低DK材料などの高周波材料が、絶縁層構造としてコンポーネントキャリアに実装され得る。
【0049】
一実施形態において、上記の1または複数の導電層構造の各々は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、パラジウムおよびタングステンから成る群の中の少なくとも1つを備える。通常は銅が好ましいが、他の材料またはそれらのコーティングしたもの、特に、グラフェンなどの超導電性材料でコーティングされたものも同様に可能である。
【0050】
少なくとも1つのコンポーネントが、コンポーネントキャリア構造に表面実装されてもよく、および/または組み込まれてもよく、特に、非導電性インレイ、導電性インレイ(金属インレイなど、好ましくは銅またはアルミニウムを備える)、伝熱ユニット(例えば、熱管)、導光素子(例えば、光学導波管または光導体接続)、電子部品、またはそれらの組合せから成る群から選択され得る。例えば、コンポーネントは、能動電子部品、受動電子部品、電子チップ、記憶デバイス(例えば、DRAMまたは別のデータメモリ)、フィルタ、集積回路、信号処理コンポーネント、電力管理コンポーネント、光電子インターフェース素子、発光ダイオード、フォトカプラ、電圧変換器(例えば、直流/直流変換器または交流/直流変換器)、暗号コンポーネント、送信器および/または受信器、電気機械式トランスデューサ、センサ、アクチュエータ、微小電気機械システム(MEMS)、マイクロプロセッサ、キャパシタ、抵抗器、インダクタンス、電池、スイッチ、カメラ、アンテナ、論理チップ、およびエネルギー取得ユニットであり得る。しかしながら、他のコンポーネントがコンポーネントキャリアに組み込まれ得る。例えば、磁性素子はコンポーネントとして使用され得る。そのような磁性素子は、永久磁石素子(強磁性素子、反強磁性素子、マルチフェロイック素子またはフェリ磁性素子など、例えばフェライトコア)であってもよく、常磁性素子であってもよい。しかしながら、コンポーネントは、基板、インターポーザー、または、例えばボードインボード構成のさらなるコンポーネントキャリアであってもよい。コンポーネントは、コンポーネントキャリアに表面実装されてもよく、および/またはそれの内部に組み込まれてもよい。さらに、他のコンポーネント、特に、電磁放射線を生成および放出する、および/または環境から伝搬する電磁放射線に対して敏感なものも、コンポーネントとして使用され得る。
【0051】
一実施形態において、コンポーネントキャリア構造は、積層型コンポーネントキャリアである。そのような実施形態において、コンポーネントキャリア構造は、押圧力および/または熱を適用することにより、共に積層および接続される複数の層構造の化合物である。
【0052】
本発明の上記で定義された態様およびさらなる態様は、以下に説明される実施形態の例から明らかであり、実施形態のこれらの例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の例示的な実施形態に係るPCBタイプコンポーネントキャリアを製造するためのパネルとして構成されるコンポーネントキャリア構造の断面図を示し、処理中にコンポーネントキャリア構造を位置調整する方法を実行している間に生成および検出されるパッド型アラインメントマーカおよびホール型アラインメントマーカを示す図である。
【
図2】
図1のような、本発明の例示的な実施形態に係るコンポーネントキャリア構造を示す平面図である。
【
図3】
図2のような、コンポーネントキャリア構造を4つのパーティションに分割したものを示す平面図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態に係る、アラインメント手順により製造されるコンポーネントキャリア構造のビア‐パッド配置を示す図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造のアラインメント中の密度の増加を示す図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造のアラインメント中のアラインメント精度の増加を示す図である。
【
図7】本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造のアラインメント中のフットプリントの減少を示す図である。
【
図8】本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造のアラインメント中のアラインメント精度の増加を示す図である。
【
図9】本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造を処理および位置調整する装置を示す図である。
【
図10】本発明の例示的な実施形態に従って製造された、複数のコンポーネントキャリアを備えるロットを示す図である。
【
図11】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1に対応するが、製造プロセスを改善させるための層構造に関するコード構造を追加的に備えるコンポーネントキャリア構造の断面図を示す図である。
【
図12】本発明の例示的な実施形態に係る、
図11に対応してコード構造を使用する製造プロセスの処理フローを示す図である。
【0054】
図面における図示は、概略図である。異なる図面において、類似または同一な素子が、同じ参照符号で提供される。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図面を参照して例示的な実施形態がさらに詳細に説明される前に、いくつかの基本的な考慮事項が、本発明のどのような例示的な実施形態が開発されたかに基づいて要約される。
【0056】
本発明の例示的な実施形態によると、パッド型アラインメントマーカに基づくアラインメント情報の決定は、1または複数のホール型アラインメントマーカに基づくアラインメント情報の決定と相乗的に組み合わされる。
【0057】
特に好ましい実施形態において、発見は、単独で使用する場合のパッドアラインメントがホールアラインメントより正確であるかに従って使用される。結果として、パッドアラインメントは、単独で、すなわち、この第1段階において、ホール型アラインメントマーカを考慮することなく、予備アラインメント情報を導出するために、本発明の例示的な実施形態に従って使用され得る。続いて、アラインメント情報は、より正確かつ厳密にされてもよく、または追加的に形成されたホール型アラインメントマーカからの追加的な情報を考慮することにより改善されてもよい。また、アラインメント方法は、まずホール型アラインメントマーカのみに基づいて予備アラインメント情報を決定して、続いて追加的なパッド型アラインメントマーカを考慮することによりアラインメントの精度を改善する、すなわち、反対の順序で実行されてよい。
【0058】
この異なるタイプのアラインメントマーカの組み合わせにより、相補的アラインメント情報が考慮され、全体的な精度が増加し得ることが判明した。換言すれば、ホールアラインメントは、パッドアラインメントから導出される結果を保護または検証するのに使用され得、逆も同様である。そのような改善されたアラインメント概念の結果として、パッドからエッジへの距離などのコンポーネントキャリアの臨界寸法の許容範囲を減少させることが可能であり得る。
【0059】
本発明の例示的な実施形態は、特にレーザダイレクトイメージング(LDI)およびレーザープロセスに有利に使用され得るハイブリッドアラインメント方法を提供する。好ましい実施形態は、2つの異なるアラインメント手法、すなわち、パッド型アラインメントおよびホール型アラインメントを組み合わせて、それにより優れたアラインメント精度を有するマルチアラインメント方法を提供する。そのようなマルチアラインメント方法は、上から下へのアラインメントに関して適用されてもよく、層から層へのアラインメントに関して適用されてもよい。この手段を利用することにより、より小さい環状リングを有するホールアラインメントおよびパターンアラインメントを組み合わせることによりアラインメント精度を改善することが可能になり得、ここで、上から下へのアラインメントも高精度で達成され得る。さらなる利点として、パッド型アラインメントをホール型アラインメントと組み合わせる手法はさらに、密度および設計の柔軟性をさらに増加させつつ、PCBパネルなどのコンポーネントキャリア構造上のアラインメントマーカのフットプリントを減少または最小化さえもさせ得る。
【0060】
本発明の例示的な実施形態は、層から層へのアラインメント許容範囲が、一般的に15μmから25μmの間で、高精度で得られ得るという利点を有する。さらに、上から下へのアラインメントは、同時で制御され得る(例えば、75μm以内)。さらに、フットプリントの減少または最小化さえも可能になり、密度および設計の柔軟性も増加し得る。特に、層から層へのアラインメントの高い精度、および適切な上から下へのアラインメントも得ることが可能であり得る。非常に有利なことに、アラインメントは、LDI露光機械を使用して実行され得る。
【0061】
特に、パッドアラインメントとホールアラインメントとの組み合わせの影響は、RF(無線周波数)コンポーネントキャリアおよびモジュール型コンポーネントキャリアに対して、特に顕著であり得る。
【0062】
実施形態によれば、アラインメントが、基準ホールまたはホール型アラインメントマーカを使用して実行され(位置調整に関するガイドラインを得るため)、さらに基準パッドまたはパッド型アラインメントマーカで位置調整して精度を向上させてよい。特に、層から層へのアラインメントは、基準パッドまたはパッド型アラインメントマーカに基づいて実行され、高精度を得てよい。ホール型アラインメントは、得られた範囲が設定から外れないことを確実にするために適用され得る。
【0063】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係るPCB(プリント回路基板)型コンポーネントキャリアを製造するためのパネルとして構成されるコンポーネントキャリア構造100の断面図を示し、処理中にコンポーネントキャリア構造100を位置調整する方法を実行する際に得られるパッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104を示す図である。
【0064】
図1のコンポーネントキャリア構造100の断面図は、複数の導電層構造106および複数の絶縁層構造108から成る積層スタック110を示す。導電層構造106は、パターニングされた金属層(特に、積層銅箔および/またはメッキされた銅層に基づいて形成される)、および鉛直貫通接続部(銅充填レーザビアなど)から成り得る。この手段を利用することにより、実質的にあらゆる所望の導電性経路が、コンポーネントキャリア構造100の内部に形成され得る。絶縁層構造108は、樹脂、例えばエポキシ樹脂を備え、任意選択的に、ガラスファイバまたはガラス球体などの強化用構造を備え得る。
図1から同様に理解されるように、積層スタック110の中心は、コア189、すなわち、それの対向する主面の両方が層構造106、108の対応するサブセット覆われた、完全に硬化したプリプレグ材料で形成される中心構造によりに形成され得る。
図1に示されるスタック110は、層構造106、108の後続の積層、機械式穿孔加工または銅穿孔などの材料除去手順、および形成されたホールに銅材料をメッキするメッキ手順により形成され得る。
【0065】
より一般的に、コンポーネントキャリア構造100の製造手順は、アディティブ法、サブトラクティブ法、セミアディティブ法(SAP)、および/または改良型セミアディティブ法(mSAP)を備え得る。
【0066】
これらの処理の段階および他の処理の段階を実行すべく、スタック110の正確な位置決め、寸法および向きを認識することが必要であり得る。例えば、コンポーネントキャリア構造100を形成するPCBパネルが、ソルダマスク処理または任意の他の種類のアラインメントが重要な処理の対象になることも発生し得る。また、この目的のために、処理が非常に正確に行われ得るように、ソルダマスクタスクを実行する機械などは、コンポーネントキャリア構造100がどの位置にありどの向きで存在するかを厳密に認識することが非常に重要になり得る。
【0067】
この目的のために、パッド型アラインメントマーカ102が、上記のように形成され得る金属層をパターニングすることに基づいて形成される。これは、層ごとに実行され得る。換言すれば、それぞれのパッド型アラインメントマーカ102は、積層により接続されている絶縁層構造108の各々に、それぞれの導電層構造106をパターニングすることにより形成され得る。個別のパッド型アラインメントマーカ102は、未接続の金属ドットであり得、すなわち、絶縁層構造108の誘電体材料により囲まれる、分離された金属島であり得る。
【0068】
ホール型アラインメントマーカ104は、スタック110全体を貫通するスルーホール197を形成することにより、コンポーネントキャリア構造100の対向する主面191、193の両方から両方が点検可能であるように形成され得る。続いて、得られたスルーホール197は、銅の円周中空円筒層195で覆われ得る。各層レベルにおいて、円周中空円筒層195を有するスルーホール197は、例えば銅により作られる、任意選択的な平面環状層構造199と接続されてもよく、接続されなくてもよい。
【0069】
図1は、どのように最終外側層を位置調整するかを示し、コア層を含む各内部層は、対応するアラインメント方法を適用して形成され得る。
【0070】
非常に厳密なアラインメントを可能にすべく、本発明の例示的な実施形態は、パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104に基づくアラインメントの組み合わせを使用する。
図1の断面図に示されるように、パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104は、コンポーネントキャリア構造100の積層されたスタック110の複数の導電層構造106および絶縁層構造108に、かつその一部として形成される。コンポーネントキャリア構造100を好ましくは製造プロセス中に位置調整する段階は、コンポーネントキャリア構造100の上および/または内部にパッド型アラインメントマーカ102を形成する段階と、少なくとも部分的に同時に(例えば、パターニング手順を共有して)コンポーネントキャリア構造100の上および/または内部にホール型アラインメントマーカ104を形成する段階とを備え得ることが好ましい。
【0071】
その後、パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104に基づいて導出されるアラインメント情報を組み合わせることにより、コンポーネントキャリア構造100を位置調整するためのアラインメント情報を決定することが可能であり得る。カメラなどは、それぞれの主面191および/または193で、パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104を検出し得る。得られた検出データは次に、アラインメント情報を決定するのに使用され得る。
【0072】
例えば、パッド型アラインメントマーカ102を(例えば、カメラなどで)検出すること、および検出された情報またはデータを評価することのみに基づいて、予備アラインメント情報を導出することが可能であり得る。続いて、得られた予備アラインメント情報は、ホール型アラインメントマーカ104を(例えば、カメラなどで)検出すること、および検出された情報またはデータを評価することに基づいて改善され得る。パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104を検出することは、同時に実行されてもよい。
【0073】
代替的に、ホール型アラインメントマーカ104を検出することのみに基づいて予備アラインメント情報を導出し、続いて、パッド型アラインメントマーカ102を検出および評価することにより得られるアラインメント情報も考慮することにより、予備アラインメント情報の精度を改善することも可能であり得る。
【0074】
したがって、階層的な2段階アラインメント手順が実行され得る。ここでは、大まかなアラインメントデータを得るためにアラインメントマーカ102または104のうち一方のみが使用され、続いて、大まかなアラインメントデータは、相補的情報を提供するアラインメントマーカ104または102の他方からのアラインメント情報も考慮することにより、精度が改善され得るまたはより正確にされ得る。従来の手法に比べると、そのような階層的な2段階アラインメント手順は、アラインメント精度に関して優れた結果を提供することが判明した。
【0075】
さらに別の実施形態において、本方法は、パッド型アラインメントマーカ102から導出されるアラインメント情報と、ホール型アラインメントマーカ104から導出されるアラインメント情報とを平均化する(例えば、パッド型アラインメントおよびホール型アラインメントから得られるアラインメント座標の算術平均を計算する)ことにより、アラインメント情報を導出する段階を備える。さらに改善されたアラインメント方法は、パッド型アラインメントマーカ102から導出されるアラインメント情報と、ホール型アラインメントマーカ104から導出されたアラインメント情報との重み付け合成としてアラインメント情報を導出する段階を備え得る。単独で使用する場合のパッドアラインメントは、ホールアラインメントより正確であるとみなされ得るので、パッドアラインメントおよびホールアラインメントに関して、これらの異なる個別の精度レベルを異なる重み付け係数に反映することが可能であり得る。例えば、1または複数のパッド型アラインメントマーカ102から導出されるアラインメント情報の重み付け係数は、1または複数のホール型アラインメントマーカ104から導出されるアラインメント情報の重み付け係数(例えば1/3)より大きくてよい(例えば2/3)。
【0076】
図1において、上から下へのアラインメントは、参照符号161により概略的に示される。さらに、
図2は、層から層へのアラインメントを、参照符号163により概略的に示す。説明されたアラインメントアーキテクチャを使用して、高精度(例えば、1μmから30μmの範囲内、具体的には5μmから25μmの範囲内、より具体的には15μmから25μmの範囲内)の層から層へのアラインメント許容範囲を得ることが可能であり得る。さらに、上から下へのアラインメントは、同時で制御され得る(例えば、75μm以内)。また、密度および設計の柔軟性を増加させつつ、アラインメントマーカ102、104の形成に含まれるフットプリントを著しく減少させることも可能であり得る。
【0077】
一実施形態において、以下の測定のうち1つ、複数またはそれより多数を実装するアラインメント手順が実行され得る。
【0078】
1.まず、基準ホール、すなわち、1または複数のホール型アラインメントマーカ104を使用して位置調整して(位置調整に関するガイドラインを得るため)、基準パッド、すなわち、1または複数のパッド型アラインメントマーカ102とも位置調整する(精度を改善するため)。
【0079】
2.ホールアラインメント、すなわち、1または複数のホール型アラインメントマーカ104を使用するアラインメント、および、パターンアラインメント、すなわち、1または複数のパッド型アラインメントマーカ102を使用するアラインメントに基づく複数の算出が実行され得る(例えば、1回のスキャンにより)。
【0080】
3.層から層へのアラインメントは、(高精度を得るために)基準パッド、すなわち、1または複数のパッド型アラインメントマーカ102に基づいて実現され得る。
【0081】
4.ホールアラインメント、すなわち、1または複数のホール型アラインメントマーカ104を使用するアラインメントは、範囲が設定から外れないことを確実にするために適用され得る。
【0082】
特にLDIまたはレーザ機械を使用して、マルチアラインメント方法を実装することにより、より具体的には、ホールアラインメントとパターンアラインメントとを組み合わせることにより、全体的なアラインメント精度が著しく改善され得る。
【0083】
パッドアラインメントおよびホールアラインメントの組み合わせを考慮したアラインメント情報を決定した後、コンポーネントキャリア構造100の寸法の位置および向きが、高精度で決定された。このアラインメント情報に基づいて、方法は、決定されたアラインメント情報に基づくコンポーネントキャリアの製造処理に関して、コンポーネントキャリア構造100の処理を続け得る。例えば、そのようなさらなる処理は、コンポーネントキャリア構造100に対する、フォトイメージング、ソルダマスク処理、スクリーン印刷、組立プロセスにおける機械的な処理などを指し得る。
【0084】
図1において、合計アラインメント許容範囲は、Dで示され、一方、層から層へのアラインメント許容範囲はdで示される。
【0085】
図2は、
図1のような、例示的な実施形態に係るコンポーネントキャリア構造100を示す平面図である。
【0086】
図2は、コンポーネントキャリア構造100が4つの異なるパーティション114に分割されたことを示す。コンポーネントキャリア構造100を4つのパーティション114に分割することは、仮想鉛直方向分割線115および仮想水平方向分割線117、すなわち、直交する2つの分割線115、117を決定することにより実行され得る。分割線115、117は、コンポーネントキャリア構造100のアクティブ領域116、すなわちコンポーネントキャリア150が形成される領域の外側に延びるように決定される。好ましくは、アラインメントはパーティション114の各々に対して個別に実行され、パーティションアラインメントと示され得る。この手段を利用することにより、コンポーネントキャリア構造100の局所的な反りまたは変形などの局所的特殊性は、パーティション114ごとに厳密に且つ個々に考慮され得る。しかしながら、追加的または代替的に、アラインメントが全体として、全体のコンポーネントキャリア構造100に対して実行されることも可能であり、グローバルアラインメントと示され得る。
【0087】
図2から理解されるように、パッド型アラインメントマーカ102の一部およびホール型アラインメントマーカ104の一部は、コンポーネントキャリア構造100のコーナー112に形成される。そのようなアラインメントマーカ102、104は、全体としてコンポーネントキャリア構造100に関するアラインメント情報を決定するのに使用され得、すなわち、グローバルアラインメントに関して使用され得る。
【0088】
しかしながら、パッド型アラインメントマーカ102の一部およびホール型アラインメントマーカ104の一部は、コンポーネントキャリア構造100のそれぞれのパーティション114のコーナー112'に形成され、ここでコーナー112'は全体としてのコンポーネントキャリア構造100のコーナーではない。示された実施形態において、各パーティション114は、コンポーネントキャリア構造100の4分の1に関連し、また4分の1のパネルで示され得る。後者として言及されたアラインメントマーカ102、104は、コンポーネントキャリア構造100のそれぞれのパーティション114のみに関する、すなわち、パーティションアラインメントに関するアラインメント情報を決定するのに使用され得る。
【0089】
アラインメントマーカ102、104は、コンポーネントキャリア構造100のアクティブ領域116の外側、すなわち、コンポーネントキャリア構造100(例えばPCBパネル)が個別のコンポーネントキャリア150に分離した後に(
図10の例と比較)、後でコンポーネントキャリア150(例えばPCB)が形成されるコンポーネントキャリア構造110の部分に配置される。
【0090】
図2は特に、グローバルアラインメントの概念を示す。そのような概念において、2つの異なるタイプのアラインメントマーカ102、104は、コンポーネントキャリア構造100のコーナー112、および内部に形成される。しかしながら、容易に製造されたコンポーネントキャリア150(例えば、示されたパネル型コンポーネントキャリア100から個別化されるプリント回路基板)に対応するアクティブ領域116は、アラインメントマーカ102、104がないまま、収率を増加させ得る。
【0091】
図3は、コンポーネントキャリア構造100を4つのパーティション114(例えば、
図2では参照符号192で示される)に分割したものを示す平面図である。
【0092】
図2とは対照的に、
図3は、
図2に示されるパネル型コンポーネントキャリア100を異なるパーティション114、例えばパネルの4分の4に事実上分離し得る、分割されたアラインメントの概念を示す。アラインメントは次に、コンポーネントキャリア構造100の重要な部分に対するアラインメント精度を具体的に且つ局部的に増加させるべく、パーティション114のコーナー112'におけるアラインメントマーカ102、104に基づくパーティションベースにおいて実行され得る。
【0093】
仮想の直線のアラインメント線は、位置調整の手順中に決定され得、参照符号165で
図3に示される。
【0094】
図4は、本発明の例示的な実施形態に係る、アラインメント手順により製造されるコンポーネントキャリア構造100のビア‐パッド配置を示す図である。ビアは、参照符号167で示される。対応するパッドは、参照符号169で示される。ホールアラインメントは参照符号171で示され、パターンアラインメントは参照符号173でしめされる。
【0095】
図1から
図4を参照して、本発明の例示的な実施形態に係るレーザダイレクトイメージングおよびレーザープロセスに対するハイブリッドアラインメント方法が説明される。より具体的には、アラインメント算出の手順が説明される。さらに詳細にこのアラインメント手順を説明する前に、
図2において参照符号192に従って4つのパーティションに分割されたパーティション114が、基準ホールとも示され得るそれぞれのホール型アラインメントマーカ104間の距離パラメータX1、X2、Y1、およびY2を計算するのに使用される
図3を改めて参照する。より具体的には、X1は2つの上方のホール型アラインメントマーカ104間の水平距離を示す。それに応じて、X2は2つの下方のホール型アラインメントマーカ104間の水平距離を示す。さらに、Y1は左側の2つのホール型アラインメントマーカ104間の鉛直距離を示す。それに応じて、Y2は右側の2つのホール型アラインメントマーカ104間の鉛直距離を示す。C1は、左上および右下のホール型アラインメントマーカ104を接続し、右上および左下のホール型アラインメントマーカ104を接続する2つの直線対角線の間の交差点をそれぞれ示す。それに応じて、C2は、(ある実施形態において)左上および右下のパッド型アラインメントマーカ102を接続し、右上および左下のパッド型アラインメントマーカ102を接続する2つの直線対角線の間の交差点をそれぞれ示す。
図3における詳細194は、C1を中心とし、C1の周りに例えば50μm(または任意の他の閾値)の半径を有する円を示す。
【0096】
コンポーネントキャリアの製造技術において、層間における各層およびビアに対するパターニングが発生し得る。アラインメントは、パターンが他の層と位置調整されることを確実にすべく、課題に対処する。
【0097】
アラインメントを実現するために、同じ基準(すなわち、基準ホールまたはホール型アラインメントマーカ104)を参照し、パターン露光を進めることが可能である。これは、層がある程度の精度内において位置調整され得るが、しかしながら、機械的な精度は高精度の必要条件を満たすには十分良好でない(例えば、50μmよりも大きい許容範囲が残存し得る)という結果をもたらし得る。
【0098】
適切なアラインメントを実現すべく、前の層(すなわち、基準パッドまたはパッド型アラインメントマーカ102)からのパターニングを参照することも可能である。この手段を利用することにより、より高い精度のCCD設備を使用して良好なアラインメント(例えば、10μmよりも大きい許容範囲を有する)を達成することにより、比較的高い精度が得られ得る。しかしながら、各層に対するアラインメントがどのようなものであるかを確実にすることは困難である。
【0099】
従来、パターンアラインメントには、上記方法のうち1つを選択する必要があり、それにより層から層への高精度または全ての層に対する合計アラインメントに焦点を合わせる必要がある。パターンが位置調整されていないまたは許容範囲が大きい場合、設計のためのバッファ(例えば、より大きい年輪、より幅広い線または空間)を増加させる必要があり得る。
【0100】
そのような欠点を克服すべく、本発明の例示的な実施形態は、基準ホールまたはホール型アラインメントマーカ104、および基準パッドまたはパッド型アラインメントマーカ102の両方を使用して、アラインメントを組み合わせ得る。本発明の例示的な実施形態に係る算出方法を実行する場合、以下の処理が実行され得る。
【0101】
a)機械は、基準ホールまたはホール型アラインメントマーカ104を読み取り得、これらの間の距離X1、X2、Y1、Y2を計算し得、中心C1を決定し得る(上記で定義されているように)。
【0102】
b)さらに、機械は、パッド型アラインメントマーカ102を読み取り得、中心C2を決定し得る。
【0103】
c)ホールアラインメントとパターンアラインメントとを組み合わせるこのハイブリッド方法を実行する場合、C2は、C1±50μm(定義され得る)の許容範囲内にあり得る。製造方法は次に、露光に進み得る。
【0104】
代替的な実施形態において、a)、b)、c)の処理を含む手順は、処理b)において、中心C2は処理a)における中心C1を決定するために、説明されるように算出され得る(すなわち、パッド型アラインメントマーカ102間の水平距離および鉛直距離を使用して)という差異に応じて実行され得る。
【0105】
図5は、本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造100のアラインメント中の密度の増加を示す図である(矢印177を参照)。高精度により、ビア接続のためにパッドサイズをより小さくすることが可能である。したがって、より高密度なビルドアップが実現され、ボードの合計層カウントおよび/または合計サイズの減少をもたらし得る。
【0106】
図6は、本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造100のアラインメント中のアラインメント精度(参照符号179と比較)の増加を示す図である。また、信号の陰影および保護が示される。
【0107】
図7は、本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造100のアラインメント中のフットプリントの減少を示す図である。参照符号181を参照する。
【0108】
図8は、本発明の例示的な実施形態に係る、コンポーネントキャリア構造100のアラインメント中のアラインメント精度の増加を示す図である。参照符号183を参照する。
図8のビア構成で、信頼できる設計が得られ得る。
【0109】
図9は、本発明の例示的な実施形態に係る、パネル型のコンポーネントキャリア構造100を位置調整する装置120を示す図である。示されるコンポーネントキャリア構造150は、複数のさらに一体的に接続されるコンポーネントキャリア150(例えば、プリント回路基板)またはそれのプリフォームを備える。
【0110】
装置120は、コンポーネントキャリア構造100のパッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104を形成するように構成されているアラインメントマーカ形成ユニット126を備える。例えば、アラインメントマーカ形成ユニット126は、レーザダイレクトイメージング(LDI)によりアラインメントマーカ102、104を形成するためのLDIデバイスを備え得る。追加的または代替的に、リソグラフィ露光機械が実装され得る。
【0111】
さらに、装置120は、コンポーネントキャリア構造100のパッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104を検出するように構成される検出ユニット122を備える。例えば、検出ユニット122は、CCDカメラまたはCMOSカメラなどのカメラであり得る。
【0112】
プロセッサ130またはその一部であり得る決定ユニット124は、検出されたパッド型アラインメントマーカ102および検出されたホール型アラインメントマーカ104に基づいて、アラインメント情報を決定するように構成され得る。この目的のために、決定ユニット124は、検出ユニット122により捕捉された検出データを提供され得る。検出ユニット122により捕捉された1または複数の画像でパッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104を識別すべく、決定ユニット124に、利用可能なデータを含むデータベースと、パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104を、それらの特徴的な形状および/またはコントラスト特性を考慮して決定することが可能な処理リソースとが提供され得る。この目的のために、パターン認識アルゴリズムおよび/または他の画像処理アルゴリズムは、パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104の両方の識別に具体的に適合されている決定ユニット124において実装され得る。
【0113】
さらに、装置120は、決定されたアラインメント情報に基づいてコンポーネントキャリア構造100を処理するように構成される、プロセッサ130またはその一部であり得る処理ユニット128を備える。換言すれば、処理ユニット128は、決定されたアラインメント情報に基づいて、パネルレベルにおいてコンポーネントキャリア150のさらなる製造を制御し得る。
【0114】
したがって、
図9は、コンポーネントキャリア構造100の処理中にアラインメントがどのように実行され得るかを示す。これを実現すべく、アラインメントマーカ形成ユニット126は、上記のように、ホール型アラインメントマーカ104およびパッド型アラインメントマーカ102の両方を形成する。続いて、カメラであり得る検出ユニット122は、コンポーネントキャリア構造110の上方の主面191の画像を捕捉してもよく、または対向する主面191、193の両方の画像を捕捉してもよい。対応する画像または対応する画像は、コンポーネントキャリア構造100の上方の主面におけるアラインメントマーカ102、104の位置を決定し得る処理ユニット124に供給され得る。この情報は、アラインメント情報、すなわちコンポーネントキャリア構造100の位置決めおよび向きに関する情報の、例えばコンポーネントキャリア構造100を処理する処理設備に対する、後続の決定に使用され得る。この情報は次に、続いて実行される処理(例えば、キャビティ形成、パッド形成、パターニングなど)を実行するために、処理ユニット128により使用され得る。
【0115】
図10は、本発明の例示的な実施形態に従って製造された、複数のコンポーネントキャリア150を備えるロット160を示す図である。
【0116】
ロット160は、上記の方法により位置調整されたコンポーネントキャリア構造100に基づいて製造され得る複数のコンポーネントキャリア150から成る。例えば、ロット160のコンポーネントキャリア150は全て、共通コンポーネントキャリア構造100から分離され得、共通の製造プロセスの同じバッチに関する異なるコンポーネントキャリア構造100から分離され得、または、パッドアラインメントおよびホールアラインメントの両方を含む上記に説明されたアラインメントアーキテクチャに基づいて処理され得る。そのようなアラインメントアーキテクチャにより得られる高いアラインメント精度を考慮すると、ロット160のコンポーネントキャリア150の少なくとも90%は、エッジパッド間の距離d1、d2、・・・dnに関して75μm未満、特に50μm未満で異なり得る。特に、90%以上のコンポーネントキャリア150間のエッジパッド間の最大距離と、90%以上のコンポーネントキャリア150間のエッジパッド間の最小距離との間の差は、75μm未満、特に50μm未満であり得る。エッジパッド間の距離は、それぞれのパッド152の中心123とコンポーネントキャリア150の最も近いエッジ121との間の水平距離として定義され得る(
図10を比較)。
【0117】
コンポーネントキャリア構造100(例えば、パネル)の製造を完了した後、パネルは個別化され、それにより、プリント回路基板またはIC(集積回路)基板などの複数の個別のコンポーネントキャリア150を得てよい。アラインメントの高い空間的精度を考慮すると、個別のコンポーネントキャリア150のエッジからパッド152への中心距離d1、d2、dnに関する非常に小さな許容範囲を得ることが可能である。さらに、個別のコンポーネントキャリア150のキャビティ155の位置および寸法も、上記のように、パッドアラインメントおよびホールアラインメントの組み合わせの結果として高精度を有し得る。各キャビティ155において、対応するコンポーネント154が組み込まれ得る。任意選択的に、例えば自己学習アルゴリズムを使用して、データは、パッドサイズ(すなわち、特にパッド152の直径)および/またはコンポーネントキャリア150の各層および/または各ビルドアップに対してエッジパッド間の距離d1、d2、・・・dnを最適化すべく、データベースに検出および/または格納され得る。そのような実施形態において、ソフトウェアは、設計されたパッドサイズおよび/またはエッジパッド間の距離が小さ過ぎるか、大き過ぎるか、予め定められた目標範囲と異なる場合に、警告を出力してもよく、処理を停止してもよい。追加的または代替的に、ソフトウェアは、パッドサイズを減少または増加させる提案を提供し得、および/または、例えばタスクを最適化するために、別のエンティティ(コンポーネントキャリアの製造手順を制御するためのコントローラなど)にこの情報を転送し得る。そのようなアルゴリズムで、信号経路の直径がよりバランスの取れた方法で実現され得るので、特にHF(高周波)適用に対して、信号品質が著しく増加させることが可能であり得る。
【0118】
図11は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図1に対応するが、製造プロセスを改善させるための層構造に関するコード構造200を追加的に備えるコンポーネントキャリア構造100の断面図を示す図である。
【0119】
例えば、コード構造200の各々は、コンポーネントキャリア構造100のそれぞれのレベルにおいて導電層構造106、パッド型アラインメントマーカ102およびホール型アラインメントマーカ104のそれぞれを構成するためにも使用される銅層の銅材料からなるQRコード(登録商標)として形成され得る。コード構造200の各々は、それぞれ割り当てられた層構造106、108の製造特性を示す情報を備えるか、またはエンコードする。例えば、それぞれの層構造106、108の製造中に発生する問題、誤差または他の事象はいずれも、割り当てられたコード構造200に直接格納されてもよく、またはそれぞれのコード構造200から読み取った情報を使用してそのようなデータベースのデータセットにアクセスする場合に、データベースから導出されてもよい。層構造106、108のうち個々の層構造を処理する前に、少なくとも1つの先に処理された層構造106、108のコード構造200のうち少なくとも1つを(例えば光学的に)読み取り、先に処理された層構造106、108のうち少なくとも1つの製造プロセスについての情報を導出することが可能である。層構造106の処理は、1または複数の先に処理された層構造106、108に関する、少なくとも1つの先に処理された層構造106、108の製造特性を示す1または複数のコード構造200から読み取った情報を考慮して実行され得る。次に、複数の層構造のうちの個々の層構造104の処理は、先に処理された層構造106、108に関する過去の製造情報、および
図1に従って導出されるアラインメント情報を使用して実行され得る。
【0120】
この手段を利用することにより、寸法「d」がさらに減少し得、その結果として寸法「D」もさらに減少し得、その結果、製造プロセスがより正確に行われ得る。
【0121】
図12は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図11に対応してコード構造200を使用する製造プロセスの処理フローを示す図である。
【0122】
ブロック202を参照すると、内側層構造106、108の識別子コード(コード構造200に関する)を有するパネル(例えば、コンポーネントキャリア構造100)がまず分析され得る。
【0123】
ブロック204を参照すると、LDI(レーザダイレクトイメージング)機械は、パネル識別子を読み取り、コード化し得る。
【0124】
ブロック206を参照すると、LDI機械は、基準ホールおよび基準パッド(すなわち、ホール型アラインメントマーカ104およびパッド型アラインメントマーカ102)を読み取り、露光データを計算し得る。
【0125】
ブロック208を参照すると、全ての情報をLDI機械データベースに格納することが可能である。
【0126】
ブロック210を参照すると、次の外側層構造106、108上に識別子コード(コード構造200に関する)を有するパネルが分析され得る。
【0127】
ブロック212を参照すると、LDI機械は、パネル識別子を読み取り、コード化し得る。
【0128】
ブロック214を参照すると、LDI機械は、基準ホールおよび基準パッド(すなわち、ホール型アラインメントマーカ104およびパッド型アラインメントマーカ102)を読み取り、露光データを計算し得る。この文脈において、中間層データ(スケール値、外層の以前の補償値など)を追加することも可能である。
【0129】
ブロック216を参照すると、全ての情報をLDI機械データベースに格納することが可能である。
【0130】
2つの連続的な層構造106、108について説明されたこの処理は、任意の所望の回数だけ反復され得る。
【0131】
ブロック218を参照すると、LDI機械は、ブロック208および216からの結果を考慮して、任意選択的にさらなる層構造106、108に関する結果を考慮して、露光に進み得る。
【0132】
用語「備える」が他の素子またはステップを排除しないこと、および「a」または「an」が複数を排除しないことを留意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明される素子を組み合わせてもよい。
【0133】
また、請求項における参照符号は、請求項の範囲を限定すると解釈されるものではないことを留意されたい。
【0134】
本発明の実装は、図に示され、上記される好ましい実施形態に限定されるものではない。代わりに、根本的に異なる実施形態の場合にも、示される解決手段および本発明に係る原理を使用する多数の変形が可能である。
【外国語明細書】