【課題】表示装置に含まれ得る制御用マイクロコンピュータの削除又は負荷軽減に資するバックライトの調光データ伝送が可能な映像信号送信装置及び映像信号受信装置を提供する。
【解決手段】映像信号送信装置は信号処理部及び送信部を備える。前記信号処理部は、表示領域の部分、非表示領域の部分、及びブランキング領域の部分を含む映像信号の前記非表示領域の部分にバックライトの調光データを格納する。前記送信部は、前記信号処理部によって処理された後の前記映像信号を送信する。映像信号受信装置は受信部及びデコーダを備える。前記受信部は前記映像信号送信装置から送信される前記映像信号を受信する。前記デコーダは、前記調光データをデコードする。
前記調光データは、前記バックライトの点灯可能領域を分割した複数の分割領域毎に個別に調光可能なデータである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の映像信号送信装置。
前記信号処理部は、自発光表示器による表示のオン又はオフを制御する制御データを前記非表示領域の部分に格納する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の映像信号送信装置。
前記デコーダは、前記非表示領域の部分に格納されている自発光表示器による表示のオン又はオフを制御する制御データをデコードする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の映像信号受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<映像表示システムの構成等>
後述する映像表示システム1は、例えば、
図1で示す車両101に搭載される。後述する映像表示システム1を
図1で示す車両101に搭載する場合、後述する映像表示システム1は、例えばカーナビゲーションの地図表示などを行うCID (Center Information Display)102、インストルメント・クラスタ103、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104R、並びにHUD(Head-Up Display)105(
図2参照)の少なくとも一部を備える。なお、インストルメント・クラスタ103は、複数の計器に関する表示を行う1つの液晶表示装置で構成されてもよく、各々が少なくとも1つの計器に関する表示を行う複数の液晶表示装置で構成されてもよい。HUD105は、HUD105内の液晶表示装置が表示する画像を車両101のフロントガラスに投影し、車両101の運転者に対して虚像を表示する。
【0021】
以下の説明では、映像表示システム1が、CID102と、インストルメント・クラスタ103と、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104Rと、HUD105とを備え、インストルメント・クラスタ103が複数の計器に関する表示を行う3つの液晶表示装置で構成されている場合を例に挙げて説明する。
【0022】
図3Aは、一実施例に係る映像表示システム1の構成を示すブロック図である。映像表示システム1は、制御部4と、レシーバ5A及び6Aと、スプリッタ8Aと、コンバータ9A及び9Bと、CID102と、インストルメント・クラスタ103と、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104Rと、HUD105と、を備える。
【0023】
車両101の左側及び左側後方を撮影するカメラ2Aは、トランスミッタ2Bを介して撮影映像信号を制御部4に送る。カメラ2A及びトランスミッタ2Bは1つの機器としてユニット化されている。車両101の右側及び右側後方を撮影するカメラ3Aは、トランスミッタ3Bを介して撮影映像信号を制御部4に送る。カメラ3A及びトランスミッタ3Bは1つの機器としてユニット化されている。
【0024】
制御部4は、CID102、インストルメント・クラスタ103、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104R、並びにHUD105それぞれに映像信号を送信するとともに、CID102、インストルメント・クラスタ103、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104R、並びにHUD105それぞれのバックライトの調光制御を行う。
【0025】
制御部4は、レシーバ4A及び4Bと、照度センサ4Cと、描画デバイス4Dと、トランスミッタ4E及び4Fと、を備える。制御部4は1つの機器としてユニット化されている。描画デバイス4Dは、描画機能を有するLSI(Large Scale Integration)であって、例えばSoC(System on Chip)、グラフィック機能付きマイクロコンピュータ、ビデオLSI、FPGA(Flexible Gate array)等を用いることができる。
【0026】
レシーバ4Aはトランスミッタ2Bからの撮影映像信号を受け取って描画デバイス4Dに出力する。レシーバ4Bはトランスミッタ3Bからの撮影映像信号を受け取って描画デバイス4Dに出力する。
【0027】
照度センサ4Cは、車両101の車室内における照度を検出して検出結果を描画デバイス4Dに出力する。
【0028】
描画デバイス4Dは、内蔵しているGPU(Graphics Processing Unit)によって画像データを生成する。電子サイドミラーシステムの表示装置104L用の画像データは、レシーバ4Aが受け取った撮影画像信号に基づいて生成される。電子サイドミラーシステムの表示装置104R用の画像データは、レシーバ4Bが受け取った撮影画像信号に基づいて生成される。CID102用の画像データ、インストルメント・クラスタ103用の画像データ、及びHUD105用の画像データは、LIN(Local Interconnect Network)、CAN(Controller Area Network)、MOST(Media Oriented Systems Transport)などの車内通信ネットワークを介して描画デバイス4Dが取得した各種情報(例えば、ナビゲーションシステムの地図情報、車速センサの出力情報、エンジン回転数検知センサの出力情報、燃料残量検知センサの出力情報など)に基づいて生成される。
【0029】
描画デバイス4Dは、照度センサ4Cの出力に基づいてバックライトの調光データを生成する。調光データは、デジタルデータであって、例えばPWM調光のオンデューティを示すデータ、DC調光の電流値を示すデータ等である。なお、本実施例とは異なり、制御部4に照度センサ4Cを設けず、描画デバイス4Dが車内通信ネットワークを介して車両101の車室内における照度の情報を取得するようにしてもよい。また、調光制御がローカルディミング制御である場合には、描画デバイス4Dは、照度センサ4Cの出力及び画像データに基づいてバックライトの調光データを生成する。
【0030】
描画デバイス4Dは、電子サイドミラーシステムの表示装置104L用のバックライトの調光データ、電子サイドミラーシステムの表示装置104R用のバックライトの調光データ、CID102用のバックライトの調光データ、インストルメント・クラスタ103用のバックライトの調光データ、及びHUD105用のバックライトの調光データを生成する。
【0031】
描画デバイス4Dは映像信号にデータを格納する。
図4に示すように、映像信号の各フレームは、表示領域の部分P1、非表示領域の部分P2、垂直ブランキング領域の部分P3、及び水平ブランキング領域の部分P4を含む。非表示領域の部分P2の列数は垂直ブランキング領域の部分P3の列数より水平ブランキング領域の部分P4の列数だけ少ない。非表示領域の部分P2の行数は例えば4行である。
【0032】
描画デバイス4Dは、表示領域の部分P1に画像データを格納し、非表示領域の部分P2にバックライトの調光データを格納する。バックライトの調光データに関しては、必ずしも各フレームにおいて格納されなくてもよいが、特に調光制御がローカルディミング制御である場合には、各フレームにおいて格納されることが望ましい。調光データは、例えば
図5に示すように、コマンドD2及びパケットデータD3によって構成され、コマンドD2の前に同期バイトD1が付加され、パケットデータD3の後ろにCRCデータD4が付加された形式で非表示領域の部分P2に格納される。
図5に示すデータ群(同期バイトD1、コマンドD2、パケットデータD3、及びCRCデータD4)のサイズは、例えば映像信号の32ピクセル分にすればよい。また、ローカルディミング制御の場合、直下型バックライトの点灯可能領域(直下型バックライトの前面)を複数(例えば40〜1000程度を想定、最大でも例えば6000程度までを想定)の分割領域に分割し、分割領域毎に調光データを送る為、データ数は「分割領域数×分割領域別調光データ×全体調光データ」となり、ローカルディミング制御でない場合と比較して膨大になる。ただし、ローカルディミング制御の場合も、調光データは画像データよりは十分に小さい為、非表示領域の部分P2に格納することにより、十分余裕をもって、フレーム毎で、映像信号受信装置に送ることが可能になる。本実施例とは異なり、例えばSPI通信、I2C通信等により調光データを送信しようとすると、最大スピード、送信距離に限界があるのと、映像信号とは別の送信ルートの確保が必要なため、システムとしては複雑になってしまい、好ましくない。
【0033】
描画デバイス4Dは、データ格納後の映像信号を送信する。バックライトの調光データが各フレームに格納される場合、描画デバイス4Dは、各フレームにおいて画像データ及び調光データ格納後の映像信号を送信する。バックライトの調光データが一部のフレームにのみ格納される場合、描画デバイス4Dは、一部のフレームにおいて画像データ及び調光データ格納後の映像信号を送信し、残りのフレームにおいて画像データ格納後の映像信号を送信する。
【0034】
描画デバイス4Dは、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)方式の映像信号である電子サイドミラーシステムの表示装置104L用の映像信号をトランスミッタ4Eを介してレシーバ5Aに送信する。トランスミッタ4Eは、シリアライザ4E1を備える。シリアライザ4E1は、電子サイドミラーシステムの表示装置104L用の映像信号、例えば、eDP(embedded Display Port)規格や、oLDI(open LDI)規格や、MipiDSI規格の信号を各シリアライザ独自のアルゴリズムで変換してレシーバ5Aのデシリアライザ5A1に送信する。デシリアライザ5A1は、受信した映像信号に対して、シリアライザ4E1による変換の逆変換を行う。なお、トランスミッタ4Eとレシーバ5Aとの間の信号伝送方式は、シリアライザ4E1及びデシリアライザ5A1を用いる方式に限定されない。
【0035】
レシーバ5Aは、上述したデシリアライザ5A1と、デコーダ5A2と、調光データ送信部5A3と、エラー監視部5A4と、を備える。デシリアライザ5A1は、受信して逆変換した映像信号を電子サイドミラーシステムの表示装置(液晶表示装置)104L内のタイミングコントローラ兼液晶表示パネルドライバ5Bとデコーダ5A2とに出力する。デコーダ5A2は、受信した映像信号に格納されている調光データをデコードする。調光データ送信部5A3は、デコード後の調光データを例えばSPI通信等を用いて液晶表示装置104L内のバックライトドライバ5Cに出力する。
図3Aでは、バックライトドライバ5Cは1つしか図示されていないが、実際には液晶表示装置104Lは複数のバックライトドライバ5Cを備え、調光データ送信部5A3は、複数のバックライトドライバ5Cそれぞれに対して、対応する調光データのみを送信する。
【0036】
バックライトドライバ5Cは、液晶表示装置104Lのバックライトの異常を検出する異常検出部5C1を備える。異常検出部5C1は、例えば、液晶表示装置104Lのバックライトのオープン異常、ショート異常、過電流異常等を検出する。異常検出部5C1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてレシーバ5A内の異常監視部5A4に送信する。異常監視部5A4は、異常の種類を記憶し、異常の有無を知らせる信号(例えば異常があるときにハイレベルになり、異常がないときにローレベルになる二値信号)をデシリアライザ5A1に出力する。デシリアライザ5A1は、液晶表示装置104Lのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号をシリアライザ4E1とデシリアライザ5A1との間のバックチャネルを用いたI2C通信によりシリアライザ4E1に伝送する。シリアライザ4E1は、液晶表示装置104Lのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を描画デバイス4Dに出力する。
【0037】
本実施例とは異なり、液晶表示装置104Lのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を、映像信号の伝送とは関連しないSPI通信、I2C通信等によりレシーバ5Aからトランスミッタ4Eに伝送してもよい。また、本実施例とは異なり、レシーバ5Aは、異常監視部5A4を備えない構成であってもよい。
【0038】
なお、レシーバ5A及び液晶表示装置104Lは1つの機器としてユニット化されている。
【0039】
描画デバイス4Dは、電子サイドミラーシステムの表示装置104R用の映像信号をLVDS信号の形式でトランスミッタ4Fを介してレシーバ6Aに送信する。トランスミッタ4Fは、シリアライザ4F1を備える。シリアライザ4F1は、電子サイドミラーシステムの表示装置104R用の映像信号、例えば、eDP規格や、oLDI規格や、MipiDSI規格の信号を各シリアライザ独自のアルゴリズムで変換してレシーバ6Aのデシリアライザ6A1に送信する。デシリアライザ6A1は、受信した映像信号に対して、シリアライザ4F1による変換の逆変換を行う。なお、トランスミッタ4Fとレシーバ6Aとの間の信号伝送方式は、シリアライザ4F1及びデシリアライザ6A1を用いる方式に限定されない。
【0040】
レシーバ6Aは、上述したデシリアライザ6A1と、デコーダ6A2と、調光データ送信部6A3と、エラー監視部6A4と、を備える。デシリアライザ6A1は、受信して逆変換した映像信号を電子サイドミラーシステムの表示装置(液晶表示装置)104R内のタイミングコントローラ兼液晶表示パネルドライバ6Bとデコーダ6A2に出力する。デコーダ6A2は、受信した映像信号に格納されている調光データをデコードする。調光データ送信部6A3は、デコード後の調光データを液晶表示装置104R内のバックライトドライバ6Cに出力する。
図3Aでは、バックライトドライバ6Cは1つしか図示されていないが、実際には液晶表示装置104Rは複数のバックライトドライバ6Cを備え、調光データ送信部6A3は、複数のバックライトドライバ6Cそれぞれに対して、対応する調光データのみを送信する。
【0041】
バックライトドライバ6Cは、液晶表示装置104Rのバックライトの異常を検出する異常検出部6C1を備える。異常検出部6C1は、例えば、液晶表示装置104Rのバックライトのオープン異常、ショート異常、過電流異常等を検出する。異常検出部6C1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてレシーバ6A内の異常監視部6A4に送信する。異常監視部6A4は、異常の種類を記憶し、異常の有無を知らせる信号(例えば異常があるときにハイレベルになり、異常がないときにローレベルになる二値信号)をデシリアライザ6A1に出力する。デシリアライザ6A1は、液晶表示装置104Rのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号をシリアライザ4F1とデシリアライザ6A1との間のバックチャネルを用いたI2C通信によりシリアライザ4F1に伝送する。シリアライザ4F1は、液晶表示装置104Rのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を描画デバイス4Dに出力する。
【0042】
本実施例とは異なり、液晶表示装置104Rのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を、映像信号の伝送とは関連しないSPI通信、I2C通信等によりレシーバ6Aからトランスミッタ4Fに伝送してもよい。また、本実施例とは異なり、レシーバ6Aは、異常監視部6A4を備えない構成であってもよい。
【0043】
なお、レシーバ6A及び液晶表示装置104Rは1つの機器としてユニット化されている。
【0044】
描画デバイス4D内のシリアライザ4D1は、LVDS方式の映像信号であるCID102用の映像信号、例えば、eDP規格や、oLDI規格や、MipiDSI規格の信号を各シリアライザ独自のアルゴリズムで変換してCID(液晶表示装置)102内のタイミングコントローラ7Aが搭載されているユニット側に設けられるデシリアライザ7A1に送信する(
図3B参照)。デシリアライザ7A1は、受信した映像信号に対して、シリアライザ4D1による変換の逆変換を行う。なお、描画デバイス4Dとタイミングコントローラ7Aとの間の信号伝送方式は、シリアライザ4D1及びデシリアライザ7A1を用いる方式に限定されない。また、タイミングコントローラ7Aは1chip構成に限定されない。例えば、
図3Bに示す点線のようにタイミングコントローラ7Aを区切って2chip構成にしてもよい。また例えば、eDP規格やoLDI規格やMipiDSI規格の場合は、描画デバイス4Dから直接タイミングコントローラ7Aに信号入力する構成であってもよい。eDP規格やoLDI規格やMipiDSI規格の場合は、シリアライザ4D1及びデシリアライザ7A1は用いず、描画デバイス4Dの出力が直接タイミングコントローラ7Aに入力される構成であってもよい。
【0045】
タイミングコントローラ7Aは、上述したデシリアライザ7A1と、デコーダ7A2、と、調光データ送信部7A3と、エラー監視部7A4と、を備える(
図3B参照)。なお、タイミングコントローラ7Aは、デシリアライザ7A1の代わりに、eDP規格やoLDI規格、MipiDSI規格の受信回路を備えてもよい。デシリアライザ7A1は、受信して逆変換した映像信号をデコーダ7A2に出力する。デコーダ7A2は、受信した映像信号に格納されている調光データをデコードする。調光データ送信部7A3は、デコード後の調光データをCID(液晶表示装置)102内のバックライトドライバ7Bに出力する。
図3Bでは、バックライトドライバ7Bは1つしか図示されていないが、実際にはCID(液晶表示装置)102は複数のバックライトドライバ7Bを備え、調光データ送信部7A3は、複数のバックライトドライバ7Bそれぞれに対して、対応する調光データのみを送信する。また、シリアライザ・デシリアライザを用いる場合、デコーダ7A1及び調光データ送信部7A3をデシリアライザ7A1内に搭載してもよい。
【0046】
バックライトドライバ7Bは、CID(液晶表示装置)102のバックライトの異常を検出する異常検出部7B1を備える。異常検出部7B1は、例えば、CID(液晶表示装置)102のバックライトのオープン異常、ショート異常、過電流異常等を検出する。異常検出部7B1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてタイミングコントローラ7A内の異常監視部7A4に送信する。異常監視部7A4は、異常の種類を記憶し、異常の有無を知らせる信号(例えば異常があるときにハイレベルになり、異常がないときにローレベルになる二値信号)をデシリアライザ7A1に出力する。デシリアライザ7A1は、CID(液晶表示装置)102のバックライトにおける異常の有無を知らせる信号をシリアライザ4D1とデシリアライザ7A1との間のバックチャネルを用いたI2C通信によりシリアライザ4D1に伝送する。
【0047】
本実施例とは異なり、CID(液晶表示装置)102のバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を、映像信号の伝送とは関連しないSPI通信、I2C通信等によりタイミングコントローラ7Aから描画デバイス4Dに伝送してもよい。また、本実施例とは異なり、タイミングコントローラ7Aは、異常監視部7A4を備えない構成であってもよい。
【0048】
描画デバイス4Dは、LVDS方式の映像信号であるCID102及びHUD105用の映像信号、例えばeDP規格や、oLDI規格や、MipiDSI規格の信号をスプリッタ8Aに送信する。LVDS信号受信部8A1は、受信した映像信号に対して、シリアライザ4D1による変換の逆変換を行ってもよい。すなわち、LVDS信号受信部8A1はデシリアライザであってもよい。また、スプリッタ8Aは1chip構成に限定されない。描画デバイス4Dからスプリッタ8Aに送信される映像信号は、CID102及びHUD105用の映像信号に限定されない。例えば、CID102、インストルメント・クラスタ103、電子サイドミラーシステムの表示装置(液晶表示装置)104L、電子サイドミラーシステムの表示装置(液晶表示装置)104R、及びHUD105のうちの少なくとも二つ用の映像信号であってもよい。また、シリアライザ・デシリアライザを用いる場合、デコーダ8A2及び調光データ送信部8A3をデシリアライザ内に搭載してもよい。
【0049】
スプリッタ8Aは、 LVDS信号受信部8A1と、デコーダ8A2と、調光データ送信部8A3と、エラー監視部8A4と、を備える(
図3B参照)。LVDS信号受信部8A1は、受信したCID102及びHUD105用の映像信号を、CID102用の映像信号とHUD105用の映像信号とに分割する。LVDS信号受信部8A1は、CID102用の映像信号をタイミングコントローラ7Aに出力し、HUD105用の映像信号をタイミングコントローラ兼液晶表示パネルドライバ8Cに出力する。デコーダ8A2は、受信したCID102用の映像信号に格納されている調光データをデコードし、受信したHUD105用の映像信号に格納されている調光データをデコードする。調光データ送信部8A3は、デコード後のCID102用調光データをバックライトドライバ7Bに出力し、デコード後のHUD105用調光データをバックライトドライバ8Dに出力する。
図3Bでは、バックライトドライバ8Dは1つしか図示されていないが、実際には液晶表示装置8Bは複数のバックライトドライバ8Dを備え、調光データ送信部8A3は、複数のバックライトドライバ8Dそれぞれに対して、対応する調光データのみを送信する。
【0050】
異常検出部7B1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてスプリッタ8A内の異常監視部8A4に送信する。異常監視部8A4は、異常の種類を記憶し、異常の有無を知らせる信号(例えば異常があるときにハイレベルになり、異常がないときにローレベルになる二値信号)をLVDS信号受信部8A1に出力する。シリアライザ・デシリアライザを用いる場合、デシリアライザ8A1は、CID(液晶表示装置)102のバックライトにおける異常の有無を知らせる信号をシリアライザ4D1とデシリアライザ8A1との間のバックチャネルを用いたI2C通信によりシリアライザ4D1に伝送する。
【0051】
バックライトドライバ8Dは、液晶表示装置8Bのバックライトの異常を検出する異常検出部8D1を備える。異常検出部8D1は、例えば、液晶表示装置8Bのバックライトのオープン異常、ショート異常、過電流異常等を検出する。異常検出部8D1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてスプリッタ8A内の異常監視部8A4に送信する。異常監視部8A4は、異常の種類を記憶し、異常の有無を知らせる信号(例えば異常があるときにハイレベルになり、異常がないときにローレベルになる二値信号)をLVDS信号受信部8A1に出力する。シリアライザ・デシリアライザを用いる場合、デシリアライザ8A1は、液晶表示装置8Bのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号をシリアライザ4D1とデシリアライザ8A1との間のバックチャネルを用いたI2C通信によりシリアライザ4D1に伝送する。
【0052】
本実施例とは異なり、CID(液晶表示装置)102及び液晶表示装置8Bのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を、映像信号の伝送とは関連しないSPI通信、I2C通信等によりスプリッタ8Aから描画デバイス4Dに伝送してもよい。また、本実施例とは異なり、スプリッタ8Aは、異常監視部8A4を備えない構成であってもよい。
【0053】
なお、スプリッタ8A及びHUD105は1つの機器としてユニット化されている。スプリッタ8Aの配置は本実施例に限定されない。例えば、CID(液晶表示装置)102を含むユニット化された単一の機器にスプリッタ8Aを組み込んでもよく、インストルメント・クラスタ103を含むユニット化された単一の機器にスプリッタ8Aを組み込んでもよく、電子サイドミラーシステムの表示装置(液晶表示装置)104Lを含むユニット化された単一の機器にスプリッタ8Aを組み込んでもよく、電子サイドミラーシステムの表示装置(液晶表示装置)104Rを含むユニット化された単一の機器にスプリッタ8Aを組み込んでもよい。また、スプリッタ8Aはいずれの表示装置ともユニット化されなくてもよい。
【0054】
描画デバイス4Dのシリアライザ4D1は、LVDS方式の映像信号であるインストルメント・クラスタ103用の映像信号の一部、例えばeDP規格やoLDI規格、MipiDS規格の信号を各シリアライザ独自のアルゴリズムで変換してコンバータ9Aのデシリアライザ9A1に送信し、LVDS方式の映像信号であるインストルメント・クラスタ103用の映像信号の残部、例えばoLDI規格の信号を各シリアライザ独自のアルゴリズムで変換してコンバータ9Bのデシリアライザ9B1に送信する(
図3C参照)。なお、eDP規格やoLDI規格やMipiDSI規格を用いて描画デバイス4Dから、デシリアライザ9A1,9B1を介さずにタイミングコントローラ9D、9F、及び9Hに映像信号を送信してもよい。また、シリアライザ4D1、デシリアライザ9A1,9B1を使用する場合は、デシリアライザ9A1及び9B1はそれぞれ、受信した映像信号に対して、シリアライザ4D1による変換の逆変換を行う。なお、描画デバイス4Dとコンバータ9A及び9Bとの間の信号伝送方式は、シリアライザ4D1及びデシリアライザ9A1及び9B1を用いる方式に限定されない。また、コンバータ9A及び9Bはそれぞれ1chip構成に限定されない。また、シリアライザ・デシリアライザを用いる場合、デコーダ9A2及び調光データ送信部9A3をデシリアライザ9A1内に搭載してもよく、デコーダ9B2及び調光データ送信部9B3をデシリアライザ9B1内に搭載してもよい。
【0055】
コンバータ9Aは、上述した上述したデシリアライザ9A1と、デコーダ9A2と、調光データ送信部9A3と、エラー監視部9A4と、を備える。デシリアライザ9A1は、受信して逆変換した映像信号を液晶表示装置9Cのタイミングコントローラ9D、液晶表示装置9Eのタイミングコントローラ9F、及びデコーダ9A2に出力する。デコーダ9A2は、受信した映像信号に格納されている調光データをデコードする。調光データ送信部9A3は、デコード後の調光データを例えばSPI通信等を用いて液晶表示装置9Cのバックライト10A及び液晶表示装置9Eのバックライト10Bに出力する。
図3Cでは、バックライトドライバ10A及び10Bはそれぞれ1つしか図示されていないが、実際には液晶表示装置9Cは複数のバックライトドライバ10Aを備え、液晶表示装置9Eは複数のバックライトドライバ10Bを備え、調光データ送信部9A3は、複数のバックライトドライバ10A及び複数のバックライトドライバ10Bのそれぞれに対して、対応する調光データのみを送信する。
【0056】
バックライトドライバ10Aは、液晶表示装置9Cのバックライトの異常を検出する異常検出部10A1を備える。異常検出部10A1は、例えば、液晶表示装置9Cのバックライトのオープン異常、ショート異常、過電流異常等を検出する。異常検出部10A1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてコンバータ9A内の異常監視部9A4に送信する。バックライトドライバ10Bは、液晶表示装置9Eのバックライトの異常を検出する異常検出部10B1を備える。異常検出部10B1は、例えば、液晶表示装置9Eのバックライトのオープン異常、ショート異常、過電流異常等を検出する。異常検出部10B1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてコンバータ9A内の異常監視部9A4に送信する。
【0057】
異常監視部9A4は、異常の種類を記憶し、異常の有無を知らせる信号(例えば異常があるときにハイレベルになり、異常がないときにローレベルになる二値信号)をデシリアライザ9A1に出力する。デシリアライザ9A1は、液晶表示装置9C及び9Eのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号をシリアライザ4D1とデシリアライザ9A1との間のバックチャネルを用いたI2C通信によりシリアライザ4D1に伝送する。
【0058】
本実施例とは異なり、液晶表示装置9C及び9Eのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を、映像信号の伝送とは関連しないSPI通信、I2C通信等によりコンバータ9Aから描画デバイス4Dに伝送してもよい。また、本実施例とは異なり、コンバータ9Aは、異常監視部9A4を備えない構成であってもよい。
【0059】
コンバータ9Bは、上述した上述したデシリアライザ9B1と、デコーダ9B2と、調光データ送信部9B3と、エラー監視部9B4と、を備える。デシリアライザ9B1は、受信して逆変換した映像信号を液晶表示装置9Gのタイミングコントローラ9H及びデコーダ9B2に出力する。デコーダ9B2は、受信した映像信号に格納されている調光データをデコードする。調光データ送信部9B3は、デコード後の調光データを例えばSPI通信等を用いて液晶表示装置9Gのバックライト10Cに出力する。
図3Cでは、バックライトドライバ10Cは1つしか図示されていないが、実際には液晶表示装置9Gは複数のバックライトドライバ10Cを備え、調光データ送信部9B3は、複数のバックライトドライバ10Cそれぞれに対して、対応する調光データのみを送信する。
【0060】
バックライトドライバ10Cは、液晶表示装置9Gのバックライトの異常を検出する異常検出部10C1を備える。異常検出部10C1は、例えば、液晶表示装置9Gのバックライトのオープン異常、ショート異常、過電流異常等を検出する。異常検出部10C1は、検出結果を例えばSPI通信等を用いてコンバータ9B内の異常監視部9B4に送信する。
【0061】
異常監視部9B4は、異常の種類を記憶し、異常の有無を知らせる信号(例えば異常があるときにハイレベルになり、異常がないときにローレベルになる二値信号)をデシリアライザ9B1に出力する。デシリアライザ9B1は、液晶表示装置9Gのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号をシリアライザ4D1とデシリアライザ9B1との間のバックチャネルを用いたI2C通信によりシリアライザ4D1に伝送する。
【0062】
本実施例とは異なり、液晶表示装置9Gのバックライトにおける異常の有無を知らせる信号を、映像信号の伝送とは関連しないSPI通信、I2C通信等によりコンバータ9Bから描画デバイス4Dに伝送してもよい。また、本実施例とは異なり、コンバータ9Bは、異常監視部9B4を備えない構成であってもよい。
【0063】
なお、コンバータ9A及び9B並びにインストルメント・クラスタ103は1つの機器としてユニット化されている。インストルメント・クラスタ103は一つの機器にユニットされていなくてもよい。例えば、液晶表示装置9C、9E、及び9Gを別々の3つの機器とし、コンバータ9Aを液晶表示装置9C又は液晶表示装置9Eと同一の機器内に配置し、コンバータ9Bを液晶表示装置9Gと同一の機器内に配置してもよく、液晶表示装置9C及び9Eと液晶表示装置9Gとを別々の機器とし、コンバータ9Aを液晶表示装置9C及び9Eと同一の機器内に配置し、コンバータ9Bを液晶表示装置9Gと同一の機器内に配置してもよい。また、例えばインストルメント・クラスタ103が液晶表示装置を1つのみ備える場合、CID(液晶表示装置)102と同様に、描画デバイス4Dから送信される映像信号はコンバータを介さず液晶表示装置のタイミングコントローラに直接入力されるようにすればよい。
【0064】
上述した映像表示システム1では、調光データが映像信号に含まれて、映像信号送信装置である制御部4から映像信号受信装置であるレシーバ5A、レシーバ6A、タイミングコントローラ7A、スプリッタ8A、コンバータ9A、及びコンバータ9Bに伝送される。このような構成によると、調光データをSPI通信、I2C通信、車内通信ネットワークによる通信などによって伝送する必要がなくなるので、各表示装置に含まれ得る制御用マイクロコンピュータの削除又は負荷軽減を図ることができる。
【0065】
また、上述した映像表示システム1では、調光データが映像信号に含まれるので、映像信号のフレームに同期した調光制御が容易になる。この利点は、調光制御がローカルディミング制御である場合に特に有用である。
【0066】
<ローカルディミング制御>
ローカルディミング制御の具体例に関して以下に説明する。
【0067】
例えば、インストルメント・クラスタ103が
図6に示す表示を行う場合、液晶表示装置8C、8E、及び8Gの各バックライトを液晶表示パネルの背面に配置される直下型バックライトとし、当該直下型バックライトの点灯可能領域(直下型バックライトの前面)を
図7に示すように複数の分割領域R1〜R8に分割する。そして、調光データを複数の分割領域R1〜R8毎に個別に調光可能なデータにする。これにより、コントラストを高めることができる。なお、上述した説明では、図面を簡素化するために分割領域を8個にしたが、実際には例えば100〜6000個程度にすることが望ましい。例えば、分割領域を6000個にした場合でも、調光データは十分な余裕をもって非表示領域の部分P2に格納することができる。
【0068】
例えば、HUD105が
図8A〜
図8Cのいずれかに示す表示しか行わない場合、液晶表示装置8Bのバックライトを液晶表示パネルの背面に配置される直下型バックライトとし、当該直下型バックライトの点灯パターンを
図9A〜
図9Cに限定すればよい。なお、
図9A〜
図9Cにおいて、白地は点灯領域を示しており、黒地は消灯領域を示している。このように直下型バックライトの点灯パターンを複数の固定点灯パターンに限定することで、固定パターン表示におけるローカルディミング制御の簡素化を図ることができる。また、映像信号受信装置であるタイミングコントローラ7A、スプリッタ8A、コンバータ9A、9B等に、複数の固定点灯パターンを記憶し、それら複数の固定点灯パターンから1つを選択する機能を持たせると、描画デバイス4Dから送信される調光データが選択内容を指示するデータのみで済むため、固定パターン表示におけるローカルディミング制御をより一層簡素化できる。
【0069】
<留意点>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0070】
上記の説明において、シリアライザ・デシリアライザを用いて映像信号を伝送する場合と、シリアライザ・デシリアライザを用いずに映像信号を伝送する場合との両方について言及しているが、長距離(大体1m以上)の映像信号伝送であればシリアライザ・デシリアライザを用いて映像信号を伝送すればよく、短距離(大体1m未満)の映像信号伝送であればシリアライザ・デシリアライザを用いずに映像信号を伝送すればよい。したがって、映像信号送信装置及び映像信号受信装置の配置に応じて、シリアライザ・デシリアライザを用いて映像信号を伝送するのか、シリアライザ・デシリアライザを用いずに映像信号を伝送するのかを決定すればよい。
【0071】
例えばインストルメント・クラスタ103が液晶表示装置に加えて自発光表示器を備えるようにしてよい。自発光表示器としては、例えばLEDランプを用いた警告灯が挙げられる。この場合、描画デバイス4Dは、自発光表示器による表示のオン又はオフを制御する制御データを生成し、当該制御データと調光データとをインストルメント・クラスタ103用映像信号の非表示領域の部分P2に格納すればよい。自発光表示器による表示のオン又はオフを制御する制御データは、調光データと同様の構成であることが望ましい。つまり、自発光表示器による表示のオン又はオフを制御する制御データは、例えば
図5に示すように、コマンドD2及びパケットデータD3によって構成されればよい。自発光表示器による表示のオン又はオフを制御する制御データを含むデータ群は、調光データを含むデータ群の前に格納されてもよく、調光データを含むデータ群の後に格納されてもよい。また、自発光表示器による表示のオン又はオフを制御する制御データ、調光データ以外のデータが映像信号の非表示領域の部分P2に格納されてもよい。
【0072】
上記実施形態では、映像信号送信装置である制御部4から直接映像信号を受信するデバイスが調光データをデコードしているが、上記実施形態とは異なり、映像信号送信装置である制御部4から間接的に映像信号を受信するデバイスが調光データをデコードしてもよい。すなわち、調光データをデコードする機能を有する映像信号受信装置は、映像信号送信装置である制御部4から間接的に映像信号を受信するデバイスであってもよい。例えば、レシーバ5Aの代わりにタイミングコントローラ兼液晶表示パネルドライバ5Bが調光データをデコードする機能を有するようにしてもよい。
【0073】
上記実施形態では、映像信号送信装置と映像信号受信装置との間で映像信号がデジタル伝送されているが、上記実施形態とは異なり、映像信号送信装置においてデジタルからアナログへの変換を行い、映像信号送信装置と映像信号受信装置との間で映像信号をアナログ伝送し、映像信号受信装置においてアナログからデジタルへの変換を行うようにしてもよい。
【0074】
上記実施形態では、調光データをデコードする機能を有する映像信号受信装置は、グラフィック機能を有していないが、上記実施形態とは異なり、調光データをデコードする機能を有する映像信号受信装置にグラフィック機能を持たせてもよい。
【0075】
すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。