特開2020-202603IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

摩擦を有する負荷をモータによって駆動する場合に、モータの回転方向が反転する際の負荷トルクの摩擦補償を行う技術

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】モータの回転方向反転時の負荷トルクの挙動を考慮して摩擦補償トルクを生成し、この摩擦補償トルクをトルク指令に重畳することにより、速度偏差や位置偏差を抑制可能なモータ制御装置を提供する。
【解決手段】摩擦を有する負荷を駆動するモータの速度または位置を制御するモータ制御装置において、モータ速度相当値がモータ速度指令に追従するようにトルク指令を生成する速度制御部20と、モータ速度指令またはモータ速度相当値が入力される符号関数の出力に補償トルク設定値を乗じた値を、モータの回転方向反転時における負荷トルクの変化の遅れと同程度の時定数を有するLPF13に入力して摩擦補償トルクを得る摩擦補償部10とを備え、速度制御部20からのトルク指令に摩擦補償トルクを加算した値を最終的なトルク指令としてモータに与える。
【選択図】図1

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

モータの回転方向を反転させる際の負荷トルクは、実際には、図14に示すようにモータ速度(回転方向)を反転した時点から遅れ時間Δtをもって符号が変化する。
このため、図12や特許文献1のようにモータ速度に対する符号関数のみによって摩擦補償を行うと、一時的に過補償となってモータ速度に乱れが生じる。また、図13のように、ゼロ速度近傍における補償トルクの急変部分に傾きを与えれば上述した過補償を回避することができるが、この場合には方向反転時点の前後の補償トルクが不十分になる時間を生じ、これによって速度偏差や位置偏差を十分に抑制できないという問題がある。 なお、図16に示した特許文献2では、合成補償トルクを単に平滑化して摩擦補償トルクを得るために一次遅れフィルタ203を用いており、その時定数の与え方などについては特に言及されていない。 そこで、本発明の解決課題は、モータの回転方向反転時における負荷トルクの挙動を考慮しつつ所定の時定数が設定されたローパスフィルタの演算を介して最適な摩擦補償トルクを生成し、この摩擦補償トルクをモータに対するトルク指令に重畳することにより、速度偏差や位置偏差を抑制可能としたモータ制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

課題を解決するため、請求項1に係る発明は、摩擦を有する負荷を駆動するモータの速度または位置を制御するモータ制御装置において、 モータ速度相当値がモータ速度指令に追従するようにトルク指令を生成する速度制御部と、 モータ速度指令またはモータ速度相当値が入力される符号関数の出力に補償トルク設定値を乗じた値を、モータの回転方向反転時における負荷トルクの変化の遅れと同程度の時定数を有する低・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、ローパスフィルタの時定数を適切に設定することにより、モータの回転方向の反転タイミングに対して遅れをもって摩擦補償トルクが与えられるため、前記反転タイミングに対して遅れて発生する負荷トルクの急変を相殺することができ、負荷の摩擦に起因する速度偏差や位置偏差を適切に抑制することが可能である。
また、請求項2に係る発明によれば、摩擦補償が一時的に過補償となるのを回避することができる。
請求項3または4に係る発明によれば、モータの回転方向の反転タイミングに対する摩擦補償の遅れを最適化し、負荷の摩擦に起因する速度偏差や位置偏差を適切に抑制することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の第1モータ制御装置の主要部を示すブロック図である。

【図2】本発明の第2モータ制御装置の主要部を示すブロック図である。

【図3】本発明の第3モータ制御装置の主要部を示すブロック図である。

【図4】本発明の第4モータ制御装置の主要部を示すブロック図である。

【図5】モータの回転方向反転前後における負荷トルクを示す図である。

【図6】負荷トルクを速度の関数として近似した近似関数を示す図である。

【図7】LPFの時定数を設定する第1の方法の説明図である。

【図8】LPFの時定数を設定する第2の方法の説明図である。

【図9】実験例において、摩擦補償なしの場合の回転方向反転前後の位置偏差を示す図である。

【図10】実験例において、LPFなしで摩擦補償を与えた場合の回転方向反転前後の位置偏差を示す図である。

【図11】実験例において、本発明によりLPFの時定数を設定して摩擦補償を与えた場合の回転方向反転前後の位置偏差を示す図である。

【図12】摩擦補償を行う従来の補償トルクの説明図である。

【図13】摩擦補償を行う従来の補償トルクの説明図である。

【図14】摩擦を有する負荷を駆動した場合の、モータの回転方向反転時におけるモータ速度及び負荷トルクの説明図である。

【図15】特許文献1に記載された従来技術を示すブロック図である。

【図16】特許文献2に記載された従来技術を示すブロック図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

10:摩擦補償部   11:符号関数   12:乗算手段   13:ローパスフィルタ   20:速度制御部   25:加算手段   30:制御対象   40:積分手段   50:位置制御部

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