特開2020-202621(P2020-202621A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本車輌製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2020202621-非常用発電装置 図000003
  • 特開2020202621-非常用発電装置 図000004
  • 特開2020202621-非常用発電装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202621(P2020-202621A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】非常用発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/08 20060101AFI20201120BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20201120BHJP
   F02B 63/04 20060101ALI20201120BHJP
   F02B 77/13 20060101ALI20201120BHJP
   F01P 5/06 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   H02J9/08
   H02K7/18 B
   F02B63/04 B
   F02B77/13 C
   F02B77/13 M
   F01P5/06 508
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-106432(P2019-106432)
(22)【出願日】2019年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 勇人
【テーマコード(参考)】
5G015
5H607
【Fターム(参考)】
5G015GA17
5H607AA02
5H607BB02
5H607CC05
5H607FF22
(57)【要約】
【課題】配線の作業性を向上させるとともに、冷却性にも優れた非常用発電装置を提供する。
【解決手段】非常用発電装置11は、ケーシング12の内部に、商用電源の停電時にエンジンを始動させるとともに、該エンジンで駆動される発電機15から負荷に送電を行うエンジン発電機16を収納し、該エンジン発電機を支持する架台13の底部に、電線31を外部から引き込むための電線立上口を備え、架台の側面には、電線立上口から引き込まれた電線を取り扱い可能な開口28cが設けられるとともに、該開口を覆うカバー32が着脱可能に設けられ、前記カバーは、冷却用の空気を架台内に吸い込む吸気口32aと、該吸気口から吸い込んだ空気を架台内の上方に導くためのダクト32bとを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの内部に、商用電源の停電時にエンジンを始動させるとともに、該エンジンで駆動される発電機から負荷に送電を行うエンジン発電機を収納し、該エンジン発電機を支持する架台の底部に、電線を外部から引き込むための電線立上口を備え、使用場所で定位置に据え付けられる非常用発電装置において、
前記架台の側面には、前記電線立上口から引き込まれた電線を取り扱い可能な開口が設けられるとともに、該開口を覆うカバーが着脱可能に設けられ、
前記カバーは、冷却用の空気を前記架台内に吸い込む吸気口と、該吸気口から吸い込んだ空気を前記架台内の上方に導くためのダクトとを備えていることを特徴とする非常用発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常用発電装置に関し、詳しくは、停電などの非常時にエンジン発電機を運転して負荷に電力を供給可能な非常用発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン発電機を運転して負荷に送電を行う発電装置では、ビルや工場などの定位置に据え付ける際に、商用系統や電力負荷に対して配線がなされている(例えば、特許文献1参照。)。また、このような発電装置は、一般に、架台上に支持したエンジン発電機をケーシングの内部に収納して構成されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−202543号公報
【特許文献2】特開2017−227193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジン発電機における配線は、通常、架台の底部に備わる開口を通じて外部からケーシング内部につなぎ込まれるため、架台の構造は、作業性を考慮して形成されていることが望ましい。しかし、特許文献2に記載されたものでは、その構造上、架台の高さ寸法が比較的に大きいことから、電線を立ち上げる際に作業が効率よく行えず、また、日常の保守において配線状態の目視点検を容易に行えないといった課題があった。
【0005】
そこで本発明は、配線の作業性を向上させるとともに、冷却性にも優れた非常用発電装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の非常用発電装置は、ケーシングの内部に、商用電源の停電時にエンジンを始動させるとともに、該エンジンで駆動される発電機から負荷に送電を行うエンジン発電機を収納し、該エンジン発電機を支持する架台の底部に、電線を外部から引き込むための電線立上口を備え、使用場所で定位置に据え付けられる非常用発電装置において、前記架台の側面には、前記電線立上口から引き込まれた電線を取り扱い可能な開口が設けられるとともに、該開口を覆うカバーが着脱可能に設けられ、前記カバーは、冷却用の空気を前記架台内に吸い込む吸気口と、該吸気口から吸い込んだ空気を前記架台内の上方に導くためのダクトとを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の非常用発電装置によれば、架台の側面に電線立上口から引き込まれた電線を取り扱い可能な開口が設けられているので、電線の立ち上げ空間において配線作業や日常の保守を容易に行うことができる。また、前記開口を覆うカバーには、冷却用の空気を架台内に吸い込む吸気口と、該吸気口から吸い込んだ空気を架台内の上方に導くためのダクトとを備えているので、エンジン発電機の冷却効率を向上させることができる。また、既存の吸気ダクトが開口の上部空間を占めるので、非常用発電装置の使用時に開口部に雨水がかかりにくくなり、装置内への雨水浸入を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一形態例を示す非常用発電装置の正面図である。
図2】同じく平面図である。
図3】同じく側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1乃至図3は、本発明の非常用発電装置の一形態例を示すもので、非常用発電装置11は、平面視長方形状の架台13上に防音構造を有する箱状のケーシング12を設け、該ケーシング12内に、商用電源の停電時にエンジン14を始動させるとともに、該エンジン14で駆動される発電機15から負荷に送電を行うエンジン発電機16と、エンジン14を始動するための充電可能なバッテリ17と、発電機15を跨ぐスタンド18の上部に設けられた制御装置19とを備えており、使用場所で定位置に、例えば、ビルや工場などの屋上に据え付けられている。また、ケーシング12の内部は、ラジエータ20を備えた仕切壁12aが設けられ、該仕切壁12aによってエンジン室21と排風室22とに区画されている。
【0010】
ラジエータ20は、仕切壁12aの中央部に形成された通気用開口(図示せず)よりもエンジン室21側に設けられ、上部に冷却水導入管23が、下部に冷却水導出管24がそれぞれ接続されている。また、排風室22には、ラジエータ20の両側部から突出する一対の取付腕26a,26aを有したブラケット26が設けられており、排気管25aが接続されたマフラ25をブラケット26で支持するように構成されている。エンジン14が始動されると、回転するファン14aにより、基本的には、図1の矢印A1,A2,A3の順で示すように、エンジン室21側に設けた吸気口(図示せず)から燃焼用及び冷却用の空気を吸引し、冷却用の空気についてはラジエータ20を介して排風室22の下部に設けた排風口(図示せず)から排出するようになっている。
【0011】
架台13は、四隅部に吊り孔27a及び固定用のボルト孔27bを有して枠組みされた据付部材27と、該据付部材27上に結合され、エンジン発電機16やスタンド18などが設置される複数の横梁28aを備えた架台本体28とで構成され、架台本体28内の中央には燃料タンク29が収納されている。また、架台本体28の底部には、スタンド18の一側方(図3において左側)に取り付けられた端子台30に対して、電線31を外部から引き込むための電線立上口28bが設けられている(図2)。電線立上口28bは、電線31を引き込む際の作業性を阻害しない程度に、必要十分な大きさに形成されている。さらに、架台本体28の側面であって、ケーシング12の吸気側の面に対応する面には、幅広な矩形状の開口28cが設けられており、該開口28cを覆うカバー32が複数のボルト33を用いて着脱可能になっている。
【0012】
カバー32は、前記開口28cの大きさに対応した矩形平板材からなり、装着方向に向かって右手側(図3において右側)の下部に吸気口32aが設けられている。また、カバー32の内側(裏面)には、吸気口32aから吸い込んだ冷却用の空気を、架台13の内部上方に導くとともに、空気に同伴された雨水を分離するためのダクト32bが設けられている。ダクト32bは、所定の奥行きを有して形成されたもので、カバー32を着脱する際に、電線31に対して接触しない位置に設けられている。こうして、架台13において開口28cを有する面は、カバー32を外した状態では、電線31が立ち上がる空間に対し、開口28cを通じて作業者の手が届くようになっている。一方、カバー32を装着した状態では、図1の矢印Bで示すように、吸気口32aから冷却用の空気を吸引し、ダクト32bを通じてエンジン室21内に、すなわち、発電機15の筐体に設けた吸気口15aに空気を導くことが可能になっている。
【0013】
このように、非常用発電装置11が、架台13の側面に電線立上口28bから引き込まれた電線31を取り扱い可能な開口28cが設けられているので、電線31の立ち上げ空間において配線作業や日常の保守を容易に行うことができる。また、開口28cを覆うカバー32には、冷却用の空気を架台13内に吸い込む吸気口32aと、該吸気口32aから吸い込んだ空気を架台13内の上方に導くためのダクト32bとを備えているので、エンジン発電機16の冷却効率を向上させることができる。また、既存の吸気ダクトが開口28cの上部空間を占めるので、非常用発電装置11の使用時に開口部に雨水がかかりにくくなり、装置内への雨水浸入を防止できる。
【0014】
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものでなく、架台側面に設けた開口は、配線の作業性を考慮して任意の大きさに形成できる。また、カバーについては、吸気口の位置や大きさなどは限定されず、電線立上口から立ち上がる電線に対して干渉することがない位置関係で、ダクトを幅方向に拡大するなど適宜に変更することができる。
【符号の説明】
【0015】
11…非常用発電装置、12…ケーシング、12a…仕切壁、13…架台、14…エンジン、14a…ファン、15…発電機、15a…吸気口、16…エンジン発電機、17…バッテリ、18…スタンド、19…制御装置、20…ラジエータ、21…エンジン室、22…排風室、23…冷却水導入管、24…冷却水導出管、25…マフラ、25a…排気管、26…ブラケット、26a…取付腕、27…据付部材、27a…吊り孔、27b…ボルト孔、28…架台本体、28a…横梁、28b…電線立上口、28c…開口、29…燃料タンク、30…端子台、31…電線、32…カバー、32a…吸気口、32b…ダクト、33…ボルト
図1
図2
図3