【解決手段】搬送装置100は、リニアモータに用いられるコイル333が配置された軌道101と、コイル333による磁気作用を受けることにより軌道101を走行する台車211と、を備える搬送装置100であって、軌道101は、それぞれが、軌道101の直線区間310に配置され、直線区間310が延びるX軸方向に並んで配置された複数のコイル333を有し、かつ、方向に第1の長さL1を有する1以上の第1走行ユニット330と、それぞれが、直線区間310に配置され、X軸方向に並んで配置された複数のコイル333を有し、かつ、X軸方向に第1の長さL1とは異なる第2の長さL2を有する1以上の第2走行ユニット340と、を有し、1以上の第1走行ユニット330と1以上の第2走行ユニット340とは、X軸方向において連続するように並んで配置されている。
前記台車は、前記軌道に配置された前記複数のコイルによる磁気作用を受ける複数の永久磁石であって、前記台車の走行方向に並んで配置される複数の永久磁石により構成される磁石列を備え、
前記第1の長さは、前記磁石列の長さに応じて定められた長さである
請求項1から8のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すような地上1次式リニアモータにより走行台車を走行させる搬送装置では、軌道上に走行台車に磁気作用を付与するための電機子を並べて配置する必要がある。電機子は、軌道が延びる方向に並んで配置される複数のコイルにより構成されている。このため、電機子は軌道が延びる方向に所定の長さを有しており、電機子の当該方向における長さを短く変更することは難しい。よって、軌道の長さを調整するためには、電機子単位での調整が必要となり、所定の長さよりも短い長さの単位で軌道の長さを調整することが難しい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軌道の長さを自由に調整することができる搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る搬送装置は、リニアモータに用いられるコイルが配置された軌道と、前記コイルによる磁気作用を受けることにより前記軌道を走行する台車と、を備える搬送装置であって、前記軌道は、それぞれが、前記軌道の直線区間に配置され、前記直線区間が延びる方向に並んで配置された複数のコイルを有し、かつ、前記方向に第1の長さを有する1以上の第1直線ユニットと、それぞれが、前記直線区間に配置され、前記方向に並んで配置された複数のコイルを有し、かつ、前記方向に前記第1の長さとは異なる第2の長さを有する1以上の第2直線ユニットと、を有し、前記1以上の第1直線ユニットと前記1以上の第2直線ユニットとは、前記方向において連続するように並んで配置されている。
【0007】
これによれば、軌道は、互いに異なる長さの1以上の第1直線ユニットおよび1以上の第2直線ユニットが軌道の直線区間が延びる方向に連続するように並んで配置されている。このように、2種類の長さの直線ユニットを組み合わせることにより軌道が構成されているため、直線区間における軌道の長さのバリエーションを増加させることができる。よって、軌道の長さを自由に調整することができる。
【0008】
また、前記第1直線ユニットは、前記複数のコイルを含む第1コイル部分と、前記第1コイル部分の前記方向側に配置されている第1中間部分とを有し、前記第2直線ユニットは、前記第1コイル部分と共通する、前記複数のコイルを含む第2コイル部分のみを有してもよい。
【0009】
これによれば、第1直線ユニットの第1コイル部分と第2直線ユニットの第2コイル部分とは互いに共通しているため、第1直線ユニットおよび第2直線ユニットの製造にかかるコストを低減することができる。
【0010】
また、前記第1直線ユニットは、前記複数のコイルを含む第1コイル部分と、前記第1コイル部分の前記方向側に配置されている第1中間部分とを有し、前記第2直線ユニットは、前記複数のコイルを含む第2コイル部分と、前記第2コイル部分の前記方向側に配置されている第2中間部分とを有し、前記第1コイル部分および前記第2コイル部分は、互いに共通しており、前記第1中間部分の前記方向における長さは、前記第2中間部分の前記方向における長さよりも長いとしてもよい。
【0011】
これによれば、第1直線ユニットの第1コイル部分と第2直線ユニットの第2コイル部分とは互いに共通しているため、第1直線ユニットおよび第2直線ユニットの製造にかかるコストを低減することができる。
【0012】
また、前記軌道は、さらに、前記直線区間に配置され、前記方向に並んで配置された複数のコイルを有し、かつ、前記方向において、前記第1の長さおよび前記第2の長さの間の長さである第3の長さを有する第3直線ユニットを有し、前記第3直線ユニットは、前記複数のコイルを含む第3コイル部分と、前記第3コイル部分の前記方向側に配置されている第3中間部分とを有し、前記第3コイル部分は、前記第1コイル部分および前記第2コイル部分と互いに共通していてもよい。
【0013】
これによれば、さらに、第1の長さおよび第2の長さの間の長さである第3の長さを有する第3直線ユニットを有するため、直線区間における軌道の長さのバリエーションをさらに増加させることができる。また、第1直線ユニットの第1コイル部分と第2直線ユニットの第2コイル部分と第3直線ユニットの第3コイル部分とは互いに共通しているため、第1直線ユニット、第2直線ユニットおよび第3直線ユニットの製造にかかるコストを低減することができる。
【0014】
また、前記直線区間の端部の区間は、前記台車の加減速に用いられる加減速区間であり、前記加減速区間には、複数の前記第1直線ユニットが配置され、前記第2直線ユニットが配置されず、前記直線区間のうちの前記加減速区間外の区間には、前記第2直線ユニットが配置されていてもよい。
【0015】
これによれば、加減速区間においては、複数の第1直線ユニットが配置され、第2直線ユニットが配置されないため、複数のコイルにより構成される電機子の配置間隔を一定にすることができる。よって、加減速区間における台車の加減速を効果的に行うことができる。
【0016】
また、前記軌道は、さらに、前記軌道の曲線区間に配置され、前記曲線区間に沿って並んで配置された複数のコイルを有する曲線ユニットを有し、前記曲線区間は、前記加減速区間に接続されていてもよい。
【0017】
これによれば、台車は、曲線区間に進入する前に加減速区間を通過するため、台車を効果的に減速することができる。また、台車は、曲線区間から出た後に加減速区間を通過するため、台車を効果的に加速することができる。
【0018】
また、前記軌道は、さらに、前記方向に沿って配置され、かつ、第4の長さを有する第1直線レールと、前記方向に沿って配置され、かつ、前記第4の長さとは異なる第5の長さを有する第2直線レールと、を有し、前記第1直線レールには、複数の前記第1直線ユニットが前記方向において連続するように並んで配置され、前記第2直線レールには、複数の前記第1直線ユニットと1以上の前記第2直線ユニットとが前記方向において連続するように並んで配置されてもよい。
【0019】
これによれば、軌道は、互いに異なる長さの第1直線レールおよび第2直線レールを有するため、直線区間における軌道の長さを自由に調整することができる。
【0020】
また、前記軌道は、さらに、前記方向に沿って配置され、かつ、第4の長さを有する第1直線レールと、前記方向に沿って配置され、かつ、前記第4の長さよりも短い第6の長さを有する第3直線レールを有し、前記第1直線レールには、複数の前記第1直線ユニットが前記方向において連続するように並んで配置され、前記第3直線レールには、前記第1直線レールに配置される前記第1直線ユニットよりも少ない数の第1直線ユニットが前記方向において連続するように並んで配置されてもよい。
【0021】
これによれば、軌道は、互いに異なる長さの第1直線レールおよび第3直線レールを有するため、直線区間における軌道の長さを自由に調整することができる。
【0022】
また、前記台車は、前記軌道に配置された前記複数のコイルによる磁気作用を受ける複数の永久磁石であって、前記台車の走行方向に並んで配置される複数の永久磁石により構成される磁石列を備え、前記第1の長さは、前記磁石列の長さに応じて定められた長さであってもよい。
【0023】
これによれば、第1の長さは、磁石列の長さに応じて定められた長さであるため、第1の長さのピッチで配置された、それぞれが複数のコイルで構成される複数の電機子で効果的に台車の走行を制御することができる。
【0024】
また、前記第1の長さと前記第2の長さとの差は、前記第1の長さをn(nは2以上の整数)で除した値と等しくてもよい。
【0025】
このため、1以上の第1直線ユニットおよび1以上の第2直線ユニットを連続するように並べて配置したときの長さのバリエーションを固定の長さ単位で異なる長さとすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の搬送装置は、軌道の長さを自由に調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明に係る搬送装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0029】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0030】
(実施の形態)
[搬送装置の概略構成]
図1は、搬送装置を示す斜視図である。
図2は、走行方向から見た場合の、搬送装置の軌道と台車とを示す図である。なお、以降の図では、搬送装置100において直線区間における走行方向をX軸方向とし、水平方向において当該走行方向に略垂直に交差する方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向として説明する。
【0031】
本実施の形態にかかる搬送装置100では、台車211は、図示しない移載スペースにおいて図示しない搬入装置から物品10を受け取り、物品10を保持した状態で軌道101に沿って他の移載スペースまで走行し、当該他の移載スペースにおいて図示しない搬出装置に物品10を受け渡す。
図1では、例えばオーバル形状の走行路を構成する軌道101の一部が示されている。
【0032】
搬送装置100は、軌道101に沿って複数の台車211をリニアモータによって走行させる装置である。搬送装置100は、軌道101と、軌道101に沿って走行する台車211とを備える。搬送装置100には、さらに、所定の移載スペースにおいて物品10を搬送装置100へ搬入する搬入装置、または、所定の移載スペースにおいて物品10を搬送装置100から搬出する搬出装置が併設されていてもよい。搬入装置または搬出装置は、走行路と交差する方向(Y軸方向)において、移載スペース11内に配置されている台車211に対して物品10を搬入する装置である。搬入装置または搬出装置の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、ベルトコンベアであってもよい。
【0033】
なお、搬送装置100では、台車211は、移載スペースにおいて停止した状態で物品10の移載を行うことに限らずに、台車211と並行して移動する他の台車またはコンベアとの間で移動しながら物品10の移載を行ってもよい。このため、搬入装置または搬出装置は、走行路と並行に併設されているコンベアにより構成されていてもよい。
【0034】
軌道101は、軌道101を規定する走行レール110と、台車211の走行を制御するための複数の走行ユニット120とを有する地上側設備である。
【0035】
走行レール110は、台車211が走行する走行路を形成する部材であり、軌道101が延びる方向(X軸方向)に沿って平行に並んで配置される2本のレールにより構成される。走行レール110の形状などは特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、走行方向に長い長尺状の部材である。走行レール110は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属により構成される。なお、走行レール110は、その他の金属、樹脂により構成してもよい。
【0036】
複数の走行ユニット120は、軌道101が延びる方向(X軸方向)に沿って連続するように並んで配置される。複数の走行ユニット120は、本実施の形態では、X軸方向に互いに重なることなく、かつ、隣接する走行ユニット120との間に隙間が無いように並んで配置される。つまり、複数の走行ユニット120のうちの互いに隣接する2つの走行ユニットは、互いに突き合わせられた状態で配置されている。また、複数の走行ユニット120のそれぞれは、X軸方向に並んで配置される複数のコイル333により構成される電機子335(
図4参照)と、電機子335のX軸方向における一方側に配置され、後述する台車211が有する磁石列225による磁界を検出する磁気センサ122とを有する。走行ユニット120の詳細な構成は、
図4を用いて後述する。
【0037】
台車211は、走行レール110上を走行することで、軌道101に沿って走行する。本実施の形態では、台車211は、バッテリーや電動モータを備えない。台車211は、複数の永久磁石が配列された磁石列225を備えており、台車211の外部、つまり軌道101が有する複数の走行ユニット120からの磁気作用を磁石列225で受けることによって、走行方向、つまりX軸方向への駆動力を得る。これにより、台車211は、走行路に沿って走行する。このように、台車211は、地上1次式リニアモータによって得られた駆動力で走行する。
【0038】
台車211が備える磁石列225は、例えば、複数の永久磁石により構成される。磁石列225を構成する複数の永久磁石は、台車211の走行方向に直線状に並んで配置される。本実施の形態の場合、台車211の磁石列225は、電機子335を含む走行ユニット120を挟むようにZ軸方向に二つ配置される(
図2参照)。つまり、磁石列225では、電機子335のZ軸方向における両側において、複数の永久磁石が走行方向に2列に並んで配置されている。電機子335の一方側に並ぶ複数の永久磁石は、例えば、ハルバッハ配列で配列されており、電機子335に対向する側にN極とS極とが所定の間隔で交互に向くように配置され、他方側に並ぶ永久磁石は、N極とS極との並びが一方側と異なるように配置されたハルバッハ配列で配列されている。なお、磁石列225は、上記のように電機子335のZ軸方向の両側に配置される配列に限らずに、電機子335の一方側にのみ配置される配列であってもよい。また、磁石列225は、ハルバッハ配列に限らずに、電機子335に対向する側にN極とS極とが交互に向くように配置されてもよい。
【0039】
台車211は、構造的基礎となる基台219を備える。基台219には、磁石列225の他、移載機構212と、移載用可動子213とが取り付けられている。また、台車211の基台219の下部には、走行レール110上に載置されて転がる四つの車輪218が取り付けられている。
【0040】
移載機構212は、台車211に設けられ、走行路中に設定される移載スペース11において搬入装置から物品10を受け取って物品10を台車211内の所定の場所まで移動させる機構である。また、移載機構212は、移載スペース11において台車211が搬送した物品10を搬出装置まで移動させる機構である。移載機構212の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、移載機構212は、台車211の走行方向と略直交する方向に物品10を移動させるベルトコンベアである。移載機構212は、物品10を載置した状態で移動させる無端環状部材221と、無端環状部材221を所定の軌道に沿って循環させる一対のローラ222と、移載用固定子224によって駆動された移載用可動子213から片方のローラ222に駆動力を伝達する伝達部材223とを備えている。なお、移載機構212は上記に限定されるものではなく、例えば無端環状部材221を備えない、ローラコンベヤなどでもかまわない。
【0041】
[走行路のレイアウト]
ここで、走行路のレイアウトについて
図3を用いて説明する。
図3は、軌道による台車の走行路のレイアウトの一例を示す平面図である。
【0042】
本実施の形態では、
図3に示すように、台車211の走行路300は、例えば平面視において長円形状であり、走行路が直線の2つの直線区間310と、走行路が円弧状の曲線である2つの曲線区間320とを備えている。
【0043】
本実施の形態では、直線区間310は、台車211の加減速に用いられる加減速区間311と、台車211の通常走行に用いられる通常走行区間312とを有する。加減速区間311は、直線区間310の端部の区間に配置されている。加減速区間311は、曲線区間320に進入する台車211の走行速度を、曲線区間320を走行する際の所定の制限速度まで減速するための区間である。また、加減速区間311は、曲線区間320から出た台車211を所定の制限速度から加速するための区間である。加減速区間311は、曲線区間320の入口側および出口側に直接接続されている区間であり、所定の距離の区間である。つまり、本実施の形態のように長円形状の走行路300の場合、1つの曲線区間320に直接接続されている加減速区間311は、2つある。
【0044】
なお、搬入装置または搬出装置と接続される移載スペースが加減速区間311に配置されている場合、台車211は、移載スペースに停車するために、または、移載スペースから発車するために加減速することがある。
【0045】
通常走行区間312は、台車211の通常走行が行われる区間である。通常走行区間312は、台車211が一定の速度で走行し得る区間である。なお、移載スペースが通常走行区間312に配置されている場合、台車211は移載スペースに停車する、または、移載スペースから発車するために通常走行区間312においても加減速することがある。
【0046】
このように、加減速区間311は、台車211に関わらず加減速制御が行われる区間である。一方で、通常走行区間312は、複数の台車211に応じて異なる走行制御が行われ得る区間である。
【0047】
曲線区間320は、例えば、半円弧形状の区間である。このため、曲線区間320に配置される走行レール110は、半円弧形状に湾曲し、曲線区間320の内側と外側に平行に配置されている。曲線区間320では、直線区間310における台車211の走行速度よりも遅い走行速度である所定の制限速度となるように台車211の走行が制御される。これにより、曲線区間320において台車211が走行レール110から脱線すること、または、台車211に載置されている物品10が台車211から転落することを低減することができる。
【0048】
[走行ユニットの構成]
次に、直線区間310に配置される走行ユニット120の構成について
図4を用いて説明する。
図4は、走行ユニットの構成の概略図である。
【0049】
直線区間310に配置される複数の走行ユニット120は、走行方向(X軸方向)における長さが互いに異なる3種類の走行ユニットを含む。3種類の走行ユニットには、第1走行ユニット330と、第2走行ユニット340と、第3走行ユニット350とがある。
【0050】
第1走行ユニット330は、
図4の(a)に示されるように、平面視において矩形板状の部材であり、第1コイル部分331と、第1コイル部分331のX軸方向一方側に配置される第1中間部分332とを有する。第1走行ユニット330は、X軸方向において、第1の長さL1を有する。第1走行ユニット330は、例えば、長手方向がX軸方向に、かつ、短手方向がY軸方向にそれぞれ沿って配置されている。なお、第1走行ユニット330は、本実施の形態において第1直線ユニットの一例である。
【0051】
第1コイル部分331は、複数(本実施の形態では6つ)のコイル333を含む部分と、磁気センサを含むセンサ部分334とを有する。複数のコイル333を含む部分は、複数のコイル333が配置されている基板により構成される。なお、複数のコイル333は、例えば、2つのU相のコイルと、2つのV相のコイルと、2つのW相のコイルとからなる6つのコイルにより構成される、3相同期モータである。これらの6つのコイルは、互いに重なることなく、X軸方向に並んで配置されている。複数のコイル333は、6つのコイルにより構成されることに限らずに、3つ、9つなど3の倍数個のコイルにより構成されてもよい。
【0052】
第2走行ユニット340は、
図4の(b)に示されるように、平面視において矩形板状の部材であり、第2コイル部分341のみを有する。第2コイル部分341は、第1コイル部分331と共通する部分であり、第1コイル部分331と同様に、複数のコイル333を含む部分と、磁気センサを含むセンサ部分334とを有する。このように、第2走行ユニット340は、第1走行ユニット330の第1コイル部分331と共通する構成であるため、第2走行ユニット340のX軸方向における第2の長さL2は、第1走行ユニット330の第1コイル部分331のX軸方向における長さL11と等しい。よって、第2走行ユニット340のX軸方向における第2の長さL2は、第1走行ユニット330のX軸方向における第1の長さL1よりも第1中間部分332のX軸方向における長さL12の分だけ短い。第2走行ユニット340は、例えば、長手方向がX軸方向に、かつ、短手方向がY軸方向にそれぞれ沿って配置されている。なお、第2走行ユニット340は、本実施の形態において第2直線ユニットの一例である。
【0053】
第3走行ユニット350は、
図4の(c)に示されるように、平面視において矩形板状の部材であり、第3コイル部分351と、第3コイル部分351のX軸方向一方側に配置される第3中間部分352とを有する。第3コイル部分351は、第1コイル部分331および第2コイル部分341と共通する部分であり、第1コイル部分331および第2コイル部分341と同様に、複数のコイル333を含む部分と、磁気センサを含むセンサ部分334とを有する。第3中間部分352のX軸方向における長さL32は、第1中間部分352のX軸方向における長さL12よりも短い。このため、第3走行ユニット350のX軸方向における第3の長さL3は、第1走行ユニット330のX軸方向における第1の長さL1、および、第2走行ユニット340のX軸方向における第2の長さL2の間の長さである。つまり、第3の長さL3は、第1の長さL1よりも短く、かつ、第2の長さL2よりも長い。第3走行ユニット350は、例えば、長手方向がX軸方向に、かつ、短手方向がY軸方向にそれぞれ沿って配置されている。なお、第3走行ユニット350は、本実施の形態において第3直線ユニットの一例である。
【0054】
第1中間部分332および第3中間部分352は、例えば、樹脂により構成されている。つまり、第1中間部分332および第3中間部分352は、第1〜第3コイル部分331、341、351とは異なり、台車211の走行性能に直接寄与しない構造物である。
【0055】
なお、第1の長さL1は、台車211が備える磁石列225の長さに応じて定められた長さである。ここで、搬送装置100の製造者は、例えば、複数の第1走行ユニット330をX軸方向に隙間無く並べて配置されることで、第1走行ユニット330が有する複数のコイル333で構成される電機子335を第1の長さL1の間隔(第1ピッチ)で配置することが容易にできる。このように第1ピッチで配置された複数の電機子335を有する軌道101上を台車211が走行することを考えると、第1の長さL1は、例えば、台車211が備える磁石列225が複数の電機子335のうちの1の電機子335を通過したとき、つまり、当該1の電機子335とは重ならない位置に移動したときに、当該台車211の磁石列225が次の電機子335に重なる長さに定められていることが好ましい。
【0056】
また、第2走行ユニット340を他の走行ユニットとX軸方向に連続するように並べて配置すると、第2走行ユニット340はX軸方向に第2の長さL2を有するため、電機子335を第2の長さL2の間隔(第2ピッチ)で配置することになる。同様に、第3走行ユニット350を他の走行ユニットとX軸方向に連続するように並べて配置すると、第3走行ユニット350はX軸方向に第3の長さL3を有するため、電機子335を第3の長さL3の間隔(第3ピッチ)で配置することになる。
【0057】
また、第1の長さL1と第2の長さL2との差(本実施の形態では長さL12)は、第1の長さをn(nは2以上の整数、本実施の形態ではn=6)で除した値と等しい。
【0058】
[レールユニットの構成]
次に、直線区間310に配置されるレールユニットの構成について
図5を用いて説明する。
図5は、レールユニットの構成の一例を示す概略図である。
【0059】
レールユニットは、走行方向(X軸方向)に延びる走行レールと、当該走行レールに沿ってX軸方向に隙間無く配置された複数の走行ユニットとにより構成される。直線区間310に配置される複数のレールユニットは、X軸方向における長さが互いに異なる3種類のレールユニットを含む。3種類のレールユニットには、第1レールユニット410と、第2レールユニット420と、第3レールユニット430とがある。
【0060】
第1レールユニット410は、
図5の(a)に示されるように、X軸方向に沿って配置され、かつ、第4の長さL100を有する2本の第1直線レール411と、2本の第1直線レール411のうちの1本の第1直線レール411の側方に、X軸方向に隙間無く並んで配置される6枚の第1走行ユニット330とを有する。2本の第1直線レール411は、Y軸方向で対向しており、互いに略平行に配置される。6枚の第1走行ユニット330は、1本の第1直線レール411の側方のうち2本の第1直線レール411の内側の側方に固定される。
【0061】
第1レールユニット410の2本の第1直線レール411は、下部が板状部材により互いに接続されていてもよい。これにより、第1レールユニット410は、2本の第1直線レール411と6枚の第1走行ユニット330とが一体化された構造を有する。
【0062】
なお、第4の長さL100は、6枚の第1走行ユニット330をX軸方向に隙間無く並べたときの6枚の第1走行ユニット330のX軸方向における長さと等しい。つまり、第4の長さL100は、本実施の形態では、第1の長さL1の6倍の長さと等しい。
【0063】
第2レールユニット420は、
図5の(b)に示されるように、例えば、X軸方向に沿って配置され、かつ、第4の長さL100とは異なる第5の長さL210を有する2本の第2直線レール421と、2本の第2直線レール421のうちの1本の第2直線レール421の側方に、X軸方向に隙間無く並んで配置される3枚の第1走行ユニット330および2枚の第3走行ユニット350とを有する。2本の第2直線レール421は、Y軸方向で対向しており、互いに略平行に配置される。3枚の第1走行ユニット330および2枚の第3走行ユニット350は、1本の第2直線レール421の側方のうち2本の第2直線レール421の内側の側方に固定される。
【0064】
第2レールユニット420の2本の第2直線レール421は、下部が板状部材により互いに接続されていてもよい。これにより、第2レールユニット420は、2本の第2直線レール421と3枚の第1走行ユニット330および2枚の第3走行ユニット350とが一体化された構造を有する。
【0065】
第5の長さL210は、3枚の第1走行ユニット330および2枚の第3走行ユニット350をX軸方向に隙間無く並べたときの3枚の第1走行ユニット330および2枚の第3走行ユニット350のX軸方向における長さと等しい。つまり、第5の長さL210は、本実施の形態では、第1の長さL1の3倍の長さと、第3の長さL3の2倍の長さとを加算した長さと等しい。また、第5の長さL210は、第4の長さL100、および、後述する第6の長さL300の間の長さとなる。つまり、第5の長さL210は、第4の長さL100よりも短く、かつ、第6の長さL300よりも長い。
【0066】
なお、第2レールユニット420は、第4の長さL100よりも短く、かつ、第6の長さL300よりも長ければ、第5の長さL210に限らない。第2レールユニット420は、少なくとも第2走行ユニット340または第3走行ユニット350を含む5枚または6枚の走行ユニットをX軸方向に隙間無く並べたときの長さを有していてもよい。また、第2レールユニット420は、5枚の第1走行ユニット330をX軸方向に隙間無く並べたときの長さを有していてもよい。
【0067】
例えば、第2レールユニット420に含まれる走行ユニットの組合せは、
図6に示される31通りあってもよい。
図6は、第2レールユニット420に含まれる走行ユニットの組合せの一例を示す表である。
【0068】
図6に示されるように、第2レールユニット420のX軸方向における長さL201〜L231は、5枚または6枚の走行ユニットをX軸方向に隙間無く並べたときの当該5枚または6枚の走行ユニットのX軸方向における長さと等しい。これらの長さL201〜L231のそれぞれは、第4の長さL100よりも短く、かつ、第6の長さL300よりも長い。
【0069】
ここで、第1の長さL1から第3の長さL3を減じることで得られる長さの差と、第3の長さL3から第2の長さL2を減じることで得られる長さの差とは、異なる方が好ましい。これにより、長さL201〜L231は、それぞれ互いに異なる長さとなるからである。つまり、第2レールユニット230は、X軸方向における長さについて、第1レールユニット410よりも短く、かつ、第3レールユニット430よりも長い31通りの長さを有する31種類の調整レールユニットである。
【0070】
第2レールユニット420を製造する場合、31通りの長さL201〜L231のうちの必要となる長さの第2直線レール421を用意する必要がある。しかしながら、第2レールユニット420の製造に必要となる複数の走行ユニットの組合せには、3種類の走行ユニット330、340、350の組合せがあれば、3種類の走行ユニット330、340、350以外の長さの走行ユニットは必要ない。よって、第2直線レール421の長さを調整するだけで、3種類の走行ユニット330、340、350の長さを調整しなくても、複数通り(31通り)の長さの第2レールユニット420を製造することが容易にできる。
【0071】
なお、第2レールユニット420は、X軸方向における長さについて、第1レールユニット410よりも短く、かつ、第3レールユニット430よりも長ければ、
図6で示されるような31通りの異なる長さに調整されなくてもよく、2通り以上の異なる長さに調整されればよい。
【0072】
第3レールユニット430は、
図5の(c)に示されるように、X軸方向に沿って配置され、かつ、第4の長さL100および第5の長さL210とは異なる第6の長さL300を有する2本の第3直線レール431と、2本の第3直線レール431のうちの1本の第3直線レール431の側方に、X軸方向に隙間無く並んで配置される4枚の第1走行ユニット330とを有する。2本の第3直線レール431は、Y軸方向で対向しており、互いに略平行に配置される。4枚の第1走行ユニット330は、1本の第3直線レール431の側方のうち2本の第3直線レール431の内側の側方に固定される。
【0073】
第3レールユニット430の2本の第3直線レール431は、下部が板状部材により互いに接続されていてもよい。これにより、第3レールユニット430は、2本の第3直線レール431と4枚の第1走行ユニット330とが一体化された構造を有する。
【0074】
なお、第6の長さL300は、4枚の第1走行ユニット330をX軸方向に隙間無く並べたときの4枚の第1走行ユニット330のX軸方向における長さと等しい。つまり、第6の長さL300は、本実施の形態では、第1の長さL1の4倍の長さと等しい。よって、第6の長さL300は、第4の長さL100および第5の長さL210より短く、第4の長さL100の2/3の長さと等しい。
【0075】
[曲線ユニットの構成]
次に、曲線区間320に配置される第4レールユニット440について
図7を用いて説明する。
図7は、第4レールユニットの構成の一例を示す概略図である。
【0076】
第4レールユニット440は、曲線区間320に配置され、半円弧形状に湾曲した2本の曲線レールと、2本の曲線レールのうち内側の曲線レールの側方において、走行方向に並んで配置される複数(本実施の形態では9枚)の走行ユニット442とを有する。第4レールユニット440は、曲線ユニットの一例である。複数の走行ユニット442のそれぞれは、平面視において板状の部材であり、複数(本実施の形態では3つ)のコイルにより構成される電機子を含む部分と、磁気センサを含むセンサ部分とを有する。つまり、曲線区間320においても、直線区間310と同様に、1つの電機子と1つの磁気センサとが交互に複数個ずつ配置されている。
【0077】
なお、上述したように、曲線区間320の入口および出口のそれぞれに加減速区間311が設けられるため、例えば、第4レールユニット440の走行方向における両端には、第1レールユニット410が予め接続されていてもよい。このように、第4レールユニット440と2つの第1レールユニット410とが接続されることで、1つの曲線レールユニット450を構成していてもよい。
【0078】
[レイアウト例1]
次に、平面視において長円形状の走行路のレイアウト例について説明する。
図8は、走行路のレイアウトの第1の例を示す図である。
【0079】
上述したような長円形状の走行路を構成するためには、2つの直線区間310と、2つの曲線区間320とが必要となる。このうち、2つの曲線区間320には、長さが固定の2つの曲線レールユニット450が配置されるため、2つの曲線レールユニット450の間の直線区間において、適切な長さのレールユニットを配置することとなる。
【0080】
図8の(a)は、2つの曲線レールユニット450の間に、X軸方向に3つの第1レールユニット410を隙間無く並べた場合、長さL400の間隔が残ってしまうレイアウトの例である。ここで、長さL400は、第6の長さL300の1/2よりも長く、かつ、第6の長さL300よりも短いものとする。
【0081】
この場合、第6の長さL300よりも短い長さのレールユニットは、第1〜第3レールユニット410、420、430には無いため、X軸方向に並べた3つの第1レールユニット410のうちの1つの第1レールユニット410を取り除き、代わりに、1つの第3レールユニット430を配置する。これにより、レールが配置されていない間隔を長さL400から長さL300/2+L400とすることができる。長さL300/2+L400は、第4の長さL100よりも短く、かつ、第6の長さL300よりも短いため、レールが配置されていない間隔には、
図8の(b)に示されるように、31通りの長さに調整することができる第2レールユニット420を配置することができる。このため、31通りの長さのうちでレールが配置されていない間隔が最短となる第2レールユニット420を選択して、当該間隔に配置することで、2つの曲線レールユニット450の間の直線区間の長さを最大化することができる。
【0082】
このように、第2レールユニット420は、直線区間310のうち通常走行区間312に配置される。このため、第2走行ユニット340または第3走行ユニット350は、加減速区間311外の区間に配置されることとなる。また、第2レールユニット420は、加減速区間311には配置されない。このため、第2走行ユニット340または第3走行ユニット350は、加減速区間311には配置されない。
【0083】
一方で、加減速区間311には、第1レールユニット410が配置される。このため、第1走行ユニット330は、加減速区間311に配置される。また、第1走行ユニット330は、通常走行区間312にも配置される。このため、第1走行ユニット330は、通常走行区間312にも配置される。
【0084】
[レイアウト例2]
図9は、走行路のレイアウトの第2の例を示す図である。
【0085】
図9の(a)は、2つの曲線レールユニット450の間に、X軸方向に3つの第1レールユニット410を隙間無く並べた場合、長さL410の間隔が残ってしまうレイアウトの例である。ここで、長さL410は、第6の長さL300の1/2よりも短いものとする。
【0086】
この場合、X軸方向に並べた3つの第1レールユニット410のうちの1つの第1レールユニット410を取り除いて、代わりに1つの第3レールユニット430を配置すると、第6の長さL300の1/2よりも長く、かつ、第6の長さL300よりも短い間隔が残ってしまう。つまり、
図8の(a)と同様の状況となる。よって、さらに、残りの2つの第1レールユニット410のうちの1つの第1レールユニット410を取り除き、代わりに、1つの第3レールユニット430を配置する。
【0087】
これにより、レールが配置されていない間隔を、第4の長さL100よりも短く、かつ、第6の長さL300よりも短い長さとすることができる。このため、レールが配置されていない間隔には、
図9の(b)に示されるように、31通りの長さに調整することができる第2レールユニット420を配置することができる。このため、31通りの長さのうちでレールが配置されていない間隔が最短となる第2レールユニット420を選択して、当該間隔に配置することで、2つの曲線レールユニット450の間の直線区間の長さを最大化することができる。
【0088】
これによれば、直線区間310に配置されるレールユニットの組合せを第1レールユニット410および第3レールユニット430を用いて変更することで、レールが配置されていない間隔を、第4の長さL100よりも短く、かつ、第6の長さL300よりも短い長さに調整することができる。このため、調整された後の、レールが配置されていない間隔に、適切な長さの第2レールユニット420を配置することで、レールが配置されていない間隔を最小限にすることができる。
【0089】
また、レイアウトの第1の例においても、第2の例においても、第2レールユニット420を最小限の2つ容易すれば実現できるため、特別な長さとなる第2直線レール421の本数を最小限の4本とすることができる。一方で、第1レールユニット410および第3レールユニット430は、規定の長さで製造することができ、共通化することができるため、軌道101の製造コストを低減することができる。
【0090】
[効果など]
本実施の形態に係る搬送装置100によれば、軌道101は、互いに異なる長さの1以上の第1走行ユニット330および1以上の第2走行ユニット340が軌道101の直線区間310が延びる方向(つまり、X軸方向)に連続するように並んで配置されている。このように、少なくとも2種類の長さの走行ユニット330、340を組み合わせることにより軌道101が構成されているため、直線区間310における軌道101の長さのバリエーションを増加させることができる。よって、直線区間310における軌道101の長さを自由に調整することができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、第1走行ユニット330の第1コイル部分331と、第2走行ユニット340の第2コイル部分341とは互いに共通している。このため、第1走行ユニット330および第2走行ユニット340の製造にかかるコストを低減することができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、さらに、第1の長さL1および第2の長さL2の間の長さである第3の長さL3を有する第3走行ユニット350を有するため、直線区間310における軌道101の長さのバリエーションをさらに増加させることができる。また、第1走行ユニット330の第1コイル部分331と第2走行ユニット340の第2コイル部分341と第3走行ユニット350の第3コイル部分351とは互いに共通しているため、第1走行ユニット330、第2走行ユニット340および第3走行ユニット350の製造にかかるコストを低減することができる。
【0093】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、加減速区間311では、複数の第1走行ユニット330が配置され、第2走行ユニット340が配置されないため、複数のコイル333により構成される電機子335の配置間隔を一定にすることができる。よって、加減速区間311における台車211の加減速を効果的に行うことができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、曲線区間320は、加減速区間311に接続されている。よって、台車211は、曲線区間320に進入する前に加減速区間311を通過するため、台車211を効果的に減速することができる。また、台車211は、曲線区間320から出た後に加減速区間311を通過するため、台車211を効果的に加速することができる。
【0095】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、軌道101は、互いに異なる長さの第1レールユニット410および第2レールユニット420を有するため、直線区間310における軌道101の長さを自由に調整することができる。また、さらに、第1レールユニット410および第2レールユニット420よりも短い第3レールユニット430を有するため、直線区間310における軌道101の長さのバリエーションを増加させることができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、第1の長さL1は、台車211の磁石列225の長さに応じて定められた長さであるため、第1の長さL1の第1ピッチで配置された、それぞれが複数のコイル333で構成される複数の電機子335で効果的に台車211の走行を制御することができる。
【0097】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、第1の長さL1と第2の長さL2との差は、第1の長さL1をn(nは2以上の整数)で除した値と等しい。このため、1以上の第1走行ユニット330および1以上の第2走行ユニット340を連続するようにX軸方向に沿って並べて配置したときの長さのバリエーションを固定の長さ単位で異なる長さとすることができる。
【0098】
[変形例]
(1)
上記実施の形態に係る搬送装置100では、第1レールユニット410のX軸方向における第4の長さL100は、第1走行ユニット330のX軸方向における第1の長さL1の6倍の長さと等しいとしたが、これに限らない。例えば、第4の長さL100は、第1の長さL1の5倍の長さと等しくてもよい。この場合、第6の長さL300は、第1の長さL1の3倍以下の長さとしてもよい。また、第4の長さL100は、第1の長さの3倍の長さと等しくてもよく、この場合、第6の長さL300は、第1の長さL1の2倍以下の長さとしてもよい。
【0099】
(2)
上記実施の形態に係る搬送装置100では、走行路300は、平面視において長円形状であるが、長円形状の走行路300に限らない。例えば、
図10に示されるように、台車211が両方向に往復走行可能な直線状の走行路300Aとしてもよい。この場合であっても、直線区間310は、両端に配置される2つの加減速区間311と、2つの加減速区間311の間に配置される通常走行区間312とにより構成される。
【0100】
また、搬送装置100では、走行路300は、平面視において長円形状に環状の走行路を形成しているが、長円形状以外の環状の走行路を形成していてもよい。例えば、L字形の領域を囲うように環状の走行路であってもよいし、T字形の領域を囲うように環状の走行路であってもよいし、十字型の領域を囲うように環状の走行路であってもよい。このように、他の環状の走行路で構成される場合であっても、直線区間の長さを自由に調整することができる。
【0101】
(3)
上記実施の形態に係る搬送装置100では、第2走行ユニット340は、中間部分を有しない構成であるとしたが、これに限らずに、中間部分を有する構成であってもよい。この場合の第2走行ユニットが有する中間部分のX軸方向における長さは、、第1走行ユニット330が有する中間部分352の長さL12よりも短い。また、この場合の第2走行ユニットが有する中間部分のX軸方向における長さは、第3走行ユニット350が有する中間部分352の長さL32よりも短い。
【0102】
(4)
上記実施の形態に係る搬送装置100では、第1直線ユニットとして第1走行ユニット330を例示し、第2直線ユニットとして第2走行ユニット340を例示し、第3直線ユニットとして第3走行ユニット350を例示したが、第1〜第3直線ユニットは第1〜第3走行ユニット330〜350に限らない。
図11に示されるように、例えば、第1直線ユニットは、第5レールユニット510であってもよく、第2直線ユニットは、第6レールユニット520であってもよい。
【0103】
第5レールユニット510は、例えば、X軸方向に沿って配置され、かつ、第1の長さL510を有する2本の第5直線レール511と、2本の第5直線レール511のうちの1本の第5直線レール511の側方に、X軸方向に所定の間隔をおいて離散的に並んで配置される3枚の第1走行ユニット330とを有する。2本の第5直線レール511は、Y軸方向で対向しており、互いに略平行に配置される。第5レールユニット510の2本の第5直線レール511は、下部が板状部材により互いに接続されている。これにより、第5レールユニット510は、2本の第5直線レール511と3枚の第1走行ユニット330とが一体化された構造を有する。3枚の第1走行ユニット330は、1本の第5直線レール511の側方のうち2本の第5直線レール511の内側の側方に固定される。
【0104】
第6レールユニット520は、例えば、X軸方向に沿って配置され、かつ、第2の長さL520を有する2本の第6直線レール521と、2本の第6直線レール521のうちの1本の第6直線レール521の側方に、X軸方向に所定の間隔をおいて離散的に並んで配置される2枚の第1走行ユニット330とを有する。2本の第6直線レール521は、Y軸方向で対向しており、互いに略平行に配置される。第6レールユニット520の2本の第6直線レール521は、下部が板状部材により互いに接続されている。これにより、第6レールユニット520は、2本の第6直線レール521と2枚の第1走行ユニット330とが一体化された構造を有する。2枚の第1走行ユニット330は、1本の第6直線レール521の側方のうち2本の第6直線レール521の内側の側方に固定される。
【0105】
なお、第2の長さL520は、本変形例では、第1の長さL510の2/3の長さと等しい。また、第5レールユニット510における3枚の第1走行ユニット330が配置される所定の間隔と、第6レールユニット520における2枚の第1走行ユニット330が配置されている所定の間隔とは等しいことが好ましい。これにより、複数の第5レールユニット510を連続して並ぶように配置したときに、複数の第1走行ユニット330を所定の間隔を空けて配置することが容易にできる。
【0106】
また、第5レールユニット510を連続するように並べて配置したときに、互いに異なる第5レールユニット510に属しており、かつ、隣接して配置される2つの第1走行ユニット330の間隔が所定の間隔となるように、第5レールユニット510には3枚の第1走行ユニット330が配置されていることが好ましい。同様に、第6レールユニット520を連続するように並べて配置したときに、互いに異なる第6レールユニット520に属しており、かつ、隣接して配置される2つの第1走行ユニット330の間隔が所定の間隔となるように、第6レールユニット520には2枚の第1走行ユニット330が配置されていることが好ましい。これにより、複数の第6レールユニット520を連続して並ぶように配置したときに、複数の第1走行ユニット330を所定の間隔を空けて配置することが容易にできる。
【0107】
同様に、第5レールユニット510および第6レールユニット520を連続するように並べて配置したときに、互いに異なるレールユニットに属しており、かつ、隣接して配置される2つの第1走行ユニット330の間隔が所定の間隔となるように、第5レールユニット510および第6レールユニット520には複数の第1走行ユニット330が配置されていることが好ましい。これにより、第5レールユニット510および第6レールユニット520を連続して並ぶように配置したときに、複数の第1走行ユニット330を所定の間隔を空けて配置することが容易にできる。
【0108】
なお、第5レールユニット510には、第5直線レール511に対して、3枚の第1走行ユニット330が配置されるとしたが、1枚以上の第1走行ユニット330が配置されていれば、3枚の第1走行ユニット330が配置されることに限らない。なお、1枚の第1走行ユニット330が配置される場合には、第5直線レール511の第1の長さL510よりもX軸方向の長さが短い走行ユニットが配置される。
【0109】
同様に、第6レールユニット520には、第6直線レール521に対して、2枚の第1走行ユニット330が配置されるとしたが、1枚以上の第1走行ユニット330が配置されていれば2枚の第1走行ユニット330が配置されることに限らない。なお、1枚の第1走行ユニット330が配置される場合には、第6直線レール521の第2の長さL520よりもX軸方向の長さが短い走行ユニットが配置される。
【0110】
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る物品移載装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。