特開2020-202762(P2020-202762A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特開2020202762-作業車 図000003
  • 特開2020202762-作業車 図000004
  • 特開2020202762-作業車 図000005
  • 特開2020202762-作業車 図000006
  • 特開2020202762-作業車 図000007
  • 特開2020202762-作業車 図000008
  • 特開2020202762-作業車 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202762(P2020-202762A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20201127BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   A01D41/12 H
   A01D41/12 E
   F01N3/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-111162(P2019-111162)
(22)【出願日】2019年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】米田 豊
(72)【発明者】
【氏名】森 学
(72)【発明者】
【氏名】松本 健
【テーマコード(参考)】
2B074
3G091
【Fターム(参考)】
2B074AA02
2B074AB01
2B074AC02
2B074AD05
2B074AF02
2B074BA06
2B074BA19
2B074CD02
2B074CD03
2B074CE01
2B074CG01
2B074CG06
2B074CH01
2B074DA01
2B074DA02
2B074DC02
2B074DC07
2B074DE03
2B074DF03
2B074DF09
2B074DF10
2B074GE05
2B074GE08
3G091AA05
3G091AA18
3G091AB05
3G091BA14
(57)【要約】
【課題】運転部の下方に設けられたエンジン、エンジン用の排ガス処理装置が備えられ、排ガス処理装置に供給される還元剤を供給する還元剤タンクが運転部の下方に設けられた作業車において、還元剤タンクに還元剤を補給しやすくする。
【解決手段】還元剤タンク25に還元剤を給水するための還元剤供給管35が、機体横外側方に向けて延出されている。還元剤供給管35の補給口36は、機体平面視において、運転部4の機体横外側端部4aに対応する位置に配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転部と、
前記運転部の下方に設けられたエンジンと、
前記エンジンの排ガスの浄化処理を行う排ガス処理装置と、
前記運転部の下方に設けられて、前記排ガス処理装置に供給される還元剤を貯留する還元剤タンクと、が備えられ、
前記還元剤タンクに還元剤を給水するための還元剤供給管が、機体横外側方に向けて延出されており、
前記還元剤供給管の補給口は、機体平面視において、前記運転部の機体横外側端部に対応する位置に配置されている作業車。
【請求項2】
前記補給口は、前記運転部の床部における機体横外側端部よりも機体横内側に位置している請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記運転部の下方を機体前後方向に通され、かつ、機体横方向に並べられた状態で前記運転部を支持する複数の支持フレームが備えられ、
前記補給口は、機体平面視において、前記複数の支持フレームのうち、前記床部における前記機体横外側端部に最も近い支持フレームと、前記床部における前記機体横外側端部との間に位置している請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記運転部の機体横外側に乗降用ステップが設けられており、
前記補給口は、機体平面視において、前記乗降用ステップのうちの後端寄りの部位と重複している請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項5】
前記乗降用ステップに、上下に並ぶ複数のステップ部が備えられ、
前記補給口は、機体上下方向において、前記複数のステップ部のうちの最上段のステップ部と前記運転部の床部との間に位置している請求項4に記載の作業車。
【請求項6】
前記還元剤供給管の前記補給口側の端部と、機体フレームとに亘って設けられて、前記還元剤供給管の前記端部を前記機体フレームに支持させる支持部材が備えられている請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転部と、前記運転部の下方に設けられたエンジンと、が備えられた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した作業車において、特許文献1に示されるように、エンジンの排ガスの浄化処理を行う排ガス処理装置としての第2排ガス処理装置、第2排ガス処理装置に供給される還元剤を貯留する還元剤タンクとしての尿素水タンクが備えられ、尿素水タンクは、運転部の下方に設けられたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−168022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の場合、還元剤タンクに還元剤を給水するための補給口が還元剤タンクに形成されて、機体内の奥部分に位置しているので、補給タンクなどの補給容器を補給口に近づけにくく、還元剤タンクに還元剤を補給しにくい。また、補給容器を還元剤タンクに近づけられないと、補給容器と還元剤タンクとを接続ホースなどによって接続する必要があるので、接続ホースなどの接続部材を準備せねばならず、かつ、接続部材を外れないように支持せねばならず、還元剤の補給に手間が掛かる。
【0005】
本発明は、還元剤タンクに還元剤を容易かつ迅速に補給できる作業車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による作業車は、
運転部と、前記運転部の下方に設けられたエンジンと、前記エンジンの排ガスの浄化処理を行う排ガス処理装置と、前記運転部の下方に設けられて、前記排ガス処理装置に供給される還元剤を貯留する還元剤タンクと、が備えられ、前記還元剤タンクに還元剤を給水するための還元剤供給管が、機体横外側方に向けて延出されており、前記還元剤供給管の補給口は、機体平面視において、前記運転部の機体横外側端部に対応する位置に配置されている。
【0007】
本構成によると、補給口に還元剤を入れると、入れた還元剤が還元剤供給管によって還元剤タンクに供給されるので、還元剤タンクに還元剤を補給できる。補給口が還元剤タンクに対して機体横外側方に離れて、機体平面視において、運転部の機体横外側端部に対応する位置に存在するので、補給口に機体横外側から補給容器を近づけやすくて補給容器から補給口に還元剤を入れやすい。また、従来のように接続部材を準備したり、支持したりする必要がなく、還元剤タンクに還元剤を補給しやすく、かつ、迅速に補給できる。
【0008】
本発明においては、
前記補給口は、前記運転部の床部における機体横外側端部よりも機体横内側に位置していると好適である。
【0009】
本構成によると、機体の横外側近くに畦などが位置しても、畦などに補給口が当たらないので、補給口や還元剤供給管の破損や変形を回避できる。
【0010】
本発明においては、
前記運転部の下方を機体前後方向に通され、かつ、機体横方向に並べられた状態で前記運転部を支持する複数の支持フレームが備えられ、前記補給口は、機体平面視において、前記複数の支持フレームのうち、前記床部における前記機体横外側端部に最も近い支持フレームと、前記床部における前記機体横外側端部との間に位置していると好適である。
【0011】
本構成によると、機体の横外側近くに畦などが位置しても、畦などに補給口が当たらないようにしつつ、補給口に機体横外側から補給容器を近づけやすくできるので、補給口や還元剤供給管の破損や変形を回避できながら、還元剤タンクに還元剤を補給しやすく、かつ、迅速に補給できる。
【0012】
本発明において、
前記運転部の機体横外側に乗降用ステップが設けられており、前記補給口は、機体平面視において、前記乗降用ステップのうちの後端寄りの部位と重複していると好適である。
【0013】
本構成によると、補給口に機体横外側から補給容器を近づけやすいので、補給容器から補給口に還元剤を入れやすい。補給口が乗降用ステップの機体前後方向での中央部に対して機体後方側に偏倚するので、乗降用ステップを使用するときに補給口が障害物になり難い。乗降用ステップを使用しやすくしつつ、還元剤タンクに還元剤を補給しやすく、かつ、迅速に補給できる。
【0014】
本発明において、
前記乗降用ステップに、上下に並ぶ複数のステップ部が備えられ、前記補給口は、機体上下方向において、前記複数のステップ部のうちの最上段のステップ部と前記運転部の床部との間に位置していると好適である。
【0015】
本構成によると、補給口が還元剤タンクよりも高い箇所に配置できるので、補給口に還元剤を入れやすく、還元剤タンクに還元剤を補給しやすく、かつ、迅速に補給できる。
【0016】
本発明において、
前記還元剤供給管の前記補給口側の端部と、機体フレームとに亘って設けられて、前記還元剤供給管の前記端部を前記機体フレームに支持させる支持部材が備えられていると好適である。
【0017】
本構成によると、支持部材を備えるだけで還元剤供給管の補給口側の端部が機体フレームによって支持される支持構造を得られるので、還元剤供給管を大掛かりな支持構造を新たに設けることなくしっかり支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】自脱型コンバインの全体を示す右側面図である。
図2】自脱型コンバインの全体を示す平面図である。
図3】排ガス処理システムを示す側面図である。
図4】補給口を示す側面図である。
図5】還元剤タンク、還元剤供給管及び補給口を示す正面図である。
図6】還元剤タンク、還元剤供給管及び補給口を示す平面図である。
図7】還元剤供給管の支持構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、自脱型コンバイン(「作業車」の一例)の走行機体に関し、図1,2に示される矢印Fの方向を「機体前方」、矢印Bの方向を「機体後方」、図1に示される矢印Uの方向を「機体上方」、矢印Dの方向を「機体下方」、図2に示される矢印Lの方向を「機体左方」、矢印Rの方向を「機体右方」とする。
【0020】
〔コンバインの全体〕
図1,2に示すように、自脱型コンバインの走行機体は、角パイプ材などの複数の鋼材を連結して構成された機体フレームK、及び、機体フレームKの下部に装備された左右一対のクローラ式走行装置2を備えている。走行機体の前部における右側部分に、運転座席3が備えられた運転部4、及び、エンジン5が備えられた原動部6が設けられている。運転部4には、搭乗空間を覆うキャビン15が備えられている。走行機体の前部に、刈取搬送装置7が昇降可能に設けられている。刈取搬送装置7は、走行機体の前方において、複数の植付条の稲や麦の植立茎稈を引起装置8によって引き起こしながら刈取装置9によって刈り取る刈取部7A、及び、刈取部7Aによって刈り取られた刈取茎稈を後方に搬送する供給搬送部7Bを有している。機体フレームKの後部に、脱穀装置10と穀粒タンク11とが横並び状態で設けられている。脱穀装置10は、供給搬送部7Bの後方に設けられている。脱穀装置10においては、供給搬送部7Bによって搬送された刈取茎稈の株元側部分が脱穀フィードチェーン(図示せず)によって脱穀装置10の後方に向けて挟持搬送され、挟持搬送される刈取茎稈の穂先側部分が扱室(図示せず)に挿入されて扱胴(図示せず)によって脱穀され、脱穀によって得られた穀粒を塵埃と選別する選別処理が行われる。穀粒タンク11は、運転部4の後方に設けられている。穀粒タンク11は、脱穀装置10によって得られた穀粒を貯留する。穀粒タンク11の後部に、穀粒タンク11から穀粒を取り出す穀粒排出装置12が接続されている。
【0021】
〔運転部について〕
運転部4は、図1,3に示されるように、運転座席3、運転座席3の前下方に設けられて、運転座席3に着座した作業者の足が置かれる床部13、運転部4の右横側部分に設けられた乗降口14、搭乗空間を覆うキャビン15を備えている。運転座席3は、エンジンボンネット16に支持されている。キャビン15には、乗降口14を開閉するドア17が揺動開閉可能に備えられている。
【0022】
機体フレームKに、図1,3,5,6に示されるように、運転部4の下方を機体前後方向に通された2つの支持フレーム1が備えられている。2つの支持フレーム1は、機体横方向に間隔を空けて並べられている。2つの支持フレーム1のうちの右の支持フレーム1a(機体横外方側の支持フレーム)は、運転部4の下方と原動部6の下方とに亘って備えられている。2つの支持フレーム1のうちの左の支持フレーム1b(機体横内側の支持フレーム)は、運転部4の下方、原動部6の下方、及び、穀粒タンク11の下方に亘って備えられている。左の支持フレーム1bは、運転部4の下方に位置する前側部分、及び、原動部6の下方と穀粒タンク11の下方とに亘って位置する後側部分1cを有している。前側部分の後端部と、後側部分1cの前端部とが上下に重ねられて連結されている。本実施形態では、運転部4の下方に2つの支持フレーム1a,1bが備えられているが、これに限らず、3つ以上の支持フレームが備えられたものであってもよい。運転部4は、機体フレームKに備えられた2つの支持フレーム1a,1bに支持されている。
【0023】
具体的には、キャビン15の後部の左側部分に、図2に示されるように、機体上下方向に延びる枢支軸芯Pが設けられている。キャビン15は、枢支軸芯Pを揺動支点にして、図2に二点鎖線で示される如く前側部分が機体横外側に出てエンジンルーム22を開放する開き姿勢と、図2に実線で示されるように前後向き姿勢で機体フレームKに支持されてエンジンルーム22を閉じる閉じ姿勢とに亘って揺動可能になっている。
【0024】
図5,6,7に示されるように、右の支持フレーム1aの前端部と左の支持フレーム1bの前端部とに亘って前ガイドフレーム38が立設されている。前ガイドフレーム38よりも後側において、右の支持フレーム1aと左の支持フレーム1bとに亘って後ガイドフレーム39が立設されている。後ガイドフレーム39は、図6に示されるように、機体平面視において、左側(機体横内側)ほど前方に位置する傾斜姿勢になっている。前ガイドフレーム38と後ガイドフレーム39とに補強部材49が連結されている。前ガイドフレーム38の上端部と後ガイドフレーム39の上端部とに亘って板状の支持部45が形成されている。キャビン15の床部13の裏側に、支持部45に載置され、運転部4の前側部分を支持部45に支持させる被ガイド部46が設けられている。被ガイド部46は、被ガイド部46の機体横方向での両端部に設けられたゴム製のクション材47を介して床部13に支持されている。被ガイド部46は、支持部45に対してスライド可能に構成されている。
【0025】
運転部4の前側部分は、支持部45、前ガイドフレーム38及び後ガイドフレーム39を介して左右の支持フレーム1b,1aに支持される。キャビン15が開き姿勢と閉じ姿勢とに姿勢変更されるとき、被ガイド部46が支持部45に対してスライドし、キャビン15は、支持部45、前ガイドフレーム38及び後ガイドフレーム39を介して左右の支持フレーム1b,1aに支持されつつ揺動する。
【0026】
図1,4に示されるように、運転部4の機体右横外側に、運転部4に対する乗り降りに使用される乗降用ステップ18が設けられている。乗降用ステップ18には、図4,5に示されるように、上下に並ぶ2段のステップ部18U,18Dが備えられている。2段のステップ部18U,18Dのうち、上段のステップ部18Uは、図5,6に示されるように、ステップ部18Uの外周部を形成する枠部18c、及び、枠部18cの内部に機体横方向に間隔を空けて並べて設けられた2つの縦板部18dを有している。2段のステップ部18U,18Dのうち、下段のステップ部18Dは、図5,6に示されるように、ステップ部18Dの外周部を形成する枠部18e、及び、枠部18eの内部に機体横方向に間隔を空けて並べて設けられた3つの縦板部18fを有している。
【0027】
下段のステップ部18Dは、図5,6に示されるように、支軸20を揺動支点にして上下揺動可能な状態で支持部材21に支持されている。下段のステップ部18Dは、図4,5に二点鎖線で示される上昇格納姿勢と、図4,5に実線で示される下降使用姿勢とに亘って姿勢変更可能になっている。上段のステップ部18Uは、姿勢変更不能な状態で支持部材19に支持されている。本実施形態では、2段のステップ部18U,18Dが備えられているが、これに限らず、3段以上のステップ部が備えられたものであってもよい。
【0028】
〔原動部について〕
図3に示されるように、原動部6には、エンジンルーム22を形成するエンジンボンネット16、及び、エンジンルーム22に設けられたディーゼル型のエンジン5が備えられている。エンジン5は、運転部4のうちの運転座席3などの下方に設けられている。
【0029】
図3に示されるように、エンジン5に第1の排ガス処理装置23が接続され、第1の排ガス処理装置23に第2の排ガス処理装置24が接続され、第2の排ガス処理装置24に還元剤タンク25が接続され、第2の排ガス処理装置24から排気管26が延ばされている。エンジン5から排出される排ガスが第1の排ガス処理装置23及び第2の排ガス処理装置24のそれぞれによって浄化処理され、浄化処理された排ガスが排気管26によって機体外に排出されるようになっている。
【0030】
具体的には、図3に示されるように、第1の排ガス処理装置23は、エンジンルーム22のうちのエンジン5の上方に位置する部分において、長手方向が機体前後方向に沿う搭載姿勢でエンジン5に支持されている。第2の排ガス処理装置24は、エンジン5の後方において、長手方向が機体上下方向に沿う搭載姿勢で支柱43に支持されている。還元剤タンク25は、図3,5に示されるように、運転部4の下方に設けられている。
【0031】
第1の排ガス処理装置23の前下部に備えられた入力ポート23aと、エンジン5の排気マニホールド5aとが接続されている。第1の排ガス処理装置23の後横側部に備えられた出力ポート23bと、第2の排ガス処理装置24の下横側部に備えられた入力ポート24aとが連通管27を介して接続されている。第2の排ガス処理装置24の上部に備えられた還元剤取入れ部24bと、還元剤タンク25の上部に備えられた還元剤取出し部25aとが接続管28を介して接続されている。接続管28の途中に、還元剤ポンプ29が備えられている。第2の排ガス処理装置24の上後部に備えられた出力ポート24cから排気管26が延ばされている。
【0032】
エンジン5の排気マニホールド5aから排出された排気が入力ポート23aを介して第1の排ガス処理装置23に取り入れられ、第1の排ガス処理装置23において、取り入れられた排ガスの浄化処理が行われる。すなわち、取り入れられた排ガスに含まれる粒子状物質を低減させる処理が行われる。浄化処理された排ガスが出力ポート23bから連通管27に吐出され、入力ポート24aを介して第2の排ガス処理装置24に取り入れられる。還元剤タンク25に貯留されている還元剤の一例としての尿素水が還元剤ポンプ29及び接続管28によって還元剤取入れ部24bに供給されて、尿素水が第2の排ガス処理装置24に取り入れられ、第2の排ガス処理装置24において、取り入れた排ガスに尿素水が噴射されて排ガスの浄化処理が行われる。すなわち、排ガスに尿素水が噴射され、排ガスの加水分解によってアンモニアが生成され、排ガスに含まれる窒素酸化物とアンモニアとの化学反応によって排ガスに含まれる窒素酸化物を減少させる処理が行われる。浄化処理された排ガスが出力ポート24cから排気管26に吐出され、排気管26によって案内されて機体外に排出される。
【0033】
〔還元剤タンクについて〕
還元剤タンク25は、図3,4,5に示されるように、運転部4の下方に設けられている。具体的には、還元剤タンク25は、運転部4における床部13の下方、かつ、走行機体の前カバー30の内側、かつ、走行機体の横カバー31の内側に設けられている。還元剤タンク25は、図5に示されるように、左右の支持フレーム1b,1aに支持された載置台32に載置され、締め付けバンド33によって載置台32に固定されている。後ガイドフレーム39は、図3,6に示されるように、後ガイドフレーム39の横梁部が還元剤タンク25の上方を機体左右方向に通り、後ガイドフレーム39の支柱部が還元剤タンク25の機体横内側での横側方を上下方向に通るように構成されている。後ガイドフレーム39が還元剤タンク25に対するガード部材になっている。横カバー31よりも上方、かつ、乗降用ステップ18よりも機体横方向内側にタンクカバー34が設けられている。還元剤タンク25がタンクカバー34によって機体横外側方からカバーされている。
【0034】
図4,5,6に示されるように、還元剤タンク25の上部に備えられた還元剤注入部25bから還元剤供給管35が機体横外側方に向けて延出されている。還元剤供給管35の延出端部がタンクカバー34に設けられた開口34aを通してタンクカバー34の機体横外側に突出され、突出端部に、還元剤供給管35の補給口36が備えられている。補給口36は、脱着可能なキャップ37によって開閉される。補給口36は、図5,6に示されるように、機体平面視において、運転部4の機体横外側端部4a(キャビン15の横側壁部に対応する部位)に対応する位置に配置されている。補給口36に還元剤としての尿素水を入れることにより、入れた尿素水が還元剤供給管35によって還元剤タンク25に給水され、還元剤タンク25に尿素水を補給できる。このとき、補給口36が還元剤タンク25から機体横外側方に向けて、機体平面視で運転部4の機体横外側端部4aの横側壁部に対応する位置まで離れているので、補給口36に機体横外側から補給容器を近づけやすい。
【0035】
補給口36は、図5,6に示されるように、機体平面視で運転部4の機体横外側端部4aに対応する位置のうち、運転部4の床部13における機体横外側端部13aよりも機体横内側に位置する部位に配置されている。機体横外側に畦などが位置しても、補給口36が畦などに当らない。詳述すると、補給口36は、運転部4の床部13における機体横外側端部13aよりも機体横内側に位置する部位のうち、機体平面視において、左右の支持フレーム1b,1aのうちの床部13の機体横外側端部13aに近い方の支持フレーム1a(右の支持フレーム)と、床部13の機体横外側端部13aとの間の位置に配置されている。補給口36が畦などに当らないようにしつつ、補給口36に尿素水を補給容器から入れやすい。本実施形態では、補給口36が床部13の機体横外側端部13aよりも機体内側に位置する構成を採用しているが、これに限らず、補給口36が床部13の機体横外側端部13aよりも機体外側に位置するものであってもよい。
【0036】
補給口36は、図5,6に示されるように、機体平面視において、乗降用ステップ18のうちの後端寄りの部位と重複するように配置されている。乗降用ステップ18を使用するとき、補給口36が障害になりにくい。詳述すると、補給口36は、図4,5に示されるように、機体上下方向において、2段のステップ部18U,18Dのうちの上段のステップ部18Uと運転部4の床部13との間に位置するように配置されている。乗降用ステップ18を使用するときの障害に補給口36がなりにくいようにしつつ、補給口36を還元剤タンク25より高い箇所に配置でき、かつ、補給口36に尿素水を入れるとき、乗降用ステップ18が障害にならない。
【0037】
図5,6,7に示されるように、前ガイドフレーム38と後ガイドフレーム39とに補強部材40が連結されている。補強部材40の後側部分から支持アーム42が上向きに延ばされている。支持アーム42の延出端部に支持された供給管ホルダー41が還元剤供給管35の補給口側の端部に取り付けられている。供給管ホルダー41、支持アーム42、補強部材40及び後ガイドフレーム39によって、還元剤供給管35のための支持部材44が構成されている。すなわち、支持部材44は、還元剤供給管35の補給口側の端部と、機体フレームKのうちの支持フレーム1aとに亘って設けられ、還元剤供給管35の補給口側の端部を支持フレーム1aに支持させている。
【0038】
〔別の実施形態〕
(1)上記した実施形態では、キャビン15が備えられた例を示したが、キャビン15を備えないものであってもよい。
【0039】
(2)上記した実施形態では、補給口36は、機体平面視において、床部13の機体横外側端部13aよりも機体内側に位置する例を示したが、これに限らず、床部13の機体横外側端部13aよりも機体外側に位置するものであってもよい。
【0040】
(3)上記した実施形態では、運転部4が走行機体の右横側部に設けられた例を示したが、走行機体の左横側部に設けられたものであってもよい。
【0041】
(4)上記した実施形態では、運転部4の下方を機体前後方向に通された状態で運転部4を支持する2つの支持フレーム1a,1bが備えられた例を示したが、これに限らない、たとえば3つ以上の支持フレームが備えられたものであってもよい。すわなち、複数の支持フレームが備えられたものであればよい。
【0042】
(5)上記した実施形態では、上段のステップ部18Uの上方において、補給口36が乗降用ステップ18と重複するよう構成された例を示したが、これに限らない。上段のステップ部18Uと下段のステップ部18Dに間、あるいは、下段のステップ部18Dの下方において、補給口36が乗降用ステップ18と重複するよう構成されたものであってもよい。また、上段のステップ部18Uの前後方向での長さを下段のステップ部18Dの前後方向での長さよりも短くし、補給口36は、機体平面視において、上段のステップ部18Uよりも後側に位置して上段のステップ部18Uと重複せず、下段のステップ部18Dと重複するものであってもよい。
【0043】
(6)上記した実施形態では、上下2段のステップ部18U,18Dが設けられた例を示したが、これに限らない。たとえば、1段のみ、あるいは、3段以上のステップ部が設けられたものであってもよい。3段以上のステップ部が設けられたものの場合、補給口36は、機体上下方向において、最上段のステップ部と床部13との間に位置するよう構成するとよい。
【0044】
(7)上記した実施形態では、支持部材44が機体フレームKのうちの支持フレーム1aに支持される例を示したが、これに限らない。機体フレームKうち、支持フレーム1a以外のどのようなフレーム部分に支持されるものであってもよい。また、上記した実施形態では、支持部材44が供給管ホルダー41、支持アーム42、補強部材40及び後ガイドフレーム39によって構成された例を示したが、これに限らない。たとえば、単一の部材で構成されたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、自脱型のコンバインに限らず、普通型のコンバインに適用できる。また、玉ねぎ、人参など各種の作物を収穫対象とする収穫機に適用できる。また、収穫機に限らず、運搬車など各種の作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 支持フレーム
1a 機体フレーム(機体横外側端部に近い支持フレーム)
4 運転部
4a 機体横外側端部
5 エンジン
13 床部
13a 機体横外側端部
18 乗降用ステップ
24 排ガス処理装置
25 還元剤タンク
35 還元剤供給管
36 補給口
44 支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7